9回2ーアウト、フルカウント最後なんと大谷翔平対エンゼルスの同僚マイク・トラウト、最後はストライクアウト。野球漫画のような出来すぎた試合であった。 

個人的にはWBCは優勝こそしたが、優勝して当たり前今一つ、予選リーグの突破が絶望的だった年末のサッカーワールドカップほどには興味が湧かずエキサイトしなかった。しかしながら野球の素晴らしさを伝え、野球人気の復興を感じる大会であった。

サッカーワールドカップとWBCは、その世界的熱狂度もビジネス規模も、まったく比較にならないイベントだ

まずサッカーワールドカップの主催者FIFA(国際サッカー連盟)211ケ国は、国際連合の加盟国193よりも多い。ワールドカップの規模は夏冬のオリンピックに匹敵する世界的イベントと言えよう。

FIFAは、プロ、アマを問わず、また男子、女子を問わずすべてのサッカークラブ、リーグ、連盟の上に君臨している最高機関だ。ワールドカップは、そのFIFAが主催する最高の国際大会だ。

これに対し野球のワールドカップは廃止されWBCが最高の国際大会となっている。主催者はメジャーリーグベースボールを主催、運営するMLBでありそれとMLB選手会だ。つまり「アメリカのプロ野球リーグが、世界大会を主催、運営している」。サッカーでいえばイギリスのプレミアリーグやドイツのブンデスリーガがワールドカップを主催しているようなものだ。

21世紀以降、MLBのスター選手の年俸はしと巨額の契約を結んでいる。。その選手たちがMLBのペナントレースと無関係のないWBC大会でけがや故障をするのは避けたい。MLB球団オーナーやWBCは選手たちも故障やケガを避けたいのでサッカーワールドカップと違い最高最強選手は出ていなかった。

2009年、第2回WBCで優勝した日本のエース、当時ボストン・レッドソックスの松坂大輔が、以後、不振に陥り復活することなく引退したことから、MLB球団のオーナーたちは、エース級の先発投手は一切出さなくなった。

WBCは2006年に始まったが、開始当初は主催国のアメリカでもほとんど話題に上らなかった。春季キャンプ中のメジャーリーガーの中には「エキシビションゲーム(オープン戦)だろ?」という選手もいた。調整期間中の3月に真剣勝負をすることを忌避する選手も多く、WBCはオールスターメンバーとはいい難かった。WBCが盛り上がるわけがなかった。

国の名誉や勝利の価値などお構いなく拝金主義優先のスポーツ競技が面白いわけがなく。
「北米4大プロスポーツリーグ」がある。野球=MLB、バスケットボール=NBA、アメリカンフットボール=NFL、アイスホッケー=NHLの4つだが、MLBのスタンドは空席が目立ち米国内ですら人気に陰りが見えその結果野球はマイナースポーツとなっていき五輪競技からも外れてしまった。

野球は1992年にオリンピック公式競技となったが、MLBは選手を派遣していない。2021年の東京五輪では日本が優勝したが、アメリカはマイナーリーガーが中心だった。競技人口が少ないことなどもあり2024年のパリ五輪以降は五輪競技からは外れている。


WBC2023では、アメリカは現役最高の選手と言われ、大谷翔平の同僚でもあるエンゼルスのマイク・トラウトがキャプテンを務め超大物選手が出場の名乗りを上げた。

米国チームは「史上最強」と言ってよいチームで。ドミニカ共和国、メキシコも「史上最強」

もちろん侍ジャパンも神っているカブスの鈴木誠也が出れなかったのは残念だったが大谷翔平を筆頭にダルビッシュ山本由伸、佐々木朗希に、ラーズ・ヌートバー。史上最強チームは本物だった。


WBC2023は準々決勝以降は本当に野球漫画のように面白かった。MLBがちょっとだけWBCを真剣に戦わせたからであろう。ウクライナ侵攻戦争以降、個人主義から国益主義へ少しだけ傾いた。本物の戦争より国のプライドをかけたスポーツ競技の戦いの方が戦争より良いにきまっている。

また本物の戦場で勝ちさいすればそれでいいとはせず、名誉を重んじた日本や欧州では武士道騎士道が生まれ、スポーツでもフェアプレーの精神が受け継がれている。野球はラクビーと同じくフェアプレーの精神が大切だ。

フェアプレーのスポーツ競技の試合が賞賛されれば戦争もロシアのウクライナ侵攻戦争みたいなフェアプレーに程遠い戦争を少なくするかもしれません。

WBC2023が野球人気の復興の転換点となったらやはりWBC2023MVPの大谷翔平の存在が大きいだろう。大谷翔平がトラウトの自尊心愛国的ベースボール愛に火をつけ、最強のメジャーリーガーの招集が可能となった、最強のメジャーリーガーが戦ってこそ最高の試合を演出でき、野球人気の再興/世界的広がりのきっかけとなるかもしれません大谷翔平はそのうち伝説の野球の神様になるのだろう。

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