やはり、このオッサンの頭の中は差別思想しかないらしい。作家の百田尚樹が3日、こんなツイートを放った。

〈「日本死ね」という言葉を流行語に選んだ審査員の顔ぶれを見ていると、韓国人がいた。〉
〈日本人ほど、優しく、他者を慮る心を持った民族はいません。
このことは在日韓国人たちも本当は知っています。同時に、日本が素晴らしい国であることも知っています。にもかかわらず彼らは日本人の悪口ばかり言います。〉

本サイトでも報じたとおり、百田は先日、千葉大医学部の学生3名が集団強姦致傷容疑で逮捕された事件で氏名が未公表だったことについて、〈犯人の学生たちは大物政治家の息子か、警察幹部の息子か、などと言われているが、私は在日外国人たちではないかという気がする〉とツイート。当然のように、一般ユーザーから「ヘイトスピーチだ」「人種差別だ」といった批判が殺到した。

また、ジャーナリストの津田大介氏もツイッターで、〈この人この種の発言懲りずに何度も繰り返してるし、単にツイッターの利用規約違反なので、ツイッター社はしかるべき警告を発した上でそれでもやめないようなら、この人のアカウントを停止すればいいんじゃないかな〉と糾弾。ネットニュースで「百田VS津田」などと報じられ、大きな話題になったが、百田は執拗に津田氏への攻撃を繰り返している。

〈以前から私を執拗に攻撃している某氏のアカウントを覗いてみると、何とフォロワーが100万人!有名タレント並!
ところがある人の情報によると、フォロワーを買える裏システムがあるらしい。デビューしたてのアイドルとかが人気あるように見せるために買うという。
某氏が買ってるのかは知らない。〉

〈某氏の本職って何だろう。
本人はジャーナリストと言ってるが、これまで何か取材したものがあるのだろうか…。
でも、自己プロデュースだけで、ここまできたとすれば、凄い努力の賜物と言えなくもない。フォロワーを買うのもその一環だろう。たゆまぬ努力!〉

ちなみに、百田がいう「フォロワーを買っている」というのはデマで、実際にはスパム業者がフォロワー数の多い津田氏を勝手にフォローしているだけなのだが、それは置いておくとしても、「これまで何か取材したものがあるのか」とは笑わせるではないか。なんの取材もせず、妄想だけで差別的な決めつけをし、デマを拡散しているのは完全に百田のほうだろう。

その典型が、まさに千葉大医学生らの集団レイプに関するツイートだ。昨日発売の「フライデー」(講談社)が、「千葉大学医学部レイプ事件『これがエリート医大生の素顔だ』」と題して、容疑者たちの素性をスッパ抜いたのだが、この記事によって、「犯人は在日外国人」という百田のツイートがなんの根拠もないデマだったことがはっきりしてしまったのだ。

記事によれば、3名の容疑者は全員医学部の体育会に参加していたスポーツマンで、AとBはラグビー部、Cはスキー部などで活動していたという。Bの父親にも直撃し「被害者の方には本当に申し訳ないと……、本当に申し訳ないことをしてしまったと思っています」というコメントも取っているが、なかでも注目すべきはAの存在だ。「フライデー」によれば、Aは父親も兄も弁護士という法曹一家。記事ではAの知人がこう証言している。

「A家は日本法曹界でも指折りの名家なんです。曾祖父は東京帝国大学法学部で岸信介元総理の学友であり、最高裁判事などを務めました。身内には、法律関係の財団法人の理事長や各弁護士会の幹部経験者などがゴロゴロいます」

ようするに、千葉県警が容疑者が成年にもかかわらずその氏名を公開しなかったのは、Aが “法曹界の名家”であることに配慮した結果だったのだ。

周知のように、司法・検察・警察組織は身内に甘いうえ、組織同士もお互いにべったりの関係で、不祥事をかばい合う関係にある。当然、今回の事件についても、法曹界のルートを通じて情報公開に圧力がかかったのは想像に難くないし、容疑者の曾祖父が安倍晋三首相の祖父・岸信介と親密な関係にあったことを警察組織が忖度した可能性もあるだろう。

ところが、百田はこの権力による身びいきを逆に「氏名が公表されないのは犯人が在日外国人だから」などと言いふらしたのだ。

そもそも、これまでの新聞報道などを見ても明らかなように、在日外国人が犯罪を犯した場合も実名は発表されるし、報道もされている。容疑者の国籍をうんぬんする前に、百田の「在日外国人だから実名を伏せられた」という主張自体が最初からありえない話なのだ。

ようするに、このオッサンは在日外国人排除と差別の扇動目的でこんなデマを飛ばしたのであり、その心性はほとんどネトウヨと同じなのである。

しかも、このネトウヨ作家のおぞましいのは、「犯人は在日外国人」デマが散々国籍に対する差別扇動だと批判された後も、まったく反省の色をみせず、平気で差別主義をひけらかし続けていることだ。冒頭で挙げた〈「日本死ね」という言葉を流行語に選んだ審査員の顔ぶれを見ていると、韓国人がいた〉〈(在日韓国人は)日本人の悪口ばかり言います〉というのはその典型だろう。

念のため言っておくが、例の「日本死ね」ブログは、日本で暮らす母親による待機児童問題の喫緊の訴えであり、広く社会問題として認知されるきっかけになった言葉だ。「悪口」でもなければヘイトスピーチでもない。一方、百田のこのツイートは、おそらく在日韓国人二世である姜尚中東京大学名誉教授のことを指していると思われるが、2016年の社会状況や選考過程まったく無視し、「韓国人」という属性だけを根拠に“「日本死ね」という「日本人の悪口」を流行語大賞に選んだ”とレッテル張りをしている。これがグロテスクな国籍差別の披瀝でなければ、いったいなんなのか。

少なくとも、百田を見ている限り〈日本人ほど、優しく、他者を慮る心を持った民族はいません〉などというのは、タチの悪い冗談としか思えない。
(編集部)

まあ、百田氏の勇み足だった、百田氏も裏をとらず安易に在日犯罪推定したのはまずかった。しかし、百田氏は在日=在日外国人の可能性を疑ったが、在日朝鮮/韓国人と断定していない。ところが、パヨク側が在日朝鮮/韓国人と勝手に断定してしまったのは、ある意味自爆ヘイトとなってしまったのではないか?お笑いである。

例え在日外国人全般だとしても、裏を取らずに思い付きでツイートしてしまうと、もし違ったら、保守側の敵失となってしまうことぐらい思わなかったのだろうか?この点については百田氏を擁護しようがない。

千葉大医学部は一般に東大の理Ⅲ(医学部)は無理でも東大の他学部には余裕で合格する秀才が行くところである、そう易々在日朝鮮人や韓国人が行けるところではないと知らなかったようだ。百田氏は関西人なので知らなかったのかもしれない。

そもそもツイッターを私は好きではない。テキトーに呟くこと自体あまりロクでもないことだが、そもそも本来心のうちにしまっておくべき本音や思いつきや呟きを全世界に曝してしまうSNSなのだ!ある意味でアイデアを書きとめるプラスの面もあるが、口にしてはいけない本音を曝してしまう構造的欠陥もある。

呟きは心の声で、思いつきや、妄想、思い込みも混ざってしまうもので、それを人様に曝すことは、人間関係を壊しかねないダークサイドを持つ。当然のことながら他人から思わぬ攻撃を受けるべきして受けてしまうのだ!トランプ次期大統領はそんなことは関係ないとばかりに、暴言を連発したが、批判にめげず、想いを貫き通した稀な例だ。継続は力なり、暴言はいつしか「嘘をつかない」=「誠実」に変わってしまった。

ツイッターの特性を熟知した津田大介はその特性を知ったうえで、百田氏やトランプのツイッターのアカウントも閉鎖すべきと言っているのである。民主主義的言論の自由を否定することを自覚して言っているのであろうか?もし無自覚で言っているなら単なる馬鹿だ!確信犯的に言っているのなら、民主主義に仇為す言論テロリストだ!

完璧な人間でもなければ、ツイッターでボロがでるのは必然。パーフェクトヒューマンなどいない!ああ、いたいた、けど、パーフェクトヒューマンはオリラジ中田のネタだけで結構だ。(笑)



うmm・・・本文に関係ないが、2016年1月に公開されたこのパーフェクトヒューマンとは次期米大統領トランプの出現を予言する時代の鏡の歌だったのか?

ツイッターはやめませう!

たとえば、街で魅力的なご婦人を見かけて、「いい女だ!Hをしたいなぁ~」「おっぱいでか!」と思っても、いちいち口に出して呟けば、他人からロクでもない人間だと思われてしまうだろう。本人が不快に思えばセクハラになってしまうので、思っても口には普通出さない。いわんやツイートするなどもっての他である。

ツイッターで安易に呟くのは、人前でパンツを履かずに裸でいるようなものだ!学生時代、思ったことを直ぐ口に出して、女子から散々叩かれたことがあった。サービス精神で言ったつもりが、誤解を招くことは多々ある。社会人になってからは発言する前に一呼吸置くようにするようになった。おしゃべりな私がツイッターをしない理由の一つは、自分がゲスだと自覚しているからかもしれない。

そのツイッターの特性を知っててツイッターを信奉する津田大介のツイートも私から見れば醜い金髪中年の裸を見るようなものだ。見たくもない!

J-WAVEのヘビーリスナーである私は心ならずも津田大介氏のジャムザワールドを聞いている。

東日本大震災の震災復興をする人達を忘れ去らず支援する姿勢は共感するが、その流れで原発批判に持ち込む汚い論法は、聞いていて時々腹立たしく、汚い遣り方に思えた。津田は明らかに公正な立場ではなく、共産党や民進支持の主張をすることが多く、私は時として不愉快になり、ばちっとJ-WAVEを切ってしまうことがある。

しかしながら、今回は津田は正しかった。ネットウヨが犯罪者をなんでもかんでも在日認定することについて、保守派である私も違和感を感じていました。

この点は百田氏も慎んだ方がいいかもしれません。しかし、反対の意見を言うものに対し、ツイッターアカウントを取り上げろとの主張は、全くもって、北朝鮮や中国共産党的な発想であるうに思える。

戦後ながく犯罪者の名前の報道が実名ではなく通名を使われてきた。報道において、在日韓国・朝鮮人タブーが存在しており、拉致事件以降実名報道されるようにはなってはいるが、主に朝日新聞・毎日新聞・テレビ朝日、TBSテレビ、NHK、まれに読売新聞が、依然実名ではなく通名報道をしている。警察が発表しない=記者クラブが隠匿していると思い込んだ百田氏が、愚かにもつい勇み足で、在日の可能性をツイートしてしまったのだろう。

太平洋戦争後、在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)、在日本大韓民国民団、および在日韓国・朝鮮人の犯罪事件に関して積極的に報道することは、朝鮮総連が組織的な示威行為などを起こしたことからタブーとされてきたが、朝鮮総連に関しては北朝鮮による日本人拉致問題が露呈して以降、比較的タブー視されることなく報道されるようになった。

なお、現在でも在日韓国・朝鮮人の犯罪行為に関して、本名ではない通名報道を行う報道機関もある。主に朝日新聞・毎日新聞・テレビ朝日、TBSテレビ、NHK、まれに読売新聞などがあげられる(詳細は聖神中央教会事件を参照)。 

またこれと同様にかつては在日朝鮮人、在日韓国人の著名人の出自を報じる事も1980年代あたりまでは半ばタブーであった(ただし週刊大衆が「活躍するコリアンパワー。」と称して在日朝鮮人の著名人へのインタビュー記事の特集を組むなどいくつかの例外はあった。また金久美子李麗仙等わずかながらではあるが民族名を名乗るタレントも存在した)。 

力道山は日本復興の英雄とされてきたが彼が朝鮮民主主義人民共和国出身である事を伝える事は生涯タブーとされてきた(力道山の息子達も父が亡くなるまでその事実を知らなかった)。この他特定の女優の出自を指摘したために業界から半ば干された文化人もいる(例:安田成美の出自を指摘した塩田丸男)。

ただし近年では、在日の世代交代や時流等で孫正義や李忠成などは日本への帰化後も通名を使わず、またマスコミも在日であった事を大々的に報じるなど出自を伝える事自体のタブーは以前と比較し薄れてきてはいる。
報道(機関)における在日朝鮮人のタブーが存在し、百田氏はじめ我々保守派は報道機関に対し不信感を持っている。

故に千葉大の強姦事件が百田氏が心の中でまた在日による犯罪なのではないかと早合点して、思ったことをツイートしてしまったのだと思う。そう思わせても仕方がない不名誉なことを客観的事実として在日朝鮮人は起こしているのである。

今回はたまたま強姦した千葉大生は在日ではなかった為、パヨクがそれみたことかと大喜びしている。

だが、私から言わせればパヨクこそネットウヨは差別思想で凝り固まったレイシスト、<日本人ほど、優しく、他者を慮る心を持った民族はいません>という幻想をもっているなどという、ネットウヨ、在日外国人排除、レイシストのレッテル貼りに忙しい。

客観的事実として国連の統計では韓国のレイプ発生件数は日本の10倍である。
「犯罪率統計-国連調査-(2000年)」による犯罪率統計 
10万人中犯罪が何件あるかの資料である。 
資料は1999年と2000年のものである。

世界の強姦(レイプ)発生件数

アジア各国 
アジアは性犯罪が少ない。元々、「精力が弱く性欲も弱い」という体質によるものとの見方がある。
日本 1.78件
インド 1.55件
韓国 12.98件
中国 2.84件
中国(香港) 1.53件
タイ 6.62件
トルコ 1.93件


元警視庁通訳捜査官坂東忠信氏が、自民党衆議院議員長尾敬氏の協力で、警察庁より「日本人と在日外国人検挙人員(刑法犯・特別法犯)の国籍別比較」が算出された平成27年データである。

確かに、犯罪者全部が在日だということはなく、犯罪者の大部分は日本人であって、犯罪者=在日という考え方は間違いである。

しかし、在日外国人数トップは中国人であるのに、犯罪者は中国人1506名の倍の3080名日本人犯罪者は30万人であるのに対しその1%、3080名である法務省の2016年6月末の統計では南北朝鮮人の総数約54万人 54万人のうち3080人が犯罪者刑法犯として検挙されているのである。約0.56%に相当する。日本人は0.25% 因みに帰化した元在日だった犯罪者数は加味されていない日本人として統計されている。そのことを差し引いても日本人の倍検挙されている。

しかしながら、ネット検索で在日朝鮮人の連続強姦犯罪者を調べると
在日朝鮮人による性犯罪が多発しているのは事実である。目立つ。
<犯罪者=在日コリアンという思考はなぜ保守論壇に広がったのか>

 千葉大学医学部の学生3名が、集団で女性に暴行した容疑で千葉県警に逮捕された事件をめぐり、作家の百田尚樹氏の以下のツイッター発言が「ヘイトスピーチだ」などとして議論を呼んでいる。

 千葉大医学部の学生の『集団レイプ事件』の犯人たちの名前を、県警が公表せず。犯人の学生たちは大物政治家の息子か、警察幹部の息子か、などと言われているが、私は在日外国人たちではないかという気がする。

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上記をめぐり、ジャーナリストの津田大介氏が「ツイッター社は規約違反により(百田氏の)アカウントを停止するべき」などとして議論が沸騰中だ。私は、ここ数年間、嫌というほどリアル・ネットの空間の別を問わず、耳を疑うような、決して言葉にすることが憚られるような、「異形」ともいうべきヘイトスピーチを見聞してきた。よって、社会的影響力の大たるベストセラー作家の言だとしても、上記発言に特段の感慨はない。

「この程度ならまし」を憂慮する
むしろ、悲しむべきなのは、そういった直接的な「異形」のヘイトスピーチと比較して、「この程度ならまだしも穏健な方だ」と少しばかり得心してしまう自分についてである。少し前なら社会的生命を失いかねない言葉が、平然と大手を振って歩いている。百田氏云々よりも、こちらを憂慮するべきである。

百田氏曰く「特定の民族を指したものではない」云々。確かに、字だけを読むと「(犯人らは)在日外国人ではないか?」という推論に過ぎない。しかし、百田氏の日頃の発言、とくにツイッターでの文脈を読んで、その「在日外国人」を「在日コリアン」へと読み替えることはそう難しいことではない。字だけ読めば百田氏の言う通り、これは推測なのだからヘイトスピーチというよりも、むしろ単なる「思い付き」というべきであろう。

繰り返すように私は、もう何年も、ここでは書けぬようなとんでもない、在日コリアンに向けられた直接的憎悪の言葉を、何ら憚りなく、そして満面の笑みで、酒と共に歓談する人々を沢山知っているから、「それに比べれば全然マシ」と思ってしまう。

しかし、そういった「異形」に比べて「まだマシ」なのだから良い、で済んでしまうお話なのだろうか? 恐らく今回、千葉県警が現段階(11月28日)で犯人らの本名を発表しないのは、国籍ではなくてこの手の犯罪につきものの、犯状特有の因があるからであろう。しかし、県警が将来犯人らの名前を公開し、その氏名が純粋和風のものであったとしても、「(在日コリアンからの)帰化人だ」「通名である」などと、またも「犯罪者=在日コリアン説」がふって沸くことは、火を見るよりも明らかである。

単に「思い付き」を述べた百田氏に非はあるのは否めないとしても、私はなぜ、百田氏のような高名な作家が、2002年ごろから勃興してきたいわゆる「ネット右翼」界隈で定説となった「犯罪者=在日コリアン説」を垂直的にトレースするのか、の方に興味がある。なぜなら重大犯罪の逮捕者が出るたび、その氏名が公表されようとされるまいと、「犯罪者=在日コリアン説」は百田氏以外の「保守系言論人」の中にも根強く存在し、それを支持する無数の「ネット右翼」の中で動かしがたい定説になっているからだ。

(筆者注*例えば、元航空幕僚長の田母神俊雄氏がISISに拉致されたジャーナリストの後藤健二氏[後に殺害]を在日ではないかと発言したことや、「日本には韓国人の売春婦がウヨウヨいる」と発言して当時の日本維新の会から除名された西村真吾衆議院議員など。後藤さんは犯罪者ではないが、世間を悪い意味で騒がせたという文脈の中で、田母神の世界観の中では犯罪者のように語られていた)

なぜ「犯罪者=在日コリアン説」はここまで広がったのだろうか?

繰り返されてきた「犯罪者=在日コリアン説」の遠因
一言でいえばそれは、「日本人なら犯罪など犯さないはずだ」という、「美徳信仰」ともいうべき、まったく科学(統計)的根拠のない「似非神話」に基づいている。「日本人なら犯罪など犯さないはずだ」という思い込みの根本は、「日本人は高潔で、慎み深く、お互いに助け合う精神を持っている」という、根拠なき日本人礼賛の精神が存在する。

ではこの根拠なき日本人礼賛の精神はどこから来たのかというと、これは元来、いわゆる「保守論壇」が特有に持つ内向きの理屈に由来する。インターネットが普及する以前、この国の「保守論壇」は冷戦時代の「反共保守」が中心となり、そしてそれを支える支持者もまた著しく高齢化していた(現在もあまり変わらないが)。

そしてその「保守論壇」は、産経新聞と論壇誌「正論」を中心とした貴族的で、サロン的な、閉ざされた空間であった(産経・正論路線)、(参照*拙記事「温室の中の保守論壇」とヘイトスピーチ)。彼らは良い意味で喜捨の精神に優れ、そして高齢者が主体だから肉体言語から遠く、そしてその動作は緩慢かつ温和であった。当然、そういったある種の高級サロンの中で観測される人々は、思慮深く温順な日本人であり、暴力や犯罪から最も遠い。

よって「保守論壇」とそれを支える支持者たちに、「日本人は高潔で、慎み深く、お互いに助け合う精神を持っている」という、根拠なき日本人礼賛の精神が涵養されていく。私はこれを「凛として美しく路線」と命名しているが、当然そういったサロンの中にいる人は皆温順なのだから、日本人全部が自分たちと同じ風に違いない、と思い込む傾向が、いわゆる「保守」とか「右派」の中に前提的に存在するのである。

その、冷戦時代に形成された「凛として美しく路線」がインターネット時代になり、ネット右翼にそのまま伝播した結果が、現在なのである。そういった、「保守」とか「右派」の中に前提的に存在する気風、つまり「日本人は犯罪など侵さない」という根拠なき信仰が残存するからこそ、「犯罪者=在日コリアン説」が生まれる。百田氏は単にこれをトレースしているに過ぎない。百田氏は、「保守」とか「右派」の中に構造的に存在する背景をトレースしたにすぎず、繰り返すようにそれですらまだ「比較的穏健なほう」なのである。

強者であるが故の想像力の欠如
先にいわゆる「保守論壇」とそれを支える人々が、"貴族的で、サロン的な閉ざされた空間"の中にいると書いた。それはインターネット時代になり、その「保守論壇」にネット右翼が寄生する現在になっても、いささかも変わることはない。「ネット右翼は社会的弱者だ」という人が未だにいるが、「ネット右翼の平均像は中産階級、大卒が多く、40歳前後の男性」というのが、私の調査と経験を元にした実相である。

現在、「保守(論壇)」「右派」「ネット右翼」の三者が混然一体となっているので、上記の平均像はこの三者すべてに特有のものである。「保守系読者層」や「保守系政治集会への参加者」に限ると、その年齢層はもっと高くなる(+20歳以上)かもしれない。

ともあれ、保守も、右派も、ネット右翼も、貧困に無縁な比較的富裕な「社会的強者」だからこそ(参照*拙記事「ネトウヨ」は社会的弱者ではない。だからこそ、根が深い。)、「日本人なら犯罪など犯さないはずだ」という結論に至っていく。自分の周りが同じような社会階層ばかりなので、犯罪傾向とは無縁で、日本国内の重大犯罪はどこか海外で起こっているかのような距離感がある。

だから彼らは、肉体言語を忌避し、「タトゥー見せびらかし」などを「しばき隊」「SEALDs」などに繋げて揶揄し、いわゆる「反社会的傾向」を持つものをことさら禁忌する。すべての因は、彼らがそういった犯罪傾向とは無縁の「善良」な中産階級だからだ。よく言えばそれは「育ちの良い人」で、悪く言えば「だからこそ想像力を欠く」といえる。

私は百田氏とわずかだが面識を有するが、実に"温厚な紳士"という印象を持った。その優しい、飾らない関西弁には非常に親しみを覚えたほどである。しかしだからこそ、もしかすると想像力が足らなかったのかもしれない。百田氏のツイッターアカウントを停止せよ、という声に従えば、「百田氏以上に過激な」おそらく100万とか200万アカウントの停止が必要だろう。そんなことが現実的だろうか?

今回の「ヘイトスピーチ」騒動は百田氏の個人的資質に還元されるのではなく、いわゆる「保守」とか「右派」の、「保守界隈」全般が前提的に有する貴族的で閉鎖的な体質を背景にしたものである、というところまで視座を広げなければ、批難の応酬以上の進歩はないであろう。

参考記事*千葉大生集団乱暴 百田尚樹氏がツイッターで「在日外国人ではないか」とツイート 津田大介氏「この人のアカウントを削除すべき」(11月27日、産経新聞)

百田氏の軽はずみなツイートは我々保守側の敵失となってしまいました。
古谷氏の記事を読むと、私は保守を自認しているので・・・
貧困に無縁な比較的富裕な「社会的強者」
>「保守論壇」とそれを支える支持者は、人は皆温順なのだから、日本人全部が自分たちと同じ風に違いない、と思い込む傾向が、いわゆる「保守」とか「右派」の中に前提的に存在するのである。

確かに私は社会的弱者ではない、かといって、金持ちで権力をもった社会的強者と言うわけではない。ところが、古谷氏は保守側の人間はなに不自由のない権力者を連想させる「社会的強者」という言葉を使っている。保守派に対する悪意ある言葉使いである。

私のように保守論壇を支持する私以外の人は多くの場合、温厚で善良な一般市民だと思う。だが、保守派の私は、日本人全てが善良で温厚な人間ばかりだと一つも思っていない。日本人のなかには、同盟国の兵士に対してヘイトスピーチをする悪人もいれば、沖縄県民でもないのに、沖縄の民意と語り、地元住民に迷惑を掛ける悪人がいる。戦争反対と叫び国会を取り巻き、かえって東アジアに戦乱を招く行為をする無自覚な極悪人達もいる。日本人全てが善人で温厚で賢いなどと決して思っていない。日本民族とは、恵まれてるが故に、リベラル・左翼・プロ市民と言う癌細胞を内包している、非完全で愚かな民族であると自覚している。(笑)

「タトゥー見せびらかし」などを「しばき隊」「SEALDs」などに繋げて揶揄し、いわゆる「反社会的傾向」を持つものをことさら禁忌する。すべての因は、彼らがそういった犯罪傾向とは無縁の「善良」な中産階級だからだ。よく言えばそれは「育ちの良い人」で、悪く言えば「だからこそ想像力を欠く」といえる。
だそうだ・・・

保守である私には「シバキ隊」や「SEALDs」はどう見てもナチス突撃隊(SA)やナチス親衛隊(SS)にしか見えない、いやそのものではないか?
反社会的傾向を持つ暴力集団を排除しようとすることの何が悪いのだ!
犯罪に無縁ということが悪いのか!

保守派の人間は確かに古谷氏の言う社会的には強者側で、温厚な人間が多いのだが、冷静にこの文章を読むと、保守派は育ちのいいお坊ちゃん育ちだから、世間知らずでバカだと非難しレッテルを貼っている。

よく読むと、「多数派の一般市民(社会的強者)はいいから黙っていろ」と言っているのだ! まったくもってして、百田氏を非難する記事を書いた連中は、無自覚に我々保守派を差別し、言論を圧殺しようとしているのである。

トランプ現象をポピュリズムと言うが、先進国の中産階級が崩壊しかかっている今日、中産階級が声をあげることをポピュリズムと非難するリベラル知識人は無能であり、中産階級市民の敵である。民主主義を語る資格など無い。

あえて、言う、百田氏の勇み足を擁護する!