5日午後4時10分ごろ、長崎県佐世保市の高1女子生徒を殺害した疑いで逮捕された少女(16)の父親(53)が、市内の自宅で死亡していると消防から佐世保署に連絡が入った。佐世保署は自殺したとみて死因を調べている。

捜査関係者によると、自宅を訪れた知人女性が首をつった状態の父親を発見し、消防に通報。駆け付けた消防署員が死亡を確認した。

父親の代理人弁護士によると、父親は事件前の今年3月、少女に金属バットで殴られ、その後、少女を精神科に通院させていた。父親が学校関係者に「事件にしたくない」と殴打について口止めしていたことも県教育委員会の調べで明らかになっている。

父親は事件後、「どんな理由や原因でも娘の行為は決して許されるものではない」と謝罪の書面を公表。この書面では「生きる自信さえ喪失しかけているが、私の命でおわびしても償えることではない」として遺族への謝罪や補償などに対応する意思を示していた。

一方で、父親と再婚した母親に少女が「人を殺したい」と打ち明けたことを受け、事件前日、精神科医に「(少女を)入院させてほしい」と頼んだが、実現しなかったことも弁護士を通じて明らかにした。

少女は7月26日、1人で暮らしていた市内のマンションで、同級生の女子生徒(15)を殺害したとして、翌27日に殺人の疑いで県警に逮捕された。検察側が精神鑑定を請求し、医療施設に身柄を移されている。
私も高校1年の娘の父親である。被害者も加害者の立場や気持ちを思うと他人事には思えない。私の家内も一昨年秋に癌の摘出手術をしたが、幸いなことに存命している。

死者に鞭打つようだが、生前の成功した人生はすべて帳消しとなる。無責任で最低な男として人々に記憶される結果となった。

妻と死別して直ぐに自分の娘の戸籍を抜き、思春期で難しい年代の娘、しかも精神的に問題がある娘を一人暮らしさせるなど言語道断。再婚は自由だと思うが、よく再婚をすぐにしようとしたものだ・・・ 例え新しい恋をしたくても、少しは喪に服すのが一般常識だ。恋をしても結婚するのは早すぎるし子まで作っておいて自殺するなど言語道断、人間性に問題がある。そんな男の娘だからこそ罪を犯してしまったと人々は思う。たぶん、彼の魂は地獄の奥底に堕ちていったであろう。

娘の鑑定留置期限は11月10日であった。今後殺人事件を犯した娘を誰が面倒を見るのだ?。あと1か月もすれば、父親は娘と再び向き合い、娘に被害者の冥福を祈らせ、償いさせることを諭す父親としての義務があった。加害者の娘がこれ以上罪を重ねないように監視する重い十字架を背負う義務があったのに、結局自分のことしか考えていなかったのであろう。罪を犯した娘と向き合う矢先に逃げるように自殺した。

この事件の一番の原因はこの男の自尊心の後ろに見え隠れする彼のコンプレックスであったのではないかと思う。

加害者の父親の人生は一見、劣等感や敗北感などとは無縁のようだったかもしれないが、実は劣等感を持ち続けたのではないか?彼の劣等感をを隠すかのように、異常に高いプライドを持とうと努力し続けた。
人の心の奥底など他人には見えない。劣等感に苛む自分の心の内を見せないようにしてきたようにしか思えない。

ひょっとすると、彼の死別した前妻に対して屈折したコンプレックスがあったかもしれない。前妻が東大、自殺した父親が早稲田・・・・完全無欠の彼の人生からすれば、我々からすればどうでもいいことだが、実はとてつもないコンプレックスだったかもしれない。

健常な精神を持っていれば妻にコンプレックスなど感じないのだが、自殺した父親は強いコンプレックスがあったのではないか?それゆえ死別直後に婚活をしたのではないか?妻の血を引く自分の娘も愛せなかったのではないか?これは推測でしかないので、コンプレックスの原因を彼の前妻としたが、もしかするともっと別なコンプレックスがあったかもしれない。人の心の闇は他人にはわからないものだ。

自殺した父親は、常に他人からの見える自分を常に意識していた人生だったと思う。私は何か大きなコンプレックスを抱え生きてきたように思えてならないすべてコンプレックスの裏側だったような気がする。自殺した父親は、高いプライドがなければ自分を保つ支えが無かったのであろう。娘の事件後、仕事、人間関係、プライドすべてを失くしたわけであるから、彼の自殺は当然の帰結だったかもしれない。

何度も死者に鞭打つことになるが、事件を起こした自分の娘、及びその兄、再婚者とそのお腹に宿った自分の子供・・・、娘に殺害された被害者及びその両親に対して無責任すぎる自殺だ。むろん、世間は無責任すぎる死は、彼の周囲の人間を増々不幸にする行為にすぎない。この事件に関心を持つすべての人間に後味の悪い嫌な感情を残す結果となった。