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中国海軍の軍艦の建造ペースと規模は、冷戦終結直前のソ連のようだ。
中国の軍の関連メディアは6月28日午前、中国初の1万トン級駆逐艦が江南造船所で進水したという、重大ニュースを伝えた。

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異形の駆逐艦ズムウォルト出港 2015/12/9(水) 午前 7:08


政府は同艦の型式を明らかにしていないが、055級駆逐艦と呼ばれている同艦の進水は米国のズムウォルト級、旧ソ連のキーロフ級に相当する大型水上戦闘艦である。この艦を含め4隻が建造中で、1隻が計画中であるという。この異常な建造数は、冷戦最後のソ連のようだ。中国もいずれ軍事費で破綻して崩壊するであろう。
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VCG—VCG VIA GETTY IMAGES

PLAN最新鋭055型駆逐艦の性能、運用想定、その意義
【航空宇宙ビジネス短信・T2】2017.6.30

駆逐艦、巡洋艦という従来の区分が意味がなくなってきたのでしょうか。なんでも盛り込むと大型艦になります。同時に大型艦の艦容が十分に威圧的になる意味もあります。性能よりも面子を重視した中華価値観の表れなのかもしれませんが、軽視は許されないでしょう。

China's Type 055 Super Destroyer Is A Reality Check For The US And Its Allies 
中国の055型駆逐艦は米国、同盟国を現実に直面させる


This is one impressive ship that underlines China's changing weapons development capabilities and its emerging greater naval strategy in the region and beyond. 
中国の兵器開発状況の変化を示す艦であり中国の海軍戦略が周辺海域から外部へ伸びるあらわれだ


イメージ 3 BY TYLER ROGOWAYJUNE 28, 2017
http://www.thedrive.com/the-war-zone/11941/chinas-type-055-super-destroyer-is-a-reality-check-for-the-us-and-its-allies

中国が055型駆逐艦一号艦を本日進水させた。中国で最高水準の水上戦闘艦で公表された写真を見ると中国がここまでの偉容の艦を建造したのを見て驚く向きも多いはずだ。055型は海のJ-20ステルス戦闘機といったところで中国の急速な水上戦闘力開発能力のみならず中国の海洋戦略が現実のものになってきたことを如実に示すものだ。

中国海軍にとって055型は米タイコンデロガ級巡洋艦とズムワルト級駆逐艦の中間といったところだろう。艦体と性能はタイコンデロガ級に近いが搭載技術は中国水上艦の将来を開く点であることがズムワルト級に近い。055型の外装はステルス性がありセンサー搭載マストが一体型になっているのはアーレイ・バーク級とズムワルト級の中間といってよい。

055型は駆逐艦というより巡洋艦と言ってよい。全長590フィート排水量は10千トンから12千トンの間で、アーレイ・バーク級の最新型より全長で81フィート、排水量で2,500トンほど多く、タイコンデロガ級巡洋艦に近い。武装もタイコンデロガ級と同様に垂直発射管は128セルあり、アーレイ・バーク級の96セルより多い。このセルに陸地攻撃型(YJ-18)と対艦攻撃型(YJ-12)のミサイルさらに対潜ロケット(CY型)を搭載する。タイコンデロガ級と同様に広域防空能力と対空ミサイルが同艦の主要任務で、高性能センサー類一式は過剰といってよい装備だ。

この新型艦はデュアルバンド方式レーダーを搭載し、DDG-1000ズムワルト級で搭載予定だった装備と類似している。なお、USSジェラルド・R・フォードに同レーダーが導入される。アクティブフェイズアレイレーダーを二組搭載し、一つは大型Sバンドで艦橋に、もう一つは小型Xバンドを一体型マスト内部に搭載する。Sバンドを長距離の捜索追尾に使い、高感度Xバンドを小型ステルス機や高速飛行目標の追尾に使うが有効距離は短くなる。それぞれの特性を生かしながら冗長性も持たせる。中国海軍でここまでの高性能レーダー装備を有する艦は他にない。

海軍用のHQ-9長距離対空ミサイルが搭載されそうだ。またHQ-16中距離SAMや四発搭載のDK-10Aもありうる。DK-10AはPL-12空対空ミサイルが原型で、米海軍のRIM-162発展型シースパロウミサイル(ESSM)に近い役割を果たすのだろう。将来的に大気圏高高度で極超音速機の迎撃能力や中国の弾道ミサイル迎撃ミサイルも搭載するだろう。ここにデュアルバンドレーダー、高性能戦闘指揮機能、大量のVLSが加わると大きな意味が生まれる。

対潜能力でも従来の中国艦の水準を上回り、ヘリコプター二機を運用し(Z-18のASW仕様機が導入されそうだ)、後部格納庫があり飛行甲板も延長している。えい航式深度可変ソナーで潜水艦を狩るだろう。魚雷とロケット推進式魚雷で水中目標を破壊するはずだ。

H/PJ-38 130mm主砲一門と H/PJ-11 30mm近接対応兵器システム(CIWS)が主要兵装だ。米RIM-116回転式ミサイルに相当する「FL-3000N」を艦橋後部に搭載するのではないか。これに30mmCIWSを組み合わせ強力な近接防御能力が実現し、海面すれすれを飛ぶ飛行物体や小舟艇への守りが固まる。

055型には統合発電配電系統が搭載され、タービン発電で推進力を得る構想とすると従来の中国艦より先を行くことになる。同時に電子戦能力でも人民解放軍海軍PLANで最高性能のミッションっシステムになる。

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055型の完成想像図 果壳军事-WIKICOMMONS  .

 
055型は多用途能力があるが、主任務は中国版の空母打撃群の掩護でこの点でもタイコンデロガ級巡洋艦と同様だ。戦闘群の指揮統制機能も含み、055型は従来のPLAN艦艇に欠けていた要素を埋める存在となる。052D型駆逐艦が以前は戦闘力で最大の艦だったが055型と比べると相当見劣りがする。

PLANが最低でも四隻の空母運用を目指す中で055型も4隻建造する理由は明白だ。空母戦闘群に一隻ずつ配備し、空母が外洋に出ない場合は遠隔地に出没させ威力を示威するのだろう。また高機能の戦闘能力と指揮統制機能をPLAN部隊に提供するだろう。055型はさらに4隻建造される可能性もある。

そうなると新型055型駆逐艦は米国や域内有力国と互角の戦闘能力を目指す中国に大きな一歩となる。ただし米海軍と同等の威力を有しているとは限らない。多くの面で米海軍の水準に達していない。中国の建艦技術に問題があるといわれ、米艦の水準と比較すれば品質面で劣る。搭載センサーと兵装の一体化、ミサイルの信頼性、またミサイルの全般的性能に疑問が残る。

ただそれが本質的な問題ではない。大事なのは中国が将来の海軍兵力投射能力整備を目指し、空母二隻を建造中で今回空母と行動を共にする艦を作ったことだ。二種類の艦が就役すれば今よりも大胆かつはるかに遠隔地への航行をめざす海軍戦略の中核となる。米海軍は恐れる必要はないが、域内有力国のインドや日本にとっては意味がちがってくる。055型や空母は南シナ海、台湾海峡、インド洋さらに東シナ海で長期間にらみを利かす存在となる。

イメージ 5中国は軍艦の推進式の意義を正しく理解しているようではないか  AP


055型は同時にいわば「後追い」モードで技術ギャップを埋めるのに必死な敵対勢力ではなくなったことを示している。中国では技術国産化が進んでおり、ときには技術リスクも恐れず(例 デュアルバンドレーダー艦載化で米国に先行)挑戦している。そのため中国軍は支援に回るアン業界とともに防衛装備のコンセプトで模倣しているように見えるが、実はハードウェアや兵装の統合化でその傾向は強くなっている。

この変化がさらに進めば米国や同盟国が中国の軍事力整備に対応せざるを得なくなる状況となる。これまでの中国の軍事技術開発は米国やロシアの過去装備を後追いしているような状況だったが、今や予測自体が難しくなっており懸念をそれだけ生む状況になったといえる。■
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中国網apanese.china.org.cn


要目
基準排水量 12,000トン 満載排水量 13,200トン
全長 182.6m 全幅 20.9m  吃水  7.2m
機関方式 COGAG方式 主機関 QC-280ガスタービンエンジン×4基
推進器 スクリュープロペラ×2軸 出力 152,000馬力
兵装
H/PJ-38 130mm単装速射砲 H/PJ-11 CIWS HHQ-10 近SAM
VLS 前部64+後部64計128セル



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今回FONOPを実施した米海軍のアーレイバーク級駆逐艦「ステザム」(出所:米海軍)

 アメリカ海軍ミサイル駆逐艦「ステザム」(横須賀を本拠地とする第7艦隊所属)が、7月2日、西沙諸島のトリトン島沿岸12海里内海域を通航した模様である(アメリカ当局は公式には発表していないが中国当局は抗議と警告を発している)。5月26日に引き続いて、トランプ政権下で2度目の南シナ海における「FONOP」(公海での航行自由原則維持のための作戦)ということになる。

 南シナ海でのFONOPが2015年に始められてから6度目になるが、わずか1カ月の間を置いて実施されたのは今回が初めてである。

 北朝鮮情勢を巡って中国に対して“気を使わざるを得なくなった”トランプ政権に苛立ちを隠せなかった対中強硬派の米海軍関係者たちは、今回のFONOP実施によって、「より頻繁なFONOPの実施」が定着することを期待している。

 しかしながら、いくら中国の覇権主義的海洋進出政策を米海軍や米外交当局が牽制しようとしても、「せいぜいFONOPを南シナ海で実施するのが関の山」といった状況であるのもまた事実である。

 そして、対中国戦略家たちにとって、新たな危惧が現実のものとして突きつけられた。それは、6月28日に中国海軍が進水させた最新鋭の駆逐艦である。

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    「055型ミサイル駆逐艦」1番艦の進水式の様子(YouTubeより)

中国メディアは「アジア最強の駆逐艦」と喧伝

 中国当局側の発表によると、進水した「055型ミサイル駆逐艦」は、全て“国内技術”によって建造されたという。基本排水量1万トン、満載排水量1万4000トン、全長180メートルの055型駆逐艦は、これまで中国海軍が建造してきた水上戦闘艦(航空母艦、揚陸艦を除く駆逐艦やフリゲートなど)のうちで最大であるだけでなく、第2次大戦後にアジアで建造された最大の水上戦闘艦である。

 大きさだけではなく、様々な充実した装備も積載しており、「アジア最強の駆逐艦」あるいは「アメリカの最新鋭ズムウォルト級ミサイル駆逐艦に迫る世界最強の駆逐艦の1つ」と中国当局系のメディアなどは喧伝している。

 055型駆逐艦は(もちろん実戦に投入されたわけではないので真の戦闘能力に対する評価は誰にも分からないが)中国当局系メディアなどによる自画自賛だけではなく、アメリカ海軍関係者の間でも評価が高く、強く危惧している人々は少なくない。すなわち、「055型駆逐艦の海上戦闘における攻撃能力はアメリカ海軍のいかなる水上戦闘艦より勝っている」として、警戒を強めているのだ。

敵を侮ってはいけない

 日本では、中国の軍艦をはじめとする兵器などに対して「見かけ倒しに過ぎない」とか「張り子の虎のようなものだ」といった見方が少なくない。しかしアメリカ海軍関係機関やシンクタンクなどの軍事専門家(兵器や武器マニアの親玉といった人々ではなく、軍事戦略や安全保障政策のエキスパートたち)の多くは、「少なくとも確実なデータが入手できていない段階では、敵側の戦力などに関しての楽観的な判断は避ける」という習性を身につけている。

 1941年の日米開戦以前、当然のことながら、アメリカ軍、そしてアメリカ政府は、日本海軍が巨大な戦艦や航空母艦を建造し、ゼロ戦をはじめとする多数の航空機を手にしていることを認識していた。しかし、日本の場所さえ知らないアメリカ国民はもとより多くの軍人さえも「いくら立派な戦艦やゼロ戦を持っていても、日本人ごときにとっては宝の持ち腐れで、虚仮威(こけおど)しに過ぎない」とみくびっていた。

 そのため、太平洋方面(すなわち対日本)の最前線であるハワイ(太平洋艦隊)や、前進軍事拠点であるフィリピン(米フィリピン駐屯軍、とりわけフィリピンの米軍司令官マッカーサーは日本軍の“強さ”を過小評価していた)での対日防備は隙だらけで、結果として日本軍の先制攻撃を受けて大痛撃を被ることとなった。

 アメリカ海軍戦略家の多くはこの種の教訓を生かし、「決して敵対する勢力の戦力を『どうせ・・・ちがいない』といった具合に自分たちにとって都合が良いように見くびってはならない」と考えている。「とりわけ、敵の人的資源に対して『士気が低いようだ』『訓練が行き届いていない』『作戦立案能力が劣る』といった評価をなすことは控えるべきであり、少なくともわが軍と同等かそれ以上の存在であると考えておけば、実戦になって『こんなはずではなかった』という事態に陥ることはない」として、敵の資源を決して過少評価せず、むしろ自軍を上回っていると想定するのである。

 そのため、055型駆逐艦を論ずる米海軍関係者たちの間には、「ついに、中国海軍駆逐艦がアメリカ海軍のそれを凌駕する日がやってきてしまった」という評価が広がっているのだ。

「055型」駆逐艦の海上戦闘能力

 米海軍がとくに脅威に感じているのは、055型駆逐艦が備えている海上戦闘能力である。

 現在、アメリカ海軍最強と言われている水上戦闘艦は「ズムウォルト級ミサイル駆逐艦」である。2016年に就役したこの新鋭駆逐艦は、最新型の多機能レーダーシステム(AN/SY-3)、全ての艦内システムのネットワーク化、最新型のミサイル垂直発射装置(MK57-VLS: 発射管合計80セル)などを装備している。

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米海軍のズムウォルト級ミサイル駆逐艦「ズムウォルト」(出所:米海軍、以下同)

 MK57-VLSからは、地上攻撃用トマホーク巡航ミサイル、各種対空ミサイル、弾道ミサイル防衛用ミサイル、対潜水艦用ミサイルなどを発射することができる。このほかズムウォルト級駆逐艦は、最新推進システム、最新情報処理システム、それに高度なステルス形状を備えているため「最強の駆逐艦」と言われている。

 だが、当初は32隻の建造計画があったものの、現時点では1隻が就役しているのみで、あと2隻で建造は打ち切られることになっている。

 そのため航空母艦を除くアメリカ海軍の主力水上戦闘艦は、「アーレイバーク級ミサイル駆逐艦」(合計76隻を保有する予定、現在62隻が就役中、2018年中までに6隻が就役予定)と、「タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦」(現在22隻が就役中)ということになる。いずれの軍艦にも、ズムウォルト級駆逐艦よりも発射管数(アーレイバーク級駆逐艦は90セルあるいは96セル、タイコンデロガ級巡洋艦は122セル)の多いミサイル垂直発射装置(MK41-VLS)が装着されているが、情報処理システムやステルス形状などはズムウォルト級駆逐艦とは比べようもないレベルである。

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タイコンデロガ級巡洋艦「シャイロー」

 一方、中国の055型駆逐艦は、ズムウォルト級駆逐艦に迫るステルス形状をしており、中国が独自に開発したミサイル垂直発射装置(発射管は128セル)はMK41-VLSやMK56-VLSよりも大型のミサイルを発射することが可能である。そして、潜水艦を探知するソナー類も、米海軍や海上自衛隊の装備に勝るとも劣らない強力なシステムを搭載しており、「中華神盾」と称する対空レーダー戦闘システムもアメリカが誇るイージスシステムを凌駕するとされている。

米海軍が恐れる「YJ-18」

 このような強力な防衛手段に加え、米海軍関係者たちが大きな危惧を抱いているのは、この新型駆逐艦の128セル垂直発射管からは“超強力”な「鷹撃18型超音速巡航ミサイル」(YJ-18)が発射されることである。

 YJ-18は、地上目標も敵艦も攻撃することができる巡航ミサイルであり、最大射程距離は540キロメートル程度とされている。軍艦と軍艦による海上戦闘では500キロメートル以上も離れた敵艦を攻撃することはほとんど考えられないものの、米海軍のタイコンデロガ級巡洋艦や一部のアーレイバーク級駆逐艦が装備しているハープーン対艦ミサイルの射程距離が124キロメートルとされているため、055型駆逐艦は米巡洋艦や駆逐艦の脅威圏外から米艦艇を攻撃することが可能となる。

 さらに、YJ-18は攻撃目標に接近すると最終段階の40キロメートルはマッハ3以上で飛翔する「ロシア譲りの性能」を有していると推定されており、米海軍にとっては極めて深刻な脅威となる。

 このような脅威に対して、アメリカ海軍は空母打撃群を繰り出し、空母から発進する攻撃機によって敵艦艇を撃破するという基本方針に頼ってきた。そのため、巡洋艦や駆逐艦自身が搭載する対艦ミサイルを強力化する必要性は生じなかった。それよりも、防空ミサイルシステムをはじめとする防御能力に莫大な資金と最先端技術をつぎ込んできたのである。

 ところが、中国海軍との戦闘が予想されるのは南シナ海あるいは東シナ海であり、中国との有事の際に、それらの海域に空母打撃群を出動させるという米海軍の大前提そのものが怪しくなってきてしまった。というのは、中国人民解放軍ロケット軍が東風21-D型対艦弾道ミサイル(DF-21D)ならびに東風26型対艦弾道ミサイル(DF-26)の運用を開始したからである。

 まず、東シナ海は中国沿岸域から最大でも1000キロメートル程度の広がりしかない。また、南シナ海での予想戦域でも1500キロメートル程度の距離しか離れていない。そのため、東シナ海や南シナ海に進攻した米海軍空母はDF-21DやDF-26の餌食となりかねず、米海軍の伝統的な空母艦隊による作戦は極めて危険となる。したがって、中国との海上戦闘は、艦艇対艦艇の戦闘を想定すべきであるという考えが持ち上がってきている。

 すると、ハープーン対艦ミサイル程度の敵艦攻撃力しか備えていない米海軍の戦闘艦は、055型駆逐艦にはとうてい太刀打ちできないということになる(中でも、新鋭のアーレイバーク級駆逐艦とズムウォルト級ミサイル駆逐艦には、ハープーン対艦ミサイル程度の攻撃力すら備わっていないため、増設が必要となる)。

「今後5年間は隠忍自重するしかない」

 以前よりこのような状況になりかねないことを危惧していた一部の海軍戦略家たちは、「YJ-18」に匹敵する強力な対艦超音速巡航ミサイルの開発を提唱していた。しかし、その開発はようやくスタートしたばかりであり、誕生するのは早くても5年後と考えられている。

 一方、先日一番艦が進水した055型駆逐艦は3番艦までが引き続き誕生し、アメリカの新型対艦ミサイルが誕生する5年後までには、少なくとも8隻前後の055型駆逐艦が就役しているかもしれない。また、問題のYJ-18は055型駆逐艦より小型の052D型ミサイル駆逐艦(1番艦が2014年に就役し、間もなく6番艦と7番艦が就役する)にも搭載されるため、すでに2020年には20隻以上の中国海軍駆逐艦がアメリカ海軍艦艇をアウトレンジ攻撃する能力(敵の射程圏外から敵艦を攻撃する能力)を身につけることになる。

 このため、米海軍関係者からは「少なくとも今後5年間は、(中国近海域すなわち東シナ海や南シナ海における海上戦闘では)どうあがいても中国海軍優位の状況を突き崩すことが困難になってしまった」との声も上がっている。アメリカ海軍の弟分である海上自衛隊にとっても、このような“米海軍の嘆き”は、残念ながら共通する。

 このような状況に立ち至った原因は、アメリカ海軍艦艇(海自艦艇も同様)が、強力な敵艦攻撃能力を犠牲にしてまでも、超高額な予算と最高度の技術が要求される対空防御能力の充実に努力と予算を傾注しすぎたからである。この事例は、我が国の弾道ミサイル防衛態勢や、専守防衛という国防の基本方針そのものにとっても、大きな教訓とすべきである。
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China’s YJ-18 anti-ship cruise missile

YJ-18
弾頭 140-300 kg(310-660 lb)の弾頭
射程220-540 km(140-340 mi; 120-290 nmi)
速度 マッハ0.8(クルージング)マッハ2.5-3.0(ターミナル)

055型駆逐艦は日米駆逐艦を凌駕するとセンセーショナルに宣伝しているが、制空権がなければただのマトにすぎない。YJ―18だって、水平線の向こう側の艦隊を捉えることができなければ、50km超以上の射程は意味がない。実用化に耐えるAWACSを運用していない中国は、おそらくUAVなどドローンを使って日米艦隊を探査するつもりであろうが、絵に描いた月餅。国産空母に実用に耐えうるAEW機が搭載できるか否かだが、カタパルトを積んだ3隻目の空母がどの程度なものなのか・・・
それまでは、055型駆逐艦は、まるでお飾りにすぎない。

中国の中華イージスもどきのシステムはまったく機能しないのでは?と疑惑が持たれている。米国のズムウォルトやかつてのソ連のキーロフ型と比べたら、まったく平凡で、中国の現状の052D型蘭州型の倍のVLSを有する位で、前級を全て陳腐化させたかつての英国のドーレットノート型戦艦の衝撃はまるでない。騒ぎ過ぎだ。
第一、もし、日米と中国が開戦した場合、日本のそうりゅう型潜水艦が潜む海域には、055型駆逐艦は怖くて進出することはできないであろう。海戦において最強なのは、空母でも水上艦ではなくて、潜水艦なのである。




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今年だけでも既に2隻が誕生した中国海軍の054A型フリゲート

トランプ大統領は「強いアメリカの再現」のシンボルの1つとして、大統領選挙中から一貫して大海軍再建を標榜し、国防予算、とりわけ海軍関連予算の大増額計画を打ち出している。

しかしながら、トランプ政権発足後半年を経過した現在まで、大海軍再建の司令塔となるべき海軍長官(海軍と海兵隊の最高責任者でシビリアンのポスト)人事が決定していない(これまでは代理海軍長官としてシーン・スタックリー氏が代行してきた)。トランプ大統領は6月初旬に元投資会社役員のリチャード・スペンサー氏を海軍長官候補に指名し、あと数週間以内には上院で指名認可がなされる見込みとなっている。だが、大海軍再建計画が順調に滑り出すまでにはまだまだ時間がかかる状況と言わざるを得ない。

順調に進んでいる中国の大海軍建設

一方、中国においても、「中国の国益を保護するための大海軍建設」が喧伝されている。共産党独裁国家である中国では、党が打ち出した「大海軍建設」はアメリカと異なり極めて順調に進んでおり、今後も加速度的に海軍力が強化されていくものと思われる。

 ちなみに、2017年上半期に誕生した中国海軍艦(小型艇を除く)は以下の10隻である(表)。
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2017年の上半期に誕生した中国海軍艦(小型艇を除く)
                                                                                                               2016年に大小取り混ぜて30隻ほどの艦艇を誕生させた中国海軍の戦力強化は、少なくとも数の上では目覚ましいものがあるとアメリカ海軍側も認めている。

 新鋭艦艇の質に関しては「見かけ倒しではないか」「恐るるに足りない」といった評価を下している海軍首脳も少なからず存在する。だがそれに対して、「確実な情報がない以上、そのように楽観視しているととんでもないことになりかねない」「アメリカも含めて世界中から最先端技術を取り込んでいることを忘れてはならない」と警戒を促す人々も少なくない。

 いずれにせよ、対中戦略を専門とする海軍関係者たちは、「敵を過大評価して恐れおののくのは慎むべきではあるが、敵を過小評価するのはさらに良くない姿勢である」との基本姿勢を尊重している。

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          中国国産の001A型航空母艦
                                                                                                             海軍戦略達成のために強化される海軍戦力

 人民解放軍は昨年より抜本的再編成を進めている。中国国営メディア(人民日報、環球時報)によると、その一環として陸軍人員数の大幅削減を実施するという。また、海軍、ロケット軍(かつての第二砲兵部隊)、そして新設された戦略支援部隊の人員数は、今後それぞれ大幅に増強するという。空軍は現状維持とされている。

 人民解放軍再編成の方針に基づき海軍力増強が推進されていくことは間違いないものと思われる。実際に、2017年上半期だけでも上記のように多数の軍艦が誕生している。

 そもそも、中国海軍が近代的海軍(海上自衛隊など西側海軍と肩を並べるような海軍)となりうるきっかけとなったのは、1980年代に鄧小平軍事委員会主席の片腕として活躍した海軍司令員(海軍のトップ)、劉華清が打ち出した防衛戦略である。

 毛沢東時代の中国の防衛戦略は、基本的には敵勢力を中国大陸内部に引き込み、ゲリラ戦も交えつつ殲滅していくというものであった。それは自然と陸軍が中心となる戦略であった。当時はアメリカの核恫喝に自力で抵抗するため核搭載大陸間弾道ミサイルの開発運用にも多大な資源が投入された。そのため、海軍や空軍を充実させることは後回しにされ、鄧小平によって国防改革が開始された当初は、中国海軍は沿岸警備隊(それも時代遅れの)に毛が生えた程度の極めて貧弱な海軍に過ぎなかった。

 このような状況に対して劉華清は、「鄧小平による経済発展策の根幹となる幅広い交易活動を支えるには強力な海軍戦力が必要である」と力説した。そして、劉華清が打ち出したのが、「近海積極防衛戦略」と呼ばれる海軍戦略であった。

 すなわち、日本列島から台湾、フィリピン諸島、そしてカリマンタン島(ボルネオ島)を経てシンガポールに至る、いわゆる第1列島線内の東シナ海や南シナ海に進攻してきた敵(=アメリカ海軍や海上自衛隊をはじめとするアメリカ側海軍)を、それら海域のできるだけ遠方で撃破し、中国沿岸域には敵を寄せ付けない──そして、いずれは第1列島線に接近させないようにする、という戦略である。

「積極防衛戦略」の“積極”というのは、「島嶼や海岸線を防衛するには、待ち受けるのでなく、こちらから出撃しできるだけ遠方洋上で敵を迎え撃たねばならない」という海洋国家防衛の伝統的鉄則を意味している。そこで、その戦略を実施できるだけの実力を持った海軍を建設することが急務となり、1980年代後半から近代海軍建設に努力が傾注されたのである。

 海軍建設には少なくとも四半世紀はかかると言われているが、21世紀に入ると中国海軍は近代海軍の呈を成し始め、2010年を過ぎるといよいよ強力な海軍として世界中の海軍から一目置かれる存在になってきた。

 そして、昨年から正式に推し進められている人民解放軍の再編成と平行して、海軍戦略も「近海積極防衛戦略」からさらに歩みを進め、「外洋積極防衛戦略」とも表現しうる戦略へとバージョンアップされた。

 中国国防当局はアメリカや日本を強く刺激することを避けるため、この戦略を単に「積極防衛戦略」と称している。だが、要するに敵を撃破する海域を東シナ海や南シナ海からさらに遠方の西太平洋へと拡大させた戦略ということになる。

海軍戦略を欠いているアメリカ

 このように、中国の軍艦建造の目を見張るほどの勢いは、明確な海軍戦略を達成するために必要不可欠の動きということができる。

 ところが、トランプ政権が打ち出している350隻海軍建設は「偉大なアメリカの再建」という政治的目標の道具の1つとはなり得るが、確固たる海軍戦略に基づいているわけではない。

 そもそも、「近海積極防衛戦略」そして「(外洋)積極防衛戦略」といった具体的な海軍戦略を策定してきた中国軍とは異なって、アメリカ軍は「エアシーバトル」「マルチドメインバトル」といったコンセプトを打ち出してはいるが、いずれも戦略というレベルのものではない。

 達成すべき海軍戦略を構築し、それに向かって海軍戦力増強にいそしむ中国。片や、確固たる戦略なしにかつての栄光を取り戻すために大海軍を再建することを標榜しているアメリカ。これでは、少なくとも東アジア海域における海軍力バランスが逆転する日が現実のものとなってしまったとしても不思議ではない。