防衛省は31日、平成28年度予算の概算要求で、過去最大となる総額5兆911億円(27年度当初予算比2・2%増)を計上することを決めた。要求増は4年連続。中谷元(げん)防衛相は「周辺海域の安全確保や島(とう)嶼(しょ)部に対する攻撃への対応に向け、防衛力整備を着実に実施するための経費を計上した」と述べた。
垂直離着陸輸送機オスプレイ12機(1321億円)、哨戒ヘリコプター「SH60K」17機(1032億円)をまとめて発注し、それぞれ100億円以上の調達コストを圧縮。高速走行が可能な「機動戦闘車」36両も初めて盛り込んだ。
不法占拠された離島の奪還を担う水陸両用車「AAV7」11両、イージス艦1隻、最新鋭ステルス戦闘機「F35」6機、戦闘機などの滞空可能時間を延ばす空中給油機も取得。奄美大島と宮古島への南西警備部隊の配置費も盛り込んだ。
平成27年度版と比べると真新しい項目があまり無いが、過去最大の防衛予算を更新した。そのなかでいくつか気になる箇所をピックアップして解説を加えました。





艦載型多用途ヘリと新哨戒へりは別物です。

防衛省は周辺諸国の潜水艦のステルス性向上傾向に対処のため、平成28年度も、295億円の開発費が投じられる。潜水艦音響ステルスに対抗の新戦術マルチスタティック能力をを持った音響センサの能力を向上うした新型哨戒ヘリが、開発試作される。
マルチスタティックとは、普通のソナーは自分で音波を発して、その反射を捉えて敵を見つけるわけだが、上の図にもあるように、新型ソナーでは自からのソナーだけでなく他艦や哨戒機のセンサーが発した探信音波をも捉えて、それらを総合して静粛性が発達した最新の潜水艦を発見しようという革新的な探査技術だ。
現在ステルス機を丸裸ににするレーダーを開発しているが、そのソナー版とのこと、静閑性が高まったロシアの潜水艦といえどもこの技術を使えば丸裸にすることができるらしい。
機体については現有のSH-60K哨戒ヘリの機体を使用する構想で、これにより、機体や非開発装備品の開発費を抑え開発費の低減を図る。なお、新哨戒ヘリが目指すマルチスタティック能力のある対潜ヘリはいまのところ世界に存在していない。
自衛隊の兵器の名前の命名方法の節操のなさには慣れ切っていますが、新哨戒ヘリの名前はSH-60J・SH-60Kときたので、SH-60Lになるのか興味深いところです。
因みにSH-60Lは使われておりませんので命名可能かと思います。
マルチスタティック能力は哨戒ヘリコプターだけではなく護衛艦のソナーシステムでも同時に開発が行われる。
○ 可変深度ソーナーシステムの開発(97億円)護衛艦に搭載する新たなソーナーシステムとして、層深下に潜航した潜水艦の探知類別能力を向上させるため、えい航式ソーナーにアクティブソーナーの機能を付加し、複数の護衛艦で相互連携による捜索を可能とする可変深度ソーナーシステムを開発

当然のことながら、哨戒ヘリ、対潜哨戒機、水中固定聴音装置、米海軍と可変度
ソナーはリンクされる。マルチスタティック戦術の前では潜水艦は潜水艦である意味が薄くなってしまうのである。海上自衛隊の対潜能力の前では中露の潜水艦は単なるテレビゲームの標的にしかならないであろう。

NH-90
艦載型多用途ヘリの第一候補はNH-90。ヨーロッパの航空機メーカー、NHインダストリーズ(NHI)が製造した軍用ヘリコプター。フランス・ドイツ・オランダ・イタリアの4カ国によって共同開発した『NH』は『NATOヘリコプター』を意味する。NFH‐90はSH‐60J/Kの代替にも候補として上がっており、機種の共通化を優先して哨戒型と多用途型NH‐90の両方を採用という可能性もあったが、28年度予算要求で別物であることが明確化した。主な任務は輸送・救難用だが、強襲揚陸作戦にも投じられる可能性が高い。

28DDG8200t型
28DDGは27DDGの姉妹艦で、これで中期防衛力整備計画で定めたイージス艦8隻態勢が整うことになる。
イージス艦は、潜水艦やミサイルなど複数の目標に同時に対処できるシステムを搭載した護衛艦。北朝鮮の弾道ミサイルを撃ち落とすBMDの中核を担う。
イージス艦は、潜水艦やミサイルなど複数の目標に同時に対処できるシステムを搭載した護衛艦。北朝鮮の弾道ミサイルを撃ち落とすBMDの中核を担う。
日米両政府は、北朝鮮のミサイル開発の進展などを踏まえ、大陸間弾道ミサイルも迎撃可能な「SM3BlockⅡA」を共同開発中で、28DDGにはSM3BlockⅡAに対応した能力も備える。


27DDG
28年度は、 平成24年度に着手した「あたご」型護衛艦2隻のBMD艦化改修を引き続き実施。イージス・システム搭載護衛艦の能力向上として(2隻:133億円)の予算が付きイージス艦8隻すべが弾道ミサイル迎撃可能なBMD艦化される。
護衛艦名は帝国海軍重巡洋艦で山の名前が付くと予想される。そのうち未使用の艦名「古鷹」「青葉」「衣笠」「那智」「羽黒」「高雄」「摩耶」の中から選ばれる可能性が高い。その他に旧帝国海軍の山の名前で未使用なのが、「天城」「伊吹」「筑波」「生駒」などが候補となる。本命は「高雄」「摩耶」だが、帝国海軍の級名が一番艦につかないことを考えれば、27DDGが「まや」28DDGが「たかお」となる可能性が高い。
注目の28SSであったが残念なことに新型潜水艦ではなくAIPをなくしリチウム電池搭載のそうりゅう11番艦と同型艦のそうりゅう12番艦となるもよう。

ぽすとそうりゅうは29年度以降となると思われます。
29SSは水中排水量は約4700トン(基準排水最約3500トン)で平成33年度就役となるもよう。
28年度予算で目につくのが艦齢延伸措置予算である。

今年度の目玉の一つが艦砲用のRAP(Rocket Assisted Projectiles:ラップ)砲弾(ロケット補助推進弾)の研究だろう。
RAP砲弾は既に陸上自衛隊の105mm/155mm/203mm砲弾で採用されておりFH-70では通常弾の最大射程が24kmに対し、 RAP弾では30kmとなる。

上図の新型艦砲用RAP砲弾と、陸戦用のRAP砲弾(左図)のロケットモーター部分の長さを見比べてほしいのだが、新型艦砲用RAP砲弾の方が倍近くある。あたご型、あきづき型が採用しているMk.45 mod.4 62口径5インチ単装砲では通常弾37Kmロケット補助推進(RAP)とGPS誘導を導入したLRLAP弾が開発されており、こちらを使用すると最大91キロメートルのスペックである。
となると、新型LRLAP砲はその性能を上回らなければ開発する意味もないので、100Km超の誘導砲弾となることが予想されます。
ちなみに、OTO社は76mm版Volcano(誘導砲弾)を開発中で最大射程は40Kmだそうです。TRDIの開発する砲弾が76mm型もあるならば、最大射程18Kmで対空戦闘の非力なはつゆき型あさぎり型むらさめ型のOto Melara 76 mm 砲が、一変し、対陸上艦砲射撃にも使用可能となる。


航空優勢維持とのことだが 航空自衛隊は現在沖縄の那覇空港の一角にF15戦闘機が27年度予算で約20機から約40機に倍増したが。28年度は福岡県の築城にF2戦闘・攻撃機を約40機、宮崎県の新田原(にゅうたばる)基地にF15戦闘機を40機配備する計画である。

この配置転換で新田原と築城の半数は西日本の防空に充て、他の半数を尖閣方面に出せるが、1000km余の距離だけに、長時間尖閣上空で哨戒をするのは空中給油なしでは困難と考えられるので新型給油機が増強される。

水陸両用車両AAV-7の調達も始まるが、自衛隊はこの性能に満足しておらず、三菱重工が新水陸両用車を開発している。それなのにAAV-7はまったく無駄になりそうな気がします。
○ 輸送防護車の取得(4両:9億円)即席爆発装置(IED)の脅威等から輸送する邦人や在外邦人等輸送任務に従事する隊員の安全を確保するため、防護性能に優れる輸送防護車を取得

輸送防護車はオーストラリアで開発された装輪装甲車(歩兵機動車)の「ブッシュマスター」4両で、陸自の宇都宮駐屯地(宇都宮市)に配備する。
ブッシュマスターは北オーストラリアでの作戦に最適化された設計をしており、9名の兵士とその装備品を積載した状態で3日間行動可能な燃料と物資を積載することができる。最高時速は約100キロメートル
歩兵輸送仕様の車両に関しては前方のハッチに5.56mmもしくは7.62mmの機関銃1丁もしくは「CROWS」リモート・ウェポン・ステーション1基、後方の2つの上部ハッチにはF89 Minimiのような5.56mm機関銃を1丁ずつ取り付けることが可能。
車体は装甲化され、7.62mm弾に対する耐弾性(STANAG 4569レベル1以上)を持ち、かつ爆風を逸らすV字型車体(Vハル)の底面を持つモノコック構造を採用することで、地雷やIEDに対して強い耐性を有している。
陸上戦闘の先端技術研究として
複数車両等の情報統合による環境認識向上技術の研究と
目標識別能力向上及び夜間任務能力向上に寄与する暗視センサ技術の研究が
予算化された。


CBRNの技術は単なる危険地域における遠隔操縦技術、と考えるのは素人だ!
目標識別能力向上及び夜間任務能力向上に寄与する暗視センサ技術の研究と併せその先何があるかは明白だ。戦闘人員不足を補う為の戦闘ロボットシステム開発の下敷きであることは明白だ。



余談だがこういった優れたオリジナルのデザインを目にすると佐野研二郎は詐欺師にしか見えなくなる。
閑話休題!
28年度予算で陸上自衛隊が戦術データリンクに組み込まれる。

これは、索敵能力に課題があった12式地対艦誘導弾がリンクに組み込まれたことでその能力を十分に発揮できることになり、中国揚陸部隊はとても先島諸島に上陸できる環境ではなくなる。

衛星が攻撃を受けても回避するシステムがあるとなしでは、大違いであり、対中国軍事抑止力としても大きな力となる。
サイバー攻撃に対しても予算が組み込まれている







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