ロシア大統領選で、プーチン大統領が通算4選を果たした。不測の事態が起こらない限り、プーチノクラシー(プーチン統治)が2024年まで続くことになる。
習近平の中国といい、ロシアといい、非民主国家はみな北朝鮮と同じ専制君主制を目指すようだ。
プーチン大統領は、ロシアの有権者たちに向かい「大砲とバター」をともに保障する公約を掲げたものの、ロシアのGDP(国内総生産)は世界で第12位で米国の10分の1以下。国防費も約10分の1で、軍拡競争でロシアにとうてい勝ち目はない。ロシア経済にそのような余裕などあるはずはない、ソ連末期の状況に似てきた。このままでいくと、ロシアもソ連の二の舞になりかねない。
その焦りからだろうか?最近のロシアは次々と新兵器の開発と投入を行っている。ロシアの新兵器群は中国製兵器とは違い、その性能は看過できるものではなく、目を見張るものがある。
3月1日発表された脅威の新兵器は、SF近未来小説に出ていたような兵器群である。既に実験に成功しており、一部は実戦配備されている。
紹介順に
①極超音速ミサイル「キンジャール」 動画0:32~0:55
②原子力超長距離巡航ミサイル 動画0:56~1:16
③レーザー戦闘装置 動画1:16~1:24
④原子力無人多目的システム 動画1:25~1:57
⑤極超音速ウェーブライダー「アヴァンガルド」 動画1:58~2:20
⑥戦略ミサイル「サルマト」 動画2:21~2:40
①極超音速ミサイル「キンジャール」

「極超音速」でも軍拡加速 中ロ猛追、焦る米
【産経フォト】2018.3.18 15:49
マッハ10というのは、大気圏再突入時の速度であって、地上発射弾道弾と同じである。大気圏から宇宙空間に出るまでは、通常の弾道弾と同じく、MIG31から発射直後にマッハ10になるわけではない。下のZAPZAPの報道のように正体は空中発射弾道ミサイルである。
ミグ31戦闘機から発射される極超音速ミサイル「キンジャル」 (AP Photo/ Russian Defense Ministry Press Service, File)
ロシアのテレビが報じた、極超音速ミサイル「キンジャル」を発射するロシア戦闘機ミグ31のビデオ画像(AP)
核兵器に代わる次世代兵器とされる「極超音速兵器」開発にトランプ米政権が本腰を入れている。中国やロシアも開発を急いでおり、実戦配備されれば世界の軍事バランスを大きく変える可能性がある。中ロの猛追に焦る米国は予算の大幅増など対応に必死だ。
「『極超音速』が米国の最優先事項だ」。新任のグリフィン米国防次官(研究開発担当)は6日の会合で強調し、自分が次官職を引き受けたのは極超音速兵器で中国やロシアを大きく引き離すためだと明言した。
ミグ31戦闘機から発射された極超音速ミサイル「キンジャル」 (AP Photo/ Russian Defense Ministry Press Service, File)
マッハ5以上で飛び、標的の精密攻撃ができる極超音速兵器。核軍縮に伴い、抑止力維持のために攻撃力の高い通常兵器が求められたことで開発が進んだ。米軍が世界に張り巡らせたミサイル防衛網を無力化する「切り札」とみなす中ロは近年、実戦能力の獲得を目指している。ロシア政府は11日、核搭載可能な極超音速ミサイル「キンジャル」を戦闘機から発射する実験に成功したと発表。米国防総省によれば、中国は過去10年で米国の20倍に上る実験を実施した。(共同)
ロシアが開発したマッハ10のミサイル、正体は空中発射弾道ミサイル
【ZAPZAP】2018年03月13日
ロシアのプーチン大統領により今月発表された5つの新兵器。その中にマッハ10で飛行する戦闘機搭載型のミサイル「キンジャール」というものがあります。先日このミサイルの発射試験映像が公開されました。
プーチン大統領により発表された「キンジャール」は、大型の戦闘機で運用されるもので『超音速ミサイル』などと表現されていたため、敵機を撃墜する超音速空対空ミサイルと認識していたのですが、実はそうではなく核兵器を搭載可能な対地及び対艦攻撃用の空中発射弾道ミサイル(ALBM)だったことが明らかになりました。
Russian Aerospace Forces launch missile of Kinzhal system
こちらが「キンジャール」の発射試験です。具体的にどのような性能があるのか見ていくと飛行速度は12,240km/h(マッハ10)、射程2,000km、先端には通常弾頭もしくは核弾頭を搭載可能としています。ロシア国防省によるとキンジャールの試験運用は2017年12月1日よりMiG-31飛行隊に配備しており、既に250時間の訓練飛行を終えたとしています。
また攻撃目標に対して敵の防空網の外から発射することができ、ミサイルが防空網に入ったとしてもレーダー探知及び回避機能、そして優れた機動性があるためミサイル防衛網を突破することができると主張しています。この弾道ミサイルについては既に実戦配備済みとのことです。
②原子力超長距離巡航ミサイル

ロシア発表の原子力巡航ミサイルに米国が冷静な反応をしているのはなぜか
【航空宇宙ビジネス短信・T2:】2018年3月03日
原発に病的なほどアレルギーを示す人たちがこのニュースに反応しないのはなぜでしょうか。はるかに病的で悪質な「汚染」を生む兵器です。ロシア技術への信頼性が低いこともよくわかりますね。昨年初めのヨーロッパでの放射能異常値検出もこの実験が原因だったのでしょうか。目的のためには手段を択ばず、と言う思考の産物でしょう。
U.S. Has Been Secretly Watching Russia's Nuclear-Powered Cruise Missiles Crash and Burn
ロシア原子力巡航ミサイルの墜落炎上の様子を極秘に監視していた米国
Successful or not, if Russia is test flying these weapons, this means it has been repeatedly crashing nuclear reactors into the ground or the ocean.
テスト結果問わずロシアは原子炉を地上海中に繰り返し激突させていたことになる
BY JOSEPH TREVITHICKMARCH 2, 2018
http://www.thedrive.com/the-war-zone/18948/u-s-has-been-secretly-watching-russias-nuclear-powered-cruise-missiles-crash-and-burn
RUSSIAN MOD
ロシアが新型核動力巡航ミサイルを開発中と発表したが、米政府がこの様子をスパイしていたとの報道ではテストは一部あるいは全部が失敗していたという。このことからこの兵器の安全性に疑問が生まれると同時に米側が把握していた事実を秘密にしていたことも疑問視されている。
ロシア大統領ウラジミール・プーチンが3月1日に発表したのは名称不詳のミサイルだ。クレムリンによれば2017年末に打ち上げ、飛翔に成功したという。ロシア当局は同ミサイルの詳細を何ら発表していないが、プーチンは完成型は供用中のKh-101巡航ミサイルと寸法、形状がほぼ同じと述べている。
同兵器は超音速超低空飛行を行い、事実上飛行距離に制約はないこととなる。警告なしで世界中いかなる地点も攻撃可能でミサイル防衛をかいくぐる。
だがプーチン演説の直後にCNNは匿名米政府関係者の話として同兵器がほぼ実用段階にきているとの話は疑わしいと報じた。この人物はさらに「米国はロシアの核動力巡航ミサイルテスト数回の様子を都度監視し、すべて墜落している」と述べた。フォックスニューズは別の筋の話として同装備はまだ研究開発段階でテスト中に少なくとも一発が北極海に墜落したと報じた。
Lucas Tomlinson
✔@LucasFoxNews
U.S. officials say Russia's nuke powered cruise missile not operational yet, still in 'R&D' phase and has crashed recently in testing in the Arctic, despite claims by Putin today.
12:31 AM - Mar 2, 2018
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米政府が開発状況を認識していたが秘密にしていた点が注目される。米関係者は情報公開で自軍装備整備の予算獲得をすることがよくあり、結果的に相手方の装備に直接間接的に対抗してきた。
ペンタゴンの定例記者会見で3月1日に報道官ディナ・ホワイトがプーチン発表の兵器はすでに実戦配備されているのかとの問いにコメントを拒否した。
同報道官は今回発表の装備はいずれも以前から存在を把握していると述べている。
「各兵器ともかなり前から開発されているものです。こちらの核兵器整備計画にはその存在を織り込み済みです」
今年2月発表の核装備整備計画(NPR)ではロシアの極超音速滑空飛翔体や核装備無人水中機について述べているが、核動力巡航ミサイルの言及はない。
DOD
NPRの一般公開版では上の図表が乗っているが、核動力巡行ミサイルの言及はない。
米空軍の航空宇宙情報センターが2017年6月に世界か国の巡航ミサイル弾道ミサイル開発状況をまとめて公開しているが、核動力巡航ミサイルの言及はやはりなかった。また極超音速加速滑空体にも触れていない。
さらに興味を惹かれるのは米国が試作型ミサイルの実験失敗を承知しながら沈黙を保っていたことだ。同ミサイルが原子炉を搭載しており事故になれば人命や環境に危険を生むことはロシア国民のみならず周辺国住民にも看過できない事態のはずだ。
米ロ間の緊張の高まりを考えると自国民とともに他国国民の生命を何とも思わないクレムリンを批判するのに米政府には格好の機会となった。
また米政府は核動力エンジンの機構上の危険性も十分承知している。1960年代に各種実験を行ったためだ。米空軍は超音速低空飛行ミサイル(SLAM)で核動力ラムジェットの搭載する方を模索しており、今回のロシア発表の内容に類似している。
米国の得た結論は核エンジンは技術的に作動可能だが地上発射式・空中発射式兵器には実用的効果が生まれず、逆にロシアとの軍拡レースを刺激するというものだった。原子炉を小型軽量化し消耗品のミサイルに搭載できる単価にする必要があるが、試作品の原子炉は防御シールドをつけず危険レベルの放射線が出ていた。結局、試作品の域を出ず、高さ13フィート、全長52フィートとF-16戦闘機とほぼ同じ大きさになってしまった。
飛翔中は放射能の軌跡を残し、敵味方問わず飛行経路の上空を汚染し、科学技術陣はその効果におじけづいた。
SLAMプロジェクト終了の1964年から原子炉技術は大きく進歩している。またロシアは小型原子力動力源の開発に相当尽力しており、北極圏で実用化しているのも事実だ。ただし、その作動が安全で信頼できるのかで相当の懸念が残る。
だが原子力動力巡航ミサイルに放射性物質を搭載する事実に変わりはなく、ロシアは正常作動しても核物質の放出さを想定ずみなのだろう。米政府が記録したという「墜落事例数件」をロシアが成功したと認識しているのは興味深い。設計内容が信頼できるかを確かめるにはテストを繰り返す必要があり、飛行性能を徐々に引き上げていくはずだ。
LAWRENCE LIVERMORE NATIONAL LABORATORY
米国で1960年代にテストされた原子力ラムジェット試作型
また仮にロシアが試作型テストを完了しているとすれば意図的に原子炉を地上や海上に高速で激突させたのだろう。
だとするとロシアが行った飛翔テストがパレンツ海コラ半島で2017年2月に放射性ヨウ素-131が大気中に急増した現象の原因だったのだろう。米エネルギー省は同様に放射性物質をネヴァダ試験場で1959年から1969年にかけて核エンジンテスト後に探知していた。
ヨーロッパでの放射性物質検出の時点で米空軍は数少ないWC-135Wコンスタントフェニックスをヨーロッパに派遣していた。同機は特別装備で大気標本を集め核活動の兆候を見つけるのが仕事だ。
2017年2月20日包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)は1996年発効した包括的核実験禁止条約の監視機関として声明を発表しヨウ素-131の特段の上昇は「過去数か月見つかっていない」「核実験があればヨウ素-131を放出し同時にその他放射性同位体も放出されるはず」と述べていた。
USAF
米空軍のWC-135Wコンスタントフェニックス
核ラムジェットでは放射性副産物多数が生じることは容易に想像できるが、センサーですべて探知できないほどの微量になる可能性もある。エネルギー省によればトロイIIC核ラムジェットの1964年実験で放出された放射能は1,000キューリー以下だった。同じ状態が同エンジンの24時間稼働中続き、結局外気に放出された放射能は1キロトン核兵器爆発時の放射能検出の1パーセント未満だった。
米空軍はWC-135投入と大気中のヨウ素-131増加の関係を否定し、もともと投入は予定されていたものと説明した。「大気の状態は普段から計測しておかないと変化を検出できない」と米空軍ジョナサン・ヴァンノード大佐(AFTAC空軍技術応用センター)が2017年3月にスターズアンドストライプスに語っていた。
AFTACは機密性の高い組織で公的には1963年締結の部分核実験禁止条約の順守状況を監視するのが役目とされる。同時にその他核実験や核事故の情報も集める。米政府が核動力巡航ミサイルの存在を認知していること自体が非公開事項であり、ヴァンノード大佐も部下が同兵器の証拠を求めていたとは認められなかったのだろう。
2017年9月10月と相次いで放射性ルテニウム-106の急増が検出され発生源はロシアと判明した。この同位体をエネルギー省は核動力エンジンと関連付けているが、過去のテストで生成されたのはルテニウム-103と-105だった。専門家からは今回の事態はマヤクの核燃料処理施設からの漏洩だったとの観測が出ている。
IRSN
フランスの核安全組織IRSNが2017年11月に公開した地図ではルテニウム-106の急増の様子がわかる。色の濃い点が正常値より高い状況を示す。ロシア領は濃い灰色で示した。
以上を勘案しても米政府の態度には不明なところがあるが機会の到来を待っていたのだろう。今回発表された装備中でも核動力巡航ミサイルが中距離核兵力条約(INF)含む米ロ間の軍備管理合意に違反するかははっきりしない。
条約では米ロ両国は有効射程が310マイル以上3,100マイル未満の陸上配備の巡航ミサイル生産を禁じられている。射程無制限の兵器はどうなるのかははっきりしない。同時にINFでは陸上配備巡航ミサイルで条約に違反しても研究開発自体は明確に禁じておらず、この抜け穴を米国も利用している。
米政府としてはデータを十分集めてクレムリンが危険水準の放射能を実験で生んだことを証明しようというのだろう。ロシアは原子炉付きのミサイル実験は行っておらず通常型エンジンで飛行させていたかもしれない。ただしこの可能性は低い。こうしなければロシアは放射性物質を大気放出することを防げなかったはずだが、逆にテストの意味がなくなる。
ただし今やその存在が公開された以上、次はロシアが性能を自慢し米国が安全性を批判するはずだ。
原子力を搭載した巡航ミサイルで射程は無限。理論上は機体が壊れるまで空域内を永遠と飛行することができます。敵の防衛網を突破するため超低空飛行することができ、従来とは異なる侵入経路をとることで敵国を核攻撃することができるとしています。
③レーザー戦闘装置


ロシアでレーザー兵器搭載の新型飛行機А-60が登場…敵のいかなる対象物も撃退することが可能!【軍事・ミリタリー速報】2016.9.25

④原子力無人多目的潜水艦

原子力を搭載したこの無人潜水艦は大型の原子力潜水間から発進。また核兵器を搭載しており敵艦隊や軍港など周囲の施設を破壊することができるとしています。





⑤極超音速ウェーブライダー「アヴァンガルド」

MD突破可能、ロシア軍の極超音速滑空兵器「アヴァンガールト」
【Yahooニュース】3/16(金) 2:14JSF | 軍事ブロガー
ロシア国防省公式サイトから極超音速滑空翼体アヴァンガールト
3月1日にロシアのプーチン大統領が一般教書演説で言及した新兵器「アヴァンガールト」は長射程の戦略兵器で、アメリカのミサイル防衛を突破できる画期的な能力を持つとされています。公開されている情報から極超音速ブーストグライド兵器と推定され、実戦配備されれば史上初となる全くの新型兵器です。これは弾道ミサイルでも巡航ミサイルでもない「滑空ミサイル」という新しいカテゴリーに分類されます。ロケットで打ち上げて加速し、グライダーとして空気抵抗の低い大気の非常に薄い高高度を飛行していく事で、弾道ミサイルに近い高速性と長射程を持ちながら巡航ミサイルに近い機動を可能とし、飛行経路が予想し難く迎撃を突破し易い特徴を持ちます。
なお極超音速とはマッハ5以上を指し、弾道ミサイルやロケットであれば達成は容易ですが、有人航空機や巡航ミサイルでは達成困難であり、後者ではスクラムジェットエンジンという新しい種類のジェットエンジンを実用化する必要があります。
Комплекс ?Авангард? с гиперзвуковым планирующим крылатым блоком
ロシア国防省公式YouTubeアカウントより 極超音速滑空翼体を備える複合体「アヴァンガールト」
公開された動画と併せて判明している事は以下の通りです。
・最大速度マッハ20(大陸間弾道ミサイルと同等)
・飛行中の機体表面温度は1600~2000℃
・射程は少なくとも5500km以上、最大で1万km超
・発射・加速にはロケット(弾道ミサイル)を用いる
・弾道飛行は行わず、滑空飛行を行う
最大速度マッハ20はスクラムジェットエンジンの理論上作動限界マッハ15を超えている為、アヴァンガールトには搭載していないと考えられます。これでアヴァンガールトは巡航ミサイルではなく滑空ミサイルであると推定できますが、速度が落ちてからエンジンを始動する可能性もあるので、現時点ではまだ議論があります。
ロシア国防省よりアヴァンガールトの後部
アヴァンガールトの滑空体には4つの方向舵が存在し、おそらくこれとスラスター噴射を組み合わせて機動を可能とします。ただしこのイメージ映像は機密保持のため実機とは異なる可能性が高く、実際にこのような装備なのかは現時点では確定した事は分かりません。同時に公表された新兵器のキンジャールは既存技術の流用で作られたもので実機の映像が早々と公開されましたが、アヴァンガールトは新技術の塊のような存在なので実機の写真や映像はごく一部に制限されており、今回公開された映像からは製造中の滑空体胴体部分の部品らしきものが映っているのみで、構造が類推できる箇所はありませんでした。
弾道ミサイルでは不可能な水平面での迂回機動が可能
アメリカ軍のアヴァンガールト対応策
極超音速滑空体は弾道飛行をせず大気の希薄な高高度を飛行します。そうなるとMD(ミサイル防衛)で対処する場合、大気圏外で迎撃する事を想定したGBIやSM-3では対処する事が困難です。THAADならば極超音速滑空体の飛行する高度を得意としますが、THAADは中距離弾道ミサイルまでの対処を想定した迎撃兵器なので、大陸間弾道ミサイル並みの速度を発揮するアヴァンガールトが相手となると速度が不足します。そこでアメリカ軍は2段式の改良型THAAD、「THAAD-ER」を提案しています。
THAAD Extended Range
ミサイル防衛議員連盟公式YouTubeアカウントより「THAAD Extended Range」
しかし迎撃高度の問題は解決できても、極超音速滑空体が迂回機動を実施してくる事には対処ができません。遠距離で迎撃する事は困難なままで、ある程度接近して引き付けてから迎撃する対応になるので、アメリカ全土を防衛しようとすると膨大な数のTHAAD-ERを調達する必要に迫られる事になります。
ただし、そもそもこれまでのアメリカ本土防衛用MDは北朝鮮やイランの長距離弾道ミサイルに対処できればよい、ロシアや中国の長距離弾道ミサイルには対抗しないという性格のものでした。前者は実戦に発展する可能性が真剣に考えられているが、後者には核抑止力で対処すればよい、現状の大国間での核抑止バランスをなるべく崩したくないという発想です。アメリカが今後もこの方針を維持し続けるなら、ロシアのアヴァンガールトへの対策は後回しになるでしょう。もし方針を転換し極超音速ブーストグライド兵器への対策を始めた場合、従来の核抑止力のバランスは変わり始め、核軍縮とは逆の方向に突き進む可能性があります。
⑥大陸間弾道ミサイル「サルマト」

最新型のICBM(大陸間弾道弾)「RS-28」、別名「サルマト(Sarmat)」。重量200トン。射程距離が長く、地球を逆回りして核弾頭を打ち込むことができます。また高速で飛行するなどして現在のミサイル防衛網を突破できると主張しています。

地球上のすべてを標的にすることができ、ミサイル防衛システム(MD)はまったく用を成さないということだ。

「Daily Mail」の記事より
大気圏を突破して宇宙空間に出たサルマトはロケットの下段を切り離し、複数個の核弾頭をむき出しにした状態で再び大気圏突入をはかり、ターゲットの地に核弾頭の“雨あられ”を降らせるのである。問題なのは映像で標的に選ばれている着弾地点はどうやらアメリカ・フロリダ州であることだ。アメリカに対して挑発とも解釈できる強烈なメッセージを送る目的で作られた映像であることは間違いない。

核弾頭が米フロリダ州に急降下 「Daily Mail」の記事より
【軍事ワールド】ロシア・プーチン大統領が発表した「驚異の新兵器群」 額面通り受け取れない理由
【産経WEST】2018.3.13 06:30
ロシアのプーチン大統領が1日、年次教書演説を行い、開発中の「驚異の新兵器群」を発表した。新型大陸間弾道ミサイル「サルマト」や、原子力エンジンで射程距離が無制限のステルス巡航ミサイルなどだ。だが米の専門家らの間には「使い古された技術」と一蹴する向きも。実際には新兵器というより、「より危険な兵器」との懸念が浮かび上がる。(岡田敏彦)
新兵器が続々?
英BBC放送(電子版)などによると、大統領選前の重要な年次教書演説でプーチン氏が発表した新兵器は主に4種だった。
新型大陸間弾道ミサイル「サルマト」を納めたキャニスター(円筒形容器)が発射位置に展開されるようす。映像はプーチン氏が一般教書演説で公開した(AP)大陸間弾道ミサイル「サルマト」の発射実験のようす(AP)大陸間弾道ミサイル「サルマト」の能力を示すコンピューター・シミュレーション画像。その長射程は南極経由のコースでも北半球の諸都市を攻撃可能とする(AP)
最も脅威的なのは、大陸間弾道ミサイル「RS28サルマト」で、射程は11万キロ。通常の攻撃コースである北極経由はもちろん、南極経由でも欧米を攻撃できる射程を持ち、弾頭重量は100トン、核弾頭なら15個を搭載できるという。北極経由より圧倒的に長距離である南極経由の攻撃が可能になった。この意味するところは、弾道ミサイル防衛(MD)において「北から核ミサイルがくる」との想定に基づき北方方面に配備していたMDの迎撃ミサイルなどを、南側にも配備しなければ守りきれないということだ。
ロシアが開発中の超音速飛翔滑空兵器「アバンガード」の能力を説明する画像。「隕石のような火の玉となって標的に飛」び、ミサイル防衛(MD)のエリアを迂回する様子を示している。プーチン氏が一般教書演説で公開した(AP)
さらに、このサルマトが搭載できるのは、自由落下していく核弾頭だけではない。大気圏突入後、滑空して目標へのコースを変える超音速飛翔滑空兵器「アバンガード」も搭載できるという。アバンガードは機体表面が約2000度近くになり「隕石のような火の玉となって標的に飛ぶ」。
ロシアが開発中の核動力巡航ミサイルの能力をPRする画像。ミサイル防衛(MD)のエリアを迂回する様子を示している。プーチン氏が一般教書演説で公開した(AP)
もうひとつは低空を飛ぶ巡航ミサイルだが、その動力は原子力。核動力巡航ミサイルとして「無限の射程距離」を獲得したという。これは北大西洋条約機構(NATO)や米国、日本の迎撃システムによる迎撃可能エリアを大きく迂回して目標に到達することが可能だと説明。レーダーに探知されにくい低空を飛ぶ。
ロシアが開発中の海中無人機を紹介するコンピューター・シミュレーション画像。母艦となる潜水艦から発進する場面。プーチン氏が一般教書演説で公開した(AP)
4つめは海中無人機だが、動力は核エンジンで、長射程を獲得するためとみられる。潜水艦から発射され、通常の潜水艦では潜れないような深海を航行する。しかもスピードは潜水艦より速く、目標艦船に回避の時間を与えない。また核弾頭を搭載すれば港湾など陸上施設の攻撃も可能という。
弾道ミサイル防衛
ただし、これらの兵器がすべて驚愕に値する「秘密の新兵器」というわけではない。例えばサルマトは2016年10月にロシアの開発メーカーが既に自社のホームページで開発の実態を公表している。それらをまとめて「新兵器」として公開したプーチン氏の意図は明白だ。演説でプーチン氏は「これらは非常に強力な兵器で、(欧米の)弾道ミサイル防衛(MD)を突破できる」と強調。こうした新兵器で「われわれとの国境付近にMDシステムや北大西洋条約機構(NATO)の施設を配備するといった非友好的な行動は意味がなくなる」と述べるなど、その意図は「MDの無力化をアピールすること」にあったといえる。
米国やNATO、日本が持つ弾道ミサイル迎撃システムは、海上自衛隊では護衛艦「みょうこう」などのイージス艦が持つイージス・システムとSM3ミサイルの組み合わせのほか、陸上版のイージス・アショア、韓国配備の高高度防衛ミサイル「THAAD」、比較的低空での迎撃を受け持つPAC3といったものがある。ロシアが恐れて来たのは、こうした防衛兵器で自国ロシアの核兵器が無効化される一方で、自国に向かってくる核兵器を迎撃する手段がないことだ。
これでは、お互い核兵器を持つことで平和と軍事的均衡を保つ「相互確証破壊」が成り立たなくなる。
そこでMDを突破できる兵器を-というのがロシアの動きだが、この新兵器群はむしろロシアの限界を示している。
コピーを超えて
ロシアはかつてのソ連時代から、兵器開発に関して特徴があった。その一つは、旧西側の兵器の開発思想を追いかける、というものだ。第二次大戦後には、戦時中にソ連領沿海州に不時着した米国のB29重爆撃機を返却せずに分解。ほぼコピーしたTu-4爆撃機を約1000機も生産、配備した。
その後、実物が手に入ることがなくフルコピーもなくなったが、西側、特に米国の兵器開発の後を追う姿勢が続いた。パイオニアは相当に無駄な試行錯誤をしなければならないが、後追いならば、枝分かれする技術のうち先行者(米国)が選んだ“本命”を迷うことなく選択できる。開発時間とコストの大幅削減が可能だ。そして、例え選んだ道が失敗であったとしても、それは先行者(米国)も失敗することを意味しているため「ひとり負け」は避けられる。
可変翼の大型戦略爆撃機では米のB-1に対しソ連はブラックジャックを、宇宙往還機ではスペースシャトルに対しブラン、超音速旅客機でも英仏コンコルドに対しTu-144と、外観に違いはあれど開発思想的には「そっくりさん」の機体は多い。また中国のように劣化コピーしか作れないのと異なり、後追いの利点を活かして元祖より優秀という機体も少なくない。さらに後追いとは別思想の兵器もあり、分野によっては米に対し優位性すらあった。
ところが、今回のMDに対するロシアの姿勢は異なる。MDに対して「我が方もMDを」という選択肢を取っていない。高度な電子装備やミサイル誘導、そしてその実用化といった面では、もはや同じ土俵に立つのは不可能になったとみるのが妥当なようだ。
背景に目をやれば、兵器開発の基盤となる経済面では、名目GDPでトップから米中日独英仏印と続き、ロシアは12位で韓国(11位)より下位にある。こんな状態で米国と対等の兵器群を開発・維持しようとすれば、歪(ひず)みが出るのも無理はない。
より使いやすい核という歪み
その歪みが、今回プーチン氏が公開した兵器群の「核偏重」だ。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)は、この兵器群を「ソ連時代の防衛構想の焼き直しか、ロシアが既に作り上げているもの」として、斬新さに否定的だ。例えば南極経由の弾道ミサイルは無価値ではないが、人工衛星を打ち上げるロケット技術があれば作れるレベルのものだ。
実際、原子力をさまざまな兵器に応用しようとの試みは1960年代には存在していた。米国では原子力を動力とした爆撃機が構想され、原子力を動力とした巡航ミサイルについても「冷戦時代に米ソとも開発を検討した」(WSJ)。
当時は戦場の大口径砲といった戦術級兵器にすら核弾頭が用意され「原子砲」と呼ばれた。さらに米国では空対空核ミサイル「AIR2-ジーニー」という、現在の目で見れば非常識な兵器まで開発、実際に運用された。核爆弾を搭載して攻めてくる爆撃機の編隊に向けて発射し、編隊ごと吹き飛ばす(蒸発させる)。後の放射能汚染など二の次という兵器だった。
こうした冷戦期の原子力・核利用兵器に共通するのは安全性の低さだ。兵器に安全性という言葉は違和感があるが、信頼性と言い換えてもいい。いくら核兵器とはいえ、保管中に突然爆発するなどあってはならない。いざというとき故障が起こるようでも駄目なのだ。運用人員の教育と訓練、整備、そして維持管理のコスト…。米ソとも冷戦期にこうした問題を検討し、結局は無用の長物として、核動力のミサイルや爆撃機といった類いの危険な兵器の開発や配備を中止した。核弾頭としての利用以外では、空母や原子力潜水艦の動力に使われる程度となって現在に至るのだ。
だが、その過程でロシア(ソ連)はいくつもの大失態を重ねてきた。鉄のカーテンの陰で当時は一般に知られていなかったが、原子力潜水艦の事故は信じがたいほど多い。
1960年には原潜K-8が原子炉の蒸気発生器の故障を起こし乗組員13人が重度の被曝▽1961年、K-19の原子炉事故により被曝で21人が死亡▽68年、K-27が原子炉事故で142人が被曝、10人死亡-。70年末にはアルファ級原潜で原子炉のメルトダウン事故が起き、83年にはK324がウラジオストク南東100キロで中国の潜水艦と衝突し沈没。現場近辺では高濃度の放射線レベルが計測された。ソ連崩壊に伴う原潜の廃棄において、残留放射能の高い原子炉区画の処理・保管に日本が協力したことも記憶に新しい。ソ連からロシアとなった後も、原潜クルスクの大事故(2000年8月)が発生している。
こうした過去を踏まえてロシアの「新兵器群」を見れば、結局は管理しきれない原子力利用兵器を無闇に増やすだけではないのかという疑念が深まる。


<追申>タイトルは「驚異」でなく「脅威」の字を意図して使いました。























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