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画像元WING航空新聞社

防衛装備庁 は、そのHPにおいて2020/6/3 契約に係る情報の公表(中央調達分)を更新した。
令和元年度の競争入札基準以上基準未満 令和元年度随意契約基準以上基準未満の4ファイルである。合計4000件以上の契約に目を通して気になる幾つかをピックアップしてみた。今回は陸自関係の装備を中心に紹介、考察する。

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以上の4契約を確認することができる。

次期装輪装甲車(試験用A型)と次期装輪装甲車(試験用L型)は、フィンランドとカナダから輸入してテストをするのに約5億円ということはわかるが・・・三菱重工の次期装輪装甲車(耐爆技術)の研究試作は・・・研究試作だから倍の約10億円。そしてそれとは別に
共通戦術装輪車(歩兵戦闘型及び偵察戦闘型)が23億円別途予算が組まれている。

まあ、私は職業評論家Kではないので、大騒ぎするつもりはないのだが・・・
次期装輪装甲車と共通戦術装輪車は別の契約で、共通戦術装輪車は三菱重工のMAV発展系を導入し、かつ、
次期装輪装甲車を導入するという契約のようだ。

【WING】2019.09.11



試験車両を今年度中に契約、2022年度末の選定目指す

 防衛装備庁は9月10日、次期装輪装甲車の試験用車両として3車種を選定したと発表した。選定したのは機動装甲車(三菱重工業製)、AMV(フィンランド・Patoria社製)、LAV6.0 (カナダ・GDLS〔GENERAL DYNAMICS Land Systems〕社製)の3車種。装備庁は、今年末までに選定車種の製造会社との間で、試験用車両の製造契約を結ぶ予定としている。

 次期装輪装甲車は、陸上自衛隊の装備する96式装輪装甲車(WAPC、小松製作所製)の後継車両で、装輪装甲車(改)として装備庁で開発事業を進めていた。

しかし、コマツが納入した試験車両で、耐弾性能にばらつきの多い防弾板の使用や、板厚不足等の不具合が判明し、最終的に2018年7月に開発を中止。今年4月、新たに提案要求を求めていたところ。

ボクサー装輪装甲車含め4車種の提案受ける

 装備庁に今回の選定に関して話を聞くと、前述の3車種のほかに、ボクサー装輪装甲車(ドイツ・ARTEC GmbH社製)の提案があったことを明かし、比較検討の結果、前述の3車種を選定したと説明した。試験用車両は各車種2両づつ、2019年(令和元年)度予算における装備庁と陸上幕僚監部の予算から計21億円での調達を予定している。また、機動試験や耐弾・耐爆試験といった各種試験を2021年から2022年にかけて行い、2022年度末の選定を目指すとして、今後の選定スケジュール概要を明かした。 

ちなみに、選定車種の機動装甲車は、陸自で調達が進む16式機動戦闘車(MCV)をベースに、三菱重工業が独自に開発していたもの。また、フィンランドとは今年2月の日芬防衛相会談で、日本国防衛省とフィンランド政府との間の防衛協力・交流に関する覚書」を署名しており、防衛装備・技術等の分野で知見を共有するとしていた。

※写真=次期装輪装甲車の候補となったAMV。派生型も多いため、仮に採用した場合、派生型の展開も期待できる(写真は歩兵戦闘車型、提供:Patoria社)

※写真=カナダ・GDLS社製のLAV6.0。C-17輸送機で2両の輸送が可能だ(提供:GDLS社)


【WING】2020.03.25 


次期装輪装甲車と共通戦術装輪車、陸自装輪装甲車両の両輪で調達

 かつての陸上自衛隊においては、師団戦力の中核となる普通科連隊の各中隊は自動車化されておらず、60式装甲車(60APC)や73式装甲車(73APC)を装備する一部の機械化した普通科連隊や装甲化した輸送隊を除き、本部管理中隊の輸送小隊が装備するトラック輸送により機動していた。

1990年代には高機動車を広く導入したことをはじめ、96式装輪装甲車(96WAPC)を導入したことで、普通科中隊が固有の装備で機動することが可能となった。さらには2000年代初頭に軽装甲機動車(LAV)を導入したことで、陸上自衛隊の自動車化、装甲化が進展する結果となっている。
 

だが、現有装備の73APC、89式装甲戦闘車(FV)、96WAPC、高機動車、LAV、これらの導入から相応の年数がたった現在においては、多様化した脅威や新たな戦い方に適合する必要性が生じている。

そうした中、96WAPCの後継車種として、国内外の候補車種を取得し、2021(令和3)年から約1年の試験を行った上で、多様な脅威や新たな戦い方に適合する次期装輪装甲車を選定することとなっている。

今回WINGでは陸上幕僚監部防衛部にインタビューを行い、陸自が次期装輪装甲車に求める事項や装軌式も含めた装甲車の考え方について聞いた。
 

陸上自衛隊における装輪装甲車の役割について聞くと、「新大綱において、防衛力の果たす役割として、島嶼部を含む我が国への攻撃に対しては必要な部隊を迅速に機動・展開し対応することとされている。

また、ハイブリッド戦、グレーゾーン事態のようないつ、どこで生起するか分からない事態に即応するためにも、陸上自衛隊には機動・展開能力の強化が求められている」とし、「迅速に部隊・隊員を輸送するためには、まず自動車化があげられるが、戦略機動に引き続き、各種脅威下において行動するためには、装甲化することも重要であると考えている」と述べた。
 

「こうした全国にわたる機動・展開から、・・・・・・・・・・・・・・・・・

 次期装輪装輪車は各種部隊が使用する汎用的車両
 共通戦術装輪車は近接戦闘を行う戦闘職種向けに LAV後継は20年中に具体的な検討進むか 装軌式装甲車の後継も将来的には調達検討

※写真=普通科部隊を中心に配備している96式装輪装甲車(96WAPC)。
【WING】2020.04.03 

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将来的には共通戦術装輪車を含め、ライフサイクルコスト低減図る

 三菱重工業が16式機動戦闘車(MCV)を開発した頃から人員輸送型の8輪式装甲車をユーロサトリ2014など海外の防衛展示会にMAVとして模型を出展するなど、装輪装甲車の開発を進めてきたのは周知のことだろう。

今回、WINGでは次期装輪装甲車候補に選定された機動装甲車について、三菱重工業に話を聞くことが出来た。
 

この機動装甲車がどのような姿となるのかについては、「既に(防衛装備庁との)契約履行中であり、仕様についてはお答えできない」としつつも、契約前の提案ベースで行っていたものはMAVで、前方にパワーパックと操縦席、後方にキャビン区画がある形の一般的な装輪装甲車のスタイルであると説明した。

そして、その特徴・長所を「16式機動戦闘車(MCV)との部品共通化(ファミリー化)を念頭に、高品質な国内サプライチェーン基盤を活かし、維持整備、教育訓練にかかるライフサイクルコストの低減を図ることが出来る」ほか、「MCVと同等の機動力を有しており、随伴が可能となっている」と強調した。・・・

社内試作したMAVベースにMCVをそして機動装甲車を開発
社内研究は先を見越した各種取り組み・研究を進める

※写真=三菱重工業が防衛省に提案する機動装甲車のイメージ図(提供:三菱重工業)

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※写真=三菱重工業の装輪装甲車の源流といえるMAV。この社内試作車の技術をもとに、MCVが開発された(DSEI JAPAN2019で撮影)
いまのところ、余計な騒ぎになっていなにのだが、こんなことをやっていると、Kや左翼メディアに餌を与えるような気がする。

コマツの装輪装甲車(改)の頓挫と、コマツの撤退で、次期装輪装甲車は、コンペで決めることになっているが、はじめから三菱重工MAV一択のように思えます。

【東京防衛航空宇宙時評】編集部2019年7月17日


三菱重工業が2014年のユーロサトリに出展した「MAV」の模型

防衛省が陸上自衛隊用に2種類の装輪装甲車ファミリー「共通戦術装甲車」と「次期装輪装甲車」を導入する方針であることが、当サイトの取材によってわかった。

「共通戦術装甲車」は16式機動戦闘車と共に即応機動連隊の中核を構成する8輪装甲車で、16式をベースとした三菱重工の「MAV」(Mitsubishi Armoured Vehicle)に絞られている模様で、本年度予算に参考品購入費として計上された23億円では、MAVが調達される可能性が高い。

共通戦術装甲車では歩兵戦闘車型、偵察型、120mm自走迫撃砲型などの導入が計画されているが、歩兵戦闘車型は装軌式の89式装甲戦闘車を後継する車輌ではないとの話もある。

「次期装輪装甲車」は96式装輪装甲車の後継という位置付けで、2018年7月に開発中止が決定した装輪装甲車(改)の調達計画を仕切り直したものと見られる。

次期装輪装甲車ではAPC(装甲兵員輸送)型、中期防衛力整備計画に導入方針が明記された装甲野戦救急車型などの導入が計画されており、APC型は令和5(2023)年度、装甲野戦救急車型は令和8(2026)年度から調達が開始される見込みとなっている。候補としてはパトリアのAMV XP、ジェネラル・ダイナミックス・ランドシステムズのストライカーなどの名前が挙がっている。

「次期装輪装甲車」の候補として名前が挙がっているAMV XP(写真:Patria)

また防衛省は軽装甲機動車と高機動車の後継車輌の導入計画を進めている。この車輌の詳細な方向性は不明だが、装甲車輌となる可能性が高いと見られている。


 

いまひとつ、次期装輪装甲車・共通戦術装輪車をわざわざ2系統にする理由がみつからないのだが、三菱重工のMAVを次期装輪装甲車・共通戦術装輪車それぞれに採用すれば、2系統にならず丸く収まる。やはりはじめから三菱重工のMAV一択だったのではないか?

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三菱重工製 次期装輪装甲車=共通戦術装輪車?

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共通戦術装輪車 歩兵戦闘型及び偵察戦闘型

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共通戦術装輪車 120mm迫撃砲型

砂地用警戒観測車両

令和元年分の契約に係る情報の公表(中央調達分)には軽装甲機動車と高機動車の後継車輌の導入計画に直接繋がるものはなかったが、気になる契約があった。

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砂地用警戒観測車両である。一般競争入札で、588万円で3台がスズキ自動車によって落札している。

沖縄の島嶼部の海岸で使用すると思われる。車種は公表されていませんが、堅牢なフレームとリジッド式サスペンション、そして「直結式4WD」、軽量で砂地を走行するのであれば、スズキ・ジムニーの可能性がたかい。

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画像 ジムニーは世界で最もコンパクトな本格的オフローダーとして人気が高い。原点回帰した現行ジムニーも強烈なポテンシャルを持っている

ハスラーの可能性もあるのだが、「世界一の悪路走破性能」を持つクルマとしてジムニーば有名だ。

(1)アプローチアングル:フロントタイヤとバンパーを結んだ線と地面の角度
(2)デパーチャーアングル:リアタイヤとバンパーを結んだ線と地面の角度
(3)ランプブレークオーバーアングル:前後輪の接地点からホイールベース中心をつないだ角度

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1:アプローチアングル、2:ディパーチャーアングル、3:ランプブレークオーバーアングルの3アングルは上の図のとおり。ジムニーはオーバーハングが短いのが利点

(1)アプローチアングルはフロントバンパー、(2)デパーチャーアングルはリアバンパーがそれぞれ路面と干渉しないかを示す指標で、(3)ランプブレークオーバーアングルはボディの底部分の干渉度合いの目安となり、それぞれ角度が大きいほどタフということになる。

 この3アングルでは、軽自動車のジムニーが群を抜いていて、アプローチアングル:41°(32°)、デパーチャーアングル:51°(25°)、ランプブレークオーバーアングル:28°(25°)となっている。

 ()内は陸の王者の異名を持つランドクルーザーの数値で、それと比べても前後の干渉度合いの低さが突出していることがわかる。

 ジムニーの悪路走破性が世界的に認知されているゆえんでもある。


先日 汎用軽機動車に川重のバギーを採用したが、
全長 3,395 mm x 全幅 1,475 mm x 全高 1,725 mm 最大積載量: 220 kg 車両重量: 1,030 ~ 1,040 kg 屋根を取っ払ったジムニーならオスプレイにも載せることは可能。

高機動パワードスーツ(改良型)

自衛隊員のパワードスーツがさらに進化する!
年度内に改良版、軽量化・装着性向上
【ニュースイッチ】2019年11月28日

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初代パワードスーツ。民間の商品とは別の性能が求められる
 
防衛装備庁は自衛隊員が装着する高機動パワードスーツの改良版を、2019年度末に製作する。17年度末に完成した重量25キログラムの初代スーツよりも軽量化し、脱着に数分かかっている装着性なども向上を図る。20年度からはこの改良スーツを実際に隊員が装着し、使い勝手などを確かめた上で細かい改良を図り、早期実用化を目指す方針。島しょ防衛のほか、豪雨災害の復興など災害派遣任務で、隊員の負担軽減を狙う。
 
パワードスーツはイノフィス(東京都新宿区)やサイバーダインなどの民間企業が物流業界や介護事業者、リハビリ支援、農業向けなど各方面で製品を開発、市販もされている。これらの大半はアシストする動作が歩行に限られ、想定環境も室内の場合が多い。
 
自衛隊員が使うパワードスーツは室内以外に砂地や泥のぬかるみ、山岳地、豪雪地帯などの利用が想定され、動作も歩行以外に駆け足で全力疾走する、高いところに乗り移るなどといった高機動性が要求される。
 
モーターや姿勢バランス制御にも独自の特性が求められるため「民間品の転用ではなく、防衛装備庁で独自に開発している」(同庁先進技術推進センター)という
 
初代スーツは隊員の装着のほか、3次元動作解析や床反力計付きトレッドミルなどの器材を用いて動作解析を実施し、基本性能の評価を行った。改良版も同様の試験を行うほか、陸上自衛隊の隊員らと意見交換会を実施し、使い勝手やデザインも含め、細部改良に努める。隊員の身長や男女差などで装着性にも差が出るため、これを緩和する接合のアジャスター部も改良する。

日刊工業新聞2019年11月27日
防衛装備庁 : 先進技術推進センター





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