

特別講演3:我が国の防衛産業とその課題 未来工学研究所 研究参与 西山 淳一
さんの講演は、残念ながら、東急電鉄田園都市線が朝から動かず会場に到着したのは10:45で間に合わなかった。まったく・・・
オーラルセッションを聞けなくて残念だったので、平成29年版防衛白書の防衛産業関連を読み返した。
□ 1 技術的優越の確保の必要性
わが国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、いかなる事態においても国民の生命と財産を守り抜くためには、わが国が有する高い技術力を有効に活用し、技術的優越を確保する必要がある。特に近年、技術革新の急速な進展に伴い、将来の戦闘様相を一変させる、いわゆるゲーム・チェンジャーとなり得る技術の実用化が予測されており、米国をはじめ各国が研究開発を急いでいる。
参照I部3章6節(軍事科学技術と防衛生産・技術基盤をめぐる動き)
このため、国家として技術的優越の確保に戦略的に取り組むことは、わが国の安全保障を確保する観点において喫緊の課題となっている。各国の最先端の軍事技術は、容易に他国には共有されない機微な技術であり、わが国として戦略的に国内に技術基盤を維持すべき分野については、国内における研究開発を推進する必要がある。また、装備品の取得にあたり国際共同開発などを行う場合には、重要な最先端技術(キーテクノロジー)をわが国が保有することが重要である。このためには、防衛省における研究開発のみならず、官民が一体となって研究開発を推進する必要があり、またそうしたキーテクノロジーを保有しなければ、装備品調達の際の価格交渉や防衛装備・技術協力を行うにあたって主導的な立場を確保するバーゲニング・パワーを保持することもできない。
□ 2 防衛技術戦略など
防衛省では、わが国の技術的優越を確保し、先進的な装備品の創製を効果的・効率的に行い、防衛技術や民生技術に関する各種の政策課題に対応するため、戦略的に取り組むべき各種施策の具体的な方向性を示した「防衛技術戦略」1を16(平成28)年8月に策定した。これは、国家安全保障戦略及び防衛大綱などを踏まえつつ、戦略的に取り組むべき施策の具体的な方向性を示したものであり、この戦略に基づき、防衛省は各種施策を推進している。
■ 1 防衛技術戦略の概要
(1)防衛省の技術政策の目標
わが国の防衛力の基盤である技術力を強化し、さらに強固な防衛力の基盤とするべく、次の2つを防衛省の技術政策の目標に定めた。
① 技術的優越の確保
② 優れた防衛装備品の効果的・効率的な創製
(2)推進すべき具体的施策
前項で示した目標を達成するため、次の3つの施策を推進する。
① 技術情報の把握
防衛技術を支えている様々な科学技術について、官民におけるデュアル・ユース技術や最先端科学技術を含む国内外の現状と動向を把握する。また、ゲーム・チェンジャー2となり得る先進的な技術分野を明らかにする「中長期技術見積り」(第2項参照)を策定し、公開する。
KeyWordデュアル・ユース技術とは
民生用にも防衛用にもどちらにも使うことができる技術
② 技術の育成
中長期的な研究開発を推進する「研究開発ビジョン」(第3項参照)を策定するとともに、防衛力構築の基盤を担う研究開発、国内外の関係機関などとの技術交流及び防衛用途として期待される先進的な技術の発掘と育成を視野に入れた「安全保障技術研究推進制度」などを推進する。
③ 技術の保護
わが国の技術が意図せず他国に流出し、国際社会の平和及び安全の維持や、わが国の技術的優越の確保の妨げにならないよう、技術移転を適切に行うための技術管理を実施するとともに、防衛装備移転を考慮した知的財産管理を確立し、知的財産の活用を推進する。
■ 2 中長期技術見積り
「中長期技術見積り」3とは、今後おおむね20年の間に確立されることが期待される、装備品に適用が可能な技術の見通しと、わが国の技術的優越を確保するために確立しなければならない技術分野、特に重点的に獲得を目指すべきゲーム・チェンジャーとなり得る先進的な技術分野を提示するものである。また、本見積りを公表することで、優れた民生先進技術の取り込みや、防衛装備品への適用を目指した技術の省外での育成を促進させることを期待している。
この見積りでは、57件の「将来装備技術」4及び21件の「将来の可能性を秘めた技術」5を抽出し、それらを総合した結果、今後の研究開発において次の4つの技術分野を重視することとしている。
① 無人化への取組
② スマート化、ネットワーク化への取組
③ 高出力エネルギー技術への取組
④ 現有装備の機能・性能向上への取組
■ 3 研究開発ビジョン
「研究開発ビジョン」とは、将来的に主要になると考えられる装備品について、取り組むべき技術的課題を明らかにし、将来を見据えた装備品のコンセプトとそれに向けた研究開発のロードマップを提示し、中長期的な研究開発の方向性を定めるものである。
防衛省は、策定した研究開発ビジョンを公表し、防衛産業などと共有することにより、企業などの予見可能性を向上させ、より効果的・効率的な研究開発を実現することを目指している。これまで、10(同22)年8月に「将来戦闘機ビジョン」を、16(同28)年8月に「将来無人装備に係る研究開発ビジョン~航空無人機を中心に~」を策定し、公表している。
今後も防衛技術の動向を見据えつつ、技術基盤の育成・向上が必要なものについての研究開発ビジョンの策定・公表を進めていく。
1 正式名称:防衛技術戦略~技術的優越の確保と優れた防衛装備品の創製を目指して~
2 将来の軍事バランスを一変する可能性を秘めているもの
3 正式名称:平成28年度 中長期技術見積り
4 将来重要となる技術分野及び要素技術のこと
5 現時点では基礎研究の段階にあるが、将来的に装備品などに適用されることにより、現有装備品などの性能を飛躍的に向上させるもの及び新たな装備品などを創製し得る技術のこと
□ 3 研究開発に関する取組
防衛省では、中期防に示されている①防空能力の向上、②警戒監視能力の向上、③大規模災害を含む各種事態発生時に柔軟な運用を可能とする無人装備、④既存装備品の能力向上といった、自衛隊のニーズに合致した装備品の創製や、技術動向を踏まえた将来性の高い技術提案を行うとともに、先進技術及びデュアル・ユース技術を取り込んだ装備品を試作し、その試験評価を行っている。
特に、防空能力向上の観点から、将来戦闘機に関し、国際共同開発の可能性も含め、F-2戦闘機の退役時期までに開発を選択肢として考慮できるよう、高運動ステルス機である先進技術実証機の実証研究を行っている。併せて、ステルス性を向上させるための複雑形状を有するレドーム技術や、複数機の連携により射撃機会の拡大と射撃効率の向上を図る統合火器管制の技術に関する研究など、戦略的な検討を行い、平成30(2018)年度までに開発にかかる判断を行い、必要な措置を講じることとしている。さらには、高出力指向性のマイクロ波を発生・照射することで、飛来するミサイルなどに内蔵された電子機器の誤動作や破壊を誘発し無力化する技術の研究を行っている。
警戒監視能力の向上の観点からは、探知・識別性に優れた2波長赤外センサを文部科学省・JAXAで計画中の「先進光学衛星」に搭載し、宇宙環境において動作させるための研究を行っている。また、大規模災害を含む各種事態発生時に柔軟な運用を可能とする高機動パワードスーツ、遠隔操縦車両の環境認識向上技術などの研究も推進している。
さらに、技術的優越を確保しうる先進的な研究として、次世代暗視装置の要素技術に関する研究やセンサ・電子機器の誤作動や破壊を誘発するEMP(電磁パルス)弾、電気エネルギーを用いることにより従来の火薬砲では実現不可能な弾丸の高速化、長射程化、高威力化を図る電磁加速システムの研究を行っている。
□ 4 民生技術の積極的な活用
先進的な民生技術を取り込み、効率的な研究開発を行うため、防衛装備庁と大学や独立行政法人などの研究機関との間で、研究協力や技術情報の交換などを積極的に実施している。また、平成27(2015)年度から、防衛分野での将来における研究開発に資することを期待し、先進的な民生技術についての基礎研究を公募・委託する「安全保障技術研究推進制度」(競争的資金制度)を開始している。
平成28(2016)年度までに19件の研究課題を採択したところであるが、平成29(2017)年度は、大規模かつ長期間にわたる研究課題についても採択し得るよう、本制度を拡充した(総額:110億円)。
本制度が対象とする基礎研究においては、研究者の自由な発想こそが革新的、独創的な知見を獲得する上で重要である。このため、研究の実施に当っては、学会などでの幅広い議論に資するよう研究成果を全て公開できるなど、研究の自由を最大限尊重することが必要である。よって、本制度では、研究成果の公表を制限することはなく、防衛省が研究成果を秘密に指定することや研究者に秘密を提供することもない。研究成果については、既に学会発表や学術雑誌への掲載などを通じて公表されている。なお、研究の円滑な実施の観点から、本制度は他省庁の競争的資金制度と同様に、採択された研究計画に基づいて研究の進捗管理を行う職員(プログラムオフィサー)を設置し、研究の進捗状況の確認や予算執行に係る手続などのサポートを行っている。
本制度などを通じて、先進的な民生技術を積極的に活用することは、将来にわたって国民の命と平和な暮らしを守るために不可欠であるのみならず、米国防省高等研究計画局(DARPA)による革新的な技術への投資が、インターネットやGPSの誕生など民生技術を含む科学技術全体の進展に寄与してきたように、防衛分野以外でもわが国の科学技術イノベーションに寄与するものである。防衛省としては、引き続き、こうした観点から関連する施策を推進していく。
参照図表III-4-1-1(安全保障技術研究推進制度(競争的資金)の平成28年度採択研究課題)
続き ご興味ある方は↓
1 わが国の防衛生産・技術基盤の現状
2 防衛生産・技術基盤戦略
1 ライフサイクルを通じたプロジェクト管理
2 契約制度などの改善
3 調達の効率化に向けた取組など
講演内容は聴けませんでしたが、おそらく防衛白書の該当箇所の執筆は西山参与か少なくとも関わっていることは容易に想像がつくので、講演内容と防衛白書の該当項目に載っている内容とそうは違わないだろうと思うことにした。
休暇を取得して両日シンポジウムに参加したのに両日ともに遅延しやがって、東急のバカヤロー!電車トラブル続発の東急電鉄に国交省が指導
■ ロケットモータの性能評価について


少々唖然としてしまった。直巻マルチセグメント・ロケットモータの担当者に直巻マルチセグメント・ロケットモータの研究は60%射程を延ばせると説明していたので、CFRPモータケースと直巻マルチセグメント・ロケットモータの組み合わせでどのくらい射程が伸びるのか?ひょっとすると従来射程の2倍くらい伸長しますか?と質問すると、CFRPと直巻マルチセグメント・ロケットモータの研究はまったくリンクしていないと言う。
私がマニアックなブログを書いている人間だと知らないから適当に答えているのだろうと思ったので、平成29年度 政策評価書(事前の事業評価)とかその他資料では、直巻FWモータケースはCFRPモータケースの一種類じゃないですか?と、
ATLA説明員と突っ込むと、直巻FWモータケースは金属ケースで飛ばすと言い張るのです。
はぁ?・・・まあ、CFRPモータケースの研究は今年度始まったばかりだから、直巻FWモータケース搭載のミサイルは今のところ金属モーターケースなのはわかるが・・・・日本の兵器開発は伝統的に秘密主義だった伝統なのか?直巻FWモータケースのことだけしか知らないからなのか、杓子定規すぎる説明員など不要だ。今後開発されるロケット推進のミサイルはCFRPモータケースで直巻マルチセグメント・ロケットモータの組み合わせになるはずだ。
直巻マルチセグメント・ロケットモータは固体火薬が燃えるのに推進薬に切り込みが無く、ロケットモーターの推進薬をその分詰め込めるので、伸びるし、ロケットの飛行経路によって使用推進薬をロケットの高度に応じて詰め込める。ただし、設計段階での話であるが、画期的である。
■ 自律型水中航走式機雷探知機の概要及び試験結果



「対潜水艦戦」(ASW)や「対機雷戦」は、少数の艦艇および有人機によって実行されていた。広大な海原を職人芸と幸運だけで探索をしてきた。
だが、安価な無人機(UAV/USV/UUV)の登場によって、従来とは違い、広大な海原を隅から隅まで全域を探索することが可能となる。
自律型水中航走式機雷探知機もこの考え方と同じである、係留型機雷の探知発見はもとより、発見が難しい沈底型機雷を探知発見することが主任務で、処分は母艇若しくは別のUSV/UUVが担当するのだそうだ。
合成開口ソナーでの探知能力はATLAの方の説明では、海底の泥を被った程度の機雷は勿論、海底の泥や砂に深く潜った機雷まで発見可能という。母艇との通信は浮上し衛星通信が可能であるが、機体潜航部海面付近であれば、潜航しながらでも通信可能とのこと。
F-3開発決定延期のニュースの真偽は依然不明だが、仮に本当であれば、高価な有人機より大量の小型ドローンを「群れ」が優位と判断したと考えるしかない。

米海軍ではレイセオン社が「コヨーテ小型偵察無人機」という非常に安価なASW対応の小型無人機を開発した。コヨーテ小型偵察無人機は哨戒機から投下されるや飛行形態に変形し、熱センサーで水温を測定し、風速・圧力などの様々なデータを収集可能する。
小型水上無人艇(USV)は、今までASWの主力となる可能性もある。
米軍は下の図のように多様な無人機を開発中である。
アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)はCTUV(対潜水艦ドローン)を開発し、将来の対潜水艦作戦の主力となるよう研究している。

ATLAでも多様な無人機を開発している。




海洋調査用に小型UUV主翼独立制御型水中グライダー ALEX等開発が進んでいる。
近年ATLAが開発を行っている三胴艇トリマランである。


三胴艇は今年幕張で開催されたMAST2017において模型とPVが公開されたが、一部で多機能護衛艦30DEXはトリマラン構造になるのではないかと噂されたが、その後の入札された 新型多機能護衛艦30DEXは通常のモノハル構造となった。



この三胴艇は新型哨戒・掃海艇だと考えてよい。
新型艦艇30DEXも掃海艇機能も有するがどちらかと言えば、戦闘艦艇の性格が強いが、この三胴艇は主任務が掃海となり、副次的に哨戒戦闘作戦にも従事可能な性格な船で、新型掃海艇と言い切っても良い。
UAV/USV/UUVの母艇となり、掃海ヘリも発着が可能であることが大きい。武装も余力があるので設計時もう少し大型化できればVLS・SSMも搭載可能とのことでした。

■軽量戦闘車両システムの研究


陸自の車両は、コストや運用面からもファミリー化を進めると80年代から言い続けているが、現実はまったくお粗末で後退している。
直近で予算がついているものだけでも、輸送防護車(4×4)、装輪装甲車改(8×8)、NBC偵察車(8×8)、16式機動戦闘車(8×8)、10式戦車(装機)、AAV-7(装機)、加えて、ハイブリッド装軌車両(装機)・・・・
それに加え軽量戦闘車両(6×6)が新たに加わるかもしれない。ファミリー化に逆行する政策にあきれかえる。6輪装甲車両は87式偵察警戒車があるが・・・その後継ではないという。
ファミリー化するといっていた国産開発の40mmテレスコープ弾機関砲(CTA機関砲)を搭載する近接戦闘車(8×8)は実験だけで装備化に向けた開発事業は行われていない。
軽量戦闘車両(6×6)もそうなるのか?と説明員に確認したところ、装備化するか否かは、ATLAが決めるもんだいではないと言う。
私は少々カチンときてしまった。「ATLAは防衛装備庁なのだから、TRDI(技術研究本部)と違って、技術研究だけで装備化しないのならば、単なる道楽ではないのか?技術研究本部が防衛装備庁になった意義がないのではないか?一納税者としては納得できない」・・・と、担当説明員の方に気の毒だったが、問い詰めてしまいました。
あくまでも、装備化するか否かは防衛省が決めることだと言いつつも、軽量戦闘車両はC-2に2両搭載することを前提として開発している。空挺作戦用/海外派遣PKO部隊用として(装備化を)考えているとの説明であった。
第一空挺団やPKO部隊の主力車輛は軽装甲機動車LAV(Light Armoured Vehicle)
であるが、LAVの延長戦に軽量戦闘車両があるようだ。

























































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