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■事業の概要等

○ 事業の概要

電気駆動型のレーザを採用し、将来のミサイル対処用レーザシステム実現へ向けた拡張性を確認するとともに、小型無人機等対処が可能な技術を確立するものである。

○ 所要経費

約88億円(平成30年度概算要求額。後年度負担額を含む。)

○ 事業実施の時期
平成30年から平成34年度まで研究試作を実施し、平成34年度から平成35年度まで試験を実施する予定である。

■政策評価の結果

○ 必要性

近年、諸外国におけるステルス航空機の開発、巡航ミサイルの配備拡大といった低探知性を有する脅威が拡大している。また、小型無人機や迫撃砲弾といった単価あたりのコストが低い脅威が大量に投入されることが予想され、我の防空システムにおいても単価あたりの低コスト性が求められている。

高出力レーザ技術は、瞬間対処性を有し、費用対効果も高く、これらの脅威にも対処可能である。また、電力のみで稼働することが可能なため、弾薬の制限を受けないという、従来の防空システムにはない特徴を有していることから、将来の戦闘様相を一変させるゲームチェンジャーになりうるとして、諸外国においても研究開発が活発化している。我が国においても、増大する脅威への対処能力を速やかに構築する必要があるため、当該年度から着手する必要がある。

○ 効率性

「防空用高出力レーザ兵器に関する研究」における設計手法・シミュレーション手法等を活用することで、設計期間の短縮及び係る経費の抑制を図る。加えて電源部、冷却部等において、COTS品を採用することで、係る設計期間を短縮する。

○ 有効性

(ア)瞬間対処性を有した防空システムを確立することで、低探知性の脅威に対する対処技術を確立することができる。
(イ)安価な兵器による飽和攻撃等にも有効な、費用対効果の高い対処技術を確立することができる。
(ウ)弾薬の補給に大幅な制約が生じる、我が島嶼部等兵站上不利な地域への展開において、電力のみで稼働することが可能であることから、補給上の制約が少ない新たな防空システムを構築することが可能となる。

■総合的評価

○ 当該事業の技術的位置付け

敵の量的優越性を克服するとともに、弾薬補給等の兵站が困難な環境下における継戦能力を向上させる高出力レーザ技術は「平成28年度中長期技術見積り」における、特に重視する取組の一つとして位置づけ られている「高出力エネルギー技術への取組」に該当し、我が国の装備品の研究開発の方向性に沿ったものである。

○ 研究開発を実施する必要性

諸外国においても研究開発段階であり、実用化には至っていないため装備品導入の可能性はなく、ビーム結合について最適な方式の選定段階であるため、研究開発を実施せざるを得ない。

○ 当該事業の技術的成果の評価

高出力レーザを発生して照射するための要素技術のうち、我が国が有している大容量電源技術や高耐光強度化技術を活用しつつ、高出力化技術等の技術を取得することは我が国の強みとなる。本事業で得られる技術は、瞬間対処性など戦い方に大きな影響を及ぼす可能性を秘めたものであり、また諸外国においても鋭意研究が進められていることから技術的優越を確保する観点からも早急に取り組むべき事業である。なお、事業の推進にあたり効率性の確保には十分留意する。

■政策等への反映の方向性 

総合的評価を踏まえ、平成30年度概算要求を実施する。

担当部局等名:防衛装備庁技術戦略部技術計画官
評価実施時期:平成29年7月~平成29年8月

北朝鮮のミサイルや、巡航ミサイルといった低探知性を有する脅威が拡大しており、脅威の発見後瞬時に対処を開始する能力が求められている。また、小型低価格ドローンの配備・迫撃砲弾といった単価あたりのコストが低い脅威が大量に投入されることが予想され、我の防空システムにおいても単価あたりの低コスト性が求められている。
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 米陸軍訓練教義コマンドのパーキンス司令官は18日までに、米国の同盟国が地対空ミサイル「パトリオット」を使って市販の小型ドローン(無人機)を撃墜したことを明らかにした。ドローンが約200ドル(約2万2000円)なのに対し、パトリオットは約340万ドル(約3億8000万円)だ。

米軍の研究会合で行った講演の中で明かした。同盟国の名前や撃墜の場所については明らかにしなかった。

パーキンス氏は「米ネット通販大手アマゾンのサイトで200ドルのドローンがパトリオットに対抗できる可能性はなかった」と指摘。ドローン破壊には成功したものの、経済的に妥当な方法ではなかったとジョークを飛ばした。パトリオットの製造コストは340万ドル。スポーツ用多目的車(SUV)並みの大きさで、音速の5倍の速度で飛行できる。

そのうえで「もし自分が敵であれば、米ネット競売大手イーベイでこうした300ドルのドローンを買えるだけ買う。配備されているパトリオット・ミサイルをすべて使い果たさせることができるからだ」とも付け加えた。

研究のミソは、電気駆動型のレーザである。電力のみで稼働することが可能なため、弾薬の制限を受けない為、ドローンや迫撃砲、ロケット弾など安価な兵器による飽和攻撃に対して、弾薬の制限を受けないという長所がある。

従来の防空システムにはない特徴を有していることから、将来の戦闘様相を一変させるゲームチェンジャーになり得る

高出力レーザ技術は、瞬間対処性を有し、費用対効果も高く、これらの脅威にも対処可能である。また、として、諸外国においても研究開発が活発化しており、我が国においても、増大する脅威への対処能力を速やかに構築する必要がある。

現状の技術では、弾道弾迎撃には遠く及ばないが、将来のミサイル対処用レーザシステム実現へ向けた拡張性を確認するとともに、小型無人機等対処が可能な技術を確立するものである。

所要経費 : 約87億円

事業実施の時期
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平成30年から平成34年度まで研究試作を実施し、平成34年度から平成35年度まで試験を実施する予定である。


(1)必要性

ア 防衛省が当該事業を実施する理由

当該技術は、諸外国においても研究開発段階であり、実用化には至っていないため、外国の装備品導入の可能性はない。また、各国ともファイバーレーザを採用しているという共通点はあるものの、ビーム結合方式について最適な方式の選定を行っている状態であり、現時点でその技術を導入することはリスクが高い。

また、外国製のファイバーレーザは、近年、輸出規制の対象となり、入手できるものは性能に制限がかかることから、外国製品を導入の可能性はない。

さらに、民生分野におけるレーザの高出力化は、レーザ加工の分野において行われていたが、既に民生で必要なレベルとしては十分な出力に達しており、これ以上の進展は見込めない。さらに、追尾技術においても、民生分野では必要ないレベルに高精度な性能が必要になることから、当該研究は、防衛省が独自に実施する必要がある。

イ 当該年度から実施する必要性

低探知性を有する脅威や低コストの脅威の拡大傾向、諸外国において高出力レーザ技術の研究開発が活発化している現状に鑑みて、我が国においても、増大する脅威への対処能力を速やかに構築する必要があるため、当該年度から着手する必要がある。

ウ 既存の組織、装備等によらない理由

当該技術は、諸外国においても将来の戦闘様相を一変させるゲームチェンジャーと位置づけられ、他国に先んじるべく研究開発が行われている状況であり、各国とも情報を開示しないため、技術交流は成立しない。しかしながら、各種意見交換の場で、情報収集を行うことは可能と考える。また、国内においても、本研究レベルの高出力レーザの開発は実施していないため、現時点で他機関等との協力は成立しない。

エ 代替手段との比較検討状況

当該技術は、従来のミサイル、弾薬等といった手段を用いる現有装備品とは全く異なり、レーザを用いた対処技術を確立するものである。よって、対処原理が異なるために、瞬間対処性、弾薬の制限がないといった従来技術にはない優位性を実現できるものであり、現有装備品の改良・改善では実現不可能な技術である。

(2)効率性

「防空用高出力レーザ兵器に関する研究」における設計手法・シミュレーション手法等を活用することで、設計期間の短縮及び係る経費の抑制を図る。加えて電源部、冷却部等においてCOTS品を採用することで、係る設計期間を短縮する。

(3)有効性

ア 得ようとする効果
(ア)瞬間対処性を有した防空システムを確立することで、低探知性の脅威に対する対処技術を確立することができる。
(イ)安価な兵器による飽和攻撃等にも有効な、費用対効果の高い対処技術を確立することができる。
(ウ)弾薬の補給に大幅な制約が生じる、我が島しょ部等兵たん上不利な地域への展開において、電力のみで稼働することが可能であることから、補給上の制約が少ない新たな防空システムを構築することが可能となる。

イ 効果の把握の仕方
試作品の設計製造及び試験を実施し、具体的な機能・性能の確認及び技術の検証を行う。
なお、試作品の設計製造においては、契約相手方に対し、適宜、技術審査を実施して、設計の技術的妥当性について確認を行いながら事業を行う。また、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成28年内閣総理大臣決定)にのっとり、事業の事前及び中間時点等に複数回の研究開発評価を実施して、適切な事業実施に努める計画である。

6 事後検証を行う時期
技術的な検証については、基本設計終了時点、試作終了時点等において中間評価を実施し、所内試験終了時点において事後評価を実施する予定である。また、施策レベルの検証については、目標管理型政策評価を実施する予定である。

7 総合的評価

○ 当該事業の技術的位置付け

敵の量的優越性を克服するとともに、弾薬補給等の兵たんが困難な環境下における継戦能力を向上させる高出力レーザ技術は「平成28年度 中長期技術見積り」における、特に重視する取組の一つとして位置づけられている「高出力エネルギー技術への取組」に該当し、我が国の装備品の研究開発の方向性に沿ったものである。

○ 研究開発を実施する必要性

諸外国においても研究開発段階であり、実用化には至っていないため装備品導入の可能性はなく、ビーム結合について最適な方式の選定段階であるため、研究開発を実施せざるを得ない。

○ 当該事業の技術的成果の評価

高出力レーザを発生して照射するための要素技術のうち、我が国が有している大容量電源技術や高耐光強度化技術を活用しつつ、高出力化技術等の技術を取得することは我が国の強みとなる。本事業で得られる技術は、瞬間対処性など戦い方に大きな影響を及ぼす可能性を秘めたものであり、また諸外国においても鋭意研究が進められていることから技術的優越を確保する観点からも早急に取り組むべき事業である。
自衛隊のレーザーが他国より遅れているかの如く思っているライターの方もいるのですが、日本が他国に兵器をセールスすることがなかった為、秘密主義的になっているだけだと思います。日本のレーザー兵器研究は、米国とそう変わらないと思います。

現在実験的に揚陸艦に設置されたLaWSは10~30kw級で数キロ先のドローンやUAVを撃墜する能力を有する。
これに対し平成28年度で研究が終わった高出力レーザーの研究は50kw級だ。
そして今回の指向性エネルギーシステムは100kw以上を目指す。
ロッキードマーチンが開発中のGround based Laser Weapon Systemは60kw~100kw級と思われます。
Ground based Laser Weapon Systemはロケット弾や亜音速の巡行ミサイルや航空機を撃墜する能力を持つと思われます。


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 北朝鮮による核・ミサイル開発の進展を受け、政府が弾道ミサイル迎撃のための新システムの開発を検討していることがわかった。高出力レーザーを発射直後の弾道ミサイルに照射し、無力化・破壊する。北朝鮮が現在の装備では迎撃が難しい「ロフテッド軌道」での発射を繰り返しているため、新技術で対応する方針だ。

「ロフテッド軌道」にも対応 政府検討


開発を目指すのは、弾道ミサイルが発射された直後の「ブースト段階」と呼ばれる時点で、航空機や艦船などから高出力レーザーを照射し、熱によってミサイルを変形させる技術。迎撃ミサイルに比べて安価で、実現すればロフテッド軌道だけでなく、多数の弾道ミサイル発射にも対処が可能になる。

防衛省は2018年度概算要求に、迫撃砲弾や小型無人機などを迎撃対象とする、高出力レーザーシステムの研究費として、87億円を計上した。高出力レーザーの基礎研究は、すでに10年度から実施するなどしており、18年度からの5年間で装備化に向けた研究に人る。迎撃ミサイルに比べて安価という利点もあり、同省では最終的にミサイル防衛態勢に組み込みたい考えだ。

弾道ミサイルは、発射直一後にロケットエンジンの燃焼で加速する「ブースト段階」、燃焼後に慣性で大気圏外を飛行する「ミッドコース段階」、弾頭が大気圏に再突入してから地上に向かう「ターミナル段階」を経て着弾する。現在のミサイル防衛態勢は、イージス艦搭載の迎撃ミサイル「SM3」がミッドコース段階、地対空誘導弾「PAC3」がターミナル段階での迎撃を想定している。

だが、北朝鮮は最近、通常より高角度の「ロフテッド軌道」での発射を繰り返している。ロフテッド軌道では「ミッドコース」の高度が高く、「ターミナル」は落下速度が速い。迎撃は容易ではないことから、ブースト段階で弾道ミサイルにレーザーを照射し、ミサイルが空気の摩擦抵抗を受ける大気圏内への再突入などの際に、無力化・破壊する方法を検討することになった。

高出力レーザーは距離が遠くなるほど熱量が減るため、射程が短く、発射地点に航空機や艦船が近接する必要があるとの欠点がある。高速飛行する弾道ミサイルにレーザーを照射し続ける正確性の確保も技術面での課題だ。

レーザー兵器は米国や中国などでも開発が進められ、米軍は実戦配備を始めている。米国はミサイル防衛への活用も検討しており、防衛省は米国の研究成果について情報提供を受けている。