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カテゴリ: 国家戦略(予算インテリジェンス)


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【航空万能論】興味津々の海外メディア、日本が誤って極超音速ミサイルの画像を漏洩?

【産経ニュース】2020.8.9 22:0 

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政府が保有を目指す敵基地攻撃能力について、島嶼(とうしょ)防衛用に計画している長射程ミサイルなどで敵ミサイルや施設を攻撃する案を軸に検討を進めていることが9日、分かった。衛星などで標的を特定し、敵レーダーを無力化して航空優勢を築いた上で戦闘機が爆撃する完結型の「ストライク・パッケージ」を独自保有する案も検討したが、費用対効果などに難点があり見送る。複数の政府関係者が明らかにした。

 政府は北朝鮮などを念頭に置いた敵基地攻撃能力として、標的から離れた位置から敵の拠点を打撃する長射程ミサイルを中心に検討を進める。「JASSM(ジャズム)」、極超音速誘導弾などの候補から絞り込む。長射程巡航ミサイル「トマホーク」を米国から購入する案もある。

 JASSMなどは平成30年に改定した「防衛計画の大綱」や「中期防衛力整備計画」で調達・研究するとしていた。敵基地攻撃能力ではなく、敵が日本の離島を占拠した場合に奪還するような島嶼防衛用と位置付けていた。

 河野太郎防衛相は敵基地攻撃能力について、(1)移動式ミサイル発射装置や地下基地の位置特定(2)敵レーダーや防空システム無力化による航空優勢確保(3)ミサイル発射基地の破壊(4)攻撃効果の評価-などで構成されると説明していた。これらは総体として「ストライク・パッケージ」と呼ばれる。

 ただ、移動式発射装置に搭載したミサイルの位置をリアルタイムで特定することは難しいとされる。ストライク・パッケージには戦闘機の大量な追加配備が必要で、敵レーダーを無力化するための電子攻撃機や対レーダー・ミサイルなどの装備取得には多額の予算を要する。

 これに対し、長射程ミサイルは比較的低コストで調達可能で、運用次第で期待する抑止効果が確保できる。敵基地攻撃能力の保有に慎重な公明党にとっても、すでに調達・研究が決まっている装備であれば受け入れやすいとみられる。

 自民党ミサイル防衛検討チームは「相手領域内でも阻止する能力」の保有検討を政府に求めている。政府は敵基地攻撃能力とは別に、配備計画を断念した地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の代替策も検討しており、これも含めた方向性を9月末までにまとめ、年末までに国家安全保障戦略の改定を目指
突如2018年度予算案に滑空弾が予算計上され、早期装備型Block1と性能向上型Block2に分けられている段階で、早期装備型Block1が沖縄本島から尖閣に届く500km以上の射程があり、性能向上型Block2は、尖閣だけでなく、半島や大陸奥地の敵基地攻撃用に用いられることは、規定路線であったと思う。

突如島嶼防衛用ミサイルを敵基地攻撃に転用したわけではなく、予め練られた計画なのだ。
また、多種多様なCM(C
ruise Missile:巡航ミサイル)も導入するが、その役割を解説する。

Joint Strike Missile(JSM)
F-35A/B専用巡航ミサイル ノルウェーの対艦ミサイルNSMを元に現在開発中だが2025年から運用が始まる。対艦・対基地ミサイル
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JSMはノルウェーのコングスベルグ・ディフェンス&エアロスペースがNSMを元にF-35向けに開発中の高亜音速対艦/対地/巡航ミサイルである。

F-35の胴体内武器槽に収納できるサイズで設計され、ステルス性の高い形状の長射程対艦ミサイルで艦艇発射、陸上発射用のNSMミサイルの空中発射派生型と言える。ノルウェー空軍のF-35Aはもとより、米軍のF-35への装備も進められている。防衛省も相手の脅威圏外(スタンド・オフ)から対処できるスタンド・オフ・ミサイル導入の一環として、2018年度から導入を決めていたもの。敵艦艇の侵攻阻止、上陸部隊の排除、BMD対応中のイージス艦の防護などの任務にあたり、在来の空対艦誘導弾では射程が短く、隊員の安全が確保できないことも導入の理由とされている。

 Joint Air-to-Surface Standoff Missile(JASSM-ER)
F-15JSIとF-2、F-3用対基地用(対艦も可)亜音速ステルス巡航ミサイル(相対的安価)
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2017年に編成された平成30年度防衛予算においてスタンド・オフ・ミサイルの導入が着手されたが、その一環として、F-15Jなど航空自衛隊の戦闘機にJASSMやLRASMを搭載することを想定した適合性調査が盛り込まれた。日本が導入する「JASSM」はJASSM-ERであり、射程926km以上

JASSMは、1986年に陸海空の3軍共同開発に取り組んだ「AGM-137“TSSAM”」を元に開発された世界初のステルス巡航ミサイルである。

当初、1発あたりの価格を約72万ドルに設定していましたが、1994年には200万ドルまで価格が上昇することが確実になったため開発中止。1995年、米空軍単独で再度開発が始まり、「低価格」と「ステルス」です。1発の価格は、85万ドル(約9,500万円)と、高いと批判されたトマホークよりも更に低価格で収まった。

JASSMの射程370kmを、925kmに延長したのが、「JASSM-ER」ですが、1発の価格は135万ドル(約1.5億円)。

 Long Range Anti-Ship Missile (LRASM)
F-15JSIとF-2、F-3用対艦(基地用も可)亜音速ステルス巡航ミサイル
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空軍の「AGM-158B JASSM-ER」を、元にして作られた海軍バージョン。ステルス対艦ミサイル射程は800kmとJASSM-ERに比べ少し短くなっています。

トマホーク 地上発射、水上艦、潜水艦より発射可能 対基地用
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【産経ニュース】2020.7.27 17:45 

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自民党・ミサイル防衛のあり方を検討するPTの会合に臨む(右手前から)中谷元氏、石破茂氏、小野寺五典氏、浜田靖一氏、岩屋毅氏、林芳正氏ら歴代防衛相=6月30日、東京・永田町の自民党本部(春名中撮影)

「敵基地攻撃能力」の保有に向けて議論を進めている政府・自民党内で、米国製で英国にしか売却されていない長射程巡航ミサイル「トマホーク」の配備論が出ている。通常弾頭型で約1300キロ以上飛び、北朝鮮や中国を射程に収める。両国は日本を狙えるミサイルを多数保有しており、「撃ったら撃たれる」と発射を思いとどまらせる抑止力向上への期待がある。

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の計画断念を機に、自民党は先月末からミサイル防衛のあり方に関する検討チーム(座長=小野寺五典元防衛相)を開いている。その非公開会合では、敵のミサイル攻撃に対して「迎撃だけでは対応しきれない」と敵基地攻撃能力保有を求める意見が相次いでいる。複数の防衛相経験者や国防族の有力議員は「手段の一つ」(中谷元・元防衛相)などとトマホーク導入を主張した。

 防衛省関係者は「海上自衛隊の護衛艦のキャニスター(格納容器)を少し改修すればトマホークを搭載できる」と語る。日本海上のイージス艦や護衛艦からなら北朝鮮のほぼ全域、東シナ海上からは一定の中国領土を射程に収める。

 防衛省関係者は、どの海自艦が搭載しているのか敵は判別できないという戦略上の利点もあるとし、「『能力保有』を宣言しなくても、攻撃されたら反撃できるトマホークを持つことが抑止力になる」と説明する。

 防衛省は、射程約500~900キロの外国製巡航ミサイルの導入も決めている。主に戦闘機搭載用だが、敵領空への接近はリスクもあり、佐藤正久前外務副大臣は9日の参院外交防衛委員会で「イージス艦だと(敵基地から)遠くの安全な場所から撃てる」と主張。敵ミサイル発射の探知・追尾段階で米海軍との連携も「容易」とトマホークの利点を強調した。

 日本を取り巻く周辺国の脅威は高まっている。北朝鮮は日本を射程に収める弾道ミサイルを数百発保有。相手の迎撃能力を超えるほどの連続発射を行う飽和攻撃の技術を高めている。中国は約2000発の弾道・巡航ミサイルを配備。その多くが日本を射程に収めるとされる。

 同性能の巡航ミサイルの国内開発には数年以上を要する。政府関係者によれば、平成25年ごろの日米の非公式協議で「トマホークは売却しない」との方針を米側から伝えられたことがある。ただ、「トランプ大統領と安倍晋三首相の信頼関係があれば米政府は売却を認める」との見方も強い。調達価格はイージス艦が搭載している弾道ミサイル迎撃用の「SM3」の10分の1程度で済む可能性があるという。(田中一世)

島嶼防衛用高速滑空弾の現状と今後の展望
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この図から推測すると、亜音速CMがトマホーク射程1300kmだと仮定すると、超音速CMはい単純に7割900km台 亜音速CMが1000kmだったとしても700kmということは、
まのところ超音速CMはASM-3改しかない。ASM-3改の射程は400km+で、500km弱であると予想されているが、ひょっとすると驚きの1000km弱の可能性がある。

高速滑空弾の射程だが、前期型・後期型の区別がわからないが、あくまでもこの図から判断し、亜音速CM射程が1000km~1300kmだとしたならばおおよそ射程は1400km~2000kmと推定される。
極超音速ミサイルSCRAM推進CMの射程は1500km~2000km超ではないか?





http://blog.livedoor.jp/nonreal-pompandcircumstance/202003archives/50830086.html

NationalInterest誌 日本語(超)訳
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日本の新しいマッハ5の空母キラーミサイルは、中国への返答だ 
対空母ミサイルは中国の専売特許ではない
【NationalInterest】デビッド・アックス2020年3月19日 

キーポイント:  日本の極超音速ミサイルは、南シナ海および東シナ海での中国の長年にわたる環礁を浚渫しで建設した要塞への直接的な返答です。

日本の自衛隊は、中国空母の甲板を貫通するための特別な弾頭を備えた極超音速対艦ミサイルの開発を検討しています。

日本の防衛省は、2026年から島嶼基地に配備するために、HVGP「超高速滑空発射体」と呼ばれるものを開発しています。

日本の武器の呼称方法は時に不適切です。米国の用語では、音速の5倍より速く移動する誘導ミサイルは「極超音速」兵器です。アメリカ人は、高速で誘導のない大砲の砲弾に対して「超高速」の指定を保留しています。

いずれにせよ、東京は新しいHVGPで中国軍を敗北に導こうとしています。2026年に配備される島嶼防衛用高速滑空弾は毎日新聞によると、ブロック1早期配備型は「日本の離島に侵入可能性の敵をターゲット」にしていると報告されました。

2028年度以降に設置可能なブロック2能力向上型」が開発され、爪型のペイロード、強化された速度と射程距離、複雑な軌道を飛行することができる。

2026年以降「航空母艦のデッキを貫通することが可能な弾頭」に改良できる。

HVGPはブーストグライドシステムです。ロケットの上で打ち上げられ、ブースターから分離し、GPSに導かれて、極小音速で目標に向かって滑走しながら、小さなコースの修正を行います。

日本人が中国の航空母艦をターゲットにするために特に考慮している特別な「ペイロード」は不明です。極超音速ミサイルの運動エネルギーだけで、ほとんどのターゲットを無効にしたり破壊したりできます。

数十年に及ぶ開発の後、極超音速兵器がついに最前線に登場し始めています。2019年後半のロシア国防省は、アバンガードの地対地極超音速ミサイルを配備したと主張しており、ロシアが運用可能な極超音速兵器を投入した最初の国の1つになった可能性があります。

中国のメディアは、中国が2つの極超音速地対地ミサイルをテストしていると主張した。DF-17は、中華人民共和国の創立70周年を記念した2019年10月のお祝いの一環として初めて公開されました。2番目のミサイルであるXingkong-2は、DF-17と比較して詳細が異なると伝えられています。

アメリカ空軍は、2019年6月に独自の極超音速空中発射ラピッドレスポンスウェポンの飛行テストを成功裏に実施しました。ALRRW は、早くも2023年に就航することができました。B-1およびB-52爆撃機は両方とも新しい武器。

一方、米海軍と米軍は、マッハ5プラスミサイルのブースターと極超音速兵器の第2ステージの一般的な滑走体の共同開発に取り組んでいます。海軍は、バージニア級攻撃潜水艦の新しいブロックVバージョンを高速ミサイルの初期発射プラットフォームとして特定しました。

日本の極超音速ミサイルは、南シナ海と東シナ海での長年にわたる環礁を浚渫しで建設した要塞への直接的な返答です。「中国政府の船舶は、尖閣諸島の近くの隣接地帯を航行し、日本の領海に侵入していることが頻繁に発見されています」と毎日では述べています。

陸上自衛隊の既存の兵器は、日本から最も外側の中国の前哨基地を攻撃する範囲に到達していません。「沖縄本島と尖閣諸島は約420キロメートル(261マイル)離れていますが、[陸自の]現在のミサイルの射程距離は100キロメートル(62マイル)をわずかに超えています」と毎日新聞は書いています。

「南西諸島を保護するための長距離滑空ミサイルの導入により、日本は海上自衛隊の船舶や航空機を配備することなく中国の活動に対応することが可能になるでしょう。」

防衛省は、2018年および2019年度の離島の防衛のためのHVGPの研究予算に合計185億円[1億7000万ドル]を割り当て、2020年度予算にさらに250億円[2億3000万ドル]を追加する予定です。 」論文は続きました。

新しいミサイルは最前線から何年も離れているが、すでに論争を引き起こしている、と毎日新聞は報道している。国会の議員の中には、新しい能力を獲得することで、自衛隊、つまり日本の軍隊が他の国の領土を直接攻撃することを可能にし、「日本の専守防衛の政策から逸脱する」 と騒ぐ輩がいる。

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シーバスター弾は空母の甲板を貫通するために特別に設計された装甲貫通弾頭だが、極超音速の対艦ミサイルが、中国の空母、たとえ米軍の原子力空母でもマッハ3で突入すれば、通常弾で十分に有効で、むしろ突き抜けてしまうのでおかしいと思っていた。

中国の空母には、自由落下爆弾やJDAM(誘導滑空爆弾)にシーバスター弾が向いている。
もしかしたら、シーバスター弾は空母は空母でも、南沙諸島の不沈空母、環礁の滑走路へ打ち込む為ではないか?常に浚渫し、島に砂を積み上げていないと沈没浸水しているという。そんな脆い滑走路にはシーバスター弾は有効かもしれない。

陸上攻撃版は高密度で爆発的に形成された発射体、またはEFP弾はエリア抑制に利用するので、超高速滑空発射体:HVGPの弾頭向きである。

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高密度EFP弾は上陸部隊上空に鉄の破片を降らせるもので弾頭があるとクラスター爆弾禁止条約違反となってしまいます。また、シーバスター弾はHEAT弾(成形炸薬弾)ですからEFP弾の技術を応用して上陸部隊にばら撒ければかなり効果的だと思う。

超高速滑空発射体:HVGPは、慣性航法システム(INS)で衛星航法を介して航行することを期待しています。

日本は、自衛隊の継続的な測位を可能にするために独自の7つの衛星のネットワークを確立しようとしています。これにより、外国の衛星に依存することなく継続的な航法データを提供できます。

弾頭誘導は、ドップラーシフトデータから変換された無線周波数イメージングまたは赤外線シーカーのいずれかだ。

しかし、日本が実行可能なスタンドオフ極超音速兵器能力を発揮できるようにするために、極超音速誘導システム、弾頭およびミサイル体の熱遮蔽、極超音速推進システムなどの分野で多くの作業が残っています。


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島嶼防衛用高速滑空弾の研究
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島嶼間に対する火力発揮が可能な島嶼防衛用高速滑空弾を島嶼部に配置して、抑止態勢を確立するとともに、万が一敵の上陸を許した場合、早期から火力により対応するため、対空火器による迎撃が困難な高高度の超音速滑空技術等を確立し、島嶼間射撃により火力を発揮する島嶼防衛用高速滑空弾の早期装備化に必要な技術及びより長距離を滑空する要素技術を確立します。
 なお、本事業は、「島嶼防衛用高速滑空弾の要素技術の研究」として平成30年度から実施する事業の研究成果を部分的に活用しつつ、早期装備化を図るため、当該研究事業を拡充するものです。

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中国は既に軍事パレードに極超音速兵器を展示するなどし、米露も実験を繰り返すなどしており、日本の極超音速兵器開発の現状は、露・中・米に遅れをとっている印象であるが、JAXAが長年基礎研究を地道に行ってきていたため、極超音速兵器の実用化競争においては、実は先頭争いを行っている。

中国やロシアは、過去の例からして実用化には程遠い実験段階で、実用化したと主張しているに過ぎないと思う。信頼できる実用兵器に仕上げるのは日米が先であると思う。

超高速滑空弾 (HVGP) 

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防衛省は沖縄県・尖閣諸島などの離島防衛を強化するため、「島嶼防衛用高速滑空弾」の開発を2018年度から予算化され、防衛省は2020年度予算の概算要求では島嶼防衛用高速滑空弾の研究(250億円)億円を計上した。

高々度に打ち上げたミサイルから分離させた弾頭を、超音速で地上の目標に落下させるもので、陸上自衛隊による離島奪還戦力の一つと位置付け開発に注力しているが、当初の計画より開発を約7年早め、Block Ⅰ: 令和 8年度(2026年度)、早期配備型の実用化を目指すと、2018年10月に報道があった。
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発射装置は88式/12式地対艦ミサイルと同じく移動式であると予想され、射程は、沖縄本島から尖閣諸島を狙うのであれば早期装備で300~500km、防衛省が航空自衛隊に導入する対地攻撃型の長距離巡航ミサイルと同程度の敵基地攻撃能力があると思われます。

防衛省は、東シナ海で活動を活発化させる中国軍の脅威に対処するため、沖縄県の宮古島や石垣島に陸自の地対艦誘導弾のミサイル部隊などを配置する計画を進めており、早期配備型はこれらの陸自部隊に配備される可能性がある。

問題は、Block Ⅱ: 令和15年度(2028年)以降装備の性能向上型で、滑空弾はロケットモーターで推進。高度数十キロで弾頭が切り離され、大気圏内を超音速で地上の目標に向け滑空、着弾する。図を見比べて見れば一目瞭然だが1段式ロケットの早期装備型と違い、ブロック2性能向上型は2段式で大型化し飛行特性から考えて、射程が1000km以下であるわけがない、中国の.RecordChina情報によれば、ブロック2性能向上型の射程は1300km前後との情報である。
    
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ブロック2性能向上型は滑空弾は超高速で対空火器に迎撃されにくい。仮に尖閣に侵攻した中国軍を宮古島や石垣島周辺から発射するのであれば、ブロック2性能向上型は不要だが、
1300kmの射程であれば、北部九州や瀬戸内海から発射した弾頭が先島諸島や尖閣諸島に到達する性能があると思う。また、中国地方や丹後半島付近に配備されれば朝鮮半島を射程に収めることも可能となる。与那国島や石垣島・宮古島に配備した場合、中国沿岸地方の中距離弾道弾基地や、台湾海峡が射程圏に入れる可能性があある。

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仮に、宮古島や石垣島に侵攻された場合には、機動団の上陸・奪還作戦を効果的に実施する為、陸自の水陸機動団が投入される前に、本土からの対地攻撃能力が必要である。沖縄本島や九州から宮古島や石垣島の中国上陸部隊を遠距離攻撃をする必要があり、性能向上型は本土より島嶼防衛することが可能である。北部九州例えば大村基地から半径1300kmは紫色、丹後半島に置いた場合青色の輪になり、ブロック2性能向上型の、抑止力効果は大きい。
 
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また、与那国島から中国の海南島の潜水艦基地も1300kmの射程圏にある。
本気でターゲットにするならば僅かに能力向上すれば、潜水艦基地も攻撃可能となる。

実用化には、超音速で滑空できるようにする姿勢制御システムや、滑空する際に大気との摩擦で生じる高熱に弾頭が耐えられる技術を確立する必要がある。防衛省は、早期装備型とその性能向上型を順次開発し、25年度に試験を完了させる計画だ。

防衛装備庁技術シンポジウム2019発表要旨
島嶼防衛用高速滑空弾の現状と今後の展望  ○福田浩一*

1.背景

島嶼部を含む我が国への侵攻を試みる艦艇や上陸部隊等に対して、自衛隊員の安全を確保しつつ、侵攻を効果的に阻止するため、相手の脅威圏の外からの対処と高い残存性を両立するスタンド・オフ防衛能力が求められている。島嶼防衛用高速滑空弾(以下、「高速滑空弾」という。)はこの能力を有する国産最初の装備として研究開発を推進している。

2.研究の目的および概要

対空火器による迎撃が困難な高高度の超音速滑空技術や、高精度に目標に到達する技術等の要素技術を確立し、島嶼間の対地攻撃等により火力を発揮する高速滑空弾の早期装備化に必要な技術の研究を目的としている。内容は、スタンド・オフ防衛能力の早期実現を目指した早期装備型(Block.1)の研究と、ゲームチェンジャーとなり得る最新技術を反映した性能向上型(Block.2)の技術実証を行う要素研究から構成している。

図に高速滑空弾の発射指令系及び飛しょうパターンを示す。発射指令は上級部隊(方面隊等)から FCCS(火力戦闘指揮統制システム)を経て高速滑空弾の指揮装置に指示され、発射機から目標に向かって発射される。高速滑空弾は“みちびき”などの測位衛星と慣性誘導装置から自己位置を正確に求め目標に向かう。飛しょうパターンは地上から発射された高速滑空弾が、滑空体とロケットモータに分離し、滑空体は高高度・極超音速で大気圏内を飛しょうする。その後、所定の高度まで降下した後に、高度変動しながら飛しょうして、目標上空で急降下をして目標を破壊する。
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Block.1 はスタンド・オフ防衛能力を早期に実現する初めての装備品であるため、設計当初から運用者となる自衛隊等の意見を反映し、かつ試作品を運用者の評価に供することができる運用実証型研究とすることで、装備化までの期間短縮を図る。一方 Block.2 は、機体先端から発生する衝撃波を活用して飛しょう性能を向上する Waverider という特異な形状であることから、防衛装備庁だけでなく他機関の超音速風洞や最新の数値計算手法を駆使して滑空体の形状を決定する。

これら Block.1 と 2 は、技術課題の共通化や構成品(ロケットモータ等)の共用化が図られており、その結果、効率良い研究ができる。高速滑空弾の能力を発揮するためには脅威対象が装備する地(艦)対空ミサイルシステム(以下SAM という)などの対空火器からの残存性の向上が必須である。特に近年の SAM は弾道ミサイル対応能力などの高性能化がなされているものも多いが、高速滑空弾は高高度を飛しょうするため、被発見性が高くなる。そこで、高速滑空弾では撃墜率を極小化するため以下の努力をしている。

レーダ反射断面積(以下、「RCS」という。)の低減は脅威対象の対空レーダからの捕捉可能性を減少させることから、発射後にロケットモータを分離して全長を極減し、RCS を低減する。また、滑空飛しょう時の高度変化は SAM による予想会合点の計算を困難とさせて撃墜確率を低減させる。さらに高度 20km 以上を滑空し、終末時は目標に向かって高俯角で突入することにより多くの SAM による迎撃が困難となる。

また、さらなる能力向上として滑空弾に適したシーカ機能を付与することで、移動目標対処能力を付加することも検討中である。

高速滑空弾は防衛計画の大綱(30大綱)別表においても2個高速滑空弾大隊部隊の編成が示されているが、研究開発する装備が部隊を編成した初めての事業であることから、実施に当たっては必然と偶然のいずれにも目を向け、困難を乗り越えてプロジェクトを成功に導く所存である。

*長官官房装備開発官(統合装備担当)付 高高度超音速飛しょう体システム研究室


米中露が競争する極超音速兵器の世界では、マッハ5を超える極超音速下で、飛翔体を飛行させることで、それらの速度で飛行するシステムは2つの方式、極超高速滑空弾/極超音速滑空ミサイルと、超高速(CM )/スクラムジェット極超音速巡航ミサイル(HCM)の2つである。

極超音速滑空ミサイルとは発射・加速をロケット(弾道ミサイル)で行います、その後弾頭はロケットから離れ、動力を与えられずに目的地まで弾頭部分が滑空する攻撃兵器である。

極超音速ブーストグライド兵器、あるいは極超音速グライダー”滑空弾”とも言います。滑空弾は、大気圏と宇宙空間の間を弾道ミサイル並みのマッハ20で滑空する弾頭です。空気の摩擦熱で超高温となる時間は弾道ミサイルよりも長くなる上に、高温でプラズマ化した空気に包まれると、外部との通信が遮断されるために、外部からの誘導は困難な為に、搭載したAIで自力飛行を行う。滑空弾開発には弾道ミサイルとは別次元の高い技術力が必要と成ります。

極超音速巡航ミサイルは、「スクラムジェットエンジン」で自力でマッハ5以上の極超音速で飛行します。従来型のジェットエンジンでは達成は困難な速度であり、新しい設計のスクラムジェットエンジンが必要になります。速度が上がるにつれ極超音速滑空ミサイルと同じく熱の問題も出てきます。ロシアの極超音速巡航ミサイル「3M22 ツィルコン」はマッハ5~8、1000km以上の射程を持つ対艦攻撃用とされています。

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超高速CM (HCM)
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スクラムジェットテクノロジーは、ブースターを使用して巡航速度に到達します。スクラムジェットエンジンは、燃焼前に高速の流入空気を圧縮するように設計されています。「エアーブリージング」とも呼ばれるこの技術は、極超音速で非常に効率的なエンジンが作製可能です。

日本でもスクラムジェットエンジン方式の極超音速巡航ミサイルも開発を行っている。

○中山久広*、橋野世紀*、海老根巧* 
1.緒論

スクラムジェットエンジンとは、空気取入口で生じた斜め衝撃波により圧縮した超音速の気流に燃料を噴射し、燃焼させて推力を得るエンジンである(図1参照)。スクラムジェットエンジンは、そのシンプルな構造と極超音速飛しょうにおける最も高い比推力から、極超音速誘導弾用推進装置に適しており、各国において盛んに研究されている。

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図1 スクラムジェットエンジンの概略図

幅広いマッハ数域で飛しょう可能な極超音速誘導弾の実現には、飛しょう条件によりラムジェットエンジン(RJ)及びスクラムジェットエンジン(SJ)として作動可能なデュアルモード・スクラムジェットエンジン(DMSJ)が必要である。また、機体の小型化のため、単位体積あたりのエネルギー密度が高いジェット燃料の採用も必須である。しかしながら、スクラムジェットエンジンの滞留時間は極めて短く、ジェット燃料を採用しつつ安定に作動する DMSJを実現する技術的ハードルは高い。

同形式のエンジンの宇宙輸送機への適用を目指す宇宙航空研究開発機構(JAXA)との研究協力の下、航空装備研究所(ASRC)は平成29年度と30年度にジェット燃料を採用した DMSJ 燃焼器の燃焼試験を実施し、基本的な性能を確認した。本発表では、これまでの成果とともに ASRCの DMSJ 研究の展望を紹介する。

2.技術課題克服のアプローチ

DMSJ では、滞留時間が短い燃焼器でジェット燃料を高効率かつ安定に燃焼させることが重要な技術課題である。この課題を克服するため、本研究では超臨界圧力下で加熱されたジェット燃料を燃焼器内に噴射する方式を採用した。実機では、ジェット燃料でエンジンを冷却する工夫(再生冷却)により、ジェット燃料の加熱も可能である。噴射されたジェット燃料は速やかに気化し、気流と混合し、燃焼する。混合を促進するため、噴射器近傍に混合促進器を設けた。また、循環流による保炎効果を得るため、流路途中にキャビティを設けた。技術課題克服のアプローチを図2に示す。

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図2 技術課題克服のアプローチ

3.燃焼試験結果

燃焼器の燃焼試験は、JAXA 角田宇宙センターの基礎燃焼風洞を用い、直結方式により行った。ジェット燃料には Jet A-1 を用いた。結果の一例として、燃焼器内の燃焼反応により発生した OHラジカル自発光の一例を図3に示す。Jet A-1 は気流中で良好に燃焼し、RJ モード・SJ モードともに燃焼器が安定作動することを実証した。取得した燃焼器壁面静圧分布を用いてエンジン内部流れの解析を行い、実機相当のエンジンでは所望の飛しょうに必要な推力が得られる見込みも得た。
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図3 燃焼器内の OH ラジカル自発光の一例

4.今後の展望

ASRC では、DMSJ を搭載した極超音速飛しょう体の早期の飛行実証を目指している。これまでの研究成果を活用し、ASRC は今年度からDMSJ の試作に着手したところであり、今後地上試験装置を用いて再生冷却も含めたエンジンシステムレベルでの実証を行う計画である。

*航空装備研究所エンジン技術研究部 ロケットエンジン研究室


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将来の誘導弾への適用を目指し、従来のエンジン技術では実現できなかった高高度極超音速(マッハ5以上)巡航を可能とする「スクラムジェットエンジンの研究」を実施しています。
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超音速飛翔体(イメージ図)

本研究では、装備品としての実現に留意し、従来までの研究の主流であった水素燃料に比べ、機体規模の小型化、入手性・貯蔵・取扱の容易さに大幅に優れる炭化水素燃料(ジェット燃料)を採用するとともに、超音速から極超音速までの幅広い速度域での作動を実現する、ラムモードとスクラムモードの2つのモードによるデュアルモード・スクラムジェットエンジンの実現を目指しています。

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極超音速飛しょう体の飛しょう経路(例)

炭化水素燃料を用いたスクラムジェットエンジンの成立性の検証のため、JAXAとの研究協力の下、燃焼試験を行い、ジェット燃料によるスクラム燃焼に成功するとともに、冷却系検討に資する基礎データを取得しました。
 これらの研究成果に基づき、実飛しょうを想定したスクラムジェットエンジンシステムの研究に取り組んでいます。

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注)スクラムジェット燃焼器は上図赤線部分を模擬
燃焼試験結果の例

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超音速~極超音速への加速時の燃焼状況   極超音速巡航時の燃焼状況
(ラムモード)              (スクラムモード)


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防衛装備庁技術シンポジウム2019において展示された
極超音速飛翔体(極超音速巡航ミサイル)模型
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ATLA説明員に聞くとあくまでもイメージ模型でX-51をイメージしたものだとのことだが・・・X-51にはちょっと似ていない。

ATLAでは研究を開始したばかりだが、JAXAでは1980年代航空宇宙技術研究所(NAL)時代からスクラムジェットエンジンによる極超音速飛行の研究を行っている。その基礎研究データ資料がある為、容易に極超音速飛翔体(極超音速巡航ミサイル)を製作することができる。

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極超音速旅客機技術

JAXA方式とATLA方式の違いはJAXAが液体水素燃料を使用するのに対し、ATLAはジェット燃料を使用する。ジェット燃料は液体水素よりコストが安い。

滑空弾もJAXAでの基礎データの蓄積があり、比較的容易に実現できる。

基礎データは宇宙往還技術試験機(HOPE-X)プロジェクト等の基礎データが蓄積されていた。

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ホープ-X 強度試験用供試体

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http://zbtousiro.blog47.fc2.com/blog-date-200011.html



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JAXAが研究してきた成果をATLAが利用して日本は極超音速兵器開発競争のダークホースとなることでしょう。



 執筆中
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60億キロメートル離れた位置から見ると、地球は青白い小さな点にしか見えない(右側の茶色の帯の真ん中より下の辺り)
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【米国大使館】リー・ハートマン Feb 18, 2020 ★★★

米国、オーストラリア、日本が主導する新たな「ブルー・ドット・ネットワーク」は、主要なインフラ開発プロジェクトを世界レベルで認可する役目を果たし、そのプロジェクトは持続可能で、途上国の搾取を意図するものではないと関係者に示すことになるでしょう。

このネットワークがフル稼働すれば、質の高いグローバルなインフラ開発規準の下、政府、民間部門、その他の機関が一体となります。

米国は「関係者全員の相互利益となる、透明性の高い、競争力のある市場主導型の制度を望んでいる」。2019年10月、マイケル・R・ポンぺオ国務長官はこのように述べています。これに対し国家主導型の経済モデルは、賄賂を伴った取り決めが密室で行われ、地域社会のニーズを考慮しないという点で対照的です。

そこにブルー・ドット・ネットワーク誕生の意義があります。

ブルー・ドット・ネットワークは、以下のように機能します。品質促進と民間部門主導の投資という同ネットワークの高い基準の順守に合意すれば、あらゆる国や企業が参加可能です。ブルー・ドット・ネットワークの認証を求めるプロジェクトの申請は、オンラインで完了できます。

国、企業、そして地域社会の全てが、ブルー・ドット・ネットワークの恩恵を受けることができます。プロジェクトが同ネットワークに認定されると、地域社会と投資家には高い水準のインフラと持続可能性が保証されます。

米日豪の3カ国は2019年11月4日、バンコクで行われたインド太平洋ビジネスフォーラムでブルー・ドット・ネットワーク計画を発表しました。この取り組みは、「質の高いインフラ投資に関するG20原則」と連携するもので、特に統治・環境基準・透明性を重視します。

グローバルインフラの透明性

米国でブルー・ドット・ネットワークを主導するのは、米国国際開発金融公社(DFC)です。2019年に設立されたDFCは、600億ドルの資本が利用可能で、企業による新興市場への投資を支援する金融ツールを近代化しました。

ブルー・ドット・ネットワークの他にも、高水準の投資と民間部門主導の経済開発を促進するため、米国政府は以下の取り組みを実施しています。

米国輸出入銀行は、公正で透明性のある持続可能な経済成長の保証と、融資を確保し世界中で資本を提供するため、1350億ドルの資金を活用しています。
ミレニアム・チャレンジ・コーポレーションは、持続可能な成長と貧困削減を達成するプロジェクトを共同で実施する国の選択に当たり、競争プロセスを採用しています。
ブルー・ドット・ネットワークは、米国投資の高い水準と質の高いインフラを世界に示すことでしょう。2019年3月、ポンぺオ国務長官はこう述べています。「我々の取り決めには隠れた付帯条件はありません。ブルー・ドット・ネットワークの契約は明確で、動機に曖昧な点はありません」。

 【国家の流儀】

 中国主導の「一帯一路」を阻止せよ-。米国のドナルド・トランプ政権は5月下旬、対中総合戦略報告書「中国に対する米国の戦略的アプローチ」において、こう強調している。

 「一帯一路」構想は、中国からヨーロッパにつながる陸路(一帯)と、中国沿岸部から東南アジア、南アジア、アフリカ東岸を結ぶ海路(一路)で、インフラ整備、貿易促進などを推進する計画だ。

 当初は世界各国でも、中国による投資を歓迎する声があふれたが、投資が進むにつれて、「経済を餌にして相手国をコントロールしようとしているのではないか」という疑念がささやかれるようになっている。

 トランプ政権のこの報告書でも、「一帯一路」について厳しく批判している。

 ●一帯一路と名づけたプロジェクトには、交通、情報通信技術、エネルギー・インフラ、メディア、文化と宗教に関するプログラム、さらには軍事と安全保障の協力までもが含まれる。だが、その実態は、質が低く、汚職、環境悪化を生み出し、不透明な融資はホスト国の統治や財政を悪化させている。

 ●中国は他国から政治的譲歩を引き出したり、他国への報復を行ったりするために経済的テコを使うことが増えている。相手国の政府、エリート、企業、シンクタンクなどに対して、しばしば不透明な方法で、中国共産党の路線に沿うように圧力をかけている。

 こうした中国による「一帯一路」構想に対抗するために、米国とともに立ち上がったのが、なんと日本とオーストラリアなのだ。

 トランプ政権の対中戦略報告書にはこう記されている。

 《2019年11月、米国、日本、オーストラリアは、民間部門主導の開発を通じた透明性の高い資金調達と質の高いインフラを世界中で推進するための「ブルードット・ネットワーク」を立ち上げ、米国はインド太平洋地域だけで約1兆ドル(約105兆8800億円)にのぼる直接投資を追加した

 この「ブルードット・ネットワーク」を具体化すべく今年2月4日、日本政府は米国との間で、インド太平洋におけるエネルギー・インフラ金融および市場形成の協力強化のための協力覚書に署名している。

 そして、4月17日、日本政府はASEAN(東南アジア諸国連合)議長国であるベトナムと電話会談を行い、「経済強靱(きょうじん)性に関する日ASEAN共同イニシアティブ」を公表した。

 なぜ、こうした大事なことが大々的に報道されないのか。

 国際政治は、大局が重要だ。そして、アジア太平洋のインフラ投資などをめぐって「日米豪」対「中国」という構図になっていることは理解しておきたいものだ。
 ■江崎道朗(えざき・みちお) 評論家。1962年、東京都生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集や、団体職員、国会議員政策スタッフを務め、現職。安全保障や、インテリジェンス、近現代史研究などに幅広い知見を有する。著書『日本は誰と戦ったのか』(KKベストセラーズ)で2018年、アパ日本再興大賞を受賞した。自著・共著に『危うい国・日本』(ワック)、『インテリジェンスと保守自由主義-新型コロナに見る日本の動向』(青林堂)など多数。
江崎氏が指摘しなければ皆気が付かなかったのか!
わたしは、大紀元の記事も読んでいたが・・・チャンネルくららの江崎氏の動画をチェックするまでは、このニュースの重大さに気が付いていなかった。

【大紀元】2019年11月07日 21時12分 

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ロス米商務長官は5日、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する代替案を公表した(Win McNamee/Getty Images)

米政府はこのほど、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する代替案を発表した。日本の国際協力銀行(JBIC)が参加することが分かった。

米AP通信社によると、ロス米商務長官は5日、タイ・バンコクで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で、グローバルインフラ開発の国際基準を促進する「ブルー・ドット・ネットワーク(Blue Dot Network)」計画を発表した。米国の海外民間投資公社(Overseas Private Investment Corporation、OPIC)とオーストラリア外務貿易省(DFAT)が、JBICとともに同計画を主導するという。

OPICが同ウェブサイトで掲載した声明では、ブルー・ドット・ネットワークの目標について、「公共部門と民間部門を結び付け、オープンかつ包括的な枠組みで、グローバルインフラ開発のために、高品質で信頼できる標準を促進する」と示した。

また声明は、「ブルー・ドット・ネットワークは、インド太平洋地域および世界中の市場主導型で透明性があり、財政的に持続可能なインフラ開発を促進するために、普遍的に受け入れられている原則と基準に基づき、指名されたインフラプロジェクトを評価、または認定する」とした。

長官とともに、ASEAN首脳会議に出席したロバート・オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、同計画に関して、「道路や港やエネルギーシステムなどのインフラ開発投資プロジェクトを評価するミシュランガイドのようなものだ」と述べた。

オブライエン氏は、ブルー・ドット・ネットワークは中国の「一帯一路」に対抗するものだと明言した。同氏は、中国当局の「一帯一路」政策の下で、「低品質のプロジェクトによって多くの国が債務トラップに陥り」、「主権が弱まった」国もあると批判した。

中国の国営銀行や国有企業が「一帯一路」の参加国に融資を行い、建設工事を担うことに対して、ブルー・ドット・ネットワークは、インフラ開発を必要とする国への資金供給を促すことに取り組むという。

AP通信によれば、ロス長官は同首脳会議において、トランプ米政権は依然としてインド太平洋地域を重視していると強調した。2017年、トランプ大統領が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から離脱すると発表した。長官は「多くの人は、米国の同地域への関心が薄れたと誤解している。われわれはここに常駐し、より多くの投資を続け、二国間貿易を増やしていく」と話した。

同計画の名称は、米天文学者でSF作家であるカール・セーガン氏の著書『惑星へ』と、1990年に米無人宇宙探査機のボイジャー1号が撮影した地球の写真「ペイル・ブルー・ドット(Pale Blue Dot)」に由来する。

(翻訳編集・張哲)
一帯一路とは2013年習近平が提唱したシルクロード経済圏構想。かつて中国と欧州を結んだシルクロードを模し、中央アジア経由の陸路「シルクロード経済ベルト」(一帯)とインド洋経由の海路「21世紀海上シルクロード」(一路)で、途上国のインフラ投資を名目に途上国に金を貸し、資材から労働者まで中国が用意して、高速道路・港湾や鉄道を整備、その使用権利は中国が持つという新植民地主義的な中国の開発手法に途上国各国が怒りの声が上がっている。当初先進国は自国企業のプロジェクト参入を目論んでいましたが、結局は中国の為だけの事業で、覇権主義的だと当初好意的だった欧州各国も批判的になっています。

経済発展したい途上国にとって、ADB融資と先進国ODAプロジェクトだけでは旺盛な開発ニーズを満たすことができなかった。
中国の一帯一路構想は融資により略奪を狙うプロジェクトばかりである。多くの場合、一帯一路政策の名の下、中国はインフラプロジェクトを行う金銭的余裕のない国々に融資を持ちかける。締結される契約は最終的には中国にのみ利益をもたらし、主催国の主権が危険に曝されるという構図となる。我々は一帯一路に途上国をなびかせてしまったことに問題があった。

そこで、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の対抗軸として、米日豪でインフラ支援に関する基準を策定し、投資規模を拡大させながらインド太平洋地域での途上国支援を強化していくプロジェクトが「ブルー・ドット・ネットワーク」である。

2019年11月米日豪でインフラ支援に関する基準を設け、友好国などと質の高い支援を促進させる取り組み「ブルー・ドット・ネットワーク」を立ち上げ、米日豪を核にして参加国の拡大を図る動きだ。

ブルー・ドット・ネットワークは「自由で開かれたインド太平洋地域」という米国の外交構想を補完するものである。既に2019年11月にバンコクで開催されたビジネスフォーラムでいくつかの計画と契約が締結されている。日米間では日本が液化天然ガスプロジェクトに1兆円相当(100億米ドル)を投資する誓約書に署名がなされた。AP通信によると、他の計画として、追加のインド太平洋エネルギープロジェクトに対する最大7,000億円相当(70億米ドル)の資金調達などが挙げられる。


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https://www.meti.go.jp/press/2020/04/20200422005/20200422005-3.pdf
2020年4月には梶山経済産業大臣とASEAN議長国であるベトナム社会主義共和国のチャン・トゥアン・アイン商工大臣との電話会談において合意した「経済強靱性に関する日ASEAN共同イニシアティブ」を公表した。

1.半世紀にわたって経済関係を強化し、アジア通貨危機や自然災害などで連携してきた日ASEANが、より緊密に連携して経済面での課題を乗り越えていくことを確認

2.感染防止を最優先としつつ、物資の円滑な流通の確保や、ヒトの移動の制約を解消するデジタル技術の最大限の活用等により、経済活動を極力止めない方針に合意し、グローバルサプライチェーンの枢要な供給者として、必要な物資を世界に届ける責任を果たす。

3.デジタル技術を活用した高度化や生産拠点の多元化等を推進し、リスク対応力とコスト競争力が両立する強靱なサプライチェーンの構築を目指す

支援基準では「途上国の主権を守り、過剰債務に陥らないように、地域の労働者に仕事を提供する」ことなど、過剰な投融資で返済に窮した国がインフラを奪われる「債務のわな」が問題となっている中国の「一帯一路」に加担させない日米豪の国家戦略である。

中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品導入で情報漏洩が懸念される第5世代(5G)移動通信システムの構築も積極的に支援していく予定だ。

【中央日報:Yahooニュース】8/9(日) 13:22配信

「代価を払うことになるだろう」。

7月30日の劉暁明駐英中国大使の話だ。劉大使はツイッター動画記者会見で「中国をパートナーや友人扱いしなければ英国は代価を払うことになるだろう」と述べた。脅迫ではなく「結果を教えるもの」ともした。5G通信網構築事業から英国がファーウェイを排除したことを受けた話だ。駐英大使が脅すほど英国の反ファーウェイ戦線合流はそれだけ中国には衝撃だ。

「よろしい、金は返さない!」。

5月にタンザニアのマグフリ大統領がした爆弾宣言だ。中国から借りた100億ドルを返さないということだ。前任の大統領が結んだ契約が話にならない条件だった。借りた資金でタンザニアに港を作るが、使用権は中国が99年間持つ。中国の港内活動に何の条件もつけていない。マグフリ大統領は「酒に酔ってなければできない契約」と話した。

両国とも中国と敵対すれば損害が大きい。英国は既に設置されたファーウェイの装備を取り壊し別の設備に交換する。これにより5Gサービス開始が2~3年遅れる。総額25億ポンド(約3454億円)の資金がさらにかかることになった。タンザニアも契約破棄から生じる外交的問題は少なくない。それでも両国は中国に背を向けた。

両国だけがそうなのではない。欧州ではフランスも、中国に友好的だったイタリアもファーウェイ排除に出ている。他のアフリカ諸国も中国との建設プロジェクト中止に乗り出している。習近平主席が6月の中国・アフリカ特別首脳会議で債務償還期限を延期することにしたが不満は相変わらずだ。習主席の一帯一路外交の野望に亀裂が入っているという評価が出ている理由だ。

中国はなぜこうした扱いを受けるのだろうか。

これまで中国が国際社会で影響力を広げた秘訣は2つだ。▽安価な技術力・労働力▽莫大な資金力。英国がファーウェイに友好的だった理由が前者だ。アフリカが中国と緊密な理由は後者だ。だがそれだけだ。

英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のエリザベス・ブラウ専任研究員の分析を見よう。ブラウ氏は米フォーリン・ポリシー誌への寄稿で「中国は米国が数十年にわたりさまざまな国に作ったソフトパワーが皆無だ」と批判する。「率直に中国は米国ほど魅力的ではない。世界でだれが自発的に中国の歌、中国のテレビ番組、中国のファッションを見てまねるだろうか」ということだ。

中国の影響力の「元手」は今年明らかになった。新型コロナウイルスで多く国の経済が冷え込んだ。ここに米国の反中戦線参加の圧力はますます大きくなる。中国が掲げた利点だけでは中国と一緒にやる理由が足りなくなった。むしろ中国に対し抱えていた不満が水面上に出てきた。英国とタンザニアの反中行動はこうした背景で出た。

「金で影響力は買えても、心は得られなかった」。

ブラウ研究員の一喝だ。彼女は「中国の国際地位急落はこれまで中国がグローバル商業ネットワークだけ構築し友情を育まなかったため」とみる。

彼女は中国が旧東ドイツに学ばなければならないと主張する。中国と同じ社会主義国だ。だが中国のように資金は多くなかった。結局経済的に没落し西ドイツに吸収された。だが「東ドイツの遺産はいまも多くの国に続いている」と分析する。

東ドイツ外交の核心は「教育」だ。1951年から89年まで125カ国、7万8400人の外国人学生が東ドイツで大学学位を取得した。多くは東ドイツと同じ社会主義国だったが、そうではない開発途上国の出身者も多かった。

国連人権高等弁韓事務所代表のミシェル・バチェレ元チリ大統領が代表的だ。医大生だった1970年代にピノチェト独裁政権を避けて東ドイツに亡命した。東ドイツ政府の支援で医学の勉強を終え結婚もした。現在のモザンビーク、アンゴラ、南アフリカの執権勢力の相当数も過去に東ドイツで教育の機会を得た。バチェレ氏ら多くの人が「東ドイツでの生活はとても幸せだった」と記憶する理由だ。

教育を通じて「親東独派」を作ったという話だ。ブラウ研究員は「東ドイツの教育支援は、理念は違うが米国の海外外交官奨学制度と似ている」と評価した。

これに対し中国は違う。

親中派育成は疎かだ。代わりにブラウ研究員は「外国の華僑が本国(中国)と密接になるよう『圧力』をかけようとした」とみた。国営メディアは中国関連ニュースを海外に送出することに集中する。外交官は相手国を脅す「戦狼外交」ばかりする。2015年に中国でヒットした映画『戦狼』に出てくる戦士のように、ことあるごとに戦うという意味が内包されている。

もちろんブラウ研究員の話がすべて正しいのではない。だが存在しない過去の社会主義国。 これに劣るという評価を受けている中国の外交戦略。明らかに修正が必要にみえる。中国が本当に米国に代わるG1の夢を持っているならばの話だ。
しかし、借りた金を返さない韓国には、中国を批判する資格などないのだが・・・

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金を借りるのは当然の権利……韓国に蔓延する「ウリ意識」の底にあるものとは?
『なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか 韓国人による日韓比較論』より 
【文春オンライン】2020/05/13 シンシアリー

たとえ国家間で結んだ条約だろうと、それに優先されうる「正義」があるというのが韓国側の心理だという。

 日本人にしてみれば国家との約束=法律を守ることは、日本という国に住む以上当たり前のことである。しかし韓国人にとっては時に個人の「正義」が法律より優先されることもあるらしい。そこには「借りた金を返さない」こととよく似たロジックが働いている。

 韓国に育ちながら日本文化にも触れることで「韓国がヘイトを向ける日本」はどこにも存在しないことを知ったというシンシアリー氏。その著書『なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか 韓国人による日韓比較論』(扶桑社)から抜粋し、韓国人特有の正義を読み解く。

◇◇◇

日韓関係と「借りたお金を返さない」ことの類似性

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©iStock.com

「借りたお金を返さない」といっても、人それぞれ様々な事情があるでしょうけど、私が韓国で数十年間生きた「肌の感覚」だと、これは個人の問題ではありません。もはや社会レベルの問題です。

 経済的に余裕があるのかどうかを離れ、「お金を貸したのに返してもらえなかった」経験がある韓国人は、成人ならほぼ全員ではないだろうか、と私は感じています。データはありません。ただの邪推かもしれません。でも、率直に、そう感じています。某有名アニメの台詞を借りますと、「私のゴーストがそう囁いて」います。

 最近の日韓関係を見ると、日本(安倍総理)と韓国(文大統領)の間で、いつもいつも、ほぼ決まったパターンで応酬が行われます。日本は韓国にこう言います。「国際法という約束を守れ」。私的な正義は国内で勝手にやればいい、国家間の約束を守れ、というのです。すると、韓国はこう言います。「条約や合意では解決できない」。

 文在寅大統領は2020年1月14日の新年記者会見でも、「被害者の同意なしに韓日政府がいくら合意しても、問題解決の役には立たないことを、慰安婦合意で、切実に経験した」「日本政府が被害者たちが収容できる法案を用意すれば、両国間で解決策を用意することもさほど難しくない」と話しました。合意をしても役に立たないというのです。

 同じく、元朝鮮半島出身労働者(いわゆる元徴用工)問題においては、「請求権協定(基本条約)では解決されていない」と主張しています。条約締結から五十年以上も経った時点で。

 韓国の弁は、国家間の約束である国際法よりもっと重要な「正義」があるというのです。日本と韓国は過去を克服して未来志向で共に発展しなければならない関係だから、日本が負けろ、日本が折れろ、そうしないと大事な両国関係が破壊されてしまう、というのです。

 少し書き換えてみると、「韓国が国際法を守るのではなく、日本が韓国の正義を守れ」です。どことなく、今の日韓関係は、「借りたお金を返さない」ことと非常に似ているようにも見えます。いや、「今の」でもありません。ずっと前からそうでした。

「約束を破るわけには行かない」――法律的な側面を重視する日本

 2019年12月のことです。ブログに、神田外語大学のキム・ギョンファ准教授が『韓国日報』に連載している「同じ日本、違う日本」というタイトルのコラムを部分引用し、その内容について考察したことがあります。

 まことに残念なことですが、私が「シンシアリーのブログ」で紹介する「日本駐在韓国人教授の日本関連発言」は、悪い意味でとんでもない反日発言ばかりで、いつもブログのコメント欄が「こんな人が日本の大学で教授やっているのか」という意見で溢れかえったりします。そもそも親日だろうが反日だろうが、意見表明の場は保障されるべきでしょうけど、読んでいて不愉快になるのもまた、仕方ないことです。

でも、キム准教授のコラムは、明らかに日本を貶めるために書かれた「いわゆる知識人」のコラムが多い中、反日さは目立たない内容です。もちろん、日本に対する感謝や愛などはさほど感じとることができませんでしたが、それは個人差の問題でありましょう。

共通の不満を通じた「共感」は難しい

 私がブログで紹介した2019年12月18日のコラムのテーマは、「男女平等ができていない日本と韓国だけあって、日本と韓国の若い人たちが『抑圧されている』という側面で、共感できるのではないか」というものでした。男女だろうがなんだろうが、「人が不当な扱いにより言いたいことが言えず、抑圧されている」とする問題を論ずるなら、それは国家というより現代社会の問題です。性別、年齢、国家などに関係なく、どこの社会にも一定数は存在すると言えるでしょう。

 それに、コラムを読んでみて、私は、同じ不満を持っていることを「共感」と呼ぶのは、デモが多い韓国ならともかく、日本ではニュアンス的に違和感があると思いました。でも、人の立場や経験はそれぞれ違うものだし、キム准教授は女性だから、私とは観点が違うだろう、こういう考え方もあるものだな、と最後まで読んでみました。私がブログで取り上げたのは、この部分です。


〈……数年前、日本で地方議会の女性議員が、育児スペースがないことに対する抗議の意味で、乳児の赤ちゃんを抱いて、議会本会議場に入ろうとして、出入り禁止されたことが話題になった。授業でこのことについて議論したことがあるが、女子学生を含めて、学生の70%以上が、「会議に出席する資格があるのは議員だけという法を破った以上、禁止は妥当である」とする保守的な意見であり、落胆したこともある……〉

日本人学生の意見に「落胆」する韓国人准教授

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©iStock.com
 
たぶん、キム准教授は、「育児問題を放置する日本が悪い」「そんな点は韓国と同じだ」「日韓の若者が共感した!」という流れを期待していたのかもしれません。実際、日本で育児に関する問題がまったく話題にならないとか、そんなことはありません。日本社会そのものが、そういう問題があるとちゃんと認識していますし、ニュースでも報道されています。

 ただ、「物の見方においての優先順位」、普通にその社会の価値観と呼ばれるものが、日本と韓国とでは、違います。日本の大学生たちは、「会議に出席する資格があるのは議員だけという法を破った以上、禁止は妥当である」を守ることを優先します。韓国なら、法より自分が抑圧されている、実際に抑圧されているかどうかより「自分でそう思っている」ことを優先するでしょう。すなわち、自分の正義を万人の法より上に置くはずです。

 この考え方があるかぎり、両国の若い人たちに「共感」はありません。なにより、日本の大学生たちのこのような意見に対し、講義している准教授が「保守的だ」とし「落胆」するようでは、共感は無理でしょう。このような考えの差があるから、日韓の真の共感はありえません。たとえ、問題そのものを「あ、これは問題だな」と感じることは同じでも。

「そうあるべき」に囚われる韓国人
 
私は、こう思っています。キム准教授と韓国側は、「育児問題に対する解決策」においてその結果を重要とし、それを邪魔する全てによって「私は『拘束』されている」と感じています。そして、他の人たちもそう感じるべきだ、いわゆる「当為さ」(「そうであるべきだ」とする概念)を重要視します。だから、逆に、自分でその邪魔な存在を拘束しないと、問題が解決しないと信じ込んでいます。「やられる前にやってしまえ」とまではいかないにせよ、「やられているからやってしまえ」です。困ったものです。

 日本側は、結果だけでなく、結果(解決策)に至るまでの過程や手続きを、万人との「約束」として認識し、重要視します。だから、「約束を破るわけには行かない」と判断し、法律的な側面を重視します。なにせ、「安保など様々な側面で周辺情勢が変わったので、憲法の一部を変え、国民投票したいと思います」という当たり前のことが、ここまで長引く国、日本ですから。

日本社会では「約束」、韓国社会では「拘束」が物を言う

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©iStock.com
 
皆さんは、「約束」と「拘束」の差をどう思われますか。漠然とした書き方ですが、約束は何か良いイメージがあるし、拘束は悪いイメージがあります。「約束をちゃんと守る人」といえば社会的に大変良いイメージがありますが、拘束はそうではありません。たまにテレビニュースに出てくる、人を部屋に拘束する凶悪犯罪のイメージもあり、とても気軽に口にする言葉ではありません。でも、実は約束が拘束になってしまうことだってありますし、その逆もまた然り、です。


 友だちとユビキッタ! した約束ならそれは普通に約束でいいでしょうし、犯人が被害者を物理的に拘束したならそれは犯罪で間違いありませんが、そこまで明確でない場合は、約束と拘束の境界はどうなるのでしょうか。約束でも、気にしすぎると拘束になってしまうことはないのでしょうか。逆に、拘束されているのに、その状況を「約束を守っているだけ」と勘違いしている人は、いないのでしょうか。

 そもそも、社会に存在する約束は実に様々な形で存在し、人と人が約束を交わす「一対一」のものだけではありません。「一対多(個人と大勢の人の間)」のものも無数に存在します。でも、妙なことに、少なくとも現状、すなわち、今の社会風潮を見てみると、日本社会では「約束」が、韓国社会では「拘束」が物を言います。

 韓国は、教育をはじめ、全ての分野において日本の法律をほぼそのまま真似してスタートした国であり、日本をロールモデルにして成長しました。「約束は守らないといけない」「法律を守ろう」などの教育も、ちゃんとあります。しかし、その結果は、日韓とでまったく別のものになります。

韓国では恥は「かかされるもの」と考える

 両国の社会風潮の「一見同じに見えるけど、実は結構違う」を論ずるため、あえてよく使う慣用表現を一つ用いるなら、「世間様を気にする」をある種の約束事として考えた場合はどうでしょうか。

 世間を気にしすぎるのはよくないという話も聞きますが、それはあくまで「気にしすぎた」場合のこと。日本で住むようになってから、さらに強く感じるようになりましたが、世間様を気にするのはとても良いことです。韓国にも「町の恥(ドンネチャンピへ、町中で恥ずかしい)」といって、何か社会通念上ありえないことをやった場合、世間の笑いものにされることを大いに恐れる表現があります。

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※写真はイメージです ©iStock.com
 
ただ、もともと「恥」という概念が、韓国では「かかされる」、日本では「かく」ものであるため、その意味合いは日本とは似て非なるものです。日本で言う「世間」という言葉は、「相手」に気を遣う日本の「建前」の表れです。韓国で言う「町」は、自分で「自分」に気を遣う「体面(チェミョン、韓国人特有のプライド意識)」の表れです。

自分が自分にかかせる「恥」
 
韓国社会の「(町の恥という表現の)町」という考えを、本書のテーマ「なぜ韓国人は借りたお金を返さないのか」と繫げてみると、こうなります。

 お金を借りたことで、人(貸してくれた人)に対して「悪いことをした」や「恩を受けた」と考えるならば、視野を広くするとそれは恥の概念になります。常識的に考えて、お金を借りるのは愉快なことではありません。「急に必要だったから、なんとかなってよかった」と思うことはあっても、所詮は借金です。人生設計またはビジネスのために銀行から借りたものならそうでもありませんが、私的な、例えば友だちから借りたものなら、良かったよりは「悪いな」と先に思うでしょう。

 ある意味では、それは自分自身による自分自身への恥であり、それをちゃんと返すことで、その恥を取り除く、いわば浄化することができます。浅い知識の日本語で恐縮ですが、「払う(返す)」ことで「祓う(恥を取り除く)」を得る、とも言えるでしょう。

借りたのは当然だから、返すのは損
 
もし、ある人が、お金を借りたことで、相手(貸してくれた人)に対して「当然のことだ」としか思わないなら、恥の居場所がおかしくなります。借りたのが「当然」なら、返すのは自分にとって損でしかありません。借りた時点でプラスマイナスゼロ、すなわち当然だから、返す分、マイナスになるわけです。

 この理屈だと、貸してくれた人は、それを返せと言わないのが、両者(借りた人と貸した人)の関係を維持するもっとも「公正」な方法になります。ここでいう「関係」という言葉、後で繰り返して出てきますので、ぜひ覚えておいてください。

 韓国社会では、この関係を「情が多い(情に厚い)」関係、言わば「恥の無い」関係だと信じる人が、大勢います。このゆがんだ「当然」と「公正」の同一視は、韓国社会で蔓延しています。俗に言う裏の世界の人、法の死角で生きる人、そういう人たちだけの話ではありません。

 実は、普通に金銭的に余裕がある人でも、なぜか借りたお金を返さない人は大勢います。それを「悪いこと」と考えず、「当然のこと(関係として公正なこと)」と考えているからです。「情」など人間関係に関わる感情を持ち出し、相手の権利をねじ伏せることが多いのは、その行為に一切の罪悪感を持っていない、すなわちそういうことを当然で公正だと思う人が多いわけです。社会がそういう人たちを増やしたのか、そういう人たちが増えたからそういう社会になったのか、それともその両方か、どちらにせよ、実に気まずい話です。

「ウリ意識」の根幹になにがあるのか

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©iStock.com
 
だから、韓国社会では、「貸したお金を返せ」と言ったせいで、相手(借りた人)が信じていた「公正(対等)な関係」が壊れてしまうという、笑うに笑えないシチュエーションも多発します。お金を借りて返さないでいる関係が公正(対等)な関係だったのに、相手から「返せ!」と言われたから、急に上下関係になり、自分(借りた人)が「下」になってしまうわけです。

 そして、それは情のない、とても恥ずかしいことであり、その恥は借りた人が自分の中から見いだすのではなく、返せと主張した人によって「かかされた」ものになります。すなわち公正で対等な関係は、自分のミスで壊れたのではなく、薄情な他人によって壊されたことになるわけです。

 ここでいう「公正な関係」または「当為さ」とやらが、韓国人の信じる「ウリ(私たち)」たる共同体意識の根幹です。私は、こう思っています。そうした世界でいう「公正」など、もはやお金の借り貸しという約束ではありません。ある種の拘束です。

 なぜ「絆」の韓国語が存在しないのか、少し分かる気もします。絆と約束は、平等や対等の関係でこそ自然に存在できます。拘束や情は、上下の関係でこそ自然に存在できます。


執筆中







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【産経新聞】2020.6.25 17:30 

防衛省が日米両国による「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進するため、7月にも専門部署を新設して態勢を強化することが25日、分かった。防衛分野の国際交流を担当する国際政策課を実質的な2課態勢に改編し、課長級職員を新たに置き、インド太平洋構想に関する業務に特化させる。巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国に対抗する狙いがある。

 国際政策課は日米防衛協力課が扱う米国以外の国との防衛交流や防衛当局との調整を担っている。オーストラリアや英国など準同盟と位置付けられる国や友好国だけでなく、中国やロシアとの窓口でもある。

 各国との防衛協力は急拡大しており、自衛官らが他国軍の能力を向上させるため平成24年に始めた能力構築支援(キャパシティ・ビルディング)の対象は東南アジアを中心に昨年時点で15カ国・1機関に上る。自衛隊と他国軍が物資を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)の締結など制度面の交渉も多い。

 国際政策課の業務は「爆発的に増えている」(防衛省幹部)との認識は省内で一致している。一方、政府が一昨年に策定した「防衛計画の大綱」は「自由で開かれたインド太平洋というビジョンを踏まえ、多角的・多層的な安全保障協力を戦略的に推進」と掲げ、国際政策課の態勢強化が急務となっていた。

 国際政策課でインド太平洋構想の取り組みを統括する課長級職員のポストを7月1日付で設けた後、2課態勢への移行に入る。

 防衛協力は共同訓練や防衛装備・技術協力、安全保障対話もあり、多岐にわたる。防衛省としては、中国が一帯一路に基づき関係を強めたり、経済支援をてこに軍事的な影響力を高めたりしようとしている東南アジア各国や太平洋島嶼(とうしょ)国の動向を見極めつつ、適切な国と時期に有効な防衛協力を打ち出していく構えだ。


 そうした総合調整でインド太平洋構想の専門部署は司令塔の役割も期待され、「態勢強化の成否はコロナ後の世界の米中の主導権争いにも影響を与える」(政府高官)と指摘される。
日本の国家安全保障戦略としてのインド・太平洋戦略が動き出した。

防衛省に、外交セクションに新たな部署が設けられた。防衛省には国際政策課が2課体制となった。防衛省の外交セクション=インテリジェンス部門が強化されたのである。

従来日本にも各国大使館に駐在武官が置かれていたが、防衛省から外務省への出向という形となり、情報は外務省経由となり、駐在武官制度の機能が働かず、インテリジェンスの人間関係インナーサークルとも呼ばれる仲間内に入ることすらできなかった。

近年、日米安保が強化され、日米が緊密に連携しているのは、安倍政権になって、従来の駐在武官制度が改められ、各国の国防省/司令部に連絡員と呼ばれる外務省を経由しない防衛省直下の人員が配置されるようになったからだ。

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防衛白書より

戦前陸海軍と外務省はそれぞれ独自に外交を行い、満州事変の発生などマイナス面があったことを反省し、戦後は外務省に一元化されていた。だが、今度は外務省による一元化がインテリジェンス面でマイナスとなり、戦後日本は大きく国益を失っていた。

日本が対中国家戦略であるインド・太平洋戦略を国家戦略を実行するため近年ASEAN諸国、インド、オーストラリアとの共同演習も頻繁に行われるようになった。


これまで防衛省・自衛隊は、二国間の対話や交流を通じて、いわば顔が見える関係を構築することにより、対立感や警戒感を緩和し、協調的・協力的な雰囲気を醸成する努力が行われてきた。これに加え、近年では、国際協力の必要性の高まりに応じて、共同訓練・演習や能力構築支援、防衛装備・技術協力、さらには物品役務相互提供協定などの制度的な枠組みの整備など、多様な手段を適切に組み合わせ、二国間の防衛関係を従来の交流から協力へと段階的に向上させてきている。

また、域内の多国間安全保障協力・対話も、従来の対話を中心とするものから域内秩序の構築に向けた協力へと発展しつつある。こうした二国間・多国間の防衛協力・交流を多層的かつ実質的に推進し、望ましい安全保障環境の創出につなげていくことが重要となっている。



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防衛白書より

さらに、近年は一歩踏み込み、ASEAN諸国などに対してPKOの枠組みではなく、日本独自の判断で、能力構築支援(軍事顧問団の派遣)を行うようになってきた。



能力構築支援は、①インド太平洋地域の各国などに対して、その能力向上に向けた自律的・主体的な取組が着実に進展するよう協力することにより、相手国軍隊などが国際の平和及び地域の安定のための役割を適切に果たすことを促進し、わが国にとって望ましい安全保障環境を創出するものである。また、これらの活動により、②支援対象国との二国間関係の強化が図られる、③米国やオーストラリアなどのほかの支援国との関係強化につながる、④地域の平和と安定に積極的・主体的に取り組むわが国の姿勢が内外に認識されることにより、防衛省・自衛隊を含むわが国全体への信頼が向上する、といった意義がある。

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防衛白書より

上の図を見ると露骨なのだが、中国を包囲する形で行われている。
反中国同盟・中国包囲網=インド・太平洋戦略の国家戦略が機能しはじめたと考えてよい。

防衛省が各国の国防省と直接やり取りすることにより、国益を守れる可能性が高まった。

防衛省内に、対外外交を行う部門=インテリジェンス部門が出来たことにより、外務省による亡国外交を歯止めをかけることができるようになった。

安倍政権になって以降、連絡員・駐在武官制度の改革により、インテリジェンスにおける個人的人間関係の構築インナーサークルに入った自衛官が数多く輩出された。ことにより、
日米間、日米安保体制が強固になってきた。

日米安保体制が強固になればこそ、日本が独自に、ASEAN各国や、インド太平洋諸国と緊密な関係を構築することが可能となってくる。

日米安保体制が強固であるからこそ、日本が独自に諸外国と緊密になっても、21世紀の大東亜共栄圏だと勘違いされずに済む。

バブル時代の30年前、もし、日米安保が強固で、日米間にインテリジェンス交流があったのなら、国益を害せず、日本は衰退とは言わないが、今日のような相対的国際的地位の低下は招かなかったであろう。





 
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自分にとっては、大変面白い本で、久々に一気読みしてしまった。
しかしながら、帯にある宣伝文句「母国に多くのスパイを送り込んだ、日本人女性教官の数奇な人生―――」は、ちょっと違う。まったく数奇な人生ではない、裕福な家庭のお嬢様に生まれ、フルブライトで渡米し、幸せな人生を送ったストリーだ。「母国に優秀なスパイを悪意無く送り込んでしまった、東京女子師範出身のお嬢様が渡米し日米をまたにかけた幸せな人生」が正しい帯タイトルだと思う。

ちょうど、キヨヤマダは、私の知り合いのお嬢様出身の才女と重なってしまったせいで、たいへん面白い本であった。

優秀な女性だからと限ったわけではないが、人は天職に恵まれた時、幸せな人生を歩めるというものだ。彼女は才女で戦後間もない頃フルブライトプログラムで渡米し、結婚、CIAに入局したのは46歳であったにもかかわらず、彼女は自分の才能を伸ばし、77歳まで勤め上げた、具体的にはどの位の高位の地位なのかよくは分からないが、「私はCIAで、
ガラスの天井を破ったのよ」と、自慢したのだから、CIAという組織の中で、女性だからと昇進を妨げる見えないが破れない障壁=ガラスの天井を破ったのだから、実務で相当高位の地位か権限を持ったことがあったのだろうと思う。単に退職時にメダルを貰っただけなら、奥ゆかしい日本女性であれば、ガラスの天井を破ったなどと言及しないであろう。

彼女の業績および影響力の結果として米国が、日米経済交渉などで、相当有利に働いたのであろうと推察される。バブル時代からの失われた20年、日本が凋落していった時代、日本を遣り込めた多くの優秀な米国CIA要員を沢山育てたことや、インテリジェンス活動も行い、たいへん優秀な実績をのこしたからであろう。日本が米国を越える勃興を防いだのは、優秀な日本人である彼女だったのである。

彼女はおそらく日本に対する悪意や恨みがあったわけでもない。ただただ、米空軍中佐だった夫に従って転勤するだけの平凡で退屈な主婦で終わるのではなく、自分の人生を切り開き、自分のためにキャリアを重ね邁進していった人生だったのであろうと思う。国家の思惑とか、思想に関係なく、ただ真面目に自分の仕事を突き進み、CIA内でキャリアを重ねた結果、インテリジェンスに耐性のない母国は、大きく凋落してしまっただけのこと、彼女が悪いのではなく、平和ボケした日本人全員が報いを受けたにすぎない。

おそらく、彼女は、彼女のせいで、日本が手玉にとられたことを悔いていないだろう。


キヨは世界を大きく変えるような目に見える変革や発明をもたらしたわけではない。前人未到の領域に到達し、派手に歴史を塗り替えた偉人もない。しかし、30年以上もの間、日本の歴史の舞台裏で暗躍してきたスパイを養成し、引退時事にはClAから栄誉あるメダルを授与され、表彰彰を受けるほどの評価と実績を残していた。

裏表紙より・・・
目次
プロローグ 墓碑銘がない日本人CIA局員
第一章 「私はCIAで、ガラスの天井を突き破ったのよ」
突然の告白/「ラングレー」の局員/身近にいた日本人CIA局員/日本では理解され難い組織/日本語教官を超えた任務
第二章 語学インストラクターと特殊工作
日本国内におけるCIAの活動/教え子の述懐/対象が「困っていること」を探れ/沖縄返還問題での裏工作/ロッキード事件とCIAの闇/特殊工作への関わり
第三章 生い立ちとコンプレックス
東京の下町に生まれて/姉妹間のコンプレックス/家族へ抱いた嫌悪感/海外留学への夢/英語教師として教壇に
第四章 日本脱出
人生の転機となる出会い/米国への逃避行/異国での再会/移住を決断/アメリカに届いた母の訃報/日本人妻としての苦悩
第五章 CIA入局
センセイの思い出/言語を重視したCIA/アメリカ人に言語を徹底させる理由/CIA女性長官の経歴/採用試験の高い壁/日本語教官としての軋轢/競争させられる職場
第六章 インストラクター・キヨ
実践的な授業/教え子は、自分の子ども/日本での極秘教育拠点/優秀な教官として/同僚との軋轢/米ソ冷戦時代のCIA/バブル経済と日本/スパイのリクルーターとして/冷戦集結とリタイア
第七章 最後の生徒
日本で開かれた引退パーティ/晩年の生活/夫の発病/死後に分かった夫の秘密/悲しみの追い打ち/「病院では死にたくないわね」/モルモン教とCIA/最後のクリスマス
エピローグ 奇妙な「偲ぶ会」
主要参考資料
私が本書に対して当初期待したのは、GHQのジャック・Y・キャノン陸軍中佐やチャールズ・ウィロビーアメリカ陸軍少将と日本の吉田内閣との暗闘の裏話のような話だった。だが、キヨ・ヤマダ氏が活躍された時代はもう少し後の世代、70年代~80年代日米貿易摩擦の頃の話で、日本を遣り込めるのに活躍した要員を沢山育てたというだけの話なのだ。

しかも、CIA内で、単なる通訳の仕事を超えたという詳しい工作の詳細は残念ながら述べられていない。夫の秘密とは、キヨとの間に子供を作ろうとしなかったのに、他の日本人女性との間に子供をもうけていた事を夫の死後知ったぐらいで・・・大きな波乱ではない。

おそらく、本書をまとめた山田敏弘氏も、もどかしかったかもしれない。
彼女のことを知る多くの人達が他界し、よく知る人達にも彼女は多くを語っていない。

P24-25

米国では、CIAで働いているという事実は、非常にセンシティブな情報だと見なされている。CIAに勤めていることが明らかになれば、致命的になりかねない。世界各地を回って情報収集や秘密工作などに従事する諜報員ともなれば、普段から他国機関に付け回され、監視されることもあれば、命を狙われることだってある。ゆえに局員が偽名や嘘の肩書きを使うのは普通になっている。正体がばれることは、すなわちスパイとしての死を意味するからだ。

局員の身元は、どこから特定されるかわからない。本部勤務だった元CIA局員が自分の職場についてどこかで漏らしたりすれば、そこから海外の政府中枢などにいる協力者の身元特定につながることもありうる。というのも、その元局員の行動やコミュニケーションなどをつぶさに監視すれば、どこからか現役のCIA局員につながることもあるだろうし、さらにそこから別の局員たちの身元が特定されることけもなりかねない。

 これまでも、身元が敵対する国にばれたことで、命を落としたCIAスパイは数多い。最近では、二〇一〇年頃から、CIAが中国で使っていた現地のスパイが、次々と姿を消すという事件が起きている。彼らは、素性がばれたヱとで中国当局に拘束され、多くが処刑されていた。若干名は、CIAが資金を工面して中国国外へ脱出させることに成功したが、姿を消したスパイの数は三〇人を超えるという。この史上稀に見る失態により、中国におけるCIAの活動は、一時的に停止にされる事態にまで陥ったという。
元CIAの諜報員が、中国国家安全部に情報を渡していたことだった。この人物はCIAを辞めた後、「IJT(日本たばこ産業株式会社)インターナショナル」の香港オフィスに勤務しながら、中国当局に情報を渡していた。また中国当局が、「COVCOM」と呼ばれるCIAの極秘通信システムに侵入していた可能性があり、そこからもスパイ情報が抜かれていたとの指摘もある。

 さらには二〇一五年に、中国政府系のハッカーが、米人専管理局(OPM)をサイバー攻撃して、連邦職員2210万人以上の個人情報や機密情報を盗み出している。そこにはCIAAが局員の入局に際して調べあげた個人情報なども大量に含まれていたとされ、そこから中国国内にいる協力者が特定された、との分析もある。

 このケースから、CIA関係者たちは常に危険と隣り合わせで任務に当たっていることがよくわかる。

 CIA本部には、ロビーにメモリアルウォール(追悼の壁)と呼ばれる壁があり、そこには身元が明かされるなどして殺害された職員たちの数を示す星が彫られている。現在、133の星があるその壁の前では、毎年、長官をはじめ現役局員たちが追悼式を実施するのが慣例となつている。

また、彼女が育てた子供達もしょの職務上、詳細を語ることはできない。
そんな中で、彼女の存在を発見し、まったくない資料を纏め上げた筆者山田氏の功績は大きい。

ちなみに、現トランプ政権の国務長官マイク・ポンペオ氏は2017年~18年に第24代中央情報局(CIA)長官を務め、CIA本部の、ロビーにメモリアルウォール(追悼の壁)の星の幾つかの追悼を行ったという。

ポンペオ国務長官が中国に対し厳しい理由がよくわかる。

あくまでも推測の域の話ではあるが、ロッキード事件に関して彼女の関わりに触れている。

p-53-55


特殊工作への関わり

 では、ロッキード社による工作に、キヨが何らかの形で関与していたということはないのだろうか。

 そう水を向けると、ピートは、「彼女が日本で工作をしていたかどうかについて、真実が出てくることはないでしょう。ただこれだけは言えます。細かいところは話せませんが、日本にも渡航していたはずですし、何らかの協力をしていたと言ってもいいでしょう」

 キヨの知り合いや関係者などによれば、この頃、米国にいたキヨのもとへ、日本にいる諜報員からしょつちゅう電話や手紙などで連絡が来ていた。近所に暮らしていた友人のドイツ人、ヘルガ・トルダも、キヨが、「普段でも日本からよく仕事の連絡を受けていて、米国でやりとりをするために、夜中も仕事をしている」 と漏らしていたのを覚えていると言う。

 これには、背景がある。東京支局に属するCIA諜報員同士といえども、お互いに頻繁にやりとりをするようなことはない。ましてや、自分が何を追っているのかといった任務の情報も共有はしない。

 スパイの世界でよく言われていることだが、工作に関係している人たちがすべての情報を共有すると、一人が拘束されるなどすれば工作の全容がバレてしまいかねない。

 つまり、それぞれが自分の与えられた任務をこなしており、自分がどういう大枠の作戦に従事しているのかを知らないケースもあるのだ。そうした事情から、個人プレーでの判断を求められる局面が多く、米国にいるキヨを頼る者は少なくなかったという。

 関係者と接触する際に注意する点は何か、疑惑が取りざたされている政治家とのやりとりで注意すべき点は何か、アドバイスだけでなく具備的な指示を求めてキヨに直接、連絡を取っていた諜報員がいたということだ。日本との時差もあり、必然的に電話は夜遅くになったのだろう。
                            
 実は、キヨはすでに述べたような新聞記者を取り込んだ作戦のみならず、後述するように、渡米前の戦前から戦後の日本で富裕層の家庭で育った頃の人脈もあったため、その流れから協力者の獲得という日本国内での特殊工作にも携わっていたという。

「日本企業などに太いパイプを持っていた有力な日本人たちを介して、CIAに協力していた日本人スパイを、大手企業に送り込んでいた」との証言もある。

キヨほもともと政府系だった企業などにも人脈を持っており、諜報員や協力者など情報提供や、就職斡旋にも関与していたのだ。

生前のキヨを知る人たちによると、とにかくキヨはフットワークが軽く、「雑談で湧いて出たようなアイデアもすぐに実現に向けて行動に移すところがあった」と異口同音に言う。人を紹介した場合、その後ですぐに動いて、あっという間に大事な交渉をとりまとめた。

 ある元諜報員によれば、「もちろん、キヨが日本に来る際には、日本国内にいる知り合いの有力者などとも顔を合わせ、情報を仕入れて、諜報員らにも報告していた。企業文化などといったバックグラウンド情報も現場に伝えていた」 と言う。
 こうした話を総合すると、日本でCIAが関与していた様々な工作には、キヨがインストラクターという枠を超えて、その活動に関わっていたということが見えてくる。

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東京女子師範学校付属に通っていた頃のキヨ(昭和16~18年頃)なんて可憐な深窓のお嬢様!

下町で、代々続く老舗の肥料問屋のお嬢様として何不自由なく育つ。
優秀な姉と兄がいて、何かと比べられたりしていたが、それが家族を嫌い、渡米したい理由にしては説得力に欠ける。英語を専攻すれば米英文化に憧れるのはごく自然なことである。

戦後すぐには白百合で英語の教師として働き、宝塚の男役のような凛とした姿は、女子高生の憧れの的となった。

彼女が、日本国内に多くの人脈があった理由は、良い所のお嬢様は良い所に嫁ぎ、そういった関係から、日本国内にネットワークが形成されたのは自然なことである。

私の知り合いの女性は、JG出身だが、OG会の会にも頻繁に出席して人脈を持っている話を聞いたことがある。国会議員の奥さんだとか、医者とか官僚とかの奥様が多いとの事。

戦前の下町お嬢様が、当時憧れのフルブライトの留学生ともなれば、日本を離れてもいつまでも関係を維持できたことは納得できる。

【DIAMONDonline】窪田順生 2019.9.5 5:35


政界はもちろん、大企業やマスコミ、世論に影響を与える有名人に、それと知られずに近づき、意のままに操るCIA工作員。しかも、その工作員たちの「先生」は大正生まれの日本人女性だった。最近明らかになった、驚くべき真実とはーー。(ノンフィクションライター 窪田順生)

あなたの隣にもいる!?CIAの協力者の実態

日本の大企業やマスコミ、政界などで今なお広く活動しているCIAのスパイたち。その先生は、なんと大正生まれの日本人女性だった


 ある全国紙で活躍する記者が大怪我を負って入院した。と、ほどなくしてきちんとした身なりの外国人が病室にお見舞いにやってきて、こんなことを言う。

「私はアメリカ大使館の政治担当オフィサーをしている者です。いつもあなたの記事を読ませていただき勉強させてもらっています。入院をしたと聞いて、いてもたってもいられなくなりお見舞いに伺いました」

 その後も足繁く通い、雑誌や食べ物などを差し入れてくるこの「親切な外国人」に、記者は徐々に心を開き、いつしか治療費などがかさんで今月ピンチだ、なんてグチまでこぼせるような間柄となっていた。

 そんなある日、米大使館員を名乗るこの男は、「お力になれるかもしれません」なんて感じで記者に「援助」を申し出てきた。気がつけば、この記者は取材活動の中で得られる日本政府や日本企業の情報を男に提供して、男が望むような記事を書く「協力者」となり、その関係はこの記者が「論説委員」になるまで続いたというーー。

 これは、ジャーナリストの山田敏弘氏が、日本で活動していた元CIA諜報員にインタビューして聞き出した「実際にあったエピソード」である。

「CIA」といえば、多くの日本人は映画のように派手なアクションを繰り広げるスパイをイメージするが、実はその国の政治家、役人、大企業の社員、そして世論に影響を与えるマスコミや有名人などに接近して、知らぬ前に「協力者」(エージェント)へと仕立てあげ、情報収集や工作活動に利用する、というのが彼らの主な仕事である。

 つまり、あなたのデスクの隣にいる人や、テレビに出ているあの有名人も、本人にその自覚のないまま、CIAの「協力者」になっているという可能性もゼロではないのだ。

 と言うと、「そんな落合信彦のスパイ小説じゃあるまいし」「中国相手ならわかるが、同盟国で、子分のように尻尾をふる日本にわざわざそんな面倒な工作活動なんてしないだろ」とシラける方も多いかもしれないが、それは大きな間違いだ。

 我々が想像している以上に、アメリカは日本へスパイを送り込んでおり、ゴリゴリの工作活動に励んでいるのだ。その動かぬ証拠とも言うべき人物が、2010年に88歳で他界したキヨ・ヤマダこと、山田清さんである。


■日本の大企業の中に大勢いる「CIAの協力者」

 大正11年、東京・深川の肥料問屋の家庭に生まれた山田さんは、東京女子大学の英語専攻学部を卒業して英語教師となった。終戦後に渡米してミシガン大学大学院で教育関係の修士号を取得。米空軍の爆弾処理の専門家と結婚してキヨ・ヤマダ・スティーブンソンとなり、20年ほど家庭で夫を支えていたが、46歳の時にCIAの「日本語講師」の募集に応募して見事合格した。

 そこから2000年、77歳で現役引退するまで、日本へ送り込まれるCIA諜報員に日本語や日本文化を教え続け、時には裏方として彼らの工作活動も支えたキヨ・ヤマダは、ラングレー(CIA本部)から表彰もされた「バリキャリ女子」の元祖のような御仁なのだ。

 ちなみに、冒頭のエピソードを明かした元CIA諜報員もキヨ・ヤマダの「教え子」の1人で、実はこの工作活動にも、彼女は裏方として関わっていたという。

 そんなスゴい日本人女性がいたなんてちっとも知らなかったと驚くだろう。それもそのはずで、アーリントン国立墓地にあるキヨ・ヤマダの墓標には「妻」としか刻まれておらず、CIAで働いていたこともごく一部の友人に明かしていただけで公にされていない。前出のジャーナリスト・山田氏がアメリカでCIA関係者や友人たちへ取材を繰り返すことで最近になってようやく、彼女が実は何者で、何をしていたのかがわかってきたのである。

 そのあたりは是非とも『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)をお読みいただきたいが、その中でも特に興味深いのが、キヨ・ヤマダと、その教え子たちが行っていた工作活動だろう。

 同書には「キヨはもともと政府系だった企業などにも人脈を持っており、諜報員や協力者などの情報提供や、就職斡旋にも関与していた」と述べられており、以下のような証言もある。

「日本企業などに太いパイプを持っていた有力な日本人たちを介して、CIAに協力していた日本人スパイを、大手企業に送り込んでいた」

 戦後の日本でCIAがこのような活動を延々と続けてきたということは、現在の日本の大企業の中には、キヨ・ヤマダの教え子たちに意のままに操られている「協力者」が山ほど潜んでいる可能性が高いということだ。

 彼らは自分がCIAの手先になっているという自覚すらなく、業務で知り得た情報を提供しているかもしれない。あるいは、CIA工作員が投げた「餌」に飛びついて、アメリカが望むようなビジネスをしているかもしれない。


■対象が「困っている時」を狙え CIAの人心掌握術

 それがあながち荒唐無稽な話ではない、ということは、キヨ・ヤマダという女性の存在が雄弁に物語っている。

  一方で、いくらスパイとはいえ、そんなに簡単に人間を操ることなどできるわけがないのではないかと感じる方も多いだろう。実はCIAには、世界のビジネスマンたちも参考にする「人心掌握術」があるのだ。

 同書によれば、ポイントは「困っていることを探る」ことだという。といっても、弱みを見つけて脅迫をするのではなく、そこを突破口にして、あくまで自発的に協力をしてくれるように仕向けていくのだ。

 サイバー安全保障が専門である著者の山田氏は、冒頭のような新聞記者を籠絡した手口は「情報機関の常套手段」として、最近あったという事例を紹介している。

「しばらく前に、コンピューターに不正アクセスをしてパスワードやクレジットカード番号を盗み出していたハッカーが当局に逮捕された。この人物を協力者にしようと考えた情報機関の関係者は、このハッカーの銀行口座などを調べ、かなりカネに困っていることを察知した。そして、保釈後、ハッカーに接触し、カネを提供するという約束をして、協力者にしてしまった」

 困った時に救ってくれた恩人からの頼まれ事は断りにくいというのは、人間ならば当然の感情だ。CIAをはじめとした諜報機関は、そこを巧みについて協力者に仕立て上げるという。

 あなたがピンチになった時、すっと手を差し伸べてきたその「優しい外国人」は、もしかしたらキヨ・ヤマダの教え子かもしれないのだ。

競争の激しいCIAの言語インストラクターではあったが、キヨのインストラクターとしての評判はすこぶる良かったようだ。

 元教え子たちは「インストラクターとして優れている」「人柄も素晴らしい」ことから、
生徒たちにも人気があったと口を揃える。


p164-169
 
ローレンスは述懐する。
「バブル経済時には多くが日本語プログラムを志願した。重要な国を担当すると出世にもつながるからさ。もちろん、ウチの〃会社〃(CIA)も人員を増やして、日本でのスパイ活動は活発になったよ。どれほどの人員が東京にいたのかはわれわれも知らされなかったが、数百人はいたのではないだろうか。また世界的に有名な自動車メーカーがある地域にも人は送られていたはずだ」    
 それは国務省でも同じだった。国務省で日本語を敢えていたファイファーも、こう語った。
「国務省は入省するとまず希望を出します。当時咄、新しい職員の多くが日本に行きたいと希望を出したのです。日本語が大人気だった。職種的には、領事部とか、政治部、経済部とかの希望を出すのですが、政治や経済の部門は専門職になるので、言語の習得がキャリアにとっても非常に評価される。それで、じやあ君、書ず日本語勉強してこいと言われて学びにくる人も増えたのですが、難しくて音をあげる人も少なくなかった」

 ピートやローレンスのような、キヨが送り出して現場にいた教え子の諜報員たちは、日本に対する工作にも力を入れていた。

その象徴的令は、1995年のアメリカと日本の自動車と自動車部品をめぐる交渉だ。当時は日米の貿易摩擦が深刻で、アメリカは日本の高級車に対する禁輸措置をチラつかせていた。

 米国のミッキー・カンター通商代表と橋本龍太郎・通商産業相による交渉は、当初、日米がお互いに自国での開催を主張した。結局、折り合いがつかず、スイスのジュネーブで行われることになった。

 六月二六日から開催された交渉では米国が有利に話を進めた。その理由は、CIA東京支局が徹底した諜報工作を繰り広げていたからだ。数週間前から、通信電波の盗聴などを専門とする国家安全保障局(NSA)のチームを現地入りさせ、盗聴の準備を進めた。そのおかげで、CIAは交渉に参加していた日本の通商産業省などの官僚や、彼らが電話で密に打ち合わせをしていたトヨタ自動車や日産自動車の交渉担当者との会話までを盗聴し、相手の手の内を掌握していた。毎朝、交渉の前に、カーターはその盗聴内容も含む最新情報についてブリーフィングを受けていた。

 日本側はそんなこととはつゆ知らず、悠長にも、ホテル備え付けの電話で連絡や打ち合わせをしていた。もちろん悪いのは盗聴するほうだが、あまりに警戒心がないのも問題だろう。

 ピートは「あくまで一般論ですが」として、「日本のように政官民が一緒になって動いていると、情報収集はやりやすいのだろうと私は思います」 と語っている。


事実、ワシントンDCでは、日本大使館や日本企業のワシントン支社の電話ヤフアックス、日本政府や企業関係者の滞在するホテルですら、CIAなどによる盗聴の対象になっていたという。

 それまで冷戦構造の中でソ連とのスパイ合戦をしてきたCIAにしてみれば、「日本相手のスパイ行為は随分やりやすかったということですね」と、ピートは語った。特に経済分野は与し易いと感じていたようだ。

 八〇年代以降も、日本の首相が欧州なども外遊する際には、首脳の周辺にいるCIAの協力者から情報を得るために、CIA諜報員も現地に入った。

 キヨの教え子たちは、東京に拠点を置いて、こうした作戟に従事していた。そしてアメリカの経済政策を有利に進めるための工作に奔走しでいた。さらに元諜報貞らによれば、民間や政界、中央省庁などに協力者を作り、ハイテク電子分野や農産物分野の状況についての情報を吸い上げるなど、スパイ工作を存分に行っていたという。

 しかし、日本のバブル期にCIAの日本語プログラムでも起きていたこうした「日本バブル」は、とうの昔に終わっている。それに伴って、CIAでも日本語の人気は徐々になくなつていった

 キヨはのちに、親しい友人にこう嘆いていた。

「二〇〇〇年あたりから、日本語プログラムの人気はかなり落ち始めたのよ。現在では、バブルの頃とは比較にならないほど、規模がずいぶん小さくなってしまったの。日本パッシングではないけど、重要度が低くなっていることは確かだつた。でも本当の問題はね、これが日本にとっても非常に残念な傾向だったということ。情報活動の世界の中でも、日本が軽視されることになってしまうから」

 キヨが言わんとしていることは、こうだ。
 CIAで「日本人気」が低下したことによる影響は、実は日本にもブーメランのように跳ね返って来るということなのだ。
 ローレンスも、こんなことを言っていた。
「インテリジェンスの世界では、各国の間で 『ギブ・アンド・テイク』という考え方がある。
つまり日本が、CIAをはじめとする外国の諜報機関や警察当局の欲しがるような情報をもっていれば、その情報と引き換えに、日本が欲しい情報やテクニックなどを他国から手に入れやすくなるのだ」

 この話は、日本側の当局者からも聞いたことがある。その当局者によれば、「各国の情報当局同士で、こちらから情報をあげるから、例えばそちらの国のメーカーの、この情報を教えてほしい、というやりとりがあります。もしくはメーカーとは関係のないような情報が欲しい時もあります。
 以前、日本で、事件の証拠品である日本製のハードディスクを海から回収したが、塩水でディスクが劣化し、中の重要な証拠を見ることができないというケースがあった。
 そこで日本の当局は、製造元である日本メーカーに協力を要請し、そのディスクから情報を抜き出す技術を世界に先駆けて開発したのです。日本メーカーだからこそ、当局に全面協力をしてくれた。そのおかげで他の国ではできないテクニックを、日本は手にしました。

 そのメーカーのハードディスクは世界的に人気も競争力も高く、かなり普及していたため、外国の当局者にその技術の話をすると、ぜひそのやり方を教えて欲しいという要請が来るようになった。そしてその情報を与える代わりに、こちらの欲しかった情報を提供してもらうよう交渉できたのです。

 例えば、ノキアの携帯から情報を抜き出すテクニックを知りたければ、フィンランドにこちらの技術を提供してから協力してもらう、といちた具合です。日本のメーカーが強ければ、情報を欲しい国の当局者が寄ってくることになる」 逆を言えば、日本のメーカーに世界的な競争力がなくなれば、世界から日本は情報を求められなくなる可能性がある。そうなれば、情報は「ギブ」してもらえなくなる。

 つまり、日本の技術力や経済力が衰退するこどのインパクトは、インテリジェンス分野にも波及する。CIAで日本の人気がなくなるというのは、日本が「使えない国」「重要度の 償い国」だと思われていると捉えることもできる。

  キヨは、そうした背景を踏まえた上で、日本語プログラムの衰退を嘆いたのだった。
インテリジェンスに興味があり、インテリジェンス関係の本に、必ずと言って良いほど書いてある、日本にはインテリジェンスの概念がなく、だからダメだとインテリジェンスの本には必ず引き合いに出される逸話である。

日米交渉における日本のインテリジェンス警戒心の欠如からくる日本側の大失態である。
常に情報は筒抜けで、交渉は米国に常に有利にコントロールされ、国益を失い続けてきた。

その日米交渉で、常に米国に出し抜かれていた理由がやっとわかった!山田清氏の存在だったのか!

【デイリー新潮】2019年10月24日掲載  

 2015年8月、米バージニア州アーリントンは抜けるような青空が広がっていた。

 筆者は首都ワシントンD.C.で開催されていたシンクタンクの会議を終え、あとは当時暮らしていたマサチューセッツ州ボストンへ戻るだけだった。だが、帰途に就くまえに、以前からどうしても気になっていたアーリントン国立墓地に立ち寄ることにした。

 アーリントン国立墓地を訪問してみたいと思ったのは、知人女性との雑談がきっかけだった。以前、D.C.近郊で暮らしていたというこの知人は、その当時に「興味深い女性」と知り合ったと話した。在米の日本人主婦が、友人だけを集めて開いた、小規模なホームパーティでのことだったという。

 知人が直接聞いた話によれば、その女性の名は、キヨ・ヤマダという。日本で生まれ育ったキヨは、戦後しばらくして渡米し、アメリカ人と結婚。そのあと、アメリカの諜報機関であるCIA(中央情報局)に入局した――。

 初めて知人からこの話を聞いた2014年の時点で、キヨ・ヤマダはすでに他界し、アーリントン国立墓地に埋葬されている、とのことだった。そこで、D.C.への出張に合わせて、初めてアーリントンを訪れたのだった。

 ***

 これは最近上梓した拙著『CIAスパイ養成官―キヨ・ヤマダの対日工作―』(新潮社)(https://amzn.to/2P8dhJI)からの抜粋(一部修正)だ。このノンフィクション作品では、戦前に生まれた日本人女性が、軍国主義的な時代の日本の中で育ち、日本という国を一変させた戦後の混乱期に日本を離れ、米国で諜報機関に入っていく軌跡を追った。日本語インストラクターとして入局したCIAでは、対日スパイ工作にも関与するなどして、局内で多大な評価を受けていた。

 キヨの教え子たちは、沖縄返還、ロッキード事件、反共産主義工作、日米貿易摩擦などで指摘されているCIAによる戦後史の裏で暗躍し、さらにキヨ自身も日本での工作活動を支えたり、スパイをリクルートするなど諜報工作にも関与していく。日本の有力者を諜報員に紹介するようなこともあったという。

 出版後、拙著に対する様々な反応に触れている。そんな中でも興味深かったのは、CIAで対日工作に関与したキヨ・ヤマダが「売国奴」だったのではないかというものだった。ある著名人からも、インターネット上でこの本こそ「売国の実態」であるとコメントをいただいた。

 拙著の取材では、米国人だけでなく、米国へ移住した外国人たち、そして米国に移住した日本人など多くに話を聞いた。そんな彼らとの対話を通じて、日本のみならず、欧州から移住して米国に暮らす人たちの苦悩なども耳にした。移民大国の米国ではあるが、移民の多くは、簡単には越えられない「米国人」の壁を感じ、心の奥深くでどこか疎外感を抱いているのが印象的だった。そんな社会の中で、キヨ・ヤマダはCIAで自分の居場所を見つけることになるのだが、そのあたりの詳細は拙著に譲りたい。

 結局、彼女はCIAで対日工作を行った「売国奴」だったのか。取材から見えたキヨ・ヤマダは確かに米諜報機関の手先として働いていたが、彼女の人生を紐解いていくと、「売国」という言葉では片付けられるものではないことがわかる。

 俯瞰すれば、対日工作を行っていた時点で、日本人から見れば「国を売った」という印象を受けるだろう。ただ日本とアメリカの関係においては、そんな単純な構図では括れない。そもそも戦後の日本が世界から奇跡的と言われる経済発展を遂げ、現在は経済的に失速して「失われた時代」が続いている状態ではあるが、世界的に見て裕福な国家になれたのも、米国が日本にもたらした対日工作があったから、という側面もある。

 もちろん、日本の政治家などの中には、戦後に日本人である矜恃を失わないよう米国と対峙しながらこの国を形作ってきた者もいたが、それでも、米国が日本に軍事・安全保障の面で「傘」と「安心」を与え、日本人がそれを甘んじて受け入れ、恩恵に与かってきた事実は消せない。そのおかげで、日本は経済分野にリソースを集中させることができたのである。米国からしてみれば、それは反共政策という自分たちの利害のためだった、としてもである。

 そして、そんな日本のあり様を受け入れ、民主主義国家の日本で、米国に依存する日本を作り上げたのは私たち日本人に他ならない。つまり米国なしには独り立ちができない日本は、日本人自身の選択の結果なのである。そう言う意味では、日本という国の安全をアメリカという他国に委ねた私たちは皆、「売国奴」だと言えるのではないだろうか。

 一方で、筆者が取材で会った米国に移住した日本人の中には、戦前に生まれ、戦後間もなく米国に渡った人たちも多かった。彼らは米国で厚い壁を感じながら、日本人である自分のアイデンティティを強く持ち続けていた。


生き様

 例えばキヨ・ヤマダと親しかった年配の日本人女性2人にインタビューをした際に、こんなことがあった。

 取材後、自動車で訪れていた筆者に、この女性たちは行きたいところがあると言う。そこで一緒に、D.C.の郊外にあるバージニア州フェアファックス郡の郡政府センターに向かった。

 実は同センターの敷地内にある公園の片隅には、第2次大戦で日本軍に強制されたとされる従軍慰安婦のための記念碑が設置されていた。探すのに苦労するほど離れた一角にあったこの記念碑は、D.C.の韓国系組織であるワシントン慰安婦問題連合が、この地域に暮らす韓国系住民だけでなく、議会議員などにもロビー活動を行って2014年に設立を実現させたものである。

 フェアファックスの記念碑を前にして、彼女たちは首を傾げながら、こういう石碑は「信じられないことよね」「許してはいけないと思うわ」「なぜこのような物を作るのか、目的がわからない」と嘆いた。帰りの車の中でも、彼女たちは「もちろん韓国系の友人もいる」が、「日本は詫びて、戦後に時間をかけてすべて解決してきたことではないのか」と熱く語っていた。

 彼女たちとのやり取りでは、日本人としてのアイデンティティを強烈に持っていることを痛感させられた。彼女たちは、身の回りには日本製品を置き、日本車に乗り、出来る限り日本食を食べている。仕事をきっかけにして米国には移住したが、やはり日本への想いは強い。

 米国という「人種の坩堝」の中にいるからこそ、周りから「日本人」の代表として扱われ、日本人であることを強く意識することになる。その中で日本の良い面も悪い面も、それぞれが考えるようになるのである。筆者が会ってきた人たちを見ると、そうした経験を通して日本人であることを誇りに思っている人が多かった。海外に長期間暮らした日本人の多くが「日本びいき」になるという話を聞いたことがある人も多いだろうが、そういう背景があるのだろう。

 そして、それはキヨ・ヤマダも一緒だった。彼女は晩年、CIAに入って「初めて米国に受け入れられたと感じた」という言葉を残している。そんな彼女も、自動車は常に日本車だった。遺品からは、長く疎遠だった家族の写真などだけでなく、数多くの日本語の新聞の切り抜き、山田家の過去帳や数珠、日本で卒業した大学の証書など日本らしいものが次々と出てきた。明治から大正時代の詩人、上田敏による『上田敏詩抄』なども大事に保管されていた。日本の文化や歴史に関する本もたくさん遺されていたという。

 彼女の人生には、「売国奴」などという言葉では言い表せない生き様があったのである。もっとも、彼女は自分の可能性を信じて米国に留学し、思いがけず主婦になって、後にCIAに入ったが、自分の人生を懸命に生き、置かれた環境でベストを尽くしただけに過ぎない。

 こうした背景を踏まえて、キヨ・ヤマダという日本人女性が本当に「売国奴」だったのか、もっと言えば「日本とは一体どういう国なのか」というところまで、拙著から考えるきっかけにしてもらえれば、と願わずにいられない。

山田敏弘
国際ジャーナリスト、米マサチューセッツ工科大学(MIT)元フェロー。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版などに勤務後、MITを経てフリー。著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など。数多くの雑誌・ウェブメディアなどで執筆し、テレビ・ラジオでも活躍中。

週刊新潮WEB取材班編集


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【NHK】2020年6月15日 19時39分 

河野防衛大臣は、新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の山口県と秋田県への配備計画を停止する考えを表明しました。これにより日本のミサイル防衛計画の抜本的な見直しが迫られることになります。

「イージス・アショア」は、アメリカ製の新型迎撃ミサイルシステムで、政府は、山口県と秋田県にある、自衛隊の演習場への配備を計画していました。

このうち、山口県の演習場への配備について、河野防衛大臣は15日夕方、記者団に対し、迎撃ミサイルを発射する際に使う「ブースター」と呼ばれる推進補助装置を、演習場内に落下させると説明していたものの、確実に落下させるためには、ソフトウェアの改修だけでは不十分だと分かったことを明らかにしました。

そのうえで「ソフトに加えて、ハードの改修が必要になってくることが明確になった。これまで、イージスアショアで使うミサイルの開発に、日本側が1100億円、アメリカ側も同額以上を負担し、12年の歳月がかかった。新しいミサイルを開発するとなると、同じような期間、コストがかかることになろうかと思う」と述べました。

そして「コストと時期に鑑みて、イージス・アショアの配備のプロセスを停止する」と述べ、配備計画を停止する考えを表明しました。

こうした方針をNSC=国家安全保障会議に報告して、政府として今後の対応を議論するとともに、北朝鮮の弾道ミサイルには当面、イージス艦で対応する考えも示しました。

さらに河野大臣は、山口県と秋田県の両知事に15日、電話で報告したとしたうえで、できるだけ早い時期におわびに赴く考えを明らかにしました。

政府は、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃への対処能力を高めるためとして、3年前の2017年にイージス・アショアの導入を閣議決定していましたが、ミサイル防衛計画の抜本的な見直しが迫られることになります。

「イージス・アショア」とは 

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「イージス・アショア」は、弾道ミサイルに対処できる海上のイージス艦と同様の機能を地上の施設として整備した地上配備型の迎撃ミサイルのシステムです。

アメリカが開発したもので、大気圏を高速で飛ぶ弾道ミサイルを追尾できる高性能レーダーと日本国内に落下のおそれがある場合などに撃ち落とす迎撃ミサイルのSM3などで構成されます。

イージス艦と同じように弾道ミサイルを大気圏の外で迎撃できる能力があり、防衛省はこのシステムの導入によって現在、2段構えとなっている弾道ミサイルの迎撃態勢を3段構えにしたいとしています。

具体的には、弾道ミサイルに最初に対応するのが海上に展開したイージス艦で、撃ち漏らした場合や複数のミサイルが飛来してきた場合などにイージス・アショアが迎撃し、さらに地上近くで迎撃するPAC3が備えるというものです。
「イージス・アショア」の仕組みと運用
防衛省によりますと、イージス・アショアに使用する高性能レーダーは、イージス艦で使用しているレーダーに比べてさらに探知の範囲が広いタイプを計画しているということです。

また、迎撃ミサイルは、日米が共同で開発を進めている「SM3ブロック2A」という新型で、イージス艦に搭載されている現在のSM3に比べ、大幅に能力が向上するとしています。

射程が伸びることに加えて、赤外線センサーを使って対象を探知し、自動で向かっていく能力が上がるということです。

こうした能力の向上によって、防衛省は現在のイージス艦に比べ防護の範囲が広がるとしていて、イージス・アショアでは2基で防護が可能だとしています。

また、イージス・アショアは地上に設置するため、海上に展開するイージス艦に比べて隊員の負担が少なく、常時、運用する態勢がとりやすくなるということです。

防衛省は、弾道ミサイルへの備えとして、ふだんはイージス・アショアで対応し、情勢が緊迫した際にはイージス艦を加えて態勢を強化する運用方針を検討しています。

当初 山口県萩市と秋田市が候補地に 

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防衛省は、イージス・アショア2基で日本全域を効果的に防護するには秋田県付近と山口県付近に配備する必要があるとして、当初、山口県萩市にある自衛隊のむつみ演習場と、秋田市にある自衛隊の新屋演習場を配備の候補地としていました。

防衛省は、地元と調整するなどしてきましたが、このうち秋田市の演習場については、防衛省のずさんな調査などで地元で反発が広がり、候補地をゼロベースで検討するとして、再調査を行ってきました。

外務省の幹部は

外務省幹部は午後6時すぎ、記者団に対し「日本の防衛のために日本の防衛省が判断した話であり、アメリカが何か言ってくることはないのではないか」と述べました。

一方で、別の外務省幹部はNHKの取材に対し「日本の国内事情を理由に配備を停止することになり、アメリカに丁寧に説明しないと、日米同盟や、トランプ政権との関係に悪影響を及ぼすおそれがある」と指摘しました。

立民 福山幹事長「国会での説明強く求めたい」

立憲民主党の福山幹事長は記者団に対し「安全保障上、どれほど有効なのかという議論も拙速に行われ、導入や配備先が決められた。非常に大きな政策変更なので安倍政権の責任を問うていく必要がある。これまでの説明との整合性をどう取るのかなど、国会での説明を強く求めたい」と述べました。

山口県 萩市長「驚き以外無い」

山口県萩市の藤道健二市長は「これまで2年近く防衛省・市・住民が話し合いをしてきてこういう結果になり、驚き以外、何物でも無い。NSC=国家安全保障会議でイージス・アショアの配備を今後どうするか議論されると思うので、どういった方向にするのか、今後、防衛省から聞くことになるのではないか」と述べました。

山口県 阿武町長「白紙撤回を望んでいる」

山口県萩市の自衛隊演習場に隣接し、配備に反対してきた阿武町の花田憲彦町長は、15日午後6時すぎに河野防衛大臣から直接、計画の停止についての報告と、おわびに訪れたいという内容の連絡があったことを明らかにしました。

そのうえで花田町長は「『演習場の中にブースターを確実に落とす』という、これまでの説明は何だったのか。停止ということばの意味の深いところまでは理解していないが、国家安全保障会議の中で、得策ではないことが認められ、白紙撤回となることを望んでいる」と述べ、計画の停止を歓迎する考えを示しました。
山口県「情報把握せず 今はコメントできない」
山口県防災危機管理課は「情報を把握していないので今はコメントできない」と話しています。

秋田県知事「賢明な判断」

秋田県の佐竹知事は「ミサイルのブースターの落下地点を正確にコントロールすることは周辺地域の安全確保に不可欠な重要な要素だ。この点に関し、ソフトウェアのみならずハードウェアとしてのミサイル本体の改修も必要となれば、さらに多額の費用と相当の期間が必要となり、改修が成功したとしても、その間の他のミサイル類の技術的進歩を考えれば、そもそも能力的な問題が生じる。したがって、プロセスの停止、現行配備計画を停止することは賢明な判断だと考える」とコメントしています。

秋田市長「振り回された 防衛省は全く無責任」

配備候補地の陸上自衛隊新屋演習場がある秋田市の穂積市長は「防衛省から事前に連絡もなく突然報道されたが、停止という意味も含めて今後の対応を地元に早急に説明すべきだ。地元がいろいろと振り回されてきたことは誠に遺憾であり、防衛省の姿勢は全く無責任と言わざるを得ない」というコメントを出しました。

新屋勝平地区振興会「中止なら地元も安心」

「イージス・アショア」の秋田市新屋地区への配備計画に反対してきた「新屋勝平地区振興会」の佐々木政志会長は「計画の停止ということは、一度止まったあと、再び計画が動き出すこともあると捉えることができるので、いずれ計画が動くのではないかという心配の要素がある。しっかり中止と言ってもらえれば、地元の人たちにも安心してもらえる」と話しています。

海上自衛隊 元海将「もう少し早く判断できたのでは」 

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「イージス・アショア」の配備計画をめぐり、河野防衛大臣が計画を停止する考えを表明したことについて、海上自衛隊の元海将の香田洋二さんは、「ブースターを民家などの上に落下させないようにするということは、当初から技術的に難しいと予想されたことで、計画の停止はしっかりとした決断だとも言えるが、もう少し早く判断できたのではないか」と話しています。

そのうえで「ブースターを制御して狙ったところに正確に落とすということは、技術的にこれまでやったことがなく、防衛省が目指していた期間やコストで実現し、安全性を確保することは難しいものだった。今回の件は防衛省が専門家の意見を聞かず、みずからの正当性に固執しすぎた結果だと言え、今後、包括的な説明が求められる」と指摘しました。


正直なところ残念ではあるが、限られた予算を有効に振り分けるという意味では、賢明な判断であろう。早い話が、いままで防御用の高価な楯ばかりを買い集めていたが、これから攻撃用の矛を買い揃える政策に転換したのだ。

イージス・アショア導入論が強まった2017年、当初私はイージスアショアの配備先は、丹後半島経ヶ崎付近と予想していた。

若狭湾の原発銀座が近くイージス艦の母港がある舞鶴周辺が候補地であるが、空自レーダーサイトがある丹後半島経ヶ崎や陸自基地及び演習地がある福知山周辺の山林は国有地や買い手のつかない二束三文の山林だらけで、基地取得費用は格安である。

2017年05月11日
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日米共同でSM-3の能力向上型(SM-3BlockⅡA:弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイル)であれば、日本海を2隻のイージス艦で守っていたが、1隻でカバーできるようになるというからだ。

2013年11月03日
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ところが2018年度予算請求において、山口県と秋田県の2ヶ所に配備することになった。
少々意外に思ったが、ミサイル飽和攻撃をされた場合、同時に発射できるミサイルが多ければ多いほど、誘導管制レーダーが多ければ多いほどいいに決まっている。

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イージス・アショア導入が決まった2017年に北朝鮮は火星12号、火星14号、火星15号など大型のものを含む弾道ミサイルを16回発射、緊張が最高潮に達していた時期であった。

イージスアショアの導入については2017年以前から検討はされていたが、導入決定自体は明らかに激しい北朝鮮のミサイル実験が原因かと思います。特に米本土まで届く火星シリーズの大陸間弾道ミサイルICBMの登場は日本より米国の方が衝撃的だったようだ。ピョンジャンオリンピック直前、あと一歩で米国による武力行使の直前であった。

また、2017年当時北朝鮮はロフテッド軌道で弾道弾を発射実験を繰り返しており、日本には、SM-3が打ち漏らした弾頭を迎撃するTHAADが担当するミッドコースからPAC-3が担当するターミナルコースを迎撃する手段がなく、THAADを新たに導入するのではなく、イージスアショアの誘導システムを用い、SM-6で
THAADが担当するミッドコースからPAC-3が担当するターミナルコースの空白を埋めるのであれば、確かに山口と秋田の二ヶ所という論理は成り立つ。


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オレンジ円半径370km(SM-6射程距離※英文wikiでは射程240km)
青円半径1000km(探知距離)
赤円半径2500km(SM-3BlokⅡA射程)

イージスアショアは固定されており対北朝鮮のBMD戦においては、山口と秋田の二ヶ所配備は間違っていない。

だが、以下の図を見てしまうと、純粋に日本の要求で山口と秋田の二ヶ所になったのか、疑問の声を上げる専門家達もいた。

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偶然にも北朝鮮グアムの中間点に山口県があり、北朝鮮ハワイの中間点には秋田がある。
正直なところ、高額の装備であるイージス・アショア配備の場所選定は、沖縄等で散々苦労してきた防衛施設庁にしては、あまりに杜撰すぎる決定や選定プロセスであり、今思えば本気で配備する気があったのかさえ疑問に思う。

そして、日本の官僚や政治家は、一度決定した方針を取り消したり中止とするには、膨大なエネルギーと時間がかからなければ、覆すことはない。ところが、イージス・アショア配備計画変更に関しては、これでもいままでの慣例からすると、電光石火に近い速さで、計画を中止した。

日本が大きな方針変更を決定するのは今も昔も黒船である。今回米国にとって差し迫った戦争は北朝鮮ではなく、対中国に変更になったのだ。

計画に反対していた秋田県民と、山口県民に対してエゴイストだと残念意思っていたが、米国の戦略の変化で振り回されてしまっていただけである。

仮に対中国を念頭において
イージス・アショアを2ヶ所配備するのであれば、京都府の日本海側(丹後半島:経ヶ崎)と、沖縄本島が候補であろうか?丹後半島でなければ九州の佐賀か長崎付近となるだろう。

だが、ICBMやSLBMを保有する中国に対しては、どれだけ楯を厚くするだけでは抑止力とすることができない。

そこで、抑止力として、滑空弾や極超音速巡航ミサイル、更に自爆型のUAVなどの開発に舵を切ったと考えてよい。






今回 山口・秋田への配備計画撤回の理由が、ブースター落下問題で計画停止理由とするには違和感を感じる。多段式対空ミサイルのブースターの問題は、ナイキJ対空ミサイルの頃からあった。ナイキミサイルのブースターは2トンもありよほど危険で、70年代末中学生だった私でもしっていた、いわば常識で、今更なにを言っているという感じだった。
昔から有事でも実はなかなか打てない対空ミサイルであった。

ナイキJの射程1は50kmであったが、有事の際は昔から20km~30km地点に落下することは覚悟していた。当時はソ連爆撃機が標的ではあったが、核爆弾がおちるよりは、ブースターが落ちてくるほうがまだましだというまともな考えを持つ大人が多かった。秋田県民は嫌いではないのだが、防衛省の不手際でヘソを曲げ、国防とか、国益に我関せずとした態度をする人が多かったのには、失望しました!

ブースターに自動開化するパラシュートをつける改造など1億円程度の開発費と一基当たり数百万円程度で完成で改良可能なはずで、技術的に解決できないとは信じがたい。明らかにこじ付け的な中止理由に思えてならない。

もし、
仮にブースターが本当に問題であれば、アナーセルシップを建造すればいい。レーダーサイトは秋田駒ケ岳とか、山口の寂地山あたりに設置し、弾庫であるアナーセルシップを萩市沖の相島や青海島近海に浮かべておけば問題ないだろう。

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アナーセルシップのナーセルとは武器庫という意味で、直訳すれば武器庫艦である。米国で検討されたナーセルシップは、外洋航行能力を備えた比較的大型の船体に、主に対地攻撃用の大量のミサイルをVLS内に搭載するが、戦闘用レーダーを搭載せず、自衛用兵器も最小限度に留めているな。日本の場合は単にSM-3やSM-6をVLSに数百発に個艦防空用SeaLAMを搭載すれば、タンカー程度の建造費で建造できる。場合によっては、大型のバラ積み船かコンテナ船にVLSとデータ通信ユニットを積載するだけで格安で代用できる。


アナーセルシップが構想された1980年代末からくらべると通信データ技術は大幅に進歩発展している。6G通信でデータリンクすれば、自衛隊全体のデータから迎撃可能となる。
陸上のレーダーサイト、AWACS,イージス艦、衛星、米軍からのデータで発射し、陸上基地で管制を行えばいい。

「はくほう」や「高速輸送艦ナッチャンWorld」は自衛隊特別目的会社を設立し運用し船員は民間人となります。船がドックに入るときは迅速にVLSコンテナを別な船に積み替えするだけで済むので、持続的な防衛が可能である。

あたご型、まや型ではイージスBMD5.1に改修されたが、BMD5.1は「エングージ・オン・リモート(Engage on Remote : 遠隔交戦)」という機能が可能となる。


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エングージ・オン・リモートとは、前方の他のレーダーからの目標情報により迎撃ミサイルを発射し、自艦のSPY-1レーダーで目標を捉えることなく、迎撃ミサイルを前方レーダーの目標情報で誘導、自艦のレーダーの探知範囲外で目標を迎撃することが可能となる。 

これによりSM-3ブロックIIAの長射程を、イージスアショアのレーダーの有効範囲に制約されることなく発揮でき、早期の迎撃や迎撃範囲の拡大が可能となり、イージスアショアよりも柔軟に行なうことができるようになる。

まや型8200トン型護衛艦は、ベースライン9C/D・イージスBMDが5.1になることで、弾道ミサイル迎撃と対空戦闘を同時に並行して遂行するIAMD艦となる。BMD任務中でも艦隊防空にあたることができるようになる。DWES(重点配分交戦スキーム)の機能を持ち、イージス艦各艦の目標振分けが自動的に行なえる。 これはSM-3ブロックIIAで迎撃可能範囲が広がり、広範に展開したイージス艦同士による効率的な迎撃には重要な機能となる。

更に発展させれば、アナーセルシップ化したバラ積み船、もちろんあきつき型やありあけ型、30FFMのVLSにSM-3を配備し、「共同交戦能力(CEC)システム」を使って、イージス・アショアやまや型の指令で、SM-3を発射することも可能となろう。

 防衛省によると、CECシステムは高速・大容量のデータを送受信でき、データの更新頻度が高く、飛来するミサイルや敵の航空機の目標情報をリアルタイムで共有できる。

北朝鮮からの弾道ミサイル攻撃に対し、日本海に展開しているイージス艦がSM-3BMDミサイルを撃ち尽くして残弾がない場合、そのレーダーが捉えた目標情報を衛星などを介して太平洋側に展開しているイージスBMD5.1装備艦に伝達し、アナーセルシップからSM-3ブロックIIAを発射、このエングージ・オン・リモートによってイージスBMD艦の情報で弾道ミサイルを日本海上空で迎撃、破壊することが可能である。

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2017/8/17 11:30日本経済新聞 電子版

イージス・アショアによって弾道弾に対して三段構えになると、書いたメディアもあったがなんちゃって三段構えであって、実質二段構えでしかなかった。


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また、北朝鮮版イスカンデルの登場は、ミッドコースフェイズ~ターミナルフェイズのTHAAD領域の迎撃ミサイルの必要性が高まってしまいました。

イージスアショアは極論を言うと、無駄な防衛インフラである。ただし、防衛インフラは、あればあるほどいいに決まっている。


イージスアショア配備計画を変更(停止)後は、中SAM改を改善した新型ミッド~ターミナルフェース用迎撃ミサイルを全力で開発するのだろう。また、イージスアショアの緊急停止は、新型ミサイルの開発の目処がたった可能性もあると思う。

「高高度迎撃用飛しょう体技術の研究」
https://www.mod.go.jp/atla/kousouken.html

弾道ミサイル等を迎撃するためには、迎撃する側のミサイルを高い精度で目標に誘導する必要がありますが、高高度領域では空気が薄く空力操舵による機体制御ができないため、空力操舵に依らないミサイルの機体制御技術が必要です。

「高高度迎撃用飛しょう体技術の研究」においては、ミサイルの機軸と直交方向にガスを放出することにより操舵力を発生させるサイドスラスタに加え、推進装置であるロケットモータの推力の発生方向をジェットタブと言われる小さな弁体を用いて偏向する推力制御を組み合わせた機体制御技術の実現を目指しています。

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高高度迎撃用飛しょう体(イメージ図
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O futuro míssil SPEAR apresenta avançadas características como o sistema de guiagem multi-sensores. (Imagem: MBDA)

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別紙 適合条件
1.条件
UAV を国内で設計・製造した実績、パラシュート開傘させて飛行させる実績、イ ンマルサット通信等により遠隔飛行制御を行った実績を有すること。 

申し訳ないが現時点では、情報は多くはない。

従来、防衛省が発表している
将来無人装備に関する研究開発ビジョンの概要および将来無人装備に関する研究開発ビジョンにおいて、翼展開UAVについて、一言も言及していない。

翼展開UAVとは、察するにF-3戦闘機のウェポンベイやP-1やC-2などから大量に搭載され、発進後に翼が展開する可能性が高いUAVではなかろうか?
インマルサット通信等による遠距離飛行制御とあることから、飛行機からの制御限界距離推定500kmを越える長距離飛行が可能と思われる。

翼が展開することを考えれば、潜水艦の魚雷発射管、水上艦のVLS,陸上車輌のコンテナからも発射される可能性があり、UAVというより巡航ミサイルそのものである自爆型UAVである可能性も高い。

UAVと巡航ミサイルの違いは、UAVは複数回使用される想定であるのに対し、巡航ミサイルは、一回限りの特攻攻撃である。自爆型(特攻型)UAVと巡航ミサイルとの違いは?あまり大きな差がないように思えるが、自爆型UAVはUAVからの転用も可能というところだろうか?

今回の翼展開UAVはあくまで衛星通信を使った遠隔操作型UAVの研究のようである。衛星通信を利用となると、地球の反対側からでも操縦できるようになります。

遠隔操作型UAVでは、米軍の軍事用の無人攻撃機MQ-1プレデター(退役済)MQ-9リーパーがこの方式です。

大きさも重量が数トンあり価格も数億円から十数億円する機材なので、世界最大級の無人偵察機RQ-4グローバルホークは重量12トンで値段は100億円以上もしますが、たぶん小型翼展開UAVで
遠隔操作をおこなうのではないかと思われます。

産業用や学術調査用のドローンやUAVで衛星通信を採用している物もあります。こちらは重量が数十kgから数百kgの物が多く、値段も廉価となっています。

衛星通信により遥か遠い距離から操縦できるようになったとはいえ、操縦がMQ-1プレデターやMQ-9リーパーのように、衛星通信を介した人力であれば、同じエリアで同時操作数をあまり増やすことはできないので、大編隊飛行はできませんが、現在世界で開発中のUAVの最前線では自律型であり、防衛省の開発する翼展開UAVは、強力な電子妨害にも耐えられる自律型のUAVではないかと思います。

なお、一般競争入札情報 公告番号第79号が「翼展開UAVのデータ取得役務(その2)」でしたが、公告番号第83号が、
スタンドオフミサイルに関する将来装備検討のための調査研究

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将来装備スタンドオフミサイルと、将来対艦誘導弾が同じもを指しているかは不明だが、ASM-3改の次世代の長距離極超音速対艦ミサイルの開発も始まっている。

これと、遠隔操作型翼展開UAVが同じものである可能性はなくもないが、極超音速であれば翼展開は不要の可能性もあり、別案件ではないだろうか?

なお、国会におい、平成30年5月、立軒民主の宮川議員がスタンドオフミサイルが「憲法第九条第二項で保持が禁止されている『戦力』にあたるではないか」との質問があった。


だが、今日のミサイル技術の発展から自衛権にあたる必要最低限の戦力の尺度はかわるわけで、当然のことながら、あっさりと打ち落とされた。(笑)


WARZONEに自爆ドローンについて記事がありました。ご参考までに。

※自動翻訳を最低限読める程度にしか直しておりません

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https://www.thedrive.com/the-war-zone/33934/pentagon-has-tested-a-suicide-drone-that-gets-to-its-target-area-at-hypersonic-speed
国防総省は、超音速で目標地域に到達する自爆ドローンをテストしました
このシステムを使えば、ドローンを遠く離れた防衛対象に数分で届けることができ、そこで目標を追い詰めることができるようになります。
【WARZONE】JOSEPH TREVITHICK 2020年6月8日



国防総省は昨年、超音速で指定されたターゲットエリアに到着する、より一般的に自爆ドローンと呼ばれる、飛行兵器をテストしました。国防総省はそれ以来、さらなる開発のためにこのプロジェクトを米陸軍に引き渡しています。ヴィンテージ・レーサーと名付けられたこのプログラムに関する追加の詳細は、ライアン・マッカーシー陸軍長官が他の先進的な兵器システムと同様に、このプログラムについて議論している公式の写真で明らかになった。

Aviation Weekの防衛編集者であり、The War Zoneの親友でもあるSteve Trimble氏は、昨年ワシントンD.C.で開催された米国陸軍協会(AUSA)のトップ年次会議と展示会でマッカーシー長官の写真を発見した後、ヴィンテージ・レーサー(Vintage Racer)に関する新たな詳細を最初に報告しました。写真は2019年10月14日に撮影されたもの。国防総省の予算文書によると、このプログラム自体は少なくとも2017年度までさかのぼり、国防長官室は2017年度に250万ドル、2018年度にはさらに120万ドルをこのプロジェクトのために受け取っている。

"ヴィンテージ・レーサーは、関心のある目標を遂行するための高度な能力を成熟させた "と、国防総省の2021年度予算要求書のプロジェクトについての簡単なメモには書かれています。"プロジェクトは、2019年度の飛行試験で最高潮に達する前に、風洞試験で空力設計の検証に成功し、目標とする運動効果のための誘導サブシステムを統合した。ドキュメンテーションとプロトタイプ技術は、追加開発とそれに続く買収活動のために米陸軍に移行した。"

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The section of the Pentagon's 2021 Fiscal Year budget request mentioning Vintage Racer.

他の予算書によると、当初は2018年度に飛行実証実験を行う予定があったという。このスケジュールは不明な理由で1年後ろに押し戻されたようです。さらに、2019会計年度は2019年9月30日に終了したため、マッカーシー氏がワシントンで開催されたAUSAのイベントで情報を得た頃には、陸軍がプロジェクトの所有権を取得していた可能性があることを意味している。

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その時の陸軍長官の写真は、小さなテーブルの前に立って他の人たちと話している姿で、目の前にはビンテージレーサーのブリーフィングスライドがプリントアウトされている。陸軍が米海軍と共同で地上発射の長距離超音速兵器(LRHW)の弾頭として開発を進めているC-HGB(Common Hypersonic Glide Body)超音速ブーストグライドビークルの小型模型や、陸軍が近年実験を進めている電磁レールガンなどの発射に似た運動弾も見られる。また、155mm榴弾砲の砲身の一部と思われるものや、レーザーエネルギー兵器のものと思われる穴の開いた金属製のものも多数見られる。


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Secretary of the Army Ryan McCarthy at the 2019 Association of the US Army conference and exhibition on Oct. 14, 2019. His right hand is rest on a printout of a Vintage Racer briefing slide.

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US ARMY
A close up of the briefing slide.

Trimble氏は、Vintage Racerのブリーフィングスライドには、タイトルに「Loitering Weapon System (LWS) Overview」とあり、6つの大きな箇条書き(Hypersonic Ingress、Survivable、Time Over Target、Multi-role、Modular payload、Cost Imposition Strategy)があり、それぞれにいくつかの小箇条書きがあることを強調しています。Aviation Weekは後に画像を拡大して、これらの追加のハイライトをすべて読むことができるようにしました。



"Hypersonic Ingress "は、ヴィンテージ・レーサーの飛行兵器がマッハ5以上の超音速で標的に到達する能力を持っていることを示している。どのようにしてこの速度でターゲットエリアに到達するのかは明らかではないが、現在公開されている情報に基づいて、弾道ミサイルが最も可能性が高いように思われる。エアインテーク型の超音速巡航ミサイルも選択肢の一つではあるが、この種の兵器のコストの高さと複雑さ、そして現在の開発状況を考えると、可能性は低いと思われる。また、国防長官室がシステム全体の完全な飛行テストを行ったのか、それとも飛行兵器の部品だけを使用したのかは、国防総省の予算文書からは明らかになっていません。

高度に操縦性の高い超音速兵器は、その性質上、その速度と一般的に水平な大気圏の飛行軌道と高度な操縦性に基づいて、非常に生存性が高い。これにより、密集した統合防空網を突破することが可能となる。これにより、時間に敏感な攻撃には理想的であり、また、相手が移動したり、身を隠したりする時間がほとんどないため、一般的には難しいとされる迎撃兵器を撃ち落とそうとする時間さえもないため、遮断された地域の重要な標的との交戦にも理想的である。

一方、弾道ミサイルは超音速で移動することができ、防御は困難であるが、ほとんどの場合、より高度な超音速ミサイルに比べて生存率が低い。昨年10月にマッカーシー長官が見たブリーフィング・スライドには、ビンテージ・レーサー弾はステルス性の高いレーダー断面と全体的な「低レーダー反射性」を備えており、赤外線、視覚、音響のシグネチャを減少させて検出をより困難にする他の特徴を指す可能性もある。

いずれにしても、2019年のAUSA会議のブリーフィング・スライドによると、弾薬の「目標到達時間」を60分から90分に延長するロイト機能をミックスに追加すれば、さらなる利点が得られる可能性がある。発射ユニットは、兵器を発射する前に目標の正確な位置を知る必要は必ずしもないだろうし、目標を探し出して破壊するために独自のマルチモード誘導システムを使用することができる。

双方向の衛星データリンクがあれば、発射場に安全に戻っている個人や別の司令部にいる個人が、マンインザループ制御システムを使って実際に目的の標的に誘導することも可能である。イスラエルが先駆的に開発したこの種の能力は、特に移動する標的に対して精度を高め、優先順位の高い別の脅威が出現した場合に迅速に焦点を移す能力を提供するだろう。また、無実の傍観者がその地域に入ってきた場合に、兵器が衝突に非常に近い場合でも、コントローラが攻撃を中止できるようにすることで、巻き添え被害を回避するのにも役立つだろう。

下のビデオは、イスラエル航空宇宙産業が開発した戦術的な飛行兵器「グリーンドラゴン」のマンインザループ機能を示している


この種の飛行兵器は、エリア拒否兵器としても使用可能である。路上移動式弾道ミサイルや長距離巡航ミサイルの配備場所など、特定の地域に配備することで、相手がこれらの資産を使おうとする企てを挫くことができ、また、他の手段で発見や攻撃から守るために複数の場所に分散させようとする相手の努力を挫くことも可能である。

同様に、敵の防空を破壊するために、敵の脅威の正確な位置が分からない場合は特に、敵機の来襲に先立って、重要な地域にミサイルを配備することも可能であろう。また、道路を移動する防空システムやその他の機会のある標的など、ポップアップする脅威を排除するために使用することも可能である。

モジュール式ペイロード」を受け入れることができる「多役割」兵器設計は、これらのうろつき兵器が、諜報、監視、偵察、電子戦などの非動員攻撃任務を担うことも可能であることを意味する。国防総省、そして現在の陸軍がどのようにビンテージ・レーサー・システムを採用することを想定しているかによっては、ネットワーク化された自律的な大群に配備することが可能になるかもしれず、さまざまな構成のバリエーションがさまざまな役割を担うことになる。センサーを搭載したバージョンは、運動ペイロードを搭載したもののために目標を発見したり、電子戦用のジャマーを搭載したものを敵の防空を妨害するように指示したりすることができる。

大群は、その性質上、様々な異なる方向から一度に一斉に攻撃することで相手を圧倒し、混乱させることができるかもしれない。マッカーシー長官が2019年10月に調査したブリーフィングスライドには、ヴィンテージレーサーがうまくいけば「展開するには安価」だが、「倒すにはコストがかかる」と明記されている。目標は、各弾薬の価格を10万ドルから20万ドルにすることで、例えば巡航ミサイルなどに米軍が支払っている金額の何分の一かになるとしている。

説明会のスライドには、モジュール式のロバリング軍需品は、「位置・航行・タイミング」(PNT)や「交戦環境下でのネットワーク通信」にも言及しながら、非戦闘的な「支援役割」を担うことができるかもしれないとも書かれていた。米軍全体としては、GPS衛星ナビゲーションシステムに対する潜在的な脅威が増大する中で、アシュアードPNTと呼ばれるコンセプトにますます注目しています。

アシュアードPNTの背後にある基本的な考え方は、過去のWar Zoneの記事で詳しく紹介していますが、様々な手段を使って、戦場の様々なプラットフォームにナビゲーションシステムのノードを分散させ、それらをネットワーク化するというものです。その結果、GPSに頼らなくても正確で信頼性の高い位置情報を提供できるエコシステムが実現します。同様に、分散通信ノードは、敵の電子戦攻撃を克服するのに役立つ可能性がある。Vintage Racerシステムは、これらのコンセプトに有用な追加レイヤーを提供するだけでなく、その迅速な展開が可能な性質から、重要な作戦中に接続性のギャップを埋める重要な手段となる可能性があります。

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BAE SYSTEMS
An infographic showing how various signal sources could provide navigation data in BAE System's Navigation via Signals of Opportunity (NAVSOP) concept, which could help provide Assured PNT.

注目に値するのは、陸軍が2018年に戻ってターゲティング情報を提供するために、敵地の奥深くにうろついている情報、監視、偵察の無人機を配備する方法として、将来の精密攻撃ミサイル(PrSM)準弾道ミサイルを使用するというアイデアを実際にいじっていたことです。移動式の地上発射プラットフォームを採用することで、システムの柔軟性がさらに高まる可能性がある。

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US ARMY
A 2018 Army briefing slide covering various long-range artillery and missile developments. "PrSM Loitering ISR" is mentioned in the "Deep Targeting Asset" category at the upper lefthand corner.

ロッキード・マーチンは、表向きは既存の陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)に代わる準弾道ミサイルとしてPrSMを開発している。陸軍とロッキード・マーチンは現在、これらのミサイルのためのマルチモード誘導システムのテストも行っている。以前、ATACMSにも同様の移動標的能力を持たせるという話があった。

1990 年代と 2000 年代初頭には、陸軍は 13 個のブリリアント・アンチタンク(BAT)副弾を搭載する ATACMS のバージョンに取り組んでいたが、これは PrSM を使用して無人機を発射するアイデアや、ヴィンテージ・レーサーのコンセプトと大まかに類似している。BAT は、音響センサーを使って目標を見つけ、赤外線を利用して目標に照準を合わせる小型の非動力滑空爆弾であった。陸軍は最終的にBATを搭載したATACMSプロジェクトを中止したが、兵器自体はGBU-44/B Viper Strike 空中発射滑空爆弾へと進化した。



もちろん、Vintage Racer は、時機を逸した攻撃やその他の重要な攻撃を実行するための長距離のスタンドオフ型の慣例的な武装を備えた遊撃兵器のアイデアに米軍が初めて着手したわけではない。2000 年代初頭、米海軍海軍研究局(ONR)は、低コストの巡航ミサイル型兵器の開発に取り組んでいた。

"様々なペイロードを搭載可能な巡航ミサイルのようなシステムであるアフォーダブル・ウェポン・システムは、開発のために買収コミュニティに移行した」と、当時の海軍研究長官ジェイ・コーエン少将は、2005 年 3 月に議会のメンバーに語った。現在はL-3 Communicationsの一部となっているTitan Corporationは、少なくとも2007年までONRと契約してAWSの開発を続けていました。同社は、テストと評価のために 85 機のミサイルを製造することになっていたが、それが実現したかどうかは不明である。

2014 年には、米国空軍も 2013 年から 2038 年までの期間に想定される「ビジョンと実現コンセプト」を網羅した Remotely Piloted Vehicle (RPA) Vector を発表した。この文書には、「複数のSUAS(小型無人航空システム)を搭載し、戦略的に重要な数の致死能力、EA(電子攻撃)能力、またはサイバー攻撃能力を数分以内に提供する超音速近宇宙『マザーシップ』RPA」という概念についての言及が含まれている。

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USN

A test launch of an Affordable Weapon System loitering missile prototype. The weapon's large wing is visible along the top. After launch, this wing would turn 180 degrees into a deployed configuration.

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USN

An Affordable Weapon System missile prototype on a trailer with its wing in the deployed state.

2014 年には、米国空軍も 2013 年から 2038 年までの期間に想定される「ビジョンと実現コンセプト」を網羅した Remotely Piloted Vehicle (RPA) Vector を発表した。この文書には、「複数のSUAS(小型無人航空システム)を搭載し、戦略的に重要な数の致死能力、EA(電子攻撃)能力、またはサイバー攻撃能力を数分以内に提供する超音速近宇宙『マザーシップ』RPA」という概念についての言及が含まれている。

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USAF

The portion of the 2014 RPA Vector dealing with the "hypersonic near-space 'mother ship.'"

Vintage Racerは、この種の能力を提供する最新の試みであると思われる。国防長官室が最初にこの取り組みを管理し、クイック・リアクション・ファンド(Quick Reaction Fund)を通じてその費用を支払っていたことから、このプロジェクトがすぐに実用化に向けて動き出すことが期待されていることが伺えます。

"クイック・リアクション基金(QRF)は、比較的成熟した技術を活用する機会を提供した。国防総省の 2021 年度予算要求によると、「国防戦略の優先事項に対応した機能や、より効果的かつ手頃な価格で技術革新を現場に押し出すための記録的なプログラムや新規獲得経路についての情報が提供されています。"QRF は、通常戦、破壊的戦、非対称戦のニーズに対応する可能性のあるプロジェクトに焦点を当てた。QRFのイニシアチブは通常、資金提供を受けてから12ヶ月以内にプロトタイプのアプリケーションを提供した。

陸軍がVintage Racerシステムを実験的なものから運用可能なものへと移行させていく中で、どれだけ早く改良を続けていくことができるのか、非常に楽しみです。

著者への連絡先: joe@thedrive.com


東京防衛航空宇宙時評編集部2019年9月5日

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自爆型UAV「ウォーメイト」の発射装置を搭載するUGVのイメージCG(画像:Rheinmetall)

ラインメタルはポーランドのキェルツェで開催中の防衛装備展示会「MSPO2019」で、自爆突入機能を備えた監視用UAV(無人航空機)の発射装置を搭載するUGV(無人車輌)システムを発表した。

このシステムは歩兵部隊に精密打撃力を与えることを目的に、ラインメタルとポーランドの大手防衛企業WBグループが提携して開発するもので、発表されたイメージCGはラインメタルの8輪駆動型UGV「ミッション・マスター」に、EBグループ傘下のWBエレクトロニクスが開発した、自爆突入機能を備える監視用UAV「ウォーメイト」の発射チューブを6基搭載している。

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ポーランド軍などに採用されている「ウォーメイト」

ウォーメイトは全長1.17m、翼幅1.59m、最大離陸重量は5.3kgの電動UAVで、飛行時間は最大50分。飛行は完全自律式で、チューブから射出後にモーターを始動し、主翼と尾翼を展開して飛行する。

データリンクの伝達可能距離は12km、飛行中のルートの変更も可能となっており、また指定した目標の上空を旋回して攻撃目標を捜索するロイター・フライトモードも備えている。

ラインメタルは同社が開発した歩兵戦闘システム「アーガス」などとリンクさせれば、このシステムをさらに効果的に活用できるとしている。







執筆中

 
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画像元

一昨日からの続きである。陸自、海自をやれば当然空自となる。防衛装備庁 は、そのHPにおいて2020/6/3 契約に係る情報の公表(中央調達分)を更新した。令和元年度の競争入札基準以上基準未満 令和元年度随意契約基準以上基準未満の4ファイルである。合計4000件以上の契約に目を通して気になる幾つかをピックアップしてみた。今回の空自の契約については、私はF-15関連が目に付く。 合計金額は1000億円近くにのぼる。

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F-15Jの改良型F-15MSIPを更にアップデートしたF-15JSIについては過去記事よりリンクで読んで下さい。

 

 







2019年10月、改良型F-15Jイーグル迎撃機F-15MISIP型102機のうち98機の改修事業に関する日本政府の要請を米国務省が承諾した。老朽化が進む日本の戦闘機部隊の性能向上に道が開かれた。

国防安全保障庁が10月29日発表したもので、海外軍事販売制度で実施し、アップグレードパッケージ試算45億ドル(約4900億円)規模の事業になる。

F-15Jを「日本向けスーパーインターセプター(迎撃機JSI仕様)」に改修する内容で高性能電子スキャンアレイ(AESA)レーダー、新型ミッションコンピュータ(Honeywell社製ADCP Ⅱ)、電子戦装備のほか新型兵装の運用能力授与が内容だ。

いままで改修型F-15JをF-15J-MISIP(Multi-Stage Improvement Program)と呼んでいたが、さらなる改良型はF-15JSI(Japanese Super Interceptor)と呼ばれることになる。

98機で、4900億円 一機あたり50億円は、けっして安くは無い。今回のF-15に関する契約一覧をみていると、どれだけ戦闘機を維持するのにお金がかかるか本当に高い。


F-3の凄すぎる計画性能を知ればしるほど、F-35に余計な予算を取られることが無駄に思えてしかたありません。F-35もドックファイトはダメでも、腐っても第五世代戦闘機、F-35の劣るスクランブル対応能力や、強力なエンジンを利用したマルチロールを活かし、F-35を補完するのにF-15は必要だが、ただF-15JSIも、費用対効果を考えると、F-3に集中すべきかもしれません。いっそのことF-35もF-15JSIも中止にして、F-3に賭けるのも悪くはない。だが、F-35導入したからには、F-15JSIは欠かせない防衛アセットだと思います。

F-15JSIは、ほとんどステルス性能がないだけで、中国のJ-20とも対峙できる4.9世代戦闘機(ステルス性能がないだけの第五世代戦闘機)といえます。



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翼胴模型とは、モックアップのことと思います。モックアップといえば、あれしかありません。いよいよ、F-3のモックアップ製作が始まったようだ。と、言うことは、F-3の外形はもうほとんど内容は固まっているのではないだろうか?

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昨日からの続きである。防衛装備庁 は、そのHPにおいて2020/6/3 契約に係る情報の公表(中央調達分)を更新した。令和元年度の競争入札基準以上基準未満 令和元年度随意契約基準以上基準未満の4ファイルである。合計4000件以上の契約に目を通して気になる幾つかをピックアップしてみた。今回は海自関係の装備の契約を中心に紹介考察する。
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油槽船4900トン型
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一般競争入札で新来島ドックが2隻51億8000万円で落札した。



株式会社新来島どっくは、防衛省向けに4,900トン型油槽船(YOT)2隻を受注いたしました。

本船は平成31年度防衛省概算要求の一事業として、油槽船2隻の整備を計上しており、艦艇への支援能力確保が目的とされています。また、本船は、一般的なNK規則に基づく内航タンカーの仕様をベースとしております。納期は令和4年4月と7月を予定しており、当社グループの新来島波止浜どっくでの建造を予定しております。

なお、当社が防衛省向けに建造するのは、創業以来、初となります。

支援艦艇であるが、4900トンはかなり大型艦である。
艦種が異なるが、海自艦隊に海上で燃料・弾薬・補給品を補給する補給艦で、海自2隻目の補給艦「さがみ」(就役:1979年3月30日~除籍 2005年3月3日)が、ほぼ同じ排水量である。

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補給艦さがみ

要目:基準排水量 5,000トン 満載排水量 11,600トン 全長 146.0 m 最大幅 19.0 m
深さ 10.8m 吃水 7.3 m

潜水艦用静粛型駆動システム(その2)の研究試作


担当部局等名:防衛装備庁プロジェクト管理部事業監理官(艦船担当)
評価実施時期:平成29年7月~平成29年8月
政策体系上の位置付け
事業名 潜水艦用静粛型駆動システムの研究試作 研究開発の推進

○ 事業の概要
諸外国において、潜水艦を探知するソーナー技術の進展は著しく、従 事業の概要等 来は検出対象としていない雑音から探知できる可能性が高まっているこ とから、我が国の潜水艦においても雑音の静粛化対策は喫緊の課題とな っている。そのため、本事業により、駆動装置から発生する雑音を低減 する新たな方式の静粛型駆動システムに関する研究を行い、潜水艦の更 なる静粛化に資する技術的知見を得るものである。

○ 所要経費 約57億円(平成30年度概算要求額。後年度負担額を含む。)

○ 事業実施の時期 平成30年度から平成33年度まで研究試作を実施し、平成33年度 から平成34年度まで試験を実施する予定である。 ○ 必要性 潜水艦の駆動装置が発する雑音を低減させるため、新たな方式に変更 することで、潜水艦の更なる静粛化を図り被探知防止能力を向上させる 必要がある。 政策評価の結果 本事業では、新たな駆動装置の高性能化と潜水艦として必須の特性を 両立させることが必要不可欠である。

○ 効率性 本事業では、先行研究において得られた成果等を反映させ、駆動機構 の共通性があることを踏まえ、必要最小限の装置のみを試作することと し、試作しない駆動装置については、シミュレーション技術を活用して 効率的に研究を実施することにより、経費抑制及び研究期間の短縮を図 る。

○ 有効性 本事業を実施することにより、可動部から発生する雑音を低減する駆 動方式及び制御技術を確立するための技術的知見を得ることが可能であ る。 諸外国において潜水艦を探知するソーナー技術の著しい進展に伴い、従 来は検出対象としていない雑音から探知できる可能性が高まっていること 総合的評価 から、我が国潜水艦においても雑音の静粛化対策は喫緊の課題となってい る。 かかる状況に適切に対応可能な静粛化対策については、諸外国からの技 術導入や民生用の駆動装置の適用は困難であることから、駆動装置から発 生する雑音を低減する新たな方式の静粛型駆動システムについての研究を 進める方向性は重要である。このことを踏まえつつ、本事業を評価したと ころ、平成30年度に事業を着手することで、かかる状況に対し我が国の 潜水艦の被探知防止能力を向上に寄与することができ、また、先行研究の 成果等を反映する等により事業計画も効率的な計画となっているものと判 断できることから、本研究事業は早急に取り組むべき事業である。

有識者意見 特に意見なし。
政策等への反映 総合的評価を踏まえ、平成30年度概算要求を実施する

私の認識が正しければ、従来、防衛装備庁ATLA、艦艇装備研究所では、スクリューのノイズ低減に心血を注ぎ、キャピテーションの低減に努め、世界的にも最も静粛な推進システムを構築してきたが、ポンプ・ジェット推進の研究は行っていなかった。

米海軍はポンプジェット式推進技術をロサンジェルス級、シーウルフ級、ヴァージニア級の攻撃型潜水艦に搭載している。計画中のコロンビア級原子力弾道ミサイル潜水艦にも採用している。2017年中国海軍も潜水艦のポンプ・ジェット推進装置を完成したというニュースが流れた。

ポンプ・ジェットは長距離を高速で移動する原子力潜水艦にとっては、
キャビテーションを起こすような高い速力では静粛性に優れていますが、在来型潜水艦が長時間高速で水中を移動することはことはほとんどありません。

潜水艦のポンプ・ジェットにはシュラウドリング(一種のカバー)を取り付けておりシュラウドは水中抵抗を生み、推進効率を下げます。このことは、在来型潜水艦にとっては同一電池容量で短い航走距離、あるいは短い水中持続時間を意味し、在来型潜水艦にとってポンプジェットは無用の長物なはずです。

ATLAでポンプ・ジェットを研究せず、海自潜水艦は、従来型プロペラを採用し続けていることは、正しい選択だと思っていた。

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画像元

ところが、そうりゅう型の採用を蹴ったオーストラリアは、新潜水艦アタック型に鉛蓄電池とポンプ・ジェットを選択した。

フランスがそうりゅう型に対抗するためセールスポイントとしてシュフラン級原子力潜水艦をベースにした通常動力バージョンのオプションとしてオーストラリアに売り込んで、フランスに唆され選択したのでしょうか?

オーストラリア海軍が愚かでその点を十分に考慮できなかったのでしょうか?オーストラリアは米国からも潜水艦の専門家を招いており、各国提案の利点・欠点を十分に考慮した上で、あのような結論に達したはずです。

リチウム・イオン電池については、日本が提案したリチウム・イオン電池の安全性への理解が欠落していたと思われますが、一般的なリチウム・イオン電池の危険性は周知の事実であり、安全性を重視する観点から日独が提案したリチウム・イオン電池を排除する決定には一定の合理性があったといえます。

ポンプ・ジェット推進については、想定される遠く離れた作戦海域への往復時の高速航行を重視する一方、作戦海域でも高速が必要となる重要な場面に焦点を当てれば、推進効率の低下と高速での静粛性の得失を勘案して、静粛性を取る判断も十分にあり得たと思われます。

オーストラリアのアタック型は現在計画が頓挫しそうで、実現するか否かまだ何ともいえないが、防衛省がポンプ・ジェットの研究を始めた理由の一つには、近年海自は作戦海域として南シナ海にも進出しており、在来型潜水艦にもポンプ・ジェットを採用したオーストラリア海軍の思想の影響もあるのではないかと思う。

正確には、潜水艦用静粛型駆動システムであって、ポンプ・ジェットとは限らないのだが、かつての電磁推進実験船ヤマト1と同じ電磁推進でもないと思うので、ポンプ・ジェットであろう。

ATLA HPの 静粛型魚雷用動力装置の研究 には

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「探知性能及び対潜能力の向上した将来艦艇に対抗するための魚雷用動力装置の静粛化に関する研究をしています。」と書いてあり、ポンプ・ジェットのことを静粛型動力装置と表現しており、潜水艦用静粛型駆動システムの研究試作とは、すなわち潜水艦用ポンプ・ジェットの研究試作であり、将来海自潜水艦への搭載を念頭に、研究試作予算を獲得したものと思われます。






対潜水艦用モールス弾/SUS MK84 MOD1-N


正直、対潜水艦用モールス弾なるものを知りませんでした。
演習や訓練に連絡通信用に使用されるそうですが、先日領海侵犯をした中国潜水艦に対しても、ひょっとすると使用されたのかもしれません。

MK-84 MOD 1 SUS 
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SUS MK-84 Mod 1 水中音信号装置は消耗品です。
一方向音響通信を行う電気音響装置
潜水艦を使って ASW兵器の投下をシミュレートすることも可能です。
戦術演習の際に使用します。落下させたり、翼から展開させたりすることができます。
また、航空機やヘリコプター、船上発射などの方法でも送信することができます。
SUS MK-84 Mod 1は、あらかじめ選択された5種類の中から任意のものを送信することができます。
符号化された音響信号で、それぞれが所定のメッセージを伝えることができます。
潜水艦に送信されます。これらの信号のうち4つは、連続したトーンで構成されています。
で定義されたタイミングシーケンスに従って周波数を交互に変化させます。
符号化テーブルを参照)。の連続音である。
は単一の周波数である。基本周波数の第三高調波は
また、ファンダメンタルズの水準をやや下回る水準で発生した。堅調に推移しています。



SH-60K能力向上型

近年の潜水艦は、吸音材の進化や動力部の静粛化といった技術的進展により、ソーナーによる探知が困難になってきており、特に深度が浅い浅海域においては、雑音があるとともに、海底からソーナー発信音が反響することから、目標潜水艦からの音波の探知類別が一層困難となっている。

我が国周辺各国等の潜水艦の静粛化及びステルス化が進むとともに、行動海域が浅い海域へと拡大しつつある。静粛化、ステルス化した潜水艦に対する浅海域探知類別能力向上のため、音響システムにマルチスタティック処理能力を付与するとともにディッピング(吊り下げ式)ソーナーの探知類別能力を向上させることが必要である。

また、潜水艦の行動海域拡大により、我が国の南西海域をはじめとする高温環境下において、発着艦時における艦の行動の自由を確保するため、トルク余裕及び操舵余裕を増加させ飛行性能を向上させることが必要である。

 ※マルチスタティック処理能力:別々のソーナーで発信と受信を行うことで、探知類別性能を向上させる処理を行う能力は、ソーナーシステムのマルチスタティック信号処理技術、戦闘指揮システムの自律向上処理技術及び水測予察技術、データリンクによる多機能情報共有技術の各技術をくみ合わせ、総合的にマルチスタティック戦術に関する技術を確立する。

防衛力のさらなる能力発揮の基盤としての警戒監視能力の向上を図るため、複数のソーナーの同時並行的な利用により探知能力を向上させたソーナーの研究や航空機といった既存装備品の能力向上に取り組むこととしており、各国潜水艦の静粛化、ステルス化、行動海域等の傾向を考慮すれば、早期に回転翼哨戒機の能力向上を行う必要がある。

既存の装備品は、同一の器材で送受信を行うモノスタティックソーナーであり、自らの発信音のみを受信して探知類別を行うことから、捜索エリアは限定され探知類別の機会が限られる。マルチスタティック能力を付加した場合、他のソーナーの発信音も処理でき、さらには、発信と受信を別の器材で実施できることから、僚機間における干渉がないため発信周波数の広帯域化等が可能となり探知類別能力が向上し、対潜戦において優位性を確保することができる。

MH-60R(米国)、AW-101(伊、英)、NH90(仏、独、伊、蘭)は、いずれも主要探知機器がマルチスタティック探知能力を持たない。

既存装備品のSH-60Kを能力向上させることで、新規開発に比べ開発のリスクを低減すると共に機体及び搭載装備品の共通部位の設計費、製造費を削減し開発経費抑制に努めるほか、既存の整備用器材等の後方設備及び教育体制を活用可能として、ライフサイクルコストの抑制を図る計画としている。

また、平成19年度から平成23年度にかけて実施した「回転翼哨戒機対潜能力向上の研究」において得られたマルチスタティック戦術を可能とするソーナーの信号処理、水測予察(※2)、情報共有等に関する研究成果を反映させると共に、プログラム確認試験などの長期間を要する試験を試作機製造と並行して実施することで開発期間を圧縮するなど、効率的な開発を実施する予定である。
※2 水測予察:ソーナーを使用する海域の環境条件、対象とする目標の諸元に基づいて、目標の探知距離及び被探知距離を予測すること。

本事業を実施することにより、静粛化、ステルス化した潜水艦に対し、浅海域を含む海域において対潜戦の優位性を確保できる装備品を実現できる。




















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画像元WING航空新聞社

防衛装備庁 は、そのHPにおいて2020/6/3 契約に係る情報の公表(中央調達分)を更新した。
令和元年度の競争入札基準以上基準未満 令和元年度随意契約基準以上基準未満の4ファイルである。合計4000件以上の契約に目を通して気になる幾つかをピックアップしてみた。今回は陸自関係の装備を中心に紹介、考察する。

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以上の4契約を確認することができる。

次期装輪装甲車(試験用A型)と次期装輪装甲車(試験用L型)は、フィンランドとカナダから輸入してテストをするのに約5億円ということはわかるが・・・三菱重工の次期装輪装甲車(耐爆技術)の研究試作は・・・研究試作だから倍の約10億円。そしてそれとは別に
共通戦術装輪車(歩兵戦闘型及び偵察戦闘型)が23億円別途予算が組まれている。

まあ、私は職業評論家Kではないので、大騒ぎするつもりはないのだが・・・
次期装輪装甲車と共通戦術装輪車は別の契約で、共通戦術装輪車は三菱重工のMAV発展系を導入し、かつ、
次期装輪装甲車を導入するという契約のようだ。

【WING】2019.09.11



試験車両を今年度中に契約、2022年度末の選定目指す

 防衛装備庁は9月10日、次期装輪装甲車の試験用車両として3車種を選定したと発表した。選定したのは機動装甲車(三菱重工業製)、AMV(フィンランド・Patoria社製)、LAV6.0 (カナダ・GDLS〔GENERAL DYNAMICS Land Systems〕社製)の3車種。装備庁は、今年末までに選定車種の製造会社との間で、試験用車両の製造契約を結ぶ予定としている。

 次期装輪装甲車は、陸上自衛隊の装備する96式装輪装甲車(WAPC、小松製作所製)の後継車両で、装輪装甲車(改)として装備庁で開発事業を進めていた。

しかし、コマツが納入した試験車両で、耐弾性能にばらつきの多い防弾板の使用や、板厚不足等の不具合が判明し、最終的に2018年7月に開発を中止。今年4月、新たに提案要求を求めていたところ。

ボクサー装輪装甲車含め4車種の提案受ける

 装備庁に今回の選定に関して話を聞くと、前述の3車種のほかに、ボクサー装輪装甲車(ドイツ・ARTEC GmbH社製)の提案があったことを明かし、比較検討の結果、前述の3車種を選定したと説明した。試験用車両は各車種2両づつ、2019年(令和元年)度予算における装備庁と陸上幕僚監部の予算から計21億円での調達を予定している。また、機動試験や耐弾・耐爆試験といった各種試験を2021年から2022年にかけて行い、2022年度末の選定を目指すとして、今後の選定スケジュール概要を明かした。 

ちなみに、選定車種の機動装甲車は、陸自で調達が進む16式機動戦闘車(MCV)をベースに、三菱重工業が独自に開発していたもの。また、フィンランドとは今年2月の日芬防衛相会談で、日本国防衛省とフィンランド政府との間の防衛協力・交流に関する覚書」を署名しており、防衛装備・技術等の分野で知見を共有するとしていた。

※写真=次期装輪装甲車の候補となったAMV。派生型も多いため、仮に採用した場合、派生型の展開も期待できる(写真は歩兵戦闘車型、提供:Patoria社)

※写真=カナダ・GDLS社製のLAV6.0。C-17輸送機で2両の輸送が可能だ(提供:GDLS社)


【WING】2020.03.25 


次期装輪装甲車と共通戦術装輪車、陸自装輪装甲車両の両輪で調達

 かつての陸上自衛隊においては、師団戦力の中核となる普通科連隊の各中隊は自動車化されておらず、60式装甲車(60APC)や73式装甲車(73APC)を装備する一部の機械化した普通科連隊や装甲化した輸送隊を除き、本部管理中隊の輸送小隊が装備するトラック輸送により機動していた。

1990年代には高機動車を広く導入したことをはじめ、96式装輪装甲車(96WAPC)を導入したことで、普通科中隊が固有の装備で機動することが可能となった。さらには2000年代初頭に軽装甲機動車(LAV)を導入したことで、陸上自衛隊の自動車化、装甲化が進展する結果となっている。
 

だが、現有装備の73APC、89式装甲戦闘車(FV)、96WAPC、高機動車、LAV、これらの導入から相応の年数がたった現在においては、多様化した脅威や新たな戦い方に適合する必要性が生じている。

そうした中、96WAPCの後継車種として、国内外の候補車種を取得し、2021(令和3)年から約1年の試験を行った上で、多様な脅威や新たな戦い方に適合する次期装輪装甲車を選定することとなっている。

今回WINGでは陸上幕僚監部防衛部にインタビューを行い、陸自が次期装輪装甲車に求める事項や装軌式も含めた装甲車の考え方について聞いた。
 

陸上自衛隊における装輪装甲車の役割について聞くと、「新大綱において、防衛力の果たす役割として、島嶼部を含む我が国への攻撃に対しては必要な部隊を迅速に機動・展開し対応することとされている。

また、ハイブリッド戦、グレーゾーン事態のようないつ、どこで生起するか分からない事態に即応するためにも、陸上自衛隊には機動・展開能力の強化が求められている」とし、「迅速に部隊・隊員を輸送するためには、まず自動車化があげられるが、戦略機動に引き続き、各種脅威下において行動するためには、装甲化することも重要であると考えている」と述べた。
 

「こうした全国にわたる機動・展開から、・・・・・・・・・・・・・・・・・

 次期装輪装輪車は各種部隊が使用する汎用的車両
 共通戦術装輪車は近接戦闘を行う戦闘職種向けに LAV後継は20年中に具体的な検討進むか 装軌式装甲車の後継も将来的には調達検討

※写真=普通科部隊を中心に配備している96式装輪装甲車(96WAPC)。
【WING】2020.04.03 

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将来的には共通戦術装輪車を含め、ライフサイクルコスト低減図る

 三菱重工業が16式機動戦闘車(MCV)を開発した頃から人員輸送型の8輪式装甲車をユーロサトリ2014など海外の防衛展示会にMAVとして模型を出展するなど、装輪装甲車の開発を進めてきたのは周知のことだろう。

今回、WINGでは次期装輪装甲車候補に選定された機動装甲車について、三菱重工業に話を聞くことが出来た。
 

この機動装甲車がどのような姿となるのかについては、「既に(防衛装備庁との)契約履行中であり、仕様についてはお答えできない」としつつも、契約前の提案ベースで行っていたものはMAVで、前方にパワーパックと操縦席、後方にキャビン区画がある形の一般的な装輪装甲車のスタイルであると説明した。

そして、その特徴・長所を「16式機動戦闘車(MCV)との部品共通化(ファミリー化)を念頭に、高品質な国内サプライチェーン基盤を活かし、維持整備、教育訓練にかかるライフサイクルコストの低減を図ることが出来る」ほか、「MCVと同等の機動力を有しており、随伴が可能となっている」と強調した。・・・

社内試作したMAVベースにMCVをそして機動装甲車を開発
社内研究は先を見越した各種取り組み・研究を進める

※写真=三菱重工業が防衛省に提案する機動装甲車のイメージ図(提供:三菱重工業)

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※写真=三菱重工業の装輪装甲車の源流といえるMAV。この社内試作車の技術をもとに、MCVが開発された(DSEI JAPAN2019で撮影)
いまのところ、余計な騒ぎになっていなにのだが、こんなことをやっていると、Kや左翼メディアに餌を与えるような気がする。

コマツの装輪装甲車(改)の頓挫と、コマツの撤退で、次期装輪装甲車は、コンペで決めることになっているが、はじめから三菱重工MAV一択のように思えます。

【東京防衛航空宇宙時評】編集部2019年7月17日


三菱重工業が2014年のユーロサトリに出展した「MAV」の模型

防衛省が陸上自衛隊用に2種類の装輪装甲車ファミリー「共通戦術装甲車」と「次期装輪装甲車」を導入する方針であることが、当サイトの取材によってわかった。

「共通戦術装甲車」は16式機動戦闘車と共に即応機動連隊の中核を構成する8輪装甲車で、16式をベースとした三菱重工の「MAV」(Mitsubishi Armoured Vehicle)に絞られている模様で、本年度予算に参考品購入費として計上された23億円では、MAVが調達される可能性が高い。

共通戦術装甲車では歩兵戦闘車型、偵察型、120mm自走迫撃砲型などの導入が計画されているが、歩兵戦闘車型は装軌式の89式装甲戦闘車を後継する車輌ではないとの話もある。

「次期装輪装甲車」は96式装輪装甲車の後継という位置付けで、2018年7月に開発中止が決定した装輪装甲車(改)の調達計画を仕切り直したものと見られる。

次期装輪装甲車ではAPC(装甲兵員輸送)型、中期防衛力整備計画に導入方針が明記された装甲野戦救急車型などの導入が計画されており、APC型は令和5(2023)年度、装甲野戦救急車型は令和8(2026)年度から調達が開始される見込みとなっている。候補としてはパトリアのAMV XP、ジェネラル・ダイナミックス・ランドシステムズのストライカーなどの名前が挙がっている。

「次期装輪装甲車」の候補として名前が挙がっているAMV XP(写真:Patria)

また防衛省は軽装甲機動車と高機動車の後継車輌の導入計画を進めている。この車輌の詳細な方向性は不明だが、装甲車輌となる可能性が高いと見られている。


 

いまひとつ、次期装輪装甲車・共通戦術装輪車をわざわざ2系統にする理由がみつからないのだが、三菱重工のMAVを次期装輪装甲車・共通戦術装輪車それぞれに採用すれば、2系統にならず丸く収まる。やはりはじめから三菱重工のMAV一択だったのではないか?

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三菱重工製 次期装輪装甲車=共通戦術装輪車?

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共通戦術装輪車 歩兵戦闘型及び偵察戦闘型

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共通戦術装輪車 120mm迫撃砲型

砂地用警戒観測車両

令和元年分の契約に係る情報の公表(中央調達分)には軽装甲機動車と高機動車の後継車輌の導入計画に直接繋がるものはなかったが、気になる契約があった。

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砂地用警戒観測車両である。一般競争入札で、588万円で3台がスズキ自動車によって落札している。

沖縄の島嶼部の海岸で使用すると思われる。車種は公表されていませんが、堅牢なフレームとリジッド式サスペンション、そして「直結式4WD」、軽量で砂地を走行するのであれば、スズキ・ジムニーの可能性がたかい。

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画像 ジムニーは世界で最もコンパクトな本格的オフローダーとして人気が高い。原点回帰した現行ジムニーも強烈なポテンシャルを持っている

ハスラーの可能性もあるのだが、「世界一の悪路走破性能」を持つクルマとしてジムニーば有名だ。

(1)アプローチアングル:フロントタイヤとバンパーを結んだ線と地面の角度
(2)デパーチャーアングル:リアタイヤとバンパーを結んだ線と地面の角度
(3)ランプブレークオーバーアングル:前後輪の接地点からホイールベース中心をつないだ角度

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1:アプローチアングル、2:ディパーチャーアングル、3:ランプブレークオーバーアングルの3アングルは上の図のとおり。ジムニーはオーバーハングが短いのが利点

(1)アプローチアングルはフロントバンパー、(2)デパーチャーアングルはリアバンパーがそれぞれ路面と干渉しないかを示す指標で、(3)ランプブレークオーバーアングルはボディの底部分の干渉度合いの目安となり、それぞれ角度が大きいほどタフということになる。

 この3アングルでは、軽自動車のジムニーが群を抜いていて、アプローチアングル:41°(32°)、デパーチャーアングル:51°(25°)、ランプブレークオーバーアングル:28°(25°)となっている。

 ()内は陸の王者の異名を持つランドクルーザーの数値で、それと比べても前後の干渉度合いの低さが突出していることがわかる。

 ジムニーの悪路走破性が世界的に認知されているゆえんでもある。


先日 汎用軽機動車に川重のバギーを採用したが、
全長 3,395 mm x 全幅 1,475 mm x 全高 1,725 mm 最大積載量: 220 kg 車両重量: 1,030 ~ 1,040 kg 屋根を取っ払ったジムニーならオスプレイにも載せることは可能。

高機動パワードスーツ(改良型)

自衛隊員のパワードスーツがさらに進化する!
年度内に改良版、軽量化・装着性向上
【ニュースイッチ】2019年11月28日

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初代パワードスーツ。民間の商品とは別の性能が求められる
 
防衛装備庁は自衛隊員が装着する高機動パワードスーツの改良版を、2019年度末に製作する。17年度末に完成した重量25キログラムの初代スーツよりも軽量化し、脱着に数分かかっている装着性なども向上を図る。20年度からはこの改良スーツを実際に隊員が装着し、使い勝手などを確かめた上で細かい改良を図り、早期実用化を目指す方針。島しょ防衛のほか、豪雨災害の復興など災害派遣任務で、隊員の負担軽減を狙う。
 
パワードスーツはイノフィス(東京都新宿区)やサイバーダインなどの民間企業が物流業界や介護事業者、リハビリ支援、農業向けなど各方面で製品を開発、市販もされている。これらの大半はアシストする動作が歩行に限られ、想定環境も室内の場合が多い。
 
自衛隊員が使うパワードスーツは室内以外に砂地や泥のぬかるみ、山岳地、豪雪地帯などの利用が想定され、動作も歩行以外に駆け足で全力疾走する、高いところに乗り移るなどといった高機動性が要求される。
 
モーターや姿勢バランス制御にも独自の特性が求められるため「民間品の転用ではなく、防衛装備庁で独自に開発している」(同庁先進技術推進センター)という
 
初代スーツは隊員の装着のほか、3次元動作解析や床反力計付きトレッドミルなどの器材を用いて動作解析を実施し、基本性能の評価を行った。改良版も同様の試験を行うほか、陸上自衛隊の隊員らと意見交換会を実施し、使い勝手やデザインも含め、細部改良に努める。隊員の身長や男女差などで装着性にも差が出るため、これを緩和する接合のアジャスター部も改良する。

日刊工業新聞2019年11月27日
防衛装備庁 : 先進技術推進センター





執筆中

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【SouthChinaMorningPost】Minnie Chan 2020年5月4日 5:00am 

●北京は地域の緊張が高まった時期に11月の珠海航空ショーで飛行機を発表することを「慎重に検討」している。

H-20 は中国に潜水艦、弾道ミサイルおよび爆撃機の核の三位一体(の、攻撃能力)を与えることになる

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An artist’s impression of what the H-20 may look like. Photo: Weibo

中国の新世代戦略爆撃機は今年中にも納入される可能性が高いが、北京はコロナウイルスのパンデミックのために地域関係が複雑な時期に発表することの影響を秤にかけていると言われている。

軍の情報源は、パンデミックが十分にコントロールされていた場合、Xian H-20超音速ステルス爆撃機(攻撃範囲を2倍にすると予想される)が11月に開催される今年の珠海航空ショーで初の公の場に登場する可能性があると述べた。

"珠海航空ショーは、中国のイメージとパンデミック対策の成功を促進するためのプラットフォームになると期待されており、伝染病が中国の防衛産業企業に大きな影響を与えなかったことを外部に伝えることができる」と関係者は語った。

しかし、今年の航空ショーでの爆撃機の出現は、その攻撃範囲内の国、特にオーストラリア、日本および朝鮮半島を直接脅かすことによって緊張を高めることができる。

別の情報では、"北京の指導者はまだ注意深く、地域の緊張がCovid-19 のパンデミックの影響でエスカレートしているので、その委員会が地域のバランスに影響を与えるかどうかを検討している、" とのことだ。
"大陸間弾道ミサイルのように、すべての戦略爆撃機は核兵器の運搬に使用することができる...中国が純粋に防衛的な国防政策を追求してきたと主張するならば、なぜそのような攻撃的な兵器が必要なのだろうか?

パンデミックを巡って北京とワシントンが言葉を交わし、台湾海峡や南シナ海、東シナ海での海軍哨戒を強化するなど、地域の緊張はこの1カ月で悪化している。

米国国防省は、H-20の航続距離を8,500km(5,300マイル)以上と見積もっている。H-20は、ステルス戦闘機J-20、巨大輸送機Y-20、中量輸送ヘリZ-20を含む中国の20の新世代戦闘機シリーズの最後のものである。

H-20の到着は、中国の「核の三極」と呼ばれる地上ベースの大陸間弾道ミサイル、潜水艦発射ミサイル、空爆兵器の完成を意味する。

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An H-6K bomber, or China’s B-52, flies over the South China Sea. Photo: AP

中国の国営テレビは、H-20が現在のH-6Kの攻撃範囲を2倍にすることによって、アメリカと中国の間の戦略的な計算を変えることができると言った、国のB-52と呼ばれる。

H-20は中国本土の基地から日本、グアム、フィリピンおよび他の国の米国の基地を含む第2の島のリングを越えて目標を攻撃するように報告された。

第三の島々はハワイとオーストラリア沿岸部にまで及んでいる。
この爆撃機は、最大離陸重量が少なくとも200トン、最大積載量が45トンの核ミサイルと通常ミサイルを搭載しています。この爆撃機は亜音速で飛行し、4つの強力な超音速ステルス巡航ミサイルを発射する可能性がある。

しかし、情報筋によると、中国初のアクティブステルス戦闘機J-20と同様に、H-20爆撃機のエンジン開発は予定より遅れているという。

J-20のために、エンジニアは高推力ターボファンWS-15エンジンを開発していたが、ジェット機は中国製WS-10Bまたはロシア製AL-31FM2/3エンジンのいずれかを使用していると理解されており、それは亜音速での操縦性とステルス能力を損なう。

軍事愛好家は、H-20がNK-321ロシア製エンジンを使用するかもしれないと推測していますが、2つの独立した軍事情報源は、それがアップグレードされたWS-10エンジンを装備しているだろうと言いました。

"WS-10はまだ十分に強力ではないので、H-20のための過渡期のエンジンである。

適格な代替品は開発のために2~3年かかるかもしれない "と、情報筋の1人は言った。

2020年2月17日

もう一つは、H-20の速度は当初の設計よりも遅くなり、当初の戦闘能力の一部が低下するだろうと述べた。

"それがアメリカ空軍がH-20に関心を持たない理由です" "それは彼らのB-2やB-21爆撃機にどんな挑戦も起こせないほど強く強力ではないからです"

もし米国がより多くのF-35超音速戦闘機を配備することを決定した場合、それはすでに日本と韓国に約200機を販売しているが、それは中国に新型爆撃機のお披露目を前倒しするように促す可能性がある、と第二の情報筋は言った。

"例えば、何人かの米国の意思決定者が、日本、韓国、そしてシンガポール、インド、台湾に500機までのF-35戦闘機を配備することに決めたならば-インド太平洋地域の中国のほぼすべての隣国が中国を封じ込めるためにF-35戦闘機を使用することになる-それは北京ができるだけ早くH-20を開発するように促すだろう。"

H-20は2000年代初頭から開発が進められていたとされる。戦略爆撃機の開発プロジェクトは、2016年に人民解放軍が初めて発表した。

日本は、ロシア新ステルス爆撃機と新たな中国ステルス爆撃機の脅威に対処しなければならなくなった。

中国国営TVによれば「H-20」は攻撃半径は6,000km以上に到達し米中間のパワーバランスに変化をもたらすとのプロパガンダだが、米国防総省の推計ではH-20の航続距離を8,500km以上だと見積もっている。ちなみに8500kmは北京ハワイ間の距離だ。
北京グアム間の距離はおよそ4000kmである。


米海軍の原潜部隊と、日本の通常型潜水艦の能力は、日米が圧倒的有利である。

現状、制海能力おいては、日本近海ではそうりゅう型おやしお型潜水艦・P-1とP3Cの存在で、とても中国は日本や台湾に攻め込む能力は無い。



と、なれば、航空機による日米艦船やシーレーン上の商船隊、日本本土への攻撃の選択肢として、中国はこのステルス爆撃機による攻撃オプションを選択する可能性が高くなる。

H-20開発を担当している西安飛機工業公司が公開したプロモーション動画の最後に「THE NEXT・・・」という言葉とともに覆われたH-20らしき機体が登場する。

空対地・空対艦ミサイルによる飽和攻撃や、外洋における商船に対する爆撃機によるシーレーン攻撃に備える必要がある。

特に、「外洋(戦闘機のエアカバー外)で中国爆撃機を迎撃する空母艦載機を投入するしかない」が、いずも型2隻ではとてもこころもとないそこで、「滞空時間の長い対潜哨戒機に長距離空対空ミサイルを積んで艦隊を空中援護すればよい」というアイデアが浮上している。

「空中巡洋艦」構想

1980年代、T-22Mバックファイアー対策として、対潜哨戒機P-3Cオライオンの早期警戒タイプに長距離空対空ミサイルAIM-54フェニックスを8~12発搭載する空中巡洋艦構想が浮上した。1986年(昭和61年)、P-3Cを母体に、E-2Cと同じAN/APS-138レーダーを搭載して早期警戒能力を付与し、さらにAN/AWG-9レーダー・火器管制装置とAIM-54 フェニックス12発を装備した機材で船団の防空を行うという「空中巡洋艦」とも称される大型戦闘機構想が検討されていたが、防空範囲は在空空域周辺に限られ、作戦柔軟性や迅速性に乏しく、護衛艦隊の都合に合わせて一体運用できないといった理由から早々に検討対象から除外された。

今また同じプランがP-1を母機として浮上して研究されている。


 航空開発実験集団司令部の要求により、射程距離100キロメートル以上の長射程空対空ミサイルを搭載、発射する大型航空機(P-1哨戒機以上)の諸外国動向及び日本での実現性検討の調査について川崎重工が受注、報告していることがこのほど、明らかになった。
 航空自衛隊第2補給処で昨年12月12日に入札公示された契約名「長距離ウェポン搭載母機に関する調査研究」がそれで、1月22日付で川崎重工が90万円で落札、納期は3月20日となっている。仕様書が公表されており、それによると長距離ウェポンとは射程100キロ以上の空対空誘導弾、搭載母機は長距離ウェポンを搭載、発射するための装置を装備し、長距離ウェポンを運用できるよう改修された大型航空機としており、大型機の機体規模はP-1哨戒機同等以上としている。

第3299号

空自の入札:長距離ウェポン搭載母機に関する調査研究

http://t.co/moTmwMTHoT (現在はリンクしていません)
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c)長距離ウェポン射程距離100km以上の空対空誘導弾をいう。
d)搭載母機長距離ウェポンを搭載及び発射するための装置を装備し、 
  長距離ウェポンを運用できるように改修された大型機航空機をいう。
e) 大型航空機海上自衛腺のP-1対潜哨戒機同等以上の機体規検を有する
  航空機をいう。

弾道ミサイル・ステルス機対処技術


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遠距離探知センサシステムの運用構想図にDdogが画像のAAMを強調

遠距離探知センサシステムは、先進的なレーダシステムと赤外線センサシステムをデータ融合させることにより、弾道ミサイル、ステルス機及び巡航ミサイルを遠距離で探知するものです。本システムには、電子装備研究所が将来センサシステム(搭載型)等で確立したセンサ技術が応用されます。

この遠距離センサシステムがそのままミサイルプラットホームとなるとは限らないが、その可能性はあるが、私としてはフライバイライトのP-1を母機とすべきと思う。

イメージ画像にはB-767らしき機体にはパイロンが4×2箇所描かれています。おそらくここに射程300-400kmJNAAM8~32発搭載可能だろう。
JNAAMミサイルの重量がミーティアと同じ185kg大型化して200kgであったとしても、ミサイルで重武装してもP-1の積載量は9000kg以上あるので、余裕がある。



この遠距離センサシステムはF-3にも搭載されので、P-1,P-3C、F-35、F-15JSI、F-2と
E-2D AWACSとリンクすることにより、遠距離センサシステム兼専用ミサイルキャリアー機まで必要はないかもしれないが、大型無人機を上空に滞空させることが効率的かもしれない。

長時間滞空AWACS兼ミサイルキャリアは有人機より無人機の方がより長時間滞空できるであろう。中露の対空ミサイルの長射程化は著しく500kmでも安全地帯ではないかもしれません、無人機ととすべき思う。


【航空宇宙ビジネス短信:T-2】2017.11.10 

長距離空対空ミサイルが進歩していますが、センサーやレーダー技術がマッチしているのでしょうか。敵に命中するまで照射し続けるのであればいい標的になりますね。したがって単純に装備が優れていても実戦での効果は別の話だと思うのですが。ともあれ、AAMの長距離化がすすみそうですね。J-20は長槍の名称があるようですが、記事の指摘する作戦構想とともに日本国内の基地攻撃にも投入されるのではないでしょうか。
 
Russia and China Could Crush the U.S. Air Force in a War Using This Trick
ロシア、中国は米空軍をこうして撃破する

The National Interest Dave Majumdar
November 8, 2017

新世代のロシアや中国製の長距離空対空ミサイルは米航空作戦の実施で不可欠な機材への脅威になる。対象はAWACSや各種情報集偵察監視(ISR)機材、給油機、電子戦機材だ。

接近拒否領域拒否(A2/AD)を取るロシアや中国を見るときには対艦ミサイルや地対空ミサイルに関心が集まりがちだが超距離迎撃手段が正しい戦闘機に搭載されるとアジア太平洋、欧州の両方で米空軍力の航空作戦継続が困難となりかねない。ロシアのMiG-31、Su-57や中国の成都J-20が空対空ミサイルで米AWACS、JSTARSや給油機に使われるKC-135や今後登場するKC-46ペガサスを狙う。太平洋は広大だが航空基地はまばらなので給油機がアキレス腱になり、ここを北京は狙ってくる。注意が必要なミサイル開発が三件あり、ロシアのヴィンペルR-37M RVV-BD、ノヴァタKS-172 (別名 K-100)と中国のPL-15だ。

このうちR-37M RVV-BD は新型長距離空対空ミサイルですでに初期作戦能力(IOC)段階にありMiG-31BMフォックスハウンドに搭載されている。最終的にスホイSu-35SフランカーEやSu-57 PAK-FAステルス戦闘機に搭載されるはずだ。RVV-8DはNATOがAA-13と呼び160カイリ以上から標的に命中させたといわれる。

「改良型R-37M(RVV-BD,イズデリ610M)ミサイルは2014年から量産中で、いまやIOC段階にありMiG-31BM迎撃機飛行隊に配備されている」とミハイル・バラバノフMikhail Barabanov,(Moscow Defense Brief主筆)が述べる。「RVV-BDミサイルはSu-57にも搭載の予定がある」

R-37原型はソ連時代にNATOの重要機材のE-3セントリーAWACS、E-8JSTARS、RC-135V/Wリベットジョイント攻撃を想定した。高速戦闘機MiG-31などから発射しNATO機材を掃討する構想だった。MiG-31はマッハ2.35飛行が可能でステルスのSu-57はミサイル発射に理想的な機体で、速度と高度を武器にすれば迎撃を回避できる。

「R-37はこちらのISR機材排除を目的に1990年代からテストされてきた専用ミサイルです」とマイク・コフマンMike Kofman(ロシア装備研究を専門とするCNAコーポレーション研究員)は解説する。「さらにノヴァタのプロジェクトには続きがあり、KS-172とかK-100と呼ばれるものがあります」

1991年のソ連崩壊を受けR-37開発を続けたものの進まず1990年代が特に大変な時期でロシア国防産業は資金不足に悩まされた。ソ連時代のR-37原型は開発中止となりRVV-BDとして復活した。バラバノフはR-37原型の開発取りやめは1997年と述べる。

R-37Mは慣性航法と戦闘機からの飛翔経路修正を併用しアクティブレーダー誘導を最終段階で使う。戦闘状況ではMiG-31が高速ダッシュ飛行で標的に向かいR-37Mを一斉発射するだろう。フォックスハウンドは自機の大型ザスロン-Mフェイズドアレイレーダーを照射しデータをミサイル自身のレーダーがアクティブになるまで持続する。米製AIM-120DAMRAAMのホーム-オン-ジャム機能と同様の機能がついておりボーイングEA-18Gグラウラーのような電子攻撃機に対抗するかもしれない。

ソ連はNATOや米空軍の優位性はAWACSを使った調整型航空作戦の実施能力によるものと見ていた。ソ連はAWACS対抗策としてパッシブホーミング方式長距離空対空ミサイルを開発していた。「知る限りでは空対空ミサイルにパッシブレーダーでホーミングさせるのがソ連の1980年代で主流だったが今では効果がないと見られている」(バラバノフ)

RVV-BDは恐ろしい兵器だがモスクワはもっと高性能のミサイルをノヴァタKS-172別名K-100として開発している可能性がある。RVV-BDは最大射程が200カイリと見られるが、新型は250カイリだとみられる。「200カイリを超える射程はR-37Mでは無理だろう」とコフマンは見る。「ここまで長距離対応の装備を作れるのはノヴァタしかない。KS-172は200マイル超で打ちっぱなしミサイルの想定だったが似たようなものだろう」

ただしKS-172/K-100ミサイルがいつ開発を終了し生産に入るのか不明だ。K-100は結局実用化されないとの見方もある。「K-100ではインド資金がないと開発完了できないようです。ノヴァタ製の優秀なミサイルなのですが、実用化されるか不明です。長さがかなりあり第五世代機に搭載できないのでは」(コフマン)

バラバノフもK-100は開発中止の可能性があると述べる。「K-100ミサイルでは今も生きている事業か疑わしいと見ています。かなり前に中止しているのでは」

世界の反対側では中国がラムジェット動力のPL-15の開発中で、射程は120マイルといわれる。PL-15は米空軍でも警戒しており航空戦闘軍団司令官ハーバート・「ホーク」・カーライル大将が米国も採用後数十年が経過しているAIM-120AMRAAMの後継ミサイル開発に進むべきと提唱していた。

「どうしたら対抗できるか」とカーライル大将は戦略国際研究センター主催の会場で問題提起していた。その後、Flightglobal,の取材でカーライルは新型中国ミサイルへの対抗は「きわめて上位の優先事項」だと米空軍内部の取り組み方を紹介していた。「PL-15の射程距離以上のミサイルがこちらに必要だ」

PL-15がAMRAAMより射程が長いことだけが問題ではない。J-20戦闘機に搭載すれば中国は給油機、ISR機材を掃討し太平洋の戦闘で不可欠な機材が使えなくなる。2008年のRAND研究所のまとめではF-22をグアムから発進させ台湾上空に投入する米空軍は毎時給油機を3ないし4ソーティー発進させ260万ガロンの空中給油が必要と指摘している。この事実に北京が気付かないはずがない。

J-20ではっきりしたデータがないが高速長距離ステルス機で相当の機内搭載量があるようだ。レーダー断面積が減って超音速飛行をし、内部にPL-15ミサイルを搭載すればJ-20は米空軍空中給油機やISR機に脅威となる。同じく2008年RAND研究では中国のSu-27フランカー派生型が米給油機、ISR、海上哨戒機さらに指揮統制機を長距離空対空ミサイルで全滅させるシミュレーション結果だった。

米空軍の対応策は基地分散と補給体制強化で遠隔地の不完全な基地に補給を絶やさず中国A2/ADに対抗するというものだ。ただし空軍は給油機、ISR機、指揮統制機を敵攻撃から防御する手段は開発に着手していないようだ。この課題への解決策はこうした機材を安全圏内に退避させることだけだ。だがそうすれば戦術機の行動半径も短くなり、中国内部への攻撃ができなくなる。

そうなると、ロシアや中国の長距離空対空ミサイルを第五世代戦闘機に搭載させる構想はペンタゴンに頭の痛い問題になりそうだ。今後数年間にわたり注視すべき問題だ。■

Dave Majumdar is the defense editor for the National Interest. You can follow him on Twitter: @davemajumdar.
This first appeared earlier in the year. 
Image: Reuters. 
普通に考えれば、仮にOHTレーダーで、機体を捉えたとしても、超長距離の敵機を中間誘導を指令せずにパッシブで捉えた電波情報だけを頼りに発射した所で命中は全く期待出来ない筈です。例え終末誘導がアクティブレーダーだったとしてもです。

やはり、ここでもリンク化ができての話となるでしょう。

国産早期警戒機 EP-1 AWACS

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E-2Cの後継機として提案されていたが、E-2Cの後継はE-2Dに決まった。
ただ、
遠距離探知センサシステム専用機として、採用される可能性もまったくなくなったわけではない。


陸攻型AP-1

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CHFの部屋


わざわざ陸攻専用機をつくる予算はないと思うが、
仮にP-1改造遠距離センサシステム兼専用ミサイルキャリアー機が予算が付き製作された場合、対艦攻撃任務も対応可能だろう。

ASM-3の重量は900kg射程延長型のXASM-3改は更に大型化して1000kgは越えるだろうとは
思います。P-1の場合8発を搭載する能力はありますが、最大で主翼下のパイロンには2発づつ計4発しか搭載することはできない。

仮に
P-1改造遠距離センサシステム兼専用ミサイルキャリアー機が製作された場合、機体前部下方の弾庫を廃止し、全長38mの機体中央に全長8m程度の大型弾庫を設ければ、XASM-3改4発~6もしくは、JNAAMミサイルを20~30発搭載可能ではないかと思う。

このほかにも中央大型弾庫をふる活用すれば以下のミサイルが搭載可能

〇JSM(Joint Strike Missile)
日本でもF-35用に導入を決定したノルウェー製ASM 亜音速で500kmの射程を有し、ステルスミサイルである。誘導方式は慣性誘導、GPS、地形等高線照合誘導、最終:赤外線カメラ、赤外線ホーミング、標的データベース
重量 407kg 全長 3.7m 弾頭 HE破片効果弾頭(125kg)
ウェポンベイに8~12発翼下パイロンに4発~8発

〇AGM-158 JASSM
AGM-158 JASSM 重量 1,021 kg 全長 4.27 m 弾頭 450 kg 翼幅 2.4 m 射程 JASSM-ER:925+ km 速度 亜音速 誘導方式 (GPS)+慣性航法システム(INS)、最終末赤外線ホーミング+自動ターゲット認識

〇AGM-158C LRASM
AGM-158 JASSMを発展させたのがLRASM GPSや戦術データ・リンクなど外部の情報システムとの連接が絶たれた状態においても、ミサイル搭載の測的システムにより自律的に攻撃を実施できることが求められている。この測的システムは、明確な目標識別、移動目標に対する精密攻撃、敵対的環境における初期目標の確立能力を有するものとされている。
どちらも導入予定の亜音速巡航対艦ミサイルである。

高出力レーザー

空中巡洋艦は当然ドックファイトはできません。敵戦闘機との近接交戦は避けなければなりませんが、現在米軍が航空機搭載レーザー砲を開発しております。

ATLAでも高出力レーザーの研究は行われていますが、航空機用の開発は今のところ構想はあるとは思いますが、寡聞に存じません。将来的に搭載する場合、F-3より先に大型機となる可能性が高いだろう。

搭載された場合の用途は自己防衛用
対空接近戦闘ですが、更に発達すれば弾道ミサイル迎撃用へも・・・

P-1がアナーセルプレーン化し、まさに空中巡洋艦となる可能性もあります。

※長距離ウェポン搭載母機に関する調査研究は行われていますが、この記事の陸攻型AP-1以下は私の妄想願望です。



 
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画像元空自

ついに登場、自衛隊の宇宙部門「宇宙作戦隊」
その画期的意義と課題、中国・ロシアへの対応
【JBpress】渡部 悦和2020.5.21(木)

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日本にもようやく宇宙を担当する自衛隊が誕生する

「宇宙作戦隊」が、5月18日、航空自衛隊の隷下の部隊として20人態勢で発足しました。

 20人という極めて小規模な部隊ですが、宇宙戦を遂行する部隊が誕生したことは、自衛隊の歴史において画期的な意義を有します。

 なぜならば、宇宙戦は現代戦において不可欠な要素ですが、今まで自衛隊は宇宙戦を担当する部隊を持たない不完全な組織だったからです。

 小さく生まれた「宇宙作戦隊」を大きく育てるべきです。

「宇宙作戦隊」の創設は、米国の「宇宙軍」の創設と関連づけて考察すべきです。

航空自衛隊「宇宙作戦隊」と米宇宙軍
 
米国のドナルド・トランプ大統領は、2019年12月20日、2020会計年度の国防権限法に署名し、これにより「米宇宙軍(US Space Force)」が正式に創設されました。

 宇宙軍の創設については、米軍内部からも「宇宙軍の創設は屋上屋を重ねるものであり、現在の体制で十分だ」という根強い反対がありました。

 トランプ大統領は、軍の反対にもかかわらず宇宙軍の創設にこだわりました。

 彼の狙いは、陸・海・空軍と同格の第6の軍種として宇宙軍を創設することにより、「歴史に名を遺す大統領になる」ことでした。

 トランプ大統領の宇宙開発へのこだわりは、彼が尊敬してやまないロナルド・レーガン大統領に触発されたものです。

トランプ大統領の安全保障に関するスローガンである「力による平和(Peace through Strength)」はレーガン大統領のスローガンを真似たものです。

 そして、2016年の大統領選挙期間中にトランプ陣営は、「力による平和」と並んで「米国の宇宙開発の復活」をスローガンにしました。この2つは明らかにレーガン大統領のコピーです。

安全保障における宇宙の重要性
 
米軍の「宇宙軍」や自衛隊の「宇宙作戦隊」の創設の背景には中ロの宇宙における能力の向上があります。現代戦を見据えた宇宙の重要性*1について以下に列挙します。

●中国とロシアは、宇宙を現代戦にとって不可欠な空間と認識し、米国の衛星等を攻撃する能力を切り札だと考えています。

●中ロは、宇宙ベースの情報収集、監視、偵察などの重要な宇宙能力を開発してきました。また、衛星航法衛星群(米国のGPSに相当)などのシステムの改良も進めています。

 これらの能力は、世界中の軍隊を指揮・統制する能力を軍に提供します。そして、状況認識能力を高め、米軍やその同盟国の軍隊を監視・追跡・標的とすることを可能にしています。

●中ロの宇宙監視ネットワークは、地球軌道上にあるすべての衛星を探索、追跡し、その衛星をその特徴に基づき識別しています。この機能は、宇宙での自らの衛星の運用と相手の衛星に対する攻撃にとって不可欠です。

●米中ロは、通信妨害能力、宇宙でのサイバー戦能力、指向性エネルギー兵器(エネルギーを目標に照射して機能を低下・破壊する兵器。レーザー、高周波マイクロ波兵器など)、同一軌道上で相手の衛星を攻撃する能力、地上配備の対衛星ミサイルなどを開発しています。

●国連は、宇宙の軍事化を制限する協定を推進しています。これらの協定は多くの宇宙戦能力に対応できておらず、中国とロシアが対宇宙兵器を開発しているのを検証するメカニズムも欠如しています。

*1=米国の国防情報局(DIA:Defense Intelligence Agency),“宇宙における安全保障への挑戦(Challenges to Security in Space)”

日本の宇宙開発能力

 日本の宇宙開発の能力は世界的に見ても高く評価されています。

 日本が初めての人工衛星「おおすみ」(100%国産技術の固体燃料ロケット)を打ち上げたのは1970年2月のことであり、これは中国よりも早く「アジアで最初、世界で4番目」の快挙でした。

 さらに1998年には火星探査機「のぞみ」を打ち上げ、火星探査機を打ち上げた世界で3番目の国になりました。

 また、探査機「はやぶさ2」を地球から約3億キロメートルも離れた小惑星「リュウグウ」に着陸させるなどの大きな成果を挙げています。

 H2Aロケットについては、35回連続で打ち上げに成功しているほど信頼性が高いロケットであり、その打ち上げ成功率は97.5%です。さらに日本は、国際宇宙ステーション運用の参加国です。

 以上のような実績を積み重ねてきた日本ですが、宇宙戦の分野では宇宙大国である米中ロに引き離されています。

 宇宙戦において、日本はG7構成国の中では最も遅れた国です。

「宇宙作戦隊」の創設によりやっとスタートラインについた状況です。遅れた理由は、憲法第9条に起因する「宇宙の平和利用」というイデオロギーです。

40年間続いた非軍事利用のイデオロギー

 宇宙開発事業団(NASDA)を設置する際、日本の宇宙利用を非軍事に限定*2したいという思惑がありました。

 そのため、「非軍事利用が平和目的の利用である」ことを明確にするために、「(日本の宇宙開発は)平和利用に限る」という国会決議が1969年に採択されました。

 しかし、国際的には、「平和目的の宇宙利用とは、防衛目的の軍事利用を含む」という了解があります。

 日本が約40年続けてきた、この「宇宙の非軍事利用=平和利用」というガラパゴス思考を打破するきっかけになったのは、北朝鮮が1998年に行った弾道ミサイル「テポドン」の発射でした。

 日本の安全保障が北朝鮮の弾道ミサイルにより直接的に脅威を受けている現実を目の当たりにして、政府は情報収集衛星の保有を1998年に決めます。

 自衛隊は衛星保有を禁止されていましたから、内閣が所有・運用するという仕組みを取りました。

 この自衛隊が衛星を保有できないという規定は現実に合致せず、結局、2008年5月に制定された「宇宙基本法」により、「防衛的な宇宙利用は宇宙の平和利用である」という国際標準の考え方がやっと認められたのです。

 つまり、宇宙基本法は、日本の宇宙政策に最大の転換点となったのです。

 宇宙基本法がもたらしたこの変化により、防衛省自身が衛星を所有することが可能となりました。

*2青木節子、日本の宇宙政策、nippon.com

「防衛計画の大綱」に見る宇宙利用の変遷

 宇宙基本法の成立を受けて、宇宙を防衛目的のために利用することを初めて明記したのは、2010(平成22)年12月に決定された防衛計画の大綱(「22大綱」)です。

「22大綱」では、「宇宙空間を使って情報収集をする」という限定的な表現をしました。

 2013(平成25)年12月に決定された「25大綱」では、衛星を用いた情報収集や指揮・統制・情報・通信能力の強化、光学やレーダーの望遠鏡で宇宙空間を監視すること、宇宙状況把握SSA:Space Situational Awareness)が具体的な「防衛的な宇宙利用」であるとして記載されています。

 つまり、防衛目的の宇宙利用はより積極的なものとなったのです。

 2018(平成30)年12月に決定された「30大綱」では、「宇宙・サイバー・電磁波といった新しい領域における優位性を早期に確保すること」と記述され、「宇宙における優位性を早期に確保する」という表現で、世界標準の考え方が示されました。

「30大綱」ではまた、陸・海・空という伝統的な空間にプラスして宇宙・サイバー・電磁波の領域を加えた6つの領域(ドメイン)を相互に横断して任務を達成する、「領域横断作戦」が採用されたことも特筆すべきです。

「30大綱」に規定された自衛隊の宇宙に係る役割は次の通りです。

①日本の安全保障に重要な情報収集

②通信、測位航法等に利用されている衛星が妨害を受けないように、宇宙空間の常時継続的な監視を行うこと

③妨害を受けた場合には、どのような被害であるのかという事象の特定、被害の局限、被害復旧を迅速に行うこと

 これらの任務が「宇宙作戦隊」の任務に直結します。

我が国は「30大綱」でやっと宇宙戦を遂行するスタート地点に到達したのです。

日本の宇宙戦の課題

 2015年、私は米国のシンクタンク・戦略予算評価センター(CSBA)を訪問し、エア・シー・バトル(ASB)について議論しました。

 彼らは、中国やロシアの攻撃による米国の衛星インフラの被害を非常に憂慮していました。

 CSBAの対策案は、衛星インフラの強靭化(通信妨害やレーザー攻撃などに耐えられるものにすること)、攻撃された衛星を代替するための小型衛星を打ち上げること、無人航空システム(UAS)で衛星を代替すること、報復手段の保持による抑止などを挙げていました。

 相手の攻撃にいかに対処するかは日本にとっても喫緊の課題なのです。

 世界中で報道されている内容を分析すると、宇宙戦は、戦時だけではなく平時においても実施されていると認識すべきです。

 日本の衛星も平素から通信妨害やレーザーによる妨害などを受けていても不思議ではありません。

 したがって、各省庁がバラバラに宇宙開発を担当する体制から、平時から宇宙戦に対処する国家ぐるみの体制を整備すべきです。

 例えば、SSA体制を完成するためには内閣府・防衛省・国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が協力しなければいけません。

 我が国と米国との連携・協力のためには内閣府・防衛省・外務省・JAXAが協力しなければいけません。

 宇宙予算の確保は内閣府が担当しますが、将来的には宇宙開発全体を担当する「宇宙庁」の新編が議論される可能性もあります。

「航空宇宙自衛隊」構想
 
防衛省は、国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画(中期防)、宇宙基本計画・工程表を根拠にしながら宇宙に係ってきました。

 そして、防衛省にとってもう一つの重要な柱である「日米の宇宙分野での協力」は、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」を根拠にしながら、米国との協議や対話を行ってきました。

 防衛省・自衛隊は、いよいよ「宇宙作戦隊」を編成し、将来的には「航空宇宙自衛隊」構想が報道されるようになりました。

 ただ気になることがあります。

 まず、日本の宇宙分野を統括するのは内閣府の宇宙開発戦略推進事務局ですが、その他の機関としてJAXA、内閣衛星情報センター、三菱重工業などの民間企業などがあります。

 それらの機関の宇宙領域の任務などの関係がどうなるのかが問われます。

 次いで、「航空宇宙自衛隊」は、宇宙を担当して何をするのかが問われます。

 SSAだけでは中国やロシアの宇宙戦に対抗できません。SSAの次にくる重要な任務は「宇宙交通管理(STM: Space Traffic Management)」です。

 この「宇宙交通管理」をどの組織が担当するのか、その担当組織と「航空宇宙自衛隊」との関係をどうするかなど、明確にしておかねばならないことが山積しています。

 さらに、「航空宇宙自衛隊」は日本の衛星の防護にも関与するのか、さらに対象国の衛星の破壊や機能麻痺を引き起こす対宇宙(攻撃的な宇宙戦)にまで踏み込むのかなどが問われます。

 筆者は、中国人民解放軍の宇宙を担当する戦略支援部隊の能力を勘案すると、対宇宙の能力を抑止力として保有すべきだと思います。

 また、自衛隊のミサイルなどの長射程化が予想されますが、攻撃目標の絞り込み(ターゲティング)などに宇宙をベースとしたC4ISR(指揮、統制、通信、コンピューター、情報、監視、偵察)能力は不可欠です。

 この機能も「航空宇宙自衛隊」が担当するのかなど、検討すべき事項は多いと思います。

 さらに、宇宙戦と密接な関係にある情報戦、サイバー戦、電子戦を担当する日本の各組織との関係をいかに律するかも課題です。

 その意味で、人民解放軍の「空天網一体化(空・宇宙・サイバー電磁波領域の一体化)」という4領域を融合する考え方は参考になります。

 いずれにしろ、日本が宇宙戦において普通の国になるために克服すべき課題は多く、着実にその課題を克服していくべきです。

宇宙作戦隊 宇宙状況把握(SSA:Space Situational Awareness)

防衛省は2020年5月18日、航空自衛隊府中基地に「宇宙作戦隊」を発足させた。自衛隊初となる宇宙領域の専門部隊で、日本が打ち上げた人工衛星への衝突などを防ぐため、宇宙ごみ(スペースデブリ)や不審な衛星の監視を行う。府中基地を拠点に通信や電子などを専門とする20人規模で始動し、将来は100人規模にする方針。

今年の正月のニュースで安倍晋三首相は令和元年9月の自衛隊高級幹部会で、来年度空自に20人規模の「宇宙作戦隊」を新設後、将来的に「航空宇宙自衛隊への進化ももはや夢物語ではない」と言及してる。
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「宇宙作戦隊」のネーミングは令和2年度概算要求の概要(元年8月)の段階で既に決まっていたが、ネットでは、「宇宙作戦隊」のネーミングに関して・「昭和の特撮シリーズぽいネーミングだ」・「ネーミングが昭和」・「昭和特撮臭あふれるネーミングっスね」との声が上がっているようだ。紅一点の隊員名が「友里アンヌ」さんだったりして(笑)。

米国が、UFOの存在を認めた年に、米国ではUSスペースフォース(米宇宙軍)が再編され、今年日本では航空自衛隊の中に「宇宙作戦隊」が発足した。まさか宇宙人と宇宙戦争でも起こす気でもあるまいかなどと考える人もいるかもしれませんが、考えすぎです、いまのところありえません。

ロシアは、ロシア空軍と宇宙軍を2015年統合しロシア航空宇宙軍が存在する、中国では、同じく2015年中国人民解放軍ロケット軍旗下に中国人民解放軍戦略支援部隊が置かれサイバー攻撃や宇宙の軍事利用を担っている。

中国・ロシアとも衛星攻撃兵器の開発を進めており、中国は2007年に衛星破壊実験にも成功した。宇宙軍を設置した日米、イスラエル、ロシア、今後設置予定のフランスも、その装備能力はは対中国であり、人工衛星(キラー衛星)やスペースデブリ対策にすぎません。

今後
宇宙作戦隊」は主に隊員の教育訓練や米国、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携などを進め、日本の衛星を守る為に、2023年度から山口県の山陽小野田市に直径15~40mのパラボラアンテナを数基設置し宇宙監視システムの運用を開始する予定である。2026年度末までに宇宙空間の状況を把握する衛星の打ち上げを目指す。

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画像元中國新聞 山陽自動車道左下と国道2号線(左右に伸びる道路)に囲まれた海上自衛隊山陽受信所跡地(約13万4千平方メートル)
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防衛省資料より

JAXA施設が岡山県の中国山地に設置されていることを鑑みれば、山口県の海自通信基地跡の利用は合理的な選択だと思う。

令和2年防衛概算予算要求の概要宇宙関連予算から(SSA以外)


○ 宇宙空間の安定的利用を確保するための能力強化等(40億円)
・ 電磁波領域と連携した相手方の指揮統制・情報通信を妨げる能力に関する調査研究
・ 我が国の人工衛星に対する電磁妨害状況を把握する装置の取得

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○ 宇宙を利用した情報収集能力等の強化(59億円)
・ 宇宙空間での2波長赤外線センサの実証研究
・ 高感度広帯域な赤外線検知素子の研究
・ 人工衛星を活用した警戒監視に係る調査研究

○ 宇宙設置型光学望遠鏡の整備(33億円)

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・静止衛星軌道上にあるXバンド防衛通信衛星等の周辺を飛しょうするデブリや不明物体の特性を把握するための宇宙設置型光学望遠鏡の構成品を取得

○ 宇宙状況監視(SSA※)システムの取得(154億円)
米軍及び国内関係機関等と連携した宇宙状況監視を行うために必要な関連器材の取得等
※ SSA:Space Situational Awareness

○ 衛星通信の利用(135億円)
・ 衛星通信システムの抗たん性向上
・ Xバンド通信衛星に対応するための装備品等の改修等
・ 商用通信衛星回線の借り上げ、衛星通信器材の整備・維持等

○ 画像衛星データ等の利用(101億円)
・ 画像解析用データの取得(超小型地球観測衛星を含む各種
商用衛星等)
・ 気象衛星情報の利用
・ 海洋状況監視に資する衛星情報の取得

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   Xバンド防衛通信衛星(イメージ) 

宇宙空間における防衛問題

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防衛省資料より

宇宙空間には国境の概念がなく、人工衛星を活用すれば地球上のあらゆる場所で情報収集や通信、測位などが可能となるため、各国は人工衛星を活用した宇宙システムを軍事作戦の基盤として利用している。
画像・電波情報を収集する偵察衛星、正確な場所の把握やミサイルなどの誘導に利用する測位衛星、弾道ミサイルの発射を探知する早期警戒衛星、そして、宇宙通信衛星は、これを攻撃された場合、瞬時に軍隊は機能しない状態におかれる。


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防衛省資料より

特に中国とロシアは、対衛星兵器(ASAT)の開発・能力向上に努めている。

中国は2007年人工衛星への直接衝突実験を行った。更に日本を含め世界各国は、ロボットアームによるデブリや人工衛星捕獲実験構想があり、人工衛星の機能を喪失させる「キラー衛星」、地上もしくは宇宙空間で人工衛星に対し指向性エネルギーを照射する実験がおこなわれている。




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【Jane's by IHS Markit】レーザー技術実験機(A-60)
ロシアの高出力レーザー兵器を搭載した航空機。2009(平成21)年、衛星に向けてレーザーを照射する実験を行ったとされている。

高出力レーザーなどを人工衛星に集中照射し人工衛星の各種機能を喪失又は人工衛星を直接破壊する「指向性エネルギー兵器」、電波妨害(ジャミング)により人工衛星と地上局などとの間の電波通信を妨害する「電波妨害装置(ジャマ─)」などの開発・実験を世界各国で研究開発が行われている。

日本が比較優位を為に


河野太郎防衛相は5月18日、防衛省内での隊旗授与式(発足式)で「陸海空に加え、宇宙をはじめとする新領域でもわが国の優位性を確保することが重要だ」と訓示した。
日本は宇宙における相対的優位を維持するための取組を進めています。


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JAXAのSAAシステムは、「宇宙作戦隊」が発足するまでは、建前上非軍事的システムとして運用されていたが、実質我が国の宇宙防衛の役割を果たしてきた。今後はより宇宙作戦隊や米宇宙軍との連携を強めると思われます。

ちなみにJAXAのレーダー観測施設のXバンドフェーズドアレイレーダーは、
距離600kmで、直径1mの宇宙デブリが観測可能で、最大10個の宇宙デブリを同時に追尾し、データ処理を行うことができます。


日本は、基本的にスペースデブリ対策がメインで「宇宙作戦隊」を発足させたのだが、常に下心がある中国人には理解できない。(笑)

サーチナ】2020年5月16日 07:12 

日本が創設する「宇宙作戦隊」、宇宙ごみ監視なんて話は「到底信じられない」=中国報道
河野太郎防衛相は8日、自衛隊初となる宇宙専門部隊の名称を「宇宙作戦隊」とすることをツイッターで発表した。18日から正式に発足するこの部隊について、中国メディアは、「本当に宇宙のごみを探すためなのか」と題して、危機感を示す記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)(サーチナ)

 河野太郎防衛相は8日、自衛隊初となる宇宙専門部隊の名称を「宇宙作戦隊」とすることをツイッターで発表した。18日から正式に発足するこの部隊について、中国メディアの中国軍網は14日、「本当に宇宙のごみを探すためなのか」と題して、危機感を示す記事を掲載した。

 この「宇宙作戦隊」は、4月17日に成立した改正防衛省設置法によるもので、航空自衛隊府中基地に20人規模で編成する予定だという。当面は日本の人工衛星を宇宙ごみ(スペースデブリ)から守る監視任務などを担うとしている。

 しかし記事は、「宇宙ごみを監視するためという話を信じる人がいるとすれば、その人はあまりに無邪気で、楽観的すぎる」と疑問を呈している。日本が軍事大国への道を進むために画策しているのではないかというのだ。記事の主張によると、日本は着々と軍事化への道を進んでおり、これまで「非軍事」だった宇宙利用を「非侵略」に改めた2008年の宇宙基本法を皮切りに、宇宙の本格的な防衛利用に道を開いたと指摘している。

 今回新たに設置された「宇宙作戦部隊」も、発足当初は20人規模にするとされてはいるが、今後120人以上にまで増やすとの報道もあると紹介。この陰には米国が見え隠れしており、日本の宇宙開発は今や平和利用とは関係なく進んでいて、軍事用途の衛星も次から次へと発射されているとしている。それで、「日本は右傾化が深刻になっている状況の中で、小走りに平和憲法の制約を破り続けている」と主張。「軍事大国」へと突き進んでいるとかなり強い警戒感を示した。

 中国では、日本が「宇宙のごみを取るという名目で宇宙での覇権争いに入ってくるのではないか」と危機感を募らせているようだが、その中国は日本以上に宇宙進出に力を入れている。日本としても中国に対する警戒を強めるべきと言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

まあ、「お前が言うか」という毎度厚顔無恥な中国人の言い分だが、日本は着実に宇宙空間における活動能力を高めています。

将来日本版スターウォーズ計画

日本は、宇宙空間に漂うスペースデブリ対策としてレーザーによる除去も検討されている。


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図1 レーザービームによるプラズマアブレーション
強い輝度の光(ここではレーザー)が物質表面に照射されると、表面の物質がプラズマ化して吹き出してくる。この現象をプラズマアブレーションと呼ぶ。その時物質が噴き出す反作用(反力)をスペースデブリが受ける。

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図2 レーザービームによるスペースデブリの進路変更
レーザービームが起こしたアブレーションによる反力を、スペースデブリの進行方向とは反対の方向に与えるとその高度が下がり、最終的には地球大気に再突入する。

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図3 宇宙用高輝度レーザーシステムを可能とするCANレーザーシステム
レーザーは、多数(1000本以上)のファイバーで並列に増幅され約1.5mの光学系でスペースデブリに向かって射出される。CANは、Coherent Amplification Networkの略。

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図4 検出用のEUSO型超広角望遠鏡とレーザー射出用光学系

近づいて来るスペースデブリは、EUSO型超広角望遠鏡で検出され、位置と運動方向が決められる。スペースデブリの方向にまず探索ビームを射出し、帰還光子シグナルからその位置と距離と運動方向を正確に求める。最後にプラズマアブレーション用のパルスレーザーが照射される。
まあ、これを応用すれば、日本版SDIに発展する可能性もある。



image042また、昨年読売新聞を使ってあげたアドバルーン記事にあった妨害衛星の記事も、スペースデブリ除去衛星として2020年代に登場すると思います。

日常業務として、自衛隊が宇宙空間でスペースデブリ除去作業を行い、デブリ主に経費を請求するビジネスを行っては如何だろうか?

日々デブリに接近する訓練を行い、いざ有事となった場合、
対象をスペースデブリから、中国の観測通信衛星に変えるだけでキラー衛星になりえるわけです。秘密です。

忘れてはいけません、2019年12月26に、IHIグループの宇宙機器、防衛機器等の設計、製造、販売及び航空部品の製造、販売会社 株式会社IHIエアロスペース社が宇宙戦艦ヤマトを視た人間なら誰でも知っているあの反射衛星砲の特許を密かに取得したというびニュースがながれた。

特許名は「迎撃システムと観測装置」だ。


実用化は高指向エネルギー兵器が1000kw(1MW)を越えてくれば地上から発射してロフテッド状態のICBMを攻撃することが可能となるであろう。

また、宇宙空間に宇宙太陽光発電所が設置された場合、宇宙太陽光発電所からマイクロ波で衛星にエネルギーを送電した場合、エネルギーロスが少なく、全方位でICBMを撃墜することも可能となるだろう。





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【時事通信】2020年05月22日12時15分


菅義偉官房長官は22日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期された中国の習近平国家主席の国賓来日について、「地域、国際社会が直面する課題に日中両国がともに責任を果たしていくことを内外に示す機会としていく考えに変わりはなく、関連の状況全体を見ながら日中間で意思疎通を図っていきたい」と述べた。

安倍政権内に中国のエージェントが確実にいる!令和の尾崎秀実は誰だ!
世界中が敵国認定している中国共産党の首領習近平を今更国賓招待だなんて、正気の沙汰ではない!
天安門事件後四面楚歌の中国に、国際社会へ復活の風穴を開けてしまった日本が、また同じことをしたら、日本も中共とともに世界から孤立する。

第二次世界大戦日本の敗戦の決定的要因は、誤った国際情勢判断からドイツ・イタリアと同盟を締結したことである。日独伊三国同盟
1940年:昭和15年締結)は、軍人軍属の戦没数230万人、外地での戦没一般邦人30万人、内地での戦災死者50万人、計310万人というとてつもない災いを招いた。

リアリズムの観点から考えれば、
日独伊三国同盟を締結しなければ、米国と戦わずに済んだ可能性が高い。当時盧溝橋事件で始まった日華事変(日中戦争)の蒋介石の中華民国の軍事顧問はドイツ将校団であり、武器も供給していた。上海事変ではドイツ軍将校も戦闘に参加していたのだ。日独伊三国同盟により、米国を第二次大戦に参戦させたい、英国とソ連の思惑に日本が乗ってしまったのだ。


2009年02月20日

本気で、習近平を国賓招致を復活するのであれば、中共ウィルスの患禍による未曾有の大不況の責任、およびその怒りの矛先は、自民党、安倍政権へ向かうこととなる。それでもいいのか!

ふざけるな!国民は怒っているぞ!
習近平国賓招致絶対反対!絶対阻止!


安倍政権を支えている我々保守層が不支持に回れば安倍政権は崩壊する。ゆえに、習近平国賓復活は保守層が安倍政権を見限る最悪の悪手である。



尖閣を自分の国の国土だと言い張る習近平を国賓だと?国賓にしようと主張する人間は国賊である!






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アメリカ空軍の無人宇宙往還機X-37Bが6回目の打ち上げ ミッション内容の一部が初めて明らかに

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アメリカ空軍とボーイングが開発した無人宇宙往還機・X-37Bが5月16日に6回目のミッションを開始すべく、ケープカナベラルから打ち上げられる。X-37Bが宇宙で何を行っているのかこれまで謎に包まれていたが今回はミッションの一部が紹介されており、話題となっている。

X-37BはNASA、アメリカ空軍、国防総省DARPA、ボーイング社が共同で開発した無人宇宙往還機。機体の目的として宇宙機開発に必要な技術開発や、宇宙環境での各種試験などが謳われているが、その具体的な内容はこれまでほぼ明らかにされていない。

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Photo from Wikipedia

X-37B三面図。スペースシャトルの約1/4ほどのサイズとなっており、飛行特性もよく似たものである。

アメリカ空軍の無人宇宙往還機X-37Bが6回目の打ち上げ ミッション内容の一部が初めて明らかに

5回目となる前回は無重力・真空環境での電子機器の放熱に用いるASETS-II自励振動型ヒートパイプの長期試験がなされたと報道されたが、他にも軍用衛星の軌道投入を行ったなどの噂がある。

4回目のミッションから帰還したX-37B。作業員は有毒なスラスター燃料から身を守るべく防護服を着ている。2つ目のエンジンノズルが見当たらないが、このミッションで新型のイオンエンジンを搭載し、その試験を行ったためと言われる。

アメリカ空軍の無人宇宙往還機X-37Bが6回目の打ち上げ ミッション内容の一部が初めて明らかに


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Photo from U.S. Air Force

往還機としてはミッションがかなり長期間に渡るのも特徴で、4回目には717日、5回目に779日間軌道に滞在している。何らかの耐久性を調べる実験を行っているものと見られる。

今回の打ち上げに向けて、アリアンVのフェアリングに搭載されるX-37B。機体後部にサービスモジュールが搭載され、より多くの実験が行えるようになるという。

アメリカ空軍の無人宇宙往還機X-37Bが6回目の打ち上げ ミッション内容の一部が初めて明らかに

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Photo from Boeing

今回のミッションにおいては、空軍士官学校の士官候補生らと空軍研究所が開発・制作した人工衛星FalconSat-8が搭載され、運用にも士官候補生達が参加する。またNASAは宇宙放射線への長期間の曝露が試料や種子に与える影響を調べる実験を行う。長期間の宇宙飛行には欠かせないデータが測定される。海軍研究所は太陽光のエネルギーをマイクロウェーブに変換し、地上の受信装置に向けて照射して電力供給するマイクロウェーブ送電実験を行う。これが実用化されれば前線基地や無人船舶など、補給が難しい対象にもエネルギーを供給できるようになるという。

月への有人飛行をピークとした往年の宇宙開発ブームとはまた違った形での盛り上がりを見せている宇宙開発。民間事業者の躍進が目覚ましい一方、アメリカ宇宙軍は今回のミッションに管制・運用で参加するなど、軍事色の強い進出もまた目立ってきており、宇宙の軍事利用への注目度の高さが伺える。

Source: Next X-37B Orbital Test Vehicle Scheduled to Launch > United States Space Force > News

Air Force Academy satellite to launch aboard X-37B Orbital Test Vehicle > United States Air Force Academy > News Display



5月17日9時14分にケープカナベラル空軍基地の第41打ち上げ施設からX-37Bはユナイテッド・ローンチ・アライアンス社(ボーイング+ロッキード・マーチンの合弁会社)製のアトラスV型ロケットで。打ち上げられました。打ち上げからおよそ5分後、X-37Bはロケットから分離され、打ち上げは成功しました。今回は6回目となり今回のミッションでは、サービスモジュールを追加してペイロードを追加。必要な電力、熱管理、さらにはデータ受信を行うことができるように設計を工夫したほか、将来的に再利用可能なプラットフォームとしての様々な技術実証も実施する計画だ。
Source:航空新聞社


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画像spaceflightnow

サイズ的にはスペースシャトルの約1/4のミニシャトルであるX-37Bの開発の歴史は意外と古く、1996年NASAがX-37、と米空軍がX-40として元々無人往還機の研究を完全に別の無関係なプログラムとして開始されました。2004年に統合された計画です。

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X-40

1998年X-40が900フィート(2700m)mから投下され亜音速の飛行実験が行われ、後に120%にスケールアップしたが製作され、2003年にDARPAに移管した後2004年に開発プロジェクトはアメリカ空軍宇宙軍団に移管され現在はアメリカ宇宙軍のプロジェクトとなっています。

X-37Aは、スペースシャトルのカーゴベイ内のスペースに運ばれれ、宇宙空間で活動し、自力で地上に帰還する計画でした。結局は大気降下試験(アプローチと着陸試験ヴィーグルと呼ばれるALTV)として試験用に留まった。

X-37Bは軌道試験機(OTV=Orbital Test Vehicle)として2機作られたのがX-37B。2010年に初めて打ち上げられた。


2006年初投下飛行実験が行われた。

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写真:© アランラデキ
X-37A(ALTV)「ホワイトナイト」

X-37Bは無人機であるためスペースシャトルよりも長期間軌道上を2年間飛行することができる。(スペースシャトルは16日)これはエネルギー源として太陽電池パネルを用いた省エネルギー設計によるところが大きい。

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X37Bの太陽電池パネルに使われる材料はシリコン系が主で 4系統(単結晶、多 結晶、アモルファス、微結晶)、化合物系では7系統以上(III-V、IV、II-VI、 I-III-V族半導体と類似化合物、酸化物など)の多岐にわたる。また有機系材料として色素増感型、有機薄膜型の開発が進んでいる。X-37BはGaAs系の太陽電池パネルとリチウムイオンバッテリーを組み合わせた省エネ宇宙船である。

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画像元TrendsWatcher

全長8.9m、スパン4.5m、総重量約5tのミニシャトルであるが、ウィキペディアによれば、将来的にX-37Bを165-180%のサイズに大型化し5~6名が乗れるX-37Cに移行する構想がある。

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X-37C:有人宇宙機

X-37B宇宙機の様々なスケールアップ版が研究されています、宇宙ステーションへの加圧・非加圧貨物の輸送方法や、将来の月軌道ゲートウェイや低軌道投入。

X-37Cのサイズは、現在のX-37Bの約165〜180%が検討されている。

大型のX-37Cは、5〜6人程度の宇宙飛行士をサポートできる大きさで、怪我をして担架が必要な宇宙飛行士が1人いることを想定して設計されています。

2011年発表された論文によると、将来のX-37C型宇宙船の乗組員搭乗部分は、宇宙船のペイロードベイに収まるような加圧されたコンパートメントで飛行することになります。座席は宇宙船の片側に沿って配置され、軌道上を移動するためのスペースを確保し、クルーが発射台の座席にアクセスできるよう設計されている。

アトラス・エボリューション・エクスペンダブル・ローンチ・ビークルの上に打ち上げられたこの宇宙船は、ランデブー、ドッキング、離脱、再突入、着陸を自律的に行うことができる。有人飛行が可能になれば、宇宙飛行士と貨物を混ぜてISSに輸送することができる。

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民間小型有人シャトルDream Chaser 画像元

また、搭乗パイロットによる操縦も可能である。となると、偵察や攻撃に使え世界初の有人宇宙戦闘機となる可能性もあるのではないか?

ソース:https://www.spacesafetymagazine.com/aerospace-engineering/spacecraft-design/boeing-x-37c/
ソース:http://www.designation-systems.net/dusrm/app4/x-37.html


宇宙太陽光発電

今回のX-37Bのミッションが宇宙太陽光発電の実験であるというのも興味深い。
米国も宇宙太陽光発電について国家をあげて研究していることが垣間見える。

私は、リベラルや原発脳の人達が主張する、原発を廃止して、風力発電・地上の太陽光発電といった再生可能エネルギー中心のエネルギー政策を導入せよといった主張は、お花畑すぎて聞く気が起きない。

エネルギーは天候といった予測不能なファクターがからむ要素で増減するのであっては大変困る。
核融合発電が確立するまでは、原発こそ基幹エネルギーとすべきなのだが、日本中に生息するバカ者のせいで、日本のエネルギー政策は綱渡り状態である。

核融合炉とともに待ち遠しいのが、宇宙太陽光発電の実用化である。

私は、昭和38年生まれ、新人類世代であるが、不朽の名作未来少年コナンを多感な16歳で視た世代である。未来少年コナン(1979年放送)は、核兵器を上回る最終兵器が使用された後の世界の話であるが、かつて文明が栄えていた頃は、宇宙太陽光発電が利用されていて、文明が滅びた跡に、わずかに残った文明の痕跡のインダスとリアに宇宙から降り注いだ巨大なエネルギーの恩恵の偉大さが脳裏に刷り込まれてしまった。



また、機動戦士ガンダム(1979~1980年放送)においても、宇宙太陽光発電ではないが、ジオン公国軍、最終兵器として太陽光を利用したのソーラレイシステム(コロニーレーザー)と対する連邦軍も太陽光を利用した最終兵器ソーラーシステムを打ち合ったことも印象的であった。


政府や、JAXAの宇宙政策 宇宙基本計画(平成28年4月決定)の根幹の一つが、滞在型宇宙旅行、軌道上での人工衛星組み立てとともに、宇宙太陽光発電(SSPS)プロジェクトであることは、案外知られていない。宇宙太陽光発電を推進する方々のトップは、たぶん自分と同じ世代で、少なからず、思春期にラナと宇宙太陽光発電に恋した人達のような気がしてなりません。

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宇宙太陽光発電研究開発ロードマップについて 2017年3月28日 経済産業省製造産業局宇宙産業室
2045年実用を目標に宇宙太陽光発電所稼動に向けたロードマップが策定されており、日本は2025年から宇宙空間での実験フェーズに入るが、今回X-37Bのミッションが宇宙空間でのマイクロ波送信実験であるならば、米国は日本の5年先を進んでいる。

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■SSPSの利点と課題

SSPSの利点 技術
地上の再生可能エネルギーと比較して、昼夜、天候の影響を受けにくく、エネルギー源として安定している。
強度の高い太陽光(地上の約1.4倍)を利用できる。
電力を必要としている地域へ柔軟に送電できる。(地上送電網整備の負担が軽減される。)
SSPSの課題 技術
宇宙空間への大量輸送技術、大規模宇宙構造物の構築技術、軌道上において長期間にわたり運用・維持(補修)する技術。
高効率で安全な発電、送電、受電技術。

SSPSの利点 安全性(環境影響等)
発電時に温室効果ガスや廃棄物が発生しない。
地上における自然災害(地震等)の影響を受けにくい。

SSPSの課題 安全性(環境影響等)
マイクロ波/レーザーが、人の健康、大気、電離層、航空機、電子機器等へ悪影響を及ぼさないよう配慮する必要がある。
スペースデブリ、太陽フレア等による損傷や破壊への対処。
運用寿命を終えたSSPSの安全な廃棄、もしくは再利用。

SSPSの利点 経済性
発電時に燃料費を必要としない。
化石燃料と異なり、紛争や需給逼迫に伴うエネルギー価格急騰の影響を受ける心配が少ない。

SSPSの課題 経済性
宇宙への輸送費をはじめ、建設、運用・維持、廃棄に関わるコストを他のエネルギー源と競合できるまで下げる必要性がある。
周波数(マイクロ波の場合)の確保。軌道位置、地上受電サイトの場所の確保等。

建設は、2040年~2050年宇宙輸送システムが社会インフラとして整備されていることが前提である。実際の建設となると国際宇宙ステーションと同じく、日本単独ではやはり実現困難であり、日米欧露が中心となった国際共同プロジェクトとなるような気がします。

やはり、大型商用宇宙太陽光発電所建設には、2050年の宇宙エレベーターの実用化を待つ必要があるかもしれません。



2016年01月09日
2010年01月11日



執筆中

 
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【産経ニュース】2020.5.11 18:39

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中国外務省の趙立堅副報道局長=北京(共同)

【北京=西見由章】尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に侵入した中国海警局の船が日本漁船を追尾した問題で、中国外務省の趙立堅報道官は11日、海上保安庁の巡視船が現場で漁船の安全を確保したことについて「違法な妨害を行った」と非難し、「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国側名称)の問題において新たな騒ぎを起こさないよう希望する」と述べて責任を日本側に転嫁した。

 趙氏は、外交ルートを通じて日本側に「厳正な申し入れ」を行ったことを明らかにした上で「中日両国は力を集中して(新型コロナウイルスの)感染症と戦うべきだ」と発言した。

 趙氏は「中国の領海で違法操業」している日本漁船を発見した中国海警局の船が「法に基づいて追尾・監視」したと主張。「釣魚島の海域を巡航することは中国側の固有の権利だ」と強調した。



なんとも憎々しげな中国外務省の趙立堅(ようけっち)副報道局長の顔である。

中国外務省の趙立堅副報道局長は、新型コロナウイルスについて「米軍が武漢に持ち込んだ可能性がある」とツイートした人物である。一時は亡命したという噂が流れた男である。

趙氏のツイートは米国だけでなく世界中からの強い反発を呼び、新型コロナをめぐる米中対立が一段と激化した火種を撒いた男である。

今度は日本に対して喧嘩を売った!趙副報道局長は、「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国名)の問題で新たな騒ぎを起こさないよう希望する」と言い放った!

新たな騒ぎを起こすな!」だと!趙副報道局長の上から目線の傲慢な物言いは日本の国士達を怒らせた!私が国士かどうかは別として、本当に許されせない発言である。


【Newsweek】小谷哲男変容する安全保障2020年05月13日(水)12時15分

尖閣沖で日本の漁船を狙い始めた中国海警局

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尖閣沖では中国海警船と日本漁船を守る海保の巡視船が睨み合って緊張感が走った(写真は1月11日、南シナ海でインドネシア海軍と睨み合う中国海警船) Antara Foto/M Risyal Hidayat/via REUTERS

<中国側は日本の領海内の漁船を「違法」操業とみなしたとみられ、この種の脅しは続く可能性が高い。海警船の性能も乗員の実力も向上しており、日本は対応策を迫られている>
5月8日、尖閣諸島の領海に侵入した中国海警局の船2隻が、近くで操業していた日本の漁船を追尾した。警備に当たっていた海上保安庁の巡視船が、海警船に領海侵入に対する警告を行い漁船の安全を確保する中で、現場は一時緊張が高まったという。海警船はその後も領海内で漁船の近くに留まり、10日になって領海を出た。日本政府はただちに領海侵入が主権の侵害であるとして中国政府に抗議したが、中国政府は日本の漁船が中国の領海内で違法操業をしていたため中止を求めたと、海警船の行動を正当化する一方、海上保安庁による妨害行為に再発防止を求めた。
中国は、なぜこのような行動をとったのであろうか。日本が新型コロナウイルスの終息に向けて努力を重ねている中で、中国がその隙を突き、尖閣への攻勢を強めてきたというのが一般的な見方であろう。あるいは、新型コロナの影響で中国経済が失速する中、習近平体制が国内の不満をそらすために、日本に対して強硬な姿勢を示したという分析もある。しかし、客観的な情報を積み重ねれば、今回の事案は海警局による外国漁船の取締り強化という方針に基づいて発生したと考えられる。

今回の追尾の特異な点

そもそも、中国の政府公船が尖閣沖の領海で日本の漁船を追尾したのは今回が初めてではない。海上保安庁は今回の事案が5例目であるとしているが(*)、公開情報によれば少なくとも今回が6例目だとみられる。1)2013年2月18日、2)13年2月28日、3)13年4月23日、4)13年5月(日付不明)、5)19年5月24日、そして6)20年5月8日に、追尾が行われている。
 (*)過去の中国公船による日本漁船への接近事例について、第十一管区海上保安本部が5月10日付けでマスコミに対して発出した広報文によれば、2013年の海警局発足以降では以下の4件となっている。 ・2013年8月、日本漁船1隻へ中国公船4隻が接近 ・2013年10月、日本漁船4隻へ中国公船4隻が接近 ・2014年8月、日本漁船3隻へ中国漁船3隻が接近 ・2019年5月、日本漁船1隻へ中国公船2隻が接近
1)3)4)5)については、漁船にメディア関係者や政治活動家が乗船していたため、中国側が過剰に反応した可能性が高い。3)に関しては事前に尖閣に向かうことを発表していたため、中国側も8隻の公船を派遣してきたが、1)4)5)については中国側が現場海域で目視によって乗船者を認識したか、何らかの手段で漁船の出航前に情報を得ていたと考えられる。
一方、2)と今回の6)については、漁船が石垣島の八重山漁協所属ではなかったこと以外に特異な点は見られない。海警船が八重山漁協以外の漁船と何らかの方法で把握して追尾した可能性もあるが、尖閣周辺には常に様々な漁協に所属する漁船がいるため、あまり説得力はない。ただ、6)については、漁船が尖閣西方沖という、海警船に見つかりやすい海域にいたことに海保関係者は注目しているようだ。

今回海警船が日本の漁船を追尾した理由を理解するには、より広い海域での海警船の行動に目を向ける必要がある。中国政府は、毎年5月の初めから8月の中旬まで、漁業資源と海洋環境の保全を理由に、東シナ海、南シナ海、そして黄海の広い海域で休漁期間を設定してきた。海警局はこの間、違法操業の取締りを行ってきたが、あくまで対象は中国漁船であった。しかし、今年は「亮剣2020」という取締りキャンペーンを実施し、外国漁船も「弾圧」の対象としている。今のところ、実際に外国漁船の取締りが行われたという情報はないが、尖閣沖で海警船が日本の漁船を追尾したのは、休漁期間中の外国漁船の取締りを強化する中で行われた可能性が高い。
つまり、休漁期間が続く間、中国は尖閣沖だけでなく、より広い東アジアの海域で外国漁船の取締り強化を続けていくと考えられる。海警船が尖閣沖で日本漁船を追尾することも繰り返される可能性がある。今回、日本の漁船を追尾した海警船が3日間にわたって領海内に留まったことは異例であり、中国政府が日本の漁船が領海内で違法操業をしたと主張したことも初めてである。今回の事案を一過性のものとみなすべきではない。

荒天でも居座る実力

もちろん、休漁期間が終了した後も、海警船が日本の漁船の取締りの強化を継続すると考えるべきである。尖閣沖での海警船の行動は、新型コロナ発生の前から大きく変化していた。海警船は、尖閣周辺の接続水域に毎月15日から21日ほど入域し、3回程度領海侵入を行うのが通常で、荒天時には避難しなくてはならなかった。しかし、2019年5月以降、領海侵入の頻度は変わらないものの、天候にかかわらず接続水域にほぼ毎日常駐するようになった。これは、海警船の大型化が進み、乗組員の操船技術も向上したため、また2018年7月の組織改編によって、遠洋での作戦を熟知した現役の海軍将校が海警局を指揮するようになったためと考えられる。つまり、海警船は日本の漁船をいつでも"狙える"のである。
海警船が今後も日本の漁船を狙うとすれば、日本政府はこれにどのように対処するべきであろうか。尖閣沖での海警船の活動に対処するため、海上保安庁は巡視船や航空機を増強し、尖閣専従体制を整えている。これによって、領海侵入への対応や、上陸の阻止、また中国漁船の取締りに関しては能力が強化されたといえるだろう。しかし、日本の漁船を海警船から保護することは、あまり想定されていなかった任務であり、実際に領海内で海警船が日本の漁船に乗り込むような事態が発生した場合に、現行の体制で十分な対応が可能か検討する必要がある。
中国の海上法執行船が尖閣の領海に侵入するようになったのは、2008年12月からである。当時の中国側の指揮官はその目的を日本による実効支配を「打破」するためだと説明している。しかし、日本の施政権に実力で挑戦することは国連憲章をはじめとする国際法に反する行為であり、領海内での法執行が中国の領有権の主張を強化するわけでもない。中国が尖閣周辺に一方的に休漁期間を設定したことも、国際法上の根拠を欠いている。なにより、海警局の行動は、外国漁船の航行の安全を脅かすものである。
新型コロナウイルスの影響で、予定されていた習近平国家主席の国賓としての来日は延期となったが、日本政府は東シナ海での国際法に基づかない行動を改めることを中国との協議の中で強く求めるべきである。また、フィリピンやベトナムなど、南シナ海で同様の課題に直面している友好国などとも連携し、多国間の枠組みでも中国に対して毅然と向き合う必要がある。



Record China】配信日時:2020年5月15日(金) 11時50分

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沖縄県・尖閣諸島沖の領海に侵入した中国海警局の船が日本漁船を追尾。米誌は「中国が独自に設定した休漁期間を理由に取り締まりを強化したのでは」と報じた。

沖縄県・尖閣諸島沖の日本領海に侵入した中国海警局の船が近くで操業中の日本漁船を追尾したことについて米誌ニューズウィークは「中国が独自に設定した休漁期間を理由に取り締まりを強化したのでは」と報道。「今回の事案を一過性のものとみなすべきではない」と警鐘を鳴らした。

海警船は8日、尖閣諸島・魚釣島沖の領海に侵入し、付近で操業中の日本漁船を追尾した。日本政府は中国政府に退去を求めたが、9~10日には海警船2隻が26時間にわたり、領海にとどまった。第11管区海上保安本部(那覇)によると、2013年8月に記録した28時間に次ぐ長さだった。

日本政府は直ちに中国政府に抗議。菅義偉官房長官は「わが国の領土・領海・領空は断固として守り抜く」と強調し、「引き続き緊張感をもって関係省庁間で連携し情報収集に努めつつ、尖閣諸島の周辺の警戒監視に万全を期していきたい」と語った。

これに対し、中国外交部の趙立堅報道官は「中国の領海で違法操業を行う日本漁船を発見し、追尾した」と反論。海上保安庁の巡視船が「違法な妨害を行った」と非難し、「日本は釣魚島(尖閣諸島の中国名)の問題で新たな騒ぎを起こさないよう希望する」と主張した。

追尾に関しては新型コロナウイルス対応に追われる日本の隙を突こうとしたのではないかとの見方もあるが、ニューズウィークは「より広い海域での海警船の行動に目を向ける必要がある」と指摘。「中国政府は毎年5月の初めから8月の中旬まで、漁業資源と海洋環境の保全を理由に東シナ海、南シナ海、そして黄海の広い海域で休漁期間を設定してきた。海警局はこの間、違法操業の取り締まりを行ってきたが、あくまで対象は中国漁船であった」と伝えた。

続いて、「今年は『亮剣2020』という取り締まりキャンペーンを実施している。今のところ、実際に外国漁船の取り締りが行われたという情報はないが、尖閣沖で海警船が日本の漁船を追尾したのは、休漁期間中の外国漁船の取り締まりを強化する中で行われた可能性が高い」と言及。「日本の漁船を追尾した海警船が3日間にわたって領海内にとどまったことは異例であり、中国政府が日本の漁船が領海内で違法操業をしたと主張したことも初めてである。今回の事案を一過性のものとみなすべきではない」との見方を示した。

さらに、「海警船の大型化が進み、乗組員の操船技術も向上した」と説明。「日本の漁船を海警船から保護することは、海上保安庁にとってあまり想定されていなかった任務であり、実際に領海内で海警船の乗組員が日本の漁船に乗り込むような事態が発生した場合に、現行の体制で十分な対応が可能か検討する必要がある」などと注意を喚起した。(編集/日向)
明らかに、中国は尖閣を取りにきている。世界中が中国に対し敵意を持つ中で、あの記者会見で「新たな騒ぎを起こすな!」と言い放つ趙副報道局長は、傲慢で、もはや虚勢を張る以外、為すすべが無い、焦っている中国の現状をよくあらわしたように見える。

中国は、尖閣領有の野望をもはや隠さなくなってきた。むしろ大胆に公にして既成事実化を謀っている。

海上保安庁によると、2019年に尖閣諸島周辺の領海に侵入した中国当局の船の航行した日数が282日に上り、延べ126隻となり、2018年に比べて56隻増えた。更に接続水域の航行も増えて2008年に統計を取り始めてから最も多くなった。

更に昨年2019年の年末あたりから公船の領海侵入を含め、中国の尖閣に対する侵略政策を一段階上げてきた。海上保安庁当局者が1月28日、中国海警局の10,000t級(海上保安庁で最大の巡視船しきしま型は7,000tである。)を含む警備艦が、少なくとも1ヶ月間に3回にわたり尖閣諸島の領海に侵入したことを明らかにした。
また、西太平洋のアメリカの空母は中共ウィルスの感染拡大で現在稼動できない状態であるが、その思わぬ軍事バランスの隙をつき、日本の護衛艦に対し、中国漁船が体当たり攻撃を謀った。



米国は、すかさず、ライトニングキャリアーとも呼ばれるF-35Bを13機搭載した米強襲揚陸艦「アメリカ」とミサイル巡洋艦「バンカーヒル」を4月21日南シナ海に派遣し、「航行の自由」作戦(FONOP: Freedom Of Navigation OPeration)を行った。

満載排水量45,570トンの「アメリカ」級強襲揚陸艦には最大でF-35Bを20機搭載することができ、強襲揚陸艦とはいえ、中国のオンボロ空母遼寧であれば、鎧袖一触で撃破可能である。


1月10日
米陸軍マッカーシー長官は、「2021年に新たな基地を尖閣に作ることを検討している」と発言している。言い方をかえると長官は、「この尖閣と台湾に対しこれ以上中国が侵略行為を止めないのであれば、陸海軍特殊部隊、海兵隊を尖閣や台湾に駐留するぞ」と言っているのだ。
実は
この尖閣諸島を巡るこの日本、米国、台湾と中国の鍔迫り合いは、中共ウィルスの陰に隠れる形で去年の年末から激化し、激しさをましている。




戦略重要拠点としての尖閣

尖閣諸島は東シナ海の南西部に位置する軍事拠点としての要衝である。現在、尖閣諸島を構成する魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島、沖の北岩、沖の南岩、飛瀬(とびせ)のうち、久場島と大正島は在沖縄米海軍艦隊活動司令部(COMFLEATOKI)の管理下にあり、射爆撃場として使用されている。

久場島は米軍の使用に供するため民間から政府が借り上げている島で、それ以外の島は全て国有地である。兵士を置くとなるとそれなりの面積が必要で、最も広い魚釣島(3.82平方キロメートル)が候補に上がる。久場島(0.91平方キロメートル)や大正島(0.06平方キロメートル)に置くにしても射爆撃場としての目的以外の利用に供することについて国内の議論がまきおこることは必至で、まして魚釣島となると反対勢力も拱(こまね)いてはいないだろう。

日本がマッカーシー長官に言わせたのか、米国自ら対中戦略に沿って尖閣に基地を置くと言ったのかは定かではないが、米海兵隊の対中戦略シフトから鑑みれば、日本が米国に言わせたのではなく、米国が自らの国益の為、中国潰しに動いたのだと思う。




日本も米国と組んで尖閣防衛に不退転の意志を表明している。中国は、以前の日本であれば、管直人みたいに圧力を掛けたらすぐに引いていたのに、日本は、米国と組んでまったく引かない為、逆に焦り日米に対抗して、敵対行為をもう一段ギアを上げててきたのだと感じる。


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中国海軍の空母「遼寧」など6隻の艦隊は4月11日と28日、初めて宮古海峡(沖縄本島-宮古島間)を往復し、太平洋に出て東シナ海に戻った。翌29日もミサイル駆逐艦など3隻が同海峡から太平洋に抜けた。南西諸島は中国が東シナ海から太平洋に進出する出口で、コロナ禍に乗じ日本の抑止力を試しているようだ。

 それ以上に攻勢が強まっているのが南シナ海と台湾だ。中国は4月18日、領有権争いが起きているパラセル(中国名・西沙)諸島とスプラトリー(同・南沙)諸島に行政区を新設したと一方的に発表。共同通信によると、中国軍は8月、台湾が実効支配する東沙諸島の奪取を想定した大規模な上陸演習を計画している。

ポストコロナの軍事バランスを揺るがしかねない中国に対し、日本がよって立つのが日米主導の「自由で開かれたインド太平洋構想」だ。自衛隊と米軍はコロナ禍でも直接的な接触がない艦艇や航空機の共同訓練を続け、今月12日に航空自衛隊の戦闘機16機が米空軍の戦略爆撃機2機と編隊航法訓練を実施した。

 米軍は環太平洋合同演習(リムパック)の8月実施も決めた。コロナの影響で開催が危ぶまれたが、各国の連携と対中抑止力が維持されているとのメッセージを発する意図もある。

 自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長はシュナイダー在日米軍司令官ら米軍幹部と連絡を取り合い、危機感を共有している。河野太郎防衛相は先月中旬以降、米国、オーストラリア、インド、フィリピンなどインド太平洋に関わる各国国防相と電話会談を重ねている。


そもそも、明治以降日本領として確定していた尖閣諸島に、中国が領有を主張しだしてきたのは、1960年代東京水産大学の新野弘教授 と米ウッズホール海洋研究所の地質学者のケネス・O・エメリー(KennethO. EMERY)博士の論文がきっかけとなり、1968年国連アジア極東経済委員会が調査船を出し、ペルシャ湾地域に匹敵する石油及び天然ガスが存在する可能性が公表された1969年以降である。

サウジアラビアの10倍の原油が眠る「第7鉱区」 日本の領有権を無視する韓国・中国「ハイエナ資源戦争」

日本も中国による尖閣領有圧力に対し、海上保安庁の尖閣諸島に関する警備を強化し、海上自衛隊も強化している。

強襲揚陸艦「アメリカ」による「航行の自由」作戦(FONOP)は、従来のミサイル駆逐艦や巡洋艦による作戦より、一段上の中国政府に対する威圧行為である。

強襲揚陸艦の本来の任務は、上陸作戦である。上陸作戦ができる軍艦を南シナ海に派遣するということは、中国による実効支配している南シナ海の環礁軍事基地を奪回することも可能だと言うメッセージでもある。中国の趙立堅副報道官のように、キャンキャン吼えるのではなく、無言の威圧メッセージであって、明らかに米国の圧力の方が格上である。中国も対抗上一段と虚勢を張らざるを得なくなってしまい、チキンゲーム化しているのだ。
 
動き始めた中国、手を打たなければ尖閣は盗られる 
日本領海で中国船が日本漁船追尾、直ちに魚釣島に測候所設置を 
【JBpress】北村 淳 2020.5.14(木)

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中国海警局の巡視船「海警1304」(写真:海上保安庁)

(北村 淳:軍事社会学者)

 5月8日、尖閣諸島の魚釣島沖合12キロメートル付近の海域で操業中の日本漁船(与那国島の漁協に所属)に、尖閣諸島周辺海域に姿を見せていた4隻の中国海警局巡視船のうちの2隻が接近し、追尾を開始した。

 4隻の中国海警局巡視船には3000トン級武装巡視船「海警1304」が含まれていた。日本漁船を追尾したのは、「海警2501」5000トン級ヘリコプター搭載巡視船と「海警14603」1000トン級巡視船であった。海上保安庁巡視船が急行し、日本漁船を保護すると共に、中国海警局巡視船に日本領海からの退去警告を発した。

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「海警2501」(写真:海上保安庁)

 海上保安庁によると、日本漁船には損害は生じなかったという(とはいっても、小型の漁船が5000トンの巡視船に追跡されたのであるから、日本国民が大いなる脅威にさらされてしまったことを日本政府は恥ずるべきである。)

 日本の「領海内」で「操業中」の「日本漁船」を、中国の法執行船である海警局巡視船2隻が追尾して操業を妨害したというのは、中国政府機関による明白かつ重大な日本の主権侵害である。


 それにもかかわらず、日本政府は外務省アジア大洋州局長が在日中国公使に電話で抗議すると共に、在中日本大使館も中国外務省に対して電話で抗議しただけである。


海上保安庁巡視船の警告や日本外務当局の“厳重抗議”にもかかわらず、中国海警局巡視船は翌5月9日も、日本領海内で操業を再開した漁船の近くに姿を現し、さらに10日にも3日連続で日本領海内を遊弋した。


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尖閣諸島の位置

日本領海侵入をステップアップした中国

 これまでも尖閣諸島周辺海域で日本漁船などが中国海警局巡視船に追尾される事件は発生していたが、日本領海内で適法に操業中の日本漁船が中国海警局巡視船に追尾されたという事件は今回が初めてと思われる。

 日本の「領海内」で「操業中」の「日本漁船」を中国の法執行船である海警局巡視船2隻が追尾して操業を妨害したという今回の事件は、これまで数多く繰り返されきた中国公船による尖閣諸島周辺の日本接続水域や日本領海内への侵入航行などから、中国側が領有権のデモンストレーションを一歩踏み出したと考えねばならない。

 国際法上は、いずれの国の艦船(民間船だけでなく巡視船などの公船や軍艦を含む)も他国の領海を通航することは原則として合法とされ、無害通航と呼ばれている。ただし、漁船が許可を取らずに操業したり、軍艦や巡視船などが沿岸主権国に威圧を加えるような行為は、無害通航とはみなされない。また、他国の領海を無害通航する場合には、可及的速やかにかつできる限り直線的に通航しなければならないとされている。


 したがって、中国海警局巡視船や中国軍艦が魚釣島沿岸22キロメートル以内の海域、すなわち日本領海を通航したからといって、それは無害通航であり、直ちに日本の主権を踏みにじったと解釈されないという立場も成り立ち得る(もちろん、尖閣諸島を中国領とする中国当局にとっては、そのような航行は無害通航とは無関係で中国自身の領海を通航しただけ、ということになるのだが)。

しかし、中国海警局巡視船が日本の漁船を追跡したということは、中国側の立場に立って解釈すると、法執行船が漁業取り締まりを実施した(中国国内法によると、尖閣諸島周辺海域は5月1日から禁漁期間に入っている)ということになり、日本側から判断すると、日本領海内を無害通航に反した形で通航しながら日本漁船を追跡するという準海賊行為を働いたということになる。

 要するに、中国側の尖閣諸島領有権に対する示威行動は、この5月8日をもって、一段ステップアップしたのである。

魚釣島に測候所を設置せよ

 さすがの中国といえども、南沙諸島の7つの環礁を人工島軍事施設として生まれ変わらせてしまったように魚釣島や久場島などに埋め立て拡張工事を施して軍事基地化することはいまだ開始することはできないであろう。

 とはいっても、尖閣諸島周辺海域の日本領海内(中国側にすれば中国領海内)での中国海警局巡視船による“法執行”を断続的に繰り返し、そのような状況を数年間続けることにより、尖閣諸島や東シナ海など知るよしもない国際社会からは、尖閣諸島を実効支配しているのは、周辺海域でしばしば漁業取り締まりを繰り返している中国なのか、実効支配していると口にしてはいるものの自国漁業者たちの安定的操業すら守り切っているとはいえない日本なのか、判断しかねる状況に立ち至るであろう。

 日本政府は2012年9月11日に魚釣島(ならびに北小島と南小島)を地権者から購入して、日本国への所有権移転登記をした。それ以降、魚釣島の地権者は日本国であり、日本国政府は「意思」さえあれば、魚釣島そして尖閣諸島が日本の領土であることを国際社会に向かって目に見える形でアピールする措置を実施することが可能な状態だ。

 たとえば、現在魚釣島には民間右翼団体が設置したポータブル灯台が設置されているが、それより本格的な高性能コンパクト灯台を魚釣島の奈良原岳山頂付近に設置することが可能である。高性能小型灯台装置と共に、海洋監視レーダーならびに上空監視レーダーも設置すれば万全だ。

 それとともに、魚釣島西岬北側台地のカツオ節工場跡地付近には、コンテナハウスを応用した気象観測施設と海難救助施設を設置し、簡易ヘリパッドならびにゾディアック艇など小型艇用簡易着岸設備を併置する。

それらの施設には、海上保安庁職員と自衛隊員によって構成する気象観測チーム、海難救助チーム、海洋監視チームからなる魚釣島測候所隊員が常駐し、尖閣諸島周辺での交通や漁業の安全を保障するのだ。

 同時に標高362メートルの奈良原岳山頂付近に設置されたレーダーによって、魚釣島周辺のおよそ150キロメートル圏内の高空域ならびにおよそ70キロメートル圏内の低空域や海上の警戒監視も可能となる。

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測候所とレーダーを設置する場所

直ちに実施しなければ手遅れに

 この程度の設備の設置と部隊配備は、自衛隊と海上保安庁の実力、それに日本の各種メーカーのレベルから判断すると、極めて容易に実現可能な作業である(それに、アベノマスクよりも安上がりだ)。あとは日本政府と国会に「日本の領土を守り抜く意思」があるかどうかだ。

 不要不急の検察庁法改正などを強行する暇があるならば、一刻も早く「魚釣島測候所設置法」を策定可決し、日本の領土と日本国民の安全を守り抜かねばならない。

習近平政権は、従来の集団指導体制の掟を破る2期10年を超える政権掌握を目指しているが、経済がガタガタ、周辺諸国と軋轢ばかりで、AIIBアジア開発銀行や、一帯一路政策が機能せず、人民元をIMFの通貨バスケットに捻じ込むことには成功したが、実質ハードカレンシーには程遠い状態で、習近平政権としては、政権維持の為に挽回する画期的な実績を作るしかない状態に追い込まれている。

国内統治上、中国政府としては、もうこのここで尖閣と台湾を自分たちのものにするしかなくなったのではないか?

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米国の経済制裁がボディーブロウーのように中国経済を追い詰め、中共ウィルスが発生するはるか以前の2015年から、中国経済のマイナス成長は明らかだった。

【現代ビジネス】2015.8.24 高橋洋一


この状況で平然と周囲にケンカを売る中国の不可解 
南シナ海での中国の行動が示す危険な兆候 
【JBpress】川島 博之 2020.5.15(金)
 
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中国・陝西省の西安市を視察した習近平国家主席(2020年4月22日、写真:新華社/アフロ)

(川島 博之:ベトナム・ビングループ、Martial Research & Management 主席経済顧問)

 日本で大きく報道されることはないが、世界が新型コロナウイルス問題に揺れる中で、南シナ海において緊張が高まっている。

 2020年4月2日に中国の巡視船がベトナムの漁船に体当たりして沈没させる事件が発生した。近くで操業していたベトナムの漁船が救助に駆けつけたが、その中の2隻が巡視船に拿捕されて乗員が一時拘束された。幸い死者は出なかったが、ベトナムは漁船1隻を失い、拿捕された漁船も船内の機器を破壊された上に漁具を没収された。

 4月13日、中国新華社は空母「遼寧」などが南シナ海で訓練を行ったと発表した。空母セオドア・ルーズベルトで乗務員に新型コロナウイルスの感染が広がったことから、米国海軍の太平洋での影響力は低下している。その隙をついて中国海軍は南シナ海でのプレゼンスを高めようとしている。

 4月18日に衝撃的な発表があった。中国は海南省の三沙市に「西沙郡」と「南砂郡」を設置すると発表した。西沙諸島は「西沙郡」に、南砂諸島は「南砂郡」に含まれる。問題になっている島々を自国の行政区画に組み込んだ。

 また、5月1日から8月16日まで南シナ海での漁獲を禁止すると一方的に発表した。このような措置は1999年以降中国が毎年発表していることだが、新型コロナ問題で世界が揺れるこの時期に、平然と東南アジア諸国の神経を逆撫でするような発表を行った。

 これらの一連の動きに対してベトナム政府は反発を強めて、強く抗議している。ベトナムの民衆も中国の態度にひどく憤慨している。それはベトナムだけではない。南シナ海に面するフィリピン、マレーシアも中国に対する不信感を強めている。

国際的な孤立を厭わない中国

 南シナ海でこのような行動をとりながら、中国は海外にマスクを援助したり医師団を派遣したりするなど、国際社会において感謝される国になろうとしている。しかしマスクの援助は、かえって世界の反感を呼んだようだ。それは、世界に感染が広がり始めた時期に中国政府がマスクを強権的に買い占めて、世界中でマスクが不足する状況を作り出したとの噂が広がったからだ。その真偽は分からないが、中国政府が世界に信頼されていない証左であろう。また、中国の医療水準を考える時、医師団の派遣に感謝するのは貧しいアフリカの国ぐらいだ。

 そんな中国は、世界が新型コロナに揺れている中でも南シナ海に対するこだわりを捨てていない。捨てないどころか、一層強化している。

 このような中国の一連の行動は不可思議である。それは南シナ海の島々の領有権を強硬に主張することは、東南アジア諸国の中国に対する不信感を増大させ、かつ「航行の自由作戦」(FONOP)を行う米国や英国の不快感を助長するだけだからだ。

 中国が経済発展を遂げる上で工業製品の輸出、海外からの投資、そして海外からの技術の導入は欠かせない。そうであるなら、経済発展するためには世界の国々、特に米国や日本、西欧の国々とは良好な関係を保っていかなければならない。国際的に孤立すれば輸出が難しくなり、海外からの投資も減少する。それは経済の低迷につながる。その結果として失業率が上昇すれば、治安問題が深刻化する。それは中国共産党が最も恐れていることである。

 その一方で、南シナ海の島々の領有は中国にとって核心的な利害とは言いかねる。多くの民衆は南シナ海の領有にそれほどの関心はない。その一方で、新型コロナ問題やそれが引き起こした経済の低迷は民衆にとって切実な問題になっている。

 そうであるのなら、この時期においては、南シナ海の問題をそっとしておくのが上策であろう。しかし、中国はベトナムなどを怒らせる行為を次々に行っている。

「外征」が評価される中国の指導者

 なぜ中国はそのような行為に走るのであろうか。真の理由は分からない。周辺の状況から類推するしか方法がないのだが、第1に考えなければならないことは、経済がマイナス成長に陥る可能性が取り沙汰される中で、習近平の政権基盤が揺らいでいることだ。習近平は10年の任期が過ぎてもその地位に留まろうと考えている。しかし共産党内部にはそれを面白く思わない人々も多い。現在、そのような人々の声は日増しに大きくなっていると言われる。

 このような状況の中で、習近平にとって軍と公安部門の掌握は極めて重要な課題になっている。それが外交において軍を中心とした強硬派の勢いを強めている可能性がある。

 習近平の思考回路が軍の強行路線に近いことも考えられる。中国人は外征に成功した皇帝を高く評価する。漢の武帝や清の乾隆帝などの評価が高い。その一方で、長恨歌などを通じて日本でもよく知られている楊貴妃を寵愛した玄宗などは人気がない。

 就任直後に「中国の夢」をスローガンに掲げた習近平は、歴史に名を留めるためには外征に成功しなければならないと考えているのではないか。そのために、経済成長にとって「百害あって一利なし」の南シナ海の島々の領有にこだわっている可能性は大いに考えられる。

 日本にとって南シナ海の問題は他人事ではない。5月8日、中国の公船が尖閣列島周辺海域で日本漁船を追い回す事件が発生した。海上保安庁の巡視船が駆けつけて事なきを得たが、これも一歩間違えば、漁船が沈没して人命が失われる事件に発展した可能性がある。そうなれば日中関係は一気に悪化しよう。

 習近平が普通の神経の持ち主であれば、中国経済の悪化が危惧される中で、このような事件は起こしたくないと考えるはずだ。しかし習近平の頭の中は異なっているらしい。経済の安定よりも偉大な皇帝と思われる方が重要と考えているようだ。

 日本ではあまり報道されることはないが、南シナ海をめぐる中国とベトナムとの争いは中国の外交方針がどこか狂い始めたことを示している。それは軍部の強行路線を封じることができなかった戦前の日本外交を彷彿とさせる。今後、尖閣諸島周辺においても中国が予期せぬ危険な行動に出る可能性がある。南シナ海の緊張は他人事ではなくなっている。

米国が強襲揚陸艦を東アジアで運用を活発化しているのは、尖閣に限らず、台湾、香港、南シナ海を睨んでのことだ。これ以上手を出せば、米国は介入するぞという強い意志表示である。
米国太平洋空軍(PACAF)司令官のチャールズ・Q・ブラウン・ジュニア大将は4月29日、中共肺炎の感染防止対策について日本の航空自衛隊など19カ国の空軍当局者とテレビ会議を行った。そこには台湾空軍も参加したが、中国空軍は招かれていなかった。(韓国空軍はまだ、辛うじて・・・ここに入っていただろう)

表向き中共肺炎の感染防止対策についての協議だったが、空軍の首脳が「PCR検査が・・」などという話をするはずがなく、台湾軍の空軍の幹部をテレビ会談に入れてどうやってこの東シナ海南シナ海の空の守りぬくかなど、実質東アジアの空の防衛問題が話されたという。

このことが意味するところは、1対19の台湾を含む中国包囲網の形成ということだ。

当然日本の空自幹部も入ってますので、日米台が連携して中国に対しものすごいプレッシャーをかけていることに対する反抗が、中国海警公船による日本漁船の追尾事件の遠因としてある。

日本が一方的にやられてるように見えるが、日米が連携して、かなり中国を追い詰めてる状況だと思う。

【WEDGE】尾崎重義 (筑波大学名誉教授)2013年1月18日 

尖閣諸島は歴史的に中国の領土であり、日本が一方的に奪ったと国際的にPRする中国。

一方で、尖閣をめぐり解決すべき領有権の問題は存在しないと一点張りの日本。
歴史的な事実や当時の史料を読み解けば、尖閣が中国や台湾の領土であった
ことは確認されず、歴史的にも国際法的にも、日本に領有権があることは確実だ。

日本は中国に対して主張と反論を繰り返し、国際社会へ積極的に発信する必要がある。

 2012年9月、経団連の米倉弘昌会長は、尖閣諸島に関して「領土紛争」が存在すると政府が認めるべきだと発言した。また今回の総選挙に向けた日本維新の会と太陽の党の政策合意では、「尖閣諸島について中国にICJ(国際司法裁判所)への提訴を促す」としている。

 しかし、ここで注意が必要である。ICJは国家間における「法律的紛争」の解決を任務とする国際裁判所であって、政治紛争を扱う機関ではない。日本が尖閣問題をICJに付託すれば、日中間の法律的紛争として認めたことになり、尖閣諸島の日本領土としての地位を不安定にする恐れがある。尖閣諸島は決して係争地などではない。歴史的経緯からしても国際法から見ても日本の領土であることに疑いはないのである。

 つまり、尖閣紛争とは、日本の領土としてこれまで認められてきた地域について、突然に中国側が領有権を主張したことにより生じた外交・政治の問題であって、決して国際法的な意味での領土紛争ではない。そのことを以下で明らかにする。

 国際法上「先占」とは、どの国家にも属していない「無主の地」を、他の国家に先立って実力で支配すること(先占行為)によって自国の領土とする行為をいう。先占の要件として、(1)その土地を領有しようとする国家の意思がなんらかのかたちではっきりと対外的に表示され、かつ(2)国家がその土地を実効的に占有することが求められる。

国際法上日本は実効的に支配

 1895年1月以降日本政府が尖閣諸島に対してとった一連の措置はこの先占の要件を満たしており、日本は同諸島に対する領有権を取得するに至ったということができる。

 すなわち(1)の要件に関しては、尖閣諸島を「沖縄県の所轄」と認めた閣議決定(1895年1月14日)と、それにより許可された民間人が現地で開拓に従事し、標柱を建て、日常的に国旗を掲揚していたこと、及び、日本の領有意思を黙示的に表示する一連の統治行為を島に対して行ったこと等により、わが国の領有意思は十分明確に表明された。

 (2)の実効的占有(ないし支配)の要件に関しては、次のようなさまざまな統治行為を挙げることができる。

明治政府が尖閣諸島を国有地に編入し、同地で民間人が国の指定する土地利用を独占的に行うのを許可したことは、とりも直さず同諸島に対する国の実効的支配を示すものである。他にも、国有地台帳への登録と地番の設定、同諸島の一部の民間への貸与と払下げ、警察や軍による遭難者救助等の行政行為がなされた。

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(出所)上・中:那覇・福州航路図(沖縄県立博物館所蔵)、下:上江州家文書(久米島博物館所蔵)。ともに海洋政策研究財団島嶼資料センターより提供

 以上、1895年以降日本政府が尖閣諸島に対してとった一連の措置は、前記先占の要件に十分に合致したものであった。

 ただし、先占の成立には重要な前提条件がある。それは、先占しうる土地は国際法上の無主地すなわちどの国家にも未だ属していない土地であるという条件である。

 中国・台湾は1971年にこの点を突いて、「尖閣諸島は歴史的に中国の領土であったのを、日清戦争中に日本が一方的に自国領土に編入した」と主張し始めた。そもそも、国家が自国の領土を一方的に他国に編入されたまま76年間も放置してきたとはとても信じられない話であるが、中国は76年後にこのように主張して日本の先占の有効性を否定しようとするのである。この中国の領有主張が歴史的観点から見て正当と見なしうるのか簡潔に検討したい。

 尖閣諸島が歴史的にどのような法的地位にあったのか考えるときには、時代を明代(1368年~1644年)と清代(1644年~1912年)とに分けて考えることが適切である。そして、(1)「明代において尖閣諸島は中国の領土であったのか」、(2)(そうでないとしたら)「それでは、清代に尖閣諸島は中国の領土となったのか」と順を追って考えていくと分かり易い。

中国が領有主張する根拠を検討すると

 まず、明代について。ここでは、明代には台湾島がまだ中国領土ではなかったという紛れもない歴史的事実を前提に考える必要がある。そうすると、その台湾島よりはるか遠方に位置する尖閣諸島が当時中国の領土であったことはありえないのである。絶海の孤島群である尖閣諸島が台湾とは無関係に、はるか遠方の中国福建省の飛び地であったとか、中央政府の直轄領であったというのは荒唐無稽な話にすぎない。

 それでは、明代に中国が国際法的な意味で尖閣諸島を「発見」したという主張はどうか。

中国側は、1534年に冊封使陳侃が明朝の使節として琉球に赴く途中で尖閣諸島を望見し、これを中国語の島名で公式の記録に記載したことが国際法にいう「発見」に相当すると主張する。

 しかし、これも直ちに否定される。まず、この記録からは、これらの諸島に対する領有意思が全く明らかにされていない。陳侃はただ久米島を見て「これすなわち琉球に属する島なり(乃属琉球者)」と述べているだけである。実は、陳侃は途中の島など何も知らずに久米島まで来て、そこで琉球人に教えられてそれが琉球領であることを初めて知ったのである。途中の島はすべて大海に孤立する無人島であり、ただ帆船航海の航路の目じるしとして注目され島名もつけられていたにすぎない。

 当時冊封使船の航海は琉球王国から派遣された水先案内人や熟練の水夫に頼り切りであり、島名も彼らから聞いたものを中国語に訳したと思われる。当時琉中間航路では圧倒的に琉球の船の通航の方が多かった。

 琉中間の通航が始まった1372年から陳侃が渡琉した1534年までの162年間に、琉球の官船441隻が尖閣諸島の航路を通航していたのに対して、同時期の明国の官船はわずかに21隻であった。また琉球の船が1372年から渡航しているのに対して、陳侃が渡航したのはその162年後である。つまり、「発見」はむしろ琉球王国によってなされたといいうるのである。

 その後の郭汝霖『使琉球録』(1561年)の「赤嶼は琉球地方を界(さかい)する島なり(赤嶼者界琉球地方山也)」の文言については、同じ郭汝霖の『石泉山房文集』の中に「赤尾嶼は琉球領内にある境界の島であり、その島名は琉球人によって付けられた」と述べた一節があることが指摘されている。他に、『籌海図編』(1562年)、『日本一鑑』(1565年)等の明代後期の海防書からも当時尖閣諸島が中国領土であったとする証拠を見出すことはできない。

 かくして、明代の中国史料から、「明代において尖閣諸島は中国の領土ではなかった」ことが判明する。

 次に、清代に尖閣諸島は中国の領土となったのか。一般論として、このことを認めるのは困難である。清代の文献で、尖閣諸島を中国領土と明記したものは見当たらないし、清国が同諸島の領有を宣言して併合したり、そこに実効支配を及ぼしていたりした事実はないからである。

 ここで唯一可能な議論は、尖閣諸島は地理的に台湾の附属島嶼であり、台湾が清代に中国領土となったときに、いわば自動的に尖閣諸島も中国領土となったと説くものである。

 Han-yi Shaw氏は、その歴史的証拠として、明代の『日本一鑑』の中の「釣魚嶼 小東小嶼也」の文言を援用する。『日本一鑑』は別のところで「小東島はすなわち小琉球である。日本人はそれを大恵国(台湾のこと)と呼んでいる」と説明しているのだから、ここで「小東」は明らかに台湾島のことである。したがって、「釣魚嶼 小東小嶼也」の文章は、「釣魚嶼(魚釣島)は台湾島附属の小島である」と説くのである。

しかし、この解釈には無理がある。文脈では「小東」と「小東島」は明らかに区別されている。台湾島は明確に「小東島」または「小東之島」と表現されている。ここで「小東之島」は「小東にある島」としか読めない。つまり、「小東」は海域を指すのであり、小東洋なのである。具体的には、日本列島から沖縄列島を経て台湾ぐらいまでの列島弧沿いの太平洋海域を指し、大東洋(太平洋中央部)、小西洋(インド洋)、大西洋(今の大西洋)に対比される概念である。その小東海域にある大きな島すなわち「小東島」が台湾島で、その海域に浮かぶ小さな島すなわち「小東小嶼」が釣魚嶼なのである。よって、ここは「釣魚嶼は小東の海(小東洋)にある小さな島である」と読むのが自然な読み方なのである。

 それに、そもそも台湾がまだ中国に帰属しておらず、その存在がほとんど知られていなかったこの時代に、台湾より東に170キロ遠方にある孤島が地理的に台湾の附属島嶼を成すのかどうかが航海者の関心を惹いたとはとても考えられない。

 かくして、文理解釈からも時代背景からも『日本一鑑』の「釣魚嶼 小東小嶼也」の文言より「尖閣諸島は台湾附属の島嶼である」という解釈を引き出すことはできない。

尖閣が中国の領土だった形跡なし

 その他の清代の中国史料からも「清代に尖閣諸島は中国の領土となった」ことを立証する直接的な証拠は見出せない。また引用されている史料の文言は多義的で比喩的な表現が多く、間接的な証拠として見ることも困難である。それに関連して、清代を通じて、尖閣諸島が台湾島の附属島嶼として、中国(国家)によって、また、一般にも、認識されていたことは決して確認されない。中国や琉球(日本)及び西洋人による文献や地図・海図から示されることは、むしろ、19世紀において尖閣諸島が地理的に琉球諸島の一部と見なされていたと推測させる資料(データ)の方がずっと多いことである。

 かくして、中国側史料の分析より得られる結論は、「尖閣諸島は、明・清代を通じて中国の領土であったことはないし、また、台湾の附属島嶼として見なされてもいなかった」というものである。

 日本の尖閣諸島領有に対して、中国側は1970年までの76年間なんら異議を唱えず黙認してきた。1902~32年の時期に中国は、西沙諸島に対するフランスの先占の動きには即時に強い抗議をしているのに対して、同時期、尖閣諸島における日本の主権行使に対しては全く沈黙を保ってきた。第二次世界大戦後の台湾や沖縄の日本からの分離に際しても同様であった。これらの事実は、この時期中国が尖閣諸島を自国領土として考えていなかったことを端的に立証するものである。

 日本が尖閣諸島に対して領有権を有することは間違いない。日本は中国に対して主張と反論を繰り返すとともに、国際社会に対してそのことを積極的に発信していくべきである。それと同時に、尖閣に対する実効支配を強化していく必要がある。



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朝鮮ニュースプレス オドンリョン 月刊「朝鮮」記者 2016-05-23 09:09

⊙1984年3月合同参謀に戦略研究委員会組織して国家級軍事戦略文書の作成
⊙満州と7鉱区領有権紛争の際、中国、日本との軍事的対決状態も含まれてい
⊙全斗煥大統領が当時ユンソンミン国防長官、イ・ギベク合同参謀議長に指示


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白頭山計画を用意していた1984年6月3日、全斗煥大統領が8時間に渡って中西部戦線と東部戦線の陸軍部隊を順番に視察、北朝鮮の軍事動向と態勢を見ている。写真=朝鮮日報

全斗煥(チョン・ドファン)政権が1984年3月には、韓半島統一後周辺国との力学関係を予見して軍事的対決を想定した軍事国家戦略文書を作成したことが確認された。

当時、大統領府は、この計画を国家最高機密文書に分類し、関係省庁に伝達した。

全斗煥政権が作成した総合的な包括的国家戦略(Comprehensive all-out grand strategy)の名称は、「白頭山計画」とされた。統一後の韓民族の生存戦略を盛り込んでいる。 特に「満州」地域であたったとしても、中国-日本との領土紛争時軍事的支援方案まで含んでおり、注目される。

全斗煥大統領は当時ユンソンミン(尹誠敏)国防部長官とイギベク(李基百)合同参謀議長に「統一後、韓国の防衛戦略を作成せよ」と指示した。

これにより、合同参謀本部は1984年3月14日、合同参謀内に「戦略研究委員会」を組織して白頭山計画の企画・立案に着手した。

この企画に参加した予備役A将軍は「白頭山計画は統一後、韓国の国家戦略と軍事戦略を盛り込んでいるという点で、「韓国版シュリーフェン・プラン」」と証言した。 ドイツ・シュリーフェン計画(Schlieffen Plan)とは、第1次世界大戦の直前、ドイツ軍参謀総長を務めたアルフレッドシュリペン将軍がフランスとロシアの二大国との同時決戦で勝利するには、「先にフランスを攻撃した後、ロシアを攻撃する」という機動を通じたに正面対決手段を提示した計画のことで、白頭山計画が同様の二正面対峙の国家戦略計画書ということだ。

イギベク合同参謀議長の指示に基づいて、合同参謀の戦略企画局主導で白頭山計画立案作業に着手して、その年の11月末レポートを完成した。 戦略研究委員会は、報告書を作成、イギベク合同参謀議長の報告を経て、1984年12月1日、全斗煥大統領に報告した。

当時チャン・セドン(張世東)秘書室長は30分程度の報告時間をとったが委員会が「見て時間が足りないので増やしてほしい」と言うと、一時間に延長した。 報告を受けた元大統領は大きく満足して"よく発展させて見よ」と称えたという。


白頭山計画作成陸士11期生たち

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イギベク合同参謀議長が1983年10月31日、フィリピン・クラーク米空軍基地で帰国、国立墓地でアウンサン廟暗殺爆発事件で殉職した外交使節の墓地を参拝した。 写真=朝鮮日報

白頭山の計画は、「2030年、韓半島統一以後」の国家戦略を含む文書である。

したがって、北朝鮮政権を削除して、韓半島を軍事的に統一するために部隊配置や部隊運用などの内容を盛り込んだ軍事戦略文書とは、その性格が大きく異なる。

参考までに、北朝鮮との対決を想定した韓国軍の攻勢戦略は解放以後、持続的に発展してきた。 攻勢戦略を初めて主張した、これ光復軍参謀長を務めたギムホンイル(金弘壹)将軍だ。 金将軍は1949年に出版した著書「国防概論」で韓半島の縦深(縱深)が狭く満州で決戦しなければならないと主張した。

1972年陸軍本部戦争企画は1年間の研究の末、韓国単独の韓半島全域での独自の防衛と反撃計画である「太極72計画」を用意し、その後、この計画は、米国の目を避けて「ムクゲ会議」と命名した秘密会議で韓国軍の独自の軍事力運用計画として確立した。 以後、朴正煕(パクチョンヒ・高木正雄)大統領の指示で1974年、国防部は、第1次軍事力増強計画(栗谷事業)を策定した。
栗谷事業
防衛産業の育成および防衛税の新設 事業)

韓国軍が独自の軍事戦略を確立することにより、第7師団が撤退し、設立した米第1軍団のホルリンスワード(Hollingsworth)司令官は、首都ソウルの安全保障の脆弱性のために、より強力な火力の集中に攻撃側の戦闘力を早急に枯渇させて、戦局の転換点を一週間以内に設ける攻勢戦略を立案した。

1977年後半軍は陸軍本部に軍事力増強研究会(80委員会)をイビョンヒョン(李秉衡)中将の管轄下で創設して1980年代の軍隊の発展計画を用意した。

この計画は、駐韓米軍撤収を念頭に置いて、自主的抑止力を備えるための長期的な戦略だった。

しかし、韓国軍の軍事戦略は、1980年代に入って攻勢戦略から消極的戦略に変わり始めた。 1979年朴正煕大統領逝去の後、1980年代初頭の混乱状況(ソウルの春光州事件)でスタートした全斗煥政府は正統性の面で深刻な脆弱性を持っていたため、対米関係の改善を行い、正統性を強化しようとした。 ちょうど新保守主義の波に乗って登場した米レーガン政権の新保守主義路線と路線が合致、関係が悪化していた韓米関係を回復することができた。

朴正煕政府が独自の抑止戦略を駆使する積極的自主国防を推進したが、全斗煥政府はより安定した韓米関係の維持のために、米国との対立を回避しながら、対北戦略は、韓米連合抑制戦略であり、「作戦計画5027」の沿革にそってで推進した。

しかし、予備役少将A氏は「全斗煥、イギベクなど陸士11寄生が対北戦略は、韓米連合抑止軍事力に依存していたが、安定した韓米関係をもとに「統一後」の国家戦略をひそかに用意したという事実は、評価に値する」とし「指揮部の反対白頭山計画に対北朝鮮統一戦略まで含めなかったが、もし、北朝鮮の統一戦略まで含めたなら完璧な文書になっただろう」とした。


80ページに及ぶ戦略文書

80ページに及ぶ白頭山計画は韓民族の生存の知恵を含んでいるとする。 委員会を導いた予備役B大佐は「統一韓国が直面する国際的状況、軍事的対応について絵を描く作業だった」とした。 彼は「戦略計画プロジェクトに「白頭山」という名前をつけたのは、南北関係を離れ旧国土の回復を示唆している」とした。

彼は「現在厳然息づく国家機密文書の内容を明らかにすることはないが、作戦命令シートの第1項の状況設定であるかのように、白頭山プラン絵を描く時も、そのような状況の設定を入れた」とした。 白頭山計画には、韓半島の統一直後陸上では満州地域の国土回復、海洋ではあってもと日韓大陸棚の7鉱区の紛争を未然に防止して、軍事的に後押しする内容を盛り込んだ。

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大陸棚日韓共同開発区域(7鉱区)も2030年ごろ、日中韓の間の紛争の渦に包まと見通した。 現在、この海域の石油とガスの埋蔵量は、黒海油田に匹敵する72億tに達すると推定される。 さらに、中国は韓国と日本がこの区域を共同開発することを認めていない。

朴正煕大統領は7鉱区が地理的には日本のより近い当時大陸棚延長論が優勢だった国際情勢に立脚して、1970年5月に韓国が先に7鉱区を開発領有権宣言をしたが、日本の反対にぶつかって、1974年の日韓大陸棚協定を結んだ。 協定によると、どちらか一方でも資源探査や採取に同意しなければ開発できないというものである。

予備役B大佐は「2009年に国連大陸棚限界委員会(UN CLCS)で領土紛争を解決するための基準案を用意するために、関連51カ国に管轄権を主張する報告書の提出を依頼したが、日本と中国はそれぞれ数百側の大陸棚レポートを国連に提出したが、私たちは、100以上のページ分量の報告書を作成しておいても8の方の予備レポートのみ提出した」とし「2028年、50年の期限の日韓大陸棚協定が期限切れになるまでの対策を用意しなければ、国際海洋法に基づいて7鉱区のほとんどが日本側に移る」とした。

彼は「白頭山計画には7鉱区をはじめ、海洋領土と資源紛争を裏付ける軍事力を構築することを盛り込んだ」とし「大陸で海洋に大きな絵を描いておけば、それを実現するためにどのような兵器システムが必要なのかすぐに分かるようになる」とした。


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米国海軍の核推進潜水艦「オハイオ」(SSGN-726)が2012年10月24日、海軍作戦司令部釜山基地埠頭に入港している。 オハイオ州とは1600㎞離れた目標物を正確に迎撃することができるトマホーク巡航ミサイル154基とMK48魚雷、各種特殊戦装備などを備えている。 白頭山計画に盛り込まれたハリネズミ戦略には、原子力推進潜水艦が含まれているものと推定される。 写真=ニューシス

白頭山計画の前置きは「5000年の歴史の中で数多くの国が興亡盛衰されていたが、その秘訣が何なのか」という、やや哲学的内容を盛り込んだという。

予備役B大佐は「わが民族史の一部として洪山文化(紅山文化)を言及して高句麗と渤海を接続させた」とし「紅山文化に言及したことは、満州が高句麗領土(疆土)であったという歴史的事実を強調し、現在のその地域の国々との連合戦線を伸ばし、中国を圧迫しようという論理」とした。

紅山文化は、中国内モンゴル自治区の赤峰市(赤峰市)のフンサン(紅山)で発見された世界でも古い新石器遺跡で、紅山文化を創造した主役は東夷族で分かった。 予備役L某大佐は「英国のヘンリー8世とフランスのルイ14世統治地域の地図を見ながら、帝国主義の夢が始まった」とし「もし広開土大王が息子長寿王にガンヨク(疆域)地図を描く場合は満州地域を奪われなかっただろう」とした。

白頭山計画には、バランサー論(均衡者論)も登場する。 バランサー論は、2005年に盧武鉉大統領が北東アジア地域での韓国の役割を強調した、韓国の外交安保ビジョンである。 20年前作成した白頭山計画に既に統一後の戦略的バランス論をしたてている。

予備役C某所長は「統一後も朝鮮半島が巨大な周辺強大国に囲まれている状況であれば、米国という同盟のひも一つは、統一韓国が支えるため難しいと判断した」とし「米国中心の一方的同盟関係から脱却して、当時敵対国である中国とロシアとも関係改善を模索して北東アジア地域のバランス者的役割をしなければならないという内容だ」とした。

予備役C某所長は「盧武鉉大統領が在任中バランサー論の話を取り出したとき、バランサー論が国際政治学に登場する用語ではあるが、もしかしたら白頭山計画を閲覧したことはないか」という考えさえした "としながら"「ノ・テウ政権時代、白頭山計画のバランサー論は、中国・ソ連との国交正常化時に多くの影響を及ぼしただろう」とした。

白頭山計画は、韓半島の防衛の範囲を1000kmと想定して、攻勢積極的に防御戦略、即応戦略を盛り込んだという。 剣道で先制的に一刀(ハンカル)で倒すように先制攻撃(Preemptive strike)戦略も含まれていた。

予備役A将軍は「1990年代以降、世間に知られているハリネズミ戦略(Porcupine strategy)は、すでに白頭山計画に入っていた」とし「ハリネズミ戦略は、強大国に影響力を発揮し得ることができる利点よりも大きな損失を与えることができる能力を備えれば安全である戦略」とした。 この戦略の実行のために弱小国は信頼性の高い反撃能力のために、大量破壊兵器が不可欠である。 核兵器保有、原子力推進潜水艦、レーザー誘導兵器などがハリネズミ戦略の核心的な手段である。


「白頭山計画拡大発展させなければ」

白頭山計画は、韓国軍の5年ごとの国防計画を上回る大幅長期プランであった。 予備役A将軍は「当時の軍備を担当していた壁が、昔式中期計画や話をするとき、合同参謀の佐官級のエリート将校は、50年以降のウォンの統一後の戦略を描いていた」とし「白頭山計画と長期国家軍事戦略と大きな絵を描いてくれれば、軍備担当者が5ヵ年計画など下部計画を策定する際に、予算の無駄を防ぎ、緊要な指針として活用と思いました」と述べた。

全斗煥大統領は白頭山計画文書にサインした後、32部を発行して、大統領府、外交安保首席室、国防部は、各群本部、軍司令部などの関係機関に各1部ずつ配布して保管するようにした。 現在、国防部が保有している国家最高機密は、軍事力増強研究会(80委員会)の栗谷計画文書(戦力増強計画)と白頭山計画文書など2つ分かった。

予備役A将軍は「白頭山計画は軍事戦略というより哲学であり、国防政策」と「総合的総力国家戦略」とした。 予備役B某大佐は「国家機密の存在の事実をなぜ公開するのか」という問いに「安全保障関係者たち諸士に北東アジア情勢を眺望する大きな絵を描いているという事実を知らせ、この文書をさらに拡大・発展させろという趣旨 "と言いながら "白頭山計画の全体像を合同参謀のその部門が今日の軍事力に適用させていけば、北東アジアで私たちの軍事的地位は大きく異なるだろう」とした.⊙

<朝鮮ニュースプレス>
※自動翻訳に、不明確な文章は単語をネット検索し音を元に翻訳文を作成しましたので、必ずしも正確ではありません。

 本日月刊PANZER誌の2020年6月号宮永忠将氏記事「 お笑い韓国戦車 」ではなく
「 韓国戦車の傾向と現実 」に興味深い記事が載っていました。早速調べてみました。

私は永らく韓国が日本に対する戦争計画や、侵略戦略があるだろう思っていたが、やはり存在していた。韓国版「オレンジ計画」対日戦争計画書
とも言うべき「白頭山計画書」の存在が明らかになった。「朴 槿恵政権」下の2016年に朝鮮ニュースプレスで、ハングルで掲載されていたのだ。日本の保守言論界でも触れている人がいなかった為、「白頭山計画」で検索しても日本語で触れていたサイトは一つしか検索できなかった。

仕方が無いので、「
白頭山計画」をハングルに訳して、ハングルで検索して、若干検索することができた。
 
北朝鮮軍が、
金正恩委員長が政権を相続して以降、父親の金正日時代と異なり、先軍政治から、核ミサイル開発第一主義となり、北朝鮮軍の持つ兵器が弾道ミサイル以外は、博物館級の骨董品の寄せ集めとなり果ててしまい、およそ通常戦力においては南北朝鮮の戦力差は大きく北朝鮮は南朝鮮「韓国」に大幅に劣後している。

それなのに、KFX(完成しないと思うが)・強襲揚陸艦「独島」・イージス艦「世宗大王」(演習時ミサイルは韓国だけ当たらないが)・原子力潜水艦(ほしいと言ったが米軍は拒絶)K2戦車(大失敗だけど)射程800kmの玄武地対地ミサイル(8回発射して7回失敗してるけど・・)など、この20~30年の至る韓国軍の装備計画を見ていると明らかに北朝鮮に対し、費用対効果が認められず、そのポンコツぶりは、お笑い韓国軍として、伝統芸として、我々ミリタリーマニアの心を和ませます。

   
お笑い韓国軍】 ポンコツ兵器シリーズ!







身の丈にあわず、技術も無いのに背伸びをして失敗、またいい加減なケッチャナヨで完成とするので、年を負うごとに微笑みていどの失敗が、いまや大爆笑状態だが、そのうち笑えない大失敗になると感じています。例えば、そうりゅう型おうりゅうがリチウムイオン電池に置き換えたが、日本はリチウムイオン電池の安全性の研究に長い時間かけたが、おうりゅうに対抗して、ろくな安全性の研究もせず潜水艦に積むニダと積めば、水中で大爆発を起し、乗員約70名が全員死亡する可能性が大だ。



過剰に高価な兵器体系を整備してきた。明らかに、対北朝鮮ではなく対日本を仮想敵国としていることは、我々保守派の人間からすれば明らかで、対日戦争計画を密かに持っていることは明らかだと思っていた。状況証拠は揃っていたところに、具体的戦争計画書があると、南朝鮮の記者のリークである。


     『月刊Wedge』 2013年7月号 

かねてより、対日戦争計画の存在の噂があったが、噂の域を出るものではなく「陰謀論の一種」の様な扱いであった。現在も、「白頭山計画書」の存在が確認されたわけではないが、韓国語メディアで関係記事が紹介されているのであるから、韓国版オレンジ計画(対日戦争計画書)は存在していると考えるべきであろう。

韓国は同盟国である米国を介し日本は同盟国の同盟国であり、本来友軍である日本に対し敵視し、GSONIAを破棄を常に持ち出す理由の全て腑に落ちる。

おそらく、全斗煥大統領より格段に反日的
文在寅政権下では、「白頭山計画」以上の反日敵対軍事戦略が練られていることは容易に想像できる。40年の時が過ぎ、北朝鮮が核を持ち、日韓の国力の差も当時より縮まった現在、白頭山計画自体に計画内には、拡大発展させるとあり、「拡大発展した文在寅版白頭山計画書」もトップシークレットで存在している可能性が高い

実際のところオドンリョン記者の記事中には、対日戦争は大陸棚の五島列島沖の第7鉱区のみ記載されているが、あくまでも推論だが、文在寅政権下では、対馬占領計画とか、原子力潜水艦で日本を脅し日本から資金を提供させるような計画がなされているのではないかとも疑心暗鬼になる。


韓国は「北朝鮮の核の傘」に入るつもりだ 

鈴置:それを明確に書いた韓国人がいます。朝鮮日報の池海範(チ・ヘボム)記者です。同社の東北アジア研究所所長でもあります。記事「『北朝鮮の核は民族の資産』という幻想」(8月8日、韓国語版)の書き出しを訳します。

最近、ある小さな集まりで左派陣営の人がこう語った。「統一後を考えれば北朝鮮の完全な非核化よりは一部の核を残した方がずっとよい。我が民族が強大国の横暴を牽制するのには、核を持つことが格段に有利だ」。
彼は「南の経済力と北の核を合わせば世の中に怖いものはない。我々の世代がこの偉業を成し遂げようではないか」とも語った。
南北が平和共存に向け協力する時代に入ることで、北の核は南北共同、すなわち民族の資産になるとの論理だ。だから北朝鮮の非核化にこだわり過ぎず、大きな枠組みで交流・協力を強化せねばならぬということだ。彼の言葉に対し、同席した何人かが首を縦に振った。
文在寅政権も夢見る
ついに韓国人が本音を語り始めましたね。

鈴置:池海範記者も韓国人が北の核で自らを守りたいと考えるのは、ある意味で当たり前と書いています。記事はこう続きます。

「南の経済力と北の核を結合する」との発想はかなり魅力的である。一部の知識層にこれを期待する雰囲気もあるようだ。外国からの侵略と亡国の歴史を持つ韓国人が、強く豊かな統一国家を夢見るのは極めて当然のことだ。
 さらに池海範記者は、文在寅政権もそう考えているであろうと指摘し、批判しました。

しかし万が一にも青瓦台(大統領府)のいわゆる「自主派」補佐陣までこんな夢を見ているとすれば、非常に危険なことである。
「北の核は民族の核」との論理を作り、宣伝してきた主役は平壌(ピョンャン)政権だ。1月25日、北朝鮮の統一戦線部が発表した「国内外の全ての朝鮮民族に送るアピール」はこう主張した。
「我が民族が握った核の宝剣は米国の核戦争の挑発策動を制圧し、全ての朝鮮民族の運命と千万年の未来を固く担保してくれる。民族の核、正義の核の宝剣を北南関係の障害物と罵倒するあらゆる詭弁とたくらみを断固として粉砕しよう」。
 池海範記者は「万が一にも」と書いていますが、韓国保守の間では「万が一」どころか「青瓦台は北朝鮮の別働隊。青瓦台こそが『民族の核』を夢見ている」と考える人が多い。

韓国朝鮮人らしい誇大妄想と、独立戦争を戦って勝ち取った独立ではなく与えられた独立であった怨嗟、日本人ではなく朝鮮人として生まれてしまった劣等感が、韓国軍内にはずっとあったということだ。

白頭山計画には南北統一直後の仮定である。陸上では満州地域の国土回復、海洋では離於島と7鉱区の紛争を未然に防止して軍事的に後押しする機密文書である。百歩譲って、日本以外の普通の国は周辺国に対し常に戦争計画書は用意されるべきもので、普通に存在すると、私を含めた日本人は韓国は日本を仮想敵国として意識しているという事実に気がついていない。特に二階!知っていて韓国や中国を擁護するのであれば、外患誘致罪で告訴されてもしかたがないであろう。

話は少々逸れるが、日韓大陸棚協定問題、第7鉱区問題は、
朝日新聞と赤旗を読んでいた多感な中学生時代、当時赤旗は、韓国も悪く書いていたと記憶している。

1970年5月韓国が先に7鉱区を開発して領有権宣言をしたが、日本は反発し1974年韓日大陸棚協定を結んだ。ちょうど交渉が行われた1973年頃は石油危機の煽りで、五島列島沖にアラビア湾並みの油田が眠っているという夢みたいな話で、国益という考え方が憚れる時代、日本も韓国も、そして国交回復し日中友好が熱かった中国も7鉱区の領有を虎視眈々と狙い、尖閣問題の起点となった問題である。

2028年に50年期限の韓日大陸棚協定が満了する前まで対策を用意しなければ国際海洋法により7鉱区大部分が日本側に移るが、この先日韓は2028年問題で更に拗れそうである。

最近韓国が、米国に対し原潜の購入を打診した理由も、海自の世界一高性能の通常型潜水艦に対抗する上での購入打診は私を呆れさせたが、2028年問題を控え「白頭山計画」なるものが存在しているならば、思いつきで行っているのではなく、整合性を感じるものである。

【Newsweek】2017年11月28日(火)17時30分
フランツシュテファン・ガディ(ディプロマット誌アソシエートエディター)

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米海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦「マイアミ」 LT. Scott Miller-U.S. Navy

<米韓首脳会談で議論されたと報じられたが、購入するにも建造するにも課題は山積>

韓国政府の関係者によると、文在寅(ムン・ジェイン)大統領はトランプ米大統領との首脳会談で、韓国海軍の攻撃型原子力潜水艦の開発や調達について議論したという。詳細は不明だが、この件が議題に上ったこと自体、原潜保有に対する韓国政府の意欲の高まりを示している。


主な目的は、北朝鮮への備えだ。北は弾道ミサイル発射用の新型ディーゼル潜水艦の建造などで攻撃力を高めている。原潜はディーゼル方式と違って長時間の潜航が可能なため、弾道ミサイルを搭載した北朝鮮の潜水艦を効率よく追跡できる。

しかし、韓国海軍による原潜の運用は現実的な話だろうか。

まず、アメリカがバージニア級、あるいは退役が近いロサンゼルス級原潜を韓国に販売またはリースするとは到底考えられない。核拡散への懸念や、機密性が高い技術を共有することへの抵抗感があるからだ。それに、アメリカ製の原潜は韓国が運用するにはコストが高過ぎる。

「アメリカが外国に原潜を販売したことは一度もない」と、ある韓国政府関係者は9月に語った。従って「(原潜を)われわれが導入するなら、自前で開発することになるだろう」

敵を24時間監視するため、韓国海軍は最低でも3隻は配備したいようだ。その購入費にインフラ整備を加えると(運用コストを除いても)、総費用は90億ドル近くに上るとの試算がある。

韓国メディアによれば、03年に国産原潜の建造計画がひそかに進められたが、翌年にそれが明るみに出てIAEA(国際原子力機関)の知るところとなり、取りやめになったという。だが事業が中止になる前に、韓国は、潜水艦用の小型原子炉の基本設計を完了していたらしい。

燃料の確保が最大の課題

原潜保有という文政権の夢を実現するには、政治的にも技術的にも多くの問題を解決する必要があるだろう。

最大の課題の1つは、燃料の確保だ。15年に改定された米韓原子力協定で、韓国は軍事目的のウラン濃縮と使用済み燃料の再処理を禁じられている。

今のところ原潜の燃料としては低濃縮ウランで事が足りるが、アメリカは核拡散への懸念から韓国のウラン濃縮に反対する可能性が高い。16年には韓国国防省高官が匿名でコリア・タイムズ紙に、「原潜用のウランの確保については米韓でまだ検討していない」と述べている。韓国は核拡散防止条約(NPT)を75年に批准している。

韓国が国産初の原潜を完成させるには、外部の協力を得ても5年はかかるというのが専門家の見方だ。外国の助けなしに原潜を建造するというのは現実的ではなく、協力国となり得るのはインドとフランスとアメリカ。一部で報道されている内容とは裏腹に、トランプ政権は今のところ、韓国の原潜推進計画を公には支持していない。

原潜が本当に有用なのかどうかについても議論の余地がある。

主に沿岸地域に展開する韓国海軍は19年までにディーゼル式攻撃型潜水艦を18隻配備し、その全てに最新ソナー技術と浮上あるいはシュノーケル航行が不要な推進システムを導入する予定だ。これらの潜水艦は約2週間の潜航が可能なので、北の潜水艦基地周辺を24時間体制で監視できる。ディーゼル潜水艦は原潜よりも一般的に騒音が少なく、敵に探知されにくい。原潜に比べ費用も抑えられるので、より多く配備できる。

対潜哨戒機などの配備により、北朝鮮の潜水艦を捜索・追跡することも可能だろう。

<本誌2017年11月21日号掲載>
朝鮮日報は2019年11月19日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は米国に対し、ロサンゼルス級原子力潜水艦の売却もしくはリース(賃借)の打診を行い、米国側から前例が無いと拒否との報道があった。また、先ごろ韓国国防部傘下の国防科学研究所(ADD)から機密に分類される技術データ150万件が流出していた事件もあり、韓国には最先端技術を供与されることは無いであろう。

日本語で唯一検索できた「白頭山計画」について、個人ブロガー止揚末節画竜天睛の管理人さんが、策定時期に注目されていた。いかにも恩を仇で返す朝鮮人そのものである。

先ず、「白頭山計画」の策定時期に注目したい。

韓国メディアの記事によれば、全斗煥大統領から計画策定指示が発せられたのが「1984年3月」で、計画の承認がなされたのは、同年の12月頃となっている。

その時代に既に成人年齢に達していた当方からすれば「全斗煥大統領」と言えば、「安保経済協力金100億ドル」のとんでもない要求をしてきた大統領だということが真っ先に頭に浮かぶ。詳しい経緯は以前、別項で論述済(*2)だが、以下にその概要を簡単に紹介する。

全斗煥が大統領だったのは、1980年9月から1988年2月までである。
その最初期の1980年とは、前任の朴正煕の時代に得た「日韓基本条約」での資金供与がなくなり、当の朴正煕が暗殺された翌年である。そこで全斗煥は、大統領就任直後に「朝鮮半島が日本の防波堤になっているのだから、その分の100億ドルを支払え」と「安保経済協力金」を要求してきた。結局、中曽根が首相になった後の1983年に40億ドルの「経済協力金」が供与されることになったのである。
要するに、全斗煥が白頭山計画の策定を指示した「1984年」とは、「40億ドルの入金のアテ」が出来た1983年の翌年であるということだ。

「朝鮮半島は日本の防波堤」と称して始まった日本の「経済協力金」支払が決まったら、韓国は、日本との戦争計画の策定を開始したということだ。

白頭山計画とは、現実情勢を無視した、単なる願望・妄想であり、実現性はない。
だが、世界一面の皮が厚い朝鮮人には関係ない。白頭山計画の拡大発展させたであろう、文在寅政権下での対日戦争計画はさすがにまだ表にでてきてはないが、必ずあるはずである。




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