

2014年は米国景気の好転で米国金利が30年ぶりに上昇します。しかし、金利が上昇してもPERが上昇するので株価は上昇する。
2013年 11月 15日
抜粋 <資産バブルと金融政策の役割>イエレン次期FRB議長は資産価格の容認を行っている。
全般的に見て、主要セクターで少なくとも金融安定を脅かすような資産価格の不均衡が出ているとの証拠は現時点では見られない。
資産価格の不均衡への対処にあたり、金融政策を利用することは排除しない。ただ、金融政策は矛先が鈍いツールであり、また、FRBは議会から非常に重要な目標である最大雇用と物価安定の達成に向けこうしたツールを利用するよう要請されているため、議会がわれわれに委託したこれらの目標の達成に金融政策をまず利用し、その他のツールを金融安定に対する脅威に対処するために利用するべきと考えている。
低金利環境によりリスクの高い行動が触発される可能性がある。金融政策が役割を果たさなければならない可能性は排除しない。
<株価、バブル>
株価は力強く上昇したが、われわれが採用している株価収益率(PER)に似た伝統的な価値評価指標でみると、まだバブルの状況ではない。
株の予想リターンと国債などの安全資産との差でみても、バブルの域には達していない
また日銀の黒田総裁 は4月には市場に供給する資金量を2年間で倍増させる「異次元」の金融緩和を導入した。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」で第1の矢に位置付けられ、2年で2%程度の物価上昇率の達成を目指す。だが、市場では来年度にも追加緩和に踏み切るとの予測が早くも強まっている。
PERが横ばいでも企業業績の上昇で日経平均は18000円、PERの上昇が容認していくと1/2戻りの22900円も可能性はゼロではない。

2012年後半のアベノミクススタート時から1年で市場で日経平均は約二倍の16291円で終わった。アベノミクススタート時に騒がれていた短期での崩壊論は最近姿を消している。アホノミクスと下品な言葉を発する浜矩子の信憑性は無くなっている。
アベノミクスを批判する経済学者は批判するだけでその代替え経済モデルを持っていない。あったとしても、日本が縮小困窮していくシナリオのなかでいかに安楽死するかしか提示できない。
私を含めてまだ2014年春頃には2%の物価上昇率目標に黄信号が灯ると読んでいる市場関係者は多いが、日銀は弱気の見方はしておらず実現の可能性を強調している。
日銀は来春に物価上昇率が大きく鈍ることはないと考えている。アベノミクスは批判めいたことを言われたが物価は日銀のシナリオ通りに動いている。日銀の内部でも円安の効果は過去の例から見てどこかで一巡すると自覚していた。しかし、アベノミクスは人々の心理を変化させた。
2013年4月の異次元緩和以降、緊縮派の保守的な経済学者からはアベノミクスは単なるばら撒きに過ぎないと批判されている。そのことは経済学をかじったことがある人間であれば誰でもわかることだ。だが、最近隆盛してきている行動経済学では人間の心理を経済行動の大きな要因に加えている。
長い間、デフレ経済に慣れ親しんでしまった経済環境は「乾いた薪」である。 20年近く放置され十分に乾燥した薪である。火がつけられれば一気に燃えあがってしまうことは間違いない。また、燃えあがってしまった薪も新しい薪が加えられれぱかまどの火は再び燃え上がる。アベノミクスは日銀を使って乾いた薪に火をつけたのである。
日銀は物価上昇の芽はその他の乾いた物にも点火していくことは間違いないと
見ている。今後、幅広い物に点火し、乾いた薪が燃え上がることは間違いない。
2013年4月から物価は日銀のシナリオ通りに動いているとの見方が強まっている。
[東京 30日 ロイター] -日銀は30日、年内最後の営業日となる同日のマネタリーベース(資金供給量)の残高を公表した。今年4月に導入した異次元緩和によって積極的な資金供給を続けた結果、201兆8500億円となり、年末目標の200兆円を突破。前年末に比べて1.5倍程度に膨らんだ。
日銀は2%の物価安定目標の早期実現に向け、来年も大規模な金融緩和を継続する。
今年3月に就任した黒田東彦総裁の下、日銀は長期国債の大量購入を柱に、マネタリーベースを年間で60─70兆円増加させる異次元緩和を導入。マネタリーベースの残高と長期国債、株価指数連動型上場投資信託(ETF)の保有額をそれぞれ2年間で2倍に拡大することを目指し、大規模な資金供給を継続している。
この結果、同日に公表した主要勘定によると、30日の国債保有額(短期国債含む)は181兆3958億円となり、前年末の約113.7兆円に比べて1.6倍程度に増加した。
異次元緩和の狙いは、日銀が掲げている2%の物価安定目標を2年程度で実現すること。足元では、消費者物価(生鮮食品除く、コアCPI)の前年比上昇率が1%を超えてきており、順調に道筋をたどっていると評価している。日銀では、早期の目標達成に向けて「来年も引き続き、量的・質的緩和をしっかり実施していく」(黒田総裁)と大規模な金融緩和を続ける方針で、2014年末のマネタリーベースは270兆円に拡大すると見込んでいる。
(伊藤純夫 編集:田中志保)
考えてみると、20年近くにおよんだ円高と株安で日本経済は「成長」という言葉を忘れたカナリアになってしまった。1990年までのバブル以降に就職した若者達は正規の就職先を失い、不安定な生活基盤しか持てない。例え就職したとしても給与は下がることしかなく、物価も下がる場面しか経験したことがない。
バブルを知らない40代前半以下の世代の働き盛りで消費の中心となる世代が最も乾いた薪になってしまっている。この世代は物を買ってちょっと贅沢をしようなどとの考えは生れない。なるベく消費をせずお金も使わないという行動パターンが身についてしまっている。
また企業経営者も若者達と同じようにバブルに浮かれるような人は少なく、デフレ時代に合った会社をいかに作っていくか毎日考えている。社員を人員整理し、給与をいかに低くしてデフレ時代に見合った経営ををしないと会社が倒産してしまう。
日本はバブル崩壊以降、個人も会社もこの負の連鎖で日本社会をデフレスパイラルにしていったのである。成長という言葉が「死語」のデフレ社会がバブル崩壊以降20年弱続いてきたのである。こんな社会に陥ってしまった日本経済を歴代の政治家は見て見ぬふりをしながら今日まで来てしまったのである。
バブル崩壊後、バブル時代に蓄えた莫大な財産を使い果して、超円高で多額の資産を失った場面で、2011年11月に安倍首相が意を決してアベノミクスを立ち上げて日本経済再建に動き始めたのである。
アべノミクスを始めたからといって、すぐに効果がでてくるものではない。デフレスパイラルに陥ってしまって、国民が「成長」という言葉を忘れた状況の中で発した成長戦略である。アベノミクスとは「無という経済の中で有という経済」を作る仕事であると思う。
日本経済が復活するであろう最大の要素は「日本そのものの魅力」であると私は思う。クールジャパンはもはや完全に定着し、円安に動けば日本に外国人観光客が大挙訪れる素地は出来上がっている。観光を中心としたインバイドビジネスがこれからの日本の成長産業となることは必至だと思います。
今の40代以下の外国人の多くは子供の頃から日本アニメで育ち、日本製品を使ってきた世代です。日本に興味を持たないわけがありません。日本にこれまで来れなかったのは円高だったからです。今年外国人観光客は1000万人を突破しました、外国人観光客が1年に2000万人来るのも予想より早いかもしれません。
外国人ははじめは、秋葉原や日光、浅草などから増え始めているかもしれませんが、日本には外国人に見てもらえるような観光地や古い歴史が沢山ある。それに以上に何気ない普通の日本が外国人にとっては非常に魅力的に映っているらしい。地方の名もない温泉が外国人で溢れかえる時代がもうすぐそこかもしれません。
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話を戻します。
2014年はウインドウズXPの買い替え特需が発生します。パソコンではなくタブレットに置き換わるかもしれませんが、パソコン関連産業も活気付きます。
不動産も、2014年は東京の一部のプレミアムが付く場所から周辺に広がりだしてきました。事実2013年の秋まではまったく動いていなかった横浜近辺の不動産が、私の取引先の不動産関係の社長さんたちからの話では、秋ごろから遂に動き出しました。これもインフレ期待のアベノミクス効果かもしれません。
また、リニア新幹線着工、首都高の補修など道路橋梁のインフラ補修で建設関連も動き出したのは事実です。高額高級品も売れるようになりはじめてはいますが、消費税が上がったあと、消費は落ち込む可能性があり、状況を見て日銀は追加緩和を4月以降してくる可能性は非常に高い。
また、次の消費税10%に向け更なる景気対策も期待できる。私は反対だが1月の国会ではカジノ関連法案が審議される。
嶋津洋樹 SMBC日興証券 シニアマーケットエコノミスト(2013年12月31日)
デフレ脱却こそがアベノミクスの核心だと考える筆者にとって、2013年は小さいながらも重要な一歩を踏み出したと評価できる年となった。
そのことは、当初「願望リポート」と揶揄された黒田日銀の最初(4月26日公表)の「展望リポート」のうち、13年度の見通しが現実味を帯びたことからも明らかだろう。長らく米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)をウォッチしてきた立場からみると、日銀の金融政策の効果に否定的で「願望リポート」と批判していた側の見通しこそが、金融政策には効果がないという「願望」に基づいたものだったようにみえる。
もっとも、足元の消費者物価指数(CPI)の上昇を「物価面での好転」と素直に評価しているのは、黒田日銀総裁ぐらいだろう。大方の見方は、円安やそれに伴う輸入物価の上昇に主な原因を求めている。公共料金など、必ずしも需給を反映しない財やサービスの上昇も指摘されている。しかし、そうした説明も上昇品目が50%に迫ってくるなかで説得力を失いつつあるようだ。最近は、CPIが上昇し続けても日銀が「量的・質的金融緩和」で目指す「2年で2%」の達成は難しいと、矛先を変えたうえで金融政策の効果に疑問を投げかけているのも耳にする。
黒田日銀の最初の展望リポートが民間の経済予測よりも正確だったことを踏まえると、15年度のCPI上昇率(消費税率引き上げの影響を除く)が政策委員予想の中央値であるプラス1.9%に近づく可能性を否定することは難しい。FRBやECBの金融政策運営が物価安定のピンポイントでの達成を目指していないことからも、黒田日銀が「2年で2%」を達成する可能性は十分にあると考えている。
<重要なのは為替変動より世界景気動向>
もちろん、「景気回復の実感がない」という声に代表される通り、デフレ脱却からの一歩が日本全体に行きわたっているわけではない。「日用品の値上がりで、かえって生活が苦しくなった」との批判があるのも承知している。しかし、株式や不動産などの資産価格が上昇し、大企業や都心部が中心とはいえ、景気の回復が続いているのは事実だろう。
そのすべてを黒田日銀の成果というつもりは毛頭ないが、バーナンキFRB議長が金融緩和策の波及経路として「住宅およびその他の資産の価格上昇は順次、家計の富と消費者の信頼感を回復させ、消費支出を押し上げ、生産と雇用の増加に貢献する」(5月22日議会証言)と説明したことに日本の現状が重なるのは偶然ではないはずだ。
そもそも筆者からみると、「量的・質的金融緩和」で為替相場に影響を与えることはできないとか、株価上昇は続かないといった批判がいつの間にか、「設備投資は増えない」「賃金は増えない」「景気回復を実感できるのは大企業や都市部だけだ」などに、すり替わったことが不思議でならない。その設備投資や賃金に関する批判も今では、「更新投資に過ぎない」「所定内給与が増えない」といった具合に、視点や定義が変わっている。それほど頻繁に評価方法が変わるのでは、「量的・質的金融緩和」の効果が見つからないのも当然だ。
最近は、日本企業が長引く円高に適応したことで、円安に伴う輸出増の効果が大幅に低下したとの批判もある。筆者もその可能性は否定しない。しかし、それで説明できるのは、全体のうちのわずかだろう。
実際、日本の輸出にとっては、為替相場の変動以上に世界景気の動向そのものが重要だ。そして、世界景気に連動すると考えられる輸出(輸出金額/輸出価格)は11年8月から13年9月までほぼ横ばい圏で推移。この間、輸出の伸び悩みは中国や台湾、韓国、ドイツなどでも観察されている。日本だけが輸出の伸び悩みに直面しているわけではない。しかも、その世界輸出も13年10月にようやく11年8月の水準を上回った。このまま増加が続くという前提に立つと、日本の輸出が今のまま伸び悩むとは考えにくく、世界景気の回復とともに足取りをしっかりさせる可能性は高い。
<株価が冴えなかった福井総裁2年目>
それにしても、黒田日銀に対する批判はなぜいつも金融政策の直接的な効果が及びにくい物価以外へも向かうのだろうか。FRBは「物価の安定」と並び「雇用の最大化」を金融政策の目標としているが、同時に物価以外は財政や税制、規制などの非金融政策で決まるとの立場も明確にしている。
筆者は中央銀行が、金融政策の直接的な効果が及びにくい「物価の安定」以外を目標とすることに慎重だ。金融政策の効果に否定的な意見が多い日本で、それを万能薬とみなす傾向が強いという矛盾は、「量的・質的金融緩和」に効果(作用)がないとしつつ、副作用を指摘する構図にも反映されているように思える。
黒田日銀総裁は12月25日の講演で「日本経済にとって、現在は、実体経済や金融市場、人々のマインドや期待など、好転の動きが幅広くみられており、デフレ脱却に向けた千載一遇のチャンスである」と発言。「経済界・産業界においても、経済の好循環の実現に向けた前向きな動きが拡がっていくことを強く期待している」と締めくくった。
筆者も14年は、13年に踏み出した小さな一歩が次の大きな前進につながることを期待している。金融政策が実体経済へ波及するには1年から1年半の時間がかかるという一般論に比べて、「量的・質的金融緩和」の効果が早く顕在化してきたことを踏まえると、なおさらだ。
ただ一方で、黒田日銀は14年に試練を迎える可能性が高いと警戒している。1年目にブレークした新人が陥りやすい「2年目のジンクス」だ。たとえば、黒田総裁が上述の講演で言及した米国のニューディール政策の時代を振り返ると、ルーズベルト大統領の就任2年目の株式市場は不調だった。日本でも、デフレからの脱却に最も近づいたとされる福井日銀総裁時代の株式市場を振り返ると、就任2年目のみが冴えなかった。
それぞれを取り巻く政治的、経済的な環境は違うものの、期待のハードルが低かった1年目に比べ、2年目はやりにくさがあるだろう。成功による慢心はケアレスミスを引き起こしやすい。また、そこに付け入る「敵」も現れやすいだろう。筆者は依然として黒田日銀がデフレ脱却に成功し、物価の安定を達成する可能性が高いと予想しているが、それにはまだいくつもの試練を乗り越える必要がありそうだ。
*嶋津洋樹氏は、1998年に三和銀行へ入行後、シンクタンク、証券会社へ出向。その後、みずほ証券、BNPパリバアセットマネジメントを経て2010年より現職。エコノミスト、ストラテジスト、ポートフォリオマネージャーとして、日米欧の経済、金融市場の分析に携わる。
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