平成19年度護衛艦「あきづき」 Akizuki class destroyer

平成22年10月13日、三菱重工業株式会社 長崎造船所において平成19年度護衛艦「あきづき」の命名・進水式が行われました。
動画でみる護衛艦「あきづき」の命名・進水式
■ 艦艇名「あきづき」の由来
護衛艦は天象、気象、山岳、河川、地方の名を付与することが標準とされています。
平成19年度護衛艦は、19年度計画の5000トン型護衛艦の1番艦であり、新たに「天象、気象(月)の名」から選出することとされ、海上自衛隊の部隊等から募集しました。
「あきづき」は、旧海軍の防空駆逐艦1番艦、海上自衛隊においても護衛艦隊旗艦を勤めた伝統ある名称であり、知名度が高いことから、選定され、防衛大臣が決定しました。
■ 概 要
艦番号:115
基準排水量:約5,000トン
全 長:150.5m 全 幅:18.3m 深 さ:10.85m
主機関:ガスタービン4基(2軸)
馬力:64,000PS
最大速力:30ノット
主要装備:高性能20ミリ機関砲 2基
VLS装置 1式(短SAM、アスロック兼用)
62口径5インチ砲 1基
魚雷発射管 2基
FCS-3 1式
航海レーダー 1式
水上艦用ソーナーシステム 1式
えい航式パッシブソーナー 1式
魚雷防御装置 1式
EW装置 1式
情報処理装置 1式
■ 特 徴
「あきづき」の重要な役割の1つに、弾道ミサイルの警戒・対処に従事するイージス艦を当該任務に専念させるために、同艦を航空機等の脅威から防護することが挙げられます。このため、防空能力を強化する必要があり、「あきづき」においては、広域捜索・追尾、目標処理、同時処理能力の向上を図ることとしています。
■ 就役予定
平成24年3月頃を予定しています。

イージス艦守る新鋭艦19DDを調達。海自19年度業務計画
高度な防空・大潜能力。新編DDGグループで エリア防衛担う
海上自衛隊の19年度業務計画に5000トン型汎用護衛艦(DD)1隻の新規調達事業が盛り込まれている。平成23年度に除籍が見込まれるDDの後継艦で、弾道ミサイルの警戒・対処に当たるイージス艦を航空機、潜水艦、水上艦艇などの攻撃から護衛するとともに、本格的な侵略事態にも対応できる高度な防空・対潜戦・対水上戦能力を備えており、エリア防衛能力の向上を担う新鋭艦として期待される。
発展型対空ミサイルを搭載
海自は現防衛大綱で、弾道ミサイル攻撃への対応をはじめとするテロなどの新たな脅威、多様な事態等に実効的に対応できる艦種の組み合わせを念頭に、事態が長期化した際のローテーションをも考慮した部隊を編成することとされている。また、現中期防では周辺海域の警戒監視、領海内で潜没航行する外国潜水艦、武装工作船などへの適切な対応など多様な事態に実効的に対処するため、DD4隻、DDH1隻の整備が計画されている。
これに基づき、海自は19年度に、機動運用部隊となる護衛艦部隊をヘリ搭載護衛艦(DDH)、ミサイル護衛艦(DDG)各1隻、DD2隻の4隻からなるヘリ運用を重視したDDH中心グループ、DDG1隻とDD3隻で構成する弾道ミサイル防衛(BMD)を含む防空重視のDDG中心グループを基本戦術単位とする過去最大規模の部隊改編を実施する。19DDはこのうちのDDGグループの一翼を担うことになる。DDGグループは弾道ミサイルの警戒・対処に従事することが想定されているが、その際、主力となるイージス艦はフェーズド・アレイ・レーダーのエネルギーをミサイルに集中させるため、航空機、潜水艦、水上艦艇による攻撃にさらされる危険が大きい。19DDはそうした場合に備えてイージス艦の護衛に当たる。
現有のDDが持つSAMシステムは自艦防御が目的で、イージス艦の護衛には向かない。これに対し19DDは艦対空ミサイルに発展型シー・スパロー・ミサイル「ESSM」を搭載。ESSMは推力偏向装置を有し、最大50Gの旋回も可能という高い運動性能を持つ。終末誘導はセミ・アクティブ・レーダー・ホーミングだが、中間段階では慣性航法装置とデータリンクによる自律飛行も可能だ。射程は18キロ以上で、従来型は4分間の発射準備時間が必要だったが、即時発射が可能となる。垂直発射装置に1セル当たり4発が搭載できる。
レーダーシステムはFCS3改を装備。フェーズド・アレイ・レーダーを備え、半球空間全域での同時多目標への対処能力を確保する。傾斜平面を多用した船体、RCS低減型マストでステルス性にも配慮、エリア防衛の中核として活躍が期待されている。所要経費は約848億円。
◇19DD主要目=▽基準排水量5000トン▽速力30ノット以上▽主機ガスタービン4基2軸▽主要装備=62口径5インチ砲1基、高性能20ミリ機関砲2基、垂直発射装置1式、対艦ミサイル発射装置1式、短魚雷発射管2基、魚雷防御システム1式、レーダシステム1式、航海レーダー1基、水上艦用ソーナーシステム1式、電子戦装置1式、情報処理装置1式、哨戒ヘリコプター1機。
(朝雲新聞社 2006/12/14)
世界の艦船11月号は進水目前! 注目の「19DD」でしたので読まれた方も多いと思います。10月13日19DDは日本の軍艦としては由緒正しい名前二代目「あきづき」を襲名いたしました。


海上自衛隊88艦隊の汎用DDとして「はつゆき」型が登場して

以降進化しつづけ3000トンクラスになった「あさぎり」型

VLSを搭載するようになった「むらさめ」型

54口径127ミリ速射砲を備えた「たかなみ」型につづき5クラス目となる。
あきづき型はミニイージス艦というより、BMD能力を取得する以前のイージス艦と遜色のない能力を持つ艦隊防空護衛艦と言って過言が無いであろう。
計画当初は米国のズムフォルト型を連想させる(A案)のような未来型をしていたが
(B案)のような普通の船型に戻り、ステルス船型についても従来艦よりは改善されたものの予算の問題からだろうからか、ズルズルと後退し「たかなみ」型改良に留まった。
「こんごう」型イージス艦が弾道ミサイル防衛能力付与の改修を受け 、弾道弾迎撃ミサイルであるSM3を搭載した。イージス艦が弾道ミサイル防衛に専念した場合、弾道ミサイルの捜索と追尾にSPY-1Dレーダーのレーダーにその能力を大きく消費する。議論は分かれているがSPY-1Dレーダーの能力が低下し、在来型の脅威である航空機、水上艦、潜水艦からの ミサイル攻撃に対して非常に脆弱になることが想定されFCS-3射撃子規システムを中核として、 在来型の脅威に対する艦隊防空と個艦防空の中間に当たる僚艦防空能力を持たせたのが本艦クラスである。
レーダーにガリウム・ナイトライド素子を採用することで、モジュールの出力はひゅうが型の搭載システムの3倍以上に増強されており、FCS-3Aを管制する戦闘指揮システムOYQ-11にも複数目標や横行目標(自艦ではなく僚艦へ向かう目標)を対処するためのアルゴリズムが追加されている。 これらの性能向上策により、あきづき型護衛艦の搭載システムは僚艦防空 (Local Area Defense)任務に対応しうる性能を有することになる(『ひゅうが』搭載のモデルは最大探知距離200キロ以上、最大追尾目標数300程度とされる)。これは、ミサイル防衛任務によって、護衛隊群のイージスシステム搭載ミサイル護衛艦のリソースが割かれることで生じる間隙を埋めるために必要な措置である。具体的には、ミサイル防衛作戦中に通常の航空脅威に対して脆弱となるイージス艦を直接護衛したり、あるいはミサイル防衛作戦のためにイージス艦が引き抜かれた艦隊の防空を担当することが考えられている。また新たに127ミリ砲の管制機能も付加されている。これによりFCS-3AとOQY-11が射撃計算や弾着観測を担い、対空・対水上・対地の各種砲撃の管制することとなる。
「こんごう」型に付与されたイージスBMD3.6システムは在来型の防空戦と弾道ミサイル防衛を同時に遂行できると試験でも示されおり、そもそもSM3はイルミネーターSPG-62に干渉しないため 、SPG-62により誘導されるSM2の能力は低下しないといわれるが、実際どうであるのかは軍事機密であり軍艦ファンの中で議論が分かれる。
搭載するESSMの射程 についてはhttp://www.designation-systems.net/dusrm/m-162.htmlによれば50Km+となっており、初期のイージス艦の防空範囲と大差はない。
当初の計画では搭載ミサイルは日本が誇るAAM-499式空対空誘導弾の艦載型でアクティブ・レーダー誘導のRIM-4であったが、予算の関係化それとも本艦の推進主機をめぐる守屋次官の逮捕が影響したかはわからないが、キャンセルされESSMにになったのは非常に残念だ。VLSのセルは32セル。16セルに4発のESSMを搭載できるので最大で64発が装填される。残りの16セルにはアスロックを搭載するが、20DDからは国産開発された97式短魚雷を搭載した07式垂直発射魚雷投射ロケットを搭載し、本艦も後日換装される予定だそうだ。
また、艦載ヘリの運用も常用機は1機だが、SH60Kであれば2機搭載可能で、着艦拘束機も2機分用意されている。MCH-101掃海・輸送ヘリコプター1機にも対応可能であり。無人ヘリの運用も検討されている。
コメント
コメント一覧 (14)
Ddog
が
しました
Ddog
が
しました
Ddog
が
しました
インキャットの双胴船(日本だとナッチャン)がこの船型(原型)です。
(Wikiのウェーブピアサーの説明は間違いと思います インキャットを参照のこと)
Ddog
が
しました