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MAST Asiaで出品された哨戒・掃海活動に重きを置いたトリマランのコンセプトモデルは、水船長80m準排水量1160t。

これが、中国が海洋進出する20年前にDEあぶくま型の後継として2000年代初頭にでも登場していたならばすばらしいと絶賛していたかもしれないが、中国の接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略の前には、あまりにも非力だ。

2015年5月11日南シナ海の南沙諸島公海上をパトロール中の米第七艦隊所属沿岸戦闘艦フォート・ワース(LCS‐3)が中共海軍の江凱II型(054A型)フリゲート艦「塩城」(FFG-546)の追尾を受け、「海上衝突回避規範」に沿って海上での偶発的な衝突を回避するための行動基準を取るような緊迫した状況に何度も陥ったという事件が起きた。

このコンセプトモデルを、フォートワース問題が発生後、MAST Asiaで展示した意図は?はっきり言って意味不明だ。

フォート・ワースは3000トン級の最新鋭艦であるにもかかわらず、追尾する中国のフリゲートを撃沈できる対艦ミサイルを搭載していない。敵艦を攻撃できるLCSの武器は、射程6.5kmの57mm単装砲が1門にすぎず、あまりの非力さにLCSでは、南シナ海などでの接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略のような高脅威環境下での活動には能力不足であることが露呈してしまった。

南シナ海などで中国海軍がそのプレゼンスを台頭させ、日米海軍に公然と敵対する環境変化に対して、軽兵装のLCSではとても対抗困難であると判断され、LCSの設計思想は残念ながら破綻してしまった。

ヘリコプターの発着能力などから海上自衛隊ではなく、北朝鮮の工作船相手の海上保安庁の巡視船に最適かも知れない大きさと武装だと思うが、新型多機能護衛艦「30DEX(新艦艇)」にはならないだろう。まして、こんなコスパが悪くて、アイデア倒れの沿岸海域戦闘艦(LCS)の船を軍艦として採用する国は皆無だ!輸出さえできないであろう。

せめて、SSMを搭載すれば、はやぶさ型ミサイル艇(基準排水量200トン、満水240トン)の後継ならば納得できる。

新型多機能護衛艦「30DEX(新艦艇)」は基準排水量3,000トン~3,500トン、満水排水量3,500~4,000トン弱を想定している、新型多機能護衛艦「30DEX(新艦艇)」にはならないが、3,000トン台になれば、SSMとVLSを装備するだろう。

多機能護衛艦(DEX) 2014/5/11(日) 午後 4:56
海上自衛隊の新型多機能護衛艦「30DEX(新艦艇)」、防衛装備庁が企画提案を公募  2017/2/17(金) 午後 11:55

新型多機能護衛艦「30DEX(新艦艇)」は、そのまま更に大型化して自衛艦隊の主力DD護衛艦とする可能性もある。

本題の、トリマラン モノハルかの結論を先に言えば、トリマランにしたいところだが、
限られた予算で、圧倒的な物量の中国海軍に対抗するには、モノハルの2倍弱の建造コストがかかるトリマランはありえないだろ。

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3,000トン台のトリマランの模型にはVLSが装備されている。

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「30DEX(新艦艇)」がモノハルだとしたら、低シグネチャ水上艦の挿絵に登場するようなコンセプトの艦になりそうな気がします。

もうすでに、モノハルか、トリマランか?の壮大な実験とも言える、米国の沿岸海域戦闘艦(LCS)で結果が出ている。


沿岸海域戦闘艦(LCS)は排水量3,000t、 どちらも、ウォータージェット推進で47ノットを発揮する。SeaLAM短距離対空ミサイル、57mm速射砲に機関砲、3次元対空レーダーに最新の戦闘指揮システム、大型へリ2機に掃海、対潜用のSUV/UUV搭載と充実している。

モノハル構造の伝統的な船と比べ、トリマラン型は、多くのメリットがあり、平和であれば、21世紀はより細長く、高速航行時の抵抗力が低下するため、燃費を15%から20%削減できる。

トリマラン型は3つの船体が甲板および上層の建造物を支えるため、甲板の面積は同トン数の単胴艦より約50%広くなるなり、ヘリ甲板とその下部に、搭載艇などを搭載しやすくなる。

細長い船体はスクリューの水流による影響を受けにくく、敵側のソナーにより探知される可能性が低い。

トリマラン型の長所は、高い安定性と波に対する耐性だ。そのためトリマラン型は特に、高速で航行するヘリ搭載軍艦に向いている。


しかし、問題は価格である沿岸海域戦闘艦(LCS)のモノハル一番艦が約4650万ドル(約55億円)、トリマランの一番艦「インディペンデンス」は約7880万ドル(約100億円)。問題にならないほど高コストである。

沿岸海域戦闘艦(LCS)はネットワーク中心戦という概念を中核としていることにある。すなわち、大射程の兵器(TWSなど)の前方展開センサーとして運用することにより、自艦装備の火器よりもはるかに強力な火力を導き、さらに、小型の低価格艦を多数を建造し、艦隊のネットワークの一部として組み込むことにより、Cheap Killによって艦が失われた際に艦隊の戦闘力に与える打撃を極小化することから、小型の低価格艦のアイディア/構想は良かった。

実際のところ、沿岸海域戦闘艦(LCS)を陸自の地対艦ミサイルと、空自のF-2による空対艦ミサイルの、センサーとして活用することにより、日本版A2AD戦略の一部と構想したのだろう。
[東京 18日 ロイター] - 中国が南シナ海の支配を強める中、南西方面に軸足を移す日本の防衛政策が、地域の軍事バランスにとって重要性を増しつつある。中国本土から西太平洋への出口をふさぐように連なる南西諸島を軍事拠点化し、東シナ海に壁を築く日本の戦略は、中国軍の膨張を食い止めたい米国の思惑とも合致する。

    南西諸島に監視部隊やミサイルを置いて抑止力を高め、有事には戦闘機や潜水艦などと連携しながら相手の動きを封じ込める戦略を、日本政府は「海上優勢」、「航空優勢」と表現している。しかし、安全保障政策に携わる関係者は、米軍の活動を制限しようとする中国の軍事戦略「接近阻止・領域拒否(Anti─Access/Area Denial、A2AD)」の日本版だと説明する。  

  ──関連コラム:南シナ海への米艦派遣はなぜ必要なのか


    <重要性増す第一列島線>   

    「事態を遅らせることはできたかもしれない。だが、列車はすでに出発してしまった」──。米軍が南シナ海で「航行の自由作戦」に踏み切った今年10月末、アジア情勢に詳しい米軍幹部はロイターにこう語った。   

    南シナ海に滑走路を備えた人工島を造成する中国に対し、米海軍は艦船を派遣し、中国の海ではないとメッセージを送った。しかし人工島はほぼ完成しており、関係者の間では、中国が軍事的な支配を確立しつつあるとの認識が広まっている。   

    1996年の台湾海峡危機の際、中国軍は急派された米空母の前に矛を収めざるを得なかった。その経験をもとに中国は、有事に米軍が戦力を投入できないよう、南シナ海、東シナ海、さらに西太平洋まで「内海化」することを狙っていると、米国や日本の専門家は分析している。   

    「中国の目標は南シナ海、さらに東シナ海で覇権を取ることだ」と、在日米国大使館の政治軍事部長や米国務省の日本部長を歴任したケビン・メア氏は言う。「譲歩すれば中国の挑発的な行動を助長するだけだ」と、同氏は話す。   

    このうち南シナ海が中国の勢力圏に入りつつある今、鹿児島県・大隅諸島から沖縄県・先島諸島を通り、マレーシアのボルネオ島まで連なる島々が、これまで以上に戦略的な重要性を帯びてくる。中国が「第一列島線」と呼び、米国に対する防御線と位置づけているラインだ。

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    「今後5、6年で第一列島線が日米同盟と中国の間の軍事バランスを左右することになるだろう」と、中谷元防衛相の政策参与で、自身も民主党政権時代に防衛相だった森本敏氏は指摘する。   

<ミサイルで「拒否力」狙う>

    それまでに態勢を整備しようと、日本は第一列島線のうち、自国領内の南西諸島の軍事拠点化を進めている。 鹿児島県の奄美大島に550人、沖縄県の与那国島に150人、宮古島に700─800人、石垣島に500─600人の部隊を置く予定だ。  

    これまで沖縄本島以南には、宮古島と久米島に航空自衛隊のレーダー基地がある程度だった。防衛省は、この空白地帯に警備部隊や監視部隊を編成することで、離島に侵攻された場合の初動態勢を整えると説明している。   

    しかし、配備するのは警備や監視部隊だけではない。奄美大島、宮古島、石垣島には対空・対艦ミサイル部隊も展開する。日本の防衛政策を南方重視に変えた民主党政権で、党の安全保障調査会事務局長として防衛大綱策定に関わった長島昭久衆院議員は「A2ADというきっちりとした考え方ではなかったが、南西方面に拠点を造り、ミサイルを展開して(相手が接近できないようにする)拒否力をつけようとした」と振り返る。

  旧ソ連の侵攻に備えて開発された射程180キロの地対艦ミサイルなら、沖縄本島と宮古島の間に横たわる350キロの宮古海峡もカバーできるようになると、元陸将で笹川平和財団参与の山口昇氏は言う。   

  中国が構築しているとされる軍事戦略・A2ADは、対空・対艦、弾道ミサイルを沿岸部や内陸に大量に配備。潜水艦や戦闘機などと連携し、有事に米軍の艦船や航空機を中国本土に近づけさせない、近づいても自由に活動させないことを狙っている。

  人民解放軍は今年9月の「抗日戦争勝利70周年」軍事パレードで、艦載機と合わせて50億ドルの米空母を破壊可能とされる対艦ミサイル「東風21D」を披露した。   

    米議会は、中国が第一列島線を射程に収める短・中距離ミサイル1200発を保有していると分析する。さらに中国は潜水艦を増強、レーダーを回避できる地上発射型の弾道ミサイルの開発にも取り組んでいる。   

  <航空優勢、海上優勢>   

    南西方面の防衛力を強化する方針は、2012年末に発足した第2次安倍晋三政権にも引き継がれたが、新たに策定された防衛大綱の中に「海上優勢」、「航空優勢」という単語が盛り込まれた。

敵の艦船や航空機の活動を制限した状態を指す軍事用語で、中国が構築を目指しているA2ADと同じ概念だ。   

「我々はA2ADではなく、航空優勢、海上優勢という言葉を使った」と、今年10月まで安全保障担当の首相補佐官を務めた礒崎陽輔参院議員は言う。「米軍と一体となって一定の海域、空域で優勢が確保できるようにすることを念頭に置いた」と話す。

    日本は新型哨戒機や無人偵察機の調達のほか、潜水艦部隊を増強することを決定した。ステルス性の高いF35戦闘機や新型輸送機オスプレイの取得、水陸機動団の新設も進めている。

  平時の警戒監視を手厚くして軍事的空白を埋める一方、いざとなれば短時間で戦力を集中し、島に配備されたミサイル部隊と連携しながら、中国軍を東シナ海で自由に動けなくするのが狙いだ。   

    中国海軍の動向を研究する米海軍大学のトシ・ヨシハラ教授は、東シナ海から西太平洋にわたる海域で自衛隊が果たす役割の重要性を指摘する。有事の際に中国軍の作戦を制限できれば、米軍の活動の自由度が増すだけでなく、米軍が来援する時間を稼げるとみる。「日本は情勢をひっくり返そうとしている」と、ヨシハラ教授は言う。

    国防費を大幅に削減する一方、中東問題から抜け出せない米国が、一国で中国の膨張を止めることは難しくなりつつある。アジア太平洋地域の友好国との関係強化が不可欠になっており、米海軍第7艦隊のアーコイン司令官は日本の動きについて、米軍の戦略を補完するものと指摘する。「米軍は世界のどこであれ、同盟国・友好国、そして潜在的な敵国の能力と戦力を考慮して作戦を立案する」と話す。

  一方、中国は警戒を隠さない。中国国防省はロイターの取材に「いかなる日本の軍事的な動きも、近隣諸国の不安を呼ぶ」としている。 

   <運べなかったミサイル> 

  とはいえ、今はまだ机上の構想にすぎない。1つ1つの島が小さな南西諸島には大規模な戦力を常駐させることはできないため、緊急時には本土から素早く部隊を移動させる必要がある。

  輸送手段を持たない陸上自衛隊の部隊や装備を、航空自衛隊と海上自衛隊が効率的に運ぶ統合運用がカギを握る。   

    10月末から11月中旬に陸・海・空の統合訓練を行った自衛隊は、本土のミサイルを南西諸島に初めて空輸しようとした。しかし、福岡県の築城基地から沖縄県の那覇基地まで、空自の輸送機が陸自の中距離ミサイルを運ぼうとしたところ問題が発生した。

  危険物の輸送方法を定める国連勧告に従い、陸自が空自に事前申請したのは燃料の入っていないミサイルだったが、実際に運ぼうとしていたのは燃料を搭載したミサイルだった。燃料入りのものを運ぶ準備をしていなかったため、カラのまま運ばざるをえなかった。

    「自衛隊は各地に部隊がいるが、輸送、ロジスティクス(兵たん)に問題がある」と、安倍内閣で14年9月まで防衛相を務め、自衛隊の統合運用を進めた小野寺五典衆院議員は言う。「陸・海・空、それぞれ整備や給油の仕方が違う。陸だけで使っていれば不便ではなかったことが、共同使うと問題が出てくる」と指摘する。   

    南西諸島への基地配備も、本格的に動き出すのはこれからだ。与那国島には15年度末までに150人の沿岸監視部隊を配置する予定だが、奄美大島と宮古島はこれから用地取得と造成に取り掛かる。石垣島については19年度以降の配備予定だ。   

   一方、中国軍が第一列島線を抜けて西太平洋に出ていく動きは常態化しつつある。11月下旬には爆撃機と情報収集機、早期警戒機が宮古海峡の上空を、12月上旬には駆逐艦、フリーゲート艦、補給艦が大隅海峡を通過した。

  「(日本は)常に国会対応ばかりに終始して、安全保障の本質的な議論をすることすらタブーな国だった」と、小野寺元防衛相のもとで防衛副大臣を務めた武田良太衆院議員は言う。「そのツケが今日まで回ってきている」。

(久保信博、ティム・ケリー 取材協力:リンダ・シーグ、メグハ・ラジャゴパラン 編集:田巻一彦)

だが、米海軍が沿岸海域戦闘艦(LCS)実際に建造して運用してみると、まったくアイデア倒れ、増強著しい中国接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略相手ではの使い物にならない船であった。もし、「30DEX(新艦艇)」がネットワーク中心戦という概念の大射程の兵器(TWSなど)の前方展開センサーにすぎなければ、短距離対空ミサイルしか装備しない「非武装」の軍艦を前線に出せば、簡単に殲滅されるのは火を見るようにあきらか。単なる捨て石になってしまう。

軍艦の性能は結局、搭載する武器や装備で決まるもので、搭載する装備は排水量で決まる。トリマランは同じ装備のモノハルと比べ、コスパが悪いうえに、波に弱く太平洋や日本海の荒波には向かないという、深刻な欠点もある。

米海軍は、沿岸海域戦闘艦(LCS)の建造を32隻で打ち切り、武装や防御を強化した小型水上戦闘艦(SSC)の建造に移行するこになった。

2015/11/8(日) 午後 4:07 

1,000トンクラスの小さい艦はレーダーや通信機能、装備全てで劣るので、何隻集めても大型艦には勝てない。3,000トン台は最低限のトン数であり、最初の新型多機能護衛艦「30DEX(新艦艇)」は3,000トン台かもしれませんが、結局は次世代新型多機能護衛艦は5,000トン台のモノハル型になるような気がしてなりません。