南シナ海の中国大艦隊:日本にとっても脅威であることを認識せねばならない 【Asahi Shimbun GLOBE】軍事社会学者 北村淳 #25
プラネット・ラボ社(Planet Labs:米国の民間地球観測衛星製造運用会社)が3月26日に公開した衛星写真に、中国海軍空母「遼寧」を中心にして40隻以上の艦艇が2列縦隊を編成して南シナ海の海南島沖を航行している状況が映し出されていた。中国海軍は南シナ海で軍事演習を行う旨を公表していたため、この大艦隊はその演習に参加する中国海軍艦艇と考えられる。
中国大艦隊(写真_Planet Labs)
このような大艦隊が南シナ海に姿を現すのは珍しく、これまで数十年間にわたって続けられたエンゲージメント戦略(関与戦略)あるいはコンゲージメント戦略(封じ込め的関与戦略)から、コンテインメント戦略(封じ込め戦略)へと、対中戦略の基本方針を大転換したトランプ政権に対する、「南シナ海での海洋軍事優勢は中国側にある」との戦力誇示デモンストレーションの一環であることは間違いない。
ただし、多くの米海軍関係者たちが「驚き」をもって受け止めた中国大艦隊の衛星写真に関しては、アメリカ政府も主要メディアも正面切って取り上げなかった。そのような、南シナ海での中国海軍の動きに対する低調な関心(あるいは無関心を装う姿勢)に関して、少なからぬ海軍戦略家たちは警鐘を鳴らしている。
■艦隊の状況
プラネット・ラボ社の衛星写真に映し出されたのは空母「遼寧」を中央に据えて2列縦隊を組んだ少なくとも43隻の艦艇である。1隻しか存在しない「遼寧」は別として、公表されている衛星写真からそれぞれの軍艦を特定することは解像度の関係から不可能であるが、「遼寧」に後続する大型艦は「遼寧」とともに本拠地とする山東省青島から南シナ海へ南下してきた福池型補給艦であり、その周辺を警戒しているのは「遼寧」とともに南シナ海に展開してきた駆逐艦と考えられる。
中国海軍空母「遼寧」(写真_中国海軍)
このほかの40隻近い艦艇は、写真の艦影と航跡から推定すると(確定は不可能であるが)駆逐艦、フリゲート、コルベットそれに高速ミサイル艇と考えられる。また、それら水上艦艇に加えて、少なくとも4隻の潜水艦が半水没状態でフォーメーションを形成しているものと思われる。
2列縦隊で整然と航行する大艦隊に潜水艦が半水没状態で姿を見せていることから、衛星写真や航空写真に捉えられることを前提とした中国海軍の戦力誇示行動、そして領域紛争敵対諸国に対する威嚇行動であることには疑問の余地がない。
■南シナ海での優勢
21世紀の今日、たとえ南シナ海で米中の軍事衝突が勃発したとしても、日露戦争当時の対馬沖大海戦のように、米中双方の海軍がそれぞれ40~50隻の戦闘艦艇で編成する艦隊を繰り出してミサイルや魚雷そして機関砲で撃ち合う「艦隊決戦」など起こりうべくもない。
とはいうものの、中国海軍が航空母艦から高速ミサイル艇まで大小様々な43隻の艦艇で構成された艦隊で示威行動を繰り広げるということは、中国海洋戦力が南シナ海での優勢を確実なものにしつつある状況の、目に見える形での証拠の一つと考えざるをえない。
中国海軍022型高速ミサイル艇(写真_維基百科)
たとえば、南シナ海で緊急事態が勃発した場合、米国が急きょ南シナ海に展開させる艦隊を編成するための「手駒」とする軍艦は、横須賀に本拠地を置く米海軍第7艦隊の原子力空母1隻(「ロナルド・レーガン」)、イージス巡洋艦3隻、イージス駆逐艦8隻、それに佐世保を母港にする強襲揚陸艦1隻の合わせて13隻の水上戦闘艦ということになる。
それらの軍艦のうち何隻かはメンテナンス作業などで作戦行動はできない(実際に、2017年に繰り返された大事故により第7艦隊のイージス駆逐艦2隻は1年間ほどかけての大修理が必要となっている)ため最大でも10隻の艦隊を編成することは難しい。そして、第7艦隊が10隻編成の艦隊を南シナ海に派遣した場合、東シナ海や日本海それに西太平洋からは米海軍艦艇は姿を消してしまうことになる。一方、中国海軍は40隻編成の艦隊を南シナ海と東シナ海に同時に展開させることができるのだ。
もちろん、米海軍原子力空母「ロナルド・レーガン」と中国海軍空母「遼寧」が積載する航空戦力は比較するに値しないほど「ロナルド・レーガン」が強力である。しかし南シナ海には、中国本土や海南島それに南沙諸島人工島の陸上航空基地から発進する戦闘機、攻撃機、爆撃機が合わせて数百機用意されているだけでなく、大量の各種地対艦ミサイルによって、南シナ海に進攻してくる米海軍艦艇を狙い撃ちする態勢が整っている。
■日本への威嚇
今回の中国海軍の戦力誇示行動は、直接的には南シナ海で断続的にFONOP(公海航行自由原則維持のための作戦)を実施する米国を念頭に置いたものであるが、南シナ海で中国と島嶼環礁やその周辺海域の主権を巡って争議中のベトナム、フィリピン、マレーシア、ブルネイそして台湾に対する威嚇行動であることも間違いない。
ただし、われわれは、南シナ海に大艦隊を繰り出して東シナ海で直接中国海洋戦力と対峙している日本に対する威嚇の意味合いもあることを認識すべきである。
空母「遼寧」を中心とする「91181」空母艦隊は山東省青島に本拠地を置く北部戦区海軍に所属している。(中国海軍は北部戦区海軍:北海艦隊と「91181」空母艦隊、浙江省寧波を本拠地にする東部戦区海軍:東海艦隊、広東省湛江を本拠地にする南部戦区海軍:南海艦隊、から構成されている)。その空母部隊が、台湾海峡を経て南シナ海に進出し、南海艦隊の艦艇とフォーメーションを組んで軍事演習を実施する能力があることを誇示したということは、その逆、すなわち南海艦隊の艦艇が東シナ海や西太平洋で東海艦隊や北海艦隊の艦艇と共同作戦を実施できることを意味している。
東シナ海を責任領域にしている東海艦隊と、増援艦艇を容易に展開できる北海艦隊、それに南海艦隊からも増援艦艇が派遣されて、中国海軍の大戦力が東シナ海で作戦行動ができるとなると、東シナ海における日米同盟海軍の優勢が脅かされることになる。
このように、日本ではほとんど関心が持たれていない南シナ海での中国海軍大艦隊の示威行動は、実は日本に突きつけられた軍事的脅威の一端であることを認識せねばならない。
中国はウクライナから騙し取った中古スクラップを空母に仕立て直し、中国4000年の歴史上初めての空母遼寧が1隻保有している。
その空母を使って縦隊の艦隊運動で示威行為をしているが、観艦式でもやっているのか?
米国の起動艦隊にしても、真珠湾を襲った連合艦隊にしても、空母を使った陣形は円陣が常識なのだが、ロシアバルチック艦隊の真似でもしているのか2列縦隊の艦隊行動ではたして演習をやっているのか理解しかねる。
もっと理解しかねるのは現在大連造船工業(DSIC:遼寧省大連)で建造している 001A型艦の異常に早い建造スピードだ。2017年4月26日に進水しているが、既に艤装中の足場はすべて除去され、フェイズドアレイレーダーが搭載されているようだ。
「艤装関連の設備をすべて取り除き、主機関を初めて始動させた。2018年は中国国民を驚かせてみたい」とDSIC会長 Liu Zhengは中国中央テレビのウェブサイトcctv.comで3月13日に述べている。
「001A型艦は海上公試開始が準備できつつあり、実行日時は天候と海洋状況に左右されます。4月23日がPLA海軍の海軍記念日(1949年)なので当然考慮されているでしょう」と北京在住の海軍関係専門家 Li JieがGlobal Timesに27日語っている。
海上公試は通常6から12か月かかり、終われば中国海軍(PLAN)へ引き渡される。
今年(2018年)の年末に就役する可能性が高い。
001A号艦の建造は2013年11月某日に起工され、2017年4月26日に大連で進水している。艤装工事は一年未満で完成したことになる。 まるで、戦時量産空母の量産スピードである。
ちなみに、第二次世界大戦の勃発に伴い、1940年の第三次海軍拡張法、両洋艦隊法によって大量建造が決定されたエセックス級の正規空母は1942年12/31にエセックスが就役して1943年から毎年7隻ペースで予算の成立した32隻が発注、第二次世界大戦の終了にともないキャンセルされた8隻を除く24隻が、1942年から1950年の間に就役した。起工から就役まで約3年である。
中国人価値観はどうやら、性能が高いことより、造船期間の早いことが自慢のようだ。しかしながら、貨物船ならともかく航空母艦のような、複雑で、ダメージコントロール等複雑な船を安易に建艦する恐ろしさを彼らは理解していない。
日本はかつて、第二次世界大戦時に期待の新鋭空母大鵬、信濃を就役直後に相次いで失っている。
けして手抜きだった訳ではないが、いずれも魚雷を1発受けただけに軽微な損傷であったが、ダメージコントロールに失敗して、沈没してしまったのだ。軍艦の建造には長い伝統とノウハウの蓄積が重要なのだが、明治維新後創立され、日清日露戦争で勝利し70年以上軍艦のノウハウを蓄積してきた70年の伝統を誇った帝国海軍ですらそのザマである。本格的外洋海軍の建設を始めて20年、しかも、実戦経験は南沙諸島を巡ってベトナム海軍と小競り合いをした程度しか無い中国が大海軍を建設することに無理がある。
お笑いMade-in-China海軍 2015/11/9(月) 午前 1:58

実戦で戦ったノウハウがなく、上っ面だけで形ばかりの軍隊であるとしか言いようがないシーンだ。
以上を踏まえ、中国海軍の現況を紹介します。
■潜水艦
原子力弾道ミサイル潜水艦「唐」型/096型(Tang Class)

全長150メートル、幅20メートル、最大排水量16000トン、複殻式を採用、最大速度32ノット、最大潜航深度600メートル。JL-3(射程距離は1万1000キロ)SLBM×24基
アメリカの専門家は096型は極地の氷の下からミサイルを発射できる能力がある。
2020年代後半出現予測
原子力弾道ミサイル潜水艦「晋」型/094型(Jin Class)


水上排水量 8000-9000t(推定)
水中排水量 11000t~12000t
全長 135m 全幅 12.5m 乗員120名 連続行動70日
潜航深度 300m
最大速力 水上20+ kts 水中26kts
兵装 魚雷発射管x6, SLBMx12
原子力攻撃潜水艦091型(09-1型、長征1号級)漢型(Han Class)

1番艦は1974年に就役したが、陸上用加圧水型原子炉を潜水艦用原子炉として十分な研究なしに改造・導入したため、構造的欠陥が原因と考えられる放射能漏れ事故が頻発した。約10年間は完全に運用できる状態ではなかった。
続く4隻の潜水艦は1980年代に就役した(中国名:長征2~5号)。3番艦以降は艦体が8メートル延長されている。艦体が延長された理由は、航行時の(『割れ鐘を叩いているような』と表現されるほどの)雑音対策によるものと見られている。現在2隻が現役と見られている。
091型はアメリカ海軍のスキップジャック級攻撃原潜を範にとったような艦形で、涙滴型の船体に加圧水型原子炉1基を搭載したターボ・エレクトリック方式の1軸推進艦である。船体は複殻式で7つの防水区画に分かれており、第2区画上にあるセイルには潜舵が装備されている(耐氷能力は無い)。

要目
排水量 浮上時4,500-潜水時5,500
長さ 98 m 幅 10 m 吃水 24.2 feet
機関方式 ターボ・エレクトリック方式 推進器 加圧水型軽水炉 1基(90MW)
蒸気タービン 2基(12,000馬力)1軸推進
速力 潜水時25ノット / 浮上時12ノット
潜航深度 通常200m、限界300m
乗員 75人
兵装 533mm 魚雷発射管 6門SET-65E & Type 53-51 魚雷C-801
対艦ミサイル 36機の機雷を運べる
ソナー DUUX-5音波探信儀系統
原子力攻撃潜水艦093型 商型(Shang Class)長征7

旧式化した091型(漢型)の後継として開発された二番目の攻撃型原潜である。
2007年8月、中国軍の公式雑誌「現代艦船」で写真が公開され、起工は1994年だが2006年の12月に一番艦が就役(配備)されと伝えられ、存在が確認された。現在2隻が就役中で2隻が建造中である。
中国はロシアからヴィクターIII型原子力潜水艦の技術を導入した商型でが、米軍評価では静粛性等げはヴィクターIII型に劣るとのこと。

要目
排水量 6,000トン~7,000トン
全長107m 全幅11m 吃水10m
主機 原子炉2基 蒸気タービン2基一軸
最大速力 30ノット
乗員100名 連続行動日数80日
533㎜魚雷発射管x6
原子力攻撃潜水艦093型A/B(G) 商型改(Shang gai-Class)

2018年1月10日から11日にかけて尖閣諸島の接続水域を潜没航行した潜水艦とはこの商型改の93A型である。セイルの後半部が93型と若干異なると思っていたが、産経新聞の報道によると、商級改良型の可能性と報道された。最大射程540kmの巡航ミサイル十数発を搭載可能で、中国海軍がアメリカ海軍の空母部隊に対してとっている接近阻止・領域拒否戦略の一端を担っているとみられる
1隻が就役して1隻が建造中
要目
排水量 6,000トン~7,000トン
全長112m 全幅11m 吃水10m
主機 原子炉2基 蒸気タービン2基一軸
最大速力 30ノット
乗員100名 連続行動日数80日
533㎜魚雷発射管x6


また093A型からは巡航ミサイル用の垂直発射筒8/12基を追加した。093B型ともG型と呼ばれる改良型は、1隻が建造である。情報ソースが異なるが1隻が計画中とも建造中止とも言われている。
最新潜水艦でありながら、我が海上自衛隊に、最大級の屈辱的な浮上を余儀なくされた失態は、5隻で建造中止、ひょっとすると5隻目も建造中止となる可能性もあるかもしれない。
原子力攻撃潜水艦095型 (Type 095 submarine)
第3世代の095型の開発も進められている。2015年に一番艦の建造が始まり、5隻が計画中だと言う。こちらはさらにSSGN色が強まるようだ。 これまで静粛化か不十分といわれていた中国原潜であるが、095型では原子炉をはじめ各部の発生雑音が根本的に見直され、電動ポンプジェット推進方式潜水艦技術の開発に成功したと発表している、その為静粛性が大幅に改善されるという。
通常動力 弾道ミサイル潜水艦 032型 清型(QingClass)

032型弾道ミサイル潜水艦(032型試験潜艇 QING CLASS)は弾道ミサイルなど潜水艦用各種兵器の試験を行うために建造された通常動力潜水艦であるとされている。
2005年1月に研究開発作業に着手、2008年1月に建造開始、2010年9月18日に進水、2012年9月から洋上公試を開始、2012年10月16日に海軍に編入されている。
外観からは船体長に比べて広い艦幅を有する艦形、浮上時の乾舷の高さ、艦中央に配置された大型セイル、格納式の水平舵などロシアのキロ型潜水艦のセイルに弾道ミサイル発射筒を加えたように見える。太い船殻や船尾の十字舵はラーダ型に似ている。


032型潜水艦は水上排水量3,797t、水中排水量6,628tと現役の通常動力潜水艦としては世界最大の潜水艦。全長92.6m、艦幅10m(セイルの幅を加えると13m)、喫水6.85m,艦の最大高度17.2m。

基本的には033型(ロメオ型)の設計にもとづいているが、水中速力向上のため、船体設計に微調整が施されているほか、主機関も強化されている。ロメオ型ではセイルの上部が前方に張り出していたのに対し、本型では下部が張り出しており、外見上の特徴となっている。同型艦23隻(退役9隻/現役14隻)
後継となる039型(宋型)の開発難航に伴って、3番めの改良型にあたる035B型(明改-II型)として9隻(305~313号艦)が建造された。これらは艦体を2メートル延長するとともに、フリーフラッド・ホールの再設計などによって水中放射雑音の低減を図ったものであり(水中吸音材も後日装備)、1997年5月より就役を開始した。また、035B型ではDUUX-5(タレス社TSM-2255「フェネロン」)側面アレイ・ソナーを備えているほか、一部はAIP機関も搭載しているという推測もある。

要目
排水量 水上1,584トン / 水中2,113トン
全長 76.00 m 全幅 7.60 m 吃水 5.10 m
機関方式 ディーゼル・エレクトリック方式・6E390ZC型 ディーゼル発電機×2基
・電動機×2基推進器 ・スクリュープロペラ×2軸 出力 3,500馬力
速力 浮上時15ノット / 潜没時18ノット
航続距離 330海里 (潜没・4kt巡航時)8,000海里 (シュノーケル航走・8kt巡航時)
乗員 士官9名+下士官兵46名
兵装 533mm魚雷発射管×8門(艦首6門+艦尾2門;魚雷16本または機雷32個)

前型の033型明型中国が初めて設計に関与した潜水艦ではあるが、元設計の古さもあり、設計・性能の悪さが指摘されていた。潜水艦隊の近代化のため、初の独自設計潜水艦として開発されたのが宋型である。カタログスペック上は一線レベルの性能を確保したが、実際には用兵側を満足させるものではなく、並行してロシアから877EKM型(キロ型)12隻を導入するとともに、国産艦の整備についても、その技術を導入した039A型(元型)の建造に早期に移行している。同型艦13隻

要目
排水量 水上1,727トン / 水中2,286トン
全長 74.9 m 全幅 7.5 m 吃水 5.25 m
機関方式 ディーゼル・エレクトリック方式・MTU 16V396 SE83/84 ディーゼル発電機×4基・電動機×1基 推進器 ・スクリュープロペラ×1軸 出力 6,092馬力
速力 浮上時15ノット / 潜没時22ノット 最大潜行深度 350m
航続距離 330海里 (潜没・4kt巡航時) 乗員 士官10名+下士官兵50名
兵装 533mm魚雷発射管×6門(魚雷、機雷、USM運用可能)
通常動力型攻撃潜水艦キロ型(Kilo-class)
12隻を導入

改キロ型


現在建造が続けられている通常動力潜水艦は、2006年に1番艦が就役した元型で、14番艦まで完成。最終的には40隻以上建造されるらしい。自国開発の宋Song型(039/039G型)と、ロシアから輸入したキロ型をベースとし、当初プロジェクト名は041型と思われていたが、039型が正しいようだ。

1番艦となる320号艦は1991年に起工されたが、進水は1994年となった。また海上公試で水中運動性能および放射雑音の面で大きな問題が指摘されたことから、就役は1999年まで遅れA型は1隻のみ。

2番艦から6番艦は改良型の039B型(039G型)結果として静粛性は改善しており
水中放射雑音は、当初はキロ型初期型(877型)よりも大幅に高く、日本の70年代き建造したうずしお型より若干高い程度まで改善された。それでも日本より30年遅れだ(笑)



039C型
2012年頃に登場した039C型(7番艦以降)は、前期建造艦039A/B型の性能向上を図ったタイプで、詳細は不明だが、外観的にはセイルの基部前後に装着された整流フイレットが識別点になる。
セイル部分は039型(宋型)に類似しているが、全体的には、ロシアから輸入していたキロ型の影響が指摘されている。船型は両型と同じ、涙滴型船型・1軸推進方式が踏襲された。推進器も同じく7翼のスキュード・プロペラといわれている。構造様式は完全複殻式とされており、最大潜航深度は039型と同じく300メートルといわれている。
本型の最大の特徴が、非大気依存推進(AIP)機関であり、これはスターリングエンジンを用いたものと言われている[1]。人民解放軍海軍は1980年代よりAIPについての予備研究に着手したとされる。およそ15年の検討において、燃料電池は安全性と技術的困難、クローズド・サイクル・ディーゼル(CCD)は水中放射雑音の面から不適とされ、最終的にスターリングエンジンが選定された。1991年より、第711研究所はスターリングエンジンの研究を開始しており、1998年には理論モデル(出力75キロワット)を作成、2002年には試作機を完成させた。そして2万時間もの試験運転を経て、2004年に本型に搭載されたとされている。なお本型の搭載機については、ジェーン海軍年鑑では、確実性に疑問符をつけつつ、出力75キロワットの機関を2基搭載しているものと推測しているが、これは本型よりも一回り小型のスウェーデン海軍ゴトランド級(A-19型)と同程度の出力となる。

要目
排水量 水上2,000トン / 水中2,400トン
全長 72.0 m 全幅 8.4 m 吃水 5.5 m
機関方式 ディーゼル・スターリング・エレクトリック方式 ・陜西-MTU 16V396 SE83/84ディーゼル発電機×4基 ・スターリング発電機・電動機×1基
推進器 ・スクリュープロペラ×1軸 出力 6,092馬力
速力 浮上時16ノット / 潜没時23ノット 乗員 58名
兵装 533mm魚雷発射管×6門(魚雷、機雷、USM運用可能)
南シナ海で跋扈する中国海軍 PLAN(People's Liberation Army Navy)の現況その3 水上戦闘艦 2018/4/8(日) 午後 1:53
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