年内米利上げ観測後退、来年1月確率46%=市場
【ロイター】2015年 09月 25日 00:34 JST
[ニューヨーク 24日 ロイター] - 24日の米市場で短期金利先物が上昇し、2016年半ば、および2017年初頭に限月を迎えるフェデラルファンド(FF)金利先物が限月としての高値を付けた。無難な意見だろう、もはや利上げに進める状況ではなくなっているのだろう。こ世界経済が悪すぎるのである。米国は急ぐ必要がない。
世界経済減速懸念が高まるなか、米連邦準備理事会(FRB)が年内は利上げに踏み切らないのではないかとの観測が出ていることが背景。
CMEグループのフェドウォッチによると、市場が織り込む10月利上げの確率は11%と、前日終盤から変わらず。12月利上げの確率は35%、来年1月の確率は46%となっている。
17日に発表されたFOMC声明文を見ると、最近の国際経済金融情勢が経済活動の制約となり、インフレの押し下げ要因になるという従来にない記述が加えられている。世界経済の不調を直視するようになった。だが依然、米国経済は良好だ。4―6月期の国内総生産(GDP)は前期比年率3.7%の強い成長を見せた。失業率は5.1%にまで低下している。
米国が利上げを始めると、世界経済や市場へのストレスになり得る。新興国市場からの資金引き揚げを加速させるかもしれない。リスクスプレッドを拡大させる恐れもある。ドル高を引き起こし、ドルで資金を調達して自国通貨を収入とする債務者の返済を難しくさせ、危機のトリガーを引く可能性もあるかもしれない。
国際金融市場を通じた影響がある。8月下旬の世界的な株価乱高下は、この不安を高めた。海外の不振が米国株の下落を引き起こし、それが逆資産効果となって米国経済にも悪影響を与える。実際、米国の株式市場のボラティリティーは、8月下旬以前の水準に戻っていない。
難民問題で揺れるEUはVWの倫理的な背徳行為で経済の回復が止まる恐れも出てきた。EUの瓦解の可能性が高まりだしている。
そして何よりも中国経済の底がまったく見えない。習近平の初の公式訪問もローマ法王の訪米も国内で宗教弾圧を行う習政権を潰す為わざとぶつけてきたバチカンと米国の連携!これは中国への最後通告に等しい。
難民問題で揺れるEUはVWの倫理的な背徳行為で経済の回復が止まる恐れも出てきた。EUの瓦解の可能性が高まりだしている。
そして何よりも中国経済の底がまったく見えない。習近平の初の公式訪問もローマ法王の訪米も国内で宗教弾圧を行う習政権を潰す為わざとぶつけてきたバチカンと米国の連携!これは中国への最後通告に等しい。
アングル:締まる中国消費者の「財布の紐」、世界経済に赤信号
【ロイター】2015年 09月 24日 15:24 JST
[深セン 24日 ロイター] - 中国ではこれまで、旺盛な消費意欲が経済をけん引してきた。ところが、中国経済に陰りが出ていることに加えて、最近の株価急落で消費者心理は急速に悪化。
将来への不安を募らせる中間層がスマートフォンや自動車の買い替えを控えるなど、財布の紐(ひも)を締める動きが顕著になっている。中国の消費手控えが続けば世界経済への影響も避けられない。
中国の政策当局者にとっても頭の痛い問題だ。中国政府は、貿易や政府支出に長年依存してきた経済構造を改め、内需主導側の経済へのリバランスを図っている。政府は、リバランスに伴う輸出の減少分を補う役割を消費に期待するが、想定通りの展開にはならないかもしれない。
中国の国内消費は2015年上期に中国の経済成長率への寄与率が60%に達し、14年通年の51.2%から上昇した。中国政府が目指している経済のリバランスが順調に進んでいることが示された。
しかし、先行指標や企業の報告を見ると、先行きは明るくない。
ANZバンクと調査会社ロイ・モルガンがまとめた中国の消費者信頼感指数は8月、過去最低の水準に低下。また、中国の自動車販売台数は今年、20年ぶりに減少する見通し。消費調査会社ガートナーによると、中国のスマホ販売は第2・四半期、初の減少を記録した。
これが全国的な消費減退のサインだとすれば、影響は中国だけにとどまらない。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は先週、中国経済の鈍化への警戒感が、利上げ見送りの一因だったことを認めた。
国際通貨基金(IMF)は今年の世界の国内総生産(GDP)伸び率を3.3%と予想しているが、経済協力開発機構(OECD)が今月発表した調査によると、中国の需要が急激に減少した場合には、世界の成長率はおよそ0.5%ポイント押し下げられる可能性があるという。
OECDの調査によると、中国の内需の伸びが2年連続で2%ポイント鈍化し、同時に世界の株式市場が10%下落すれば、米GDP伸び率は2年目までに約0.25%ポイント押し下げられる見通し。日本の成長率は0.5%ポイント以上、押し下げられるとしている。
日本の中国への輸出はすでに低迷している。自動車部品の出荷減少などが響き、日本の8月の対中輸出は前年同月比で4.6%減少した。
<外国ブランド打撃>
世界の大手企業の多くは、中国の消費減少の影響を実感している。
独フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)の高級車部門アウディは今月、中国工場の生産を縮小したと発表した。ライバルのBMW(BMWG.DE)でも、中国で生産する「3シリーズ」「5シリーズ」について、生産縮小に踏み切っている。中国経済への懸念を背景に、米アップル(AAPL.O)の株価は7月21日以降、13%下落した。
それでもアップルのクック最高経営責任者(CEO)は、第3・四半期の業績は「心強い内容」だと強調している。しかし他の欧米企業の多くは、中国が厳しい市場になっていることを肌で感じているようだ。
(James Pomfret記者 翻訳:吉川彩 編集:中山陽子)
【石平のChina Watch】崩壊へ向かう中国経済
【産経ニュース】2015.9.24 08:50
今年8月と9月に公表された、中国経済関連の一連の統計数字は、現在のこの国の実体経済の深刻さを如実に語っている。
たとえば、中国自動車工業協会が8月11日に公表した数字によると、7月における全国の自動車生産台数は151・8万台で、前年同期比では約11%減、前月比では何と約18%減となった。まさしく地滑り的な落ち込みである。
生産台数激減の最大の理由は販売台数の減少にある。7月の全国自動車販売台数は前年同期比で約7%減、前月比では約17%の減少となった。これはまた、中国全体における個人消費の急速な冷え込みぶりを示している。
消費の冷え込みは自動車市場だけの話ではない。8月20日に米調査会社が発表した、今年4~6月期の中国市場スマートフォン販売台数は、前年同期比で約4%減少、四半期ベースで初めて前年を下回った。
国家工業と情報化部(省)が9月7日に公表した数字によると、全国の移動電話の通話量は今年7月までにすでに連続7カ月間のマイナス成長となったという。
同じ9月7日の国家統計局の発表では、今年上半期において全国のビール消費量は前年同期比で約6%減となって、ここ20年来で初のマイナス成長である。
このように、ビールの消費量からスマートフォンや自動車の販売台数まで、中国の消費市場は急速に縮まっているといえよう。そして、自動車販売台数の激減が直ちに生産台数の激減につながったのと同じように、消費の冷え込みは当然、製造業全体の不況をもたらしている。
英調査会社マークイットが8月21日に発表した同月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は驚きの47・1となった。
PMIというのは好不況の分かれ目の数値で、50以下であれば不況となるが、中国のPMIはこれで6カ月連続で50を割っただけでなく、8月の47・1という数値はリーマン・ショック後の2009年3月以来、約6年半ぶりの低水準、まさに大不況の到来を示す数値であったからだ。
製造業が沈没していれば、それと一蓮托生(いちれんたくしょう)の関係にある金融業も当然、苦境に立たされる。
8月31日に中国国内メディアが伝えたところによると、不良債権の増大・業績不振などが原因で、中国工商銀行などの「中国四大銀行」で「賃下げラッシュ」が始まったという。50%程度の賃下げを断行した銀行もあるというから、金融業の苦しさがよく分かる。
こうした中で、今までは「中国経済の支柱」のひとつとして高度成長を支えてきた不動産開発業も大変な不況に陥っている。
今年上半期、中国全国の「不動産開発用地」の供給面積が、前年同期比で約38%も激減したことは、現在の「不動産不況」の深刻さを示している。莫大(ばくだい)な在庫を抱える多くの開発業者が不動産をそれ以上抱えることをしなくなったので開発用地の供給が大幅に減ったわけである。
実際、2014年1月から今年の8月まで、中国全土の不動産投資の伸び率は連続20カ月間下落している。
また、今年6月中旬から今月中旬まで、上海株が連続的な大暴落を経験したことは周知の通りである。
以上のように、今の中国では、消費・生産・金融、そして不動産や株市場、経済のありとあらゆる領域において大不況の冷たい風が吹き荒れている。国民経済を支えてきた「支柱」の一つ一つが傾いたり、崩れかけたりするような無残な光景があちこちで見られているのである。中国経済はただ今、壮大なる崩壊へ向かっている最中である。
コラム:「98年の悪夢」再来が招く円高余地=高島修氏
【ロイター】2015年 09月 24日 17:58 JST
[東京 24日] - 昨年末から2015年はリスクシナリオとして「1998年の悪夢」に気をつける必要があると指摘してきた。そして今、その時を迎えているのかもしれない。
まず、ドル円相場の長期見通しはドル高円安であり、それが2017年頃までは持続すると考えている。ただ、時にそうした基本シナリオよりも、リスクシナリオに比重を置くべき時がある。長期ドル高円安シナリオは一切揺らいでいないが、足元では短期的に115円を割り込むドル円反落にも警戒が必要な状況だ。
<2017年頃に1ドル=135円前後でピークか>
金ドル交換停止(ニクソンショック)が発表された1971年以降のドル指数の推移を見ると、7―8年下落、2―3年底ばい、5―6年上昇というサイクルを繰り返してきたことが分かる。今回はITバブル崩壊を受けて2001年から長期下落基調をたどったが、2008年のリーマンショックで下げ止まり、2011年に欧州ソブリン危機が深刻化する中で大底を確認する動きが見られた。
その後も昨年半ばまではドルは安値圏で底ばいの動きを見せていたが、過去1年、原油安に伴って進んだドル高によって、長期上昇トレンド入りしていたことが明確になった。
このことは、今回の長期ドル高の背景に米国でのエネルギー革命があることをうかがわせる。経常赤字、財政赤字の双子の赤字がドルの弱点だが、エネルギー革命はその双子の赤字を縮小、解消させる効果を持つ。米国でエネルギー生産が増え、原油輸入が減り、一方で原油安によって家計の実質所得や企業収益が押し上げられ、税収が増えるからだ。
通常5―6年上昇局面が続くことを考慮すると、今回の長期ドル高は最終的には2017年頃まで続く可能性が予感される。2017年と言えば、日本では8%から10%への消費再増税が予定されている年であり、その前後で、元財務官僚の黒田総裁率いる日銀は景気刺激のために追加緩和に踏み切る可能性がある。
筆者は135円前後を想定しているが、その頃に円安ドル高のピークをつけ、ドル指数も今回のピークを迎えるのではないかと考えている。
<ドルを取り巻く環境は90年代後半と酷似>
前回の長期ドル高局面は90年代後半だった。その時は85年プラザ合意以降の長期ドル安が、92年の米国での金融不安と欧州での通貨危機の発生で下げ止まり、94―95年の米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めによって上昇局面入り。2001年のITバブル崩壊まで6年ほど、ニューエコノミーをテーマとする長期ドル高が続いた。
今回はエネルギー革命がそれに相当する。このように90年代と2010年代のドルを取り巻く環境は極めてよく似ている。
ただ、ドル指数は長期上昇局面にあった98年、当時の高値から1割ほど調整反落し、米株も2割ほど急落したことがあった。引き金を引いたのは大手ヘッジファンド、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の経営危機だったが、背景には97年のアジア通貨危機で世界経済が失速したことで1バレル10ドル台まで原油安が進行したことがあった。産油国のロシア経済が危機に陥り、そのロシア国債に投資していたLTCMの経営破綻につながったのだ。
お気づきだと思うが、FRBの金融緩和から引き締めへの転換に対する警戒感から、2013年以降、新興国市場が混乱。そのことが一因となって原油安が進行し、ロシアをはじめ資源国が窮地に陥り、シェール産業など米エネルギー業界でも深刻な信用リスク再評価が進んでいる。
つまり、今回と98年の金融経済環境は瓜(うり)二つなのである。例えば、投資適格級格付け「Baa」が付与されている米社債のクレジットスプレッドは、信用収縮か否かの分水嶺となってきた2%を超えて拡大を始めているが、98年にも同じように2%を超えて拡大していた。米エネルギー産業の資金調達に用いられることが多いマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)もインデックスが1年前の高値から3割ほど値下がりし、現在は2011年以来の安値圏で推移している。
こうした信用リスク再評価に伴う投資家のリスク回避志向が、今回も米株急落や新興国市場の下落の底流にある。これが2015年に「98年の悪夢」の再来がないか警戒する必要があると筆者が主張してきた背景である。
<下落目処は112円までか、長期ドル高復帰の条件は>
さて、98年に市場の混乱を収束させたのは、その年の9月から11月にかけて行われた、緊急利下げを含むFRBの金融緩和と流動性供給だった。この金融緩和の間、上記の通り、ドル指数はその前の高値から1割ほど急落し、ドル円に至っては147円台から108円台まで40円近い暴落となった。
筆者は今回、ドル円の下落幅は125円台の高値から最大でも1割程度にとどまり、リスクシナリオとしても下値目途は112円台までと想定しているが、この数字は危機シナリオとしては、どちらかと言えば、控えめな部類に入るのかもしれない。
一方、98年当時、高値から2割ほど下落した米株は、FRBの金融緩和が始まった9月にはすでに底入れの兆しを強め、FRBがその局面で最後の利下げを実施した11月には急落前の高値水準へ値を戻していた。
その後、米株が改めて当時の史上最高値を更新して上昇を始めたことを確認してから、FRBは99年6月から金融引き締めに転じ、それがけん引役となって、ドル指数もLTCM危機前の水準を超えて上昇し、95年から続く長期ドル高トレンドに復帰した。
今回、FRBは予定していた金融引き締めペースを緩やかにする程度のことは考えられるが、98年のように一時的なものであっても、緩和措置を打ち出すことはなかろう。したがって、98年のFRBの緊急利下げに相当するような、市場安定化策は米国以外に期待するしかない。
もちろん、その中でも中国の景気・株価対策は重要であり、市場の評価はあまり高くないが、8月の人民元切り下げはそのためには必須の政策の1つだったと筆者は比較的ポジティブに評価している。それ以外には、当社が今年10月から来年1月のどこかで想定しているような日銀や欧州中銀(ECB)による追加緩和の有無も市場が安定化に向かうか否かの重要な分岐点となろう。
98年とは異なり、米国で大胆な緩和措置が期待できないということは、ドルの下落圧力は当時よりも小さくなる反面、米株の底入れは景気刺激策が発動される国にやや出遅れることになるかもしれない。
ただ、99年そうだったように、市場安定化に伴って、米株が改めて史上最高値の更新に転じてくると、いずれはFRBの金融引き締めが図られることになるはずだ。来春ぐらいではないかと想定しているが、こうしたことが現実に起こってくれば、ドル指数、ドル円がともに今回の高値を超えて上昇し、長期ドル高トレンドに復帰する可能性が高まることだろう。
執筆中
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