CNNとのバトルは54分頃

【トランプ次期米大統領】記者会見要旨
【産経ニュース】2017.1.12 20:18

 トランプ次期米大統領の会見要旨は次の通り。

【経済関連】


多くの自動車会社が米国内に戻ってくる。(米国内の工場増強を発表した)フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)、メキシコ工場建設を撤回した米フォード・モーターに感謝する。米ゼネラル・モーターズ(GM)には、これらに続いてほしい。多くの産業が国内に戻ってくると思う。

製薬業界も国内に取り戻さなければならない。製薬業界は破滅的な対応をとり続けてきた。米国内で生産していない。

私は、神が創造した最高の雇用創出者になると言ってきた。本気でそう思っており、一生懸命やるつもりだ。

米国内なら場所を問わないが、米国外に生産拠点を移す企業には高い税金を課す。

中国との貿易では、年に何千億ドル規模で損失をこうむっている。日本、メキシコとも不均衡なままだ。(交渉のためには)優秀な人材が必要だ。次期政権の陣容を誇りに思う。

医療保険制度改革(オバマケア)は大失敗だった。撤廃し、より良いものにする。

(選挙中に公約したように)メキシコ国境に壁をつくる。就任次第すぐに始める。フェンスではない、壁だ。費用はメキシコに負担させる。

 【対ロシア】

(私生活に関する不利な情報をロシアが握ったとの報道は)おそらく情報機関が流した。すべて虚偽ニュースだ。そんなことは起こっていない。敵対者による仕業だ。

(米大統領選を狙った)サイバー攻撃はロシアがやったと思う。米国はロシア、中国などからハッキングを受けている。90日以内に報告書を出す。オバマ政権のロシアへの制裁は行き過ぎではない。

もしプーチン大統領が私に好意を持ってくれているなら、それは財産であって、不利になるものではない。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)打倒でロシアは助けとなる。

プーチン氏とうまくやっていけるか分からないが、やっていけるよう望んでいる。

ロシアに近づかないようにしてきたため、私はロシアと取引がなく、負債もない。

私が就任すれば、ロシアはもっと米国に敬意を払うだろう。ロシア、中国、日本、メキシコなどすべての国が、過去のどの政権よりもはるかに尊重するようになる。

【対中国】

十分な対策が講じられていないために、2200万ものアカウントが中国によってハッキングされた。

中国は、米国を出し抜いて南シナ海で大規模要塞を建設している。

【利益相反問題】

(不動産などの)事業は2人の息子が継いで運営する。彼らが事業について私と協議することはなくなる。
う~ん・・・個人的には少し期待はずれな会見だった。何も新しいことを言っていない、また今までリアリストだと思っていたが、かいかぶりだった。まさか散々言っていたが、ものの例えで、具体化しないと思っていたメキシコ国境の壁を本当にやる気なことに失望した。

レーガン大統領の再臨と期待したトランプ相場はつづかないいような気がしてきた。
日本は貿易赤字の元凶と悪役として会見の話に登場していたが、トランプに甘い期待をしないほうが良い。

トランプ大統領は芸人ビートたけしが「なんだコノヤロー!」「コマネチ」と、わざと汚い言葉を連発してTVに登場し席巻した勢いで大統領になってしまったようなものだ。

TVに露出している時には芸人として演じていたビートたけしだったが、人気が出始めたた1979年か80年頃NHKFMのトーク番組「日曜喫茶室」に出演してシリアスに漫才や半生を語った北野武氏を知った。とても同一人物と思えず、FM雑誌の出演者名を何度も確認し驚いた。「なんだバカヤロー!」は芸だったのかと・・・以来私はファンになった。

トランプのあの汚い言葉の連発はビートたけしの芸と同じで、内面はシリアスに米国の矛盾を解消しようとしている人物であるなら私は支持するだろう。CNNとのバトルは、トランプの方に部があるように思える。

リベラルメディアのCNNが「正義の味方」ズラして振る舞ったあのバトルは歴史に残るだろう。10年前と違いメディアを通さず直接ネットに意見を言える時代になったからこそ、トランプは強気に第四の権力者を堂々と公衆の面前で恥をかかせたのだ。

今回の会見について、冷静に考えればトランプに分がある。自社を正当化する為に他社記者の発言を遮るCNNの記者の方が正義ではない。

CNNは湾岸戦争の時実際にバクダッドに行っていないのにさも現地からの中継をしていたかのようなフェイクや情報操作を数限りなく積み重ねてきた業が溜っている。

米国のリベラルメディアは今まで自分達がしてきた悪事がまるでわかっていない。
トランプに対し対決姿勢を取ることによってトランプの思うつぼに嵌った。いわば自業自得だった。CNNは気の毒だが、これからリベラルメディアの権威は地に堕ちるだろう。リベラルメディアは日本の民進党のように文句ばかり言っているうちに国民にそっぽを向かれる気がしてならない。

リベラルメディアは、無意識にアメリカを分断してしまった。メディアが垂れ流すのは建前の偽善、偽善と理想に刃向う者はレイシストだと烙印を押し、圧倒的多数の米中間層の不満を見向きもしなかった。その結果が分断されたアメリカになってしまった。今までリベラル派の意見に仇する人物、例えばブッシュJr大統領がその代表的被害者だった。、第43代大統領の意見は編集されてメディアの都合よく報道された。

メディアが行き過ぎた力を持ちすぎ、政治部記者が第四の権力者として政治家と国民に対して傍若無人に振る舞った結果がトランプ大統領が誕生したのだろう。

オピニオン:「悪いトランプ」の変わらぬリスク
【ロイター】安井明彦みずほ総合研究所 欧米調査部長 2017年 01月 12日 19:17 JST

[東京 12日] - 当選後初となるトランプ次期米大統領の11日の記者会見では、懸念されていた為替問題など、マイナス面の新たな材料は出なかったものの、従来からの過激な政策アイデアや言動が繰り返され、「大統領らしくなる」「穏健になる」期待は完全に裏切られたと、みずほ総合研究所の安井明彦・欧米調査部長は指摘する。

今後の注目点は具体的な政策内容だが、そのヒントはトランプ氏の当面の言動よりも、むしろ閣僚公聴会にありそうだという。

同氏の見解は以下の通り。

<トランプ相場に新たな燃料投入なし>

期待のみで続いてきたトランプ相場は、新たな燃料が欲しかったところだが、減税やインフラ投資の具体策などプラス面の新材料もなければ、懸念されていた為替問題などマイナス面の新材料もなかった。ただし、選挙期間中に示された過激な政策アイデアや言動が繰り返され、「大統領らしくなる」「穏健になる」期待は完全に裏切られた格好だ。

メキシコ国境の壁建設や移転企業への懲罰課税など、気になる発言も相変わらずだった。メディアとの対決姿勢、利益相反への強気な態度、納税情報の非開示、具体的な政策内容の欠如――。「悪いトランプ」「困ったトランプ」は、どうやら大統領になっても変わりそうにない。

中でも「変わらないトランプ」の代表格は、国内雇用重視の姿勢である。問題視されていた企業経営への口出しも、悪びれることなく、成果として高らかに歌い上げた。

「通商協定は大惨事」といったおなじみの表現も繰り返された。中国、メキシコに並んで、日本が言及されるパターンも、選挙当時と同じだ。

もちろん、個別の口出しで増える雇用は大したことはない。懲罰課税が本当に導入されるかも不透明だ。ただ、軽視すべきではないのは、「国外移転は歓迎されない」というメッセージである。そうした認識が浸透することで、米国への進出が後押しされる効果はあるだろう。

また、そもそも米国経済が堅調あれば、企業から見て、同国での投資拡大は妥当な判断だ。トランプ氏のごり押しが、結果的に、米景気の後押しとなる可能性はある。さらに、法人税率の引き下げなど、米国への投資を支援するような改革が実現すれば、企業にとってはチャンスになる。

<閣僚公聴会に具体的政策のヒント>

さて、今後の注目点は、具体的な政策内容に尽きる。期待・懸念を裏付けるような政策は出てくるのか、以下の3点が気掛かりだ。

1)財政政策(減税、インフラ投資)の規模・タイミング

2)北米自由貿易協定(NAFTA)見直しなど、通商政策・為替政策での出方

3)懲罰課税(もしくは法人税改革)など、海外進出企業への具体的な対応

ただ、これらの点に関するヒントは、トランプ氏の当面の言動よりも、むしろ閣僚公聴会にあるのかもしれない。トランプ氏の発言だけを追っていても、振り回されるだけになりかねない。

例えば、トランプ氏の記者会見と同日に行われたチャオ運輸長官候補の指名公聴会では、インフラ投資の具体案について、チャオ氏から民間資金活用の重要性が述べられた。タスクフォースを組成し、ファイナンス手段を検討する方針だという。

今後の注目は、トランプ氏の大統領就任式に前後して相次ぎ予定される以下の4氏の公聴会だ。まず、ムニューチン財務長官候補が、為替関連の発言を行うのか、税制改革の中身・スケジュールを示唆するのか。次に、ロス商務長官候補とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表候補が果たして通商協定への態度を鮮明化したり、海外企業移転対策の具体的方針を示したりするのか。またマルバニー行政管理予算局(OMB)局長候補が財政赤字の拡大を認めるような発言を行うのか、といったところだろう。

ちなみに、トランプ氏は、今回の会見で、最高裁判事の指名に関連して、「我々が何を行うかといえば、月曜日まで待つと思う(I think what we'll do is we'll wait until Monday)」と述べた。月曜日こそが、「本当の意味での最初の営業日(That will be our really first business day)」というわけだ。

これまでトランプ政権については、「最初の日に何をやるか」が注目されてきたが、この発言を聞く限り、大統領就任式当日(20日)に動かなかったとしても、安心できないことになる。実際に動き出すのは、就任翌週の月曜日(23日)以降なのかもしれない。

*本稿は、安井明彦氏へのインタビューをもとに、同氏の個人的見解に基づいて書かれています。

(聞き手:麻生祐司)
この会見でトランプ自身が具体的な政策を持っていないことがわかった。
良いライターもいまのところなさそうだ。その方がトランプらしい。友人の翻訳者があの会見はとても放送できない汚い言葉のオンパレードだったという。

トランプ大統領を判断するのはチームトランプ(トランプ政権)が具体的に稼働しはじめてからではなかろうか?一人一人は優秀なCEOと軍人をまとめることができたなら芸なのか否か、汚い言葉を吐いても、最大多数のアメリカ人が幸せになるのであれば、米国大統領としては適任かもしれない。(だが世界大統領としては不適切かもしれない・・・・)

まずはライターではなく自分で書いていると言われる20日の就任スピーチが次の注目点とはなるが、実際トランプ政権が発足してチームトランプが稼働してみないと真のトランプの評価はできない。チームトランプを観察しない限り支持も不支持もできません。

それより20日就任式で国家を歌う歌手が決まっていないそうだ。

まさかのイジメめだな。いっそムスリム出身女性歌手で一番有名どころでレバノンの
ナンシー・アジュラムとかメキシコ人女性歌手あたりに泣き付いてみてはどうだろうか?ウルトラCでピコ太郎とか、ピコ太郎ならまだトランプ支持で薬中患者のラッパー、カニエ・ウエストを出す方がましか?


【追記】
有名アーチストが次々と断り話題となった就任式の出演アーチストが決まったようです。

Who’s Performing At The Trump’s Inauguration?

米大統領就任式と言えば、きらびやかなセレブリティが列席し花を添えることで知られています。

しかしながら、今年は輝きを失ったかのよう。就任式のトリを飾り国歌「星条旗」を熱唱するという、アーティストなら咽喉から手が出るほどの栄誉にジャッキー・エヴァンコが浴します。日本の皆様だけでなく、アメリカ人の間でも知名度がそれほど高くない彼女は弱冠16歳。ソプラノとポップを融合したクロスオーバー歌手として2010年の一芸勝ち抜きショー”アメリカズ・ゴット・タレント”に登場、2位に選出された経歴で知られています。トランプ次期大統領の誕生を決定づけたラストベルトを含む6州、ペンシルベニア州ピッツバーグ出身というのも、トランプ新政権のお眼鏡に適った一因でしょう。またトランプ支持者が多いカントリー歌手では白人色が強く出てしまい、同じく支持者でロック歌手のキッド・ロックの場合は旬を過ぎたアーティストの感は否めません。トランプ政権のスタートには、成長株のシンガーである少女の方がインパクトが大きいと判断したのではないでしょうか。ちなみに2013年はビヨンセが口パクで驚愕の渦に巻き込み、2009年にはアレサ・フランクリンが全米を圧倒しました。

19日にリンカーン・メモリアルで開催する”Make America Great Again! Welcome Celebration”のパフォーマーには”Kryptonite”などのプラチナヒットで有名な3ドアーズ・ダウンも名を連ねます。ミシシッピ州出身のバンドで、2012年の共和党全国大会に参加した経歴がありますから、今回もイエスの決断を下しました。カントリー歌手のトビー・キース氏やリー・グリーンウッドそしてザ・フロントメン・オブ・カントリーが出演予定。そのほかユタ州出身者のグループで構成されたザ・ピアノ・ガイズ、インド系アメリカ人のDJがドラムを融合させた演奏で魅せるDJラヴィドラムズが決定しています。

若干16歳の若手歌手ジャッキー・エヴァンコは賢いと思う。
例えれば、「千と千尋神隠しの千が誰もが嫌がる御腐れ様をお世話したおかげで、 
名をあげ湯屋で得難い信頼を得ることができた」ようなものだ。
御腐れ様正体は名のある河の神様。人間が捨てた大量のゴミのせいでヘドロと化していた。
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トランプ氏を大統領に押し上げるのに貢献したスイングステート6州の一つペンシルバニア州のピッツバーグ出身の彼女はまさに適役。これで世界から一躍注目を浴びることになるのは間違いない!


【追記】
なぜ、トランプ大統領がCNNを罵倒したのかわかった。以下のようなことだったらしい。私も神谷氏のような分析ができたら毎日のブログの訪問者が1000人前後ではなく1万になるのだが・・・

トランプ氏、CNNに「静かにせよ、偽ニュース」
【アゴラ】2017年01月13日 06:00神谷 匠蔵

このトランプ氏の会見映像は、歴史に残る喜劇である。

映像を見ていただけばわかるが、トランプ氏はBuzzFeedという、英語圏で主にリベラル系の若者に人気のあるニュースサイトを、デマ情報を多く含む「偽ニュースサイト(Fake News)」であると一刀両断にした後、同様にCNNに対しても厳しい批判を行い、またそれに刺激されトランプ氏の発言に対して反論ないし質問しようとしたCNNの記者に対し、「あなた、勝手に喋らないで、あなたに質問権は与えません。あなた(が悪いの)ではなく、あなたの所属している組織(CNN)は最悪なのです。」と述べた後、それでも大声で喋り続ける記者に対し、「お静かに、失敬です。あなたに質問権は与えません。あなた方(CNN)は偽ニュースじゃないか(You are Fake News)」と、厳しい表情で窘めた。

ことの発端は、CNNが報じた「二項に及ぶ概要(two-page synopsis)」と呼ばれる、トランプ氏とロシアの関係についての「機密文書」(classified documents)に含まれたトランプ氏の信用を傷つけかねない情報をロシア側が保有しているという主張(allegations)に関する梗概である。CNNは複数の米国政府関係者(multiple US officials)がこの主張を直接知っており、現大統領のオバマ氏及び次期大統領のトランプ氏に対しこの主張に関しての情報を含む梗概が渡されたと報道したのだ。

この報道の後にBuzzFeed Newsではその主張の内容が記された資料(dossier)とされるものを公開し、トランプ氏が事実上ロシア側に「弱み」を握られていたので、トランプ氏はロシアに都合の良いように「西欧世界を分断する役割を演じるよう仕向けられ」、この目的の為のロシアによるトランプ氏援助は実に5年以上に渡っているなどという内容をさも「真実」であるかの如く報じた。

トランプ氏はこれに対してFake NewsであるとTwitterなどでも怒りを表明し、遂に公の場でBuzzFeed NewsとCNNの両方を”Fake News” と断じて一切無視するという強行姿勢に出た、ということである。

情報の出所は英国の諜報機関所属の元スパイだと言われているが、この文章の内容の真偽を判定する立場に私は無い。とはいえ、リベラル勢が最近トランプ氏のロシアとの関係についてあれこれと詮索をはじめ改めてトランプ氏の大統領としての不適格性を示そうと躍起になっているということだけは明らかだ。

もトランプ氏自身、ロシアがハッキングという手段で米大統領選に介入した可能性を指摘するなど、ロシアが何らかの関わりを持ったこと自体は否定していない。だが、さすがにロシアの傀儡であるとまで言われれば、その情報源が虚偽であるのであれば、トランプ氏本人にとってはそれが虚偽であることは明らかなので憤慨するのも無理はない。また仮令虚偽ではないにせよ、BuzzFeedが流した文章を裏付ける証拠などは全くない。単に怪しげな文章がそこにあるだけで、それだけでは何も裏付けることはできない。単にトランプ氏の個人的信用を失墜させるという効果しかないだろう。

それにしても次期大統領にここまではっきりと嫌悪感を示されてしまったことは、トランプ氏をこれまでバカにしていたリベラルメディアのひとつであるCNN側にとっても大きな痛手である。さすがにトランプ氏に公衆の面前でFake News扱いされてしまった事態にはCNNも狼狽したのか、自社ページでこんな弁解文を公開している。

CNN’s decision to publish carefully sourced reporting about the operations of our government is vastly different than Buzzfeed’s decision to publish unsubstantiated memos.

(邦訳)CNNの、わが政府の活動に関して慎重に情報源の確かな報道をするという決意は、裏の取れていないメモ書きを公表すると決断したBuzzfeedのそれとは大きく異なるものであります。

We made it clear that we were not publishing any of the details of the 35-page document because we have not corroborated the report’s allegations. Given that members of the Trump transition team have so vocally criticized our reporting, we encourage them to identify, specifically, what they believe to be inaccurate.

(邦訳)我々は、報告書の内容がまだ裏付けられていないことを鑑み、35頁に及ぶ文書の詳細については一切公表しないと明言しました。次期トランプ政権側の複数メンバーがこれほどまでにメディア上で我々の報道を批判している以上、我々としては彼らに対し、具体的にどの部分が不正確であると信じるのかを明示されることを推奨いたします。


つまり、さすがにこの件に関してはCNNもまずいと感じ、とりあえず目下のところはBuzzfeedとは距離を置きたいということらしい。そうして自分たちはBuzzfeedほど卑劣なことはしていない、我々の報道はそこまで低質ではないと頑張っている。だが、トランプ氏がCNNをこれほど強く非難したのは単にこの件のみがきっかけとなっているわけではないだろう。これまでの数々の積み重ねが、トランプ次期大統領をして公衆の面前でCNNをFake Newsだと言わしめ、かつそれを目撃した少なからぬ人々をして拍手させしめたのである。(映像の中で拍手しているのはトランプ氏に対してよりも記者の「勇気」に対してしている者が多いのかもしれないが、見る映像によって音量やタイミングが微妙に変わっているので判然としない。だが、YouTubeにおける記者会見映像へのコメント欄には明白にトランプ氏の記者に対する「叱責」を支持する声が多い。

リベラルメディアは去年からトランプ氏を「脱真実(Post-Truth)」時代の大統領などと揶揄し、Post-Truthという言葉はなんと2016年のOxford DictionariesのWord of the Yearに選ばれるほどであったが、以下のPost-Truthの定義に当てはまるのは嘘をついてもほとんど誰にも深刻な批判をされないリベラルメディアで生じている現象であり、それに対抗する保守メディアの方が逆に生き残りの為に否が応でも誰も否定できない事実に基づいた報道をせざるを得ないが故にobjective factsを強調する向きがあるのは皮肉である。

(Post-Truth is an adjective)relating to or denoting circumstances in which objective facts are less influential in shaping public opinion than appeals to emotion and personal belief
(Post-Truthとは)客観的事実よりも感情や個人的信条に訴えかける言明の方が公論を形成する上でより強い影響力を有する状況のことを指す

 トランプ氏が実際に誤まった情報を拡散することに貢献したBuzzfeedを非難したことや、他の人の質問を妨げて自社の立場を弁解する機会を要求する記者に対し「失敬」だと注意し無視したことが「報道の自由に対する権力的圧力」であると批判され、「さすがはPost-Truth時代の次期大統領」などと人身攻撃さえ受ける一方で、真偽の不確かな情報に基づいて「トランプ氏の大統領としての適格性を再考」することを促すリベラルメディアが「真実の守護者」であるかのように振る舞う中で、事実よりは特定の倫理観に基づき「権力を批判」するリベラル派の正当性は自壊しつつある。見事に自分に跳ね返ってくるブーメランをリベラル派に投げさせたトランプ氏は、この意味では現代社会に大きな貢献をしてくれたのかもしれない。