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市ヶ谷7番出口を出ると会場のグランドヒル市ヶ谷は目の前です。

今回の防衛装備庁技術シンポジウム2018で、一番印象深かったのは、高高度迎撃用飛しょう体技術の研究についてであった。

当ブログで10/22に取り上げた記事
これは、具体的に対弾道弾ミサイルのSM-3とPAC-3の穴を埋める日本版THAAD
が具体的に開発が始まったとのことだ。
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具体的には車両にて移動でき、二基で関東地方をカバーできる大気圏内に突入してきた弾道弾および滑空弾、極超音速ミサイルを迎撃することを目指すとのこと。
PAC-2は射程が短すぎて、宣伝的抑止力にしかならず、原子力発電所や主要基地にピンポイントでしか防空できないが、高高度迎撃用飛しょう体(仮称:高高度迎撃用地対空ミサイル)は日本における高高度域(成層圏~宇宙空間)具体的には高度10km~100kmをカバーできる極超音速目標を迎撃をするミサイルになるそうです。

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ちなみにSM-3は高度70km~500km(BlockⅡ1000km) THAADは高度40km~150kmをカバーしているが、Pac3は迎撃高度は15000mである。終末フェーズの高度15km~80kmあたりが大きな穴があいていて、高高度域30km~80kmをカバーすることを意図しているらしい。
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あくまでも、研究段階で、現時点では高高度極超音速飛翔体を実際に迎撃するミサイルを製作するのではなく、その前段階の研究ではありますが、実際に実現は容易だと断言しておりました。

DARPAや中国の高高度極超音速飛翔体は迎撃不可能だと宣伝していますが、そんなに容易にできますか?難しいのでは?と再度質問してみました。
「迎撃可能です」とのことばでした。
米国から某国の滑空弾情報の情報を既に入手したそうなのですが、成層圏と宇宙空間の間は薄い大気では、MaRV弾頭も滑空弾も迎撃可能と判断して、研究を開始したとのこと。

既にサイドクラスターの噴射試験は終了したとのことです。

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高高度極超音速飛翔体を迎撃するシーカーは赤外線になるとのことです。
極超音速飛翔対は、空気との摩擦でものすごい高温となっている為、火球となっている。その為、遠距離からも赤外線で探知できるとのこと。中間誘導に関しては言及していませんでしたが、終末誘導は赤外線。その鍵を握るのは光波ドーム技術である。
極超音速で、誘導するシーカーを開発できるか否かは、この技術をミサイル先端のなにげないが、途方も無く難しいこの技術開発が無ければ、成功不能だとのこと。
中国の弾道対艦ミサイルDF-21が単なるこけおどしだと思うのは、極超音速に耐えうるこの技術を開発できていないのではないかと思う。

説明員の方に確認した。この技術って中国が真似できない唯一無二の技術とのこと。

光波ドームを使用した対空誘導弾の研究について
○平井単宇*1、池上喜幸*1、山下皓大*1、佐藤侯治*1、山口裕之*1

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1.背景 
弾道ミサイルや高高度高速 CM(Cruise Missile)等 の高速脅威やステルス機等の経空脅威に対して、本研 究では、図1にあるように赤外線シーカ(センサ、光波ド ーム、光学系で構成)を搭載した SAM(地対空誘導弾) や AAM(空対空誘導弾)による対処を検討する。 

2. 高速飛しょう光波誘導弾用光波ドーム 弾道ミサイルや高速 CM 等の脅威は、赤外線を吸 収・散乱する雲や雨等の影響を受けない高高度を侵攻 し、かつ直撃による無効化が強く望まれるため、この領 域における迎撃では赤外線シーカを用いた精密誘導 が必要である。

また、高速脅威に対処するため SAM も 高速で飛しょうする必要があることに加えて、SAM の先 端に発生する衝撃波等の環境下に対応した光波ドーム が必要であるが、我が国では当該技術についての知見 がない。

そのため、本研究を実施した。 図 2 のとおり、飛しょう体先端周辺に発生する衝撃波 に起因した空気密度変化により、目標の放射する赤外 線が光波ドームのウィンドウ到達までに屈折する(光路 歪み)。

この光路歪みの影響についてラムジェットエン ジン試験設備(JAXA 角田宇宙センター)においてデ ータの取得及び検討を実施し、所望の成果を得た。ま た高速飛しょう時では、空力加熱が光波ドームに発生 する。

この環境下での光波ドームの耐性を検討するた めに、光波ドームの耐熱性試験を実施したところ、所望 の成果を得た。 

また、空気の薄い高高度において誘導を実施するた めに、空力の他にサイドスラスタや推力偏向技術を用い た新たな制御技術の研究を現在実施しているところで ある。 

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図 3 対妨害能力向上光波誘導弾用光波ドーム

3.対妨害能力向上光波誘導弾用光波ドーム 近年、戦闘機等のエンジン温度と同程度の低温フレ アが出現している。このような高性能化されたフレアによ る妨害については、従来の1波長のみの赤外線による 識別は困難であり、正確な識別を実施するために、中 波長・長波長の両方の赤外線を使用する手法が有効で ある。 

そこで本研究では図 3 にあるように中波長・長波長2 波長の赤外線を透過する光波ドームについての検討・ 検証を実施し所望の成果を得た。

 *1航空装備研究所システム研究部 誘導武器システム研究室

AAM-4B、JNAAMミサイルの後継もしくはJNAAMミサイルの新シーカーと予測型目標検出処理、予測型最適誘導防御技術をを開発している。
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低RCS対処ミサイル誘導制御技術の研究
 ○田部一樹*1、今荘保*1


1.背景と目的 近年、低RCS(Radar Cross Section、レー ダ反射断面積)化、いわゆる電波ステルス化され た航空機や巡航ミサイルは、我が国のみならず諸 外国においても研究・開発が進められており、我 が国の防空にとって脅威として顕在化しつつある。 

このような低RCS目標に対して電波ホーミング式 の対空ミサイルによって対処する事態を想定した 場合、目標からの電波反射が従来の目標よりも小 さくなることから、対空ミサイルによる目標検出が 遅れ、自律追尾が可能となる距離が従来よりも短 くなってしまう。

さらに、追尾を開始したとしても、 目標の進行方向へ向けてミサイルの軌道を修正 (終末誘導)する十分な時間が確保困難なことか ら命中精度が低下し、結果的にミサイルの有効射 程が縮減する。 

本研究は、追尾開始距離を延伸するための 「予測型目標検出処理」と、より短い時間でより正 確な終末誘導をするための「予測型最適誘導制 御」と呼ぶ2種類の技術について、将来の対空ミ サイル開発事業への適用を図ることを目的として 基盤的検証を行ったものである。 

2.研究の概要 予測型目標検出処理とは、電波シーカが受信 した1フレーム(一定の信号処理時間単位)分の 情報だけではS/N(Signal to Noise Ratio、 目標信号と雑音信号の比)が低く目標検出が困 難な距離であっても、複数フレーム分の情報を積 分することでS/Nを向上させ、目標検出を試み る処理である。

しかしながら、目標が加速運動を 行っていた場合、目標信号のドップラ周波数は各 フレームで時々刻々変化していることから、このま ま複数フレーム分の信号を積分処理しても、目標 信号を効率的に累積することは困難である。そこ で、予測型目標検出処理では、各フレームにお ける目標信号のドップラ周波数の遷移を確率密 度モデルから推定し、最も確率の高いと考えられ る遷移経路に沿って各フレームの目標信号のドッ プラ周波数変化を補償することで、効率的な積分 処理を可能としている。 予測型最適誘導制御とは、モデル予測制御を 応用したものであり、終末誘導中に簡易シミュレ ーションを高速で繰り返し、未来の応答を予測し ながら最適な経路を計算する航法演算手法である。

具体的には、検出した目標信号から目標の運 動状態を推定し、この状態量と誘導弾運動モデ ル及び目標旋回モデルに基づき、一定の区間 (時間)までの未来の運動についてシミュレーショ ン計算を実施する。

このシミュレーション計算を逐 次高速で繰り返すことにより、評価関数を最小に 収束させることができる最適な飛翔経路を算出し ている。

 本技術の検証のため、これらの機能を実装した 試作品を製作し、試験評価を実施した。航空機及 び標的機を用いたフィールドデータを取得したと ころ、予測型目標検出処理により従来の目標検 出方式に比べ、追尾開始距離を延伸できることを 確認した。

イメージ 61また、試作品を飛翔模擬装置に組込み、 屋内環境で射撃を模擬して行うHWIL(Hardware In the Loop)シミュレーション試験によって、低RC S目標に対して予測型最適誘導制御が有効に機 能することを確認した。シミュレーション試験を行う に当たっては、取得したフィールドデータを将来 の対空ミサイル相当の性能値に換算し、シミュレ ーションモデルや設定条件に反映することで、将 来の対空ミサイルが発揮し得る能力を評価した。 これらの結果、本技術の適用により、従来の誘 導制御方式では命中精度が足りず対処が困難な 位置関係であっても低RCS目標に対処可能とな り、対空ミサイルの有効射程を拡大できる見通しを得た。 

*1航空装備研究所誘導技術研究部 誘導制御研究室

イメージ 63現在開発中の03式中距離対誘導弾改の艦隊空ミサイル(復活XRIM-4)やJNAAM新空対空ミサイルなど、陸海空自全ての対空ミサイルはAAM-4Bのシーカー共用し転用している。残念ながら新シーカーは間に合わないが、AAM-4Bのシーカー採用の対空ミサイル全てに置き換えることを念頭に開発しているとのことだ。

凡そだが、説明員の方の話だと、AAM-4Bのシーカーより1.5倍長い距離でシーカーの目が開くそうです。



サイバー攻撃対処技術に関する研究
○加賀智也*、中村武憲*、奥本有樹*、城間晴輝*、増田裕貴*、石丸光宏*、小森旭*、亀田健一*、手島哲郎*

1.背景及び目的

防衛省・自衛隊では、システム及びネットワークを利用し、指揮統制及び情報共有を図ることにより任務を確実に遂行している。しかしながら、サイバー攻撃等が発生することにより、システム及びネットワークに影響が生じた場合、効果的な指揮統制及び情報共有が妨げられ、任務を確実に遂行することが困難となる。このため、サイバー攻撃等が発生した場合においても、迅速な状況把握・対処を行うことにより、防衛省・自衛隊の作戦・指揮に必要となるシステムの運用継続とサイバー攻撃の被害拡大防止を実現することが求められている。

運用継続と被害拡大防止を両立する迅速な対処を実施するためには、「サイバー攻撃に対する隊員の判断対処の練度向上」と「サイバー攻撃発生後に運用可能な状態に回復する能力の構築」が必要となる。
本発表では、上記を実現するために取り組んでいる2つの研究について紹介する。

2.サイバー演習環境構築技術の研究

「サイバー攻撃に対する隊員の判断対処の練度向上」に資するため、平成 25 年度から 29 年度にかけて基地等で高速なネットワークを用いて固定的に使用されている固定系システムを対象としたサイバー演習環境構築技術の研究を実施した。

平成 30 年度からは、固定系と比較して低速な無線ネットワークで構成され、野外で運用する移動系システムを対象とした移動系サイバー演習環境構築技術の研究を実施している。


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図 1 移動系サイバー演習環境構築技術の研究

効果的なサイバー演習を実施するためには、実際に業務で使用しているシステムと同等な環境において、隊員のスキルに応じた柔軟な演習シナリオ等を実現する必要があるため、移動系サイバー演習環境構築技術の研究ではネットワーク速度等に制約のある環境で、サイバー攻撃状況の再現、制御や情報収集等を実現するための技術について検討していく予定である。

3.サイバーレジリエンス技術の研究

「サイバー攻撃発生後に運用可能な状態に回復する能力の構築」に資するため、平成 29 年度から、サイバー攻撃発生時等に、重要システムの運用継続と被害拡大防止を実現するためのサイバーレジリエンス技術の研究を実施している。

本研究は、サイバー攻撃等により重要システムに被害を受けた場合でも、システムとネットワークを動的に制御することにより、重要システムの運用継続と被害拡大防止を両立するためのものである。

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図 2 サイバーレジリエンス技術の研究

防衛省・自衛隊においては、各種状況等に応じて重要システムの変更が発生し、また、複数拠点やネットワークがサイバー攻撃等の被害を受けた場合にも運用継続可能な制御を行う必要があり、このような状況に応じ迅速なシステム、ネットワーク制御ができることが重要である。本研究では各種状況等の変化に応じて運用継続に必要なシステム、ネットワークの制御を行う方式及びサイバー攻撃等により制御を行う装置に損傷が発生した場合においても制御機能を維持する方式等について現在設計を進めている。

*電子装備研究所情報通信研究部 サイバーセキュリティ研究室
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サイバー関連で攻撃を受けたときにすばやく回復させる技術だとか防御に関してある程度研究していることはよくわかりました、ところで、サイバー攻撃については研究しているのですか?と、質問してみた。

一切やってませんという答えが返ってくるだろうと予想しての痛い素人質問をわざとした、確かに一切やってませんという答えだったが、ただ、模擬訓練として攻撃側がこういう攻撃をしてくるだろうということで、模擬訓練用として攻撃側のことも研究しているのだという。

ATLAの説明員の方のギリギリの回答ではなかったかと思う。
やってないわけがない、防御だけではサイバー戦で戦えるわけではない。
現状は米朝中露から遅れをとっていることは間違いない・・・と思い向かい側の「次世代データリンク高速・高信頼化技術の研究」の説明を伺ったのだが、私の痛い素人質問を聞いてか聞かずか、おもしろいヒントをくれた。

日本は自衛隊が使える周波数は小さな割り当てしかないという。よく米国が個人の通信インフラが日本より遅れていると言われているが、周波数を米軍が握っているからというのが理由、中朝露も軍が握っていて、通信周波数帯は使いたい放題だとのこと。日本は数少ない周波数帯を最適に使うため、複数の周波数を細く何本かで通信をまとめ、その周波数帯を移動させるというのだ・・・・

何かに似てませんか?レーダーにおける電子戦ECMとECCMの戦いを応用しているのだ。日本は通信における技術では卓越しているのだという。

敵が通信を遮断しにきても複数(3本)ある周波数のうち一本でも残れば勝ちとなるが、複数帯を遮断することは、技術的に難しいのだそうだ、また周波数をいくつか動かすことも可能だと言う。

米中朝露軍は、周波数帯を気にせず国内で使いたい放題なので、そういった複数周波数帯での通信技術は、まるで考えていないのだという。

その話を聞いて、再びサイバーの説明員の方に質問した。
敵通信の遮断に関してもサイバー攻撃ですよね・・・そうですね。

サイバーの説明員の方は「はい」とは言わなかったが「にっこり微笑んでいた」さあ、どう解釈するかはお任せします。

日本は、先行する米中朝露の得意とする、サイバー攻撃 1 標的型攻撃 2. APT攻撃 3. ゼロデイ攻撃  4. マルウェア 5. DoS攻撃/DDoS攻撃 6. SQLインジェクション  7. バッファーオーバーフロー攻撃  8. パスワードリスト攻撃 9. セッションハイジャック 10. ポートスキャンといった土俵ではなく、通信そのものを遮断したりされないようにする根本のところを研究している輪郭が私には見えたのだが、信じるか信じないかはあなた次第です・・・

表立って、サイバー攻撃の準備をしていますと公言すれば、憲法問題に抵触する可能性すらある。

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政府は、サイバー空間で日本が攻撃を受けた際、自衛隊が反撃できる要件を明確にする方針を固めた。通常兵器の攻撃がなくても、サイバー攻撃をした相手国が明らかで、電力や交通機関などの重要インフラ(社会基盤)に甚大な被害が発生した場合は反撃を可能とする。今月中旬に閣議了解する方向で調整している。

 政府は、自衛隊の「サイバー反撃能力」の保有を今月中旬に改定する「防衛計画の大綱」(防衛大綱)に明記する方針だ。反撃の要件を明確にするのは、国民の理解を得る狙いがある。

 政府は我が国に対する武力攻撃について、「国家の意思に基づく組織的・計画的な武力の行使」と解釈している。重要インフラのシステムがサイバー攻撃を受け、悪意あるプログラムによって誤作動するなどの被害が生じた場合、ミサイルなど通常兵器による攻撃も伴えば、自衛隊によるサイバー反撃は可能だ。ただ、通常兵器の攻撃を伴わない場合、反撃できるかどうかが課題となっていた。

次世代データリンク高速・高信頼化技術の研究
○前田一嘉*、上谷俊郎*、木村和仙*

1.背景及び目的

ネットワーク中心の戦い(NCW: NetworkCentric Warfare)における我の能力の向上を図るためには、陸海空自衛隊の統合運用においてデータ通信の高速・高信頼化及び情報の共有が不可欠であるため、次世代データリンク高速・高信頼化技術の研究では、帯域分散多重化技術、高信頼適応通信技術及びデータ共有化技術の研究を行っている。

2.研究内容

(1)帯域分散多重化技術

図1に帯域分散多重化技術の概要を示す。現状での1つの周波数を使用した通信では高速化は困難であるが、帯域分散多重化通信では複数の周波数を束ねて使用することにより、高速通信が可能となる。本研究では VHF 帯 2 波、UHF 帯4 波の合計 6 波同時送受信可能な無線機を試作した。


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図1 帯域分散多重化技術

(2)高信頼適応通信技術

図2に高信頼適応通信技術の概要を示す。現状での1つの周波数を使用した通信では、その周波数に妨害を受けると通信が不可能になるが、高信頼適応通信では複数の周波数で同じ情報を送ることにより、対妨害性能の向上が可能となる。
これにより、特定の周波数に妨害を受けたとしても、どれか1つの周波数が通じていれば通信が可能となる。

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図2 高信頼適応通信技術

(3)データ共有化技術

陸海空自衛隊の既存のデータリンクシステムを活用しつつ、次世代データリンクシステムをゲートウェイとして、「自衛隊デジタル通信システム」、「野外通信システム」及び「LINK-16」の各メッセージを共通メッセージフォーマットに変換することで、既存データリンクシステム間の情報共有が実現可能な設計とした。

3.まとめ

今後は帯域分散多重化技術、高信頼適応通信技術、及びデータ共有化技術について、次世代データリンクシステムの機能・性能を確認する予定である。

*電子装備研究所情報通信研究部 指揮通信システム研究室
現代戦では、戦闘機や艦船など各種装備を戦術データリンク等の通信によりネットワーク化して、情報優越によって効果的な我の部隊連携を実現するネットワーク中心の戦いが重要である。

戦術データリンクは、高速通信及び通信品質の信頼性が求められると共に秘匿性や電波妨害等への抗たん性も具備する必要があり、優れた戦術データリンクの実現は情報優越の確保の観点から各国において喫緊の課題となっている。

 将来の運用においては、センサ能力の向上等に伴い膨大な情報を広範囲の部隊間で短時間で共有することが予想されることから、大容量のデータを高速かつ効率的に伝送する技術を獲得する必要があり、既存の周波数帯において分散した複数の帯域を電波環境に応じて効率的に使用する技術などにより、効率的に高速データ通信を実現する必要がある。

さらには、実現した高速大容量データ通信を用いて、現状より広範囲の部隊間でのデータ共有を実現し、戦術的優位性を確立する必要がある。耐妨害性を具備したデータリンクシステムは防衛特有のシステムであることから、これらの課題を解決して優越を確保するため、次世代データリンクシステムを実施する必要がある。

防衛省において運用可能な周波数が逼迫する中、増大する通信所要への対応が困難となっていることから、早期に技術課題を解決して、諸外国に対して技術的優越を確保すると共に将来の自衛隊の効率的な統合運用に資する必要がある。 

現行のデータリンク装置は、帯域の制限や他の通信系との干渉を避けるために狭帯域の通信を行っており、高速データ伝送が不可能である。

また、移動体通信ではデータ誤りが多発し、通信状態が不安定になりやすい。防衛省において運用可能な周波数が逼迫する中、増大する通信所要への対応が困難となっているため、帯域分散多重化技術及び重要な情報についてはネットワーク上の複数経路を利用するなどの高信頼適応通信技術を確立することにより、運用可能な周波数が逼迫する中においても、分散した複数の狭帯域の周波数を有効に活用し、効率的に高速かつ高信頼性の通信を実現することで、優位性を確保することができる。

米中露においては、より高い周波数帯において広帯域を確保し、高速化するデータリンク技術の研究開発が行われているが、我が国の場合、狭帯域の周波数帯域を使用し、束ねる周波数帯域が可変である帯域分散多重化による高速化技術は確立されていない。また、経路多重化と分散符号化による、無線通信における高信頼性適応通信技術は確立されていない。 

日本においては、民生技術において、ソフトウェア無線機の研究等、長期にわたる研究開発を通じて、高度な信号処理を行うデータリンク技術等を保有しており、次世代データリンクシステムによりさらなる技術的優位性を確保できると期待できる。

近年のネットワーク中心の戦いにおいて、増大する通信所要に対応するため、ミリ波帯において、高速大容量移動通信を実現するための通信システムです。

GaN(ガリウムナイトライド)増幅器を用いたアクティブ・フェーズド・アレイ空中線と通信制御技術を組み合わせることにより、マルチアクセス、マルチホップ可能なミリ波高速ネットワークの構築を実現します。
 
しかしながら、次世代データリンクシステムは、自衛隊が目指すネットワーク戦闘実現の前段階でしかないという。ざんねんながら、次世代では個々の持つ従来からの無線機やネットワークを陸海空に米軍と接続するかという段階である。
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残念ながら、まだ個々の兵士や戦車、個々の艦船、個々の戦闘機が、例えば、イージス艦が捕捉した機影を、陸自の中SAM(改)で打ち落とすような、クラウドシューティングするまでにはできない。

次々世代データリンクシステムはIOT「あらゆるモノがインターネットにつながる」仕組みのゆうに、あらゆる武器系統がすべてリンクして、火器官制までできるようになるには、全ての通信装置、通信インフラを統合しないとできないと言う。それには防衛予算がまったく足らないと言う。残念ながら・・・・

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このシステムは、システム統合レベルからシステムレベルまでの範囲を対象としたシミュレーションです。将来の防空に役立つ新しいミサイルやレーダ等の装備品を研究開発するために、システムコンセプト立案や試験評価をコンピュータ上で行うことができます。


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遠距離探知センサシステムは、先進的なレーダシステムと赤外線センサシステムをデータ融合させることにより、弾道ミサイル、ステルス機及び巡航ミサイルを遠距離で探知するものです。本システムには、電子装備研究所が将来センサシステム(搭載型)等で確立したセンサ技術が応用されます
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海上自衛隊 UP-3C (#9151) 厚木基地 2017年3月3日
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電波・光波複合センサーシステム』の研究は、レーダーと赤外線センサーを融合により目標を遠距離で早期に探知し、ウェポン等と連携して対処するシステムで、平成22年度にスタートした。私は、当初E767の改造機で製作されるのではないかと期待していたのだが、現実的にはUP-3C改造機で実施された。

遠方からステルス戦闘機(ST機)、巡航ミサイル(CM)及び弾道ミサイル(BM)の新たな対空脅威を早期に探知し、ウェポン等と連携して対処する遠距離探知センサシステムだ。
AWACSにとってかわるものではないが、RCS の小さい標的・ステルス機、滑空弾、弾道ミサイル、極超音速ミサイルの早期発見警戒には有効な探知センサーである。

説明員の方にまた、いろいろと素人質問をさせていただいた。
探知距離は教えていただけるわけがなく、婉曲な答えをいただいた。
高度にもよりますが、日本海から朝鮮半島はカバーできるが、東シナ海から沿岸部は探知できるが、内陸部の基地までは難しい・・・とのことです。
私の私見で、凡そ1000Km~2000km程度ではないでしょうか?

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