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Directed energy atmospheric lens could revolutionise future battlefields. Credit: BAE Systems

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BAE Systemsは15日、近年、実用化に向けた研究開発が進められている対空レーザー兵器用防御シールド「Laser Developed Atmospheric Lens (LDAL)」のコンセプトを発表しました。

この防御シールドは自然界で生じる光の屈折現象の一種となる「大気光学現象(Atmospheric Lens)」をレーザーを使って人工的に誘発して、大気の乱れを生じさせることで大気中内でのレーザーが進むことを乱そうという考え方に基づくものとなります。

レーザーにより大気光学現象を形成できることは既に研究者の間では「カー効果(Kerr Effect)」として知られていたものとなりますが、これまで、このカー効果を対レーザー兵器に応用するという考えは公表されたことはありませんでした。

カー効果とは、レーザーにより、大気中に局所的に、イオン化した高温の空間を作り出すことで、疑似的に大気光学現象と同じ現象を作り出すというものとなります。

実際の実装方法についてBAE Systemsでは、成層圏を飛行中のスペースプレーンから高出力のパルスレーザーを発射させて、大気中の特定の空間にカー効果を生じさせることで、その空間でのレーザー光線の利用を事実上、不可能にすることが可能になると説明しています。

BAE SystemsでLDALの研究開発を主導しているブライアン・エドワード(Bryan Edwards)教授は、カー効果を使ってレーザーを攪乱させるというアイディアは、科学的に非常にエキサイティングなもので、もし実現すれば軍事の領域に革新をもたらすものになるだろうと述べています。

BAE Systemsのこのアイディア、もし実現すれば、スタートレックなどの世界ではおなじみのシールドが形を変えた形で現実のものとして実現するものとなりそうです。
Future concepts from BAE Systems: Atmospheric Lens

技術の進歩は著しい!初歩的な高出力レーザー兵器の実用化が始まったばかりなのに、その防御兵器が開発し始めたというのだ。



もっともこのLDALはカー効果を利用した大気圏内での高出力レーザー兵器防御用なのだが、宇宙空間ではおそらくプラズマを利用すれば可能ではないかと思う。
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SF映画では宇宙船が攻撃から船を守るのに当たり前のようにバリア/Force Fieldsというもが当たり前のように登場していた。

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Star Trek

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宇宙戦艦ヤマト
ハリウッド映画「インディペンデンスデイ」では、地球に襲来した超巨大宇宙船の周りに、Force Fieldsが巡らしてあった。
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Force Fieldsによりミサイルも打ち込めなかった。

SFとはいえForce Fieldsの正体はレーザーをも吸収するプラズマではないかと思う。
プラズマはレーザーをも吸収することも可能だ。プラズマとは、物質において固体、液体、気体に次ぐ第4の状態である。Force Fieldとしてプラズマが効果的なのは、非常に活発な原子が大量に存在し、竜巻のような動きをしているため。それはフィールドを突き抜けようとするエネルギーの波を砕く。

現在Plasma Pencilというわずかなプラズマで瞬時に殺菌する方法が実用化している。プラズマをあて体についた細菌を吹き飛ばせるが、指には何の影響も及ぼさない。細胞を傷めずに殺菌できる。未来技術が実用化している。

米空軍は次世代のステルス技術として、戦闘機をプラズマの力場で覆うことを視野にいれいている。Plasma Pencilを大規模にしたものを戦闘機の周囲何カ所かに搭載。その装置から発せられるプラズマが、Force Fieldを作り、地上のレーダーに探知されないよう戦闘機を覆うという研究をしている。
レーダーは物体に電磁波が当たることで機能する。その電磁波をプラズマの力場が砕けば戦闘機は探知されない。

Plasma Pencilの研究目的は兵器開発ではなかったが、「プラズマが放射物を吸収したり反射させることがわかり、米空軍は1996年以降Plasma Pencilなどプラズマ研究の権威ムーニエ・ラルース博士に出資してきた。

Force Fieldの開発目的は、殺人光線や核ミサイルなど、あらゆるものから防護可能なもので。アメリカエネルギー省管轄のBrook Haven国立研究所で、世界初のプラズマによるForce FieldであるPlasma Windowが開発された。
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温度は12000度にも及ぶ、室温のおよそ300倍のプラズマを発生することができる
日本の広島大学でも大型の真空設備なしに大気と真空を隔てる革新的インターフェース「プラズマウィンドウ」の開発を行っている
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課題はPlasma Windowを大型化することだというが、宇宙空間でも理論的にはプラズマによるバリア/Force Fieldsが構想されている

将来戦車や航空機、宇宙船、さらには町全体を、バリア/Force Fieldsで覆うことも検討されている。コールドプラズマとホットプラズマを重ねれば可能かもしれない。
大気圏内ならばLDALを外周で防ぎ、ある層ではレーザー攻撃を防ぎ、別の層では何らかの生物兵器から防御し、また別の層では電磁パルスから守ってくれるというわけだ。

プラズマによるバリア/Force Fieldsが開発されたのであれば、是非軍事人工衛星に搭載すべきかと思う。


高出力レーザー兵器に対する防御概念が浸透すると、今までのSF映画における宇宙戦闘シーンで派手に打ち合うシーンが一変するかもしれません。