2016年初めて恒例の防衛技術シンポジウムに参加してまいりました。
私は、このUUVが次世代型の潜水艦のモデルになるのではないかと思い、いろいろと質問してみた。
米国のSOSUS網
三胴船(トリマラン)は船体が水面下で3つに分かれていて、水の抵抗を受けにくく高速を出し、甲板の横幅を広く取れる為、従来の軍艦の欠点を克服した未来の軍艦と言われました。
確かに水中音響通信ネットワークの一部だと思うのだが、現場海域にはDEXや掃海艦か掃海母艦で行くのか?、現在海自には敷設艦が在籍していないが、将来再度建造するのだろうか?聞き漏らした。
あれ・・・この低シグネチャ将来水上艦は・・・
そう、以前計画されていた3000tクラスのトリマラン型の護衛艦をモノコックに仕上げた船に見える。
将来潜水艦 パンフレットより修正作画Ddog
耐圧殻は将来型の潜水艦がどのような形になるか重要な要素となる。

2018年進水2020年竣工の27DDGの模型が展示されていました。
2017.1.14追記
今までなかなか休みが取りづらかったのですが、今年は思い切って休みを取り2日目 16日(水)市ヶ谷まで行って、専門官の方々からお話を伺ってきました。
途中で某航空雑誌のライターの方につかまり・・・時間を費やしてしまい、1日では足りませんでした。
皆さん、本当は色々なことを喋りたかったのだろうけど、わざと何も知らんぷりして、口が堅かったですね・・・・でも、幾つか疑問が解けました。25DMUと26DMUは別の機体だが、マイナーチェンジであったことなど・・・


私は、このUUVが次世代型の潜水艦のモデルになるのではないかと思い、いろいろと質問してみた。
しかし、まったくそんなことがない、艦橋をつけてしまったので誤解を受けてしまったとのこと、いつもそのことを聞かれ艦橋を付けなければよかったとのことでした。
船体が曲がることで潜舵が無くなり無音化に役立つのかと聞いたところ、確かにそういった利点があるが、高速での走行や、機敏性では劣るとのことで、潜水艦への応用は効かない。
リグプロペラについて、キャピテーションの発生が抑えられ、将来潜水艦への応用を考えているのかとの質問に対し、大型艦ではリグ部分に埋め込む磁石が推力を出すために厚くなり、現状では考えていない。
磁石もネオジウムやレアメタルを使わない磁石など日本の技術をもってすれば可能では?と質問したが、現状は考えていない。予算があれば別とのこと・・・・
では、なぜこの船体を試作したのかと?あくまでも実験の為で、自衛隊より要望があればと、まったく同じ答えを各ブースの説明員の方が答えます。
そもそも、要望が無ければ実験は道楽ということになり国費の無駄使いとなってしまいます、目的なしでそもそも研究などするはずない。
このUUVは何の為に製作したのかその本当の狙いは何か?直球も投げても答えてくれるはずもなく、幾つかヒントを頂いた。
このモデルは低速で、海底で長期滞在可能な技術を積み上げる為だとか。
現在中国の原潜による接続水域への侵入や領海侵犯が行われいるが、各海峡などのチョークポイントに長期滞在させ、中国海軍の潜水艦情報を逐次偵察させるのが目的だということなのだと理解した。脆弱なSOSUS網を補完する為のようだ。

現在日本近海での水中での圧倒的優位を更に万全にするため水中音響通信を用いた広範囲なデジタル通信ネットワークを構築し、潜水艦や UUV(Unmanned Underwater Vehicles、水中無人機)、USV(Unmanned Surface Vehicles、水上無人機)の通信能力を向上させることを目指している。具体的には、潜水艦や護衛艦の水中通話器、UUV の遠隔操作等の水中装備品への適用が期待できる。

運用構想では通信ノードを中継することで水中と水上の情報共有が可能となる様子を示している。今回の発表では、この運用構想を実現するための課題、研究用に
製作した試作品、試験結果について紹介する。
電磁波の減衰が大きい水中において、潜水艦や UUV の通信には音波が使用されている。しかし、現状の水中音響通信では多くの製品がアナログ通信であり、通信距離も短い。また、ネットワーク化も実現していない。現在低周波音波による伝達可能距離は3Km強、低周波による超長距離の伝達も可能だそうだが、情報量を載せることが難しいとのことだ。

この固定型通信ノードはUSVと中継ブイを使い、潜水艦と司令部の通信ネットワークの構築を進めているとのことだ。太平洋をカバーすることは出来ないが、チョークポイントはカバーすることが可能だ。
公式には詳細を公表されていないが、日本は水中音響監視システム(SOSUS)を大陸棚周辺および沖縄トラフ、対馬海峡や宗谷、津軽海峡に設置しているとされている。SOSUSは海底に取り付けられた固定ソナーで、潜水艦の活動を捕捉し早期警戒を提供することで、その他の対潜武器の展開を支援する。
SOSUSが疑わしい目標を発見すると、指揮部は対潜哨戒機を出動させ、対潜用艦艇を当該海域に派遣し、抑制と捕捉を行う。
SOSUS (ソーサス、Sound Surveillance System)
旧日本海軍も基地近海に固定聴音装置を設置していた。アメリカ海軍のSOSUS網も極東地域に展開しているが、海上自衛隊でも水中固定聴音装置を設置・運用している。ただし、公式情報は少なく、設置箇所や運用方法は公表は差し控えられている。ただし、1973年及び1974年に津軽海峡や対馬海峡への設置が国会答弁されている。
機器については、1967年からの第3次防衛力整備計画において、水中固定聴音装置LQO-3が16基の取得計画となっており、一部は1980年代にLQO-3Aに更新された。これらの機材は純国産であり、海峡ごとに複数基設置されたが、性能は芳しくなく、潜水艦の探知距離も近距離に留まっていたとされている。
より低周波数に対応したLQO-4も1970年代より開発が開始され[7]、1990年頃より配備・運用に至っている。その後も、水中固定聴音装置はLQO-4B、LQO-5、LQO-6が開発されている。
1990年代、松前警備所を拠点に日本海へも固定聴音網が展開していると推測されており、下北海洋観測所及び沖縄海洋観測所も固定聴音網の関連設備と考えられていた。
2015年9月、第189回国会において平和安全法制関連2法案が成立する直前に、沖縄県うるま市の海上自衛隊沖縄海洋観測所沿岸から海中に長く延びる2組のケーブル埋設痕らしき画像が、ドローン(小型無人機)を用いて撮影され公開された 。同月統合幕僚長は記者会見にて「SOSUSの日米一体運用の事実はない」と答えている。
SOSUSは、その維持には莫大な資金が必要とされる。水中ケーブルは地引網による損傷を受けやすいため、厳重に管理された水域にしか設置いるが、中国の不法漁船による意図的かどうか不明だが、尖閣海域や小笠原海域で、破壊行為を堂々と行っている。日本が東シナ海で設置しているSOSUSは、沖縄トラフから西の尖閣海域にあり、主に第一列島線に近づく中国の潜水艦を監視するため用いられているが、今回の中国漁船の大量ラッシュ来襲はSOSUS破壊目的の可能性を否定できない。
USVとUUV、通信ソードにの組み合わせによる水中音響通信ネットワーク(Underwater Acoustic Communication and Network)は日本のを難攻不落の真田丸にするようなものです。
シンポジウムの内容もさることながら、配布されたパンフレットに目が釘つけとなった。潜水艦耐圧殻構成要素に関する研究の項に、将来型の潜水艦の艦形などが描かれていた。



コンセプトモデル
現時点での成果として、コンセプトモデルが作られています。このコンセプトモデルは哨戒・掃海活動に重きを置いたもので、水船長80m準排水量1160tという船体でありながら、全長150m 基準排水量5、100tのあきづき型護衛艦と同じ規のヘリ甲板を備えています。
運用については沿岸域での活動を主として想、海域は米海軍のLCS、沿岸域戦闘艦に近いが、戦闘艦ではなく、無人機運用能力を備えた哨戒・掃海艦を想定したコンセプトになてています。高速航行が可能で、ヘリコプター1、2機が収容できるペースがあり、無人機を発射、回収するシステム搭載します。また、水雷除去や対潜水艦戦にも活用します。
実用化のメドが立てば開発に移り、海上自衛隊の艦艇として平成30年代後半に導入することを想定している。

2016.11.03 Thu posted at 16:35 JST
米海軍、フリーダム級沿海域戦闘艦のエンジン損傷事故・事故原因はメインテンス不良の可能性【business.newslin】2016.4.11 by Sean Harris
大失敗の三胴船LCS-2インデペンスのことを見て見ぬふりをしているのだろうか?「インディペンデンス」は満載排水量2,784トン、ウォータージェット推進で速力45ノット。短距離対空ミサイル、速射砲に機関砲、低空・水上レーダーに最新の戦闘指揮システム、大型へリ2機搭載の非力な軍艦だ。
まったく同じ装備のLCS-1フリーダムは4650万ドル(約55億円)に対し三胴船LCS-2インデペンスの価格は一番艦が約7880万ドル(約100億円)で、LCS-1フリーダムと装備が同じで値段が1.7倍高い。
三胴船は他にも波に弱く外洋航行が苦手という、深刻な欠点もある、一般的に軍艦は小型の艦ほど、大きさの割りに割高になってしまう。なるべく大きい軍艦を少数持つほうが、高性能な小型艦を多数持つより、効率が良い。小さい艦はレーダーや通信機能、装備全てで劣るので、何隻集めても大型艦には勝てない。
沿海域戦闘艦という小型艦を多数配備する計画は、最初から矛盾に満ちていて、トランプは、この計画を潰すだろう。
結局、米国のLSCは5000t以上の単胴船の駆逐艦にとってかわられると思う。
それゆえ、無理して三胴船を開発しなくてもいいのではないか?
日本の場合は、ミサイル艇と掃海艦とDE沿岸型護衛艦の後継を目指しているとは思うのだが、世界屈指の掃海能力を損なわないようにしてほしいものです。
小型の低価格の魚雷艇や水雷艇は、駆逐艦に置き換わられ、駆逐艦は必ず多機能の大型艦になり高額化を繰り返しています。
ペルシャ湾やアデン湾で貧弱な武装組織相手なら巡視船に毛が生えた米国のLCSでも十分であったが、南シナ海では非力すぎて、中国海軍に舐めまくられてしまい、まったくの役立たずであった。短距離対空ミサイルしか装備しない「非武装」の軍艦を前線に出せば、全滅するのは目に見えている。
しかしミサイル艇+掃海艦+DE沿岸護衛艦をマルチに熟せれば、1160tでも頼もしい。
せめて、SSMと短距離対空ミサイルを装備すべきだろう。

私は、「日本のUUV戦略に明確な目的性が見え無く、米国がやるから、世界的トレンドに乗り遅れない為だけにUUVを開発しているようにしか見えないのですが」?と、突っ込んだところ、UUVの説明官の方が、私の突っ込みに、ついつい本音を話してしまったのだろうか?「確かに、確固たる目標があって開発しているのではない」・・・・!!! 「えっ~!」驚いた。「まじっすか?」



3000tクラスのトリマラン三胴船は諦めたのだろうか?
潜水艦耐圧殻構成要素に関する研究の項に、将来型の潜水艦の艦形が描かれていた。拡大して修正したCGを掲載します。



より深く、より早く・・・日米安保条約が将来破棄されたり、破棄とならなくても、トランプ次期大統領は日本に相応の軍事的負担を求めており、ひょっとすると将来原子力潜水艦を建造する場合、CGのような艦になる可能性がある。見た感じ原潜ならば水深1000mを30ノットで航行可能というところだろうか?あくまでも妄想上のスペックです。
ロシアのアクラ型をイメージしたような流線型の環境と前方潜舵、ポンプジェットを採用した高速大深度潜水可能な船型を構想しているようだ。

高度なTCCM機能※ を有し、深海域から浅海域までのいずれの海域においても探知、追尾及び命中性能に優れる潜水艦用長魚雷を開発中です。
※TCCM:Torpedo Counter Counter Measures(魚雷攻撃から母艦を防御するために魚雷を欺瞞或いは 妨害された際の対抗手段)
勿論中国の原潜などは水中音響通信ネットワークが敷かれた日本海近海では近づくことすらできないだろう。

パッシブソナーとアクティブソナーを交互に繰り返し探知精度を高める研究をしている。これは水中を丸裸にする技術で、日本の対潜戦闘AEWレベルはP-1を保有するうえ、以上のような技術を開発し、日々情報を蓄積しているため、他国の追随できないレベルになるかもしれない。
将来UUV






艦船推進システムにおける耐衝撃性設計の簡易的手法に関する研究
護衛艦、潜水艦及び掃海艦艇等には、ミサイル、砲弾及び魚雷等による被弾又は機雷等による近接爆発での衝撃に対して、継戦・帰投能力の維持が必要とされている。現代艦船は精密機械の塊であり直撃された途端に戦闘能力を失う可能性が高い。しかし、CIWSや魚雷防御装置やレーザー光線で至近距離で破壊しても戦闘能力を失うリスクがある。
特に魚雷、機雷等の水中爆発では、衝撃的外力によるホイッピング及び爆薬の生成ガスからなるバブルジェットによる強い船体振動が発生するため耐衝撃対策を行う必要がある。
諸外国では構成品(機器単位)に直接衝撃を与える衝撃試験及びショックトライアル(実際の艦船を使用しての水中爆発試験)を実施し、艦の設計にフィードバックして所要の耐衝撃性を確保している。しかし、膨大な時間と多大な費用を要しており、これを削減するため現在ではモデリング&シミュレーションツールを用いた解析をもっ
て衝撃試験に置き換えるよう研究が進められている。
一番ダメージを受けやすいエンジンを保護する目的と静穏性を保つ為、耐衝撃性設計を行ってます。


説明員の方に「地震国日本は免震ゴムが発達しており、そういった応用ですか?」と、冗談で「耐震偽装の東洋ゴム製ですか?」と質問したところ、「ええ、その通り」、小さな声で「実は東洋ゴム製もありまして・・・」「えっ!失礼しました」余計な冗談を言ってしまった。

2018年進水2020年竣工の27DDGの模型が展示されていました。
艦名のプレートが白く隠してありましたので・・・ひょっとして艦名が内定しているのでは?と目を凝らしましたが・・・透けて見えるわけがなく、まだ決まってはないだろうけど、マニアとしてはひょっとしてと・・・思ってしまいました。
日本における最初のSM-3 BlockⅡA・SPY-1D(V)レーダーの新信号処理装置であるMMSP(Multi Mission Signal Processor)最新の戦闘システム用プログラム(イージスBMD5.1)搭載艦となる。リンク16メッセージの改修により可能になりEOR(Engage on Remote)機能となります。

基準排水量: 8,200t
満載排水量:10,070t
全長:169.9m
水線長:158.0m
最大幅: 21.0m
水線幅: 19.0m
深さ: 12.0m
喫水: 6.3m
機関形式:COGLAG(ハイブリッド推進方式)
軸数:2軸
速力:30knot
兵装:Mk45 mod4 5inch(127mm)単装砲1基
:Mk15 mod25 20mm Phalanx 2基(高性能20mm機関砲)
:Mk99 ミサイル射撃指揮装置 3基
:Mk41VLS(垂直発射装置) 一式
:艦対艦誘導弾発射装置 一式
:Mk160 砲射撃指揮装置 一式
:HOS-303水上発射管 1基
:情報処理装置 一式
:SPY-1D(V)対空レーダー 一式
:SPQ-9B(対水上レーダー) 1基
:EW装置 一式
:SQQ-89(V)対潜システム 一式
:TACTASS(MFTA)一式
:CEC(共同交戦用ネットワーク) 一式
乗員:340名
対艦ミサイルはあきづき型/あさひ型が90式対艦ミサイル(SSM-1B)なので、踏襲する可能性も模型を見る限り高いが、そろそろ12式地対艦誘導弾の艦載型になっても良いころだろう。できたらXASM-3の艦載型も見たいところだ。
2017.1.14追記
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