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【産経新聞】2020.6.25 17:30 

防衛省が日米両国による「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進するため、7月にも専門部署を新設して態勢を強化することが25日、分かった。防衛分野の国際交流を担当する国際政策課を実質的な2課態勢に改編し、課長級職員を新たに置き、インド太平洋構想に関する業務に特化させる。巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国に対抗する狙いがある。

 国際政策課は日米防衛協力課が扱う米国以外の国との防衛交流や防衛当局との調整を担っている。オーストラリアや英国など準同盟と位置付けられる国や友好国だけでなく、中国やロシアとの窓口でもある。

 各国との防衛協力は急拡大しており、自衛官らが他国軍の能力を向上させるため平成24年に始めた能力構築支援(キャパシティ・ビルディング)の対象は東南アジアを中心に昨年時点で15カ国・1機関に上る。自衛隊と他国軍が物資を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)の締結など制度面の交渉も多い。

 国際政策課の業務は「爆発的に増えている」(防衛省幹部)との認識は省内で一致している。一方、政府が一昨年に策定した「防衛計画の大綱」は「自由で開かれたインド太平洋というビジョンを踏まえ、多角的・多層的な安全保障協力を戦略的に推進」と掲げ、国際政策課の態勢強化が急務となっていた。

 国際政策課でインド太平洋構想の取り組みを統括する課長級職員のポストを7月1日付で設けた後、2課態勢への移行に入る。

 防衛協力は共同訓練や防衛装備・技術協力、安全保障対話もあり、多岐にわたる。防衛省としては、中国が一帯一路に基づき関係を強めたり、経済支援をてこに軍事的な影響力を高めたりしようとしている東南アジア各国や太平洋島嶼(とうしょ)国の動向を見極めつつ、適切な国と時期に有効な防衛協力を打ち出していく構えだ。


 そうした総合調整でインド太平洋構想の専門部署は司令塔の役割も期待され、「態勢強化の成否はコロナ後の世界の米中の主導権争いにも影響を与える」(政府高官)と指摘される。
日本の国家安全保障戦略としてのインド・太平洋戦略が動き出した。

防衛省に、外交セクションに新たな部署が設けられた。防衛省には国際政策課が2課体制となった。防衛省の外交セクション=インテリジェンス部門が強化されたのである。

従来日本にも各国大使館に駐在武官が置かれていたが、防衛省から外務省への出向という形となり、情報は外務省経由となり、駐在武官制度の機能が働かず、インテリジェンスの人間関係インナーサークルとも呼ばれる仲間内に入ることすらできなかった。

近年、日米安保が強化され、日米が緊密に連携しているのは、安倍政権になって、従来の駐在武官制度が改められ、各国の国防省/司令部に連絡員と呼ばれる外務省を経由しない防衛省直下の人員が配置されるようになったからだ。

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防衛白書より

戦前陸海軍と外務省はそれぞれ独自に外交を行い、満州事変の発生などマイナス面があったことを反省し、戦後は外務省に一元化されていた。だが、今度は外務省による一元化がインテリジェンス面でマイナスとなり、戦後日本は大きく国益を失っていた。

日本が対中国家戦略であるインド・太平洋戦略を国家戦略を実行するため近年ASEAN諸国、インド、オーストラリアとの共同演習も頻繁に行われるようになった。


これまで防衛省・自衛隊は、二国間の対話や交流を通じて、いわば顔が見える関係を構築することにより、対立感や警戒感を緩和し、協調的・協力的な雰囲気を醸成する努力が行われてきた。これに加え、近年では、国際協力の必要性の高まりに応じて、共同訓練・演習や能力構築支援、防衛装備・技術協力、さらには物品役務相互提供協定などの制度的な枠組みの整備など、多様な手段を適切に組み合わせ、二国間の防衛関係を従来の交流から協力へと段階的に向上させてきている。

また、域内の多国間安全保障協力・対話も、従来の対話を中心とするものから域内秩序の構築に向けた協力へと発展しつつある。こうした二国間・多国間の防衛協力・交流を多層的かつ実質的に推進し、望ましい安全保障環境の創出につなげていくことが重要となっている。



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防衛白書より

さらに、近年は一歩踏み込み、ASEAN諸国などに対してPKOの枠組みではなく、日本独自の判断で、能力構築支援(軍事顧問団の派遣)を行うようになってきた。



能力構築支援は、①インド太平洋地域の各国などに対して、その能力向上に向けた自律的・主体的な取組が着実に進展するよう協力することにより、相手国軍隊などが国際の平和及び地域の安定のための役割を適切に果たすことを促進し、わが国にとって望ましい安全保障環境を創出するものである。また、これらの活動により、②支援対象国との二国間関係の強化が図られる、③米国やオーストラリアなどのほかの支援国との関係強化につながる、④地域の平和と安定に積極的・主体的に取り組むわが国の姿勢が内外に認識されることにより、防衛省・自衛隊を含むわが国全体への信頼が向上する、といった意義がある。

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防衛白書より

上の図を見ると露骨なのだが、中国を包囲する形で行われている。
反中国同盟・中国包囲網=インド・太平洋戦略の国家戦略が機能しはじめたと考えてよい。

防衛省が各国の国防省と直接やり取りすることにより、国益を守れる可能性が高まった。

防衛省内に、対外外交を行う部門=インテリジェンス部門が出来たことにより、外務省による亡国外交を歯止めをかけることができるようになった。

安倍政権になって以降、連絡員・駐在武官制度の改革により、インテリジェンスにおける個人的人間関係の構築インナーサークルに入った自衛官が数多く輩出された。ことにより、
日米間、日米安保体制が強固になってきた。

日米安保体制が強固になればこそ、日本が独自に、ASEAN各国や、インド太平洋諸国と緊密な関係を構築することが可能となってくる。

日米安保体制が強固であるからこそ、日本が独自に諸外国と緊密になっても、21世紀の大東亜共栄圏だと勘違いされずに済む。

バブル時代の30年前、もし、日米安保が強固で、日米間にインテリジェンス交流があったのなら、国益を害せず、日本は衰退とは言わないが、今日のような相対的国際的地位の低下は招かなかったであろう。