リパトリ進めば円高転換も、円安の株価押上げ効果は限定的

[東京 16日 ロイター] 16日午前の東京市場は円安を好感し日経平均は続伸。ただ本邦企業による海外留保利益の本国送金による円買い需要(リパトリエーション)が年度末に向けて強まれば、円高転換する可能性が大きいとの見方もあり、株価の押し上げ効果としては限定的だ。
 年度末接近で国内勢の持ち合い株の解消売りも強まるなか海外勢の日本株買いがどこまで継続するか注目されている。

 <昨年3月のリパトリ額はそれまでの2倍>

 午前の外為市場でドル/円は83.75円を中心にこう着。市場では本邦企業による海外留保利益の本国送金による円買い需要が話題となっており、ドル/円が近々ピークアウトするとの見方が出ている。
 ドル/円は過去において2月中旬から3月中旬にかけて下落する傾向が強いが、「本邦企業による海外留保利益の本国送金が、年度末に向けたドル/円相場の下落の一因となっていると考えられる」とJPモルガン・チェース銀行のチーフFXストラテジスト棚瀬順哉氏は指摘する。

 2009年4月に本邦企業による海外留保利益の本国送金に対する税制優遇措置が実施されて以来、送金額は増加しており、2009年度の送金額は3.2兆円と、2001年度から2008年度の平均の1.8兆円を大きく上回った。また、税制優遇措置導入後最初の年度末月となった2010年3月の送金額は7587億円と、2001年度から2009年度の平均(3869億円)の約2倍となっており、今年の3月もリパトリが膨らむ可能性が大きいとみられている。

 <株式市場でも円安期待は限定的>

 日経平均は続伸。取引時間中としては2010年5月6日以来、約9カ月ぶりに1万0800円台を回復した。欧州系など海外勢のまとまった買いが引き続き観測されている。「1万0760円から1万0800円まで先物に大口の買い注文が入った。為替が83円台後半の円安に振れたことで、企業業績への懸念材料が後退しつつある。りそなHD(8308.T: 株価, ニュース, レポート)が公募価格の440円に接近するなど銀行株が高く、個人資金の回転も効き始めている」(大手証券エクイティ部)という。

 ただ現時点で円安効果への期待は株式市場ではそれほど大きくない。年度末のリパトリによる円高懸念や、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが当面ないとの見方が再び強まれば円安進行が止まるとの見方が出ているためだ。市場では、今年、米金利上昇によるドル高・円安が進むとの予想は依然多いが、年初以降はその予想に反し円高気味に進んでいたため、多少の円安では楽観に傾きにくい。

 1月の米小売売上高が市場予想を下回ったのは豪雪の影響が大きいとみられ堅調な景気回復が継続しているとの市場コンセンサスに変化はないが、一方で米経済には需給ギャップや高い失業率などの問題点も残っている。「円安の持続性には疑問もある。FRBの利上げがかなり先になるとの見方が再び強まればトレンド転換もありうるだろう」(三菱UFJ投信・戦略運用部副部長の宮崎高志氏)という。

 業種別で上昇率が高いのは銀行や証券など出遅れ感のあった金融セクターで、自動車など先行して株価が上昇してきた輸出株は円安期待で堅調だが、内需系に比べ伸び率は鈍い。

 市場では「日経平均1万0700円─1万0800円付近は持ち合い株解消など国内勢からの売りが出やすい。海外勢の買いがどこまで継続するかが焦点だ」(国内証券ストラテジスト)との声が出ていた。

 <5年物国債入札に絡んだヘッジ売り> 

 午前の円債市場では、国債先物が反落。前日の米10年債利回りが若干低下したが、円安/株高が意識されたほか、5年物国債入札に絡んだヘッジ売りで上値が重い展開となった。10年ゾーンにもポジション調整の売りが出た。
 今後の相場展開について、RBS証券・チーフ債券ストラテジストの福永顕人氏は「景況感が良くなっているため、金利のレンジが持ち上がる動きがみられた。もっとも、日銀の金融政策が近い将来変わることは見通せないので、金利が一方的に上昇する局面に入ったということではなく、新たなレンジをつくり始めた」との見方を示している。
(ロイターニュース 金融マーケットチーム;編集 内田慎一)
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為替市場の円/ドルレートは円安が進み、チャート面では昨年後半以降の三角保
ち合いからの上放れがより鮮明となってきた。また、短期的な円安加速のシグナル
となりやすい5週前値抜けをうかがっている。さらに上記週足の一目均衡表上のテクニカル指標は円高トレンドから円安トレンドへ大きく変わるシグナルが点灯寸前だ。また、右肩下がりのBOXの中で円高が進んでいたが、ついにBOXを抜け出る可能性が高まってきた。
 
為替の80 円/ドル割れは当面回避され株式市場でも安心感がでている。
 
為替が変動する要因としてその市場の空気がリスクを許容する相場なのか、それともリスクに敏感なのかで、買われる通貨が異なってくる。
 
リスクに敏感であった場合円は最も選好され次が米ドル、ユーロ、資源国通貨、新興国通貨の順である。反対に現在のようなリスク選好的な場合、高金利通貨高・低金利通貨安になる。しかし直近半年はリスク選好的であったにもかかわらず、高金利通貨高・低金利通貨安という傾向はあまり明確ではなかった。これは、各国経済・金利動向の格差などを映す通貨政策の方向性を見定めようとしていたからだと思います。
 
世界景気が回復を始めてから比較的早い段階であることが、各国金利動向のバラツキを生んでいる。ただし、長期的には各国の景気回復が進展して金利動向の同調性が増すにしたがい、今後リスク選好の高金利通貨高・低金利通貨安が明確化していくのではないかと思う。
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白川日銀総裁は2011年2月15日の会見で、足元の景気判断を「改蕃テンポの鈍化した状態から徐々に脱しつつある」とし、前回から前進させた。
 
景気の現状について、昨秋以降の改善の動きに一服感が見られた状態から、海外経済の回復や情報関連財の在庫調整の進ちょくなどで輸出が増加に転じるとともに、駆け込み需要の反動減が見られていた自動車も反動減の影響がこのところ、小さくなっている」と指摘。生産も増加を続けているとし、「景気は展望リポート中聞評価の免違しに沿って着実に前進している」と日銀が描く景気回復シナリオに自信を示した。
 
日本も景気回復に向かい金利が上昇するがその他諸国から比べると目先の金利は上がらず、相対的な金利差は拡大しそうだ。日米金利差からすると、どうも円安は本格化する可能性があると思う。
 
 
 なお、相場観については、私の勝手な感想ですので一切の責任は負いません!