
パネル展示
電磁加速システム=レールガンの展示が有った。レールガンは、リニアモーターカーと同じ原理で、電磁誘導により砲弾を加速し、従来の数倍以上のエネルギーで打ち出し、直接敵のミサイル弾頭に命中させ破壊する兵器である。米軍ではすでに従来の戦車砲の3倍程度のエネルギーを持つレールガンが開発され、近距離防御用の兵器として艦艇に搭載し試験されている。

原理については当ブログを読まれる方に今更説明することはないだろう。
関連リンク↓
とある海軍の電磁砲 2014/4/12(土) 午後 7:03
2016/5/14(土) 午前 11:57
レ―ルガン開発状況2017年5月現在 2017/5/22(月) 午後 11:59


陸上装備研究所パンフ
平成28年度 事前の事業評価 電磁加速システムの研究 本文概要
火薬を用いた現有火砲では射程及び威力の限界 に到達しつつあるため、脅威度が高まる高速移動目標(航空機、ミサイ ル)等を適切に排除し、侵攻する敵艦艇等を効果的に撃退するためには、 弾丸の長射程化、高威力化が必要である。 本事業により、火薬(発射薬)の燃焼エネルギーを利用した従来火砲 では得ることができない弾丸の高初速化等が可能となるとともに、従来 火砲で必須な火薬の補給が不要となるなど補給面でも柔軟に対応できる 電気エネルギーを利用した電磁加速システムに関する研究を行うもので ある。 なお、電磁加速システムに関する研究は、米国で先行的に研究が進ん でいる分野であるが、革新的な装備品であることや研究開発段階である ことを踏まえると、我が国への技術導入の可能性は低いため、我が国に おいても米国等の技術力に遅れを取ることなく研究を進める必要があ る。

このパネル展示で一番目についたのは上の図である。
従来日本のレールガン開発は艦載砲として開発をしているものだと思っておりましたが、陸上装備研究所が研究しているだけのことはあって、地上発射火砲としても装備を検討しているようだ。
平成27年度概算要求の概要に載っているイラストは

防衛装備庁技術シンポジウム2017のパネルには、水平線彼方と、近接する10km内の敵上陸部隊と思われる対地目標が描かれていた。
新たに対地上目標となると、射程にもよるが、策源地攻撃能力を持つことになる。
現在米軍は200km程度の射程を目指しているが、日本のレールガンの目標射程をATLAの方に質問したところ、米軍の研究もまだまだで、そこまで飛ぶのかまだ実証試験が行われていないと、当然答えをはぐらかされてしまった。
次に質問を変え、パネルイラストには新たに対地、対艦、対空、目標物としてSSM(対地・対艦ミサイル),ASM(空対地/艦ミサイル),CM(巡航ミサイル)が描かれていますが、当然BM(弾道ミサイル)も目標物として検討されていますね?と質問したところ、即座に「検討していません」と否定された。
私が、「またまた・・・皆さん知ってて、わざと知らないふりをされる。」「いくら私が一般のタグを首から下げているからといってバカにしないで下さい、米英もレールガンで弾道弾迎撃の研究しているのに、日本だけがしないわけがないじゃないですか?」と言いますと、ATLAの方は「あちらの方々は予算を獲得する為、できもしないかもしれない段階で大風呂敷を広げ、動画やイラスト、ドキュメントを書くのですよ、
日本はまだまだその段階じゃありません」と言うのです。
そこで、会場で頂いた、陸上装備研究所のパンフレットに載っている火砲システムの動的威力の研究は、将来レールガンがBM 弾頭を迎撃する為の研究ではないのですか?と・・・・質問すると・・・・、






まったく・・・上のBAe社の動画の将来レールガン砲弾そのものじゃないか(笑)
レールガン開発はまだ遠いのか?と最後に質問したところ、米国も日本もレールガン開発の最大の難関は、レールの摩擦、摩耗問題で、あるという。


このレールの開発がレールガン実用化の鍵。世界一素材開発力が有るのは日本である。開発資金力から日本は多少遅れをとってはいるが、技術的には最先端を走っている。日本がレールガンを実用化したならば、先行したBAEシステムズ社とジェネラル・アトミックス社が開発中のレールガン約10.4kgの砲弾を音速の約8倍(約2.7km/s)15kgの砲弾の2.5km/s(時速9000km)を上回るものを目指している。
JAXSAの資料ではレールガンの究極の目標は、初速10km/s(時速36000km:マッハ30)地上脱出速度を目指していると書かれているが、兵器としてレールガンは、そこまでは今のところ求めてはいないようだが、実験では飛翔体質量は僅か1.1g だが、6.6km/s(時速23760km:マッハ20)を達成している。
もし仮に500g程度の飛翔体をガトリング砲ように2.5km/sで、100発/sで弾道弾の弾頭に連射したらマッハ20の高速で突入する弾頭に打ち込めたら高価な散弾を使用しなくても、破壊可能だろう。

36mmの飛翔体は細い黒い棒の中心部のみが、砲身2mの電磁砲から発射後飛翔する。


これからの護衛艦は電動機とガスタービンエンジンを併用して推進器を駆動するCODLAG方式となると、主機からレールガンや指向性兵器へエネルギーを供給する場合有利である。

因みに、10/21陸上装備研究所一般開放に行ったときに気が付いたのですが、最寄駅はJR横浜線淵野辺駅でしたが、JAXSAの相模原キャンパスは同じ淵野辺駅の反対側にあり、かなり近い立地であった。2007年JAXSAの相模原キャンパスを見学した際、レールガンの展示発射デモンストレーションがあった。それが駅を挟んで東隣の陸上装備研究所で実用化実験が行われている。
■ 高出力レーザ技術

電子装備研究所パンフ



高出力レーザシステムは、高出力で集光性に優れたレーザ発生装置、移動目標にビーム照射可能な追尾照準装置及びビーム指向装置等で構成されます。迎撃フローに示す様に、赤外線カメラで高速目標を追尾し、高出力レーザ光を集光させ、撃破するまで追尾・照準・照射します。


以下2017シンポジウム






平成28年度終了の高出力レーザシステム研究の総括のような展示であった。沃素レーザーで50kw級の高出力レーザーシステムでの実験結果であり、直接触ることができたジュラルミン板を手に取り見てみると見事に熔解していた。
高出力レーザーは工業用では溶接、切断、低出力のものは通信などに使われている。軍用の場合は大気中の減衰を抑えて遠距離まで高エネルギーを届けなければならない。現在は100kW級が試験中で、数km以内の無人機、小型のボートなどを無力化できる段階に達している。日本も平成30年より100~150kw級の高出力レーザシステムの研究が始まる。
2017/9/4(月) 午後 10:40
撮影し損ねたが、ビデオで高出力レーザーで日本も小型ドローンの照射撃墜実験も流されていたが、欧米と比して見劣りするものではない。
また、読売新聞は防衛省からのリークとしてブースト段階での高出力レーザーでの迎撃を検討していると記事が、シンポジウム直前の9月に載った。
レーザーでミサイル迎撃、発射直後に照射し無力化
【読売新聞】2017年09月03日
北朝鮮による核・ミサイル開発の進展を受け、政府が弾道ミサイル迎撃のための新システムの開発を検討していることがわかった。高出力レーザーを発射直後の弾道ミサイルに照射し、無力化・破壊する。北朝鮮が現在の装備では迎撃が難しい「ロフテッド軌道」での発射を繰り返しているため、新技術で対応する方針だ。
「ロフテッド軌道」にも対応 政府検討
開発を目指すのは、弾道ミサイルが発射された直後の「ブースト段階」と呼ばれる時点で、航空機や艦船などから高出力レーザーを照射し、熱によってミサイルを変形させる技術。迎撃ミサイルに比べて安価で、実現すればロフテッド軌道だけでなく、多数の弾道ミサイル発射にも対処が可能になる。
防衛省は2018年度概算要求に、迫撃砲弾や小型無人機などを迎撃対象とする、高出力レーザーシステムの研究費として、87億円を計上した。高出力レーザーの基礎研究は、すでに10年度から実施するなどしており、18年度からの5年間で装備化に向けた研究に人る。迎撃ミサイルに比べて安価という利点もあり、同省では最終的にミサイル防衛態勢に組み込みたい考えだ。
弾道ミサイルは、発射直一後にロケットエンジンの燃焼で加速する「ブースト段階」、燃焼後に慣性で大気圏外を飛行する「ミッドコース段階」、弾頭が大気圏に再突入してから地上に向かう「ターミナル段階」を経て着弾する。現在のミサイル防衛態勢は、イージス艦搭載の迎撃ミサイル「SM3」がミッドコース段階、地対空誘導弾「PAC3」がターミナル段階での迎撃を想定している。
だが、北朝鮮は最近、通常より高角度の「ロフテッド軌道」での発射を繰り返している。ロフテッド軌道では「ミッドコース」の高度が高く、「ターミナル」は落下速度が速い。迎撃は容易ではないことから、ブースト段階で弾道ミサイルにレーザーを照射し、ミサイルが空気の摩擦抵抗を受ける大気圏内への再突入などの際に、無力化・破壊する方法を検討することになった。
高出力レーザーは距離が遠くなるほど熱量が減るため、射程が短く、発射地点に航空機や艦船が近接する必要があるとの欠点がある。高速飛行する弾道ミサイルにレーザーを照射し続ける正確性の確保も技術面での課題だ。
レーザー兵器は米国や中国などでも開発が進められ、米軍は実戦配備を始めている。米国はミサイル防衛への活用も検討しており、防衛省は米国の研究成果について情報提供を受けている。
勿論ATLAの方に読売のリーク記事について聞いてみました。
日本も日本版YAL-1を考えているのですか?と・・・
2010/2/21(日) 午前 0:36

さすがに、読売の記事は現在の技術水準と飛躍しすぎているとのことだ。
ATLAの方は本当のことは言わないとは思うが、現時点の日本のレーザー技術力では全天候で数百Km先までレーザーを3~5秒も照射するには技術的に到達していないのだはないだろうか?
YAL-1のCOIL(酸素ヨウ素化学レーザ)が1000kw級の化け物ではあったが、計画スペックBDL-2(COIL)酸素ヨウ素化学レーザー射程:450km前後レーザー照射回数35回前後に遠く及ばず、実用化できなかったとの情報でした。
レールガンや高出力レーザーよりも、弾道弾迎撃に対して最も早く実用化しのうなのが、高出力マイクロ波(電磁パルス兵器)だと思う。

電磁パルス兵器は現在のレーダの出力を倍加し、かつそのエネルギーを電子的に走査して突入してくる弾道ミサイルの弾頭部に集中することにより、その内部の電子部品等の性能を破壊し機能マヒさせるというものである。電子的なレーダ・ビームの走査はフェイズド・アレイ・レーダと同じ原理であり、この点では日本は先進的な技術力を持っている。
脅威ミサイル等に高出力マイクロ波を照射し、機能を無力化させる試みは脅威に迅速対処ができる新たな手段の追求という点で評価できる。さらに、本研究の実施により、X帯のMPM※の小型・大電力・広帯域化技術、アレイにおけるエネルギー・ビームマネジメント技術及び高出力マイクロ波による自己防御手法を取得することができ、その有効性は認められる。
※ Microwave Power Module(マイクロ波パワーモジュール)
レールガン・高出力レーザー・高出力マイクロ波(電磁パルス兵器)これらの指向性エネルギー兵器のうち、高出力マイクロ波(電磁パルス兵器)の実用化がもっとも早く、飛来する弾道ミサイルのほぼ完全な空中撃破が可能になるかもしれない。
現在のMD(ミサイル防衛システム)では、ミサイル飽和攻撃には、第一波について迎撃できても、第二波・第三波と超高速で飛来する弾道ミサイルを直撃する数を揃えることはできない。
迎撃ミサイルSM-3Block2は一発20億円と高価すぎる。安価な弾道弾を内蔵するコンビューターや高価な誘導装置は、ミサイル単価が上がり予算の制約から迎撃ミサイルの保有数は少なくなり、弾道ミサイルの撃墜能力には、限界が生じてくる。
レールガン・高出力レーザー・高出力マイクロ波(電磁パルス兵器)これらの指向性エネルギー兵器が実用化されれば、大気圏内に突入した弾道ミサイルの核弾頭を数百kmの距離から照射し、そのエネルギーで破壊できるようになれば、最も速い秒速7km程度のICBMの弾頭でもほぼ確実に着弾、起爆以前に破壊することが可能になる。
地上のレーダに発見されにくいように地表面すれすれを飛ぶ巡航ミサイルについても、上空からの監視により発見され照射を受ければ、確実に破壊されることになる。
このことは、弾道ミサイルも巡航ミサイルも、核はじめ各種の弾頭の運搬手段として無力化されれば、攻撃側より防衛側が逆転して優位になる。
指向性エネルギー兵器により、ほぼ全ての弾道ミサイル/巡航ミサイル、爆撃機の撃墜能力が可能になれば、核保有国だけが持っている「防ぎようのない核攻撃の破壊力への恐怖により相手国の我が方にとり好ましくない行動を思いとどまらせる」という、核兵器による抑止機能は大きく低下することになる。
ただし、更なる飽和攻撃により、指向性エネルギー兵器が飽和状態になるおそれもないとは言えない。また、ミサイルに防御機能を持たせることも不可能ではない。指向性エネルギー兵器が配備されても、1発でも核爆弾を爆発させれば数百万人の命を奪いかねない。指向性エネルギー兵器が鉄壁な防御力を持ったとしても、核による抑止が完全に無効になるわけではない。
核保有国の核兵器を背景とする圧倒的な軍事的優位は、大きく削がれることになる。核を保有する5大国が常任理事国を務める国連の安全保障理事会の体制も、核保有国をこれら5カ国に固定した現在の核不拡散条約の体制も、抜本的な変革を迫られることになるであろう。
また、大国の圧倒的な抑止力が機能しにくくなり、かつ防御側がより強力になることから、全般的に戦争が起こりやすくなり、かつ長期化するかもしれない。核時代には抑止されてきた大国間の直接の紛争や戦争も起こるようになるであろう。逆に、核を持たない国でも、指向性エネルギー兵器や無人兵器を開発し運用できる高度の技術的水準とそれを駆使できる兵員をもつ国は、軍事的にもかなり優位に立てるようになる。
指向性エネルギー兵器についての現在の技術予測では、弾道ミサイル撃墜が可能な指向性エネルギー兵器が実戦配備されるのは、電磁パルス兵器で5~10年、レールガンで10年程度先になるとみられている。
日本が指向性エネルギー兵器の開発配備に成功すれば、核ミサイル保有国の核脅威、核恫喝に対し、独力で効果的に対処し排除できる可能性が高まる。その結果日本は、米国の核の傘に依存する度合いが減り、自主独立の国家として行動する余地が大きくなる。
2010/2/21(日) 午前 0:36
高エネルギーレーザー地域防衛システムHigh Energy Laser Area Defense System (HELLADS)
2011/10/2(日) 午後 11:06
2013/4/28(日) 午前 3:27
続々と実用化する米陸海空軍のレーザー兵器 2015/10/18(日) 午後 5:48
ロッキード・マーチン陸上レーザー照射機(Ground based Laser Weapon System)納入。/ 日本のレーザー兵器開発の現状と展望 2017/3/25(土) 午後 3:56
由々しき特亜の兵器〈極超音速滑空飛翔体/宇宙配備レーザー/マイクロ波砲/量子技術〉と我が国の防衛技術 2017/4/9(日) 午後 4:15
2017/9/4(月) 午後 10:40
米軍の戦闘機は、ついにレーザー兵器を手に入れる SFのような技術が実用化に向け動き出した 【産経ニュース】2017.12.27 21:20
戦闘機がレーザー兵器でミサイルを撃ち落とすシステムの開発を、ロッキード・マーティンが進めている。音速で飛ぶ戦闘機に光速で発射されるレーザー兵器を載せ、超音速で飛んでくるターゲットを破壊する技術だ。まるでSF映画の戦闘シーンを思わせるが、いかに実現しようとしているのか。
ロッキード・マーティンはつい数カ月前、これまで開発されたなかで最も強力なレーザー兵器を米陸軍に供給した。戦車に損傷を与えたり迫撃砲をやっつけたりする、地上車両搭載のシステムだ。
そしていま、同社のエンジニアたちは米空軍のために、映画『スター・ウォーズ』のパイロットであるポー・ダメロンが夢中になりそうな兵器をつくっている。飛んでくるミサイルを戦闘機が撃ち落とせるレーザー銃を開発しているのだ。
SF作家や映画監督が、殺人ビームが飛び交う世界を想像してから数十年で、現実が追いつきつつある。防衛関連メーカーのレイセオンはこの春初めて、ヘリから発射されるレーザーで標的を破壊してみせた。ニューメキシコ州のホワイトサンズ・ミサイル実験場で、「AH-64アパッチ」ヘリコプターが飛行しながら、1マイル(1.6km)を超える距離にある戦車をさまざまな高度から撃ったのだ。
レイセオンは、レーザーを発射してドローンを撃退するデューンバギーの開発も進めている。ボーイングにも独自の対ドローン・レーザー砲がある。
「こうしたテクノロジーは『やってくる』とされて久しいものですが、実際にはまったく登場せず、もう実現することはないと考えられていました」と語るのは、軍事アナリストのピーター・シンガーだ。「それがいま、実現しつつあります。このアイデアは、出だしで何度もつまずいた末に、やっと本物のブレイクスルーによって実現可能になり始めているのです」
レーザーの技術革新がもたらした「SFの世界」
実現への鍵を握ったのは、電気で動作する固体レーザーの開発だ。先行技術の化学レーザーは、強力なビームをつくり出す反応を起こすために、大量の化学物質を必要とする。米国防総省に属するミサイル防衛局は2012年、機上レーザー実験機を棚上げにした。ICBMを撃ち落とすことを目的にした化学レーザーを搭載した「ボーイング747」だったが、コストがあまりに大きく手に負えなかったのだ。
しかしこの10年で、固体レーザーは威力も効率も向上し、利点も備える実現可能な代案になった。「いまでは目標を狙える強力なビームを生成でき、それを標的に十分な時間あてて無力化することができます」と、レイセオンのトム・ケネディ最高経営責任者(CEO)は語る。「電気がある限り弾倉は無限なのです」
これが戦闘機に搭載されるかどうかは、ロッキード次第だ。この新しいアイデアは、米空軍研究所の自己防衛高エネルギーレーザー実証プログラム(軍の略称の世界は相変わらず柔軟で、SHiELDとも呼ばれる)の管轄下にある。ロッキードは軍事請負業者として、戦闘機でテストできるシステムを21年までに実現することを目指している。
ロッキードは、この新しい2,600万ドル(約30億円)の契約で提示されている課題に対処すべく、陸軍向けに開発したシステムを利用する。これにより、地対空ミサイルや空対空ミサイルに対して戦闘機が自己防衛できるようにすることを目指している。
このプログラムは3つのサブシステムに分かれるが、いずれもかなり無理のある略称がつけられている。ビーム制御を含むシステムは「SHiELD Turret Research in Aero- eFfEcts(STRAFE)」という。「Laser Pod Research and Development(LPRD)」は、戦闘機上でレーザーの電力供給と冷却を担う。そしてレーザー自体は、「Laser Advancements for Next-Generation Compact Environments (LANCE)」と呼ばれている。
急速に進んだ小型化
中核をなす技術はファイバーレーザーだ。光ファイバーを使ってビームの威力を強化するもので、複数のレーザーを束ねることで拡張性のあるシステムができる。これらがひとつになって、飛来してくるミサイルの燃料タンクを加熱してミサイルを爆発させたり、フィンなどの制御面を狙って無力化したりする。
このところ技術的に進歩はしているものの、高速で動く軍用機上でレーザー兵器を稼働させるのは大変な難題だ。「音速で飛ぶ航空機に光速で進む兵器を載せ、超音速で飛んでくる脅威を標的にするのです」と、ロッキードでレーザー兵器システムを担当するシニアフェローのロブ・アフザルは語る。さらに、乱気流や気象条件による動きにも対処する必要がある。「耐環境化は極めて重要です」
レーザーのサイズや重量、消費電力については、小型ジェット機で使える程度に削減しなければならない。ロッキードはかつて、ミサイル防衛局向けに機上レーザー実験機を開発したが、このシステムはボーイング747の胴体のほとんどを占めるものだった。この問題には、固体システムの採用が有効なはずである。
「われわれはサイズや重量、電力を削減して、戦術戦闘機に搭載できるようにしたばかりでなく、ポッドの一部になるまでレーザーを小さくしました」とアフザルは述べる。「ほんの5年前なら、開発には長い時間がかかると言われていたような技術の成熟度です」
非ステルス戦闘機の活躍の場を広げる
ロッキードが納入できれば、同等のミサイルシステムやマシンガンシステムよりも軽く、さらに(おそらくは)安価な兵器を空軍は手にする。加えてこの兵器は、空軍戦闘機の配備方法まで変えるかもしれない。ミサイルを撃退するレーザーを搭載できれば、現状では「F-22ラプター」や「F-35ライトニング」のような極めて高価なステルス技術を必要とするような戦場で作戦を遂行できる。
「ヘリコプターや爆撃機、戦闘機が、飛来してくるミサイルを撃墜したり、十分に損傷させたり、そらしたりできるようになれば、最近までオペレーションが不可能だったところで作戦を行うことができます」と、軍事アナリストのシンガーは指摘する。「将来の戦闘シナリオでは、以前は自己防衛ができなかった非ステルス機に新しい活躍の場を与えられるかもしれません」
検知されないことが多く奇襲に使えるステルス航空機の必要性はなくならないとしても、戦力多重化の役割は果たせる、とシンガーは主張する。さらには、中国が開発していると伝えられている、最もステルス性能が高い航空機も見つけられるという量子レーダーシステムに対する保険にもなる。
敵陣を攻撃し、ミサイルを撃墜しながら空から作戦を遂行し、帰還することがレーザーによって可能になるなら、見つからないことはそれほど重要ではなくなる。少なくとも、敵もレーザーを開発するまでは。
そのあとは、何かはわからないが次に登場するSF兵器にかかっている。次に登場するのはデス・スターかもしれない。




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