佐藤正久@SatoMasahisa
【対艦・島嶼防衛用のスタンドオフミサイルは、12式SSMだけではない。新SSM(島嶼防衛用新地対艦誘導弾)の研究開発も順調です。共に優れものの国産ミサイルです】
2020/12/14 22:12:13
12式SSM能力向上型は三菱重工、新SSMは川崎重工がプライムメーカ… https://t.co/9TlqpPGDTL
現在防衛装備庁は6種類の対艦・島嶼防衛用スタンドオフミサイルを開発している。
12/14佐藤防衛副大臣のTwitterに島嶼防衛用新地対艦誘導弾の最終突入時に変則軌道を描いて突入するイラストがツイートされた。
この変則的に動く最終突入時のイラストだと何だか055型に似た艦に直撃しなさそうですが・・・もしかして艦上空で爆発し、艦上の電子機器を全て破壊するのかもしれません。
私が編集した対艦ミサイルの系譜には航空自衛隊空中発射の項に分類していました。理由は地上や艦上からも発射可能とされているが、イラストを見る限り地上や艦上から発射するのに必要なブースターが描かれていなかった為だ。
1000km超の射程とイージスアショア搭載艦に搭載するのはこのミサイルにブースターを付けたものとなるだろう。
【読売】2020/12/18 19:40
政府は18日、新たなミサイル防衛システムの整備に関する閣議決定で、国産の長射程巡航ミサイル「スタンド・オフ・ミサイル」を開発することを正式表明した。安倍前首相が年内のとりまとめを求めていた敵基地攻撃能力を含む「ミサイル阻止」の新たな方針の決定は来年以降に先送りした。長射程巡航ミサイルは、陸上自衛隊の「12式地対艦誘導弾」を基に、5年かけて開発する。敵ミサイルの射程圏外から攻撃できるようにするため、現在の百数十キロ・メートルの射程を約1000キロ・メートルまで伸ばし、艦船や戦闘機にも搭載できるようにする。閣議決定は、公明党の慎重姿勢も踏まえ、「抑止力の強化について、引き続き政府において検討を行う」とするにとどめた。ただ、新たなスタンド・オフ・ミサイルは北朝鮮全土や中国沿岸部などに届くため、将来的に敵基地攻撃への活用も可能とみられる。開発理由について、閣議決定は「島嶼とうしょ部を含む我が国への侵攻を試みる艦艇等に対して、脅威圏の外から対処を行うため」とした。来年度予算案に335億円の開発費を盛り込む。一方、政府は同じ閣議決定で、地上配備型迎撃システム「イージスアショア」の配備断念を受けた代替案として「イージス・システム搭載艦」2隻を建造することも明記した。イージス・システム搭載艦は、弾道ミサイル防衛を主任務とするが、巡航ミサイルを迎撃できる「SM6」も搭載する方向だ。そのほか対艦、対潜能力を持たせるかどうかなど、詳細な設計は今後検討する。来年度予算案に調査費など17億円を計上する。岸防衛相はこの日の記者会見で、「閣議決定に基づき、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、引き続き着実に防衛力の強化を図っていく」と述べた。
この読売の記事を読むと、まったく何を今更いっているのか私には理解できない。もうすでに射程1000km超のミサイルは3種類開発しており、12式地対艦誘導弾(改)はとっくに開発は行われており、せいぜい500km程度だろう。それを12式地対艦誘導弾(改)を1000km級にするというのか?現在開発中の亜音速の巡行ミサイルで射程が1,000km超級と思われる。
どうやら12式地対艦誘導弾(改)と新SSM(島嶼防衛用新地対艦誘導弾)の区別がついていないようだった。
また、佐藤大臣は、哨戒機用新空対艦誘導弾とASM-3改 極超音速ミサイルの開発について言及していない。
また、日本が開発中の極超音速ミサイルについての認識が読売新聞も佐藤氏も、比較的正確な現代ビジネス記事も正しく認識していない。
日本が開発中のスタンドオフミサイル6種
①12式地対艦ミサイル改
②哨戒機用新対艦ミサイル
③ASM-3改
④新SSM(島嶼防衛用新地対艦誘導弾)
⑤島嶼防衛用高速滑空弾 更に性能向上型
⑥極超音速誘導弾 更に性能向上型
性能向上型を含めると8種類である。
島嶼防衛用高速滑空弾と極超音速誘導弾の射程だが、
このどちらもベースとなる早期装備型は射程400kmだとしても性能向上型は1000~2000km以上の射程はあると考えられる。島嶼防衛用高速滑空弾は1000kmではなく、僅かな改良で3000-4000kmと中国全土を射程内に収めることも可能であろう。
①12式地対艦ミサイル改
12式地対艦誘導弾(改)は2017年から12式地対艦誘導弾をベースに17式艦対艦ミサイルの改良部分を取り入れ長射程化を図ったものでした。2022年に完成予定でした。
これを更に大幅な射程延伸するようです。ステルス性も付与する新しい計画に修正されます。当初300km超の射程だったはずですが、報道を読む限り1000km超、これは米国の新型対艦ミサイル「JASSM」「LRASM」の900kmの射程を上回る性能です。
これを更に大幅な射程延伸するようです。ステルス性も付与する新しい計画に修正されます。当初300km超の射程だったはずですが、報道を読む限り1000km超、これは米国の新型対艦ミサイル「JASSM」「LRASM」の900kmの射程を上回る性能です。
長距離スタンドオフ兵器は既に「JASSM」「LRASM」導入が決まっていたのですが、F-15戦闘機への搭載改修が高騰したところで、このニュース。「JASSM」「LRASM」は当て馬だったのでしょか?
また、新たに艦対艦型の開発も検討されているようです。
また、新たに艦対艦型の開発も検討されているようです。
②哨戒機用新対艦ミサイル
こちらも17式艦対艦ミサイルをベースに12式地対艦誘導弾(改)のファミリー対艦ミサイルとして開発中である。12式地対艦誘導弾(改)との違いは空中発射であるのでブースターが無いだけで基本同じである。P-1に1000km級対艦ミサイルと搭載すればまさに陸攻に早変わりすることになる。
③ASM-3改
F-2とF-2後継F-3に搭載される予定のマッハ3~4の極超音速ミサイル ASM-3は当初200km程度であったものが大型化し400km~500km級に改良中
④新SSM(島嶼防衛用新地対艦誘導弾)
2018年度に開発が始まり、2022年度に開発終了予定の「島嶼防衛用新対艦誘導弾」。
地上、海上、空中と3通りの発射方式がある。
地上、海上、空中と3通りの発射方式がある。
空気を取り込んで長時間飛び続けるターボファンエンジンを搭載して長射程化を図り、1000km以上のステルス性を持つ外観となる。佐藤防衛副大臣のTwitterの画像のミサイルである。
対艦ミサイルとはいうものの、地図データとミサイル搭載の高度計を組み合わせて地上攻撃用の巡航ミサイルとするのは難しくない。
⑤島嶼防衛用高速滑空弾 更に性能向上型
「島嶼防衛用高速滑空弾」は離島に上陸した敵部隊を遠方から攻撃するためのわが国初の地対地ミサイルだ。
防衛省は当初「他国に脅威を与えないため射程は400キロメートル程度にする」と説明しているが、当初より性能向上型を開発することになっており、1000km超であることは間違いない。宇宙と大気圏の境目を超音速で飛翔し、最後は変則的な飛び方をして目標に落下するので逆に1000kmで収まると考える方が難しい。勿論仮想敵国の技術では迎撃は不可能である。
⑥極超音速誘導弾 更に性能向上型「極超音速誘導弾」は音速の5倍以上で飛翔する。JAXAでも開発している宇宙往還機にも採用されている特殊なスクラムジェットエンジンである。JAXAのスクラムジェットエンジンと違い、燃料は水素を用いずジェット燃料である点が大きな違いである。極超音速で飛ぶことにより滑空弾同様、成層圏を飛行する為日本の仮想敵国には迎撃困難なミサイルである。
百花繚乱の開発計画はまるで大東亜戦争末期の陸海軍の試作機の数々を見る思いになるのは私だけであろうか?
番外偏
防衛省のこういった努力を全否定するつもりはないが、40年ちかく量産され続け1発1億円程度までコストダウンしたトマホークを1000発も保有すれば1000億円で済む。1000億円で十分な抑止力を持つことが可能となり、滑空弾や極超音速ミサイルも大切だが、余計な予算を投じなくて済むと私は思います。
コメント
コメント一覧 (27)
Ddog
が
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今回の記事は、久しぶりに読むことが出来ました。
・・・この状態、なんとかならないのですか???
Ddog
が
しました
12式系列は、3自共通のファミリーとして共通化の効果が大きく。
島嶼防衛用新地対艦のCGは、バレルロールして迎撃を回避する変態亜音速ミサイルという事を表してるのだと思われます。
ASM-3や滑空弾とスクラムジェットも迎撃の難易度を上げる為に必要なのかと。
亜音速ミサイルと混ぜる事で迎撃に対する負荷を増やす効果が期待出来ますから。
Ddog
が
しました
2万発 単価2億で4兆 20年で整備で年間 2000億と維持費と人員経費等で済む。
Ddog
が
しました
現状のせいぜい2~300㎞の巡航ミサイル射程が、1000㎞?程度に伸びる事や、
高速滑空弾の開発等が進んでいる事は、一応は一歩前進という事だと思います
防衛費が0.5%増でしかない事とか、私の個人的な不満は言えばいくらでも言えますが
いつかは在日米軍が退く日が来るかもしれません
グアム等へのオフショアへの配置転換は、その第一歩だったと、後世言われるかもしれません
ミサイル射程の延伸など、通常兵器の「普通の国」化は良い事と思います
しかし通常兵器と核兵器は次元が全く違います
日本は「核レディ国」状態を追求し続ける事が肝要だと思います
そこで、もうそろそろ将来のSSBN保有を考えて、
プロトタイプの原潜2隻保有を現実化すべきだと思います
中共の脅威はあと2~30年は続くでしょう。その頃になったら経済失速・少子高齢化で脅威は薄れると思います
アメリカの国力も中長期的に相対的には落ちます
日英同盟の様な「駐留なき対等同盟」が理想と思いますが、
今は在日米軍が居た方が有利。しかし多過ぎると、ちょっと情けないので、
「駐留少なき同盟」を取り敢えずの目標と考えます
核戦略は、イギリス(フランスもかな)の様な、自国と米国の二重の核の傘の形式が、理想と思います
おおざっぱ、ガバガバな話で申し訳ない
Ddog
が
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良くネットで引用されるこの言葉は真実であります。問題は数をそろえるにはどうするかであり安価で使用方法が簡単な製品が市場を席捲する事例は民間では当たり前になる事例です。
多数の製品を開発することでリソースが枯渇して本末転倒になる事例を避けるために日本国民がすべき事はセイゼイ税金を払う事と政府の動向を見守り無駄な開発とそうでないことを理解する事でしょうか。
でも、複数の攻撃手段と言うのは金があれば是非欲しいところなんですけどね。
Ddog
が
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中国の奥地にある第二砲兵隊の基地には2500キロないと厳しいですね
まあ巡航ミサイルはエンジンを強化し燃料タンクを大型化すればいくらでも距離を伸ばせるのでなんとでもなるでしょう
アメリカの許可さえあればですが
韓国がすでにヤリたい放題やってるので反対はしないでしょう
Ddog
が
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https://www.sankei.com/politics/news/201229/plt2012290001-n1.html
1000kmでも画期的と思ってたら、2000kmという独自記事出て来ました・・
本当なのかなあ? 本当なら色々言われてるガースーを評価します
Ddog
が
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Ddog
が
しました