【ワシントン=岡田章裕】米連邦政府の債務上限引き上げ問題で、米上院は2日(日本時間3日未明)、債務上限の引き上げと財政再建策に関する法案の採決を行い、74対26の賛成多数で可決した。デフォルトを回避したにもかかわらず、円/ドルは依然戦後最高値近辺で推移している。このことを意味するところは大きい。
すでに下院は可決しており、オバマ大統領が同日、署名して法律が成立した。
米国のデフォルト(債務不履行)危機は回避された。
米連邦政府の総債務残高は、5月半ばに法律で定めた上限(14兆2940億ドル)に達し、年金基金などから資金を流用していた。8月2日に資金不足となり、米史上初のデフォルトに陥るとの懸念が出ていた。
法律によると、米政府は10年間で2・4兆ドル(約185兆円)の財政赤字削減策と、同規模の債務上限引き上げを2段階で行う。第1段階では9170億ドル分の赤字削減策を実行。第2段階で議会に超党派の委員会を設置。社会保障制度や税制の改革などの追加財政再建策を年末までにまとめる。内容が不十分な場合は、自動的に歳出削減策を発動する仕組みも導入する。
2011年 08月 2日 08:59
[東京 2日 ロイター] 日銀は8月4、5日に開く金融政策決定会合で、急激な円高進行を受けて追加緩和を検討する。政府が為替介入を実施すれば平仄(ひょうそく)を合わせて実施する。日本時間8月2日午前米下院で米債務上限引き上げ法案を可決、上院に送付した。目先デフォルトが回避されても、円高が止まらなくなっている。
介入がなくとも円相場がさらに急騰し、米国など海外経済の不確実性の高まりが、東日本大震災による一時的ショックから立ち直りつつある日本の経済・物価に影響を与えると判断すれば追加緩和に踏み切る。関係筋が明らかにした。追加緩和の手段としては資産買い入れ基金の増額が有力だ。
米下院は1日夜(日本時間2日午前)与野党指導部が合意した米債務上限引き上げ法案を可決、上院に送付した。しかし、米連邦政府のデフォルト(債務不履行)が回避されても、格付け会社による米国債の格下げリスクは残り、ドル安・円高がさらに進行する可能性がある。
日銀では、円高・ドル安が中期的に継続し企業の海外移転や国内産業の空洞化が加速する可能性を懸念する声が出ている。円相場が過去最高値(1ドル76.25円)に近づくなどさらに円高が進み株価が急落すれば、企業マインドが急速に悪化、実体経済に波及する懸念が強まるとして、政府の為替介入の有無とは別に追加緩和の必要性を議論する。
米国では、4─6月期国内総生産(GDP)が前期比1.3%増と市場予想を下回ったうえ、1─3月期のGDPは0.4%増と従来の数字(1.9%増)から大幅に下方修正された。7月のISM製造業景気指数も50.9と前月の55.3から大幅低下し2年ぶり低水準となるなど、経済の下振れを示唆する指標が相次いでいる。日銀内では、昨年8月、米国の景気減速と金融緩和(QE2)観測から円高ドル安が進展した際、追加金融緩和が後手に回ったとの経緯があり、果断な政策対応が必要との声も出ている。
これは、強固な円高というより円が実質的に基軸通貨としての役割を果し始めたのではないだろうか?
《為替談議 実質的に基軸通貨となった円》にて、円が基軸通貨となり始めた事を私は指摘した。
私は、自分の蓄積した知識と洞察力を信じている。円が基軸通貨となったと騒ぎ出したと言い出しているブログは知らないが、今の現象は驚く事に円の基軸通貨化と言って過言ではない。
米財政赤字は、一時的なものではなく、慢性的に何度も上限を引き上げ続けなくてはならなくなることが露呈、消費主導の米国経済も住宅価格の低迷で消費も伸び悩んでいる。
米国の「過剰消費」体質は解消されておらず、景気が回復した10年には経常赤字がGDP比3・2%と再び増加した。
グローバル化に伴う米製造業の空洞化もあって不均衡の是正にはかなりの時間がかかるだろう。米国の赤字体質は当分変わらないとみられ、ドルには引き続き減価圧力がかかると予想される。
これまでは、いままでと代わらぬドル安要因であったが、円の基軸通貨化の要因は新興国の動きである。
他の新興国も黒字拡大に伴う自国通貨高圧力を為替介入で抑えて輸出競争力を維持し、介入で増えた外貨準備のほとんどを、米国債を中心とするドル資産で運用したからである。
ところが、新興国がこれまでのペースでドル買い介入を続けることは難しくなりつつある。最大の外貨準備保有国である中国では、急激な人民元高を抑えるため、中央銀行である中国人民銀行が為替介入を行っており、介入によリ市中に供給された資金がインフレ圧力を高めぬよう、保有証券の売却や預金準備率の引き上げなどで資金を吸収している(いわゆる「不胎化」政策)。
しかし、外貨準備が人民銀行の資産の81%を占める(今年5月末)ほど巨額化したことに伴い、不胎化のコストが無視できなくなってきた。 保有証券を売り尽ぐした人民銀行は、03年から中央銀行債を発行して不胎化を行っているが、米金利の低下で外貨準備(主に米国債)の運用利回りが中銀債の調達コストを下回る逆ザヤとなっている。いまや介入すればするほど、人民銀行の収益を圧迫する構造となっている。さらに、人民銀行は中銀債を市場実勢よりも低利で国内の商業銀行に引き受けさせており、異例に高い預金準備率とともに、商業銀行の財務の健全性を損ねることが懸念されている。
不胎化コストの増大に加えて、経済情勢が新興国のドル買い介入を後退させる可能性もある。旺な新興国需要を背景に、資源や食糧など1次産品価格は中期的に高止まる公算が大きい。その結果、国内のインフレ圧力が高まれば「自国通貨価値安定による輸出競争力維持」から、「自国通貨高容認によるインフレ抑制」へと為替政策が変わることもあり得る。こうして新興国によるドル買いがペースダウンすることで、今後、ドルの基軸通貨としての機能が失われつつある。
上海の証券会社関係者によると、中国の外貨準備のうち、円資産は大体5~6%と推測されており、それを10%程度に引き上げるとみられている。
また、3.11直後、政府と違い機動的に大胆な追加的金融緩和を行ってきた日銀が、大規模補正予算とあわせて日々の資金供給量を減少させていることも円高の要因だ。
マクロ経済学でいう「マンデルーフレミング効果」も円高=基軸通貨化を加速している。
変動相場制の下では、自由な資本取引から、インフレ調整後の実質金利は2国間で等しくなると想定される。
財政政策は、経済に潜在的な金利上昇圧力をもたらすが、現実の世界では金利は変動せずに為替レートの上昇によって調整されている。為替レートが上昇すると、輸出に減少圧力がかかるので、変動相場制下では財政政策に景気拡大効果を期待することができない。逆に、金融緩和は為替レートの下落から輸出を増加させるため、景気拡大効果を持つ。
7月25日に第1次補正予算が成立する一方、日銀が資金供給額を減少させるという「財政支出拡大」金融引き締め」の組み合わせに結果的にはなっている。マンデル・フレミングモデルの法則どおりに円高となる。
サムスン電子LGなど韓国企業がドルと連動するウォンのおかげで、日本の国際競争は敗北して、貿易黒字がなくなり、円高圧力も解消しているのか、といえばそうではない。韓国は対大幅日赤字である。中国も香港を含めれば大幅な対日赤字だ。
依然日本は輸出競争力は強い。3.11直後関東~東北の日本のほんの一部の工場が操業を止めただけで、重要部品が供給されず世界中の工場が稼働しない。日本中の全体を考えれば依然日本の競争力はつよい。

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