今年は百年毎に一度チャイナが沈んで夜が訪れる日
終わりの来ないような戦いも今宵は休戦して祝杯をあげる
人はそれぞれ「正義」があって、争い合うのは仕方ないの
かも知れない
だけど僕の嫌いな「チャイナ」も彼なりの理由があるとおもうんだ
ドラゴンはナイト今宵、僕たちは友達のように歌うだろう
利上げナイト、チャイナ危機、原油安
今年、危機たちは友達のように踊るんだ
正しくは・・・
今宵は百万年に一度太陽が沈んで夜が訪れる日
終わりの来ないような戦いも今宵は休戦して祝杯をあげる
人はそれぞれ「正義」があって、争い合うのは仕方ないのかも知れない
だけど僕の嫌いな「彼」も彼なりの理由があるとおもうんだ
ドラゴンナイト 今宵、僕たちは友達のように歌うだろう
ムーンライト、スターリースカイ、ファイアーバード
今宵、僕たちは友達のように踊るんだ
コラム:人民元安の再燃はあるか=亀岡裕次氏
【ロイター】2016年 02月 23日 16:30
[東京 23日] - 今週、上海で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。世界の需要押し上げに向け、「金融政策だけでなく財政政策を活用」「通貨の競争的な切り下げを回避」することで各国が協調姿勢を示すだろうが、それだけで市場マインドや世界経済を好転させることは難しいのではないか。
G20では、「為替はファンダメンタルズを反映して市場で決定されるべき」ことが再確認されるだろう。ここでは、世界金融市場の波乱を招いた人民元相場の行方について考えてみたい。
<中国が人民元を切り下げた理由は何か>
人民元安・中国株安のきっかけは、2015年8月11日に中国人民銀行が人民元対ドルの基準レートを引き下げたことにある。基準レートはそれまで市場レートに比べて1―2%ほど人民元高に設定されてきたが、同日の基準レートは市場レートの前日終値よりも0.3%ほど人民元安に設定された。そして、12日も13日も前日終値よりわずかながら人民元安の水準に基準レートが設定され、市場レートは3日間で6.21元から6.40元へと3%ほど人民元安が進んだ。
中国人民銀行は、「基準レートと市場レートの乖(かい)離の是正は基本的に完了」とした。人民元の特別引き出し権(SDR)採用をめぐり国際通貨基金(IMF)が問題視していた「かい離」の是正だけが、基準レート引き下げの理由だったのだろうか。3日連続で基準レートを市場レートよりも人民元安に設定したのは、市場レートを人民元安に誘導する狙いもあったのではないか。
その1年半ほど前の14年2月、人民元の対ドルレートは上昇から下落に転じていた。14年4―6月期には、経常収支(貿易収支+所得収支)や直接投資収支の黒字が続く一方で、その他の収支(いわゆるホットマネー)が黒字から赤字(資本流出)に転じた。中国からの資本流出による人民元安圧力が強まり、それを抑えるための当局のドル売り・人民元買い介入が増加し、14年7月には中国の外貨準備高が減少を始めた。
為替は14年1月の1ドル=6.04元から5月の6.26元へと人民元安が進んだ後、10月の6.11元へと人民元高が進んだが、この間、ホットマネーの流出幅と外貨準備高の減少幅が拡大した。つまり、国際収支面から人民元安圧力がかかり続け、当局の為替介入によって人民元安が抑えられていたのだ。ただし、為替介入による人民元安抑制を続ければ、外貨準備高の減少が続いてしまうので、当局がある程度は為替介入を減らして市場主導の人民元安を容認しようと、基準レートを引き下げたものとみられる。
<足元は円高やユーロ高とともに人民元高に>
さて、16年1月7日にかけて中国株式売り規制の解除観測を背景に株安・人民元安が急速に進んだ後、人民元は対ドルで反発した。1月8日の基準レートが市場レートの前日終値よりも0.4%以上高く設定され、急速な人民元安を抑制しようとする中国当局の姿勢が明確化したことが一因だ。
1月12日には当局がオフショア(香港)市場でも人民元買い介入を行ったとの観測から、オンショア(中国)市場に比べて0.10元ほど人民元安・ドル高の水準にあったオフショアレートがオンショアレート水準まで上昇した。ただし、16年1月の外貨準備高の前月比減少幅は、15年12月の1079億ドルに次ぐ994億ドルに上った。人民元の安定化は、大規模な為替介入に依存しており、外貨準備高の大幅減という犠牲を払っている。
中国外国為替取引システム(CFETS)は15年12月11日に、13カ国・地域の通貨バスケットに対する人民元指数の公表を始めた。ドルに対する為替レートだけではなく、通貨バスケットに対する実効為替レートを含めて人民元の動きを判断するためのものだ。16年2月前半には、通貨バスケットがドルに対して上昇し、人民元が通貨バスケットに対して下落した。通貨バスケットに対する人民元の為替に上昇余地が生まれたせいか、その後、人民元が対ドルで上昇した。
CFETSが導入した通貨バスケットに占めるユーロの比率は21.4%、円の比率は14.7%と、中国の貿易に占めるユーロ圏や日本の比率を大きく上回る。2月前半はリスクオフの下で円やユーロが対ドルで大幅に上昇したため、通貨バスケットが対ドルで上昇した。中国が導入した通貨バスケットはリスクオフ下でドルに対して上昇しやすく、通貨バスケットに対して人民元が下落しやすいのだ。
米連邦準備理事会(FRB)のドル実効為替指数(対主要7通貨)は16年2月前半、ユーロ高と円高の影響で下落した。リスクオフの下でドルの実効為替が下落し、人民元が対ドルで上昇したのだ。だが、短期的にそうなっても、リスクオフの下では人民元が対ドルで上昇しやすいと言い切ることはできないだろう。
<長期的にはリスクオフと人民元安が進む可能性>
長期的な視点で人民元をみると、通貨バスケットと人民元の間に違う関係性がみえてくる。10年から14年前半までは、ドルと他通貨の強弱に大きな変動はなく、人民元の対ドル指数と対通貨バスケット指数の動きに大差はなかった。しかし、14年半ば以降のドル高により、人民元の対ドル指数が下落する一方、人民元の対通貨バスケット指数が大幅に上昇した。
10年初めを100とすると、ドルに対する人民元指数は直近時点で105程度だが、CFETSの通貨バスケットに対する人民元指数は122程度と高水準にある。つまり、通貨バスケットに対し人民元高が進んだままなので、輸出競争力の回復のためには人民元安が進む必要がある。
なお、国際決済銀行(BIS)が貿易ウエイトなどで為替を加重平均した中国の実効為替指数は、10年1月を100とすると16年1月は127であり、CFETSの人民元指数よりも高い。しかも、BISの通貨バスケットはCFETSの通貨バスケットに比べ、ドルやユーロの比重が低い一方で、韓国、メキシコ、インド、その他新興国など、リスクオフで下落しやすい通貨を比較的多く含む。そのため、リスクオフになると、BISの人民元指数はCFETSの人民元指数よりも上昇しやすい。人民元の割高感が小さくなるまでは人民元が下落する余地が残っているとみるべきだろう。
短期的にはともかく、長期的には世界株価や原油価格の動向と人民元の対ドルレートに連動性が認められる。株高や原油高とともに人民元高・ドル安が進む傾向、株安や原油安とともに人民元安・ドル高が進む傾向にある。足元、為替はやや人民元高・ドル安に振れたものの、株価や原油価格の反発は限定的であり、リスクオンに転換したようにはみえない。リスク許容度や人民元相場の安定は一時的で、リスクオフと人民元安へと再び傾く可能性は大きいのではないか。
中国経済への懸念が残る限り、資本流出と人民元安圧力は続くとみられる。当局が為替介入で人民元安のペースをコントロールすることはできても、人民元安に完全に歯止めをかけることは難しいだろう。人民元相場の長期的動向を判断するうえでは、当局の為替介入の影響を受ける人民元相場の短期的動向よりも、国際収支フローを反映する外貨準備高の増減に注目すべきである。中国の外貨準備高が増加傾向に転じてこそ、資本流出と人民元圧力が弱まり始めたと言える。それまでは、リスクオフと人民元安の再燃に警戒が必要だろう。
*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。
あれは今から8年前、2008年私がブログを始めた年だった。なんとも言えない不安と、ネットに溢れる陰謀論や左翼、親中親韓派(今では絶滅危惧種)の馬鹿共の戯言を殲滅すべく為このブログを始めたのかもしれない。
丁度8年前アメリカ大統領選挙、北京オリンピック直前、今ほどではないが、世間に溢れる不安はあの時と似た匂いがする・・・
アメリカは大統領選挙の最中、ヒラリー大統領誕生か?と思いきや、オバマが伸びてきた状況は今と似ている。共和党はマケイン・ペイリン旋風・・・でも結局は演説が上手いだけで黒人であることが取り柄だけの中身が無いオバマが大統領となった。8年前私はオバマのことを喝破していた(えへん!)
8年前ちょうど今頃、かつては名門と謳われた米証券大手ベアー・スターンズが、昔ながらの取り付け騒ぎが起き、結局、米銀大手JPモルガン・チェース(JPM)が2008年3月14日、ベアースタンの救済を発表し買収した。ベアースタンの破産申請という事態を防ぎ、金融市場のドミノ倒しを辛うじて食い止めたのだが春先だった。なんとかサブプライムローン問題を乗り切れるかと想ったとのもつかの間、半年後の9.15突如リーマンブラザーズが破綻した。
世界の市場を覆う不安感の正体は未だ明らかにはなっていない。中国経済の崩壊、原油価格の下落、米国景気がさほど強くもないのに利上げを強行したFRB。VW,ドイツ銀行が破綻に瀕しているドイツ経済の危機、サウジとイランの対立、トルコVsロシアの戦争危機・・・・更にはイギリスのEU離脱危機・・・中国の南シナ海での横暴、北朝鮮の核実験とミサイル発射・・・世界経済を脅かすネタは尽きる気配がない。
世界市場の下落は原油安と中国失速に端を発した市場の混乱は新たな経済危機のから第三次世界大戦にまで広がるかもしれないという得も知らない危機感に満ちている。
2015年12月、FRBが政策金利の引き上げに踏み切ったのは、米経済が危機対応
であるゼロ金利を必要とする非常事態から脱した、と判断したからこそ。日本ではアベノミクスと日本銀行の「異次元緩和」で株価が大幅に上昇し、欧州もギリシヤなど一部の例外を除いて着実にユーロ危機のダメージから回復している、と考えられていた。
しかし、現在の市場の雰囲気はまるで金融危機直後に逆戻りしてしまったかのようだ。日銀は先月末、量的緩和では足りないとばかりに日本の金融政策としては初のマイナス金利導入を発表。FRBのイェレン議長は世界経済の不安定さを理由に3月の追加利上げを見送った。
世界各国の市場は同時株安に見舞われ、中央銀行がいくら対策を打ち出しても、市場がそれらを好感して上昇に転じる気配は見えない。なぜ現在の世界経済には、危機の再来に身構えるかのようなムードが蔓延しているのか。
今や定説となっているが、株安のきっかけとなり、グローバル経済の足を引っ張っているのは、原油価格の下落と中国経済の失速だ。 これは今更説明する必要もないだろう
原油価格はFRBなどの量的緩和で
市場にあふれた資金が原油市場に流れ込んだこともあり、1バレル=100ドルを超える高値を記録していた。それが緩和の縮小とその後の終了に応じる形で下落に転じ、30ドルを下回る水準にまで落ち込み今日は戻ったが私は減産が守れるとは思っていない。需要と供給のバランスが変化したのは確かだが、実需より先物取引のマネーゲームの比率が高いWTIは急激に値下がりするのは当然の動きだ。 原油安は中東諸国やロシアベネゼイラなど、国内経済を石油の輸出に頼り切っている資源国に大きなダメージを与えた。さらに石油を売った資金を元手とする国際的な投資資金の引き揚げも始まり、世界の市場に影響を与えている。
アメリカ経済にとっても、原油安はマイナスとなる。シェールガスの採掘が本格化し、産業の急成長に沸いたのはそう昔のことではないが、現在では原油安のせいでシェール採掘の採算が合わなくなったため、関連企業の倒産や資金を融資する金融機関の経営悪化が懸念されている。
日本など石油を輸入する国にとっては、本来なら原油安は経済にプラスになるはずだ。しかし実際は、米経済の不透明感の波及といったマイナス面を打ち消すほどのプラスの効果は表れておらず、それどころかデフレ脱却の足を引っ張るという笑えない事態になっている。
中国経済については、昨年6月からの数回にわたる株価の暴落で、誰も信じていなかった中国の統計数字、土地バブル崩壊、シャドウバンキング問題、地方政府の破綻、中国成長神話の崩壊で人民元安、資金の流失の悪循環に陥ってしまっている。今我々は中国のキャピタルフライトを目撃しているのだ。
執筆中
焦点:急減する中国外貨準備、いつ限界水準に達するか
【ロイター】2016年 02月 24日 14:38 JST
[北京 24日 ロイター] - 中国の外貨準備はなお世界最大規模を誇るが、資本流出に伴い急スピードで減少しており、中国政府は遠くない将来に人民元の切り下げ、あるいは資本統制への逆戻りを強いられるとの見方が一部で浮上している。
中国の外貨準備は1月に995億ドル減って3兆2300億ドルとなった。2014年半ばに比べると7620億ドル減と、スイスの国内総生産(GDP)を上回る規模で減っている。
中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は先週、「財新」のインタビューで資本流出について、ドル高を背景とした国内企業によるドル建債務の返済と対外投資による部分が大きいと指摘。債務返済は間もなく底を打つし、対外投資は歓迎すべき動きだと擁護してみせた。
大半のエコノミストは、中国の外貨準備にはまだ大きな余裕があるとの見方に同意しているが、一部には数年後と言わず数カ月後にはブレーキを踏む必要が出てくるとの見方もある。
外貨準備の減少ペースが加速したのは、人民銀行が海外の投機売りや国内の資本逃避に対処し、人民元買い介入を行ったためだ。
外貨準備はなお巨額だが、中国ほどの規模の経済だと、輸入や対外債務の返済に多額の準備が必要になる。その上、外貨準備の内訳が流動性の低い資産であれば、その要請にすぐには答えられない。
中国の外貨準備の構成は国家機密だが、複数の当局者は、ドル以外の通貨の価値がドル建てで減少していることも、準備高減少の一因だと話している。
ソシエテ・ジェネラルは、国際通貨基金(IMF)の指針では中国にとって安全といえる外貨準備の最少額は2兆8000億ドルで、現在のペースで減少を続ければ間もなく到達するとみる。
同社は「向こう数カ月中に到達すれば、投機的な売りが押し寄せ、人民銀行は降参して人民元レートを市場に委ねるしかなくなる」としている。
これに比べ、G20(20カ国・地域)のある中央銀行副総裁はもっと楽天的で「(安心できる最少額が)どのくらいか分からないが、2兆8000億ドルよりずっと少ないことは確かだ」と述べた。
<魔法の数字は存在せず>
HSBCのアナリストチームは理論上2兆ドルで十分だと見ているが、減少を続ければ国内投資家が脅えて海外への資金移動を加速させる恐れがあるため、中国当局が手をこまねいているとは考えにくいという。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の新興国市場通貨ストラテジー・グローバル統括、ウィン・シン氏によると、中国の外貨準備は1年5カ月分の輸入をカバーできる水準であり、短期対外債務の外貨準備に対する比率は25%にとどまる。新興国として安全な水準と考えられる3カ月と55%よりもはるかに良好だという。
シン氏は「われわれが新興国に適用しているどんな尺度で見ても、中国の外貨準備は十分すぎるほどだ」と話した。
中国のシンクタンクのあるエコノミストも「3兆3000億ドルもあって何を心配する必要があるのか」と同意する。「中国の対外純債権は1兆5000億ドル、貿易黒字もまだ6000億ドル程度ある」
外貨準備が2025年までに2兆ドルに減ったとしても、「まだ安全、健全だ」とこのエコノミストは語った。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのシン氏は、安全な水準は、究極的には特定の比率というよりも市場心理で決まると指摘する。
「魔法の数字は存在しない。大きな部分を占めるのは信頼感だと思っているが、中国の政策担当者は信頼感の回復につとめて力を入れている」という。
人民元売りを公言しているヘッジファンド、オムニのポートフォリオマネジャー、クリス・モリソン氏は「このゲームは期待と信頼感がすべてだ。市場が底をのぞいたが最後、信頼感は総崩れになる。3兆ドルを下回った時がその分岐点だと私は考えている」と話した。
(Kevin Yao記者)
G20、26日開幕 議長国・中国の構造改革に注視 安倍首相「中国は取り組んで欲しい」 【産経ニュース】2016.2.24 20:11
日米欧や新興国などで構成される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が26、27日に中国・上海で開かれる。市場は、議長国の中国が自国経済の構造改革について説得力あるメッセージを打ち出せるかどうか、日米欧など先進国がどこまで踏み込んだ政策協調を示せるかを注視している。
会議では、世界経済に大きな影響を及ぼした中国の経済失速の実態や構造改革の見通し、原油価格の急落、米国の今後の利上げなどについて議論される見通しだ。ドイツ銀行の巨額赤字をきっかけに急浮上した欧州の金融システム不安の再燃懸念についても話し合うとみられる。
安倍晋三首相は24日の衆院財務金融委員会で、G20に関し「世界経済を安定させ、持続的な成長のために何をするかという観点から話をすべきだ」と述べた。特に中国に対して「過剰設備(の解消)などの構造改革に取り組んでもらいたい」と注文を付けた。
昨年夏から続く世界市場の混乱は、人民元の下落で火がついた。G20の場で、中国が構造改革への取り組みと人民元の安定を約束する一方、他の参加国などが中国の資本流出に歯止めを掛ける「資本規制」を容認することになるかどうかが大きなポイントになる。
G20では会議後に声明文が公表される。リーマン・ショック後に世界経済を支えてきたG20が市場の混乱回避に向けて再び力を示せるか。各国の利害を超えた枠組みが問われている。
【湯浅博の世界読解】『自滅する中国』という予言
【産経ニュース】2016.2.24 09:40
中国の習近平国家主席は昨年9月に訪米し、確かに「南シナ海を軍事拠点化しない」といった。果たして、この言葉を素直に信じた沿岸国の指導者はいただろうか。
その数カ月前、米国防総省の年次報告書「中国の軍事力」は、南シナ海の岩礁埋め立てが過去4カ月で面積が4倍に拡大していると書いた。中国の国防白書も、「軍事闘争の準備」を書き込んで、航行の自由を威嚇していた。
かつて、マカオの実業家がウクライナから空母ワリヤーグを購入したとき、中国要人が「空母に転用する考えはない」と語ったのと同様に信用できない。中国の退役軍人がマカオ企業の社長だったから、尻を隠して頭を隠さずというほど明白だった。
漢民族は自らを「偉大なる戦略家である」と思い込んでいる。孫子の兵法を生んだ民族の末裔(まつえい)であるとの自負が誤解の原因かもしれない。米国の戦略国際問題研究所(CSIS)の上級顧問、E・ルトワク氏は、戦略家であるどころか「古いものをやたらとありがたがる懐古的な趣味にすぎない」と酷評する。実際には、中核部分の「兵は詭道(きどう)なり」というだましのテクニックだけが生きている。
その詐術も足元が乱れることがある。米メディアが南シナ海のパラセル諸島への地対空ミサイル配備を報じた直後、王毅外相が「ニュースの捏造(ねつぞう)はやめてもらいたい」といった。すると、中国国防省がただちに「島嶼(とうしょ)の防衛体制は昔からだ」と反対の見解を表明して外相発言を打ち消していた。
国家の外交が、ひそかに動く共産党の軍に振り回されている。軍優位の国にあっては、当然ながら国際協調などは二の次になる。
ミサイル配備が明らかになったウッディー島は、南シナ海に軍事基地のネットワークを広げる最初の飛び石になるだろう。早くも22日には、CSISが南シナ海スプラトリー諸島のクアテロン礁に中国が新たにレーダー施設を建設しているとの分析を明らかにした。
やがて、これら人工島にもミサイルを配備して戦闘機が飛来すれば、船舶だけでなく南シナ海全域の「飛行の自由」が侵される。23日訪米の王毅外相はどうにかつじつまを合わせるのだろう。
ルトワク氏はそんな中国を「巨大国家の自閉症」と呼び、他国に配慮することがないから友達ができないと指摘する。例外的に1国だけ、核開発に前のめりの北朝鮮がいるが、それも近年は離反気味である。
中国が脅威を振りまけば、沿岸国など東南アジア諸国連合(ASEAN)は、共同で対処する道を探る。オバマ米大統領が昨年はじめてASEAN大使を任命し、米・ASEAN関係を戦略的パートナーに格上げすることで、その受け皿にした。
中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)を含む札束外交で歓心を買おうとしても、従属を強要する意図が見えれば中国への警戒心はむしろ高まろう。ASEAN首脳が米西海岸サニーランズでオバマ大統領との会談に応じたのも、対中ヘッジ(備え)になってくれると考えるからだ。
オバマ政権のアジア・リバランス(再均衡)に中身がなくとも、中国のごり押しで米国とASEANの緊密化が進み、中国の影響力をそぎ落とす。それがルトワク氏のいう『自滅する中国』という予言なのだろう。(東京特派員)

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