【産経ニュース】2020.5.11 18:39
【北京=西見由章】尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に侵入した中国海警局の船が日本漁船を追尾した問題で、中国外務省の趙立堅報道官は11日、海上保安庁の巡視船が現場で漁船の安全を確保したことについて「違法な妨害を行った」と非難し、「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)の問題において新たな騒ぎを起こさないよう希望する」と述べて責任を日本側に転嫁した。趙氏は、外交ルートを通じて日本側に「厳正な申し入れ」を行ったことを明らかにした上で「中日両国は力を集中して(新型コロナウイルスの)感染症と戦うべきだ」と発言した。趙氏は「中国の領海で違法操業」している日本漁船を発見した中国海警局の船が「法に基づいて追尾・監視」したと主張。「釣魚島の海域を巡航することは中国側の固有の権利だ」と強調した。
【尖閣追跡で日本批判】先週、尖閣諸島周辺で中国海警局の船が日本漁船に接近・追尾した事案で、中国外務省・趙立堅報道官『日本漁船は中国領海で違法に操業していた』と抗議してきた事に、菅義偉官房長官「全く受入れる事はできない。尖閣諸島周辺の警戒監視に万全を期していく」ホントふざけた国。 pic.twitter.com/ePpw6upPSM— Mi2 (@mi2_yes) May 12, 2020
なんとも憎々しげな中国外務省の趙立堅(ようけっち)副報道局長の顔である。
中国外務省の趙立堅副報道局長は、新型コロナウイルスについて「米軍が武漢に持ち込んだ可能性がある」とツイートした人物である。一時は亡命したという噂が流れた男である。
趙氏のツイートは米国だけでなく世界中からの強い反発を呼び、新型コロナをめぐる米中対立が一段と激化した火種を撒いた男である。
中国外務省の趙立堅副報道局長は、新型コロナウイルスについて「米軍が武漢に持ち込んだ可能性がある」とツイートした人物である。一時は亡命したという噂が流れた男である。
趙氏のツイートは米国だけでなく世界中からの強い反発を呼び、新型コロナをめぐる米中対立が一段と激化した火種を撒いた男である。
今度は日本に対して喧嘩を売った!趙副報道局長は、「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国名)の問題で新たな騒ぎを起こさないよう希望する」と言い放った!
「新たな騒ぎを起こすな!」だと!趙副報道局長の上から目線の傲慢な物言いは日本の国士達を怒らせた!私が国士かどうかは別として、本当に許されせない発言である。
「新たな騒ぎを起こすな!」だと!趙副報道局長の上から目線の傲慢な物言いは日本の国士達を怒らせた!私が国士かどうかは別として、本当に許されせない発言である。
【Newsweek】小谷哲男変容する安全保障2020年05月13日(水)12時15分
尖閣沖で日本の漁船を狙い始めた中国海警局尖閣沖では中国海警船と日本漁船を守る海保の巡視船が睨み合って緊張感が走った(写真は1月11日、南シナ海でインドネシア海軍と睨み合う中国海警船) Antara Foto/M Risyal Hidayat/via REUTERS
<中国側は日本の領海内の漁船を「違法」操業とみなしたとみられ、この種の脅しは続く可能性が高い。海警船の性能も乗員の実力も向上しており、日本は対応策を迫られている>
5月8日、尖閣諸島の領海に侵入した中国海警局の船2隻が、近くで操業していた日本の漁船を追尾した。警備に当たっていた海上保安庁の巡視船が、海警船に領海侵入に対する警告を行い漁船の安全を確保する中で、現場は一時緊張が高まったという。海警船はその後も領海内で漁船の近くに留まり、10日になって領海を出た。日本政府はただちに領海侵入が主権の侵害であるとして中国政府に抗議したが、中国政府は日本の漁船が中国の領海内で違法操業をしていたため中止を求めたと、海警船の行動を正当化する一方、海上保安庁による妨害行為に再発防止を求めた。
中国は、なぜこのような行動をとったのであろうか。日本が新型コロナウイルスの終息に向けて努力を重ねている中で、中国がその隙を突き、尖閣への攻勢を強めてきたというのが一般的な見方であろう。あるいは、新型コロナの影響で中国経済が失速する中、習近平体制が国内の不満をそらすために、日本に対して強硬な姿勢を示したという分析もある。しかし、客観的な情報を積み重ねれば、今回の事案は海警局による外国漁船の取締り強化という方針に基づいて発生したと考えられる。■今回の追尾の特異な点そもそも、中国の政府公船が尖閣沖の領海で日本の漁船を追尾したのは今回が初めてではない。海上保安庁は今回の事案が5例目であるとしているが(*)、公開情報によれば少なくとも今回が6例目だとみられる。1)2013年2月18日、2)13年2月28日、3)13年4月23日、4)13年5月(日付不明)、5)19年5月24日、そして6)20年5月8日に、追尾が行われている。
(*)過去の中国公船による日本漁船への接近事例について、第十一管区海上保安本部が5月10日付けでマスコミに対して発出した広報文によれば、2013年の海警局発足以降では以下の4件となっている。 ・2013年8月、日本漁船1隻へ中国公船4隻が接近 ・2013年10月、日本漁船4隻へ中国公船4隻が接近 ・2014年8月、日本漁船3隻へ中国漁船3隻が接近 ・2019年5月、日本漁船1隻へ中国公船2隻が接近
1)3)4)5)については、漁船にメディア関係者や政治活動家が乗船していたため、中国側が過剰に反応した可能性が高い。3)に関しては事前に尖閣に向かうことを発表していたため、中国側も8隻の公船を派遣してきたが、1)4)5)については中国側が現場海域で目視によって乗船者を認識したか、何らかの手段で漁船の出航前に情報を得ていたと考えられる。
一方、2)と今回の6)については、漁船が石垣島の八重山漁協所属ではなかったこと以外に特異な点は見られない。海警船が八重山漁協以外の漁船と何らかの方法で把握して追尾した可能性もあるが、尖閣周辺には常に様々な漁協に所属する漁船がいるため、あまり説得力はない。ただ、6)については、漁船が尖閣西方沖という、海警船に見つかりやすい海域にいたことに海保関係者は注目しているようだ。
今回海警船が日本の漁船を追尾した理由を理解するには、より広い海域での海警船の行動に目を向ける必要がある。中国政府は、毎年5月の初めから8月の中旬まで、漁業資源と海洋環境の保全を理由に、東シナ海、南シナ海、そして黄海の広い海域で休漁期間を設定してきた。海警局はこの間、違法操業の取締りを行ってきたが、あくまで対象は中国漁船であった。しかし、今年は「亮剣2020」という取締りキャンペーンを実施し、外国漁船も「弾圧」の対象としている。今のところ、実際に外国漁船の取締りが行われたという情報はないが、尖閣沖で海警船が日本の漁船を追尾したのは、休漁期間中の外国漁船の取締りを強化する中で行われた可能性が高い。
つまり、休漁期間が続く間、中国は尖閣沖だけでなく、より広い東アジアの海域で外国漁船の取締り強化を続けていくと考えられる。海警船が尖閣沖で日本漁船を追尾することも繰り返される可能性がある。今回、日本の漁船を追尾した海警船が3日間にわたって領海内に留まったことは異例であり、中国政府が日本の漁船が領海内で違法操業をしたと主張したことも初めてである。今回の事案を一過性のものとみなすべきではない。■荒天でも居座る実力もちろん、休漁期間が終了した後も、海警船が日本の漁船の取締りの強化を継続すると考えるべきである。尖閣沖での海警船の行動は、新型コロナ発生の前から大きく変化していた。海警船は、尖閣周辺の接続水域に毎月15日から21日ほど入域し、3回程度領海侵入を行うのが通常で、荒天時には避難しなくてはならなかった。しかし、2019年5月以降、領海侵入の頻度は変わらないものの、天候にかかわらず接続水域にほぼ毎日常駐するようになった。これは、海警船の大型化が進み、乗組員の操船技術も向上したため、また2018年7月の組織改編によって、遠洋での作戦を熟知した現役の海軍将校が海警局を指揮するようになったためと考えられる。つまり、海警船は日本の漁船をいつでも"狙える"のである。
海警船が今後も日本の漁船を狙うとすれば、日本政府はこれにどのように対処するべきであろうか。尖閣沖での海警船の活動に対処するため、海上保安庁は巡視船や航空機を増強し、尖閣専従体制を整えている。これによって、領海侵入への対応や、上陸の阻止、また中国漁船の取締りに関しては能力が強化されたといえるだろう。しかし、日本の漁船を海警船から保護することは、あまり想定されていなかった任務であり、実際に領海内で海警船が日本の漁船に乗り込むような事態が発生した場合に、現行の体制で十分な対応が可能か検討する必要がある。
中国の海上法執行船が尖閣の領海に侵入するようになったのは、2008年12月からである。当時の中国側の指揮官はその目的を日本による実効支配を「打破」するためだと説明している。しかし、日本の施政権に実力で挑戦することは国連憲章をはじめとする国際法に反する行為であり、領海内での法執行が中国の領有権の主張を強化するわけでもない。中国が尖閣周辺に一方的に休漁期間を設定したことも、国際法上の根拠を欠いている。なにより、海警局の行動は、外国漁船の航行の安全を脅かすものである。
新型コロナウイルスの影響で、予定されていた習近平国家主席の国賓としての来日は延期となったが、日本政府は東シナ海での国際法に基づかない行動を改めることを中国との協議の中で強く求めるべきである。また、フィリピンやベトナムなど、南シナ海で同様の課題に直面している友好国などとも連携し、多国間の枠組みでも中国に対して毅然と向き合う必要がある。
【Record China】配信日時:2020年5月15日(金) 11時50分
明らかに、中国は尖閣を取りにきている。世界中が中国に対し敵意を持つ中で、あの記者会見で「新たな騒ぎを起こすな!」と言い放つ趙副報道局長は、傲慢で、もはや虚勢を張る以外、為すすべが無い、焦っている中国の現状をよくあらわしたように見える。沖縄県・尖閣諸島沖の日本領海に侵入した中国海警局の船が近くで操業中の日本漁船を追尾したことについて米誌ニューズウィークは「中国が独自に設定した休漁期間を理由に取り締まりを強化したのでは」と報道。「今回の事案を一過性のものとみなすべきではない」と警鐘を鳴らした。海警船は8日、尖閣諸島・魚釣島沖の領海に侵入し、付近で操業中の日本漁船を追尾した。日本政府は中国政府に退去を求めたが、9~10日には海警船2隻が26時間にわたり、領海にとどまった。第11管区海上保安本部(那覇)によると、2013年8月に記録した28時間に次ぐ長さだった。日本政府は直ちに中国政府に抗議。菅義偉官房長官は「わが国の領土・領海・領空は断固として守り抜く」と強調し、「引き続き緊張感をもって関係省庁間で連携し情報収集に努めつつ、尖閣諸島の周辺の警戒監視に万全を期していきたい」と語った。これに対し、中国外交部の趙立堅報道官は「中国の領海で違法操業を行う日本漁船を発見し、追尾した」と反論。海上保安庁の巡視船が「違法な妨害を行った」と非難し、「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国名)の問題で新たな騒ぎを起こさないよう希望する」と主張した。追尾に関しては新型コロナウイルス対応に追われる日本の隙を突こうとしたのではないかとの見方もあるが、ニューズウィークは「より広い海域での海警船の行動に目を向ける必要がある」と指摘。「中国政府は毎年5月の初めから8月の中旬まで、漁業資源と海洋環境の保全を理由に東シナ海、南シナ海、そして黄海の広い海域で休漁期間を設定してきた。海警局はこの間、違法操業の取り締まりを行ってきたが、あくまで対象は中国漁船であった」と伝えた。続いて、「今年は『亮剣2020』という取り締まりキャンペーンを実施している。今のところ、実際に外国漁船の取り締りが行われたという情報はないが、尖閣沖で海警船が日本の漁船を追尾したのは、休漁期間中の外国漁船の取り締まりを強化する中で行われた可能性が高い」と言及。「日本の漁船を追尾した海警船が3日間にわたって領海内にとどまったことは異例であり、中国政府が日本の漁船が領海内で違法操業をしたと主張したことも初めてである。今回の事案を一過性のものとみなすべきではない」との見方を示した。さらに、「海警船の大型化が進み、乗組員の操船技術も向上した」と説明。「日本の漁船を海警船から保護することは、海上保安庁にとってあまり想定されていなかった任務であり、実際に領海内で海警船の乗組員が日本の漁船に乗り込むような事態が発生した場合に、現行の体制で十分な対応が可能か検討する必要がある」などと注意を喚起した。(編集/日向)
中国は、尖閣領有の野望をもはや隠さなくなってきた。むしろ大胆に公にして既成事実化を謀っている。
海上保安庁によると、2019年に尖閣諸島周辺の領海に侵入した中国当局の船の航行した日数が282日に上り、延べ126隻となり、2018年に比べて56隻増えた。更に接続水域の航行も増えて2008年に統計を取り始めてから最も多くなった。
更に昨年2019年の年末あたりから公船の領海侵入を含め、中国の尖閣に対する侵略政策を一段階上げてきた。海上保安庁当局者が1月28日、中国海警局の10,000t級(海上保安庁で最大の巡視船しきしま型は7,000tである。)を含む警備艦が、少なくとも1ヶ月間に3回にわたり尖閣諸島の領海に侵入したことを明らかにした。
また、西太平洋のアメリカの空母は中共ウィルスの感染拡大で現在稼動できない状態であるが、その思わぬ軍事バランスの隙をつき、日本の護衛艦に対し、中国漁船が体当たり攻撃を謀った。米国は、すかさず、ライトニングキャリアーとも呼ばれるF-35Bを13機搭載した米強襲揚陸艦「アメリカ」とミサイル巡洋艦「バンカーヒル」を4月21日南シナ海に派遣し、「航行の自由」作戦(FONOP: Freedom Of Navigation OPeration)を行った。
満載排水量45,570トンの「アメリカ」級強襲揚陸艦には最大でF-35Bを20機搭載することができ、強襲揚陸艦とはいえ、中国のオンボロ空母遼寧であれば、鎧袖一触で撃破可能である。
1月10日米陸軍マッカーシー長官は、「2021年に新たな基地を尖閣に作ることを検討している」と発言している。言い方をかえると長官は、「この尖閣と台湾に対しこれ以上中国が侵略行為を止めないのであれば、陸海軍特殊部隊、海兵隊を尖閣や台湾に駐留するぞ」と言っているのだ。
実はこの尖閣諸島を巡るこの日本、米国、台湾と中国の鍔迫り合いは、中共ウィルスの陰に隠れる形で去年の年末から激化し、激しさをましている。
■戦略重要拠点としての尖閣尖閣諸島は東シナ海の南西部に位置する軍事拠点としての要衝である。現在、尖閣諸島を構成する魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島、沖の北岩、沖の南岩、飛瀬(とびせ)のうち、久場島と大正島は在沖縄米海軍艦隊活動司令部(COMFLEATOKI)の管理下にあり、射爆撃場として使用されている。久場島は米軍の使用に供するため民間から政府が借り上げている島で、それ以外の島は全て国有地である。兵士を置くとなるとそれなりの面積が必要で、最も広い魚釣島(3.82平方キロメートル)が候補に上がる。久場島(0.91平方キロメートル)や大正島(0.06平方キロメートル)に置くにしても射爆撃場としての目的以外の利用に供することについて国内の議論がまきおこることは必至で、まして魚釣島となると反対勢力も拱(こまね)いてはいないだろう。
日本がマッカーシー長官に言わせたのか、米国自ら対中戦略に沿って尖閣に基地を置くと言ったのかは定かではないが、米海兵隊の対中戦略シフトから鑑みれば、日本が米国に言わせたのではなく、米国が自らの国益の為、中国潰しに動いたのだと思う。
日本も米国と組んで尖閣防衛に不退転の意志を表明している。中国は、以前の日本であれば、管直人みたいに圧力を掛けたらすぐに引いていたのに、日本は、米国と組んでまったく引かない為、逆に焦り日米に対抗して、敵対行為をもう一段ギアを上げててきたのだと感じる。
中国海軍の空母「遼寧」など6隻の艦隊は4月11日と28日、初めて宮古海峡(沖縄本島-宮古島間)を往復し、太平洋に出て東シナ海に戻った。翌29日もミサイル駆逐艦など3隻が同海峡から太平洋に抜けた。南西諸島は中国が東シナ海から太平洋に進出する出口で、コロナ禍に乗じ日本の抑止力を試しているようだ。
それ以上に攻勢が強まっているのが南シナ海と台湾だ。中国は4月18日、領有権争いが起きているパラセル(中国名・西沙)諸島とスプラトリー(同・南沙)諸島に行政区を新設したと一方的に発表。共同通信によると、中国軍は8月、台湾が実効支配する東沙諸島の奪取を想定した大規模な上陸演習を計画している。
ポストコロナの軍事バランスを揺るがしかねない中国に対し、日本がよって立つのが日米主導の「自由で開かれたインド太平洋構想」だ。自衛隊と米軍はコロナ禍でも直接的な接触がない艦艇や航空機の共同訓練を続け、今月12日に航空自衛隊の戦闘機16機が米空軍の戦略爆撃機2機と編隊航法訓練を実施した。
米軍は環太平洋合同演習(リムパック)の8月実施も決めた。コロナの影響で開催が危ぶまれたが、各国の連携と対中抑止力が維持されているとのメッセージを発する意図もある。
自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長はシュナイダー在日米軍司令官ら米軍幹部と連絡を取り合い、危機感を共有している。河野太郎防衛相は先月中旬以降、米国、オーストラリア、インド、フィリピンなどインド太平洋に関わる各国国防相と電話会談を重ねている。
そもそも、明治以降日本領として確定していた尖閣諸島に、中国が領有を主張しだしてきたのは、1960年代東京水産大学の新野弘教授 と米ウッズホール海洋研究所の地質学者のケネス・O・エメリー(KennethO. EMERY)博士の論文がきっかけとなり、1968年国連アジア極東経済委員会が調査船を出し、ペルシャ湾地域に匹敵する石油及び天然ガスが存在する可能性が公表された1969年以降である。
サウジアラビアの10倍の原油が眠る「第7鉱区」 日本の領有権を無視する韓国・中国「ハイエナ資源戦争」
日本も中国による尖閣領有圧力に対し、海上保安庁の尖閣諸島に関する警備を強化し、海上自衛隊も強化している。
サウジアラビアの10倍の原油が眠る「第7鉱区」 日本の領有権を無視する韓国・中国「ハイエナ資源戦争」
日本も中国による尖閣領有圧力に対し、海上保安庁の尖閣諸島に関する警備を強化し、海上自衛隊も強化している。
強襲揚陸艦「アメリカ」による「航行の自由」作戦(FONOP)は、従来のミサイル駆逐艦や巡洋艦による作戦より、一段上の中国政府に対する威圧行為である。
強襲揚陸艦の本来の任務は、上陸作戦である。上陸作戦ができる軍艦を南シナ海に派遣するということは、中国による実効支配している南シナ海の環礁軍事基地を奪回することも可能だと言うメッセージでもある。中国の趙立堅副報道官のように、キャンキャン吼えるのではなく、無言の威圧メッセージであって、明らかに米国の圧力の方が格上である。中国も対抗上一段と虚勢を張らざるを得なくなってしまい、チキンゲーム化しているのだ。
強襲揚陸艦の本来の任務は、上陸作戦である。上陸作戦ができる軍艦を南シナ海に派遣するということは、中国による実効支配している南シナ海の環礁軍事基地を奪回することも可能だと言うメッセージでもある。中国の趙立堅副報道官のように、キャンキャン吼えるのではなく、無言の威圧メッセージであって、明らかに米国の圧力の方が格上である。中国も対抗上一段と虚勢を張らざるを得なくなってしまい、チキンゲーム化しているのだ。
動き始めた中国、手を打たなければ尖閣は盗られる
日本領海で中国船が日本漁船追尾、直ちに魚釣島に測候所設置を
【JBpress】北村 淳 2020.5.14(木)
中国海警局の巡視船「海警1304」(写真:海上保安庁)(北村 淳:軍事社会学者)5月8日、尖閣諸島の魚釣島沖合12キロメートル付近の海域で操業中の日本漁船(与那国島の漁協に所属)に、尖閣諸島周辺海域に姿を見せていた4隻の中国海警局巡視船のうちの2隻が接近し、追尾を開始した。4隻の中国海警局巡視船には3000トン級武装巡視船「海警1304」が含まれていた。日本漁船を追尾したのは、「海警2501」5000トン級ヘリコプター搭載巡視船と「海警14603」1000トン級巡視船であった。海上保安庁巡視船が急行し、日本漁船を保護すると共に、中国海警局巡視船に日本領海からの退去警告を発した。「海警2501」(写真:海上保安庁)海上保安庁によると、日本漁船には損害は生じなかったという(とはいっても、小型の漁船が5000トンの巡視船に追跡されたのであるから、日本国民が大いなる脅威にさらされてしまったことを日本政府は恥ずるべきである。)日本の「領海内」で「操業中」の「日本漁船」を、中国の法執行船である海警局巡視船2隻が追尾して操業を妨害したというのは、中国政府機関による明白かつ重大な日本の主権侵害である。それにもかかわらず、日本政府は外務省アジア大洋州局長が在日中国公使に電話で抗議すると共に、在中日本大使館も中国外務省に対して電話で抗議しただけである。海上保安庁巡視船の警告や日本外務当局の“厳重抗議”にもかかわらず、中国海警局巡視船は翌5月9日も、日本領海内で操業を再開した漁船の近くに姿を現し、さらに10日にも3日連続で日本領海内を遊弋した。尖閣諸島の位置■日本領海侵入をステップアップした中国これまでも尖閣諸島周辺海域で日本漁船などが中国海警局巡視船に追尾される事件は発生していたが、日本領海内で適法に操業中の日本漁船が中国海警局巡視船に追尾されたという事件は今回が初めてと思われる。日本の「領海内」で「操業中」の「日本漁船」を中国の法執行船である海警局巡視船2隻が追尾して操業を妨害したという今回の事件は、これまで数多く繰り返されきた中国公船による尖閣諸島周辺の日本接続水域や日本領海内への侵入航行などから、中国側が領有権のデモンストレーションを一歩踏み出したと考えねばならない。国際法上は、いずれの国の艦船(民間船だけでなく巡視船などの公船や軍艦を含む)も他国の領海を通航することは原則として合法とされ、無害通航と呼ばれている。ただし、漁船が許可を取らずに操業したり、軍艦や巡視船などが沿岸主権国に威圧を加えるような行為は、無害通航とはみなされない。また、他国の領海を無害通航する場合には、可及的速やかにかつできる限り直線的に通航しなければならないとされている。したがって、中国海警局巡視船や中国軍艦が魚釣島沿岸22キロメートル以内の海域、すなわち日本領海を通航したからといって、それは無害通航であり、直ちに日本の主権を踏みにじったと解釈されないという立場も成り立ち得る(もちろん、尖閣諸島を中国領とする中国当局にとっては、そのような航行は無害通航とは無関係で中国自身の領海を通航しただけ、ということになるのだが)。しかし、中国海警局巡視船が日本の漁船を追跡したということは、中国側の立場に立って解釈すると、法執行船が漁業取り締まりを実施した(中国国内法によると、尖閣諸島周辺海域は5月1日から禁漁期間に入っている)ということになり、日本側から判断すると、日本領海内を無害通航に反した形で通航しながら日本漁船を追跡するという準海賊行為を働いたということになる。要するに、中国側の尖閣諸島領有権に対する示威行動は、この5月8日をもって、一段ステップアップしたのである。■魚釣島に測候所を設置せよさすがの中国といえども、南沙諸島の7つの環礁を人工島軍事施設として生まれ変わらせてしまったように魚釣島や久場島などに埋め立て拡張工事を施して軍事基地化することはいまだ開始することはできないであろう。とはいっても、尖閣諸島周辺海域の日本領海内(中国側にすれば中国領海内)での中国海警局巡視船による“法執行”を断続的に繰り返し、そのような状況を数年間続けることにより、尖閣諸島や東シナ海など知るよしもない国際社会からは、尖閣諸島を実効支配しているのは、周辺海域でしばしば漁業取り締まりを繰り返している中国なのか、実効支配していると口にしてはいるものの自国漁業者たちの安定的操業すら守り切っているとはいえない日本なのか、判断しかねる状況に立ち至るであろう。日本政府は2012年9月11日に魚釣島(ならびに北小島と南小島)を地権者から購入して、日本国への所有権移転登記をした。それ以降、魚釣島の地権者は日本国であり、日本国政府は「意思」さえあれば、魚釣島そして尖閣諸島が日本の領土であることを国際社会に向かって目に見える形でアピールする措置を実施することが可能な状態だ。たとえば、現在魚釣島には民間右翼団体が設置したポータブル灯台が設置されているが、それより本格的な高性能コンパクト灯台を魚釣島の奈良原岳山頂付近に設置することが可能である。高性能小型灯台装置と共に、海洋監視レーダーならびに上空監視レーダーも設置すれば万全だ。それとともに、魚釣島西岬北側台地のカツオ節工場跡地付近には、コンテナハウスを応用した気象観測施設と海難救助施設を設置し、簡易ヘリパッドならびにゾディアック艇など小型艇用簡易着岸設備を併置する。それらの施設には、海上保安庁職員と自衛隊員によって構成する気象観測チーム、海難救助チーム、海洋監視チームからなる魚釣島測候所隊員が常駐し、尖閣諸島周辺での交通や漁業の安全を保障するのだ。同時に標高362メートルの奈良原岳山頂付近に設置されたレーダーによって、魚釣島周辺のおよそ150キロメートル圏内の高空域ならびにおよそ70キロメートル圏内の低空域や海上の警戒監視も可能となる。測候所とレーダーを設置する場所
■直ちに実施しなければ手遅れにこの程度の設備の設置と部隊配備は、自衛隊と海上保安庁の実力、それに日本の各種メーカーのレベルから判断すると、極めて容易に実現可能な作業である(それに、アベノマスクよりも安上がりだ)。あとは日本政府と国会に「日本の領土を守り抜く意思」があるかどうかだ。不要不急の検察庁法改正などを強行する暇があるならば、一刻も早く「魚釣島測候所設置法」を策定可決し、日本の領土と日本国民の安全を守り抜かねばならない。
習近平政権は、従来の集団指導体制の掟を破る2期10年を超える政権掌握を目指しているが、経済がガタガタ、周辺諸国と軋轢ばかりで、AIIBアジア開発銀行や、一帯一路政策が機能せず、人民元をIMFの通貨バスケットに捻じ込むことには成功したが、実質ハードカレンシーには程遠い状態で、習近平政権としては、政権維持の為に挽回する画期的な実績を作るしかない状態に追い込まれている。
米国の経済制裁がボディーブロウーのように中国経済を追い詰め、中共ウィルスが発生するはるか以前の2015年から、中国経済のマイナス成長は明らかだった。
【現代ビジネス】2015.8.24 高橋洋一
【現代ビジネス】2015.8.24 高橋洋一
この状況で平然と周囲にケンカを売る中国の不可解
南シナ海での中国の行動が示す危険な兆候
【JBpress】川島 博之 2020.5.15(金)
中国・陝西省の西安市を視察した習近平国家主席(2020年4月22日、写真:新華社/アフロ)
(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)日本で大きく報道されることはないが、世界が新型コロナウイルス問題に揺れる中で、南シナ海において緊張が高まっている。2020年4月2日に中国の巡視船がベトナムの漁船に体当たりして沈没させる事件が発生した。近くで操業していたベトナムの漁船が救助に駆けつけたが、その中の2隻が巡視船に拿捕されて乗員が一時拘束された。幸い死者は出なかったが、ベトナムは漁船1隻を失い、拿捕された漁船も船内の機器を破壊された上に漁具を没収された。4月13日、中国新華社は空母「遼寧」などが南シナ海で訓練を行ったと発表した。空母セオドア・ルーズベルトで乗務員に新型コロナウイルスの感染が広がったことから、米国海軍の太平洋での影響力は低下している。その隙をついて中国海軍は南シナ海でのプレゼンスを高めようとしている。4月18日に衝撃的な発表があった。中国は海南省の三沙市に「西沙郡」と「南砂郡」を設置すると発表した。西沙諸島は「西沙郡」に、南砂諸島は「南砂郡」に含まれる。問題になっている島々を自国の行政区画に組み込んだ。また、5月1日から8月16日まで南シナ海での漁獲を禁止すると一方的に発表した。このような措置は1999年以降中国が毎年発表していることだが、新型コロナ問題で世界が揺れるこの時期に、平然と東南アジア諸国の神経を逆撫でするような発表を行った。これらの一連の動きに対してベトナム政府は反発を強めて、強く抗議している。ベトナムの民衆も中国の態度にひどく憤慨している。それはベトナムだけではない。南シナ海に面するフィリピン、マレーシアも中国に対する不信感を強めている。■国際的な孤立を厭わない中国南シナ海でこのような行動をとりながら、中国は海外にマスクを援助したり医師団を派遣したりするなど、国際社会において感謝される国になろうとしている。しかしマスクの援助は、かえって世界の反感を呼んだようだ。それは、世界に感染が広がり始めた時期に中国政府がマスクを強権的に買い占めて、世界中でマスクが不足する状況を作り出したとの噂が広がったからだ。その真偽は分からないが、中国政府が世界に信頼されていない証左であろう。また、中国の医療水準を考える時、医師団の派遣に感謝するのは貧しいアフリカの国ぐらいだ。そんな中国は、世界が新型コロナに揺れている中でも南シナ海に対するこだわりを捨てていない。捨てないどころか、一層強化している。このような中国の一連の行動は不可思議である。それは南シナ海の島々の領有権を強硬に主張することは、東南アジア諸国の中国に対する不信感を増大させ、かつ「航行の自由作戦」(FONOP)を行う米国や英国の不快感を助長するだけだからだ。中国が経済発展を遂げる上で工業製品の輸出、海外からの投資、そして海外からの技術の導入は欠かせない。そうであるなら、経済発展するためには世界の国々、特に米国や日本、西欧の国々とは良好な関係を保っていかなければならない。国際的に孤立すれば輸出が難しくなり、海外からの投資も減少する。それは経済の低迷につながる。その結果として失業率が上昇すれば、治安問題が深刻化する。それは中国共産党が最も恐れていることである。その一方で、南シナ海の島々の領有は中国にとって核心的な利害とは言いかねる。多くの民衆は南シナ海の領有にそれほどの関心はない。その一方で、新型コロナ問題やそれが引き起こした経済の低迷は民衆にとって切実な問題になっている。そうであるのなら、この時期においては、南シナ海の問題をそっとしておくのが上策であろう。しかし、中国はベトナムなどを怒らせる行為を次々に行っている。
■「外征」が評価される中国の指導者なぜ中国はそのような行為に走るのであろうか。真の理由は分からない。周辺の状況から類推するしか方法がないのだが、第1に考えなければならないことは、経済がマイナス成長に陥る可能性が取り沙汰される中で、習近平の政権基盤が揺らいでいることだ。習近平は10年の任期が過ぎてもその地位に留まろうと考えている。しかし共産党内部にはそれを面白く思わない人々も多い。現在、そのような人々の声は日増しに大きくなっていると言われる。このような状況の中で、習近平にとって軍と公安部門の掌握は極めて重要な課題になっている。それが外交において軍を中心とした強硬派の勢いを強めている可能性がある。習近平の思考回路が軍の強行路線に近いことも考えられる。中国人は外征に成功した皇帝を高く評価する。漢の武帝や清の乾隆帝などの評価が高い。その一方で、長恨歌などを通じて日本でもよく知られている楊貴妃を寵愛した玄宗などは人気がない。就任直後に「中国の夢」をスローガンに掲げた習近平は、歴史に名を留めるためには外征に成功しなければならないと考えているのではないか。そのために、経済成長にとって「百害あって一利なし」の南シナ海の島々の領有にこだわっている可能性は大いに考えられる。日本にとって南シナ海の問題は他人事ではない。5月8日、中国の公船が尖閣列島周辺海域で日本漁船を追い回す事件が発生した。海上保安庁の巡視船が駆けつけて事なきを得たが、これも一歩間違えば、漁船が沈没して人命が失われる事件に発展した可能性がある。そうなれば日中関係は一気に悪化しよう。習近平が普通の神経の持ち主であれば、中国経済の悪化が危惧される中で、このような事件は起こしたくないと考えるはずだ。しかし習近平の頭の中は異なっているらしい。経済の安定よりも偉大な皇帝と思われる方が重要と考えているようだ。日本ではあまり報道されることはないが、南シナ海をめぐる中国とベトナムとの争いは中国の外交方針がどこか狂い始めたことを示している。それは軍部の強行路線を封じることができなかった戦前の日本外交を彷彿とさせる。今後、尖閣諸島周辺においても中国が予期せぬ危険な行動に出る可能性がある。南シナ海の緊張は他人事ではなくなっている。
米国が強襲揚陸艦を東アジアで運用を活発化しているのは、尖閣に限らず、台湾、香港、南シナ海を睨んでのことだ。これ以上手を出せば、米国は介入するぞという強い意志表示である。
米国太平洋空軍(PACAF)司令官のチャールズ・Q・ブラウン・ジュニア大将は4月29日、中共肺炎の感染防止対策について日本の航空自衛隊など19カ国の空軍当局者とテレビ会議を行った。そこには台湾空軍も参加したが、中国空軍は招かれていなかった。(韓国空軍はまだ、辛うじて・・・ここに入っていただろう)
表向き中共肺炎の感染防止対策についての協議だったが、空軍の首脳が「PCR検査が・・」などという話をするはずがなく、台湾軍の空軍の幹部をテレビ会談に入れてどうやってこの東シナ海南シナ海の空の守りぬくかなど、実質東アジアの空の防衛問題が話されたという。
表向き中共肺炎の感染防止対策についての協議だったが、空軍の首脳が「PCR検査が・・」などという話をするはずがなく、台湾軍の空軍の幹部をテレビ会談に入れてどうやってこの東シナ海南シナ海の空の守りぬくかなど、実質東アジアの空の防衛問題が話されたという。
このことが意味するところは、1対19の台湾を含む中国包囲網の形成ということだ。
当然日本の空自幹部も入ってますので、日米台が連携して中国に対しものすごいプレッシャーをかけていることに対する反抗が、中国海警公船による日本漁船の追尾事件の遠因としてある。
日本が一方的にやられてるように見えるが、日米が連携して、かなり中国を追い詰めてる状況だと思う。
日本が一方的にやられてるように見えるが、日米が連携して、かなり中国を追い詰めてる状況だと思う。
【WEDGE】尾崎重義 (筑波大学名誉教授)2013年1月18日
尖閣諸島は歴史的に中国の領土であり、日本が一方的に奪ったと国際的にPRする中国。一方で、尖閣をめぐり解決すべき領有権の問題は存在しないと一点張りの日本。歴史的な事実や当時の史料を読み解けば、尖閣が中国や台湾の領土であったことは確認されず、歴史的にも国際法的にも、日本に領有権があることは確実だ。日本は中国に対して主張と反論を繰り返し、国際社会へ積極的に発信する必要がある。2012年9月、経団連の米倉弘昌会長は、尖閣諸島に関して「領土紛争」が存在すると政府が認めるべきだと発言した。また今回の総選挙に向けた日本維新の会と太陽の党の政策合意では、「尖閣諸島について中国にICJ(国際司法裁判所)への提訴を促す」としている。しかし、ここで注意が必要である。ICJは国家間における「法律的紛争」の解決を任務とする国際裁判所であって、政治紛争を扱う機関ではない。日本が尖閣問題をICJに付託すれば、日中間の法律的紛争として認めたことになり、尖閣諸島の日本領土としての地位を不安定にする恐れがある。尖閣諸島は決して係争地などではない。歴史的経緯からしても国際法から見ても日本の領土であることに疑いはないのである。つまり、尖閣紛争とは、日本の領土としてこれまで認められてきた地域について、突然に中国側が領有権を主張したことにより生じた外交・政治の問題であって、決して国際法的な意味での領土紛争ではない。そのことを以下で明らかにする。国際法上「先占」とは、どの国家にも属していない「無主の地」を、他の国家に先立って実力で支配すること(先占行為)によって自国の領土とする行為をいう。先占の要件として、(1)その土地を領有しようとする国家の意思がなんらかのかたちではっきりと対外的に表示され、かつ(2)国家がその土地を実効的に占有することが求められる。■国際法上日本は実効的に支配1895年1月以降日本政府が尖閣諸島に対してとった一連の措置はこの先占の要件を満たしており、日本は同諸島に対する領有権を取得するに至ったということができる。すなわち(1)の要件に関しては、尖閣諸島を「沖縄県の所轄」と認めた閣議決定(1895年1月14日)と、それにより許可された民間人が現地で開拓に従事し、標柱を建て、日常的に国旗を掲揚していたこと、及び、日本の領有意思を黙示的に表示する一連の統治行為を島に対して行ったこと等により、わが国の領有意思は十分明確に表明された。(2)の実効的占有(ないし支配)の要件に関しては、次のようなさまざまな統治行為を挙げることができる。明治政府が尖閣諸島を国有地に編入し、同地で民間人が国の指定する土地利用を独占的に行うのを許可したことは、とりも直さず同諸島に対する国の実効的支配を示すものである。他にも、国有地台帳への登録と地番の設定、同諸島の一部の民間への貸与と払下げ、警察や軍による遭難者救助等の行政行為がなされた。(出所)上・中:那覇・福州航路図(沖縄県立博物館所蔵)、下:上江州家文書(久米島博物館所蔵)。ともに海洋政策研究財団島嶼資料センターより提供以上、1895年以降日本政府が尖閣諸島に対してとった一連の措置は、前記先占の要件に十分に合致したものであった。ただし、先占の成立には重要な前提条件がある。それは、先占しうる土地は国際法上の無主地すなわちどの国家にも未だ属していない土地であるという条件である。中国・台湾は1971年にこの点を突いて、「尖閣諸島は歴史的に中国の領土であったのを、日清戦争中に日本が一方的に自国領土に編入した」と主張し始めた。そもそも、国家が自国の領土を一方的に他国に編入されたまま76年間も放置してきたとはとても信じられない話であるが、中国は76年後にこのように主張して日本の先占の有効性を否定しようとするのである。この中国の領有主張が歴史的観点から見て正当と見なしうるのか簡潔に検討したい。尖閣諸島が歴史的にどのような法的地位にあったのか考えるときには、時代を明代(1368年~1644年)と清代(1644年~1912年)とに分けて考えることが適切である。そして、(1)「明代において尖閣諸島は中国の領土であったのか」、(2)(そうでないとしたら)「それでは、清代に尖閣諸島は中国の領土となったのか」と順を追って考えていくと分かり易い。■中国が領有主張する根拠を検討するとまず、明代について。ここでは、明代には台湾島がまだ中国領土ではなかったという紛れもない歴史的事実を前提に考える必要がある。そうすると、その台湾島よりはるか遠方に位置する尖閣諸島が当時中国の領土であったことはありえないのである。絶海の孤島群である尖閣諸島が台湾とは無関係に、はるか遠方の中国福建省の飛び地であったとか、中央政府の直轄領であったというのは荒唐無稽な話にすぎない。それでは、明代に中国が国際法的な意味で尖閣諸島を「発見」したという主張はどうか。中国側は、1534年に冊封使陳侃が明朝の使節として琉球に赴く途中で尖閣諸島を望見し、これを中国語の島名で公式の記録に記載したことが国際法にいう「発見」に相当すると主張する。しかし、これも直ちに否定される。まず、この記録からは、これらの諸島に対する領有意思が全く明らかにされていない。陳侃はただ久米島を見て「これすなわち琉球に属する島なり(乃属琉球者)」と述べているだけである。実は、陳侃は途中の島など何も知らずに久米島まで来て、そこで琉球人に教えられてそれが琉球領であることを初めて知ったのである。途中の島はすべて大海に孤立する無人島であり、ただ帆船航海の航路の目じるしとして注目され島名もつけられていたにすぎない。当時冊封使船の航海は琉球王国から派遣された水先案内人や熟練の水夫に頼り切りであり、島名も彼らから聞いたものを中国語に訳したと思われる。当時琉中間航路では圧倒的に琉球の船の通航の方が多かった。琉中間の通航が始まった1372年から陳侃が渡琉した1534年までの162年間に、琉球の官船441隻が尖閣諸島の航路を通航していたのに対して、同時期の明国の官船はわずかに21隻であった。また琉球の船が1372年から渡航しているのに対して、陳侃が渡航したのはその162年後である。つまり、「発見」はむしろ琉球王国によってなされたといいうるのである。その後の郭汝霖『使琉球録』(1561年)の「赤嶼は琉球地方を界(さかい)する島なり(赤嶼者界琉球地方山也)」の文言については、同じ郭汝霖の『石泉山房文集』の中に「赤尾嶼は琉球領内にある境界の島であり、その島名は琉球人によって付けられた」と述べた一節があることが指摘されている。他に、『籌海図編』(1562年)、『日本一鑑』(1565年)等の明代後期の海防書からも当時尖閣諸島が中国領土であったとする証拠を見出すことはできない。かくして、明代の中国史料から、「明代において尖閣諸島は中国の領土ではなかった」ことが判明する。次に、清代に尖閣諸島は中国の領土となったのか。一般論として、このことを認めるのは困難である。清代の文献で、尖閣諸島を中国領土と明記したものは見当たらないし、清国が同諸島の領有を宣言して併合したり、そこに実効支配を及ぼしていたりした事実はないからである。ここで唯一可能な議論は、尖閣諸島は地理的に台湾の附属島嶼であり、台湾が清代に中国領土となったときに、いわば自動的に尖閣諸島も中国領土となったと説くものである。Han-yi Shaw氏は、その歴史的証拠として、明代の『日本一鑑』の中の「釣魚嶼 小東小嶼也」の文言を援用する。『日本一鑑』は別のところで「小東島はすなわち小琉球である。日本人はそれを大恵国(台湾のこと)と呼んでいる」と説明しているのだから、ここで「小東」は明らかに台湾島のことである。したがって、「釣魚嶼 小東小嶼也」の文章は、「釣魚嶼(魚釣島)は台湾島附属の小島である」と説くのである。しかし、この解釈には無理がある。文脈では「小東」と「小東島」は明らかに区別されている。台湾島は明確に「小東島」または「小東之島」と表現されている。ここで「小東之島」は「小東にある島」としか読めない。つまり、「小東」は海域を指すのであり、小東洋なのである。具体的には、日本列島から沖縄列島を経て台湾ぐらいまでの列島弧沿いの太平洋海域を指し、大東洋(太平洋中央部)、小西洋(インド洋)、大西洋(今の大西洋)に対比される概念である。その小東海域にある大きな島すなわち「小東島」が台湾島で、その海域に浮かぶ小さな島すなわち「小東小嶼」が釣魚嶼なのである。よって、ここは「釣魚嶼は小東の海(小東洋)にある小さな島である」と読むのが自然な読み方なのである。それに、そもそも台湾がまだ中国に帰属しておらず、その存在がほとんど知られていなかったこの時代に、台湾より東に170キロ遠方にある孤島が地理的に台湾の附属島嶼を成すのかどうかが航海者の関心を惹いたとはとても考えられない。かくして、文理解釈からも時代背景からも『日本一鑑』の「釣魚嶼 小東小嶼也」の文言より「尖閣諸島は台湾附属の島嶼である」という解釈を引き出すことはできない。■尖閣が中国の領土だった形跡なしその他の清代の中国史料からも「清代に尖閣諸島は中国の領土となった」ことを立証する直接的な証拠は見出せない。また引用されている史料の文言は多義的で比喩的な表現が多く、間接的な証拠として見ることも困難である。それに関連して、清代を通じて、尖閣諸島が台湾島の附属島嶼として、中国(国家)によって、また、一般にも、認識されていたことは決して確認されない。中国や琉球(日本)及び西洋人による文献や地図・海図から示されることは、むしろ、19世紀において尖閣諸島が地理的に琉球諸島の一部と見なされていたと推測させる資料(データ)の方がずっと多いことである。かくして、中国側史料の分析より得られる結論は、「尖閣諸島は、明・清代を通じて中国の領土であったことはないし、また、台湾の附属島嶼として見なされてもいなかった」というものである。日本の尖閣諸島領有に対して、中国側は1970年までの76年間なんら異議を唱えず黙認してきた。1902~32年の時期に中国は、西沙諸島に対するフランスの先占の動きには即時に強い抗議をしているのに対して、同時期、尖閣諸島における日本の主権行使に対しては全く沈黙を保ってきた。第二次世界大戦後の台湾や沖縄の日本からの分離に際しても同様であった。これらの事実は、この時期中国が尖閣諸島を自国領土として考えていなかったことを端的に立証するものである。日本が尖閣諸島に対して領有権を有することは間違いない。日本は中国に対して主張と反論を繰り返すとともに、国際社会に対してそのことを積極的に発信していくべきである。それと同時に、尖閣に対する実効支配を強化していく必要がある。














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