米国株が中国減速懸念で大幅続落、ダウは調整局面入り
【ロイター】 2015年 08月 22日 08:22 JST
[ニューヨーク 21日 ロイター] - 21日の米国株式市場は大幅続落して取引を終えた。中国経済の減速懸念が強まり世界的に株価を押し下げた。
ダウ工業株30種平均は530.94ドル(3.12%)安の1万6459.75ドルの大幅安で取引を終え、調整局面に入ったことを示した。S&P総合500種指数は64.84ポイント(3.19%)安の1970.89。1日の値下がり幅としては約4年ぶりの大きな下落となった。ナスダック総合指数は171.45ポイント(3.52%)安の4706.04だった。
週間でも3指数全てが下落。ダウとS&Pはともに約5.8%値下がりした。S&Pは週間でも2011年9月以来の大きな下落を記録した。ナスダックは約6.8%の値下がりだった。
今年に入り米株式市場では比較的荒れた値動きが少なかったが、21日に発表された8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が約6年半ぶりの低水準に落ち込み、中国株式市場が再び下落したことで、投資家を狼狽売りに走らせた。
ただ、市場では株価下落が長くは続かないのではないかとし、来週にも上昇に転じることを期待する見方もある。
値下がりは広範な部門にわたってみられた。S&Pは10部門全てが下落。エネルギー株指数は2.6%低下した。米原油先物が2009年の金融危機以降初めて1バレル40ドルを下回ったことが嫌気された。
中小型株の指標であるラッセル2000指数も調整局面に入った。6月23日につけた直近の終値ベースでの最高値から10%値下がりした。
投資家の不安心理を表すCBOEボラティリティ指数は一時、昨年10月以来の高水準をつけた。週間ベースでは過去最大の上昇率となった。
市場では連邦準備理事会(FRB)の年内の利上げ開始を予想する声が依然として多い。ただ、19日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表以降、9月利上げを予想する投資家はほとんどいない。
騰落銘柄の比率は、ニューヨーク証券取引所では下げ6銘柄に対して上げが1銘柄の割合。ナスダックは下げ約2.5銘柄に対して上げが1銘柄の割合だった。
BATSグローバル・マーケッツによると、米取引所の合算出来高は約106億株となり、平均である67億5000万株を大幅に上回る大商いだった。

19日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、9月に利上げするかどうかはっきりしなかった、NYダウは雲を下抜けしてしまい、遅行スパンも下抜けしているのでV字回復は難しいだろう。・・・・9月の利上げは先送りとなる可能性が強くなったのではないか?
アングル:日経平均2万円割れ後の「買い手不在」、不安心理増幅
【ロイター】2015年 08月 21日 18:51 JST
[東京 21日 ロイター] - 21日の東京株式市場で、日経平均株価.N225終値は約3カ月ぶりの安値水準まで下落した。リスク回避ムードが漂うなか、後場には先物への仕掛け的な売りに押される展開が続いた。この下値を模索した「買い手不在」の現実は、投資家の不安心理を増幅させている。
<米系証券は売り越し>
「いや、ひどいですね、これは。気が滅入ります」──。午後3時、日経平均が安値引けとなったのを目に、大手証券のトレーディング担当者は、ため息交じりにつぶやいた。寄り付き前にシカゴの日経平均先物が1万9600円台まで下落していたこともあり、2万円割れは避けられない情勢だったが、後場の崩れ方は想定の範囲外だったようだ。
21日の先物手口をみると、主に米国系証券の売り越しが目立っている。日経225期近ではJPモルガンが差し引き2554枚、TOPIX期近ではゴールドマン・サックスが同4282枚の売り越しとなっている。
市場ではCTA(商品投資顧問業者)とみられる短期売買の影響に加え、イベント・ドブリン系ヘッジファンドによるTOPIX先物の投げの観測も聞かれた。
短期筋の売買を反映するとみられるABNクリアの手口は、ともに買い越しとなっている。だが、日経225期近では売りで4万8775枚、買いで5万2604枚となっている。「ABNクリアによる売買がいつもより膨らんでいる。安くなったら買いが入るというのが寄り付き前の『合言葉』のようになっていたが、結局は誰も買おうとせず、短期筋の仕掛け的な動きに翻弄(ほんろう)される結果となった」(国内証券トレーダー)という。
<中国株と連動するドイツ株の下落>
週初には「日経225オプションで、ヘッジファンドによる1万9250円台プットの大口買いの観測が聞かれた」(国内証券)との声もあり、市場の一部には不穏な空気も漂っていた。こうしたなか、下げ止まらない中国株を背景に世界景気の減速懸念が広がり、東京市場でもリスク回避姿勢が広がった。
三京証券マネージャーの藤井勝行氏は「上海株が7月9日の直近安値の3373ポイントを割り込むと、日経平均も安値を割り込む公算が大きい」と指摘。また「中国株が下げると中国経済との結びつきが強いドイツ株も売られる傾向にある。年初からドイツ株と日本株に対するロングポジションが正攻法だったが、その巻き戻しが出ているようだ」と話している。
<個人の買いも不発>
先物売りへの「打たれ弱さ」を露呈した日本株だが、伊藤忠(8001.T)や三井物産(8031.T)など、予想配当利回り銘柄の高い商社株は下げ渋る動きを見せた。水戸証券投資情報部長の須田恭通氏は「今回の下げにより、強気スタンスをとっていた投資家は追証が出る可能性もあるが、一部の個人は押し目の好機ととらえ、買いに向かう動きも見られた」と分析する。
ただ、日経平均が直近安値1万9115円20銭を付けた7月9日に見られたような、力強い指数の戻りは今回はなかった。また、個人投資家の売買が多い新興市場では、東証マザーズ指数.MTHRが年初来安値を更新。下落率は4.16%と日経平均の2.98%を大きく上回っている。「手の内が悪化した個人投資家も増えており、マインドはやや低下している」(国内証券)との見方もある。
相場の先行きに対しては、警戒感が根強い。パインブリッジ・インベストメンツ執行役員の前野達志氏は、中国経済の減速や安倍政権の支持率低下、米国利上げの観測など「悪材料が重なりセンチメントが急激に悪化している。若干は売られ過ぎの反動も予想されるが、それ以降に上値を追う展開は見込みにくい」と指摘する。
中期的には米国経済の拡大や、中国での経済政策効果などが想定されるとしながらも、「下値が固まるまでは買いにくい」との見方を示している。
(長田善行 編集:田巻一彦)


日経平均は7月9日の安値1万9115円に対応する2番底を試す展開だ。
上海株暴落⇒日本株安ヨーロッパ株安⇒NYダウ安⇒・・・と外部環境の悪化により、売られたのであって、根本的な日本のファンダメンタルズが悪化してのではない。海外環境の悪化に加え、10月末、11月末決算のファンド勢の売りも出ているとみていることと、相対的に換金しやすい日本株が売られた可能性が高い。
中国経済の崩壊に、人民元を切り下げ競争力を回復しようとしても、所詮中国製品、大幅な元切り下げが中国の罹っている病気の処方箋ではなく、あくまでも対処療法にすぎない。
。国内企業業績は悪くはない、品質と非価格競争力に勝る日本の輸出は大きく改善しており、為替が円安=株高ではなく、若干の円高調整の方がむしろ株高になるのではないか?日本経済の回復は米国がリセッションにでもならない限り杞憂だと思う。日本の企業増益率が主要国で最高と予想されていること、日本株式のPBRなどバリュエーションは世界最低であることなど、割安さが際立っている内需関連も外需関連も3割弱の経常増益。原油安による業績のさらなる上振れ余地も出てくる。魅力的投資対象が著しく少なくなっている中で、世界投資家の日本株オーバーウェイトはさらに活発化すると予想される。
日本株式の需給環境は悪くはない。一時的に売ったとはいえ、外人でも年金などの長期資金は今後絶好の買い場で買い増すとの予想もある、国内公的資金・日銀、GPIF、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、年金、保険など日本株の組み入れは増加傾向にある、国内個人資金の現金比率は高まっており、底を打ったタイミングで一気に雪崩こむ可能性が高い。内外すべての投資家において日本株投資余力は空前の規模になっていると推測される。日本株式の長期上昇シナリオは、揺るがないと思う。
とはいえ、中国発の世界的な恐慌、もしくは大規模な景気後退のシナリオがどのように展開するか想像ができない。中国共産党による支那支配が終焉するかもしれないが、15億の人間がこの世から消え去るわけではない。短期的に日本の株式が、大荒れとなるのは間違いない。
リスク回避で2万円を割れたとしても、チャートを見る限り売られ過ぎの水準。
もっとも足元の空売り比率が高水準であるうえ、個人投資家の待機資金も豊富にあり、同値を割り込む懸念は乏しい。戻りには多少時間がかかるだろうが、秋口には再び上昇基調を強め、日経平均2万1000円台を試す展開になるだろう。
米大物投資家、中国株を“投げ売り” 上海市場暴落、米国シフト強化へ
【ZAKZAK】2015.8.21
米著名投資家のジョージ・ソロス氏(85)が中国を代表するIT企業を見限った。同氏が率いるヘッジファンドが、米国の株式市場に上場する中国の電子商取引大手、アリババ・グループ・ホールディングの保有株をほぼ全株売却したほか、同国の検索大手、百度(バイドゥ)株も約8割手放したのだ。上海市場の株価が再び暴落モードに入るなか、ニューヨークでも中国企業に対する視線は一段と厳しくなっている。
大手機関投資家が米証券取引委員会(SEC)に四半期に1度行う報告によると、ソロス・ファンド・マネジメントは、アリババの保有株数を3月末時点の約444万4604株(約3億7000万ドル=約460億円)から6月末時点に5万9320株(488万ドル=約6億円)まで大幅に減らした。保有株の約98%を売却したことになる。
1999年にジャック・マー氏が創業したアリババは、企業間の電子商取引市場などを手がけて成長し、ソフトバンクが筆頭株主を務めることでも知られる。
昨年9月にニューヨーク証券取引所に華々しく上場、株価は一時120ドルまで上昇した。しかし、その後は下落基調をたどり、今年6月中旬以降の中国市場の暴落が下げに拍車をかけた。今月12日には4~6月期の決算発表が予想を下回ったことを受けて、71ドルの上場来安値を更新、公募・売り出し価格の68ドルに迫る場面もあった。
ソロス・ファンドは同じくニューヨーク市場に上場する百度についても保有株を35万8650株から4万2800株と大幅に減らした。同社も中国景気の減速で7~9月期の売上高見通しが予想を下回り、株価急落に見舞われている。
1960年代から投資ファンドを運営しているソロス氏の投資は世界経済を大きく揺さぶってきた。その名を世界的に有名にしたのは、92年の「ポンド危機」だ。
英国の通貨ポンドが実態よりも割高に固定されていると考えたソロス氏は、ポンドを大量に売り浴びせ、買い支えするイングランド銀行(中央銀行)を打ち負かして20億ドル(約2480億円)ともいわれる利益を得た。英国はポンド危機を受けて変動相場制に移行し、ユーロ導入を断念した。
ソロス氏は米経済誌フォーブスの2015年版世界長者番付では29位で、資産額は242億ドル(約3兆円)にのぼる。
ソロス・ファンドは中国企業の株を大量に売った一方、米ケーブルテレビ大手のタイム・ワーナー・ケーブルの株やSNS大手のフェイスブック、米国を代表する株価指数のS&P500に連動する金融商品など、米国株を買っている。
ソロス氏の中国企業売りについて、中国経済に詳しい評論家の宮崎正弘氏はこう指摘する。
「中国企業に絶望したということだろう。ソロス氏には、情報公開や規制緩和で市場が成り立つという信念があり、中国市場に批判的だ。アリババや百度は急成長しているIT産業で、ニューヨークでも取引できるとあって、多少は有望と考えて投資していたのだろうが、ここにきて見限ったといえるのではないか」
ソロス氏はこれまで中国経済に対してたびたび懸念を表明してきた。2012年10月に「成長モデルが息切れしつつある」と述べ、成長が鈍化しているとの見方を示したほか、13年5月には、高利回りの金融商品「理財商品」が、リーマン・ショックの引き金となったサブプライム・ローンと似ているとした。
昨年初めには、「中国の成長モデルはすでに力を失っている」と指摘した。
習近平政権は、7%の経済成長率を掲げ、4~6月期国内総生産(GDP)も目標と同じ数字となったが、額面通りに受け止める市場関係者は少ない。習政権が唱える「新常態(ニュー・ノーマル)」という安定成長路線の実現にも疑念が持たれている。
中国本土の株も波乱含みだ。18日に暴落した上海総合指数は19日も一時4%超急落、取引終了にかけて急速に買い戻されてプラスに転じたが、政府系金融機関による買い支えの影がちらつく。
ソロス氏の警鐘は現実のものとなりつつある。
この記事を載せたのはソロスが中国株を売っていることよりも
>ソロス・ファンドは中国企業の株を大量に売った一方、米ケーブルテレビ大手のタイム・ワーナー・ケーブルの株やSNS大手のフェイスブック、米国を代表する株価指数のS&P500に連動する金融商品など、米国株を買っている。
に、注目してほしい。

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