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三菱MAV

防衛省は2022年12月9日次期装輪装甲車(人員輸送型)としてフィンランド製パトリア AMVXP 8x8を選定したと発表した。

国産兵器を愛するミリオタは誰しも「三菱MAVは終わった、残念だなぁ」と嘆息した。

昨年10~11月頃九州の演習場や富士山近傍の演習場などで各種試験を実施するために移動する三菱MAVがと思われれる車輛の動画がネット上に流れていた。いま思えば次期装輪装甲車(人員輸送型)は三菱MAV採用の形勢が不利とみた三菱重工側が、ひっくり返そうとして流したリーク動画だと思います。




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https://trafficnews.jp/photo/122190
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https://trafficnews.jp/photo/122190#photo1
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https://www.youtube.com/watch?v=B4bf9Hio8_o

近接戦闘車のwikiの書き込み情報も三菱重工側の書き込みも全て次期装輪装甲車(人員輸送型)選定直前でした。
三菱重工側の努力も空しく次期装輪装甲車(人員輸送型)はパトリア AMVXP 8x8でした。
当然私もショックを受け「三菱MAVじゃないって、何考えているんだ!」と思いました。
しかし、少なくとも一人商売ネタとしてほくそ笑む自称:軍事ジャーナリストがいた、言わずと知れた清谷 信一氏である。言わずと知れた反国産兵器の騎手、扇動者(アジテーター)である。

パトリア AMVXP 8x8の採用は持論の正しさをもっと声高に自慢するかと思いきや、そうでもない。


清谷 信一氏はパトリア AMVXP 8x8の採用もお気に召さない、そもそも防衛省や自衛隊の装備調達の構造が間違ってると言うのだ。確かに清谷氏の主張には正論も含んでいるのだが、清谷氏の主張には憲法9条と頼りない政府、財務省の圧力に苦しむ防衛省と防衛産業の苦しい立場を考慮せず大上段に国産兵器と防衛政策を非難するのが清谷氏の商売ネタである。

かなり批判的に清谷氏の記事を読んだのだが
翻って実は日本の防衛省が採用する次期装輪装甲車と共通戦術装輪車はともにほぼ同レベル要求仕様の8輪装甲車である。共通戦術装輪車にはすでに三菱重工業のMAV(Mobile Armored Vehicle)が採用されており、事実、同社は次期装輪装甲車の候補としてMAVを提案していた。

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MAV機動装甲車(写真:三菱重工業)

共通戦術装輪車は16式機動戦闘車とともに機動連隊に配備される。より高い脅威に対処する装甲車で、高い生存性が必要とされ、武装も30ミリ機関砲などを搭載する。対して次期装輪装甲車はより脅威度の低い環境で使う装甲車であり、APC(装甲兵員輸送車)のほか、装甲野戦救急車や兵站支援車輌などなどの調達も予定されている。

確かにパトリア AMVXP 8x8は次期装輪装甲車(人員輸送型)に決まった。次期装輪装甲車(人員輸送型に決まったのである。もう一度防衛省の文章を読み返してみます。

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( お 知 ら せ )
令和4年12月9日
防 衛 省
次期装輪装甲車(人員輸送型)の車種決定について
陸上自衛隊96式装輪装甲車の後継車両である次期装輪装甲車(人員輸送
型)として、以下のとおり車種を決定したので、お知らせします。
1 提案者及び車種
提案者:NTKインターナショナル株式会社
車 種:Patria社製AMV
2 選定理由
・ 第1段階評価においては、必須要求事項を満たすか否かを評価し、い
ずれの提案車種もこれを満たした。
・ 第2段階評価においては、「基本性能」、「後方支援・生産基盤」及び「経
費」について100点を満点とする加点を行い、最終的な評価点が最も
高かったPatria社製AMVを次期装輪装甲車(人員輸送型)とし
て決定した。
なお、その他詳細については別添資料を参照されたい。
(参考)
○ 車種選定作業の経緯
令和4年8月29日 提案希望者に対して提案要求書手交
9月27日 提案者から提案書を受領。以後、提案内容を精令和4年12月9日
防 衛 省
陸上自衛隊の次期装輪装甲車(人員輸送型)の車種選定結果について
1.次期装輪装甲車(人員輸送型)の導入
次期装輪装甲車(人員輸送型)は、戦闘部隊や戦闘支援部隊等に装備し、
敵の脅威下における戦場機動、人員輸送等に使用するとともに、国際平和
協力活動における車列警護等に使用することとしている。
次期装輪装甲車(人員輸送型)は、現有の96式装輪装甲車の後継とし
て、平成30年7月の装輪装甲車(改)の開発中止を踏まえ、国内外の複
数車種を選定し、各車両が自衛隊の運用等に供することを試験等により確
認した上で、最適な車種の選定を行った。
2.車種選定に係る経緯
車種選定にあたっては、令和元年5月、企業に対して試験用車種に関す
る提案を募集し、令和元年9月に試験用車種3車種を選定した。そのうち
1車種の車両(LAV6.0)が納期(令和4年3月30日)までに納入
されなかったため、残り2車種(NTKインターナショナル(株)及び三
菱重工業(株)からの提案による試作車)について、令和4年1月から試
験を行った。また、同年9月、同2社から提案書を受領し、予め定めた選
定手続に則って、提案車種の分析・評価作業を行った。
提案車種は以下のとおり。(50音順。別添資料参照)
区 分 提案車種 製造会社
国外既存車種
AMV
(既存車両)
Patria
(フィンランド)
国内試作車種
機動装甲車
(試作車両)
三菱重工業(株)
(日本)
装備取得委員会(議長:副大臣)における審議を経て、「AMV」を
期装輪装甲車(人員輸送型)として決定した
3.次期装輪装甲車(人員輸送型)に求められる性能等
(1)機能・性能
装輪装甲車は、島嶼防衛等の各種事態において、陸自部隊が迅速に展
開した際、敵の火力脅威が存在する中で、部隊の安全を確保しつつ人員
輸送等を確実に行うためには、装輪装甲車の防護力(装甲)、火力(搭載
火器)及び機動力(装輪)が有効である。今回の選定においても、必要
な防護性能や、火力性能、機動性能等の必須の性能を有することを求め
ているほか、特に隊員を防護するといった装備の特性上、防護力は重要
なため、更なる防護力を有する場合にはそれを評価することとしている。
(2)後方支援及び経費
整備性に優れ、かつ、整備、補給、技術支援の各種後方支援活動を合
理的なコストで実施可能であることなどを必要としている。
加えて、国内において生産可能であること、量産維持段階における経
費が安価であること、付属品の価格等についてもより優れた提案となっ
ている場合はそれを評価することとしている。
4.評価方法
(1)第1段階評価
機能・性能及び後方支援に関し、必須要求事項を全て満たすか否かを
評価し、一つの項目でも満たさない場合は選外とすることとした。
(2)第2段階評価
第1段階評価を通過した提案について、それぞれの提案事項について
100点を満点とする加点法により評価(基本性能、後方支援・生産基
盤、経費)を行い、その合計点の最上位の車種を採用することとした。
5.評価結果
(1)第1段階評価
2車種とも、全ての必須要求事項を満たした。
(2)第2段階評価
提案事項中の、基本性能については、「AMV」が最も優れていた。
後方支援・生産基盤については、全体として概ね同等の結果となった。
経費については、「AMV」が高い評価を得た。
合計点については、「AMV」が高い点数を獲得した。
(3)結 論
第2段階評価において最高点を獲得した「AMV」を次期装輪装甲車
(人員輸送型)として選定した。
6.その他
「AMV」は、現状、海外企業で製造されていることから、国内防衛生
産・技術基盤への裨益に鑑み、その取得にあたっては、日本企業受注によ
るライセンス国産を追求することとしている。
( 以 上 )

確かにパトリア AMVXP 8x8は次期装輪装甲車(人員輸送型)に決まっただけで、三菱重工業のMAV(Mobile Armored Vehicle)は共通戦術装輪車(近接戦闘車)から排除されたわけではない。

清谷が主宰する東京防衛航空宇宙時評2019年7月17日記事
陸上自衛隊、2系列の装輪装甲車ファミリーを導入へ
編集部2019年7月17日

防衛省が陸上自衛隊用に2種類の装輪装甲車ファミリー「共通戦術装甲車」と「次期装輪装甲車」を導入する方針であることが、当サイトの取材によってわかった。

「共通戦術装甲車」は16式機動戦闘車と共に即応機動連隊の中核を構成する8輪装甲車で、16式をベースとした三菱重工の「MAV」(Mitsubishi Armoured Vehicle)に絞られている模様で、本年度予算に参考品購入費として計上された23億円では、MAVが調達される可能性が高い。

共通戦術装甲車では歩兵戦闘車型、偵察型、120mm自走迫撃砲型などの導入が計画されているが、歩兵戦闘車型は装軌式の89式装甲戦闘車を後継する車輌ではないとの話もある。

「次期装輪装甲車」は96式装輪装甲車の後継という位置付けで、2018年7月に開発中止が決定した装輪装甲車(改)の調達計画を仕切り直したものと見られる。

次期装輪装甲車ではAPC(装甲兵員輸送)型、中期防衛力整備計画に導入方針が明記された装甲野戦救急車型などの導入が計画されており、APC型は令和5(2023)年度、装甲野戦救急車型は令和8(2026)年度から調達が開始される見込みとなっている。候補としてはパトリアのAMV XP、ジェネラル・ダイナミックス・ランドシステムズのストライカーなどの名前が挙がっている。

また防衛省は軽装甲機動車と高機動車の後継車輌の導入計画を進めている。この車輌の詳細な方向性は不明だが、装甲車輌となる可能性が高いと見られている。
 防衛省は陸上自衛隊用に2種類の装輪装甲車ファミリー「共通戦術装甲車」と「次期装輪装甲車」を分け2系統導入する方針であった。
これは、青息吐息の防衛産業を維持する為の政治的配慮で、「次期装輪装甲車」をコマツに、「共通戦術装甲車」を三菱重工に任せる予定調和だったのだろう。
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装輪装甲車(改)

2017年には「装輪装甲車(改)」の試作車が公開されたが、試作車両の防弾性能が陸自の要求値に足らないなど2018年に開発計画は中止となった。コマツはこれ幸いと防衛産業から撤退してしまったのだ、
結局このことが主要因だとされた。防弾性を満たす車体サイズにすると計画値より大型となり、公道での自力走行をクリアできる寸法や重量にならず、大きく重くなれば走行性・走破性・輸送性も低下する。問題点を大きく修正すれば開発コストも上がる。これらを理由に防衛装備庁は「装輪装甲車(改)」の開発を2018年に中止した。2019年9月10日、防衛省は次期装輪装甲車の「選定」について発表した。当時のリリースには「〜開発中止を踏まえ、①複数の試験用車種を選定し、②それらが自衛隊の運用等に供することを試験等により確認した上で、③最適な車種を選定する」とあった。 そして国内外の防衛装備(兵器)製造企業からの提案を受け、3つの試験用車種を選定した①機動装甲車「MAV(Mitsubishi Armored Vehicle)」三菱重工業製②○AMV(Armored Modular Vehicle)フィンランド・パトリア社製③LAV6.0(Light Armored Vehicle)カナダ・GDLS社製 

三菱重工は当然2系統の装輪装甲車ファミリー「共通戦術装甲車」と「次期装輪装甲車」のファミリー化を目論んだ。
共通戦術装輪車も次期装輪装甲車も同じ車輌であれば兵站や教育が共用されるだけでなく、装甲車メーカーが集約されるというメリットがありどう考えても合理的であり。むしろ分ける方が非合理的だ。だがいざ選定試験をしてみるとMAVよりもむしろAMVのほうがより機動力も高く、防御力、とくに耐地雷能力は優れているなど、三菱重工MAVで2系統を統一しファミリーなど無理であったようだ。

そしてパトリア AMVXP 8x8 が「次期装輪装甲車」に選定された。パトリア AMVXP 8x8は国内企業がライセンス生産をすることになっているが、その会社はパトリア社が選定することとなっている。常識的に考えれば入札コンペに負けた、三菱重工が選ばれることはない。国内には三菱重工・コマツ以外に装甲車製造の実績があるのは日立製作所しかなく、日立製作所が有力候補だが防衛省からは日立製作所は75式ドーザ後継 新型ドーザ(装甲付き)の情報開示があったが、他に発表は無かった。


清谷氏は共通戦術装輪車にはすでに三菱重工業のMAV(Mobile Armored Vehicle)が採用されており」とある。共通戦術装輪車にはすでに三菱重工業のMAVに決定されている」が正しいのか防衛装備庁のサイトを読み返したりネットで検索した。検索出来なかった。
唯一ヒットしたのが
当ブログ2020年06月07日記事


を読み返すと「共通戦術装輪車(歩兵戦闘型及び偵察戦闘型)が23億円別途予算が組まれている。次期装輪装甲車と共通戦術装輪車は別の契約で、共通戦術装輪車は三菱重工のMAV発展系を導入し、かつ、次期装輪装甲車を導入するという契約のようだ。」と分析していた・・・そうだった忘れていた!
だからと言って清谷氏の言うところの共通戦術装輪車にはすでに三菱重工業のMAV(Mobile Armored Vehicle)が採用されており」については疑問が残る。

だが三菱MAV共通戦術装輪車はけっして終了していない傍証を発見した!

鉄(HAGANE) アメカジCLOSETの回し者氏@MS07B3_2の2023年2月3日のTwitterツイートである。


場所: 大洗港フェリーターミナル

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https://twitter.com/MS07B3_2/status/1621368672928563200/photo/1

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https://twitter.com/MS07B3_2/status/1621368672928563200/photo/2

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2023年2月3日に茨城の大洗港で三菱重工業のMAVが目撃された、大洗港は北海道の苫小牧港とフェリーで繋がっている。北海道で試験を続行している可能性が高く三菱MAVは共通戦術装輪車として採用される可能性は高い。

三菱重工のドローンを撃墜する高出力レーザー装置の動画には高出力レーザー装置を搭載する
MAVが登場する。
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共通戦術装輪車とは?



陸自試作装輪装甲車の姿を捉えた!
 
 9月下旬。深夜の御殿場で、陸上自衛隊で試験中の試作装輪装甲車「共通戦術装輪車」の姿を、武若雅哉が捉えた。16式機動戦闘車をベースに開発中のこの車輌のうち、機動迫撃砲型と歩兵戦闘車型を撮影できたので、解説していこう。

御殿場に現れた試作車輌 

 9月29日の3時半頃、九州での試験走行を終えて横須賀港に到着した試作車輌が、東名道の御殿場インターに到着した。この車輌は、陸上自衛隊開発実験団装備実験隊が試験を進める「共通戦術装輪車」で、今回目撃されたのは30mm機関砲を搭載した歩兵戦闘型と機動迫撃砲型の2種類である。

共通戦術装輪車は89式装甲戦闘車(FV)の後継ではなく、現在別系統で試験が進められている次期装輪装甲車とも用途が異なる。これまでの陸上自衛隊が持っていなかった、新しいコンセプトで開発された車輌なのだ。

〇ファミリー化でコスト低減 

これまで、陸自では用途ごとに別の車輌が開発され、調達費が高騰し充分な数を配備できない、という前例が多くあった。そこで、諸外国の同種車輌のように車体を共通化(ファミリー化)し、車体上部だけを新規開発することで、製造や維持・整備にかかるコストを減らそうという動きが本格化。装輪戦闘車輌として大量調達に成功した16式機動戦闘車の車体を流用することで、これまでの装備品と比較して開発期間と費用の低減を目指すのである。〇さまざまな派生型〇まず歩兵戦闘車型(現状陸自ではそのように呼ばないはずだが、便宜的に呼称)だが、これは主に普通科部隊や即応機動連隊などに配備されると考えられている車輌で、無人砲塔に30mm機関砲Mk.44ブッシュマスターⅡと7.62mm機関銃Mk.52ブッシュマスターを搭載している。車体そのものは16式機動戦闘車と共通化されているため、脚周りや操縦系統などはほぼ同じと考えられる。ちなみに、採用されれば無人砲塔は陸自初となる。また、後部に監視用センサーなどを搭載した偵察型にも発展するため、将来的に全国の偵察戦闘大隊への配備が進められることであろう。

歩兵戦闘車型は全国の普通科部隊を機械化させるのに充分な性能を有していると考えられ、部隊の即応機動展開に大きく寄与するほか、戦闘時にも普通科部隊に装甲を与えることで、隊員の生存率向上が図られるはずだ。

機動迫撃砲型では、これまで高機動車でけん引していた120mm迫撃砲が自走化され、車輌に搭載したまま射撃できるようになる。すでに第7師団の第11普通科連隊が装軌式の96式自走120mm迫撃歩兵戦闘車型砲を運用しており、概ね同じような使い方となるであろう。ただし、第7師団のような機甲部隊において、装輪式の機動迫撃砲型が装軌式の戦車に完全に追従することは難しく、96式を代替するものにはならないものと思われる。つまり、機動迫撃砲型は、全国に緊急展開する即応機動連隊の運用にマッチした装備であるといえそうだ。

機動迫撃砲型
 
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御殿場インター料金所に進入する機動迫撃砲型。LEDヘッドライトはまさに「爆光」で、正面からの撮影は困難だった。車体前面形状は16式機動戦闘車(MCV)とよく似ているが、キャビンが設けられる車体後部の高さが上がって車体前方上面装甲の傾斜が増している。MCVと同じく、後ろの二輪の間に巻き込み防止用のライトが配されている
 
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車体側面。エンジンルームや操縦席がある車体前部の上面装甲には、5cm程度の隙間が作られている。これは試験用の仮装甲なのか、それとも中空装甲の類なのだろうか。操縦手ハッチの開き方もMCVとは異なるようだ。タイヤサイズは395/85R20で、16式機動戦闘車や輸送防護車と同じ。ほかにも派生型として人員輸送タイプや救急車タイプなども開発される予定だという
 
歩兵戦闘車型
 
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歩兵戦闘車型は試験中の無人砲塔を搭載。砲塔に乗員用ハッチはあるが、戦闘時は車内から操作するというものだ。北海道でしか実運用されていない89式装甲戦闘車と同クラスの火力が、全国の普通科部隊に行きわたるか…? また、分割された装甲板が車体や砲塔にボルト止めされており、上面装甲は必要に応じて交換可能になっているものと思われる
 
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試験走行を終え、富士駐屯地の正門を潜る。これからは東富士での試験が重ねられると考えられる 
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こちらは機動迫撃砲型の後部。WAPCよりも若干小さめな後部ランプと、手動開閉できる乗降扉を確認できる。普通科隊員であれば見慣れた作りであろう
 

TEXT&PHOTO:武若雅哉

共通戦術装輪車とは?

かつて防衛省が開発を検討していた40mmテレスコープ弾機関砲を搭載した近接戦闘車(きんせつせんとうしゃ)は、対空戦闘車両を中心とした研究げあったがファミリー化が検討され、肝心の40mmテレスコープ弾機関砲を搭載した近接戦闘車は2006年(平成18年)度~2009年(平成21年)度にかけて要素研究(近接戦闘車用機関砲システムの研究)が行われたが、装備化に向けた開発事業は行われなかった。そもそも近接戦闘車はのファミリー化は火砲無搭載車両→指揮通信車・補給支援車・人員輸送車
火砲搭載車両→対空機関砲搭載車・対地機関砲搭載車・(Ⅰ)(人員輸送型)(Ⅱ)(偵察型)・りゅう弾砲搭載車・迫撃砲搭載車・対戦車砲搭載車・多連装ロケット弾発射機・地雷原処理車 が計画された。

 対戦車砲搭載車型が16式機動戦闘車MCVとなり、榴弾砲装備型が 19式装輪自走155mmりゅう弾砲となった、(Ⅰ)(人員輸送型)(Ⅱ)(偵察型)は「共通戦術装甲車」指揮通信車・補給支援車・人員輸送車は「次期装輪装甲車」に引き継がれ「次期装輪装甲車」/指揮通信社型がパトリア AMVXP 8x8であり、迫撃砲搭載車型 (Ⅱ)(偵察型)/歩兵戦闘車型が「共通戦術装甲車」となったようだ。


共通戦術装輪車は16式機動戦闘車とともに機動連隊に配備される。 より高い脅威に対処する装甲車で、高い生存性が必要とされ、武装も30ミリ機関砲などを搭載する。


2022 年 10 月 7 日

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ファミリー化ファミリー化と毎度お題目のように叫ばれ、基盤となるシャーシーを共通化するファミリー化は、整備コストおよびライフサイクルコストの抑制や、運用性を向上させると16MCV採用時も「将来装輪戦闘車両」をベース車両とし、各種車両型によるファミリー化が構想された。
結果として大ファミリー化に程遠い核家族化したファミリー化・・・そこにフィンランドのパトリア AMVXP 8x8が加わり今後メインテナンスが混乱しないか心配だ。

共通戦術装輪車とは名ばかりの結果となった。今後三菱MAVがファミリー化してパトリア AMVXP 8x8を喰うか、パトリア AMVXP 8x8ががファミリー化して三菱MAVを完全に喰うかは定かでなく予想はできない。

また明日以降書きたいがコマツの撤退はLAV軽装甲機動車のメインテナンスと後継車輛に大きな禍根をひきおこしている。コマツが防衛部門から撤退したのは永年のお荷物だったのが原因だが中国市場に注力で成長遂げたコマツが中国に忖度したか、コマツ経営陣に中国共産党から何らかの圧力があった可能性を疑っている。

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しかし、コマツは不動産バブル崩壊チャイナリスクの急速な高まりで脱中国を急速に急いでいる。


パトリア AMVXP 8x8国内企業がライセンス生産をすることになっているが、その会社はパトリア社が選定することとなっている。コマツは。パトリア社と提携し再度防衛部門に再参入しないだろうか?