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防衛装備庁技術シンポジウム2018  

艦艇の基本設計 -新艦艇30FFM-
○小村祥子*1

1. 発表目的

平成 30 年度計画護衛艦(以下「30FFM」という。)は、多様な任務への対応能力の向上と船体のコンパクト化を両立させた新たな護衛艦(新艦艇)として要求され、その取得に際しては、民間参画型の取得方式である企画提案方式が採用された。

本発表では、艦船設計の流れを説明するとともに、企画提案方式における艦船設計官の役割及び 30FFM について紹介することを目的とする。

2.発表内容

(1)艦船設計の流れ

従来、艦船の設計は、要求性能、概算要目の作成、基本計画、基本設計、詳細設計という流れで行われ、艦船設計官は基本設計までを担当している。

これに対して企画提案方式を採用した 30FFM では、要求性能概案を基に艦船設計官で試設計を行い、その結果を企画提案要求に反映させ提案を募った。各社から提出された企画提案書は海上幕僚監部及び装備庁が一体となって評価・選定した後、装備庁による審査会
形式で基本設計図書を作成し、現在は詳細設計を行っているところである。 (図1参照)
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(2)艦船設計官の役割

今回の企画提案方式では、民間企業から建造の工程を見据えた具体的かつ実現可能な設計の提案を募った。設計の要件等は海上自衛隊からの要求として示されたが、その要求の成立性、つまり船として安全性やたん航性等が確保できる要求であるかの確認のため、また、要求を設計に反映させるためのコンセプトの構築のための試設計を艦船設計官において行った。

(3)新艦艇 30FFM の設計

企画提案が採用された造船会社からは、冗長性のある設計や RCS の徹底した低減による防御能力の向上といったアイデアが示された。

艦船設計官においては、各種戦機能と機雷戦機能の両立、様々な新規装備品・開発品及びUSV搭載をはじめとする新機軸の最大能力発揮等をコンセプトとした。また RCS を含む各シグネチャの低減や、戦闘艦船として求められる耐衝撃性等を考慮して試設計を実施した。

造船会社が建造も含めたノウハウやアイデアを持つ一方で、艦船設計官は、防衛省旧技術研究本部から受け継ぐ、様々な艦種(護衛艦、潜水艦、掃海艇、補給艦、輸送艦等)及び各造船会社が建造した艦船のすべての基本設計を担当してきた高い知見を持つ。造船会社のノウハウとアイデアに、艦船設計官がその知見をもって、要求と設計の橋渡し役及び企画提案の評価の基準を示す役割の一端を担って設計されたのが新艦艇 30FFM である。

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*1長官官房艦船設計官付
従来艦艇の設計については、防衛省側が設計を行っていたが、30FFMにおいて民間企業が企画提案者として企画提案を行う余地ができたのである。

艦艇を輸出する可能性ができるわけである。もし、30FFMが完成し、海外市場に民間企業が売り込みを行えば、輸出もできる可能性もでてくる。

30FFM(30DD)・3900トン型護衛艦  2018/2/17(土) 午前 7:21 


防衛装備庁技術シンポジウム2018前のニュースだが、対舟艇/不審船用・対海賊用の機銃がブローニング機銃から、国産RWSを搭載することになったと情報が流れた。
防衛装備庁は2018年8月に海上自衛隊要求の「水上艦用機関銃架(遠隔操作型)」を日本製鋼所と契約しました。

M2重機関銃を搭載するリモートウェポンステーション(RWS)とされています。納入場所が三菱重工と三井造船になっているため30FFM2隻への搭載用と思われます。

25DD型に後日装備すると言われていて、2016年度に2 SEを契約しています。

品目 水上艦用機関銃架(遠隔操作型)
数量 4 SE
契約日 2018/08/30
契約相手方 日本製鋼所
契約額 152,150,400 円

(参考 2016/H28年度)
品目 水上艦用機関銃架(遠隔操作型)
数量 2 SE
契約日 2017/01/19
契約相手方 日本製鋼所
契約額 43,200,000 円
一般競争入札

海自は20mm RWSも試験用として購入しています。

防衛装備庁、20mmリモートウェポンステーション(試験用) を契約 
https://jm2040.blogspot.com/2017/12/20mm.html

出典
防衛装備庁 : 契約に係る情報の公表(中央調達分)
平成30年度 月別契約情報/随意契約(基準以上)(Excelファイル)
平成28年度 月別契約情報/競争(基準以上)(Excelファイル)
http://www.mod.go.jp/atla/souhon/supply/jisseki/rakusatu/index3.html

30FFMにかどうかは書いていないが、日本製鋼所が開発した国産のRWS(リモート・ウェポン・ステーション)が4基契約ということは、まず30FFM2隻むけであろう。

RWSは、既存の12.7mm機関銃を自動化したものと位置付けて従来と同等の運用を行われ、30FFMの艦橋ルーフのセンサーマストの付け根左右に装備されると思われる。正式名称「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」である。

30FFMにRWS(水上艦艇用機関銃架”遠隔操作型”)を搭載する最大の理由は省力化らしいのだが、個人的にはM2 12.7mmブローニング機銃で十分であると思う

RWSは、30FFMより装輪装甲車に装備すべきだが、当初RWSを取り付ける予定だった小松製8×8がトップヘビー・装甲力不足で、キャンセルとなり、陸自の装輪装甲車はいったいどうするつもりだろうか?


将来三胴船コンセプト

昨年とまったく同じパネルで、模型もなし。
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満水排水量1500トン   最大速力 35ノット以上
全長 92m         航続距離3500nm(6482km)/15ノット
全幅 21m         76mm砲1門 
喫水 4m          MCH-101 ヘリ1機 

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現在海上自衛隊には
掃海母艦満載排水量6900トンのうらが型2隻
あわじ型掃海艦満載排水量780トン2隻+1隻建造中
うわじま型掃海艇満載排水量570トン2隻
すがしま型掃海艇満載排水量580トン12隻
ひらしま型掃海艇満載排水量650トン3隻
えのしま型掃海艇満載排水量660トン3隻
以上20隻あまりを保有し、うち7隻が将来30FFMに置き換えられるが残りの掃海艇掃海艦も、将来三胴船型の掃海艇で置き換えることができれば、海自全体からすれば、かなり柔軟な対応が可能になるのだはないか?