新型FFMのイメージ図が公表された。2023年の記事中紹介した三菱重PACFIC2019で紹介された大型対空戦闘艦FMF-AAWのイメージに近い可能性があったが、奇を衒うことなく「もがみ」型の拡大型となった。「もがみ」型FFMはVLSが後日装備となっており搭載対空ミサイルも、ESSMミサイルになるのか、現在テスト中で来年実用化配備予定の24式対空誘導弾(仮称)となるのかよくわからない。

24式対空誘導弾は07式垂直発射魚雷投射ロケットに03式中距離地対空誘導弾 (改善型) を組み合わせた高性能長距離対空ミサイルでSM-6を凌ぐと言われている。ただ大型となESSMミサイルならMk41VLSには1セル4発収納できたが、24式は1発しか収納できない。

03式中距離地対空誘導弾 (改善型) の射程は公表されていないがwiki等には60km以上とあるが現在艦対空ミサイルの射程はトップシークレットなのかカタログスペックがあいまいにされている。個艦防御用ESSMミサイルの最大射程は27海里(50km)だが有効射程は10海里(18 km)強程度とされている。RIM-66MSM-2MRブロックIII(SM-2)最大射程166.7 kmSM-6の最大射程は370kmとされており24式対空誘導弾の射程は少なくとも03式中距離地対空誘導弾 (改善型) の60kmを大幅に上回るがSM-6の性能に匹敵すると噂されるが最大射程は370km程度まであるかは不明だ。だが対HGV用の長射程迎撃ミサイル(AD-SAM:AreaDefence-Surface-to-Air Missile)のベースとなり24式対空誘導弾は長射程のSAMである可能性が高い。

24式対空誘導弾は07式垂直発射魚雷投射ロケットに03式中距離地対空誘導弾 (改善型) を組み合わせた高性能長距離対空ミサイルでSM-6を凌ぐと言われている。ただ大型となESSMミサイルならMk41VLSには1セル4発収納できたが、24式は1発しか収納できない。


その為多数のVLSが必要となりFMF-AAWのような新型FFMも考えられた。新型FFMと「もがみ」型のおおきな相違点がマストである「もがみ」型の マスト・トップは複合通信空中線[NORA-50]で、その下の四角形はFCS-3(00式射撃指揮装置3型)の改良型である多機能レーダー[OPY-2]、Xバンド用とCバンド用の二つが4面にある。OPY-2では対空・対水上レーダや電子戦装置のアンテナ等の共用化され
目標の捜索から探知・追尾、そして砲による射撃指揮までを担当している。

新型FFMでは、レーダーの取り付け角度が左右方向で45度変更されている。また各面のパネルが1枚増えているが、現時点では用途等不明です。射撃指揮装置もOPY-2の改良型が搭載されると思いますが新型パネルは、OPY-2の改良型の一部なのか否か不明です。まったくの私見ですが高出力マイクロ波照射用パネルの可能性があると思います。現在ウクライナ侵攻戦争でロシアのクラスハ-対空電子戦(EW)システム(電波妨害装置)は対ドローン用に使用され効果をあげています。現在自衛隊内でも高出力マイクロ波照射技術の研究が行われており「高出力モジュールを用いたフェーズドアレイ型の空中線を実現する」と記されており高出力マイクロ波照射用パネルの可能性があると思います。ただし高出力マイクロ波照射技術の研究 のスケジュールでいくと令和9年所内試験ですのでいささか新型FFM新造時の搭載には時期尚早かもしれませんが令和6年度概算要求の概要にも高出力マイクロ波(HPM)に関する研究(26億円)が計上されています。
高出力マイクロ波照射技術の研究 には【将来のミサイル対処システム】ミサイル対処用HPMシステムとあり将来的に対艦ミサイル迎撃用と書かれており、新パネルは空中線装置=高出力マイクロ波波照射装置の可能性があると思います。新型FFMが、艦齢40年になる頃には高出力マイク波照射装置は標準装備となっている可能性が高く、建造計画段階から設置場所が確保されていると考えるのは合理的だ。
高出力マイクロ波照射技術の研究 には【将来のミサイル対処システム】ミサイル対処用HPMシステムとあり将来的に対艦ミサイル迎撃用と書かれており、新パネルは空中線装置=高出力マイクロ波波照射装置の可能性があると思います。新型FFMが、艦齢40年になる頃には高出力マイク波照射装置は標準装備となっている可能性が高く、建造計画段階から設置場所が確保されていると考えるのは合理的だ。
ところが・・・・・8/31令和6年度概算要求の概要を観て驚いた。


公開は8/31令和6年度概算要求の概要の方が新しいが 8/25公開新型FFM(護衛艦)に係る調達の相手方の決定についてのイラストの方が実際新型FFMに近いと思います。
だが令和6年度概算要求の概要にいくつか注目点がある。
新型VLSには「12式地対艦誘導弾能力向上型(艦発型)の可能性もあるがイラスト注釈に長射程ミサイルの搭載とあるので24式対空誘導弾(仮称)の可能性もある。「12式地対艦誘導弾能力向上型(艦発型)は常識的に考えれば対艦ミサイル発射装置に搭載するであろう。
12式地対艦誘導弾能力向上型(イメージ)令和6年度概算要求の概要 17/54にサプライズのイラストがあった

戦闘支援型多目的USVの研究(イメージ)、USV(供試器材)の試験的運用(イメージ)
USV(供試器材)の試験的運用(イメージ)に描かれている母船は新型FFMに見える。戦闘支援型多目的USVは※ : USVとはunmanned surface vehicle(無人水上航走体)を意味する略語ですが第一印象はUUV(Unmanned Underwater Vehicle)に見えるが試験的運用イメージ上でUSVは水上を高速で疾走している。
更に注釈が謎である。「警戒監視や対艦ミサイル発射等の機能を選択的に搭載し、
有人艦艇を支援するステルス性を有したUSV」「USV(供試器材)の試験的運用(160億円)
USV運用の知見を早期に獲得するとともに国産USVの開発促進を図るため、各国で運用実績のあるUSVを供試器材として取得。」と記述してある。
他に運用実績のあるUSVなど思い浮かばないが、「運用の知見を早期に獲得する」に該当しそうなものは1つだけあるが、
あくまでもしいていえば潜水艦自動追跡ロボットのDARPAのSea Hunterしか思い浮かばない。
あくまでもしいていえば潜水艦自動追跡ロボットのDARPAのSea Hunterしか思い浮かばない。
防衛装備庁、新型FFM建造に関する企画提案を三菱重工業とジャパンマリンユナイテッドの2社と契約【yahooニュース】高橋浩祐米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員5/15(月) 22:57
もがみ型護衛艦「FFM」1番艦もがみ(海上自衛隊)防衛装備庁は、海上自衛隊のもがみ型護衛艦「FFM」の後継となる新型FFMに関する企画提案を三菱重工業とジャパンマリンユナイテッド(JMU)の2社とそれぞれ契約した。来年度以降に建造契約を締結する新型FFMの企画提案で、この2社のうちの1社から建造者を決定することになる。防衛装備庁の発表によると、企画提案は随意契約となり、契約額は三菱重工業が1540万円、ジャパンマリンユナイテッドが1496万円となっている。契約日はともに今年3月31日。両社から企画提案への応募があり、防衛装備庁は建造態勢(ドック繰り、保有工数等)や建造技術、品質管理といった建造能力を審査した結果、両社が新型FFMの建造能力を有していると認めた。また、公募に先立って実施した業態調査においても、新型FFMと類似の機能や性能を持つ同規模の艦船の建造実績を有するのは両社のみで、新型FFM建造に必要な技術と設備を有する、あるいは有する見込みのある社も両社以外に認められなかったと説明した。もがみ型は、平時の監視警戒といったこれまでの護衛艦運用に加え、有事には対潜戦、対空戦、対水上戦などにも対処できる新艦種の多機能護衛艦(FFM)だ。海自護衛艦として初の対機雷戦能力を有する。もがみ型は年2隻というハイペースで建造が進められ、当初は計22隻が建造される計画だった。しかし、もがみ型は令和5(2023)年度計画艦までの計12隻で建造を終了。昨年12月に閣議決定された防衛力整備計画に基づき、令和6年度計画艦からはもがみ型に代わる新型FFMの計10隻が建造される予定だ。●今年に入り、動き出した新型FFM新型FFMの計画は今年に入り、ぐっと動き出した。防衛装備庁は1月25日、「『新型FFMに係る企画提案契約』の参加希望者募集要領」を公示した。これに基づき、海自は同月31日、建造業者向けに令和6年度以降に建造契約を締結することを想定した新型FFMの企画提案要求書についての説明会を実施した。この企画提案要求書に関する製造業者からの意見の提出期限は2月9日で、契約応募(入札)の締め切りは同月27日だった。説明会にも応募にも参加したのは、現在もがみ型を製造している三菱重工業と、ジャパンマリンユナイテッドの2社だけだった。この2社から防衛省に対する新型FFMの企画提案書の提出締め切り期限は8月31日となっている。新型FFMは既存のもがみ型と何が変わるのか。詳しくは以下の関連の拙稿をお読みください。(関連記事)●海上自衛隊の最新鋭もがみ型護衛艦6番艦「あがの」進水 艦名は阿賀野川に由来●海上自衛隊の最新鋭もがみ型護衛艦5番艦「やはぎ」進水 艦名は矢作川に由来
米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員
英軍事週刊誌「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」前東京特派員。コリアタウンがある川崎市川崎区桜本の出身。ホリプロ所属。令和元年度内閣府主催「世界青年の船」日本ナショナルリーダー。米ボルチモア市民栄誉賞受賞。ハフポスト日本版元編集長。元日経CNBCコメンテーター。1993年慶応大学経済学部卒、2004年米コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールとSIPA(国際公共政策大学院)を修了。朝日新聞やアジアタイムズ、ブルームバーグで記者を務める。NK NewsやNikkei Asia、Naval News、東洋経済、週刊文春、英紙ガーディアン、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ等に記事掲載。
コメント
コメント一覧 (1)
佐世保湾の鼻先の黒島付近で何事か訓練していたみたいでしたが、漁船で通りがかった自分を警戒してかゴムボートの乗組員を保護するように回頭したのには驚きました。
Ddog
が
しました