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タグ:アジア情勢



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朝鮮半島東岸を航行する米海軍の空母ロナルド・レーガン=21日(ロイター)
【ソウル=桜井紀雄】在韓米軍は23日、有事に備え、韓国在住の米兵家族らの退避訓練を始めた。27日まで、家族らを米軍基地などに集める手順を確認するほか、一部参加者を在日米軍基地に航空機で移送する訓練も行う。

韓国国内で米兵家族の退避を対北軍事攻撃の予兆ととらえる見方が広がる中、在韓米軍は、朝鮮半島情勢の緊迫とは関係ない「定例的な訓練だ」と説明し、実施を事前発表する異例の対応を取った。
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ソウル空港上空を飛ぶ米軍のB-1爆撃機と護衛のF-15戦闘機=21日(AP)

【北朝鮮情勢】「韓国から個人資産の移動勧める」 非公式警告したトランプ政権高官は「申し分のない立場の人物」 【産経ニュース】2017.10.22 19:47

 【ワシントン=黒瀬悦成】東アジアを専門とする有力ニュースレター「ネルソン・レポート」は21日、複数のトランプ政権高官が非公式の見解として、核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する米軍の先制攻撃などの軍事作戦が実行される可能性を真剣に受け止めるべきだと警告したと伝えた。高官らはその上で、「韓国から個人資産を移動させることを勧める」と指摘したという。

米政府系放送VOAのワシントン支局長がツイッターでレポートの内容を転載したところでは、同様の勧告は北朝鮮国内で活動する複数の非政府組織(NGO)に対しても非公式に伝えられた。高官らは、朝鮮半島有事の際は北朝鮮で外国人が人質として拘束される恐れがあるとしている。

レポートは、これらの高官が「申し分のない立場」にある人物だと指摘しつつ、一連の勧告は「あくまで非公式だ」と強調。高官らはトランプ大統領が北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)の獲得を阻止するため軍事行動に踏み切る覚悟を決めたわけではないと語ったとしている。

ただ、高官らは、日中韓政府に対し、米政権が単に仮定の有事

いよいよ、11月にトランプ大統領が東アジアを歴訪する。
米国が北朝鮮征伐を密かに決断し、日本・中国と最終調整を行い、年明けに攻撃開始か?という情報が流れている。
在韓米軍は、23~27日の日程で韓国に在留する米民間人の避難訓練を実施する。米国防総省は「毎年恒例の定期訓練」と説明しているが、官邸周辺は「事実上、NEO(=韓国在住の米国人の避難作戦)が始まった可能性もある。このまま韓国に帰らないかもしれない」と語っている。

いよいよ、米軍による北朝鮮征伐の予兆が濃くなりだしてきた。トランプ大統領がアジア歴訪を終える11月14日以降、朝鮮半島は「異次元の危機」に突入しそうだ。

マティス米国防長官は今月初め、陸軍将兵らを前に「大統領が軍事的選択肢を必要とした場合に、確実に実行できるよう準備を整えておかなくてはならない」と語っている。

手術はできるだけ誰もしたくはないが、これ以上患部が悪化したならば、除去手術をしなければ仕方がないだろう。手術の際に、患部周辺が傷つくリスクは承知しなければならないだろう。

米軍は、来年年明け早々に北朝鮮を攻撃を実施するのではという情報が流れているが、その前に、北朝鮮を中国が征伐軍を出す可能性も高まっている。
《中国人民解放軍が中朝国境の鴨緑江を渡河し、北朝鮮に進撃した》

安全保障関係者と先日行ったシミュレーションには、いささか驚いた。

《人民解放軍の鴨緑江渡河》は、過去の小欄でも触れてきたので驚きはなかった。ところが、渡河を敢行する人民解放軍の戦略・作戦目的が3月に行ったシミュレーション結果とは激変していたのだ。

3月のシミュレーション結果は、一部ながら同月の小欄に載せた。以下、紹介する。

《4年以内に米軍が北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける確率は50~60%となった。あまりの高さに、インプットする前提条件を変えてみたが、50%を割るケースは皆無であった》

《一方、米国主導の民主的な統一半島国家樹立を恐れる中国の出方は、不透明なシミュレーション結果に終始した。

米軍が北朝鮮南部の非武装地帯(DMZ)沿いに前方展開する朝鮮人民軍の主力を撃破すれば、中国人民解放軍は鴨緑江を渡河し、北朝鮮国内に進出、米韓連合軍の北上をけん制する。

他方、南北国境保全や韓国北部の緩衝帯構築への既成事実作りに集中し、朝鮮戦争(1950~53年休戦)時のごとく、ソウルを抜き積極的攻勢に出るケースはなかった》

補足すると、米軍がおびただしい数のミサイルや無人機&有人機でDMZ沿いの1万門・基の重火砲を壊滅すれば、韓国軍を主力とする韓米連合軍の北上をけん制するべく、人民解放軍が鴨緑江を渡河し、緩衝帯構築に向け南北国境を少しだけはみ出し、暫定的に韓国最北部の狭いベルト地帯に駐屯する…というシナリオであった。

 半年以内に米軍が対北先制攻撃を仕掛ける確率は60~70%

これに対して、わずか7カ月後に実施した今次シミュレーションでは真逆の理由が加わった。一部を記す。

《半年以内に米軍が北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける確率は60~70%となった》 

《米軍の対北攻撃に呼応して、中国人民解放軍は鴨緑江を渡河し、河の数十キロ南の北朝鮮の核関連施設が所在する一帯を占領。緩衝帯として暫定統治する。

その他の北朝鮮中・南部は、金漢率氏を中心とする新体制が樹立される選択肢も示された。金漢率氏は、朝鮮労働党の金正恩委員長の異母兄・金正男氏(1971~2017年)の長男だ。ただ、米中両国がそれぞれどの程度「金漢率政権」に影響力及ぼすかなどの「傀儡率」は判定不能だった。

暫定統治に至る過程で、中国人民解放軍と朝鮮人民軍の軍事衝突も予想された》

事実上、北朝鮮の「米中分割統治」だが、このシナリオの主要な前提は2つある。

一つは、米国と中国が北朝鮮の金正恩政権崩壊後の政権で談合し、合意することだ。かつてなかったほど悪化している中朝関係が起爆剤となる可能性はある。

金正恩氏は祖父の金日成・初代国家主席(1912~94年)や父の金正日・総書記(1941~2011年)とは違い、中国共産党に反発し北京を一度も訪れていない。

中国の習近平・国家主席も国家副主席に就いた2008年、初の外遊先に北朝鮮を選び、金正日氏と会談した。だが、11年に金正恩体制のスタートを横目に、習氏は12年の中国共産党総書記就任以降、訪朝していない。それどころか、総書記就任にあたり北朝鮮に特使を派遣したが、金正恩氏に門前払いされた。

その後も、金正恩氏は中国に反発し続ける。

2013年には、中国と太いパイプを構築していた叔父の張成沢・国防副委員長(1946~2013年)を中国に通告することなく、高射砲とも火炎放射器ともいわれる残忍なやり方で処刑し、習氏のメンツを潰した。

中国で2015年に開かれた抗日戦争70周年の軍事パレードに金正恩氏は欠席し、今年2月には中国の庇護を受けていた異母兄・金正男氏を猛毒のVXガスで暗殺した。

5月には、習氏が強力に推進する経済圏構想《一帯一路》の国際会議当日、中距離弾道ミサイルを発射。9月には「水爆の開発に完全に成功」と発表したが、ブラジル/ロシア/インド/中国/南アフリカの新興5カ国(BRICs)首脳会議の最中だった。いずれも、習氏がスピーチをするタイミングが狙われた。

従って、後述するが北朝鮮・朝鮮人民軍の核・ミサイルが北京に襲来する懸念も高まっている現在、習氏は金正恩氏をすげ替え、北朝鮮を安定統治できる人物を据えたいと考えている。

過去の小欄でも触れたが、中国共産党系機関紙・人民日報系の環球時報(社説)は5月、1961年に中朝間で締結された朝鮮半島有事における中国側の自動参戦も盛り込んだ《中朝友好協力相互援助条約》の見直しを提案をした。 

対北不信は2000年代に入って、オリのように蓄積され、金正恩政権になり爆発しようとしている。

例えば、中国社会科学院世界政治経済研究所の研究員は異例の警告を放った。

「中国政府は北朝鮮政府に中朝友好協力相互援助条約改正を正式提案すべきだ。とりわけ、軍事同盟条項を削除すべきだ」

天津社会科学院対外経済研究所の研究員も明言した。

「北朝鮮は中国の経済援助に少しも感謝せず、大事な時に中国に全面的支持を寄せない。北朝鮮を全面支援する道義的責任はない」 

確かに、中国は1970年代以降、石油の輸出量を増やし続け、対北借款の未償還分も免除。80年代には、発電インフラや各種工場の建設を支援し、90年代の飢饉では食糧支援を手掛けてもいる。

半世紀以上もの間、手厚い不断の支援を実行してきた中国の怒りは沸点を超え、北朝鮮の「始末」を考え始めたようだ。                                                                          ■ 北朝鮮と核・ミサイル開発に耽る中国軍?の「瀋陽軍区」
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北朝鮮の「米中分割統治」に必要な二つ目の前提は、中国の習近平指導部が、金正恩体制の核・ミサイル開発を支える旧《瀋陽軍区》を制御OR解体できるか否か。この問題についても過去、小欄で採り上げてきたがお復習いする。

旧満州東部からロシア沿海州南西部、つまり朝鮮半島に接する中国側は李氏朝鮮時代(1392~1910年)以降、多数の朝鮮人が移住した。深い森林でおおわれ、大日本帝國・朝鮮総督府の支配も届かず、無頼の朝鮮人や支那人の匪賊・馬賊の格好の根拠地となった。越境して朝鮮半島北部(現・北朝鮮)の町村を襲撃、無辜の朝鮮人らへの略奪・殺戮を繰り返した。

絵に描いたごとき無法地帯であったが、中央の威光の届かぬ「無法地帯」は現在も変わりがない。

ただし、支那人の匪賊・馬賊は中国人民解放軍になり、北朝鮮襲撃ではなく、逆に武器・エネルギー・食糧・生活必需品を密輸し、支援している。国連や日米韓、EU(欧州連合)などが対北経済制裁を科している状況をよそに、人民解放軍が、制裁動機である北朝鮮の核・ミサイル開発まで支援しているとの観測が安全保障関係者の間で根強い。もっとも、支援は人民解放軍全軍を挙げて行われているのではない。支援の黒幕は、中朝国境の旧満州防衛などを担任する旧瀋陽軍区である。

そもそも人民解放軍は、軍中央の支配が及びにくい半ば独立した軍閥で、習氏に逆らってでも北朝鮮を支援したい軍閥と、習氏に忠誠を誓う軍閥に大別される。背景には利権と政争が薄汚く絡み合う。

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そこで、全軍統率機関=中央軍事委員会の主席を兼任する習氏は、共産党による「シビリアン・コントロール(文民統制)」や軍中央の統制力を強化するべく、軍制改革を大胆かつ独善的に進めてきた。

軍の最大単位だった7個の《軍区》を5個の《戦区》に再編したが、再編前と後の主な変化は次の2つ。

《旧軍区が有していた軍区内の兵員・装備に関する整備といった軍政は、中央軍事委に新設された国防動員部へと移譲。戦区は作戦立案と、作戦に沿った訓練・演習に特化された》 

《戦区内に所在する陸海空軍やロケット軍の各軍種、民兵や予備役などを、戦時でなくとも統合運用できることとなった》

軍種間の意思疎通&協力を阻害する縦割りや装備・業務の重複・無駄をなくし、「実戦的体制を構築し、現代戦に適合させる」という。が、実態は軍閥に近かった軍区の、習近平派による解体だ。

特に《瀋陽軍区》は反習近平派の巣窟で、習氏にとって政治生命すら左右する「超危険な存在」であった。否、軍制改革後も、《北部戦区》と名前を変えたに過ぎず、今もって「瀋陽軍区」のままの、依然「超危険な存在」と言うべきだ。

何しろ、朝鮮戦争の戦端が再び開かれる事態への備え+過去に戈を交えた旧ソ連(現ロシア)とも国境を接する領域を担任する旧瀋陽軍区へは軍事費が優遇され、最新兵器が集積されているのだ。大東亜戦争(1941~45年)以前に大日本帝國陸軍が満州に関東軍を配置したのも、軍事的要衝ゆえ。

最精強を誇り、機動力にも優れ、北京より平壌と親しい「瀋陽軍区」によるクーデターを、習氏は極度に恐れている。習氏が進める軍の大改編は、現代戦への適合も視野に入れるが、「瀋陽軍区」を解体しなければ「瀋陽軍区」に寝首をかかれるためでもある。

加えて、「瀋陽軍区」が北朝鮮への“フィルター”と化したままでは、北朝鮮に直接影響力を行使できない。

「瀋陽軍区」高官の一族らは、鴨緑江をはさみ隣接する北朝鮮に埋蔵されるレアメタルの採掘権を相当数保有する。「瀋陽軍区」が密輸支援する武器+エネルギー+食糧+生活必需品や脱北者摘発の見返りだ。北朝鮮の軍事パレードで登場するミサイルや戦車の一部も「瀋陽軍区」が貸している、と分析する関係者の話も聞いた。

もっと恐ろしい「持ちつ持たれつ」関係は核・ミサイル製造だ。中国人民解放軍の核管理は《旧・成都軍区=現・西部戦区》が担い「瀋陽軍区」ではない。「瀋陽軍区」は核武装して、北京に対し権限強化を謀りたいが、北京が警戒し許さぬ。ならば、核実験の原料や核製造技術を北朝鮮に流し、または北の各種技術者を「瀋陽軍区」内で教育・訓練し、「自前」の核戦力完成を目指す…こんな筋書きが成り立つ。

実際、2016年、中国の公安当局は、瀋陽軍区→北部戦区の管轄・遼寧省を拠点にする女性実業家を逮捕した。高濃度ウランを生み出す遠心分離機用の金属・酸化アルミニウムなど核開発関連物資や、戦車用バッテリーなど大量の通常兵器の関連部品を北朝鮮に密かに売りつけていたのだ。戦略物資の密輸重油も押収された。独裁国家の厳しい監視網を長い間のがれられたのは、「瀋陽軍区」の後ろ盾があったためだ。

■ 北朝鮮の「米中分割統治」に立ちはだかる「瀋陽軍区」

しかも、「瀋陽軍区」の核戦力は日米ばかりか北京にも照準を合わせている可能性が濃厚だ。

理由はこうだ。

(1)北京が北朝鮮崩壊を誘発させるレベルの対北完全経済制裁に踏み切れば、無敵の「瀋陽軍区」はクーデターを考える。

(2)他戦区の通常戦力では鎮圧できず、北京は旧成都軍区の核戦力で威嚇し恭順させる。

(3)「瀋陽軍区」としては、北朝鮮との連携で核戦力さえ握れば、旧成都軍区の核戦力を封じ、「瀋陽軍区」の権限強化(=対北完全経済制裁の回避)ORクーデターの、二者択一を北京に迫れる。

「瀋陽軍区」が北京を無視して、北朝鮮とよしみを通じる背景には出自がある。

中国は朝鮮戦争勃発を受けて“義勇軍”を送ったが、実は人民解放軍所属の第四野戦軍。当時、人民解放軍で最強だった第四野戦軍こそ瀋陽軍区の前身で、朝鮮族らが中心となって編成された「外人部隊」だった。瀋陽軍区の管轄域には延辺朝鮮族自治州も含まれ、軍区全体では180万人もの朝鮮族が居住する。いわば、「瀋陽軍区」と朝鮮人民軍は「血の盟友」として今に至る。金正恩氏の父である金正日・総書記も2009年以降、11回も瀋陽軍区を訪れた。

戦史上のDNAも手伝って、朝鮮半島有事になれば、北支援に向け「瀋陽軍区」の戦力が鴨緑江を渡河し半島になだれ込む。従って、各種演習も半島全域を想定する。中でも、第39集団軍は、最精強の「瀋陽軍区」でも最強とうたわれ、機械化に伴う展開速度は侮れない。現に、38度線付近の非武装地帯で2015年、朝鮮人民軍が仕掛けた地雷で韓国陸軍の下士官2人が大けがを負い、南北間に緊張が走るや、瀋陽軍区の戦車を主力とする部隊が中朝国境に急派されている。

先述したが、7大軍区は5個戦区に統廃合されたものの、注目は北京の頭越しに「対北独自外交」を繰り広げる瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併できるかだった。前哨戦として、瀋陽軍区勤務が豊富で、同軍区に強く影響を及ぼす軍区内外の反習近平系軍高官粛清を断行。全軍統率機関=中央軍事委員会の副主席、徐才厚・上(大)将(1943~2015年)の汚職など規律違反での拘束(後に死亡)は象徴的だ。半面、北京軍区司令官に習氏と近い上将を抜擢するなど布石を打ってはいた。

だが、布石にもかかわらず、徐上将失脚で2014年、徐の腹心の第39集団軍幹部はクーデターを起こした。

クーデターは小規模で鎮圧されたが、かくも抵抗勢力が跋扈する不穏な情勢では、瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併する目論みが達成できる道理がない。逆に、「瀋陽軍区」は北京軍区の一部を形成していた内モンゴル自治区を編入。人民解放軍海軍の要衝・山東省も飛び地の形で獲得し、膨張に成功した。

中国人民解放軍建軍90周年記念観兵式(7月)で習国家主席が行った演説に、習氏の野望と不安が強くにじんでいた。

「軍は共産党の指導下にあり、党への忠誠を誓わなければならない」

習近平指導部が中朝軍事同盟を破棄し、米中が金正恩政権後の朝鮮半島情勢で手打ちをする可能性は不透明だ。しかし、「瀋陽軍区」解体に比べれば、ハードルは低い。むしろ、「瀋陽軍区」が解体できて初めて、米中が手打ちに至り、北朝鮮の「米中分割統治」を念頭にした「米中連合軍」が対北攻撃にカジを切る端緒と成り得る。
トランプ大統領は、11月7日訪韓するのだが、トランプ大統領が、ソウルに滞在する7~8日、私がもし金正恩であれば、米軍に攻撃される前の11月7日深夜に先制攻撃を行う。米国も馬鹿ではないので、その兆候をつかみ次第、訪韓を急遽中止する可能性があるだろう。

台風は去ったが、東アジア一帯には、とてつもない黒雲が覆い尽くそうとしている。

2017年衆議院議員選挙では、消費税増税には反対だが、安倍内閣を信任する意味で、結局悩んだ末、小選挙区も、比例も自民党に入れた。この国難を乗り切れるのは安倍晋三しかいないからだ・・・

今回の衆院選で、自民党は選挙公約として、「北朝鮮の脅威から国民を守り抜きます」と掲げた。安倍首相がこの時期の選挙を決断したのも、北朝鮮情勢が近く、「異次元の危機」に突入する可能性を察知し、その前に国民の審判を仰いだのだ。

安倍首相は政権奪還した12年12月の衆院選以来、国政選挙5連勝だ。選挙で国民の強い支持を得た安倍首相は、トランプ氏との信頼関係も含めて、今後も世界で強い発言力、存在感を発揮するだろう。

選挙結果や日経平均の15連騰は、マーケットの反応は、安倍内閣の信任である。

「安倍一強政治に終止符を」打つと騒いでいた反安倍の野党勢力は、惨敗を喫したと言ってもいい。安倍を引きづり降ろしても旧民進党だった人々に政治を任せれば、日本が解体しかねない。選挙のために集まった、烏合の衆でまともな政権運営ができるとでも思っているのか?国民の目はバカマスコミより遥かに冷静である。

そして、
衆院選は自民、公明の与党が過半数を大きく超えた。有権者は安倍首相の続投を選んだ。

森友・加計問題への追及をかわす大義なき解散――。みずから仕掛けた「権力ゲーム」に、首相は勝った。

ただ、政権継続を選んだ民意も実は多様だ。選挙結果と、選挙戦さなかの世論調査に表れた民意には大きなズレがある。

■選挙結果と違う世論

本紙の直近の世論調査によると、「安倍さんに今後も首相を続けてほしい」は34%、「そうは思わない」は51%。

国会で自民党だけが強い勢力を持つ状況が「よくない」が73%、「よい」は15%。

「今後も自民党中心の政権が続くのがよい」は37%、「自民党以外の政党による政権に代わるのがよい」は36%。

おごりと緩みが見える「1強政治」ではなく、与野党の均衡ある政治を求める。そんな民意の広がりが読み取れる。(以下略)

朝日新聞は安倍首相に否定的な結果が示された自社の世論調査の数字をあげて「政権継続を選んだ民意も実は多様だ。選挙結果と、選挙戦さなかの世論調査に表れた民意には大きなズレがある」と今回の選挙結果否定するかのようなコメント、「首相は勘違いをしてはならない」などと主張し、選挙結果を全く尊重していない。

TBSやテレ朝はじめとする大手マスメディアは、選挙結果を受け入れず、安倍内閣に対する攻撃を止めないでいる。これは民主主義の根幹である選挙軽視以外の何物でもない。驕っているのは安倍首相ではなく、バカメディアだ!

選挙で安倍政権は圧倒的多数の国民から信任されたのだ。これを認めないのなら、選挙を認めない非民主主義者だと自ら認めるようなものだ!

目先の国難である北朝鮮危機と長期的国難である中国に、安倍晋三以外いったい誰がいる? 野党側は、政権の受け皿として、とても頼りなく、一部の反安倍狂信者以外、二大政党制など期待していない。安倍一強を作ったのは反安倍と騒ぐ、野党とバカメディア自らであることを理解できていない。多数派の国民と野党・メディアとの意識の乖離は今後も広がるであろう。

だが、安倍首相も、政権基盤を固め直したのであるから、自ら掲げた路線の具体化を急がなければならない。その最たるものが、北朝鮮問題である。選挙期間中に懸念された挑発はなかった。だが、私には嵐の前の静けさににしか思えない。

11月にはトランプ米大統領が初来日するが、訪韓時に何かが起こるような気がしてならない。年内に有事が起る可能性もあり、韓国にいる日本人や米国人などの外国市民を迅速に避難させる「非戦闘員退避活動」(NEO)や、武装難民への対策が焦眉の急である。大量に発生するであろう難民を、都市部で収用してはいけない。離島で隔離し島外に出してはならない。無人島での難民収用計画を早急に立てておくべきであろう。

今回の選挙の勝利は、ミサイル防衛の充実にとどまらず、敵基地攻撃能力の導入や防衛予算の増額への安倍首相の政治的英断を求める。戦後の平和と安全を保ってきたのは、自衛隊と日米同盟の存在である。安倍内閣は、覇権主義を強める中国への備えを詰めるべきである。

そして、なにより早急に、改憲へ動くべきである。憲法9条は自衛隊の手足をしばり、国民を守る手立てを妨げることに作用してきた。

国民投票によって憲法を改め、自衛隊の存在を明記することだ。抑止力の向上に資するものであり、自民党はさらに国民に強く説くべきだ。安倍首相と自民党は、憲法改正という公約実現への努力を止めてはならない。改憲へ待ったなしだ!

衆議院総選挙が終わったが、次期内閣は“戦時内閣”となろう。

国連も日本も米国もEU(欧州連合)も、北朝鮮に対してかつてないほど強い《経済制裁》を科してきた。「窒息」は無理としても、一定のダメージは与えており、《経済封鎖》に近くなり始めた。《経済封鎖》は安全保障上も戦史上も「戦争状態」と同義だ。

しかも、後述するが、10月に入り実施された米韓合同軍事演習で、米韓両軍は対北《海上封鎖》の予行と断じて差しつかえない布陣を敷いた。《海上封鎖》に至っては、真正の軍事行動である。

ひるがえって、総選挙期間中も含め「戦時」になって久しい。少なくとも「準戦時」だったが、この国難認識を全体、いかほどの候補者が抱いていただろうか。安全保障関連法のご破算を真顔で、声高に叫んだ候補者に国難認識はゼロ。土地取得をめぐる森友学園や獣医学部新設をめぐる加計学園の追及も候補者の自由とはいえ、「目の付け所が違う(笑)」と驚いた次第。

「モリ・カケ」問題を蕎麦のごとくたぐっていっても、安倍晋三首相との「汚い関係」はまったく出なかっのに、今後も国会で確証なき追及を繰り返すに違いあるまい。

筆者も「蕎麦屋で一杯」を大の楽しみにするクチだが立ち位置は保守で、「ソバ好き候補・議員」ほど“左党”ではない。北朝鮮国民が満足に「冷麺」を食べられるよう、日本の「ソバ好き左党議員」は安倍氏にではなく、たまには左党といわれる朝鮮労働党の金正恩・委員長に箸先、否、矛先を向けたらよろしい。

朝鮮半島危機を軟着陸させられるのか、はたまた朝鮮戦争の休戦が破られるのか。どちらにしても、朝鮮半島問題に決着が付けば、次は日本列島を《台湾危機》が襲う。

「ソバ好き左党議員」に、イザという時に立ち上がる覚悟までは求めない。安全保障関連法に代わる代替法案が立案不能でもいい。

唯々、夢より覚め、現実の悪夢に備え、黙っていてほしい。

■ 米軍の作戦意図に埋め込まれた「脅し能力」

さて、現下の情勢が国難である実態の一部を説明する。

朝鮮半島に限らず、半島は東西OR南北を海で挟まれる。かくなる「半島の宿命」を、金正恩氏は理解していない。朝鮮半島の幅は最長で360キロ弱。東は日本海、西は黄海で海上・航空兵力による挟撃は凡庸な参謀でも着眼する。攻撃側・米韓軍は挟撃の時と場所を選べるが、守備側・朝鮮人民軍に選択肢は皆無。本来、金正恩氏は国際社会に反抗して核・ミサイル開発をゴリ押しできる立場ではない。

今次合同演習も原子力空母《ロナルド・レーガン》を核とするイージス艦を含む40隻超の艦艇が、半島を挟み撃ちする形で日本海・黄海両海域に展開した。

日本海側に姿を現したロナルド・レーガンの艦上機は66機前後で、単艦の航空戦力だけでベルギーやオランダ、スイスの空軍力に匹敵し、1隻で5~6百カ所の標的を粉砕。将兵3200名+航空要員2480人=5680名の軍人を乗せて移動しながら、戦略レベルの任務を遂行する「動く海上軍事基地」なのだ。

米軍の作戦意図を注意深く分析すると、金正恩政権に投げ付けた「脅し能力」が埋め込まれていた。

例えば、「原子力特殊潜水艦」とも呼ばれる米国最大級の原潜《ミシガン》。金正恩政権を金縛りにしたシリア攻撃にも使われた巡航ミサイル・トマホークを154発も収納する。ミシガンが属するオハイオ級原潜2隻で、レーダーといった北朝鮮の全防空網を葬れる。

さらに、60名以上の特殊作戦部隊要員を収容し、金正恩政権の除去を目的とする《斬首作戦》の演練も兼ねている、と地元メディアが報じた。特殊作戦の情報が漏れたのは、米韓軍側の宣伝工作かもしれない。

軍事の素人=金正恩氏でさえ震えるに十分な能力だが、ミシガンの艦歴を知る軍首脳の驚愕はその比ではなかろう。何となれば、今でこそ通常弾頭だけだが、冷戦時代のミシガンは核弾頭24発を積み込み、核報復能力を担保した《戦略抑止哨戒》任務を担任していたのだった。

優れた対地攻撃能力を有し、金正恩氏の執務室へのピンポイント(精密誘導)攻撃も視野にする《F35戦闘機》や、「死の白鳥」の異名を持つ《B1戦略爆撃機》も韓国入りした。

B1は、米戦略爆撃機の中で最大級のミサイル・爆弾発射が可能。数機で平壌を焦土化できる。合同演習前の米韓共同訓練でも、金正恩氏の執務室▽兵器工廠▽核実験場▽潜水艦基地…など、40カ所へのミサイル発射がシミュレートされた。 

一連の合同演習・共同訓練の間、米韓軍の動きに合わせ、朝鮮人民軍は各部隊を移動させ迎撃態勢を強化するが、その度に燃料・糧食が消え、将兵の不安も高まっていく。

いずれにしても、北朝鮮にとり、米軍は「悪魔」のごとき存在なのだ。

■ 対北演習に乗じて中国近海の極秘調査をする米軍

もっとも、米国が「悪魔」に見えるのは中国も同じ。

現下の朝鮮半島危機に乗じて、中国の海警局・大型武装公船や人民解放軍海軍艦艇が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を火事場泥棒的に強奪するというシナリオが、防衛省内で危惧されている。

しかし、米軍は半島危機に際して、朝鮮人民軍のみならず、中国人民解放軍にもにらみを利かせる。いや、むしろ半島危機に乗じ、人民解放軍に対する強力な情報収集を極秘に進め、封じ込め戦略を演練している。米軍にとり、朝鮮半島危機は人民解放軍相手の格好の「模擬戦」の舞台と化している、と言い換えてもよい。

例えば、米空母打撃群を追尾する人民解放軍海軍の潜水艦を逆探知し、スクリュー音や機関音、船体の振動などで生じる音紋を採取し、潜水艦のクセや性能、艦名の特定などに役立てている。実戦モードに近い環境下、水測員の練度向上にも資する。

10月の合同演習同様、米国を中心に日米韓が春に断続的に行った共同訓練などでも、超弩級の収穫があったと観測されている。

逆に、中国人民解放軍の戦略中枢は、追尾を命じた情報収集機や情報収集艦、潜水艦などが送ってくる位置情報を地図上にプロットしてのけ反ったと確信する。

(1)フィリピン海における、米原子力空母《カール・ビンソン》を核とする空母打撃群と海上自衛隊の護衛艦《あしがら》《さみだれ》による共同訓練。

(2)日本海における、米海軍の駆逐艦《フィッツジェラルド》と海自護衛艦《ちょうかい》による共同訓練。

(3)日本海における、カール・ビンソンを核とする米空母打撃群と海自や韓国海軍との共同訓練。 

(4)沖縄本島東方の太平洋上における、カール・ビンソンの艦上機《FA18戦闘攻撃機》と航空自衛隊の《F15戦闘機》との共同訓練。 

(5)米原子力空母ロナルド・レーガンの艦上機が硫黄島(東京都)で陸上離着陸訓練。

(6)高高度迎撃ミサイル・システム(THAAD=サード)の韓国配備。 

(7)黄海における米海軍と韓国海軍の共同訓練。

人民解放軍の危機感は(7)に顕著だ。

黄海~渤海にかけての海域には▽青島=人民解放軍海軍・北海艦隊司令部▽旅順と葫芦島=軍港▽大連=海軍工廠…などが点在するのだ。明治二十七八年戦役(日清戦争/1894~95年)や明治三十七八年戦役(日露戦争/1904~05年)では、国家存亡を賭した一大戦略拠点であった。この海域への機雷封鎖は、人民解放軍海軍の掃海能力の低さに鑑み、現代戦でも十分通用する。

朝鮮半島危機がとりわけ高まった今年、幾多の演習・訓練を通し米海軍は、海底地形や海流をこってりと測定したはずだ。

次は(6)の、在韓米軍が配備したTHAAD。発射台6基とミサイル48発などで、朝鮮人民軍の短・中距離弾道ミサイルを迎撃する。

中国はTHAADを構成するXバンドレーダーの韓国配備に強く反発した。射撃管制モードの探知距離は500キロで北朝鮮の中~南部をカバーするに過ぎぬが、捜索モードに徹すれば1000キロを超え、北京・天津の手前まで覗けてしまう。在日米軍が青森県車力と京都府京丹後に配備するXバンドレーダーとも同型で、データリンクで連結され、互いをカバーし合える優れモノだ。

(1)のフィリピン海も、対中戦略上のチョーク・ポイント。台湾有事で来援が期待される米空母打撃群を、人民解放軍が迎撃する最前線(第2列島線)と絶対防衛線(第1列島線)にはさまれた海域だ。第1列島線は九州南部~沖縄~台湾~フィリピン~ボルネオを結ぶ。第2列島線は伊豆諸島~小笠原諸島~グアム・サイパン~パプアニューギニアを結ぶ。

(4)の沖縄本島東方の太平洋は第1列島線の該当海域で、沖縄本島の米軍・自衛隊基地群は列島線防衛の一大策源地でもある。 

(5)の硫黄島は第2列島線海域に所在し、島内の滑走路は海自&空自+米軍の作戦機が使用する。

最後は(2)と(3)の日本海の戦略的位置付け。

自衛隊と米軍が第1列島線の防衛=封鎖に成功すれば、人民解放軍の海上・航空戦力は対馬海峡を抜け→宗谷海峡突破を選択し→第2列島線の背後に迂回するシミュレーションも、安全保障関係者の間では浮上した。現代版「日本海海戦」への備えも怠ってはなるまい。

繰り返しになるが、人民解放軍の海上・航空戦力が宗谷海峡突破を目論む事態とは、中国の敗北を半ば意味する。裏返せば、米軍の空母打撃群&地上発進の航空戦力に海自&空自が協力→人民解放軍の海上・航空戦力による第1列島線越え阻止に成功したということ。

あとは、台湾軍が人民解放軍のミサイル攻撃や渡海強襲上陸を何とかしのげば、西進中の米軍主力は第1列島線上の台湾の救援に間に合う。

■ 中国は2025年、米国の最大脅威となる

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                                                   だが、人民解放軍の海上・航空戦力が飛躍的に拡充される近未来図は仕上げの段階に入り、米軍遠征部隊の台湾急行は次第に不確実性を増していく。米海軍大学のアンドリュー・エリクソン教授を中心とした研究グループがまとめた《中国の海軍艦艇建造》の以下の分析結果には息をのむ。

《人民解放軍海軍は2030年に主要艦艇415隻態勢を整える》

トランプ政権は過去100年間で最小規模に縮小された現有米海軍艦艇274隻の350隻増強を目指す。が、2046年が目標で、人民解放海軍の建造スピードとは雲泥の差がある。国防予算の行方が未知数で、建艦数を抑えられてきた造船関連業界の熟練工確保や設備復旧も追いついていない。反面、人民解放軍海軍の艦艇は数に加え質の向上も著しい。《中国の海軍艦艇建造》は警告する。

2020年までに、

《米海軍の対艦巡航ミサイルの射程以上のミサイルを大量保有する》

《人民解放軍海軍は世界第2位の海軍となる》

かくして2030年までに、

《ハードウエア面で米海軍と数だけでなく、恐らくは質も肩を並べる》

《(尖閣諸島など)他国との係争近海域で、米海軍の作戦行動に果敢に対抗する大きな能力を保有する》

米軍制服組トップ=統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード海兵隊大将も9月、上院軍事委員会の公聴会で証言した。

「中国は2025年ごろまでに、米国にとり最大脅威になる。中国は米軍が太平洋で有する影響力や同盟関係を制限する戦略に集中し、軍事技術で米軍の優位性を崩せるような現代化を目指し、当分の間、軍事支出を増大させ続ける」

「米国は人民解放軍とロシア軍の現代化に対抗し、20年代にかけての優位性を保つべく、今後5年間の国防予算を3~7%増やす必要がある」

■ 切り札は米軍の台湾駐留

打開策はある。ジョン・ボルトン元国連大使が1月、米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿した戦略も、傾聴に値した。《米軍の台湾駐留》である。ボルトン氏は北朝鮮に断固とした姿勢で臨み、拉致被害家族の訪米時にも積極的に会い、日本の国連常任理事国入りも支持する。

ボルトン戦略を要約すると、以下のようになる。

《台湾への米軍駐留や軍事装備の輸出拡大で、米国は東アジアの軍事態勢を強化できる》

《海洋の自由を守り、一方的領土併合を防ぐ戦略は米国の核心的利益だ。台湾は地理的に沖縄やグアムに比べ、中国や中国が軍事聖域化を推し進める南シナ海に近い。米軍の迅速な戦闘配置を柔軟に後押しする。台湾との軍事協力深化は重要なステップなのだ》

東アジアや南シナ海の不穏・不透明な安全保障環境を考えれば、太平洋&東シナ海と南シナ海を結ぶ「大洋の十字路」に位置する台湾は世界最大の要衝の一つで、わが国の貿易=経済の命運を握る生命線だ。日本列島~沖縄~台湾を結ぶ「海上の長城」上に、自衛隊や米軍に加え台湾軍が防衛線を敷けば、中国の軍事的冒険をかなり封じ込める抑止力となる。

フィリピンの対中・対米姿勢は不安定で、米軍のフィリピンにおけるプレゼンスも定まらない情勢では尚のことだ。

ところが、米軍の台湾駐留には1972年の《上海コミュニケ》が障害になる。コミュニケで米国は中国側に「一つの中国」「台湾からの全武力・軍事施設の最終的撤去に向け、これを漸減する」などを約した。

けれども、ボルトン氏は中国と国交樹立=台湾と国交断絶後、米軍駐留終了と引き換えに武器売却などを担保した《台湾関係法の下で、台湾との(軍事)関係拡大は十分可能だ。基地を設け活動する権利は、全面的防衛同盟を意味しない。相互防衛条約の再交渉など新立法措置も不要だ》と明言。国際法上の《事情変更の原則》を持ち出した。

確かに、中国が狼藉の度を凄まじい勢いで加速させ、軍事膨張をばく進する危機的情勢に直面する今、《上海コミュニケの大部分(前提)が時代遅れになり、拘束力を失った》という合法的解釈も成り立つ。

台湾は無論、わが国もまた米軍の台湾駐留支援への覚悟を決める大転機にさしかかっている。
衆議院議員選挙では私は安倍政権を支持したが、安倍政権に白紙委任状を渡したつもりはない。 消費税増税は反対である。だが、国防の為であるならば消費税以外の増税もやむを得ないであろう。

安倍晋三首相が衆院選後の記者会見で、これからの政権運営について謙虚な姿勢で公約実現を図っていくと強調した。最大の公約は憲法改正である。

国民の理解を得ながら、おごらず丁寧に憲法改正を進めていってほしいものだ。
安倍首相に長期政権を期待するのは、長期政権でなければ憲法改正に踏み込めない。地道かつ果敢に取り組んでいく上での謙虚さは要る。間違っても憲法改正をを先送りする理由としてはなるまい。

日本にとっての本当の国難は拡張主義の中国である。おそらく中国経済は崩壊するであろうが、軍事大国中国は北朝鮮の何倍、何百倍も恐ろしい、経済崩壊内政の混乱原因を日本に押し付けてくる可能性は極めて高い。

安倍首相の憲法改正が間に合えばいいのだが・・・・

日本は本当に国難に備えなくてはならない。


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中国共産党第19回全国代表大会(19大)が開幕した。中国全土が党大会一色の「官製祝賀ムード」中だが、実はほぼ1カ月前から「喜迎19大=ウエルカム党大会」の興奮状態はすでに始まっていた。

9月中旬、人民日報や中央テレビ局などの宣伝機関は一斉に「喜迎19大」の宣伝キャンペーンを起動させた。官製メディアは毎日のように党の「偉大なる業績」をたたえる記事を掲載したり、党大会の「歴史的重大意味」を強調する特集番組を流したりして祝賀ムードを盛り上げ「全国人民が心を一つに党大会の開催を迎えよう」と呼びかけた。

それが号砲となって、あちこちの政府機関がまず動き出した。党大会開催地の北京市の場合、9月12日、軍・武装警察・公安参加の「党大会安全確保動員大会」が開かれ、蔡奇北京市党委書記が「党大会のための最高レベルの安全確保」を誓った。

22日、蔡書記は北京日報などのメディアを訪問し、「党大会のための宣伝工作の強化」を指示した。そして今月10日、蔡書記は今度は、党大会代表への食・住を提供するサービス部門を視察し、「党大会成功のための万全なサービス体制の構築」について責任者と協議した。

北京市の消防当局も9月19日に重要会議を開き、「党大会期間中にいかなる火災事故も起こらせないため」の対策を検討した。今月11日、北京市は今度は、副市長出席の下で「森林防災」に関する電話会議を開き、「党大会の開催を迎えて、森林火災の発生を未然に防いでおこう」との方針を確認した。

このようにして、9月中旬からの1カ月、北京市の市政はまさに党大会の開催を中心に回ってきている様子だ。その中では、市内の火災防止も森林の災害防止もすべて、党大会のためであった。

「すべては党大会のために」という合言葉の下で、北京市と全国各地の多くの人々も「ウエルカム党大会」の雰囲気作りに駆り出された。

9月19日、北京市婦女連合会が「ウエルカム党大会」と題する弁論大会を開いたと思えば、同21日、北京市美術協会は「党大会を迎える」ための「新人新作展」を開いた。そして今月11日、今度は全国から300人余の「自由芸術家」が700点以上の芸術作品を携えて北京に集まり、「党大会の開催を迎え、党の業績をたたえよう」と題する芸術大会を催した。

同じ日に北京市順義区では、若い女性たちが「党大会の開催を迎え、心を党にささげよう」をテーマとする手芸作品展覧会を開いた。

その一方で、全国各地では工場の従業員や鉱山の労働者が「党大会を迎えての増産運動」に励んでいることが今月12日掲載の中国新聞網記事によって披露され、多くの科学技術者が「党大会の開催に向けて」研究と技術開発を迅速に進めていることも、各メディアによって報じられた。

かくのように、われわれの感覚では「たかが一政党の党大会」のために、隣の中国では、北京市の公安から消防局や婦女連合会まで、全国の「自由芸術家」から工場や鉱山の労働者までが総動員され、政権が音頭をとった「ウエルカム党大会狂騒曲」の中で一斉に踊り出した。

その中では、市内の防火も森林の防災も、工場の増産も技術開発の推進も、芸術家の芸術作品も何もかもすべて、党大会のためにあるものであり、党大会のためにささげられているのである。

普通の近代文明国家の視線から見れば、このような光景は滑稽にして哀れにも見えてくるが、かの国ではそれが普通のように思われていて、13億の人々が喜劇を大まじめに演じているのである。

中国という国が、どれほど異常で異質な国であることがこれでよく分かってくるだろう。


【プロフィル】石平

せき・へい 1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
習近平は、いよいよラストエンペラーとして、歴史に名を残すことになりそうだ。 

第19回中国共産党大会が昨日から開催されたが、崩壊する経済を規制緩和で活性化するのではなく、「新時代の中国の特色ある社会主義思想」の建設という目標も掲げた。新時代の社会主義とは、海外企業も含め、民間企業内に党組織を監視役として置き、ネットを徹底的に規制しつつ、ITによって共産党が徹底的に支配する、まるでジョージオーウェルの1984の世界を再現した世界を作るという。大躍進政策や文化大革命時代の毛沢東主義、いや、マルクス・レーニン・スターリンの時代にまで先祖返りした政策を推し進めるようだ。中国人評論家曰く「デジタル社会主義」

経済がおかしくなり、一党支配体制が崩壊しかかっていることを習近平自身が一番よく知っているからこそ、例えばダボス会議では「「自由貿易の推進」と「保護貿易への反対」姿勢を示し、対外的に経済の自由化と宣伝はしているが、自由化と相反する毛沢東時代に戻るような、党による支配強化政策をするのだと思う。

中国当局は長年経済指標をねつ造してきた。GNP然り、中国は外貨準備高もそうだ。そもそも外貨準備とは、政府が自由に使える金ではなく、見せ金的な役割を果たすものであるが、実は外貨準備ですら偽装であることが、知れ渡ってきている。

この偽装された経済データで作り上げられた「偽りの世界第2位の経済体」に、多くの海外企業が引き付けられた。

外資企業が中国本土でビジネス展開を始めると、海外への送金を制限して、人民元を海外の本国通貨に自由に両替させないことで、資金が本国に戻ることを阻止している。中国当局は近年更に個人や企業に対して流出規制を強化して、自分の金すらまったく持ち出せない状態である。

中国の8月末外貨準備高は3兆915億ドル(約337兆円)だが、外貨準備の大半は、そもそも外国政府と外国企業の財産であり、中国人のものではないということである。そのなかには外国ビジネスマンによる対中投資の資金や中国が溜め込む対外債務、中国を頻繁に出入りする国際的な短期的流動資金、いわゆる「ホットマネー」も含まれる。

中国は、今、資金不足に陥っている。しかもその資金不足状態について、トップの習近平主席はもしかしたら、つい最近まで知らない可能性が大きい。大国のような振る舞いをして、新興国相手に大盤振る舞いをして、一帯一路、AIIBを設立するまで、資金が枯渇していると考えが及ばないからである。

習近平に使える部下たちも、そのような事態を隠していたかもしれない。習近平は、最近になって、強引な外貨防衛に転じている。やっと、資金不足に気が付き始めたようである。

資金を中国から持ち出せないと言うことが知れ渡ると、当然、新たに外資を中国に呼び込めるわけがなく、外国資本の投資がなければ、真水の経済成長は無く、債務急増問題、信用バブル、人民元安など様々な経済問題が更に追い打ちをかけ、党幹部や超富裕層が、裏口からどんどん資本流出を加速している。ねつ造された「経済の繁栄」が消えるのは時間の問題だ。
【北京=河崎真澄】中国のGDP成長率が小幅減速した。5年に1度行われる中国共産党大会の開幕2日目に、習近平指導部が経済政策で「安定成長路線」へのシフトをにじませた形といえる。

1~6月は6・9%成長を確保しており、7~9月もそれ以上の成長が見込まれていたが、8月に国際通貨基金(IMF)が公表した「中国経済に関する年次審査報告書」がブレーキをかけたとみられている。

報告書は、中国の債務問題について「中長期的に成長を急減速させる恐れがある」と警告した。前後して海外の格付け機関も、中国の長期格付けを債務問題を理由に相次ぎ引き下げており、国際金融市場では「チャイナリスク」がにわかに意識され始めた。

IMFによると、名目GDPに対する債務総額の比率は既に200%を超えて、今後5年で300%に膨れる。デフォルト(債務不履行)など、危険水域に近づく懸念が増大する。

今年は党大会を控え、年初から公共事業で景気を刺激してきた。通年ではなお前年を上回る可能性もあるが、「成長ありき」が続けられなくなったことは、習氏が18日の演説で、「金融管理体系を完備させて、金融システムリスクを起こさないという最低ラインを守る」と述べ、自覚していることからも読み取れる。

地方政府や国有企業の資金調達で、十分な担保もない状態で外部の審査もないまま、国有銀行から多額の融資を受けることが常態化した中国。ひとたび不動産市況が悪化すれば、担保価値をなくす物件が多発。債務不履行に陥る。いわば借り手も貸し手も「モラルハザード(倫理の欠如)」の負の連鎖を続けている。

水面下で膨張が続く債務問題をいかに処理して、安定成長を維持するか。習指導部2期目の5年間も、綱渡りの経済運営が続く。

今の中国経済は、まるで清朝末の様相に似てきている。清朝が没落した原因は金融不安だけでなく国が財政難に陥っていたことが大きい。当時、銀行は閉鎖され国庫自体も困窮していた。いかに大国であっても、国庫を使い果たしてしまえばたちまち立ち行かなくなるのは自明のこと。ならばその金はどこに?貴族や高官のポケットに入ってしまったことに疑問の余地はない。多くの親王や内親王、大臣といった地位あるものたちは有り余るほどの私財を蓄えていた。ただ清朝の国庫だけが、空っぽだった。

南シナ海の埋め立てはただではできない、膨大な国家資金を使い、軍事費も膨大な金を使い、中国の金庫に金があるとは思えない。

膨大な金を使って埋め立てた南シナ海と尖閣諸島周辺への領海侵犯など対外的な強硬は、結果として、国際情勢を悪化させ、中国を国際的に孤立させている。

清朝は洋務運動という西洋文明の取り込みに失敗した。多くの原因があるが、清朝の洋務派官僚自体が国より自分の利益を第一としていたことがおおきい。

清朝の官僚は、国を本当に改革しようという気構えが、無かったように思える。まるで今の中国と重なる。清朝は、鎖国政策をとったように、中国のネットは世界から遮断され、まるで現代の鎖国政策といっても過言ではない。

清王朝は腐敗し国内は四分五裂したが、現代中国はまだ国土的には四分五裂してはいないが、中国は持てる者と持たざる者が、あまりにも大きく分裂し、清朝と同じく国を一枚岩にまとめられていはいない。

世界中が軍縮をしていた21世紀、中国は軍事政策や国防費が不透明だと国際社会から批判を受けながら、四半世紀余りにわたって急激な軍拡を進めてきた。

今世紀半ばに人民解放軍を「世界一流の軍隊」にすると習近平は党大会で言い切った。日米の軍事力を圧倒する意味だろう。清朝とちがって、軍事力を増強ししてはいるが、やがて経済が失速した際に、地方軍閥が中央と対峙することが予想される。

清朝は最後には列強の侵略を許し、半植民地化の憂き目を見た。世界の発展から取り残される「眠れる獅子」と化した。

「皇帝」と呼ばれる習近平は「ラスト・エンペラー」になるかもしれない。習近平で中国共産党支配は終わる可能性が大きい。

私は、人を見る目が無いのだろうか?習近平の写真をはじめて見た時は、小太りで眠そうな顔、精彩を欠くルックスにオーラを感じない。集団指導体制の中で独裁が許されるわけはない、なのに何故か貧相で、オーラを感じさせない習近平が権力闘争に勝ち抜き、権力が集中していることに、私は理解できないでいる。

盟友なのか、最大のライバルなのか今一つ不明だが、王岐山の方が余程カリスマ性があるように見えるのだが、その去就も党大会の人事も興味がわく。

王岐山が推進した「腐敗撲滅運動」の名を借りた政敵の粛清は、多くの敵を内外に作ってしまったのではないか。王岐山は、習近平のライバルと言うよりは、運命共同体ではないかと思う。

習近平や王岐山が言うように「腐敗問題を解決しなければ、党が滅び、国が滅ぶ」確かにその通りだが、仮に腐敗を撲滅出来たとしても、19回の党大会の経済政策を推し進めれば、結果は同じであろう。

中国共産党幹部の腐敗は蔓延し過ぎて、もう手が付けられない。実は、習近平自身が一番腐敗しているということは、中国国民の誰もが知っている。

中国の歴代王朝は腐敗で滅びており、蒋介石率いる国民党軍が共産党軍に負けたのも、「中華民国」の官僚が腐敗しきっていたからだ。腐敗した中国が、国家統計自体がいい加減で、GNPが本当に世界第二位か疑わしいが、ここまで発展出来たのは幸運が重なったからに過ぎない。

腐敗した国家がいつまでも繁栄することはできない。この原則は地球上に存在していた全ての国家に通じる原則だろう。

習近平が、孔子も平伏すほどのカリスマ聖人君主であれば別なのだが・・・それはない。

だが、そうはいっても習近平は権力を一極集中化させて、皇帝になる以外にない。そうしなければ一党支配体制は崩壊するからだ。

ということで、習近平は「ラスト・エンペラー」となる可能性は、極めて高い。おまけに習近平は、必要以上に「皇帝色」を強めすぎている。その意味でも彼は「ラスト・エンペラー」となる可能性を自ら高めているということが言える。彼自身には、それが見えなくなっているとすれば、この可能性は高まるばかりだ。

プライムニュース 2017年10月18日

執筆中



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日本の上空を通過した北朝鮮の弾道ミサイル Issei Kato-REUTERS

北朝鮮はなぜ日本を狙い始めたのか
【Newsweek】2017年10月4日(水)16時30分遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

北朝鮮が日本をターゲットにし始めた。その理由は簡単。中国が北の先制攻撃に軍事的警告を発したのは「アメリカ領」であって、「日本」ではないからだ。中国の報復攻撃に怯えている北は、反日中国を意識している。

■環球時報の北に対する警告を熟読してほしい                        
筆者は何度も中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹紙である「環球時報」が北朝鮮に対して警告を発したことを書き続けてきた。たとえば、


●8月13日付けコラム「米朝舌戦の結末に対して、中国がカードを握ってしまった」

●8月15日付けコラム「北の譲歩は中国の中朝軍事同盟に関する威嚇が原因」

●9月4日付けコラム<中国が切った「中朝軍事同盟カード」を読み切れなかった日米の失敗>

などである。

もう一度、その部分を復習しよう。

8月10日、中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」は社説として以下の警告を米朝両国に対して表明した。

(1)北朝鮮に対する警告:もし北朝鮮がアメリカ領を先制攻撃し、アメリカが報復として北朝鮮を武力攻撃した場合、中国は中立を保つ。(筆者注:中朝軍事同盟は無視する。)

(2)アメリカに対する警告:もしアメリカが米韓同盟の下、北朝鮮を先制攻撃すれば、中国は絶対にそれを阻止する。中国は決してその結果描かれる「政治的版図」を座視しない。

(3)中国は朝鮮半島の核化には絶対に反対するが、しかし朝鮮半島で戦争が起きることにも同時に反対する。(米韓、朝)どちら側の武力的挑戦にも反対する。この立場において、中国はロシアとの協力を強化する。

この内の(1)と(3)は、北朝鮮にとっては存亡の危機に関わる脅威である。もし北朝鮮がグアムなどのアメリカ領を先制攻撃してアメリカから報復攻撃を受けた場合、中国は北朝鮮側に立たないということであり、その際、ロシアもまた中国と同じ立場を取るということを意味する。

北朝鮮にとって中国は世界で唯一の軍事同盟を結んでいる国なので、中国が「中朝軍事同盟を無視する」と宣言したとなれば、北朝鮮は孤立無援となる。北朝鮮の軍事力など「核とミサイルと暴走」以外は脆弱なものだ。韓国や日本には大きな犠牲を招くだろうが、アメリカと一国で戦えば全滅する。したがって14日、グアム沖合攻撃は延期(実際上放棄)することを表明した。

この文章をしっかり頭に入れていただきたい。

「日本領」とは書いていないことに注目すべき                       
肝心なのは、環球時報の警告文の中には、「日本領」とも書いてなければ、「在日米軍基地」とも書いていないことである。すなわち

「北朝鮮が日本あるいは在日米軍基地を先制攻撃して米軍による報復攻撃をした場合、中国は中立を保つ」

とは書いてないことである。

中国はあくまでも安倍政権が軍国主義の方向に向かっているとして、中央テレビ局CCTVでは日本よりも詳しく安保関連法案や憲法改正(特に九条)などに関して毎日のように報道してきた。「モリカケ」問題に関しても特集を組んだり、反安倍報道なら、喜んで報道する特徴を持っている。

どんなに「日中雪解け」的な報道が日本であったとしても、それは一帯一路に日本を組み込みたい中国の魂胆があるだけで、「反日」の姿勢は絶対に代わらない。中国共産党の一党支配体制が崩壊するまで、その要素は絶対不変だと筆者は断言できる。中国の地に生を受け、革命戦争を経験し、毛沢東思想の洗礼を受け、76年間、この中国共産党との葛藤を続けてきたのである。それを学習できなかったとすれば、生き残ってきた意味さえないではないか。これは筆者の生涯を賭けて苦しんできた闘いの結果、初めて出せる結論なのである。

習近平にとっては反日を叫んでいなければ、「毛沢東が建国前の日中戦争において、日本軍と共謀していた事実」が明るみに出る。これだけは絶対に避けたいために言論弾圧をヒステリックなほど強化している。グローバル化が進めば進むほど、「嘘をつき続けることが困難になる」からである。

だから中国は決して北朝鮮に「北朝鮮が日本あるいは在日米軍基地を先制攻撃して米軍による報復攻撃をした場合、中国は中立を保つ」とは言わない!

金正恩もまた、このニュアンスは嫌というほど「理解」しているはずだ。

だから、もしかしたら中国による北朝鮮に対する武力攻撃があるかもしれないと察知した北朝鮮は、中国が政権の中心に置いている「反日姿勢」に迎合することを選んだのであろう。反日国家を武力攻撃するのは、中国にも躊躇が生まれる。尖閣を奪うためにも不利となるからだ。

結果、金正恩にとって、「反日は(中国に対する)最高の保身」となるのである。

韓国も「反日」を叫んでいる限り、安泰だ。中国に保護される。

日本は「反日の根深さ」を見逃さないように                         
日本のメディアは最近、「なぜ北朝鮮は日本をターゲットにし始めたのか」に関して苦労しながら分析しようとしている。そのいずれも的を射ていない。

それは中国の本心も北朝鮮の建国時の姿勢をもご存じないからだろうと思う。

中国の革命戦争を潜り抜け、朝鮮戦争の時は戦火の延吉で朝鮮族とともに日々を過ごした筆者としては、せっかく生き延びているのだから、少しでも自分の原体験を活かして、日本の役に少しでも立つことが出来れば、生き残った甲斐も少しはあるのかと、私見をしたためた。

■米中は圧力と対話で共通認識                                   
なお、10月2日付けのコラムで<中国が北朝鮮を攻撃する可能性が再び――米中の「北攻撃」すみ分けか>と書いたが、これは決して「武力攻撃」が決定的となったという意味ではない。あくまでも「万一にも米軍の先制攻撃となった時には、中国が米軍に代わって北朝鮮を武力弾圧する」という意味であって、中国はロシアとともに基本、「対話による解決」を掲げている。

ティラーソンの発言は、この中国の「対話による解決」にも、臨機応変に対応しているということだ。そして中国は米軍の武力行使にも、やはり臨機応変に対応し、米中が話し合いの上で呼応しながら動いていることを言いたかっただけである。

中国が先制攻撃をした場合は、当然北朝鮮には中国に都合のいい政権を創建することになるので、ロシアとしても文句はないだろう。そのために中露は今年7月に(平和のために)共闘することを誓った共同声明を出している。

中国は北朝鮮に経済繁栄をもたらす改革開放体制を望んでいる。これは鄧小平以来の念願でもある。米軍は韓国に駐在する必要も無くなり、「新米中蜜月」の中で、中国はやがて世界のトップに躍り出ようという野望を持っている。

ロシアは中国を介してアメリカとは、ほどよく友好的になる可能性を持っている。

このシナリオの中で、中国が何としても絶対に譲らないのは「反日姿勢」である。

中国共産党が日中戦争において日本軍と共謀していた事実が明るみに出ないようにするために、それだけは貫徹する。日本の真の平和は、中国の民主化によってしかもたらされない。

日本の政治家は、大局的視点を持っていただきたい。

「習近平が会ってくれる」とか「訪日して下さるかもしれない」などということを政権の宣伝に使うなど、情けないではないか。毅然と、現実を客観的に見る根性と思考力を望む。


イメージ 2[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。

中国が北朝鮮を攻撃する可能性が再び----米中の「北攻撃」すみ分けか 【Newsweek】2017年10月2日(月)16時30分遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

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にこやかに握手するティラーソン米国務長官と習近平国家主席(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
 訪中したティラーソンは習近平と「極めて友好的な」会談を行なった。北朝鮮が第19回党大会にミサイル発射をぶつけてくる可能性がある中、静かにしている中国は何を考えているのか。米中の極秘交渉を考察する。

◆極めて友好的な会談に隠れているもの

 ティラーソン米国務長官が訪中したのは、トランプ大統領訪中の下準備のためである。今年4月に習近平国家主席が訪米した際にも、ティラーソンは事前(3月18日)に訪中して習近平と会っている。

 この2回の訪中に共通しているのは、「この上ない友好的ムードの中で互いを礼賛し合うこと」ではあるが、今回の「友好さ」には何かが隠れているのを感じる。2回とも北朝鮮問題に対する話し合いが含まれているとされながら、その具体的内容に関しては公表されていない。それでも3月のときは中国外交部が「双暫停」(米朝双方とも暫時、軍事行動を停止すべき)と発表するなどの意思表示があったが、今回は何もない。

 あったのは、ティラーソンが習近平との会談後(会談中ではないことにご注意!)、米朝間には独自のチャンネルがあり、米朝は互いに直接接触していると表明したことくらいだ。これはこれで大きい話なのだが、筆者はこれまで何度も書いてきたので(たとえば、8月4日付けコラム<ティラーソン米国務長官の「北朝鮮との対話模索」と米朝秘密会談>など)、ここでは省く。

◆習近平は北朝鮮の侮辱に、どこまで耐えるのか?

 北朝鮮は習近平にとって国際的な晴れ舞台となる大行事があるたびに、その開幕式の日にミサイル発射などの挑発的行動に出て、習近平の顔に思い切り泥を塗り続けてきた。

 今回も10月18日に開幕する第19回党大会のその開幕式の日に合わせて、ミサイルを発射するだろうと推測されている。

 「外交大国」を自負する習近平は、国際的大行事の開幕式があるたびに顔に泥を塗られることに激怒しているだろうが、それ以上に中華人民共和国の根幹を成す中国共産党の全国代表大会の日に合わせて北朝鮮がミサイルを発射すれば、その忍耐はレッドラインを越えるだろう。
 ではその場合、習近平は何をするのか?

◆アメリカとすみ分けて、中国が北を武力攻撃

 トランプ大統領が金正恩との舌戦を繰り広げ、国連総会で金正恩を「ロケットマン」と呼び、ツイッターで「ちっぽけなロケットマン」と書くに及んで、米韓による北朝鮮への武力攻撃の可能性は高まってきているように見える。
 しかし、その一方では、ティラーソンの記者団に対する発言にもあるように、アメリカはいくつものチャンネルを設けて、北朝鮮と直接会話を試みている。トランプはティラーソン発言を否定しているが、米朝が水面下で接触しているのは明白だ。

 かといって、いざとなったら武力攻撃がないわけではない。

 それを見据えて、中国は早くから考えていた「中国による北朝鮮に対する武力攻撃」を「米中とのすみ分けの中で」模索している。

 2016年2月22日付けコラム「いざとなれば、中朝戦争も――創設したロケット軍に立ちはだかるTHAAD」に書いたように、中国が北朝鮮を軍事攻撃するという可能性は早くからあった。

 しかしトランプ政権誕生後、事態が一変し、中国は「双暫停」と「対話」を唱えながらも、むしろトランプの方針を「やや協力的に」見守るという姿勢を貫いている。

 それは米中関係の親密度を踏み台にして、世界のトップに上り詰めようという野心が習近平にはあるからだ。だから、中国はアメリカとは絶対に敵対しない。

 では、この大前提の下で、いま中国が取れる方法は何か。

 それは、アメリカによる北への武力攻撃が始まろうとする寸前に、中国が北朝鮮への武力攻撃をする、というシナリオだ。

 これまでと違うのは、「アメリカと敵対せずに遂行する」ということである。

 つまり、アメリカと協力しながら、軍事力をすみ分けて「中国独自の軍事攻撃」を北朝鮮に対してするというやり方である。

 中国はこれまで何度も、米韓が38度線を越えたら中国はそれを阻止すると言ってきた。したがって、ある意味、アメリカが、アメリカの代わりに中国に軍事攻撃をしてもらうということになる。互いに了承済みで、勢力図をすみ分けながら断行する。但し、党大会が終わるまでは中国は絶対に動かない。場合によっては来年3月の全人代閉幕直後辺りまで延ばす可能性もある。

◆米中の相互補助

 このシナリオはちょうど、ティラーソンが発表した「アメリカによる北朝鮮政府との複数の対話手段の保持」と、対(つい)を成している。

 ティラーソンはなぜ、わざわざ「北京で」記者団に対して話す必要があったのかを考えれば理解できるはずだ。中国は対話による解決を要求している。だから、それに応える意味で、ティラーソンは、敢えて発表の場として北京を選んだ。しかも習近平との対談の直後に。

 習近平は金正恩(委員長)の度重なる無礼と屈辱的手法に堪忍袋の緒が切れかかっている。だから、「武力攻撃もあり得る」ことをちらつかせるトランプに、「いざとなったら」協力的に武力を断行し、北を敗退させた時の中国の「持ち分」を確保する訳だ。

 日米韓が主戦場にならないという意味では、最高に良い選択とも言える。

 中国の軍事力の強化の目的の一つが、事実ここにあることは、これまで何度も書いてきたが、今回もまた、それが証明される事態になっているということが言えよう。

 なお、「米中のすみ分け」は、トランプ政権以外の他のアメリカの政権では絶対にあり得なかったシナリオと言わねばなるまい。それを可能ならしめたのは、トランプが個人的に習近平を気に入っているからであり、そのことは拙著『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』で言い尽くしたつもりだ。

 日本は置いてきぼりを食わぬよう、気を付けた方がいい。
米軍が懲罰的先制軍事攻撃するのなら、先に、中国が北朝鮮に対し軍事行使する説もあるのだが、米国次第だろう。

どうやら、ティラーソンは中国と水面下で中国との妥協を図ろうとして、トランプともめだした可能性もある。
[ワシントン 4日 ロイター] - ティラーソン米国務長官は4日、辞任を検討したことはないとし、トランプ大統領が掲げる議題に現在も就任時と同様にコミットしていると述べた。

この日はNBCニュースがティラーソン氏とトランプ大統領との間の緊張が高まったことを受け、ペンス副大統領を含む政権高官が7月、ティラーソン氏に辞任しないよう説得していたと報道。NBCは関係筋の話として、国防総省で開かれた安全保障チームと閣僚らとの会合でティラーソン氏はトランプ氏を「能なし(moron)」と呼んで批判したと報じた。

ティラーソン氏はこれを受け国務省で急遽記者会見し、「辞任を検討したことはない」とし、「トランプ大統領が自身の目標達成に向け役に立つと考える限り、国務長官のポストにとどまる」と表明。

「辞任を検討したことはないため、ペンス副大統領が思いとどまるよう説得したこともない」とし、「われわれの大統領、およびわれわれの国の成功に対し、現在も国務長官就任の要請を受諾した時と同様に強くコミットしている」と述べた。

トランプ氏については「賢明な人物だ。彼は結果を出すことを要求する」と指摘。NBCの報道にあったようにトランプ氏を「能なし」と呼んだかについては、「そのような取るに足らない事項については語らない」とし、直接的な言及は避けた。

ティラーソン氏はこの日はトランプ氏と話していないとしている。

今回の報道についてホワイトハウスのサンダース報道官は大統領専用機「エアフォースワン」機上で記者団に対し、「これまでも何度も表明してきた通り、大統領の信頼を失えば、その人物はポストにとどまることはできない」とし、トランプ大統領はティラーソン長官を信頼していると表明。ペンス副大統領は声明で、辞任を巡りティラーソン氏と話し合ったことは一度もないと述べた。
トランプ大統領が11月に初旬に来日するのが、米原子力空母「ロナルド・レーガン」率いる空母打撃群が10月中旬、朝鮮半島近海に展開する。米軍の北朝鮮攻撃が予想されるXDayは11月下旬となるかもしれない。

もし、私が金正恩で、もはや米朝戦争不可避と思い詰めたのなら、先制攻撃を決断するだろう。米国が動く前にやる。まだ本当に実用化できたかどうか怪しいが、ICBM火星14で、ワシントンのホワイトハウスと国防総省を核攻撃するだろう。

同時に、グアムの米軍基地をIRBM火星12を使って攻撃し、在日米軍基地(沖縄、横田、横須賀、岩国など)をノドン弾道ミサイルで攻撃。更に同時に、ソウルに長距離砲とロケット弾を撃ち込み、在韓米軍と韓国軍の北進を防ぐために韓国へ侵攻を開始するだろう。ソウルを占拠し、在韓米軍家族を人質に取れば、否が応でも米国と二国間の交渉となるだろう。

そもそもトランプ政権の北朝鮮への攻撃は、米海軍が保有している3000発のトマホーク巡航ミサイルと、B-1、B-2爆撃機と在日、在韓空軍の全ての戦闘機/攻撃機を同時投入しても足りない。北朝鮮軍が大きな打撃を受けることは間違いない、主要なミサイル基地や生産拠点は壊滅できても、残念ながら全てのTEL(ミサイル輸送起立発射機)や、地下要塞は壊滅しないだろう。

このため攻撃が巡航ミサイルや空爆で終わることは考えにくく、仮に本格戦闘が終了し、大部分の将兵が戦わずして投降し、特殊部隊など残存勢力による目立った抵抗があるだろう、地上兵力の投入はは不可欠だ。

このため、米国が北朝鮮へ武力行使するにあたっては、11月に中国から最終確認を得ておく必要がある。中国が北の国境を越え、金王朝を倒せば、中国は米国に対し恩を売り、優位に立つことができる。

幸運にも北朝鮮軍内部でも本音は金王朝に反感を持っていて、特殊部隊も含め全て投稿したとしても、数百万人もの将兵の武装解除には多大な時間がかかるだろう。在韓米軍や韓国軍だけでは対応できず、当然のように中国軍も北朝鮮に進駐するはずである。

北朝鮮金王朝が崩壊すれば、在韓米軍は存在理由を失くし、朝鮮半島から撤退することになる。朝鮮半島は中国主導の統一国家が誕生する可能性が高いだろう。
そうなると、日本としては、更に厄介な反日国が誕生することになる。

 9月3日、北朝鮮は国際社会の警告を無視して6回目の核実験を強行した。国連安全保障理事会は11日、新たな制裁決議を全会一致で採択した。厳しい制裁に慎重な姿勢を示してきた中国やロシアも賛成に回った。

 当初の制裁決議案には、北朝鮮への石油輸出の全面禁止や最高指導者の金正恩朝鮮労働党委員長の資産凍結を含む厳しい内容が含まれていたが、中国、ロシアの反対により米国が譲歩したという。

 この7月、2度にわたる大陸間弾道ミサイル「火星14型」の試験発射を受け、8月5日に鉄鉱石、石炭の輸出禁止を含むこれまでにない強い国連制裁決議がなされたばかりである。経済制裁は今回で9回目となるが、まさに「暖簾に腕押し」状態である。

 米国国防省情報局(DIA)が7月28日に公表した情報では、「北朝鮮はICBM級を含む弾道ミサイルで運搬する核弾頭を生産した」「核爆弾の数を最大60発と推定」「小型化、軽量化、多種化された、より打撃力の高い核弾頭を必要なだけ生産できるようになった」とある。

グアム島を射程に入れた北朝鮮

 今回の核実験は水爆実験だと北朝鮮は主張しているが、もはや弾道ミサイルに搭載できるまで「小型化、軽量化」は完成したとみるべきだろう。

 9月11日の国連制裁決議にもかかわらず、15日には北朝鮮は中距離弾道ミサイル「火星12型」を再度発射し、グアム島を射程に入れる3700キロを飛行させた。

 この「火星12型」は8月29日に発射したものと同じであり、この時も日本上空を通過させた後、太平洋に着弾させている。だが、この発射では2700キロの飛行距離に留まった。

 これについては、拙稿「ミサイル発射、Jアラートで嘘八百を垂れ流したテレビ」(9月4日)で書いたので詳しくは省略する。

 ただし、「今回の火星12型の発射は飛距離が2700キロしかなく、筆者は試験発射に失敗したとみている」とし、「グアム方向の射撃は米国の反発でやめたが、2700キロではグアムをいつでも攻撃できるというメッセージにはなり得ない」ので「今後も成功するまで火星12型のミニマム・エナジー軌道発射試験は続くと思われる」と書いた。

 不幸にも予想が的中してしまったが、先述のDIA情報と合わせて考えれば、初めて米国領土に届く北朝鮮の核搭載弾道ミサイルが完成したことになる。

 この事実に米国は衝撃を受けたようだ。

 これまでドナルド・トランプ米大統領は、「これ以上、米国にいかなる脅しもかけるべきでない。北朝鮮は炎と怒りに見舞われるだろう」(8月8日) 「誰も見たことのない事態が北朝鮮で起きるだろう」(8月10日)と述べ、軍事力行使も辞さない強い意志を示していた。

 だが実態は、軍事的「手詰まり」状態であり、現配備兵力ではとても軍事力行使はできない状況にある。

 今年の4月7日、化学兵器を使用したシリアに対し、米国は59発の巡航ミサイルを撃ちこんだ。北朝鮮に対しては、このような「ちょっとだけ攻撃」して「お仕置きを」というわけにはいかない。

 この状況を見透かして金正恩は挑戦的行動を繰り返してきた。拙稿「北朝鮮の核保有を認めざるを得ない米国」(9月7日)でも詳しく述べたので省略するが、簡単に言えばこうだ。

チャンスはたったの1回

 ソウル周辺には北朝鮮の火砲の射程圏に約2000万人が住んでおり、言わば約2000万人が人質状態にある。軍事力行使で核やミサイル施設を破壊するには、同時に38度線に配置された約1万門とも言われる火砲を奇襲的に一挙に無力化しなければならない。

 これを実行するには、海空軍の航空戦力の大規模増派が必要である。だがこれにはロジスティックも含めると最低1~2か月はかかり、奇襲性が失われるというジレンマがある。

 また、この作戦を実行する場合、反撃による犠牲は日本、韓国にも及ぶ危険性が高い。従って両国政府の事前承諾は欠かせないが、特に文在寅韓国大統領は北朝鮮攻撃には強硬な反対姿勢を示しており、承諾を得るのは難しい。

 小規模軍事作戦で「斬首作戦」という選択肢もなくはないが、リアルタイム情報(ヒュミント情報)が決定的に不足している。また「ポスト金正恩」の出口戦略もない。この作戦の特徴は、チャンスが1回しかないということだ。

 しかも金正恩の死を検証できる攻撃でなければならない。(死体が確認できないような攻撃は失敗)失敗すれば反撃の口実を与えることになり、ソウルが「火の海」になる危険性が高い。

 この「手詰まり」状態を最もよく理解しているのはジェームズ・マティス米国防長官である。彼は軍事力行使の可能性も示唆しながらも極めて慎重な発言に終始してきた。

 8月5日の国連制裁決議後、翌6日にはトランプ大統領の「炎と怒り」発言があり、9日には北朝鮮の「グアム包囲攻撃予告」、そして10日には再びトランプ大統領の「誰も見たことのない事態が北朝鮮で起きるだろう」発言があった。

 まさにチキンゲームが過熱するなか、8月13日、ティラーソン国務長官、マティス国防長官はウォール・ストリート・ジャーナルに連名で寄稿して火消しを図った。

 今後の北朝鮮対応として①「戦略的忍耐」は失敗であり、今後は軍事的手段に支えられた外交的努力を主とする②目的は朝鮮半島の非核化であり、北朝鮮の体制変換は求めず(斬首作戦の否定)、朝鮮半島の統一も求めない③交渉を優先する。そのためには北朝鮮がシグナルを送らねばならないというものであった。

 トランプ大統領の激しい言辞とは違い、やや宥和的とも言える両長官の主張であった。だが、これに対する「北朝鮮のシグナル」が9月3日の6度目の核実験だった。

逃げ道を用意したマティス国防長官

 北朝鮮の核実験を受け、ホワイトハウスでの緊急会合後、マティス長官は制服組トップのジョゼフ・ダンフォード統合参謀本部議長と共に報道陣の前に現れ、さすがに厳しく北朝鮮に警告している。

 「米国やグアムを含む米領、そして同盟国に対するいかなる脅威も、大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応に直面するだろう」「殲滅は考えていないが、そうできる数多くの選択肢がある」

 注目点は「米国やグアムを含む米領、そして同盟国に対するいかなる脅威」であり「いかなる攻撃」でないところ、つまり「大規模な軍事的対応」のハードルを一段下げたところだろう。だが「殲滅は考えていない」ということで金正恩を袋小路に追い込んではいない。

 だがその後、この警告を無視するだけでなく、11日の国連制裁決議を歯牙にもかけない15日の「火星12型」の発射だった。米国領であるグアム島を射程圏内の収める弾道弾ミサイル発射の成功は、どうやら米国の姿勢を大きく変えたようだ。

 5月以降、4つの「NO」、つまり ①政権交代は求めない②政権崩壊させない③半島統一を加速化させない④米軍は38度線越えないとの主張を続けてきたティラーソン国務長官も17日、「平和的解決を目指している」としつつ「外交的努力が失敗した場合、残されるのは軍事的選択肢のみとなる」と述べた。

 同日、ニッキー・ヘイリー米国国連大使は「私たちの誰もそうしたいと思っていないし、 戦争は望まない」としつつも「北朝鮮が無謀な行動を続け、米国が自国や同盟国を防衛する必要があるなら、北朝鮮は壊滅する」と警告し、「現時点で、安保理でできることは全てやり尽くした」「外交的手段が尽きればマティス将軍が後を引き受ける」と述べている。

 彼女の言辞は昭和16年11月26日、ハル・ノートを野村・来栖両大使に手交したコーデル・ハル国務長官が、「私はこの件(日米交渉)から手を引いた。後はあなたとノックス海軍長官の出番だ」とスティムソン陸軍長官に報告したのに酷似している。

 これらの発言からキーパーソンであるマティス長官の発言が注目されていたが、18日、彼は意外にも次のように述べた。

 「ソウルを重大な危険にさらさずに、北朝鮮に対して軍事的な対応が可能だ」

 これには筆者も大変驚いた。先述のとおりソウルの2000万人人質状態が軍事力行使の「手詰まり」状態を生んでいるはずだが、これが解決できるとマティス長官が述べたからだ。

ソウルを火の海にしない方法

 8月18日に解任されたスティーブン・バノン主席戦略官も軍事力行使には反対し続けていた。解任される2日前、彼は次のように語っている。

 「通常兵器による攻撃の最初の30分でソウルの1000万人が死なない、という方程式の一部を誰かが解くまでは軍事的解決はない」

 彼もアナポリス(海軍士官学校)出身の元軍人である。軍人であればこの深刻な「手詰まり」はよく理解できる。だからこそ軍事力行使に反対し続けていたのだ。

 このマティス発言に驚いているのは筆者だけではない。方程式はどう解くのだろう。まさにマジシャンがステージで帽子から鳩を出すようなもので、軍事関係者からはいろいろと憶測が飛んでいる。

 6回目の核実験直後に実施されたギャラップ社の米国世論調査では、北朝鮮の 核・ミサイル問題で平和的解決が不可能な場合、米国民の58% が軍事力行使を支持(2003年調査では47%)している。

 共和党支持者では87%、民主党支持者でも37%が支持しており、無党派層も56%が軍事力行使を支持している。

 今後、北朝鮮が国連制裁を無視し続けて、ハワイが射程圏内に入る「火星14型」、そしてワシントンDCまで届く「火星13型」の開発を続ければ、米国民は、平和的解決への取り組みは無駄と判断し、軍事力行使を支持する声はますます上るだろう。

 9月19日におけるトランプ大統領の国連演説はこういう情勢を反映したものに違いない。相変わらず激しく、挑戦的とも言える言葉で北朝鮮を非難している。

 「米国は強大な力と忍耐力を持ち合わせているが、米国自身、もしくは米国の同盟国を守る必要に迫られた場合、北朝鮮を完全に破壊する以外の選択肢はなくなる」

 金正恩朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と呼び、「『ロケットマン』は自身、および自身の体制に対する自爆任務に就いている」

北朝鮮を制圧する方法とは

 問題はその方程式の「解」である。筆者はマティス長官が導き出した「解」であれば、やはり大規模な軍事力行使、つまり正攻法である湾岸戦争型、あるいはイラク戦争型の対応であろうとみている。

 北朝鮮が次に何らかの挑発行動を起こした場合、国連で武力行使容認を取りつける根回しを開始する。同時に米国本土や世界各地に展開する米海空軍の航空戦力を日本、韓国、ハワイ、グアムに増派し攻撃作戦準備を開始する。

 北朝鮮への軍事力行使はシリアとは状況は全く異なる。ヒル元米国務次官補も「韓国には、北朝鮮の大砲の射程に約2000万人が住んでいる」と述べている。

 38度線に集中する約1万の火砲(多連装ロケット砲や長射程火砲など)はソウルを向いており、開戦初頭でこれらを一挙に壊滅させる態勢を確保しなければならない。

 そのための作戦準備である。米本土から三沢、横田、嘉手納に攻撃戦闘機が続々と展開する。グアムのアンダーセン基地やハワイのヒッカム基地からも爆撃機、空中給油機、電子偵察機、大型輸送機等など来援するだろう。

 同時に米国民へ朝鮮半島への渡航中止措置を実施し、NEO(Non-combatant Evacuation Operation)、つまり「非戦闘員退避作戦」を開始する。

 韓国には現在、観光客を含め米国市民や軍人家族(軍人を除く)が24万人所在していると言われる。これらの米国民の退避は米国にとっては最優先事項である。日本人も韓国に5万7000人所在するため同様な措置が必要となる。

 こういった作戦準備に最低1~2か月かかり、その間、中国、ロシア、そして韓国、日本への武力行使容認を取り付けようとするだろう。もちろんそれは容易ではない。

 中国、ロシア、韓国は反対を崩さないだろうし、日本でも事前協議をめぐって反対運動が起きるだろう。

 北朝鮮の攻撃がない限り、湾岸戦争のように国連から白紙委任状を取りつけるのは不可能だろう。イラク戦争のように国連でお墨つきが得られないまま、攻撃に至る可能性もある。

クラウゼヴィッツを信奉するマティス国防長官

 こういった一連の作戦準備で金正恩はようやく米国の覚悟を悟り、交渉に応ずるかもしれない。

 「流血を覚悟して、初めて流血無き勝利が得られる」と言ったのは、クラウゼウィツである。マティス長官はクラウゼウィッツを愛読しているという。彼はこういうシナリオを考えているのではなかろうか。

 マティス長官は最後の最後まで戦争を起こしたくないと考えていると思う。戦争の悲惨さは戦場で戦った者が一番よく知っている。これまでの彼の言辞の端々からそれは伺える。

 ただ戦争というのはちょっとした錯誤、誤解、読み違いで起きる。戦争になれば日本も被害は避けられない。ミサイルは日本にも当然降り注ぐ。「Jアラート」が「狼少年現象」を引き起こすからダメだなんて牧歌的なことを言っていられないだろう。

 実のところマティス長官の「方程式の解」が何だかいまだ分からない。だが、どんな「解」にせよ、日本は無縁ではいられないことは確かだ。日本人に覚悟と当事者意識が求められている。

 日本ではのんびりと解散風が吹き始めた。一度解散ムードが起きると止められないという。解散するのであれば、次の内閣はひょっとして「戦時内閣」になる可能性もある。このことを自覚したうえで日本国民も選挙に臨まねばならない。



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北朝鮮問題に関する国連安全保障理事会の緊急会合で発言するニッキー・ヘイリー米国連大使(2017年9月4日撮影)。(c)AFP/KENA BETANCUR 〔AFPBB News
レッドラインを突きつけ合う米国と北朝鮮
「チキンゲーム」へ


米国は、北朝鮮が米国本土を確実に攻撃できる核弾頭搭載のICBMを保有することを絶対に認めることができない。それが、米国の北朝鮮に対するレッドラインであろう。

他方、北朝鮮は、最高の国家目標である金王朝の体制存続と朝鮮半島統一のための「最後の切札」である核ミサイルの開発、およびそれを中心とする軍事力の行使と経済社会活動を麻痺させる石油禁輸は絶対に阻止しなければならない。

それが、北朝鮮の米国(その他日本を含む反北国際社会)に対するレッドラインであろう。

日本は、アメリカ合衆国(America)、英国(Britain)、中華民国(China)およびオランダ(Dutch)が行った対日貿易制限、すなわちABCD包囲網と、最終的には石油禁輸によって苦境に陥り、その難局を打開するために大東亜戦争(太平洋戦争)へと突入せざるを得なかった。

それを歴史的先例とすれば、日米などが主張している対北石油禁輸を北朝鮮のレッドラインと見なすことに、さほど異論はないであろう。

北朝鮮は、2017年7月4日、弾道ミサイルの発射実験を行い、ICBMだと発表した。米国は当初慎重であったが、後にICBMだと認めた。そして9月3日、北朝鮮は2016年9月9日以来、6度目となる核実験を強行した。北朝鮮は、ICBMに搭載可能な水爆実験に成功したと主張している。

報道によると、2017年7月、米国防情報局(DIA)は、北朝鮮が弾道ミサイルに搭載可能な小型核弾頭の生産に成功したとの機密分析をまとめた模様である。

また、多くの専門家は、弾道ミサイルの実戦配備に必要な弾頭部の大気圏再突入技術を保有しているかどうかは不透明だが、来年末までにこの技術を獲得する可能性があるとみているが、DIAはさらに時期を早め「2018年前半には、核弾頭を載せたICBMを取得する可能性が高い」と指摘している。

日本政府も北朝鮮の核兵器について、17年版防衛白書で「小型化・弾頭化の実現に至っている可能性が考えられる」と分析している。

このように、北朝鮮は、米国本土を確実に攻撃できる核弾頭搭載のICBMの保有に限りなく近づいていると見られており、すでに米国は北朝鮮からレッドラインを突きつけられた格好だ。

他方、8月29日、北朝鮮が事前通告なしに日本の上空を通過する弾道ミサイルを発射したことを受けて、国連の安全保障理事会は日本時間の8月30日朝、北朝鮮を強く非難しミサイル発射の即時停止を求める議長声明を全会一致で採択した。

北朝鮮に中国などが輸出している石油をめぐっては、これまでも米国が禁輸の対象にすべきだと主張してきたのに対し、中国は市民生活に深刻な影響を及ぼすとして強く反対してきた。

しかし、今般の弾道ミサイル発射と6度目の核実験を「これまでにない深刻かつ重大な脅威」と考える日本と米国は、北朝鮮への石油の禁輸も視野に、さらに厳しい制裁決議案を取りまとめる方向で調整に乗り出す方針であり、北朝鮮の生命線にレッドラインを突き付ようとしている。

つまり、米朝関係は、お互いにレッドラインを突きつけつつ、いよいよ危険な脅し合いの「チキンゲーム」の様相を呈しつつある。

初めから勝敗の明らかな「チキンゲーム」

本来「チキンゲーム」は2者の間で行われ、米国と北朝鮮との2国間における「チキンゲーム」は、例えれば、米国のスーパー戦車と北朝鮮の中古軽自動車を衝突寸前まで走らせるようなもので、その勝敗は始めから明らかである。

北朝鮮は、依然として大規模な軍事力を維持しているものの、旧ソ連圏からの軍事援助の減少、経済の不調による国防支出の限界、韓国の防衛力の急速な近代化といった要因によって、在韓米軍や韓国軍に対して通常戦力において著しく劣勢に陥っていることから、「従来の通常兵器を使った“戦場”で米国に直接対抗するのは不可能だ」と認識しているのは間違いない。

そのため、北朝鮮は、核兵器などの大量破壊兵器や弾道ミサイルの増強に集中的に取り組むことにより際立った劣勢を補おうとしている。それが、米朝関係における軍事能力上の基本構図である。

北朝鮮の最高目標は、金王朝体制の存続と南北統一であるが、その最大の障害は米韓相互防衛条約に基づいて陸空軍を中心に約1.7万人の在韓米軍を維持する米国の存在である。

北朝鮮は、米国に戦略的に対抗するためには、核ミサイルが必要不可欠であるとして、国際社会からの非核化の要求をものともせず、核ミサイルの地位と役割を最高度に押し上げ、「最後の切札」として、その開発と運用に大きく依存しようとしている。

繰り返すまでもなく、世界の覇権国家である米国と世界の最貧国の1つである北朝鮮との2国間における「チキンゲーム」の勝敗は、自明である。

しかし、米朝間の「チキンゲーム」は、周辺国を巻き込んで展開されているのが特徴であり、同盟国である日本や韓国を人質にすると脅されている米国と、世界の大国である中国とロシアから支援を受けている北朝鮮の置かれた立場が、この「チキンゲーム」を余計に複雑にしている。

中露が絡んで複雑化する「チキンゲーム」
石油禁輸を渋る中国と石油輸出を拡大しているロシア


北朝鮮の核ミサイル開発をめぐる米朝の対立には、朝鮮戦争における地政学的対立の構図が基層となって横たわっており、日米韓と中露鮮の利害が絡んだ複雑な「チキンゲーム」になっている。

「中朝友好協力相互援助条約」を締結し、北朝鮮と「血の友誼」の関係にある中国は、8月採択された新たな国連制裁決議に盛り込まれた北朝鮮からの石炭や鉄鉱石、海産物などの輸入禁止には応じた。

しかし、北朝鮮への石油輸出については、中国から北朝鮮へ年間50万トン程度の原油を供給しているパイプラインをいったんストップすると、その再開に膨大な時間と労力を要するとの理由を挙げて、禁輸を渋っている。

その一方で中国は、国連の禁輸リストに含まれていない織物材料や他の労働集約財などを輸出し、より安い労働力が享受できる北朝鮮での製造を増やして、「メイド・イン・チャイナ」のタグをつけた北朝鮮製商品を、世界中に輸出している。

このため、中朝貿易は、国連制裁決議にもかかわらず減少するより増加している模様であり、中国の対北朝鮮制裁は国際社会が期待するような効果を上げていない。

「露朝友好善隣協力条約」を締結し、北朝鮮への融和姿勢を取るロシアは、今年1~6月に、ガソリンやディーゼル燃料など石油製品の北朝鮮への輸出を前年比で倍増させていたことが露税関当局の資料から明らかになった。

専門家は、実際には統計をはるかに上回る石油製品が北朝鮮に輸出されていると指摘する。北朝鮮の核ミサイル開発への国際的な非難が高まるなか、北朝鮮を経済面で支えるロシアの姿勢が改めて鮮明になった。

また、北朝鮮が発射したICBMに使われたエンジンは、ウクライナで生産され、ロシアに納入されていたものが北朝鮮へ流出した可能性がある、との指摘もある。

このように、中国は石油禁輸を渋り、ロシアは石油輸出を拡大しており、北朝鮮を現実的に追い詰める厳しい措置に議論が及ぶと、中国やロシアが慎重姿勢を崩さない。

このため、日米などが石油禁輸によって北朝鮮の生命線を止めようとする「チキンゲーム」は、国連を舞台にした外交的な駆け引きの中で、その行方が見通せない状況になっている。

日米は対北強硬策を緩めてはいけない

中露は、北朝鮮を支援し、日米が誘導しようとしている「チキンゲーム」を回避しようとする一方で、北朝鮮が米国に対してレッドラインとして突きつけている核ミサイル開発を放棄させるための有効な措置を講じる姿勢を見せていない。

これに対して米国のドナルド・トランプ大統領は、「レッドラインは引かない」が、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と繰り返し警告している。

米国は、過去に、旧日本海軍にパールハーバーを攻撃されて日米戦争に突入し、「9・11」のアメリカ同時多発テロを受けて、アフガン戦争、イラク戦争に突入した。

その歴史が暗示するように、トランプ大統領が「米国にとって非常に敵対的で危険」と非難する北朝鮮が、米国本土を確実に攻撃できる核弾頭搭載ICBMを保有すること自体、将来への脅威を見越せば、絶対に認めることができないだろう。

9月3日、北朝鮮の核実験を受け、トランプ大統領が国家安全保障担当補佐官らと協議した後、ジェームズ・マティス国防長官は「米本土またはグアムを含む海外領土、あるいは同盟諸国に対するいかなる脅威も、大規模な軍事対応をもって迎えられるだろう、実効的かつ圧倒的な対応だ」と言明した。

このように、今後の外交努力によって北朝鮮の非核化が達成できない場合、同盟国である日韓に及ぼす影響を慎重に考慮したとしても、「米国第一主義」を掲げるトランプ政権が軍事行動をためらう最終的な理由にはならないのである。

中露や北朝鮮に誤算があるとすれば、その点であろう。中露が支援して日米から突きつけられている北朝鮮に対するレッドラインを回避できたとしても、米国はすでに北朝鮮によってレッドラインを突きつけられている以上、軍事的選択肢を放棄することはできないのである。

その際、「朝鮮半島の非核化」が国連安保理事国の共通した目標であったとしても、米国による軍事攻撃は、北朝鮮が金王朝体制存続のために全面対決を躊躇ない可能性が大きいことから、核ミサイル(およびその関連施設)だけを標的にした限定攻撃にとどめることはできない。

金正恩の斬首作戦による体制転覆はもちろんのこと、韓国の首都ソウルを火の海にすると豪語する軍事境界線沿いに配備された1万3600両といわれる大砲や多連装ロケット砲の一挙制圧、陸海空軍基地や地下に造られた攻撃拠点・兵器弾薬庫の破壊など、国土が消滅するくらいの全面攻撃になることは避けられないのではなかろうか。

その結果、中露は、米国が隣人となりかねない地政学的最悪の条件を受け入れるか、それとも、北朝鮮を支援して何らかの形で米国との軍事衝突に介入するかの重大な選択を迫られことになる。

つまり、中露の賢明な選択は、日米が要求する対北朝鮮石油禁輸を受け入れて、米朝両国がギリギリまで追い込まれる、正面からの「チキンゲーム」を成立させることである。

そのような段階に至れば、ようやく対話や交渉などによって問題の解決を図ろうとする外交の場に役割が移り、北朝鮮の非核化を平和的に解決し、金王朝の体制存続をも可能とする希望が生まれるというものである。それが国際政治を動かす現実である。

この「チキンゲーム」を通じて日本(そして韓国)に求められることは、「非合理の合理」を追求する北朝鮮が及ぼす自暴自棄的な軍事的リスクに敢然と対決する覚悟を決め、わが国およびアジア太平洋地域の安全保障を確保するうえで必要不可欠な日米同盟とその集団的自衛(相互防衛)の体制を堅持する立場をより明確にして、米国とともに対北強硬策を緩めないことであろう。
私達 国を憂う保守派は、今日の北朝鮮が核弾頭を積んだミサイルを保有する事態になることを、おそれていました。

国を守ることの重要性、国益を守ることが大切だ。次の戦争を防ぐためには、憲法九条を改正し、軍備増強をすべし。中国、韓国、北朝鮮に迎合する、危険性を言い続けてきた。

それを右傾化、軍国主義化だと左翼は、ネトウヨだと嗤笑し続けた。
左翼は、今日の事態に至っても、対話が必要だと脳味噌は眠ったままだ。
戦争だけは絶対避けなくてはならないと、脳細胞はまるで活動していない。

我々保守派は戦争を避けるために、どうしたらいいかということを、過去の歴史、外交、社会力学、軍事の観点考え、憲法改正と軍事力の充実を説いてきた。
北朝鮮や、中国が日本に仇を成そうとするならば、大きな犠牲を被ると思わせなければ、戦争を避け、平和は保てないのである。

左翼は、前から日本はノドンの射程内だったかたら、今までと何等変わらない、騒ぎ過ぎだと言う。対話が大切だとしか言わない。これは日本を軍国化したい安倍政権の意図だとか言う。まるでわかっていない。ノドンの射程内にはあったが、まだ搭載できる核兵器は持っていなかった。だが、北朝鮮はノドンに搭載できる核兵器を既に保有してしまったと思われるのである。

対話では埒(らち)が明かないからこうなったのである。左翼の馬鹿共は、北朝鮮の核ミサイルが日本に墜ちても、安倍が悪いと言うだろう・・・・

宇宙船地球号の船長は、時には断乎たる措置をとることを覚悟しなくてはならない。
船長は船内で暴力が起きれば、起こした人間を営倉に閉じ込め下船を命じなくてはならない。そうしないと多くの乗客の命を守ることができないのである。

北朝鮮の核武装計画を始動させた1990年代初頭、それを知った米大統領ビルクリントンは北朝鮮攻撃を決意したと言う。

1994年米軍の攻撃目標は寧辺周辺にある核関連施設一か所だった。これをピンポイント攻撃するものだが、これによって100万人以上の韓国人と10万人以上のアメリカ人が死亡するとの試算が米政権内で出された

それを知った、金泳三韓国大統領(当時)が、泣き付いて中止にしてしまった。おそらく攻撃を止めさせるために、多額の政治献金もクリントン大統領に渡ったのではないかと私は推察している。

育ちが悪い、ビルクリントンは1992年の大統領選に出馬したとき、中国共産党と人民解放軍から、華僑財閥を経由し少なくとも125万ドル(1億3500万円)の違法な政治資金(賄賂)を受け取っている。
 
その隠れ蓑はインドネシア・香港・中国に拠点を持つリッポ・グループ(力宝集団)である。リッポはインドネシアの華僑財閥・リアディ家が所有する企業集団であり、銀行業・不動産業・流通業・観光業等を経営している。

その後クリントンは中国を優遇し、日本を軽んじる日本パッシング政策をとる。1996年の大統領選挙では、クリントン夫妻へ、はるかに巨額な賄賂が動いた。 出所:伊藤貫『中国の「核」が世界を制す

クリントンは人民元が六〇パーセントも切り下げられたので、中国は貿易上きわめて有利な立場に立った。

このほかクリントン大統領はアメリカの最新技術を中国に輸出することを許可した。中国が日本の技術に対抗する製品をつくるのを助けたのである。もっともクリントン大統領はこれをやりすぎてしまった。中国自身ではとうてい開発できないミサイルの三段目の姿勢制御技術まで中国に売ってしまったのである。

この結果中国は、アメリカ本土を攻撃できるミサイルの開発に成功した。言い換えれば、クリントン大統領はアメリカの安全を中国に売ったことになる。ところでこうした話を聞くたびに私が思い出す人物がいる。終戦後の日本にCIAがやってくる前に、ソビェトや中国、北朝鮮のスパイを相手にしていたマッカーサー元帥のお庭番、キャノン機関の親玉、ジャツク・キヤノン中佐である。

「アメリカ人というのは、相手がこっちのノドを絞めるつもりで買うローブだろうと、儲けになりさえすれば、そのロープを売るんだ」

昨年ヒラリーが落選したのは、ヒラリーがあまりに金に汚かったからであるというのは有名な話だ。国務長官の職権を“乱用”し、表看板が「慈善団体」であるクリントン財団に国内外から20億ドル(約2127億8000万円)以上集めた。ところが、そのうち約18億ドル(約1915億円)が事 務所経費などの名目で消失しているという。

要は、民主主義の弱点である選挙資金を中国や韓国のマネーに頼ったことで、今日米国は取り返しがつかない事態に陥ったのである。

米軍が持てる全てのハイテク兵器を駆使し、北朝鮮全土の核施設を同時大量攻撃を仕掛けなくては、ならない羽目になった。

そして、もし、この機会を逃したら、北朝鮮をのさばらせ、米国による世界平和パックスアメリカーナは終焉を迎える公算が高い。

日本にとって最悪の事態は戦争が起きない事
【トトメス5世】2017年09月08日09:00

北朝鮮程度の国と戦争できないようなら、アメリカは中国軍に押されてアジアから撤退する

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引用

北朝鮮の核ミサイル開発を支援したアメリカ


北朝鮮は6回目の核爆発実験を行い、早ければ来年には世界の半分を射程にしたICBMを保有すると見られている。

世界の人々は戦争をせずに解決する「うまい方法」は無いかと探しあぐねているが、その「うまい方法」を探す事がここまで事態を悪化させた。

1990年代初期に北朝鮮がミサイルと核を開発し始めたころ、アメリカはまだ唯一の超大国で、ヌイグルミを踏みつけるように北朝鮮を潰す事が可能だった。
         

だがビルクリントンという「アホ」大統領が平和的に問題を解決してしまい、核ミサイルの開発資金まで援助した。

日本も北朝鮮の核ミサイル開発に対して、戦争を避けようとし、平和的解決をアメリカに働きかけた。

1990年代中ごろまでに北朝鮮の政権を排除し、ミサイルと核を無力化すれば、今の事態には至っていませんでした。


1990年代はまだ北朝鮮による日本人拉致は無かったとされていたので、日本は謝罪と賠償までしようと働きかけていました。

2番目のチャンスは2000年代に再び北朝鮮が核とミサイル開発を加速させた時で、中東諸国にミサイルを輸出していたのが判明していました。

だがアメリカは当時成長していた中国市場で利益を挙げるのを優先し、また北朝鮮にお金や食料を渡して問題を先送りにした。


それだけでなくアメリカは日米貿易摩擦に北朝鮮を利用し、「日本は北朝鮮に謝罪しろ」と何度も要求していました。

北朝鮮には援助する一方で、日本には謝罪と賠償を延々と要求し続け、まるでアメリカと北朝鮮は同盟国のようだった。

実際アメリカが北朝鮮に渡した食料などは中国に輸出して換金され、核ミサイル開発に使われました。


アジアの覇権はアメリカから中国に移動


そうやって北朝鮮をちやほやしてきた結果、ついにアメリカ本土に達するICBMを完成させ、来年には核弾頭を搭載します。

アメリカはここに至ってやっと自分の間抜けぶりに気づいたが、とき既に遅く、全面戦争か北朝鮮を認めるかしかなくなりました。

中国にとってこれは実に望ましい事態で、北朝鮮が核武装する事で、アメリカはアジアから追放されます。

北朝鮮にすら手も足も出なかったアメリカが中国やロシアと戦争できる筈が無いので、もう世界の誰もアメリカ軍を恐れなくなります。

同時にアメリカ軍が日本を守る事ができないのもはっきりし、日本は「中国軍の」勢力下に入る事になります。

日本が憲法9条を廃止して再軍備し、核武装もするなら独立を維持できるが、アメリカ軍が守らない、自前の軍備もないのでは中国の支配を受け入れるしかありません。


中国軍が「沖縄の植民地支配を辞めないなら、日本を核攻撃して解放する」と言われれば、はいそうですねと明け渡すしかなくなります。

沖縄を手に入れた中国は、朝鮮や台湾、満州と同じように「日本は琉球を植民地支配した」とありとあらゆる戦争犯罪をでっち上げます。

沖縄の人間は若干思考力が足りない人が多いので、「日本が植民地支配した」「琉球は中国だった」と言われれば、喜んで反日闘争を始めるでしょう。


こうして中国は労せずしてアジアの支配者になり、尖閣や沖縄を手に入れ、軍事力を持たない日本は謝罪して許してもらうしかなくなります。

アメリカは「北朝鮮にすら歯が立たない」レッテルを貼られ、超大国からイギリスのような3等国家に転落するでしょう。

問題はアメリカ人自身がこうした影響を理解していない事で、「トランプのロシア疑惑」や「オバマケア」「ハリケーン」の方が重要だと考えている。


バカは死ななきゃ直らないの諺通り、日本もアメリカも、もっと痛い目に遭わなければ気づかないでしょう。

例え日本が北朝鮮にミサイル攻撃されたとしても、それは問題を先送りにしてきた日本人自身のせいであって、他の誰のせいでもありません。

平和が尊いと言って北朝鮮攻撃に反対し、北の核武装に協力してきた人間が、北朝鮮に攻撃されて死ぬのは「自業自得」です。                    



日本は、米国無しでは、軍事大国中国と対峙することができない。

沖縄に侵攻し、日本全土の占領を企む中国から国を守るには、米国との軍事同盟は必須なのである。

世界最大の債権国(金を貸している国:債務国ではない)である日本の安全が守れないのなら、米国は日本から基地を完全撤去せざるをえない。

米ドルとは日本やドイツに勝利した軍事力に裏付けられた世界秩序の中で使用することができる紙切れでしかないのだ。

これが、北朝鮮にも勝てない軍事力を持たない国の紙幣であり、生産より浪費が激しい国の紙幣であれば、瞬く間にドルの価値は暴落するだろう。

日本も中国も米国債を買わなければ、米国債は買い手を失い大暴落、国債が暴落すれば、金利が上がり、経済は縮小し、ドルは暴落、それでも基軸通貨であるため、ドルを印刷することはできるが、刷れば刷るほど価値は下がり、消費も縮小、経済は崩壊です。基軸通貨の地位を失えば、米国の絶対優位な通貨発行益(ショニレッジ)を失えば、現在の英国のような地位に甘んじることになるだろう。




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ラヂオプレス(RP)によると、北朝鮮の国営メディアは3日午後、大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験に「完全成功」したと伝えた。同国核兵器研究所の声明として報じた。
号外の写真から前方後円墳のような容器は水爆だ、「水爆実験」」に成功したと思い、記事を書き出そうと思った瞬間に、ラヂオプレスに先を越されてしまった!
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【ソウル=桜井紀雄】日本政府によると、日本時間の3日午後0時29分ごろ、北朝鮮でマグニチュード(M)6・1の地震波が観測された。河野太郎外相は3日午後、「北朝鮮が核実験を行ったと政府として断定する」と外務省で記者団に述べた。

北朝鮮による核実験は6回目。咸鏡北道(ハムギョンプクト)豊渓里(ブンゲリ)の実験場で行われたとみられる。北朝鮮は9日に建国記念日を控えており、記念日を前に核実験に踏み切ることで、国際社会による制裁の中でも断固、核・ミサイル開発を推進する意思を示したものだ。安倍晋三首相は3日午後、官邸で記者団に対し、「北朝鮮が核実験を強行したとすれば、断じて容認できない」と強く非難。国家安全保障会議(NSC)を開催した。

朝鮮中央通信は3日朝、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が核兵器研究所が新たに製造した大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する水爆を視察したと報道。金委員長は「核戦力完成に向けた最終段階の研究開発を締めくくる総力戦を展開しなければならない」と強調していた。

核実験は金正恩政権に入って4回目。米国でトランプ政権が発足した後、初となる。

北朝鮮は8月上旬、米領グアム沖への弾道ミサイル発射計画を公表。金委員長がその後、「米国の行動を見守る」と発射の保留を示唆し、一時緊張緩和に向かうとの観測もあった。しかし、米韓両軍が先月末まで合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」を実施した際、北朝鮮は反発し、「無慈悲な報復と懲罰を免れない」と警告。8月29日には、中距離弾道ミサイル「火星12」を、北海道上空を通過する形で太平洋側に発射し、日米への対決姿勢を鮮明にしていた。

先程 庭のぶどう棚で葡萄を収穫していたら、家内が「やっちゃったよ!」と叫んだ。
「なにが?」と聞けば北朝鮮で核実験という。

遂に、朝鮮は地獄の窯の蓋を開けてしまった。日本人も含め、これから朝鮮半島でどれだけの人間が死傷するのか?どれだけの悲劇が起きるか?考えるだけで恐ろしい。

もし、ここでトランプが決断しなければ、米本土でも悲劇が起きるかもしれない。
核均衡による平和は、正常な人間と正常な人間の理性により保たれる。

常軌を逸するイスラム原理主義者や、朝鮮のヒトモドキ相手に核による平和は保てる保証がない。

もし、北朝鮮に核保有を認めたならば、今後奴らは、金を寄越せ!食料を寄越せ、制裁を解除しろと我々を脅迫するだろう。

理性の無い北朝鮮は、シリアやイラン、ISIS、下手をすればテロリストに核兵器を平気で売り渡すだろう。

トランプが北朝鮮攻撃を躊躇えば、自国民の生命が脅かされるだけはなく、米国は覇権国の地位を失い、ドルが基軸通貨ではなくなり、米国の覇権パックスアメリカーナは完全に終焉となる。北朝鮮をもし米国が攻撃しなければ、米国は失うものは大きすぎる。

しかし、貴重なBMD対応イージス艦7隻のうち2隻も失った現状の第七艦隊では、直ちに北朝鮮征伐を行うことは得策ではない。半島や日本から事前に米国国民を避難させることが最初に行うだろう。米国民の避難は北朝鮮を挑発することになり、米国は北朝鮮から先に手を出させる策を考えるだろう。

韓国は、米国を戦争に駆り立てさせない為に、日本人や米国国民の出国を認めない実質人質作戦を文在寅ならやりかねない。最悪、電撃訪問もやりかねない。

さあ、問題は中国だ。北朝鮮用の石油パイプラインを止めるのかそれとも、米国に北朝鮮と関係があると見做された中国のメガバンクとの取引を停止されるかの二択を選択させられるかもしれない。

北を抑えられない中国…トランプ氏の切り札は“超メガバンク”制裁 
【ZAKZAK】田村秀男 お金は知っている 2017.7.7

イメージ 3核・ミサイル開発で挑発を繰り返す北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長。トランプ米大統領は4日の弾道ミサイル発射について、大統領得意のツイッターでも「たぶん中国が重く動いてこのばかげた行動を終わらせるだろう」と発信した。                                           トランプ氏は中国の習近平国家主席からは裏切られっ放しなのだが、今度ばかりは何やら確信ありげである。本当にそうなるのか。                                    
 世界の銀行資産規模ランキング                            
伏線は、6月末に米財務省が発表した中国の丹東銀行への金融制裁である。中朝国境の遼寧省丹東市にあるこの銀行は北の核・ミサイル開発を金融面で手助けしたという。ドル取引が禁じられ、国際金融市場から締め出される。

米国が北朝鮮関連で中国の金融機関を制裁対象にしたのは初めてだが、中国側の反応は抑制気味だ。「他国が自身の国内法に基づき、中国の企業や個人を統制することに反対する。米国側が直ちに誤りを是正するように求める」(6月30日、中国外務省の陸慷報道官)と、反発も紋切り型だ。

ワシントン筋から聞いたのだが、米側は丹東銀行について、事前に中国側と打ち合わせしたうえで「制裁」を発表した。当然、丹東銀行が米側の容疑対象であることを中国側は事前に察知しており、米側制裁に伴う混乱を回避する対応措置を取っている。

混乱とは、丹東銀行への信用不安から預金者による取り付け騒ぎが起きることなどだ。もとより、丹東銀行のような地域に限定された小規模な金融機関なら、カネを支配する党の手で信用パニックの防止は容易だ。丹東銀行制裁は米中の出来レースなのだろう。

そんな現実なのに、中国がトランプ氏のつぶやき通り「重く動く」だろうか。トランプ政権は制裁の切り札を温存している。中国の4大国有商業銀行の一角を占める中国銀行である。

米ウォールストリート・ジャーナル紙によれば、国連の専門家会議も、中国銀行のシンガポール支店が北朝鮮の複数団体向けに605件の決済を処理していたことを把握している。今年2月には米上院議員有志が、中国銀行が北の大量破壊兵器開発に資金協力してきたと、ムニューシン財務長官に制裁を求めた。

米財務省は言われるまでもなく、オバマ前政権の時代から中国銀行の北朝鮮関連の資金洗浄を調べ上げてきたが、何しろ相手は資産規模で世界第4位、三菱東京UFJ銀行の1・5倍、米シティバンクの2倍もある超メガバンクで、国際金融市場で中国を代表する。

制裁対象になれば、米金融機関ばかりでなく外国の金融機関とのドル取引が禁じられる。中国側の反発の激しさはもちろん、国際金融市場への波乱は丹東銀行の比どころではない。

米外交専門誌「フォーリン・ポリシー」によれば、オバマ前政権時代でも中国銀行は俎上にのぼったが、金融市場への影響や中国との関係悪化などの事態に対応準備ができない、ということで、おとがめなし。ビビったのだ。トランプ政権はどうするか。(産経新聞特別記者・田村秀男)

【正論・北朝鮮ICBM発射】 中国「メガバンク」へ制裁発動せよ トランプ政権は「忍耐」が本音ならオバマ批判の資格はない 
【産経ニュース】モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授・西岡力 2017.7.11 08:30¥

北朝鮮が4日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したが、残念ながら20カ国・地域(G20)首脳会議の宣言に北朝鮮問題は言及されなかった。その上、対北制裁の鍵を握る中国とロシアはG20の直前にモスクワで開催した首脳会談で、北朝鮮の核・ミサイル開発と米韓合同軍事演習をダブルで凍結するという驚くべき提案を行い、制裁強化に反対した。また韓国の文在寅大統領は対話にこだわっている。

≪米国が突きつけた北支援リスト≫

やはり、日米同盟を主軸として圧力を強化するしかない。その点で注目されたのが、8日のトランプ米大統領と中国の習近平国家主席との会談だった。トランプ大統領は「思った以上に時間がかかるかもしれないが、最後はうまくいくだろう」と述べた。一方、習主席は「敏感な問題にもかかわらず米中関係は前回の会談から進展した」と語った。

このやりとりだけなら、お互いを尊重する友好的会談だったことになるが、実際はかなり厳しいやり取りがあったと私は推測している。トランプ大統領は、中国がロシアと組んで国連安全保障理事会での対北制裁強化を邪魔するなら、中国の企業や銀行へ制裁を行うと脅した可能性がある。習主席はそれに激しく反発しただろう。

ある米軍関係者から、次のような話を聞いた。「水面下での中朝取引は続き、事実上、中国は北朝鮮の核ミサイル開発を助けてきた。われわれはもうだまされない。北朝鮮と取引をしている中国企業を徹底的に調査してきた。その結果の一部が、米国のシンクタンク(C4ADS)が公表した報告書に載っている。北朝鮮と取引する中国の企業に、それを続ければ米国との取引を失うがそれでよいのか、という問いを突きつけなければならない」

ここで言われている「米国との取引を失う」という意味は、いわゆる二次制裁、つまり北朝鮮と取引する企業や銀行に対して、米企業との取引とドル決済を禁止する制裁のことだ。国際金融市場を支配する米国が国内法に基づき行う独自制裁だ。6月21日にワシントンで開かれた米中安保対話でも、それが議題になった。米国政府は中国に二次制裁候補として調査が終わっている代表的な10社のリストを渡したという。

≪トランプ氏の真剣さが試される≫

すでにC4ADS報告書が疑惑を指摘した中国企業への二次制裁が実施されている。昨年8月の報告書「中国の影」が取り上げた遼寧省の貿易会社「丹東鴻祥実業発展有限公司」は、同年9月に米財務省により、北朝鮮の核開発や金融取引を手助けしたとして制裁対象に加えられた。

今年6月の報告書「危険なビジネス」が言及した「丹東至誠金属材料有限公司」も、欧米銀行にある資金が差し押さえの対象になっている。米国検察当局が米国国内法に基づいて、JPモルガン、シティなど米欧の主要銀行8行に対して中国の企業との取引に関わる資金7億ドルを差し押さえる手続きを進めているのだ。その一つがこの「丹東至誠金属材料有限公司」だった。米国の検察は「北朝鮮軍や同国の兵器開発計画」などを利する制裁逃れの取引であったと指摘している。

米政府は6月29日、北朝鮮の核・ミサイル開発を支援した中国企業「Dalian Global Unity Shipping Co」と、北朝鮮のマネーロンダリングに関与した丹東銀行に米国との取引停止、ドル取引停止という制裁をかけた。中国政府は「他国が国内法に基づいて中国の企業や個人を統制することに反対する」(外務省報道官)と、強く反発している。

米国は現在、中国4大銀行の一つ、中国銀行への制裁の準備を進めている。米紙ウォールストリート・ジャーナルは4月25日付の社説で中国銀行へ二次制裁をかけよと主張した。「国連の専門家パネルによれば昨年、中国銀行のシンガポール支店が北朝鮮の事業体の決済に605回関与している。中国政府はこの国連リポートの発表を阻止したが、内容はメディアにリークされた」「(制裁発動は)トランプ氏の真剣さに関する最小限のテスト」だと書いている。

≪「戦略的忍耐」の誤り繰り返すな≫

中国銀行は資産規模2・5兆ドルで世界4位のメガバンクだ。その銀行が、ドル取引ができなくなることは中国だけでなく米国経済にも悪影響を及ぼす。しかし、軍事行動と異なり人命被害は出ない。

トランプ政権は発足以来、繰り返しオバマ政権の「戦略的忍耐」政策を批判してきた。しかし、ティラーソン国務長官はG20での記者会見で「(北朝鮮核問題解決には)少し時間がかかる。ある程度の忍耐は必要だ」と「忍耐」という用語を使い始めた。これが中国銀行への制裁の準備のための“偽装”でなく本音なら、もはやオバマ政権の対北政策を批判する資格はない。(モラロジー研究所教授・麗澤大学客員教授・西岡力 にしおかつとむ)
私は、レッドラインを越えたと思っているのだが、夕方や夜の報道番組は酷かった。

平和ボケからくるのか、報道番組に出ているコメンテーターの頭が単に悪いのか?それとも私の頭が悪いのか?

有識者のはずのコメンテーターが、戦争は絶対にないと決めつけ、「大丈夫、裏できちんと交渉をしているし、米朝協議に入れば丸く収まる」と、いったニュアンスのコメントをしている。

北朝鮮と話し合いをしても無駄だというのに、ここにきてハードルを下げ尚、話し合いで決着がつくであろうと、信じているようだ。戦争になると言っているのは、一部だけだ、ありえないと親半島派の武貞秀士元防衛研究所、現拓大特任教授は、言い切っていた。

なんなんだか?とにかく戦争なんて起きないと言う。パヨクTVの都合がいい部分を繋ぎ合わせ、戦争なんてない、安倍首相らが危機をいたづらに煽っているだけだみたいなニュアンスで番組を構成していた。確かに韓国から米国市民を逃がしていないし、北朝鮮根の対話路線のハードルを下げ譲歩しているかのように見える。確かにその通りだ。ホワイトハウスや国務省は戦争回避で動いていると説明。

確かにその通りだ、だが、戦争を準備していますと公に言うだろうか?両方で動いているのだ!

トランプはやる気満々に見えるのに、オバマ政権より弱腰に北朝鮮に対応するのだろうか?あるかないのにわからないのに、一方的に楽観論を流してどうする!

安倍・トランプ電話会談が1週間で3回というのは、アメリカが安倍首相に対し朝鮮征伐をやると言ったからだろうぐらい、素人の私ですら予想がつく。実際にやるかやらないかは、地震と同じで、誰もわからない。米国内、トランプ政権内でも意見が違うだろう。

「備えあって憂いなし」地震と同じで、備えることを啓発することがメディアの役割である。

あるかもしれない惨事を予想し、被害を最小限に食い止めようと考えるべきであって、騒ぐのは、憲法を改正させようとしている人たちが悪いなどと主張するパヨクいうことなど、信じてはならない。やつらのいう事を地震に置き換えれば、「地震なんて絶対おきません、だから騒ぐのは愚かしい」と言っているのに等しいではないか!

ところで、平昌冬季オリンピックは開催できるのだろうか?
もう一つものすごく気になることがある。

今回M6.1の地震を起こしたのだが、地震がほとんどない朝鮮半島で、このM6.1相当の核爆発は白頭山の噴火を誘発するのではないか?

北朝鮮の核実験で火山噴火の恐れ?、専門家が懸念
【CNN】2017.05.02 Tue posted at 17:38 JST

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中朝国境に位置する白頭山。北朝鮮の大規模な核実験で噴火する恐れがあるという。

(CNN) 北朝鮮が6回目となる核実験を実施すれば、その巨大な振動が大地を伝わり、中国との国境にある火山の噴火活動を誘発しかねない――専門家の間でこうした懸念が浮上していることが2日までに分かった。

米シンクタンク、ランド研究所の上級アナリスト、ブルース・ベネット氏は、北朝鮮が核実験を行った場合、その規模によっては中朝国境に位置する白頭山が噴火する可能性があると警鐘を鳴らす。

ベネット氏はCNNの取材に対し、実際に起こるとすれば「間違いなく大噴火になるだろう。中国と北朝鮮の両国で、数万人とは言わないまでも数千人の死者が出る恐れがある」と明言。「中国側はもう何年も、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が火山の噴火を引き起こす事態を懸念している」と述べた。

米スミソニアン博物館の火山調査を手掛けるプログラムによれば、白頭山の100キロ圏内にはおよそ160万人が暮らす。また白頭山と北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場は、115~130キロ程度しか離れていない。

北朝鮮が国際社会で孤立しているため、白頭山に関しては科学的な知見が十分に得られていないのが実情だ。キングス・カレッジ・ロンドンで地理学と環境危機を専攻し、2000年代には白頭山の噴火活動を調査する国際研究チームにも加わったエイミー・ドノバン博士は「白頭山の地下からマグマが供給されるシステムについてはあまり知られていない。マグマだまりの大きさや深さ、状態もほとんど分かってはいない」と指摘する。

北朝鮮による直近の核実験で生じた爆発の威力は、推計でTNT火薬10キロトン分。ドノバン氏は、この規模であれば白頭山が噴火する公算は小さいとみている。ランド研究所のベネット氏によると、50~100キロトン分の威力が生じた場合、深刻な影響を及ぼす可能性がある。

スミソニアン博物館のプログラムによれば、白頭山が最後に噴火したのは1903年にさかのぼる。噴火の規模としては、直径5キロのカルデラが形成された946年の噴火が最大と考えられている。
神国日本を仇成す国は亡びる。まあ、これは皇国史観というものかもしれませんが、もし、北朝鮮が日本に向け核ミサイルを発射しようとしたならば、白頭山が爆発するような気がしてなりません。

まあ、パヨクが楽観論を言うと批判した手前、これは妄想かもしれません。

第二次世界大戦で日本に勝った米国は滅びていないじゃないか?と反論されそうなので、ある意味で、第二次世界大戦の勝者は日本であるという考え方もある。

安濃 豊 『 戦勝国は日本だった:米陸軍寒地研究所にて 』( 柏艪舎、2006.5.8 )

(略)
標題にある 「 戦勝国は日本 」 という説は、上海出身で台北帝国大学に留学し、シナの共産化で帰国先を失ったまま米国に居据わったシナ人 「 ワン 」 先生の説の紹介としてちょっと出てくるだけです。

190頁: 「 君の国は白人国家と戦ってアジアを解放した国だろう。僕達アジア人から言わせると、太平洋戦争の戦勝国は日本と戦後独立したアジア各国で、敗戦国は欧米白人国家だ。理由は簡単、戦争で独立と自由貿易をえたのは日本とアジア各国、白人国家はすべての植民地を失い、アメリカなんかは朝鮮戦争、ベトナム戦争で手痛い敗北を喫することになる。一方、日本とアジア各国は目覚ましい経済発展を遂げ、戦前より遙に豊かな国となった。これを戦勝国と言わずして何と言うのかね。日本はアジアを解放した英雄なんだよ 」

196-197頁: 「 侵略者を追出した戦争の何処が侵略戦争なのかね。白人国家は数百年にわたってアジアを侵略支配して来たが、彼らを追出したのは日本軍だろう。しかも、その後日本軍は現地の青年達を組織して軍事訓練を施し、しかも敗戦間近と分かると、占領下の各国を独立させ、連合国への投降前に武器弾薬を独立軍に与え、さらに一部の日本兵は現地に残留して現地独立軍の指導に当り、各国を独立へ導いた。インドネシア独立戦争、第一次インドシナ戦争、そしてベトナム戦争まで残留日本兵が闘っていたことを日本人は知らないのかな 」
  「 でもワン先生、当時の日本は白人国家をアジアから追出し、白人国家に成り代って支配するつもりだったんじゃありませんか 」
  「 たとえそうであっても、結果は結果。日本はアジア地域から白人勢力を駆逐した。そして降伏後、本国に引揚げた。これが歴史の事実だ。私達科学者にとって、受入れられるのは事実のみ。……それまでアジアは惨めなもので、日本とタイ以外はすべて白人国家の植民地か半植民地、私の祖国中国では蔣介石は米英、毛沢東はソ連というふうに、白人国家の下僕として日本の足を引っ張っていた。全く情けない国ですよ、中国は 」

以下略
もう一つ、楽観論

北朝鮮は帝国陸軍が作った国であるから日本に核を打ち込むわけがないと・・・・


悲劇の金正男  2017/2/19(日) 午後 11:42 



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韓国大統領「徴用工」でも日本に対応要求
【Yahooニュース】8/16(水) 1:43配信 

韓国では、日本からの独立を祝う光復節となる15日、在韓日本大使館の前で、日本政府に賠償と謝罪を求める集会が行われた。

2015年12月、日韓合意で解決したはずの、慰安婦問題。
しかし、ここ最近では、市民団体がバスに慰安婦像を設置したり、ミニサイズの慰安婦像を展示したりと、日本への反発は過熱する一方となっている。

さらに、日本大使館の前で、赤いリボンにくぎを打ち込む男性。
ここには、太平洋戦争中に朝鮮半島から徴用された労働者を象徴する、徴用工像を市民団体が設置する意向。
今、韓国で拡大しているのが、この「徴用工問題」。

2017年6月に、徴用工を描いたと主張する、映画「軍艦島」が韓国で公開され、大ヒット。
8月12日には、ソウルの竜山(ヨンサン)駅前広場に、第1号となる徴用工像が設置された。

また、三菱重工は、戦時中に強制労働させられたと主張する女性や遺族らに訴えられ、8月8日、11日と相次いで、賠償を命じる判決を韓国の裁判所から言い渡されている。

この徴用工問題についても、日本政府は、1965年の日韓請求権・経済協力協定により、完全に、かつ最終的に解決済みだとしている。

しかし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「光復70年がたっても、日帝強占期の強制動員の苦痛は続いています」と、徴用工問題に関しても、日本指導者の勇気ある姿勢が必要だと、慰安婦に加え、徴用工についても蒸し返す姿勢を見せた。

安倍首相は15日、河村元官房長官と会談し、日韓合意について、「ゴールポストが動くようなことは、絶対にあり得ない」と述べたが、ゴールポストは動くだけでなく、増えそうな状況となっている。
韓国「文在寅」徴用工賠償要求で日本国首相に喧嘩売る!韓国の反日に日本人の気持ちはもう収まらない!【森本敏×武藤正敏×中田宏×別所哲也】
仏の顔も三度まで。でも日本人は、朝鮮に対し、仏を上回る慈悲の心で接し続けた。だが、そのことが悪いことだとようやく気が付いた。日本人は、嘘つきと人を騙した者とは二度と付き合わないという習性を持っている。

韓国人がいつまでもネチネチと付きまとっても、これ以後絶対に日本人は朝鮮人に慈悲をかけないであろう。

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北朝鮮と反日で連携するような国に、未来はあるのか。地域の安全保障の現実をみない妄言に、あきれるばかりだ。

韓国が日本の統治から解放された記念日とする「光復節」の記念式典で、文在寅大統領が徴用工問題などを蒸し返し、「南北共同」による調査にまで言及した。

日韓の亀裂を生むだけの発言である。北朝鮮の核・ミサイル開発の暴挙を止めるため、国際圧力を強めるのが、いま最も重要な課題だ。水を差すようなことをなぜするのか。

ましてや「融和」に偏る発言は、北朝鮮に誤ったメッセージを送ることになりかねない。

「強制動員の苦痛は続いている」と指摘し、北朝鮮と関係が改善すれば、共同で被害の実態調査を行うことを検討するという。

言うまでもなく、日韓の戦後補償問題は、個人補償を含め解決済みである。昭和40年の日韓協定で請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」と明記された。

日本が供与した無償資金3億ドルには、個人の被害補償問題の解決金も含まれているのだ。

そもそも「強制動員」「強制労働」といった批判は誤りだ。法令(国民徴用令)に基づき、合法的に行われた勤労動員である。

北朝鮮は「強制連行840万人」「慰安婦20万人」といった虚構の数字を平気で挙げる。嘘やごまかしは常套(じょうとう)手段だ。そんな国との共同調査を口にすること自体、非常識さにおいて大差ない。

文氏は慰安婦や徴用工の名誉回復、補償などが「国際社会の原則」にあたるという。原則という言葉を使うなら、国同士の約束を守ることから始めてはどうか。

問題解決に「日本の指導者の勇気ある姿勢が必要だ」と述べた点も、責任転嫁でしかない。韓国の指導者として、反日世論におもねらず、北朝鮮の脅威や日韓関係の重要さを国民に説いてほしい。

ソウルでは慰安婦の人形を乗せた路線バスまで登場し、市長が記念乗車するパフォーマンスをみせた。異様な光景に、韓国内からもやり過ぎだとの声が聞こえる。

日本大使館前や釜山の総領事館前の慰安婦像は、いまだに撤去されていない。徴用工像の設置計画もある。

反日人形をつくって喜んでいる場合ではあるまい。嗤(わら)うのは誰かをよく考えてはどうか。
韓国の文在寅大統領は北朝鮮問題が緊迫化していたこともあり、就任後、少しおとなしくしていた。ところが就任100日を過ぎ誰しも予想はしていたことだが、文在寅はその愚かな本性をあらわにしてきた。

8月15日、日本の朝鮮半島統治からの解放記念日「光復節」の式典で演説を行った。予想通り、文在寅は「強制動員の苦痛は続いている」と徴用工などの問題に言及、経済的行き詰まりから、不況にあえぐ韓国は、日本から金を搾り取ろうという新たなネタとして、徴用工を持ち出してきた。

合意を取り仕切った当の安倍首相も密かに予想していたことだが、2015年12月の慰安婦問題で最終的不可逆的合意と、慰安婦問題で日本との合意を一切守らず、その上、自分達が勇気をもって国民を説得もしていないのに、日本の最高責任者である安倍首相に向かって、「日本の指導者に向かって、勇気ある姿勢が必要です」はないだろう。侮辱するにもほどがある。

 詐欺師吉田清次の長男が、父が慰安婦の嘘を撒き散らしたことを「耐えられない」として、慰安婦に対する「謝罪の碑文」の書き直しを元自衛官の奥茂治さんに依頼し、碑文撤去に協力した罪状で、韓国で不当に拘束され、現在出国禁止である。

無実の日本国民を拘束しているのは、北朝鮮、中国と韓国である。これだけで、日本は韓国と断交する理由である。しかしながら、北朝鮮問題から米国が、韓国と友好関係を保つようにとの圧力で、日本は韓国に譲歩に譲歩を重ねてきたが、1965年の日韓合意、村山談話と河野発言、2015年の12月の日韓合意が、仏の顔も三度目どころか限界を越えてしまっている。 日本の戦争謝罪発言一覧 

もう、ほとんどの日本人を敵にしてしまっている。しかも、もはや米国は、韓国を友好国と見做していないと思う。

8月15日文在寅は「光復節」の式典で「韓国の同意なく対北軍事行動は決定できない」と演説したのに続き、駄目押しで、8月17日就任100日の記者会見でも、「朝鮮半島での軍事行動は韓国だけが決定できる」「韓国の同意なしに誰も朝鮮半島で軍事行動について決定できない」などと言ってのけたのである。

もはや、米国は韓国政府を相手とせず、友好国と見ていない可能性が高い。

朝鮮半島で多くの将兵の血が流され、朝鮮半島を手放すことは、忍び難いと考えるのが、軍隊の本能であるため、軍隊はこういった問題に合理的に考えることができない特性がある。解かりやすいのが、満州から撤退できなかった帝国陸軍である。

米軍は韓国を米国は”権利”と認識していたかもしれないが、米軍や米国民、米メディアは、韓国に対し疲れ切り、朝鮮半島に興味を失っている。もうこれ以上朝鮮半島で米軍の血を流すことは御免こうむりたいと考え始めいずれ撤退するように見える。

朝鮮戦争以来、あまりに腰抜けの韓国軍を信用しない米軍は、韓国軍の指揮権を米軍が持ち続けてきた。戦時指揮権も韓国に返還しようとしていたのを、2010年李明博大統領が泣いて頼んで、返還を延長してもらったにもかかわらず、文在寅は戦時作戦統制権の早期移管、本格検討着手し始めた。

そんななか、ホワイトハウスから韓国切捨て論が表に出た。
米国のスティーブ・バノン首席戦略官が16日(現地時間)、メディアとのインタビューで、「北朝鮮に対する軍事的解決策はない。忘れろ」と述べ、中国が北朝鮮の核開発を凍結させる見返りに、米国は在韓米軍を撤収するという交渉を考慮できると発言した。

「そのようなディール(取引)ははるかに遠い」と付け加えたものの、ホワイトハウスで在韓米軍の撤収が議論されたことは異例だ。米メディアでは、韓米合同軍事演習の中止または縮小が対北交渉カードになり得るという報道もある。

北朝鮮の核・ミサイルの凍結に向けた在韓米軍の撤収や合同演習の中止の発言は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が、「グアムへのミサイル発射」脅威から一歩後退した後、トランプ政権の対北基調が軍事的圧力から交渉による解決の方向に急速に移行して出てきた。

むろん、トランプ政権はこのような主張に明らかに線を引いている。ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長は、「韓米合同演習の中止は交渉の対象ではない」とし、ティラーソン国務長官とマティス国防長官も軍事的オプションは有効だと強調した。

在韓米軍の駐留や韓米合同演習は単に韓国の防衛だけではなく米国の戦略的利益のためでもあるため、簡単に撤収したり中止できないのも事実だ。

しかし、このような米国の動きを軽く見ることはできない。バノン氏は、トランプ大統領の右腕と呼ばれる最側近の戦略官だ。トランプ大統領の内心をそれとなく表したのではないかという見方が出ているのもこのためだ。これに先立ち、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官は、「北朝鮮の崩壊後の在韓米軍の撤収」を中国との交渉カードにすることを助言した。

バノン氏は、さらに一歩出て在韓米軍の撤収を北朝鮮の核凍結を引き出すためのカードに考えた。遠い未来の可能性だけでないということだ。韓米合同演習の中止・縮小は、米朝対話の局面へ進む過程で近い将来に現実になる可能性も排除できない。

在韓米軍の撤収・縮小論は、歴史的に米国が韓国の独裁政権に対する圧力用または世界的な米軍戦略の変更にともなう韓国との交渉用のカードだった。トランプ大統領が、大統領選挙の時に言及した在韓米軍撤退も、韓国の駐留経費負担の増額を狙ったものだった。

しかし今回は、北朝鮮や中国との取引として出てきた。米国は直ちに自国の領土を脅かす大陸間弾道ミサイル(ICBM)という足下の火から消さなければならない状況だ。在韓米軍が撤収すれば、百万の大軍を誇る北朝鮮の通常戦力はもとより核・ミサイルに対して韓国単独で防衛しなければならない。有事の際、戦略資産を投じて韓国を守るという米国の約束も空念仏になる可能性が高い。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は18日、金大中(キム・デジュン)元大統領の追悼式で、「平和を守る安保を越えて平和を作る安保を成し遂げる」と平和論を繰り返し力説した。しかし、果たして私たちは平和を守る準備ができているのかから自問しなければならない。平和は力があってこそ守ることができる。「自強」、すなわち自主国防は一日では果たせない。同盟の離脱の可能性に傍観していてはいけない理由だ。

イ・チョルヒ記者 klimt@donga.com


もともと、北朝鮮は、在韓米軍撤退するなら、核凍結と言っていたのだから、同じ事を、別の言い方したのだが、裏で軍事攻撃か、ディールするかで北朝鮮や中国と駆け引きしていたのにスティーブバノン主席戦略官は、「軍事的解決などない。忘れてしまえ。開戦30分でソウルの1000万人が通常兵器で死亡するという難題を一部でも解決しない限りは、意味不明だ」とリベラル系「アメリカン・プロスペクト」のインタビューで、に答えてしまった。CNNによると、このインタビューにトランプ大統領が腹を立て更迭を決断したという。

在韓米軍は撤退したがっているのだから、在韓米軍を餌にトランプは金正恩と取引する可能性は残されているが、チキンゲームの最中にそれをやっちゃーおしまい。

スティーブバノン主席戦略官の発言と解雇で、トランプ大統領は、韓国をすでに無いものだと考え、北朝鮮にグアムの米軍基地に向かってミサイルを打たせ、それを口実に、一気呵成に北朝鮮を軍事的に叩く選択をする可能性が高まった。

北朝鮮攻撃の決断の阻害要件が、「友好国の国民の生命」があり、今までは”韓国の国民の生命と財産にも配慮がなされていたように思う。

だが、バノン戦略官の解任で米国は北朝鮮攻撃の選択肢しか残らなくなってきた。商売はドライだ。同盟国でなければその国の「国民の命」などどうでもいいと考えるであろう。米国はドライだ。そして世界は非情である。

中国北朝鮮との取引を選択するか、北朝鮮攻撃を選択するかのもはや2択しか選択肢は残っていない。いや他にあるだろうか?

となれば、どちらにしても、韓国は過酷な未来が待っている。

勿論、日本はどんなに困っていても、韓国へは二度と援助の手は差し伸べない。

日本人は少なくとも1000年とは言わないが、日本は今後二度と韓国と付き合わない。日本人は、嘘つきと人を騙した者とは二度と付き合わないというのが、日本の社会の掟である。















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北朝鮮の中長距離弾道ミサイル「火星12」の試射=5月14日(朝鮮通信=時事)
 【ソウル時事】9日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍報道官は8日付で声明を出し、北太平洋の米領グアム島周辺を中距離弾道ミサイル「火星12」で「包囲射撃する作戦計画」を慎重に検討していると威嚇した。米戦略爆撃機による朝鮮半島周辺での訓練実施を非難する中で述べた。

グアムには米爆撃機が発進するアンダーセン空軍基地があり、声明は作戦計画について「アンダーセン基地を含むグアムの主要軍事基地を制圧・けん制し、米国に厳重な警告メッセージを送るためだ」と主張。「近く、最高司令部に報告され、金正恩朝鮮労働党委員長が決断すれば、任意の時間に同時多発的、連発的に実行される」と警告した。
北朝鮮国営メディアは5月15日、「火星12」の発射実験が14日に「成功した」と報じている。射程4500~5000キロと推定され、グアムを射程に収めているとみられる。

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イメージ 3 北朝鮮は7月4日と28日には大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の発射実験を強行。これを受けて、米軍のB1戦略爆撃機2機が30日、アンダーセン基地から発進し、朝鮮半島周辺や上空を飛び、自衛隊機、韓国軍機とそれぞれ共同訓練を実施した。8月8日にも同様の訓練を行った。
一方、朝鮮人民軍総参謀部も声明を発表し、最高首脳部を狙う米軍の「斬首作戦」や、核能力除去を目的とする「予防戦争」「先制攻撃」に強い警戒感を表明。こうした作戦の動きを把握した場合、「先制的報復作戦を開始する」と予告し、「ソウルなどを『火の海』にし、太平洋作戦戦域の米軍基地を制圧する全面攻撃につながる」と警告した。(2017/08/09-12:16)
北朝鮮は自殺願望なのか、核兵器を手に入れた為に、まともな判断ができなくなっているのだろうか?グアム沖への弾道ミサイル発射は、米国の堪忍袋の緒を切るどころか、堪忍袋ごと奪い去りかねない挑発だ。北朝鮮が自滅するなら勝手に叫んでいても問題がないが、第三次世界大戦を引き起こしかねない愚かな行動だ。

今朝ほど朝のTV情報番組を見ていると緊張は高まっているが、開戦確率は限りなく0%だという情報を垂れ流していた。


例えば左翼ジャーナリストの高野孟とか、大手メディアは北朝鮮を米軍が攻撃すると言っているのは、産経新聞とか、日本の一部だけで、米国人の多くは関心が無い。日本の右翼は危機を煽って憲法改正させるのが目的だと主張している。パヨクの頭の中はがどうかしている。↓

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   パヨクの脳内 

やばい!当っています。
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【MAG2NEWS】2017.06.06 54 by 高野孟『高野孟のTHE JOURNAL』)

安倍政権の幼稚園レベルの対応

そう見てくると、第4に、安倍政権の余りにも稚拙な対応が恥ずかしい。

安倍首相は、米国が「あらゆる選択肢をテーブルに乗せた」という話を聞いて、「おっ、トランプ政権は先制攻撃をも辞さない強硬路線に突き進むのだな」と興奮し、それっ、共同演習だ、米韓防護だとハシャギまくった。しかし「あらゆる選択肢」には、もちろん軍事的先制攻撃シナリオも含まれていたけれども、上述のような理由で却下され、その反面では、AP通信が報道したように「北朝鮮を核保有国として容認する」(ことを通じて交渉を通じて問題を解決する)という軟弱なシナリオもまた含まれていたわけである。

米国が、対北朝鮮で開戦も辞さずという勢いで突き進むかと言えばそんなことはあり得ない。今のところはむしろ逆で、中国が主、米国が従となった軍事的・経済的・政治的な「圧力」強化で北を交渉の場に引き出せるかどうかを試している。そこで鋭く問われる焦点は、まず北が核を放棄しなければ一切の交渉に応じないというこれまで通りの立場をとるのか、それともAP通信が報じたように、核放棄を含めて交渉の対象とするところへ踏み込むのかどうかというところにある。

とろこが安倍首相は、そのような米中共同による軟着陸路線の微妙さを全くご存じないかのようで、相変わらす米国盟主の下で日韓が協力して北朝鮮を力で攻め立てるという倒錯的な路線を追求し続けているかのようである。
トランプが崖っぷちで中朝会談を行い、危機を回避するシナリオも無くはないが、
高野は農作業のしすぎで熱中症にかかって脳細胞が痛んでしまったのではないだろうか?
>米中共同による軟着陸路線ができないから、今は米朝開戦が危惧されているのだ。オバマも適当にソフトランディング出来るだろうと、思っていたから、事態が悪化したのだ!そんなことができるならとっくにしている!

北朝鮮は20年以上前から中国のコントロール下にはなく、中国は北朝鮮をコントロールできないにもかかわらず、さも影響力がある振りをして、日米を欺いてきたのである。北朝鮮をコントロールできない以上に、中国共産党は、北朝鮮に利権を持つ瀋陽軍閥すらコントロールできていないのに、>米中共同による軟着陸路線なんて
出来るわけがない。

高野孟はもう評論家業を止めて、農作業に精を出していればいい。引っ込んでろ!
今年の2月12日以降、北朝鮮のミサイルは計12回打ち上げられている。そして、7月28日深夜に打ち上げられた弾道ミサイルは、過去最高の高度と飛行時間を記録した。金沢工業大学虎ノ門大学院教授で、34年間、海上自衛隊の海将などを務めてきた伊藤俊幸さんは、北朝鮮の国内事情が積極的なミサイル開発に影響していると話す。

現在、北朝鮮の金正恩政権は、「並進路線」を国民に掲げている。これは、先代の金正日総書記時代の「先軍政治(軍事優先)」とは異なり、「核ミサイル開発」と「経済建設」を同時に進めていくというもの。その象徴が、今年4月15日の北朝鮮建国の父・金日成の生誕105周年を祝う「太陽節」の軍事パレードだ。近代ビルが立ち並ぶ街中で、巨大なミサイルを披露するという奇妙な光景が映し出されたのは、記憶に新しい。

「“アメリカまで届く核ミサイルを持てば、それ以外の軍事費を抑えられ、その分を経済に回せる”というのが並進路線。あのパレードは国民に対して、成果が出ているのを見せる場でもあったわけです」(伊藤さん)

ミサイルは1発打ち上げるのに数億円はかかるといわれているが、北朝鮮は“国策”という錦の御旗の下、ミサイル開発に取り組んでおり自由に資産を注ぐことができるのだ。

日本にミサイルを撃ち込まれる確率は?

こう頻繁だと不安になるが、北朝鮮が日本にミサイルを撃ち込む可能性はどのくらいあるのだろうか? 前出・伊藤さんは「極めて低い」と言う。

第2次世界大戦後、陰惨な戦争を二度と繰り返さないために国際連合が設立され、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国の五大国をはじめ国連に参加する国々が国連憲章を締結した。そのため、自衛以外の目的による武力行使は、現在一切認められておらず、自国の利益や意志を押し付けるための戦争は、いかなる理由があっても許されない。

さらに、この五大国はそれぞれ核を保有しているが、それを撃ち合うことは、同時に甚大な被害が生じることになるため、核が抑止力となり、核の保有国同士が攻撃し合うことは、まずあり得ない──。

「核を保有していない北朝鮮が、もし突然、日本にミサイルを撃ち込んできた場合、まず国連が武力制裁を決議しますし、同盟国であるアメリカは日本防衛のため、トランプ大統領が北朝鮮に向けて核ミサイル発射ボタンを押すこともできます。そうなったら、北朝鮮はひとたまりもありません。北朝鮮は、金王朝の存続が最大目的の国家ですから、その体制が消えてなくなるようなことはしませんし、そうなることもよく認識しています」(伊藤さん)

現在、世界平和は各国の外交に伴う均衡によって守られているが、そのバランスは日々刻々と変化している。世界情勢を知り、日本が列国の中でどのようなポジションにいるのかを把握し、的確で冷静な危機意識を持ち続けたい。

※女性セブン2017年8月17日号
>核の保有国同士が攻撃し合うことは、まずあり得ない──。
確かに、最低限の常識を持つ人間なら核均衡による平和は通じるかもしれないが、米国恐れるに足らずと勘違いした瞬間に、北朝鮮や中国は、平気で核を使用しかねない。特に日本に対しては、永年の反日教育で、「日本人に対して何をしてもかまわないと善悪のプログラミングが特亜三カ国の国民の脳味噌は、他の人類とは異なっている可能性が高い。日本にとっては非常に危険である。

【MONEYVOICE】2017年7月13日
【ITmediaビジネスONLiNE】8/10(木) 7:30配信

こういった、米朝開戦は絶対にないといった論調に疑問を感じる。

米国の覇権に挑む北朝鮮は、ちょっと古いが「ハチのムサシ」でしかない。
ハチのムサシは 死んだのさ♪畑の日だまり 土の上♪遠い山奥 麦の穂が♪キラキラゆれてる 午後でした♪ハチのムサシは 向こう見ず♪真赤に燃えてるお日様に♪試合をいどんで 負けたのさ♪焼かれて落ちて 死んだのさ♪

左翼が北朝鮮を無いものとして見ないようにしていても、ここで米国が北朝鮮の処分を間違えると、米国は覇権を失い、世界を混乱の渦に巻き込んでしまうだろう。

米国は、たとえ韓国民や日本人に、米韓居住外国人に多くの犠牲が出たとしても、米国の覇権を維持し、世界の秩序を守るため、トランプは北朝鮮への攻撃を決意した可能性が高いと思います。

もしトランプが、ここで何もしなかったら、米国による平和”パクスアメリカーナ”が終焉となる。第二第三の北朝鮮が出現するだろうし、テロリストに核が渡る危険性が極めて高くなる。北朝鮮はテロリストに躊躇なく核を売り渡す国である。

北朝鮮は国ではなく、反社会的勢力の支配する地域国家みたいなものだ。地球的反社勢力なのだ。この国を排除することが、責任ある大国の使命であるという大義名分となるだろう。北朝鮮を武力で解体しなければ、世界は混乱し、核兵器が使用される確率が高くなる。北朝鮮地域を中国とロシアに委任信託させるのがベストな選択ではないだろうか?
ドナルド・トランプ米大統領が激怒した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮が「核・ミサイル開発」に猛進していることに、武力行使も辞さない“最後通告”を発したのだ。北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)に搭載できる小型核弾頭の生産に成功したと、米メディアが報じたことに反応した。これに対し、北朝鮮はグアム攻撃を示唆した。米朝の緊張は高まっており、8月下旬の米韓合同軍事演習を見据えながら、朝鮮半島は未曽有の危機に突入しようとしている。

「北朝鮮はこれ以上、米国にいかなる脅しもかけるべきではない。(さもないと)世界が見たこともないような『炎と怒りに見舞われる』ことになる」

トランプ氏は8日、滞在先の米東部ニュージャージー州で、記者団に語った。「炎」という表現は軍事力の行使を示唆したものだ。それだけ、国連安全保障理事会の制裁などを無視する、北朝鮮への怒りや危機感が強いといえる。

背景には、米紙ワシントン・ポスト(電子版)が、「北朝鮮がICBMに搭載可能な小型核弾頭の製造に成功したと国防情報局(DIA)が分析していたことが判明した」と報じたことがある。

分析では、北朝鮮が保有する核兵器の数について、最大で60発と指摘した。これまでの推定を大幅に上回る数で、事実なら、北朝鮮の「核・ミサイル技術」は飛躍的に進み、脅威は増大していることを示している。

日本政府も危機感を強めている。
まもなく、恒例の米韓軍事演習が始まる。北朝鮮は、毎年恒例で、この時期に何かしでかす。

昨夏(2016年)の合同演習期間中、警戒最高レベル「特別警戒勤務1号」を発令。北朝鮮当局はあらゆる媒体を使い「公然たる宣戦布告だ」と非難していた。2016年は期間中にSLBM発射事件を行い。2015年は8月20日に軍事境界線で南北が砲撃する事件が起きた。
今年は、只ならぬ事件が起きても不思議ではなく、米軍はそれを利用しようとしている可能性がある。
安倍晋三首相が立ち上げた改造内閣について、「有事対応内閣」という見方がある。北朝鮮による相次ぐICBM(大陸間弾道ミサイル)発射を受け、ドナルド・トランプ米政権の雰囲気が完全に変わったのだ。米国主導で、国連安全保障理事会は、北朝鮮への新たな制裁決議を全会一致で採択した。米海軍は今月中旬、原子力空母2隻を、朝鮮半島近海に展開させる。米軍関係者が明かす「9月危機」と、安倍首相-小野寺五典防衛相の覚悟とは。ジャーナリストの加賀孝英氏による独走リポート。

 「米政権は、安倍首相を信頼している。内閣改造で、小野寺氏が防衛相に再登板したことは、米国にとって朗報だ。小野寺氏は、民主党政権でボロボロに傷ついた日米同盟の修復に尽くした人物だ。しかし…」

 在京の米軍情報当局関係者はこう語り、「いつまで野党やマスコミは『安倍たたき』をやっているのか。日本は、戦後最大の危機に直面している。それが分からないのか」と吐き捨てた。

 驚かないでいただきたい。米国から7月末、次の驚愕情報が流れて、各国政府が緊張している。

 「トランプ大統領は7月末、ついに北朝鮮への軍事行動(先制攻撃)を決断した」「Xデーは早くて9月」「米国は作戦行動に入った」

 ご承知のように、北朝鮮は7月28日夜、ICBMを発射した。高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射され、「通常軌道の場合、射程は9000~1万キロに達し、米西海岸を射程に収める」(米国防総省筋)ものだった。

 中国による北朝鮮説得工作は失敗した。米情報当局は「追い詰められた金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、日米韓3カ国でテロの極秘命令を出す危険がある」とみている。第2次朝鮮戦争勃発の危機だ。情報の詳細は以下のようなものだ。

《米韓合同軍事演習『乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン』が22日から朝鮮半島沖で行われる。米軍2万5000人、韓国軍5万人が参加。原子力空母『ロナルド・レーガン』と『カール・ビンソン』など、世界最強の空母打撃群が派遣され、作戦計画『5015』(=正恩独裁体制殲滅)訓練を行う》

 《北朝鮮は建国記念日の9月9日前後に、『6回目の核実験』か『ICBMの再発射』を強行する。軍と人民は飢えと虐待で暴動寸前だ。正恩氏は米軍におびえ、酒とクスリに溺れている》

 《トランプ氏は『正恩氏を野放しにできない』と判断した。Xデー当日、米軍は数百発の巡航ミサイルなどで軍事施設を徹底的に破壊する。反撃すらさせない。特殊部隊が突入し、正恩氏を排除する》

 外事警察関係者は「否定できない。米国の言動のすべてが『9月危機』を示唆している」といい、続けた。

 「米共和党の重鎮、グラム上院議員が1日、トランプ氏が『(このままなら)北朝鮮と戦争になる』と語ったと明らかにした。米国務省は翌2日、『9月1日から米国民の北朝鮮への渡航禁止』を決定、『8月中に北朝鮮から退去せよ』と呼びかけた。在日米軍は最近、韓国から避難してくる在韓米軍家族の収容施設の設置作業に入った」

 安倍首相は7月31日、トランプ氏と電話で首脳会談を行った。北朝鮮のICBM発射強行を受けたもので、両首脳は52分間も話し合った。「今は対話ではなく圧力」で一致した。

 この時、トランプ氏から「Xデー」の話が出なかったのか。

 官邸関係者にぶつけた。返ってきた言葉は「ノーコメント」だった。

 いっておくが、水面下ではすでに、信じられないバトルが始まっている。以下、複数の米軍、米情報局関係者から入手した情報だ。

「米国の工作員が、正恩氏の側近数人に接触し、『国と人民を救うために正恩氏を倒せ』と口説いている-という情報が漏れた。北朝鮮の工作員が現在、その裏切り者を特定しようと、必死で動いている」

 「脱北者中心で組織された米国側の情報協力者や工作員が、北朝鮮側に捕まり、処刑されている。米国の軍事作戦を阻止したい、中韓関係者がリストを渡したようだ。米国は激怒している」

 中国による、米国への「妨害工作」も目立つという。情報はこう続く。

 「中国は、中朝国境に近い遼寧、吉林両省で7月1日から入国審査を厳格化した。日本や米国の国籍を持った『二重国籍』の中国人や朝鮮人を狙っているようだ。要は、米国の協力者、スパイ狩りだ」

 日本も同じだ。公安関係者が、こう警告する。

 「中朝の工作員や協力者らの動きが活発化している。『安倍政権潰し』で動いているようだ。一部マスコミや国会議員らの動きも怪しい。『安倍政権を潰せば、日米同盟が弱体化する。米国は動けなくなる』とみている。巨額の工作資金が用意されたという情報もある」

 いま、目の前に国家的危機が迫っている。この危機の克服に全力を傾けるべきだ。「平和ボケ」を続けている場合ではない。

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。
森学園・加計学園騒動での大手マスコミのおかしな動きはあきらかに、中韓と北朝鮮の利益を重視する何者かの動きがあったと見て間違いないだろう。
何年か後、その反国家的行為は白日のものに曝されるはずである。

それにしても、マティス米国防長官は、稲田防衛大臣の熟女の色気に惑わされることなく、稲田大臣の無能を見抜いていた。


稲田大臣の辞任と小野寺五典氏の防衛大臣就任は、少なからず米軍やマティス米国防長官の意図か、安倍政権がトランプ政権に忖度したのだと思う。
【ワシントン=黒瀬悦成】マティス米国防長官は9日、北朝鮮情勢に関し声明を発表し、ミサイル発射などの挑発行為を続ける金正恩(キムジョンウン)体制に対し「体制の終焉(しゅうえん)や自国民の破滅につながるような行動を検討するのをやめるべきだ」と警告した。「自らを孤立させる道を選ぶことをやめ、核兵器を追い求めるのを断念しなくてはならない」とも指摘し、核・ミサイル開発の放棄を迫った。

マティス氏が北朝鮮に対して強硬なメッセージを発するのは異例。トランプ大統領が8日、北朝鮮が米国を脅迫し続ければ「炎と怒りに見舞われる」と軍事攻撃を言明したのに一定の歩調を合わせた。

マティス氏はまた、米国と同盟諸国は「地球上で最も適切かつ準備万端で強固な防衛能力と攻撃能力を備えている」と強調しつつ、北朝鮮の脅威に対しては「米国務省が外交的解決を目指し全力を尽くしている」と指摘し、米政権が現段階では外交解決を目指す方針であることを改めて打ち出した。

一方、ティラーソン国務長官は9日、東南アジアから米領グアムに向かう機中で記者団に対し、トランプ氏の発言は「外交的な表現を理解しているとは思えない金正恩(朝鮮労働党委員長)が理解できる言葉を使って、北朝鮮に強いメッセージを送ったのだと思う」と説明した。

国務省のナウアート報道官は9日の記者会見で「米政府の立場は一致している」と主張。一方、複数の米当局者はCNNテレビに対し、8日のトランプ氏の発言は「アドリブだった」と語っており、両長官の発言は、同氏の「爆弾発言」と政権の方針に一貫性を持たせるため、つじつま合わせを図ったとみられる。
マティス長官やティラーソン長官が口をそろえて、朝鮮征伐を言い出したのだ。
韓国の平昌オリンピックは無事に開催できるのであろうか?もともと失敗確実の大会、これ幸いと、中止だろうか?
*07:51JST NY株式:ダウ204ドル安、北朝鮮情勢への警戒続く
10日の米国株式相場は下落。ダウ平均は204.69ドル安の21844.01、ナスダックは135.46ポイント安の6216.87で取引を終了した。北朝鮮によるグアム島沖へのミサイル発射計画が明らかとなり、アジア・欧州株がほぼ全面安となり、米国株も売りが先行。地政学リスクの高まりを背景に投資家心理が悪化しており、主要株価が軒並み下落、終日軟調推移となった。7月生産者物価指数が予想を下振れ、長期金利が低下したことも嫌気され、金融セクターに売りが広がった。セクター別では公益事業を除いて全面安となり、特にテクノロジー・ハード・機器や半導体・半導体製造装置の下落が目立った。
そりゃーNYダウも下落する。4月NYダウはあまり北朝鮮を材料にしていなかったが、今回はマーケット関係者も危惧を始めた。

トランプは日韓で多数が死ぬと知りつつ北朝鮮に「予防攻撃」を考える
【DIAMONDonline】 2017.8.10 田岡俊次:軍事ジャーナリスト

米国上院、共和党の有力議員であるリンゼー・グラム氏は8月1日、NBCテレビの「トゥデイ・ショー」で、トランプ大統領と会談した際、大統領が「北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)開発を続ければ武力行使は避けられない。戦争は現地で起きる。大勢が死ぬとしても向こうで死ぬ。こちらで死ぬわけではない」と語ったことを明らかにした。

グラム議員は昨年の大統領選挙で共和党候補の1人と目されていたが、トランプ支持者が急増し、党内の予備選挙で勝てないと見て、右派のテッド・クルーズ上院議員を支持したタカ派だ。最近は「北朝鮮のICBM開発を阻止するため、大統領に予防攻撃の権限を与える法案を出す」と言明しており、NBCテレビでの発言は大統領もそれに同意していることを示すものだった。

「大勢が死ぬとしても向こうで」軍事同盟のリアルな真実


グラム議員が語ったこのトランプ大統領の発言が正確なら、トランプ氏は「戦争は朝鮮半島、日本で起こる。多数の死者が出るのはそちらであり、米国では死者は出ない」と見て、北朝鮮攻撃を考えていることになる。

極端な「アメリカファースト」思想を露骨に表明したものだ。もし米国がそのつもりなら、日本も「ジャパンファースト」に徹し、米軍を退去させ、戦争に巻き込まれないようにするしかなくなる。

どの国にとっても、自国の平和、安全が第一だから、同盟には、もともと他国を自国の防衛や権益確保に利用しよう、との魂胆が隠されているのが普通だ。

冷戦時代には、米国は、もしソ連軍が西ドイツに侵攻すれば、戦術核兵器を西ドイツ領内でも使うことを考え、1960年代から在独米軍に、口径155mm、最大射程がわずか15km弱のM109自走砲用のMK48核砲弾が配備され、80年代には中性子砲弾W82に更新された。

戦争になれば、西ドイツ国民は米軍の核で殺されるところだったが、それはソ連の西欧支配を防ぎ、ひいては米本国を守るためにやむをえない犠牲と考えられていた。

ソ連の東欧諸国との同盟関係も同様で、米軍主体のNATO軍をソ連からできるだけ遠ざけておき、戦争になれば東欧を前哨陣地とする狙いだった。

また1980年代の米国は「水平エスカレーション」戦略を考えていた。これは数的には優勢なソ連軍が西欧や中東に侵攻すれば、米軍側は優勢な太平洋正面で攻勢に出て、ソ連の戦力を極東に割かせよう、とするもので、ソ連の戦力を吸収させられる日本はたまったものではなかった。

小国が大国と同盟を結ぶのはもちろんメリットもある。大国が小国と対立し、戦うか否かを考える際、その背後に控える他の大国が出て来る可能性を考えて穏便にすますことはあり得るし、戦いになった場合に援軍や物資の援助を得て助かる場合もある。

一方、米国に求められてベトナム戦争に参戦した韓国などや、第2次世界大戦中に同盟国だったドイツに対ソ戦への出兵を迫られ、無益な戦争に巻き込まれて多くの犠牲者を出したハンガリー、ルーマニアなどの例もあるから、同盟にはリスクもあり、一長一短だ。

グラム上院議員が言う「トランプ大統領の発言」が、単にタカ派議員の妄言に調子を合わせただけなら、真剣に案ずるまでもないが、北朝鮮の弾道ミサイルの射程が延び、精度や即時発射能力などの性能も急速に向上、米国に脅威が及ぶにつれ先制攻撃を唱える米国会議員はグラム氏以外にも現れており、さらに増えることも考えられる。

北のミサイル、米の脅威に 米国内で再び「強硬論」

7月28日に発射された「火星14」が米本土に脅威であるのは事実だ。このミサイルは47分も飛び、最大高度3700km余に達した。

旧ソ連の大型ICBMSS18は重量が200t以上もあったから加速が遅く、米国まで1万1000kmを飛ぶのに約45分を要した。米国のICBMはソ連へ約30分で到達した。それと比較すると、「火星14」の飛翔時間47分は長い。ほとんど真上に向けて発射したから、今回の射程は998kmだったが、通常のICBMの軌道(最大高度1000km程度)で発射すれば、射程は1万kmに達すると考えられる。

米国本土のおよそ西半分、ロサンゼルス、シカゴなどが射程に入るから、米国の議員は強硬論に傾きがちとなる。

また今回の発射地点は北朝鮮北部の山岳地帯、中国国境からわずか50km程の慈江道(チャガンド)の舞坪里(ムピョンリ)だ。この地帯は航空攻撃を受けにくいため、北朝鮮弾道ミサイルの主要展開地域となっていると見られてきた。これまでの北朝鮮の弾道ミサイル発射は、戦力誇示を狙ったからか、比較的観察しやすい地点から行われることが多かったが、今回は実戦で想定される本物の発射地域から撃った形だ。

北部の山岳地帯には数百のトンネルが掘られ、その一部にトレーラーや自走式発射機に載せた弾道ミサイルがひそむ。旧式の「スカッド」「ノドン」なら、トンネルから出て来てミサイルを立て発射されるまで約1時間、新型の「ムスダン」なら約10分で発射可能と見られる。

「火星14」は16輪の自走発射機に搭載されており、液体燃料を使っているが、タンクに充填したまま待機可能な「貯蔵可能液体燃料」だから、発射準備に要する時間は短い。

今回、米国は慈江道から発射されるとは予知できず、約130km南の平安北道(ピョンヤンプクド)の亀城(クソン)で発射準備らしい活動が行われていることの方に注目していた。

トランプ政権は4月から6月初旬にかけて、日本海に空母2隻を入れ、海上自衛隊、韓国海軍と共同演習を行うなど、北朝鮮に対して威圧を加えたが、ミサイル開発を止めさせる効果はなかった。最近は「中国が何もしてくれない。期待はずれだ」と中国まかせの態度も見せていた。だが米本土に届くことがまず確実なICBMを北朝鮮が作ったから、米国タカ派の突き上げは激しくなり、再び戦争を語らざるをえなくなったのだろう。

攻撃すれば、被害大きい 日本の米軍基地も目標に

トランプ氏が一度振り上げた拳をそっと引っ込めたのは、国防長官J・N・マティス海兵大将(退役)、安全保障担当補佐官H・R・マクマスター陸軍中将ら、軍人から「攻撃に出て、1953年以来停戦中の朝鮮戦争再開となれば大量の犠牲者が出る」と説明を受けたためだ。

米国は1994年にも北朝鮮の核施設を航空攻撃する計画を検討したが、在韓米軍司令部が「全面的な戦争となり、最初の90日間で米軍に5万2000人、韓国軍に49万人の死傷者が出て、民間人を含むと死者約100万人」との損害見積もりを示したため、攻撃を諦めた。

今日の状況は当時よりはるかに厳しい。ソウルから約40kmの南北境界線の北側は巨大な地下陣地になっていて、射程60kmの22連装車載ロケット砲約350門や、多数の長距離砲が配備され、北朝鮮は戦争となれば、人口約1000万人のソウル(首都圏全体では約2500万人、韓国の人口の半分)を「火の海」にする構えを示している。

韓国軍は北の地下陣地を破壊しようと短距離地対地ミサイル「玄武2」(射程300kmないし500km)1700発の配備を進めている。従来は北のロケット砲などの70%を除去するのに6日かかったが、2017年に計画完成後は1日ですむ、としている。

だが1日あれば、北の攻撃でソウルが大損害を被る公算は高いし、韓国軍にとっては北の地下陣地のロケット砲、長距離砲の正確な位置を空からはつかみにくいから、結局は地上部隊が突進し陣地を制圧する必要が出そうだ。

北朝鮮は射程500kmないし1000kmの短距離弾道ミサイル「スカッド」約800発、射程1300kmの準中距離ミサイル「ノドン」約300発を保有していると韓国国防省は見ている。 核弾頭は20発程度と推定されるが、戦争になれば、韓国が核攻撃を受ける可能性は高く、人的、物的損害は1994年の見積もりを大幅に上回ると考えざるをえない。

トランプ氏は「こちらで死ぬわけではない」と言ったそうだが、韓国には米軍2万8000人、米民間人約20万人がおり、日本には米軍4万7000人(艦隊乗組員を含む)、民間人5万人余がいるから、米国人にも相当の死傷者が出るのは不可避だ。だが米本土の大都市をICBMで攻撃される場合にくらべれば、はるかに“まし”という判断も核戦略としてはあり得るだろう。

もし米軍が北朝鮮を攻撃すれば、その発進基地や補給拠点となる日本の米軍基地――横須賀、佐世保、三沢、横田、厚木、岩国、嘉手納などもミサイル攻撃の目標となる公算は高い。崩壊が迫り自暴自棄となった北朝鮮は東京も狙いかねない。

攻撃目標の位置は不明 自走式、山間部から発射

もし米軍、韓国軍が一挙にすべての北朝鮮の弾道ミサイルを破壊できれば良いが、そもそも目標がどこにあるのか、緯度、経度をリアルタイムでつかめないと攻撃はできない。

ミサイル発射機はトレーラー式か、自走式で、山岳地帯のトンネルに隠れているから偵察衛星で発見するのはほぼ不可能だ。トンネルの入口を撮影してもダミーか本物かは分かりにくい。

偵察衛星が常時北朝鮮を監視していて、ミサイルがトンネルから出て来たところを攻撃できるように思っている人も少なくない。

だが偵察衛星は約90分周期で地球を南北方向に周回し、地球は東西に自転するから、各地の上空を時速約2万7000kmで1日にほぼ1回通過する。北朝鮮上空は1分程で通るから、飛行場や人工衛星打ち上げ用の宇宙センター、港などの固定目標は撮影できるが、移動目標はつかめない。米国は光学偵察衛星5機、レーダー偵察衛星4機を持ち、日本は光学衛星、レーダー衛星(夜間用)各2機を上げている。計13機だがそれでも1日に計20分程度しか撮影できないだろう。

静止衛星にも攻撃目標を探す能力はない。赤道上空を約3万6000kmで周回する静止衛星は、この高度だと衛星の角速度(1分で何度変わるか)が、地球の自転と釣り合って、地表からは静止しているように見える。電波の中継には適しているが、偵察衛星の70倍から100倍の高度だけに、ミサイルなどは見えず、発射の際に出る大量の赤外線を探知して警報を出すだけ。攻撃の役には立たない。

ジェットエンジン付の大型グライダーである無人偵察機「グローバルホーク」はカメラ、レーダー、送信機を付け、高度2万m近くで30時間以上飛べるから、常に数機を北朝鮮上空で旋回させておけば発射機が出てミサイルを立てている状況を撮影できるだろう。 だが低速で一定の地域上空で旋回していれば、北朝鮮が持っているソ連製の旧式対空ミサイルも約3万mの高度に達するから、簡単に撃墜される。公海上空から斜め下を監視するのでは、内陸の山間部の谷間に出てきた弾道ミサイルは発見できない。

「米国第一」の予防戦争で 「認識が一致」しては大変

安倍首相は7月31日、トランプ大統領と約50分の電話会談をした後、「さらなる行動を取って行かねばならない、との認識で完全に一致した」と語った。だが「アメリカファースト」の予防戦争を考える人と「完全に一致」されては国の存亡に関わる。

8月3日の内閣改造で防衛相に再任された小野寺五典氏は「敵基地攻撃能力」の保有に積極的で、グラム議員と考え方は合致する。安倍総理は当面玉虫色の見解を示しているが、来年中に大筋が決まる次期中期防衛力整備計画(2019年度から5年)ではこれが焦点となりそうだ。

現実には米国、韓国の同意なしに日本が北朝鮮を攻撃し、朝鮮戦争を再開させる訳にはいかないから、米、韓軍が攻撃するなら手伝う形になろう。だが7月28日のICBM発射を予期できなかったことが示すように、米国、韓国にも標的の位置は確実には分からない。

韓国軍は北朝鮮全域に達する地対地ミサイル「玄武2B」等を1700発も持ち、対地攻撃用の戦闘爆撃機が300機以上あるから、日本の戦闘攻撃機F2(総数92機)の一部が攻撃に加わったり、日本海上の潜水艦、護衛艦から巡航ミサイル、「トマホーク」数十発を発射したりしても、たいした助けにならず、むしろ米・韓軍の指揮・統制を混乱させる「お邪魔虫」かもしれない。

もう一つの「さらなる行動」となりそうなのはイージス艦が搭載する迎撃ミサイル「SM3ブロックIA」(1発約16億円)を進歩型の「SM3ブロック2A」(価格は2倍以上)に換装する計画だ。

現在のものは射程1000km、最大高度500kmで準中距離弾道ミサイル(「ノドン」級)にしか対抗できないが、日米共同開発の新型「ブロック2A」は第2、第3段ロケットも第1段と同様に太くし、射程2000km、最大高度1000kmに達する。これは本来グアムなどに届く中距離ミサイル「ムスダン」等に対抗するために開発され、弾道ミサイルの軌道の頂点付近での迎撃をめざす。少し工夫をすれば、北朝鮮から米本土に向けて発射されたICBMが上昇中に大気圏外に出たあたりで迎撃することも可能となりそうだ。

もしそうなら日本海で待機する日本のイージス艦は、北朝鮮から米本土に向け北東方向に飛行するICBMを中国東北の吉林省、黒龍江省の上空で撃破できることになる。だが米国が韓国、日本を犠牲にしても“自国の安全が第一”との姿勢を示すなら、なぜ日本のイージス艦が米国に向かうICBMを撃墜してやるのか、との疑問が出そうだ。

(軍事ジャーナリスト 田岡俊次)
今回、可能性はまだ低いが、日本上空を飛行する弾道弾火星12SM-3で迎撃することもあり得るのではないか?

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前回5月14日に発射した際はロフテッド軌道であった為迎撃困難であったが、今回はご丁寧にグアムを狙うとのことだから、日本海の対馬上空であれば、来年から配備されるSM-3 BlockⅡA(最大射高1000km+)であれば余裕の射程範囲内だが、現在配備中のSM-3 Block IA(最大射高500km+)でも迎撃可能であると思われるが、今回はグアムに配備されたTHAADミサイルで迎撃を試みるような気がしてならない。

この、防衛行動を挑発と受け止めた北朝鮮が暴発することをトランプは期待するかもしれない。

英国のエコノミストの最新号に米朝戦争のシナリオが載せられている。

米朝核戦争の悪夢 ―英誌が描く仮想シナリオ――坂場三男
【BLOGOS】一般社団法人日本戦略研究フォーラム2017年08月10日 16:19

 悪夢は、2019年3月、米韓合同の軍事演習フォール・イーグル実施時に始まる。この時の演習は北朝鮮の相次ぐミサイル実験に対抗すべく、米軍2万、韓国軍30万の兵力が参加する例年になく大規模なものとなる。

北朝鮮は、これに先立ち、核弾頭搭載のICBMを大気圏に再突入させた上、デコイ(おとり弾)をまき散らしてミサイル防衛システムを攪乱させる実験を行っていた。更に、米側諜報筋から、北朝鮮は、米韓合同軍事演習がピークを迎える頃を狙って、熱核爆弾の高度空中における爆破実験に踏み切るのではないかとの情報が寄せられる。この核爆弾は地表70㎢範囲内の全ての生命を一瞬にして死滅させるだけでなく、近接地点にある衛星を破壊し地上の発電施設にも致命的被害を与えるほどの威力を持つ。

かかる事態を受けて、トランプ大統領は「北はレッドラインを超えた」と判断し、軍事行動に慎重なマティス国防長官やマクマスター補佐官の助言に耳を傾けなくなる。マクマスターは解任され、後任にタカ派のボルトン元国連大使が任命される。ボルトン大使はかつてサダム・フセインが大量破壊兵器を所持していると主張し、対イラク軍事攻撃を主導した人物である。

北の体制転換の必要性を主張する彼は、トランプ大統領に、北の熱核爆弾実験は間近かに迫っていると語る。トランプ大統領としては、中国の出方が読めないこともあって、直ちに軍事行動に訴えることにはためらいもあったが、自身の支持者に「困難な決断が出来る大統領」であることを示す必要に迫られ、韓国のムン大統領を無理やり説得し(軍事行動への)同意を取り付ける。

トランプ大統領は軍事顧問団に「本格戦争には至らないが北が核実験を思いとどまるに十分なほどに強力な作戦」の策定を命じる。策定された作戦の内容は北の核ミサイルを発射直後あるいは上昇段階で撃ち落とすというもので、(やってみると)懸念された金正恩の反撃もなく、トランプ大統領は作戦成功に酔い、支持率も大幅に上昇する。

しかし、金正恩は18万といわれる特殊部隊に命じて韓国内のいくつかの目標にゲリラ的な攻撃を仕掛け始める。彼らは、地下トンネルや潜水艦、あるいは古典的な複葉機を使って韓国に潜入する。韓国の沿岸海域に機雷を敷設して海上交易ルートを遮断し、基幹インフラへのサイバー攻撃も繰り返される。

他方、ソウル近郊に神経ガスを散布するといった戦争誘発の契機になるような決定的行動は控え、韓国内にパニックを引き起こし、政府に圧力をかけて米軍の行動を抑止出来れば取り敢えず良しとする作戦をとった。しかし、ここに北の読み違いがあった。米韓同盟側は北の作戦を大規模攻撃の前兆と捉え、ソウルなどに在住する外国人(15万の米国市民、4万の日本人、そして100万人以上と言われる中国人)の大規模な国外脱出が始まり、北を驚かせる。

ここに至って、米韓軍は最悪の事態に備えるべきことを提言し、訓練中の部隊にも直ちに作戦に参加すべきことを命じる。作戦の第一段階は米軍がそのミサイル、スマート爆弾、バンカー・バスターを動員して北の核基地、ミサイル発射台、指揮所を破壊する一方、韓国軍が奇襲攻撃によって北の指導層に対する斬首作戦を遂行するというものである。

こうした予防的攻撃によって戦争が短期・限定的なものになるとの計算である。問題は北の核施設の一部は山岳部に隠され、移動式発射台も洞窟の中に避難しているため、全てを破壊し切れないことである。このため、米軍は空母及び本国の基地から新たに戦略爆撃機500機を追加投入することを決定する。米軍の本気度を示すことによって金正恩に本格反撃を思いとどまらせる狙いもあった。

金正恩としてもここで本格反撃をすれば不帰点を超え、ひいては体制崩壊につながりかねないことは承知していたが、さりとて何の対抗手段も講じない訳にも行かず、長距離砲を1時間限定で南に向けて一斉射撃して撤収するという作戦に出た。米韓軍が軍事作戦を続ければどうなるかを思い知らせる暗示である。しかし、この反撃で既に軍民合わせて数千人の犠牲者を出している米韓側は、北の本格反撃が始まったと判断した。そうなれば、数時間以内に10万人以上のソウル市民が犠牲になり、まごまごしていると更に被害が大きくなる。この時点で、トランプ大統領から金正恩あてに声明が発出され、北が核ミサイルを使えば米側も核の反撃を加え金体制を殲滅すると警告する。

米韓軍の精密誘導兵器による攻撃で既に保有兵器の多くを失っていた金正恩は、体制崩壊の危機を前に大反撃に出る。ソウルを目標に化学兵器による砲撃、潜入部隊による毒ガス攻撃を展開し、生物兵器も使っているとの噂が広まる。破れかぶれになった彼は、ついに後先を考えることなく、ICBM2基を、また東京及び在沖縄米軍基地を目標に中距離ミサイル・ムスダン3基を発射するが、いずれもパトリオット・ミサイルによって着弾前に撃墜される。在韓のTHAAD及びパトリオット・ミサイルも中距離ミサイル2基にうまく対応した。

しかし、短距離ミサイル2基がソウル市内に着弾するのを防ぐことは出来なかった。これによって、ソウル市民30万人が犠牲となり、更に数ヵ月以内に核汚染によって米国人を含む多数の死者が出る見込みとなった。ことここに至って、トランプ大統領は北を核攻撃する決断をする。B2ステルス爆撃機によって最新のB61-12核爆弾を誘導投下する。4発が投下されて戦争が終結する。金正恩及び司令官たちは地下壕で死亡し、ほとんど全ての攻撃用兵器が破壊されている。これによる北の死者は数十万人に達し、更なる攻撃を恐れた平壌市民100万人以上が中国国境に向かって避難を開始する。大規模な人道支援の必要性が生じる。

驚愕した習近平総書記がこの事態にどう出てくるのかは不明である。世界の株式市場にショックが走り、世界的不況の前触れとなる。しかし、トランプ大統領は全くくじける様子もなく次のようにツイートした。

「悪魔・金正恩によるソウルへの核攻撃はひどい。核で反撃するしかなかった。私の果断な行動によってアメリカの安全が取り戻された。」


以上の内容は、英誌「エコノミスト」の最新号が掲載している記事の要約である。興味深いのは米朝核戦争が相手の出方・意図を相互に読み違えることでエスカレートする様子を描いていることであろう。

また、いずれの段階においても、中国(習近平指導部)の反応・対応が全く描かれておらず、「不明」とだけしている点も非現実的シナリオという印象を与える。こうした記事を掲載した同誌の意図するところは、シナリオの適否はともかく、朝鮮半島情勢の行きつく先に待ち受ける「暗い未来」を具体的に示し、政治指導者の愚かな判断が何をもたらすかに警鐘を鳴らすことにあるのであろうか。
過去の米国の黒歴史からすれば、米国からの予防的攻撃は考えにくい。米国は北朝鮮に攻撃をさせるか、何か事件を捏造して、国際的信認を得てからしか北朝鮮攻撃は行わないであろう。

4月に米朝Xディを騒いだ際、当面米国による攻撃は時機尚早であろうと思っていた。一つの根拠として、日韓に滞在する自国人に対して避難勧告を行っていない点である。

攻撃規模の大小はあれ、米国は反撃対象になるソウルから米軍と家族を事前に撤退させなければ、多大な犠牲が生じる。現在韓国には13万人~20万人の在韓米国人が存在する。

3.11の際、福島原発爆発に際して、自国民に対し緊急避難勧告を行ったのであるから、米国側からの攻撃が事前攻撃がある場合、当然退避勧告を行うはずである。

米国は北朝鮮への民間人渡航を禁止した。これは北朝鮮に勾留されていた米国人大学生が帰国後、死亡した事件を受けた措置とされているが、軍事作戦に踏み切った場合に「人間の盾」にされるのを防ぐ意味もあるだろう。

 トランプ大統領が本気で軍事作戦に傾くなら、少なくとも米軍家族はソウルから事前に避難させるだろう。それが大きな攻撃のサインになる。

避難勧告をもし出すタイミングを計るのであれば、文在寅大統領や韓国国民を挑発させ、米国民に危害が加えられる何かの事件を利用するシナリオも捨てがたい。

もしかすると、北朝鮮の8.15解放記念日に「THAAD配備に反対する団体」という仮面を被った北朝鮮工作員が主催するデモ」在韓米国大使館が取り囲むであろう。それと同時に米軍施設に対しても何かしらの行動があるだろう。

「米国はそれに乗じて、米国民がターゲットになる何かしらのテロを仕掛けて・・・」はさすがに考えすぎかもしれないが、何か起きれば米朝開戦は不可避になるだろう。
とにかく北朝鮮に最初の一発を打たせる戦略を米国は続けるであろう。




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米海軍当局者は6日、北朝鮮を牽制するため日本海に展開していた原子力空母カール・ビンソンとロナルド・レーガンの2隻が、3日間の共同訓練を終えて、日本海を離れたと明らかにした。

ロナルド・レーガンは沖縄東方の海域で海上自衛隊と訓練を続け、カール・ビンソンは米国に帰還する。

空母2隻が日本海を離れるのは、補給や他のミッションとの関係とみられる。北朝鮮に「最大限の圧力をかける」とするトランプ米政権が方針を転換したわけではなく、日韓と共に警戒態勢を続ける構えだ。

トランプ米政権は日本海に異例の空母2隻を派遣し、海自と共同訓練を実施。弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮に圧力をかけていた。

朝鮮中央通信は5日に北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が空軍の訓練競技を視察したと報じ、空母派遣に反発を示していた。

米国は北朝鮮攻撃をあきらめたわけではないけれど・・・
あらゆる選択肢という意味合いから言うと、日本にとってけっしていいニュースではない。これで、核実験とICBM実験の可能性が高まった。

トランプはロシアゲートが忙しくなって、今は北朝鮮に構っている暇がなくなってしまった。空母二隻は去って行った。

・・・いや、北朝鮮に再び冒険をさせ、中国と北朝鮮を緊張させる目的ではないか?核実験をしても中国が石油を止めなかったら北朝鮮の完全勝利に終わってしまう。
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米原子力潜水艦「シャイアン」(米海軍提供)
朝鮮半島有事を告げる前触れなのか。在韓米軍の8軍が5日から9日まで韓国に居住する米国の民間人を避難させる「非戦闘員退避活動(NEO)」を実施するとフェイスブックで明らかにしたと韓国紙、朝鮮日報(日本語版)が5日に報じた。実際に訓練が始まったかどうかには触れていない。

同紙によると、訓練の参加対象者は、韓国に住む米国の民間人約20万人のうち約1万7000人。在韓米軍の関係者は「先月17日から各集合地点で、有事の際の行動要領と行政手続きを説明するNEO説明会を実施している」として、「5日から9日までは訓練対象者のうち希望者約100人を選び、実際に航空機などに乗って韓半島(朝鮮半島)の外に避難させる訓練を実施する」と説明したという。

在韓米軍はこれまで年2回、上半期と下半期にNEOを実施。上半期の訓練は通常4~5月に行われるが、今年は「4月戦争説」が出回ったため、誤解を招くおそれがあるとして今月に延期したとしている。

とはいえ、朝鮮半島情勢が緊迫していることには変わりない。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮は例年以上のペースで、弾道ミサイル発射を繰り返している。5月には14日、21日、29日と3週連続でミサイル発射に踏み切った。

相次ぐミサイル発射を受け、国連安全保障理事会は今月2日、制裁決議を採択した。だが、北朝鮮は反発を強め、朝鮮中央通信は4日、「高度に精密化され、多種化された『チュチェ弾』の壮快な雷鳴は世界を震撼(しんかん)させながら多発的に、連続的に絶え間なく響き渡るであろう」とする外務省の報道官談話を伝えている。

聯合ニュースは5日、軍消息筋の話として、米海軍の原子力潜水艦「シャイアン」が6日に釜山に入港し、韓国海軍と合同訓練を行うと報じた。記事では、シャイアンが朝鮮半島全ての海域から北朝鮮の重要施設を攻撃できるため、周辺に停泊しているという事実だけで、核・ミサイル挑発を抑止する効果が期待されるとしている。

本当に抑止だけなのか気になるところだ。
まあ、本格的な米国人の退去が無い限り今のところは米朝戦争は無い。


中国は北朝鮮をコントロールできない。習近平は北朝鮮を説得しろとトランプは空母を北朝鮮沖に出した。4月6日の米中首脳会談から100日間猶予をくれと、習近平がトランプに言ったらしい。100日の期限は7月の頭に来る。事実、中国が石油カードをちらつかせたので、北朝鮮はレッドラインを超える核実験も、ICBM実験はしていない。

7月までに北朝鮮がテーブルに着かなければ、中国は石油パイプラインを止めると脅している。中国が本当に石油を止めれば、北朝鮮は暴発しかねない。石油カードは最後の手段なのだ。

北朝鮮は南を統一するまで、一貫した戦略と論理で動いている。米国を半島から撤退させる為に何十年もかけICBMを開発し続けてきたのであるから、南北を統一するまで北朝鮮は核を放棄することは無い。

中国は、北朝鮮の為に米国と戦争したくはない、米国も韓国の為に血を流したくない、米中が、もし激突して戦争をする場合は、唯一、台湾海峡を争う場合のみ。

そう、米中は共に朝鮮の為に血を流したくない、勝手にしろという空気が流れている。

米国は中国が北朝鮮と裏で繋がっていると疑っているが、米中ともに朝鮮半島は厄介者であるという認識が高まってきている。北京も北朝鮮の核を抜いた朝鮮半島の統一というシナリオを考え始めているかもしれないが、北朝鮮国境の瀋陽軍閥が朝鮮利権を手放そうとしない。その為中国主導で北朝鮮をコントロールが出来ないのである。北朝鮮問題は北京と瀋陽との関係次第ということなのだろう。

もし、米中が北朝鮮を話し合いで和平を実現したいと思うのなら、在韓米軍撤退し、朝鮮は米中の共同管理が望ましい・・・が、北朝鮮の核放棄は難しいかもしれないが、米国も中国は朝鮮半島は非核中立であれば、あとは北が武力で南を占領しても文句はないといとOKサインを出せばあるいは核の放棄をするかもしれない。
まあ、ありえないが、朝鮮半島は北と南で勝手に争わせ、日本を含め米中露は一切介入しない!私は周辺国にとってベターな選択のような気もするが、いまのところ空想にすぎない。

日本のすべきことは多い。日本はまずロシアと緊密化させロシアを通じ北朝鮮に圧力をかけてもらう。そしてロシアと北朝鮮の接近を阻止だ。

トランプが頼りにならないと思いだした日本は、中国との関係修復が水面下で始まりだした。ただし、中国と対話する場合は、遜る態度をとってはいけない。日本は、北朝鮮のせいで軍事力を増強しなければならなくなった。中国が北朝鮮をコントロールしなかった結果、持ちたくもない核抑止能力、例えば弾道ミサイル、原子力潜水艦、いずも型にF-35Bを搭載するとか、軍事力を持たなければならなくなると、ちゃんというべきだ。それでもだめなら、日本も核を憲法を改正し核を保有するぞと中国を脅すべきだろう。そうすれば中国は少しは焦るだろう。

北朝鮮問題で、日本と中国の関係改善の糸口は若干見えてはいるが、中国と会話をするなら、日本は力を示さなければならない。そうでなければ、中国との会話は成り立たないし、軍事力を持つ意思がなければ、中国と会話すべきではない。



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中国の北朝鮮からの輸入(3ケ月計、万トン) 
「北朝鮮は弾道ミサイルを発射し、ずいぶんと隣国、中国に無礼を働くもんだ。だが、中国はしっかりやってるぜ」(トランプ米大統領の5月29日付ツイッター)(夕刊フジ)

 北朝鮮は先週末、イタリア・シチリア島で開かれた先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)での核・弾道ミサイル開発放棄要求を完全無視したばかりか、日本の排他的経済水域に着弾した29日の3発目までに3週間連続でミサイルをぶっ放した。

 対するトランプ氏は、1日で何度も短文で済むツイッターを乱発するから、米大統領の言葉としては重厚さに欠けるが、中国の習近平国家主席・党総書記への気配りは本物のようだ。

 本欄ではこれまでにも論じてきたように、トランプ氏は大統領当選後、しばらくは対中強硬路線を誇示してきたが、今年1月に北朝鮮が核実験と弾道ミサイル発射に踏み切った途端に、対中融和に切り替えた。4月初旬の米中首脳会談後は習氏について機会あるごとに「ウマが合う」「よい男だ」と褒めちぎる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長を抑えるのは習氏しかいないと信じきっているかのようだ。

 では、中国はトランプ氏の期待に応えているのか。

 グラフは中国の北朝鮮からの石炭と鉄鉱石の輸入量の3カ月合計の推移である。中国が3月から輸入を停止した石炭は大きく落ち込んでいる。対照的に鉄鉱石輸入は急増している。北朝鮮は中国から石油、鉄鋼製品などの供給を受け、見返りに石炭、鉄鉱石などの資源を中国に輸出する。

 このバーター方式だと、北朝鮮は対中輸出を減らすと、輸入をその分減らさざるをえなくなる。中でも、石炭は中国の対北輸入総額の5割前後を占める。それが止まった分の穴埋めは容易ではなく、北朝鮮は追い込まれるはずなのだが、中国は鉄鉱石など他の品目の輸入を増やす配慮を行っている。

 中国の北朝鮮からの輸入総額は今年1~4月で前年同期比20%減少したのと対照的に、輸出総額は15%増加している。

 何のことはない、中国は石炭輸入を停止することで、トランプ大統領には対北締めつけで協力しているように見せかけながら、北朝鮮に対しては石油、鉄鉱製品などを従来にも増して輸出している。

 金委員長が高笑いしながら、弾道ミサイル実験を繰り返すはずである。金委員長に圧力をかけるサミット宣言の裏では、G7首脳は中国にしてやられている。トランプ大統領とG7が圧力をかけるべき相手は中国であり、習主席である。

 中国に対しては、北への石油供給や、中国の銀行による信用供与の停止を求めるべきだ。そうすると、北朝鮮は輸入できなくなるし、軍は機能停止する。中国がそうしないのは、金委員長が激怒し、核やミサイルを中国の方に向けかねないからだ、との見方があるが、忖度(そんたく)しすぎだ。そもそも、習氏にはそんな気はさらさらないことを本グラフは示しているではないか。               (産経新聞特別記者・田村秀男)
「やっぱりなぁ~、そうだったかぁ・・・・」石炭止めて、鉄鉱石。どっちも中国にとって北朝鮮からわざわざ輸入する理由が無く、中国は依然北朝鮮を支援していると言われても仕方がない。実際は北京の言うことを聞かない旧瀋陽戦区の仕業だろう。

中国に手玉にされて(」〃>Д<)<<<「だせーぞ!トランプ!」 

結局トランプ政権も、歴代統領同様、最初は中国に対して強気なことを言ってはいても、結局は取り込まれてしまっているではないか!

フランクリン・ルーズベルトは、中国国民党を支援し、実質米空軍(当時は陸軍航空隊)である義勇軍(フライングタイガー)を中国大陸に送り込み、ハルノートを突き付け、日本を第二次世界大戦へ追いやった。

日本の頭越しに中国訪問を行ったリチャード・ニクソン。
米中国交樹立を行い、台湾と断交したジミー・カーター。
80年にロナルド・レーガンは、前任のジミー・カーターが中国と国交樹立したために断交した台湾と関係修復すると宣言したが、実現できなかった。

ビル・クリントンは当選当初は、中国に人権問題改善を要求する大統領今に署名したが、任期終了間際には中国の飼い犬と成り果てWTO加盟を後押しした。

ブッシュJrには当初期待した。2001年4月に南シナ海でおきたアメリカ海軍偵察機と中国人民解放軍機との接触事故では、「アメリカ側に責任は無い」とするなど当初対立姿勢を強めたが、911テロ直後に江沢民がブッシュに電話したことを契機に協調路線に向かってしまった。

酷いものだ、もっとも前バラク・オバマ大統領は最初から取り込まれていたが、最後に、若干ことの拙さに気がついたようだった。

米国の外交政策は、中国に良いようにやられ、CIAの中国スパイ網が、壊滅状態になっているという。このままでは米国の覇権の維持などできやしないだろう。

中国はまるでウィルスのごとく米国の政権内奥深くに侵入し、増殖を繰り返している。中国本土はバブル崩壊で壊滅しても、下手をすると、多額の金を横領し、米国に逃げ込んだ中共幹部とその子弟により、米国そのものを乗っ取られてしまうかもしれない。

結局は中国を利するトランプの素人外交
This Isn't Realpolitik. This Is Amateur Hour.
    ニューズウィーク日本版
【Newsweek】2017年5月12日(金)10時00分
スティーブン・ウォルト(ハーバード大学ケネディ行政大学院教授)

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先月末に就任100日を迎えたトランプ大統領だが外交政策の舵取りはいまだに素人レベル Jonathan Ernst-REUTERS
強気の発言はどこへやら、右往左往する素人集団のトランプ政権。一貫性を欠く政策に同盟国の信頼は揺らぐ一方だ

ドナルド・トランプ米大統領がフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領をホワイトハウスに招待した。ドゥテルテといえば、麻薬戦争で殺人も辞さず、「犯罪者」を自分の手で殺したと豪語するなど、人権侵害が問題視されている人物だ。

それでもアメリカの重要な同盟国の指導者には違いない。トランプは(歴代の米大統領と同様)倫理的な懸念よりも戦略的インセンティブを優先し、アジア・太平洋という極めて重要な地域で現実的な政策を推進しているにすぎない――。そうした見方もあるかもしれない。なるほど、表面的には現実政治の典型に見えなくもない。

しかしそうした見方は現実とは懸け離れている。リアリスト(現実主義者)にとって、アメリカの安全保障のカギは、南北アメリカ大陸で地政学的優位を堅持し、競合国がヨーロッパやアジアの要所を支配したり、ペルシャ湾周辺の主要なエネルギー資源を牛耳ったりしないようにすることだ。アメリカを除けば、世界で現在「地域覇権国」となる可能性がある国はただ1つ――中国だ。

従って、リアリストにとってアジアにおける最優先課題は、中国がアジアでの優位を強化し、最終的には周辺国にアメリカとの安保協力を破棄させるのを阻止することだろう。協力を破棄されたら、アメリカは西太平洋や東南アジアで大規模な軍事プレゼンスを維持できず、中国が事実上の地域覇権国になるはずだ。

中国はやがて今のアメリカのように他の地域でも意のままに力を誇示するようになり、南北アメリカでも安保協力を確立しようとさえするかもしれない。

当然、アジアにおける現実主義的アプローチは、アメリカが中国の動向に目を光らせ、時にはアジアの協力国と微妙な均衡の上に巧みに連携していくことを必要とする。これは難題で、一貫性と慎重な判断と賢明な外交、それに信頼できる軍事力が必要だ。トランプ政権になっても軍事力はまだ十分残っているが、それ以外の資質は十分とはいえない。

 不信感を募らせる同盟国                                   
【参考記事】文在寅とトランプは北朝鮮核で協力できるのか

トランプのこれまでの言動を振り返ってみよう。まず就任前、祝意を伝える台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統からの電話を受けて、台湾を中国の一部と見なす「一つの中国」政策の見直しを示唆したが、その後に撤回。就任4日目にはTPP(環太平洋経済連携協定)離脱を指示する大統領令に署名し、アジアの多くの国々との関係強化につながる重要な協定を台無しに。合意に尽力した各国指導者たちの国内での支持や影響力に打撃を与えた。

オーストラリアのマルコム・ターンブル首相との電話会談では、難民受け入れをめぐり激怒し、一方的に電話を切ったと報じられた。これを受けて、アメリカとの長年の絆はオーストラリアにとってメリットがあるのか、との疑念に拍車が掛かった。

朝鮮半島でもトランプは重要な同盟国との関係を危うくしている。現在配備中のTHAAD(高高度防衛ミサイル)の費用を韓国が負担すべきと主張し、米韓の自由貿易協定(FTA)の再交渉もしくは停止を示唆したのだ。米国防総省が慌ててTHAADの費用は合意どおりアメリカが負担すると訂正したものの、これではワシントンの一貫性や判断に対する同盟国の信頼が強化できるはずがない。

トランプは北朝鮮との戦争の可能性も高めている(戦争になれば韓国への影響は破滅的だ)が、強硬姿勢を見せたと思いきやなぜか実現すれば「光栄だ」と金正恩と会談する意向を示唆。自国の空母の所在を間違えた後だけに、アメリカの指導力に韓国側が懐疑的になるのも無理はないだろう。

問題はそれだけにとどまらない。トランプは中国をライバル、その台頭を抑止すべき相手と考えるどころか、中国にこびている。対北朝鮮政策などで支援を取り付けるのが目当てだ。

(トランプのビジネス上の利益ではなく)アメリカの国益が中国と一致するなら中国と協力して一向に構わないが、そうしたアプローチが中国の周辺国の疑念を呼ぶのは必至だ。中国がアジアのリーダーだという認識を強める結果にもなる。実際にそうなったら、アジアのどの国がアメリカとの密な関係を維持したがるというのか。

ドゥテルテに衝動的に接近したこともトランプ政権の素人ぶりを露呈している。重要な同盟国との関係改善を試みたと言えなくもないが、問題はトランプが誰にも相談せず、ドゥテルテ本人の意向も確認しないまま、招待を公表した点だ。

政治のプロなら承知しているとおり、ホワイトハウスに招待するというのは一大事。入念な下調べをし、当事者双方が合意した上で公表するのが鉄則だ。あいにくドゥテルテは忙し過ぎて招待を受けられないかもしれないと発言、トランプの面目は丸つぶれになった。

【参考記事】トランプはドゥテルテをホワイトハウスに招いてはいけない

| まるでドタバタ喜劇のよう                                       
言うまでもなく、こうした手法はおよそ外交政策の現実主義とは対極にある。現実主義者にとって国際政治は極めて重要な問題であり、カギを握る地域と未来のライバルが絡んでいる場合はなおさらだ。現実主義は好ましいパワーバランスを保ち、不可欠な同盟を巧みに管理し、何より、敵も味方もアメリカの行動に見合った行動が取れるようにすることに重点を置く。

このことを指導者が承知している国であれば、人員不足の国務省や適任でない娘のイバンカやその夫のジャレッド・クシュナーを当てにしたり、重要な外交関係を検閲なしのツイート任せにしたりはしないはずだ。トランプ流の外交政策は連続コメディーや喜劇オペラのネタとしては最高だろうが、アメリカにとっては破滅的であると同時に屈辱的だ。

アメリカは最悪の道を進んでいるようだ。トランプは次第に外交政策のエスタブリッシュメントに捕まり、吸収され、封じ込められて、選挙運動中に公約した過激な改革は、マイケル・フリンやセバスチャン・ゴーカといった無能な大統領補佐官らともども徐々にお払い箱にされている。

その結果どうなるか。アメリカは過去四半世紀の大半と同じように、野心的過ぎる外交政策を推進し、引き続き世界の出来事のほとんどを管理しようとするだろう。ただし舵取り役はプロではなく、経験不足で衝動的で適性に欠ける人物だ。

この不幸な状況は筆者のような職業の人間には題材の宝庫だが、アメリカにとってはプラスにならず、現実主義には程遠い。そしてアメリカの不幸を願う連中にとっては思う壺だろう。

From Foreign Policy Magazine

[2017年5月16日号掲載]

さすがに、米国大統領は、一人ではできない。参謀や優秀なスタッフがいて、チームとして機能しなければ、個人商店のごとき大統領では、もはや限界なのだろう。

TPPからの離脱は、トランプが外交無知の個人商店であった為であり、下手をすると北朝鮮問題を中国に丸投げして、AIIBや一帯一路に加盟してしまいそうな勢いである。

悪いことに、優秀なスタッフはトランプ政権後を睨んで、チームの椅子に座ろうとしていないようだ。中国にとってトランプは 外交素人にすぎないのだろうか?

中国にとってトランプは 外交素人にすぎない
北朝鮮に圧力をかけてくれれば貿易赤字は甘受する――
    米大統領より習近平が一枚上手だった?     

【Newsweek】ベサニー・アレン・イブラヒミアン(フォーリン・ポリシー誌記者)

ニューズウィーク日本版                                   わずか83日間でこれだけ変われるものなのか。トランプ米大統領が、対中貿易政策を大転換するのに要した日数のことだ。                       
中国に対して貿易分野で強硬姿勢を取るとしていたのに、先の米中首脳会談では自ら譲歩を提示してみせた。

 選挙期間中は経済面で中国を罵倒していたトランプが、あっさりと前言を翻した格好だ。これまでもアメリカの歴代大統領は、中国を手なずけるのは容易ではなく、地政学的ゲームの手ごわい相手だという現実を思い知らされてきた。だがそれを考慮に入れても、トランプの心変わりは驚くほど早かった。

 トランプが中国の習近平国家主席と会談する直前の今月上旬、北朝鮮が弾道ミサイル実験を強行した。今まで中国は、北朝鮮の核開発に歯止めをかけようという国際社会の取り組みに足並みをそろえずにいた。

 しかしトランプは習に、中国が北朝鮮に対して持っている経済的影響力を存分に行使するチャンスを与えたようだ。                                
 トランプはウォールーストリートージャーナル紙のインタビューで、習に対して「貿易面で大きな取引をしたいなら、北朝鮮問題を解決してくれ」と語ったと明らかにした。「そうしてくれれば、貿易赤字を甘受できる」。さらに選挙期間中には中国を「史上最悪の為替操作国」と非難していたが、「中国は為替操作国ではない」と言って従来の主張を取り下げた。

 驚くべき変わり身の早さだ。ホワイトハウスは米中首脳会談の前に、貿易問題が主要議題になると強調していた。だが習がトランプに対し、北朝鮮を封じ込める長年の努力の歴史を説明すると、すぐさま会談のトーンが変わったようだ。

 「10分聞いているうちに、簡単な話ではないと分かった」と、トランプは語っている。「中国が北朝鮮に対して大変な影響力を持っていると、強く感じた」          
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| 中国側はお見通したった

 米大統領が中国への強硬姿勢を示しながら、現実に直面して態度を軟化させるのはトランプが初めててはない。
 
80年にロナルドーレーガンは、前任のジミー・カーターが中国と国交樹立したために断交した台湾と関係修復すると宣言したが、実現しなかった。ビル・クリントンは93年、中国に人権問題改善を要求する大統領今に署名したが、任期終了間際には中国のWTO加盟を後押しした。

 一方の中国政府当局者は、トランプが大統領選に勝つと、最初のうちは高圧的な態度を取られるのを静観するつもりだと示唆していた。新政権が歴代政権と同じく、いずれ現実的な姿勢を取るときに備えて準備するとしていた。

 トランプが提示した貿易面での譲歩を中国側が受け入れるかどうかは定かではない。中国政府内に、対米貿易と北朝鮮の核開発計画を多少なりとも結び付ける動きがあるという話も聞こえてこない。

 トランプの戦略は、中国の影響力を過小評価していたことを示唆している。アメリカは中国にとって最大の輸出市場だが、アジア、アフリカ、中央アジアの多くの国々にとっては第1位の貿易相手国は中国だ。中国は世界第3位の軍事大国であり、核も保有している。

 中国政府の目に、トランプはおそらくこう映っている――さんざん言いたいことを言っていたが、危機に直面した途端に動揺してしまう地政学的パワーゲームの素人にすぎない。中国政府関係者は、自らの指導者のほうが米大統領より一枚上手だと確信しているだろう。
今回のウイルスの侵入経路は、トランプの愛娘イヴァンカとその娘婿ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問のようだ!

トランプ政権を手玉に、中国の人・カネ・外交  
編集委員 飯野克彦 2017/5/28 2:00 日本経済新聞 電子版


 米国のドナルド・トランプ大統領が、就任する前とは打って変わって中国に融和的な姿勢を鮮明にしています。選挙戦で対中強硬論をぶっていた大統領候補が当選後に中国重視へと旋回するのは珍しくありませんが、トランプ氏の旋回ぶりには目覚ましいものがあります。大統領の個性による面が大きい印象ですが、中国がトランプ政権の「つぼ」を巧みに押さえた面があることも指摘できます。

 北京の中心部からやや西寄り。「金融街」とよばれている一角にザ・リッツ・カールトン北京という高級ホテルがあります。ここで5月6日、中国の富裕層に米国への不動産投資をうながす商談会が開かれました。主催した「北京僑外出国諮詢服務」は、海外への移民をのぞむ人々へのサービスで成長してきた企業グループ「僑外集団」の中核企業です。宣伝ポスターが「50万ドルで米国移民」とうたっていたように、米国内で50万ドル以上の投資をした外国人は米国の永住権を得られるという「EB-5」プログラムを活用した、投資商談会でした。

娘婿とその関係者に食い込む

 習近平・国家主席の号令で「反腐敗運動」が猛威をふるっていることもあり、中国ではこのところ移民熱が一段と高まりを見せています。移民の機会を提供するこうした商談会は珍しくありません。ただ今回は、米ワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズなどの記者が取材をこころみるなど、一部のメディアが強い関心を寄せました。投資を勧誘する側の代表として、ニコール・クシュナー・メイヤーさんが登場することになっていたからです。

 名前からうかがえるように、トランプ大統領の女婿であるジャレッド・クシュナー大統領上級顧問の妹です。トランプ家とおなじくクシュナー家も不動産事業で財をなしました。政府の要職に就いたジャレッド氏は少なくとも形の上では家業から手を引いていますが、ニコールさんは幹部としてつとめているわけです。この日の商談会で投資対象として紹介されたのは、クシュナー・カンパニーズがニュージャージー州のジャージーシティーで開発を進めている「ワン・ジャーナル・スクエア」という複合ビルでした。

 兄が大統領の顧問をしていようが、その義父が大統領の座にあろうが、民間企業の幹部として自社商品を宣伝するのは当然の商行為ではあります。物議をかもしたのは、商談会のなかでニコールさんが「兄は最近ワシントンへ行き政府の仕事をしている」などと語ったことでした。政権中枢とのつながりをビジネスに利用したのでは、といった疑念を招いたのです。また、トランプ大統領が大統領選で移民問題をことさらに強調し、実際の政策としても移民受け入れの要件を厳格化しようとしているときに、大統領の親族がこれまでの仕組みに沿った移民を勧誘した形になったことも、違和感をもって受けとめられたようです。

 翌日、ニコールさんは上海の商談会にも顔を見せましたが、その後の予定にあった広州(広東省)や深圳(同)などでの商談会には出なかったそうです。クシュナー・カンパニーズは「投資を引き出す目的で(ジャレッド・)クシュナー氏の名前を出したと解釈されてしまったのであれば謝罪する。(ニコール・クシュナー・)メイヤー氏が意図したことではなかった」との声明を出しました。

 いずれにしても、トランプ政権の周辺に中国マネーが浸透しつつあることを浮き彫りにしたエピソードです。実は6日の商談会に際し、僑外集団は「クシュナー家と再び手を組んだ」と大々的に宣伝しました。ジャレッド氏が経営を退く前からクシュナー・カンパニーズは僑外集団と取引関係があったのです。1月20日のトランプ大統領の就任式に、僑外集団トップの丁頴・総裁が招かれていたことから、両企業グループの親密ぶりがうかがえます。僑外集団が食い込んでいるのは、トランプ政権の周辺というよりは中枢そのものとみるべきかもしれません。

僑外集団に対して中国共産党政権がどれほどの影響力を持っているのか、実態はわかりません。ただ、海外への移民のあっせんという業務は当局との緊密な関係がなければ公然とできるものではありません。僑外集団からクシュナー家、そしてトランプ政権の中枢へと通じるルートを共産党政権は押さえた――。こんな構図が浮かび上がります。

米中首脳会談でもクシュナー氏と連携

 ジャレッド氏が中国マネーと因縁浅からぬ関係にあることは、別のエピソードでも明らかになっています。

 トランプ氏が当選を決めてほぼ1週間後に当たる2016年11月16日の夜。ジャレッド氏はニューヨーク・マンハッタンのミッドタウンにある高級ホテル、ウォルドーフ・アストリアの中華レストランで食事をしました。ニューヨーク・タイムズによると、1本2100ドルするワイン「シャトー・ラフィット・ロートシルト」を酌み交わした相手は、中国の大手保険会社、安邦保険集団の呉小暉・董事長。同社は2014年、ほかでもないウォルドルフ・アストリアを19億5000万ドルで買収したことで世界に名をはせました。呉董事長みずからは、かつての最高実力者・鄧小平氏の孫娘と結婚したことで知られています。

 ことし3月になって、クシュナー・カンパニーズがマンハッタンに所有する高層ビルの再開発事業に安邦保険集団が巨額の投資を検討している、と報じられました。それから間もなくクシュナー・カンパニーズは「もはや安邦とは協議していない」と発表しました。実情はどうあれ(1)ジャレッド氏は中国の大手企業の経営者と親しい(2)その経営者は中国で「太子党」と呼ばれる、共産党政権高官の子弟でもある(3)すくなくとも一時は中国マネーがクシュナー・カンパニーズに流れ込む動きがあった――ことはあきらかです。中国の崔天凱・駐米大使はトランプ氏の当選から短い期間のうちにジャレッド氏と太いパイプを築きましたが、その背景に呉董事長や丁総裁らの人脈と中国マネーの作用を読み取る向きは少なくありません。

 セクレタリー・オブ・エブリシング(あらゆることの長官)――。米紙が皮肉を込めてこう評しているように、ジャレッド氏はいまや大統領の腹心としてトランプ政権のさまざまな意思決定に関与しています。米フロリダ州にあり「南のホワイトハウス」と呼ばれるトランプ氏の別荘「マール・ア・ラーゴ」で4月上旬に開いた米中首脳会談も、ジャレッド氏と崔大使が手を携えて下ごしらえをしたとされています。そんなジャレッド氏に中国マネーはしっかり食い込んだ印象がありあます。

 ジャレッド氏の夫人、すなわち大統領のまな娘であるイバンカ・トランプ大統領顧問にも、中国マネーの影はちらついています。

 イバンカさんは自分の名前を冠したファッションブランドの創設者です。米AP通信によると、米中の両首脳が「マール・ア・ラーゴ」で夫人たちも交えた夕食会を開いた4月6日、中国当局は宝石やバッグなど3分野で「イバンカ・トランプ」の商標登録について仮承認したそうです。

 周知の通り、トランプ政権をめぐっては政治倫理にかかわる問題がいろいろと浮上しています。足元では、ロシアとの不透明な関係をめぐる疑惑「ロシアゲート」が大きく政権を揺さぶっていますが、中国マネーがからんだ問題も疑念を招いているのは確かです。中国からみれば、米国の政策が中国にとって都合のいい方向に動くよう影響を及ぼすことができれば、それにこしたことはないでしょう。たとえそうならなくても、トランプ政権が政治倫理の問題に揺さぶられ米国の国際社会での指導力の減退につながるのなら中国にとって利益になる、とみている可能性もあります。

もちろん、中国のトランプ政権への働きかけは、クシュナー家やイバンカさんといった私的なつながりを通じたものだけではありません。たとえば、米中首脳会談で貿易不均衡の是正に向けた「100日計画」で合意して1カ月あまりたった5月中旬、米国産牛肉の輸入再開などを盛り込んだ「10項目合意」の発表にこぎつけました。トランプ政権は2国間の交渉を通じて貿易赤字の削減を目指すことを対外経済政策の柱に据えています。そのモデルケースともいうべき成果を中国は提供したわけで、なかなか「つぼ」をこころえた一手です。

アジアから米影響の排除狙う

 もう一つ、中国がトランプ政権をたぐり寄せるための「つぼ」の役割を果たしているのは、北朝鮮の核・ミサイル問題です。

 この問題では、トランプ大統領が武力行使も示唆して北朝鮮への影響力を行使するよう習主席に圧力をかけ、中国は金正恩政権の説得に四苦八苦している、というのが一般的に語られている構図でしょう。しかし視点を変えれば、中国は北朝鮮の暴走に歯止めをかけられる立場を生かして米中関係を自らが有利になるよう動かしている、という構図でもあります。2001年の米同時テロと比べると、わかりやすいかもしれません。

 16年前、発足して間もないブッシュ政権は厳しい対中姿勢を鮮明にしていました。それを一変させたのが同時テロです。米中関係に及ぼした影響は劇的で、中国の専門家が「テロは米国にとって悲劇だったが、中国の発展にはとても有益だった」と語ったこともあるほどです。米中の間で、16年前の同時テロと同じ役割を現在は北朝鮮の挑発的な行動が果たしている、とみることができます。

 「アジアの問題はアジアの人々が対処し、アジアの安全はアジアの人々が守るべきだ」。習主席は2014年、上海で開いた国際会議の場でこう演説したことがあります。それ以前には、中国政府の高官が米軍の高官に対し、太平洋の東半分は米国が、西半分は中国がそれぞれ管理する、というアイデアを持ちかけたこともありました。

 アジアの安全保障で米国の影響力を排除し中国の勢力圏におさめる、という戦略を中国は持っているのでしょう。19世紀の前半に、ジェームズ・モンロー米大統領が南北アメリカに対する欧州からの干渉を拒否する考えを表明したのを連想させます。いわば中国主導のアジア版モンロー主義で、遠い将来の歴史書には「習近平主義」と記されることになるのでは、などという想像まで誘います。

 だからこそオバマ前大統領は「アジア回帰」を掲げ、環太平洋経済連携協定(TPP)を推進して中国に対抗しようとしました。けれどトランプ大統領はTPPから離脱し、北朝鮮への対処で中国に下駄(げた)をあずけ、さらに最近は南シナ海の問題でも中国に配慮する考えを公然と表明しています。アジア版モンロー主義には格好の追い風です。
中国共はウィルスのようなタフさで、米国の中枢に入り込み、早くもトランプ政権を
コントロールしようとしている。ウィルスにはタフそうに見えたトランプだったが・・・・、
あまりにも早い陥落・・・「ダサい!あまりにもダサ過ぎる」・・・ 
「チッ!Ddogもトランプを擁護する気もなくなるぜ」

中国人は世界中に撒き散らされ、増殖し、世界中の秩序を破壊しているようにしか見えない。環境団体は南シナ海の自然を破壊し尽くす中国に抗議をするべきだ!
辺野古の埋め立てなんて子供の遊び程度だ。

北朝鮮のICBM開発問題が癌だった。フロリダで開かれた米中首脳会談でトランプが習近平に北朝鮮ICBM 開発問題で中国の協力を求める形になったのが悪手だった。中国側に協力を依頼する為中国側の神経を逆なでする南シナ海でのFONOPを実施を見送ってしまったのだ。オバマ政権下で最後に行われた昨年10月21日のFONOPから半年以上も再開されることがない状態となってしまったのである。

痺れを切らした米太平洋軍のハリス司令官がマティス国防長官経由でトランプをせっついてようやく「航行の自由作戦(FONOP、freedom of navigation operation)」の再開になった。
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南シナ海で洋上燃料補給のために待機する米海軍のミサイル駆逐艦デューイ(2017年5月19日撮影、25日公開、資料写真)。(c)AFP/US NAVY/Mass Communication Specialist 3rd Class Kryzentia Weiermann〔AFPBB News
                                                 先週の5月25日、アメリカ海軍駆逐艦デューイは、中国が人工島を建設した南シナ海南沙諸島のミスチーフ礁から12海里内海域を通航した。トランプ政権が発足して以降初めての南シナ海でのFONOP(航行自由原則維持のための作戦)が実施されたことになる。

■ なかなか始まらなかった南シナ海でのFONOP

 中国は南シナ海に「九段線」(下の図)という不明瞭な境界線を国際海洋法条約とは全く無関係に設定して、南シナ海の大半の領域を自国の主権的海域であると主張し、南沙諸島でいくつかの環礁(暗礁も含む)を埋め立てて人工島建設に着手した。それに対してフィリピン政府が警告を発し始めたのは、2014年2月のことであった。

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中国が設定している九段線(太い点線)

 しかし、アメリカをはじめとする国際社会の関心を集めることにはならなかった(本コラム2014年6月26日)。またたくまに中国の人工島造成プロジェクトは進展し、早くも2014年秋には4つの人工島が姿を見せつつある状況が確認された(本コラム2014年10月16日)。アメリカ海軍などではこの動きを問題にしたものの、オバマ政権は関心を示さなかった。

 2015年になると、中国の人工島建設はますます急ピッチで進められ、7つの環礁が人工島と化し、いくつかの人工島には滑走路も建設されている状況まで確認されるようになった。この状況に米海軍では強い危惧の念を発し続けたが、オバマ政権は相変わらず静観し続けた。(本コラム2015年3月12日4月23日5月28日6月4日

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  ミスチーフ礁(1):2015年1月、埋め立て前のミスチーフ礁(写真:CSIS、以下同)

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ミスチーフ礁(2):埋め立て前のミスチーフ礁には小さなコンクリート製の建造物だけが存在していた

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  ミスチーフ礁(3):2015年9月、人工島建設が進むミスチーフ礁

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  ミスチーフ礁(4):2016年7月、ミスチーフ礁には滑走路はじめ数多くの施設が誕生

しかしながら、いよいよ人工島──それも3つもの人工島に3000メートル級滑走路が誕生しつつある状況が明らかになると(本コラム2015年9月24日)、オバマ政権もようやく重い腰を上げ、中国に対して自制を促す姿勢を示す行動を取り始めた。

 そこで始められたのが、アメリカ海軍による「南シナ海でのFONOP(航行自由原則維持のための作戦)」である。(本コラム2015年10月15日

■ FONOPの目的とは

 それまでにもアメリカは世界中の海でFONOPを実施していた。その目的は、海洋国家であるアメリカが国是としている「公海での航行自由原則」が脅かされようとしている海域にアメリカ海軍の軍艦や航空機を派遣して、「アメリカは航行自由原則が踏みにじられることは断固として容認しない」という強固な意思を示すことにある。

 したがって、アメリカが南シナ海の南沙諸島や西沙諸島などの周辺海域でFONOPを実施する目的は、中国(あるいは中国と領有権を争っている他の国)による領有権の主張に反対するため」ではない(アメリカ外交は第三国間の領域紛争には関与しないことを大鉄則としている)。あくまで「中国(あるいは他の国)が当該海域で『公海での航行自由原則』を踏みにじることがないように、『行き過ぎた主権的権利の主張』に対して警告を発するため」である。

 オバマ政権下でのFONOP

 アメリカ太平洋軍やアメリカ海軍としては、このようになFONOPによって中国に人工島から手を退かせることができないのは十分に承知している。それでも、できるだけ頻繁に、かつ中国を刺激するような形で、FONOPを実施すべきであると考えていた。

 というのは、そのような強硬な態度を示さなければ、中国による人工島の軍事拠点化を暗に認めたことになってしまい、南シナ海での中国の軍事的優勢に拍車をかけることになってしまうからだ。

 しかしながら、中国に融和的であった(かつ軍事的行動を極力用いたがらなかった)オバマ政権は、ごく形式的なFONOPの実施しか認めなかった。そして、その回数も海軍側の意図とは違い、3カ月に一度程度にしか過ぎなかった。(本コラム2015年11月5日2016年2月4日5月19日10月6日10月27日

 214日ぶりに再開されたFONOP

 このようなオバマ政権の南シナ海での腰が引けた姿勢を強く批判していたのがトランプ大統領候補である。したがって、トランプ政権が発足するとすぐに、アメリカ海軍、とりわけ対中強硬派の主唱者である太平洋軍司令官ハリー・ハリス海軍大将は、南シナ海でのFONOPの実施再開を強く要請した。

 しかしながら、太平洋軍の上部機関であるペンタゴン(国防総省)内では南シナ海でのFONOPに関して様々な議論が存在していて一枚岩ではなかった。また、ペンタゴン自身の高官人事が停滞しているために、太平洋軍側の度重なるFONOP実施要請に対してなかなかゴーサインが出されなかった。

 そうこうしているうちに北朝鮮のICBM開発問題が持ち上がり、フロリダで開かれた米中首脳会談でトランプ大統領が習近平主席に北朝鮮ICBM問題で中国の協力を求める形になってしまった。さすがのトランプ政権としても、中国側に協力を依頼しておき、その一方で中国側の神経を逆なでする南シナ海でのFONOPを実施することはできない。そのため、オバマ政権下で最後に行われた昨年10月21日のFONOPから半年以上も再開されることがない状態となってしまったのである。(本コラム2017年5月11日

 業を煮やしたハリス司令官は、議会での証言などで南シナ海でのFONOP実施の必要性を力説したり、日本を訪問した際には異例の与那国島視察を実施した。南シナ海問題と類似する東シナ海問題に対しても米軍は強い関心を持っていることを中国側に強くアピールするためであった。

 また、アメリカのメディアも、太平洋軍側がFONOP再開を要請しているにもかかわらずトランプ大統領がなかなか承認しない、という報道を行った。加えて、6月2日から4日にかけてシンガポールで開催されるシャングリ・ラ会合にマティス国防長官も出席する、といった事情を踏まえて、5月25日にようやく南シナ海での7カ月ぶりのFONOPが実施されたのである。

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アメリカ海軍駆逐艦デューイ(写真:米海軍)

■真の問題は根拠のない「九段線」

 ただし、たとえFONOPを頻繁に実施したとしても、あくまでその目的は「公海での航行自由原則」を尊重するようにメッセージを発することにある。そうである以上、南沙諸島をはじめとする南シナ海で中国が軍事的優勢を占めることに対する障害にはならない。

 しかしながら、たとえ中国による人工島の軍事拠点化を直接阻むことや、中国による南シナ海での軍事的優勢に打撃を与えることなどはできなくとも、アメリカだけではなく国際社会がFONOPをはじめとして何らかの形で「南シナ海の大半は航行自由原則が尊重される公海である」ということを示し続けない限り、ハリス大将が主張するように南シナ海での航行自由は踏みにじられてしまうことになる。

 中国当局は、南シナ海の大部分に当たる「九段線」内の海域は「中国の主権的海域である」と主張している。その主張をもとに、「中国が主権を有する陸地から12海里内を航行使用とする全ての船舶は事前に中国当局から通行許可を得なければならない」(国際海洋法条約の規定に反している)としていることを忘れてはならない。
とはいえ、中国経済の破綻も先送りに先送りを重ねこの先どうなるか・・・・まったく予測不能!型にハマらないトランプ、娘婿のユダヤ人であるクシュナーが いつまでも中国と蜜月を続けるとは限らない。一旦中国経済が沈みだせば掌返しをするのは目に見えている。さあ、既に中国のバブルは崩壊しているが、金はまだ返済を猶予されているが、借金の猶予が無くなる中国経済のXDayはいつ来るのか・・・


中国人民元、4月の貿易金融で7位に後退=SWIFT
【ロイター】2017年 05月 25日 12:46 JST 

[香港 25日 ロイター] - 国際銀行間金融通信協会(SWIFT)によると、4月に貿易金融で利用された通貨の取引量において、中国人民元は7位に後退した。シェアは1.60%だった。

同社が23日にウェブサイトに掲載した資料によると、1位は米ドルで42.1%、2位はユーロで31.1%だった。

人民元の比率は最高で9%に達していたが、2014年以降低下している。





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北朝鮮の平壌で行われた軍事パレードに登場したロケット(2017年4月15日撮影、資料写真)〔AFPBB News

北朝鮮は5月21日、またもや弾道ミサイルを発射した。細部はいまだ不明であるが、先週の14日に新型の中距離弾道ミサイルを発射したばかりだ。

 14日のミサイルは、北西部の亀城付近から発射し、高度2111.5キロに達し、787キロ飛行した後、日本海に落下したという。朝鮮中央通信はこのミサイルが新型ミサイル「火星12型」であり、公海上の目標水域を「正確に打撃」し、発射実験は「成功裏」に行われたと報じた。

 この日は中国の習近平国家主席が自ら提唱した「一帯一路」(現代版シルクロード経済圏構想)に関する初の国際会議の開幕日だった。中国が今年最大の外交イベントとして準備してきた会議であり、習近平主席の “晴れ舞台”にケチをつける格好となった。

 核・ミサイル開発を強行する北朝鮮に対し、これまで国際社会は制裁を課してきた。だが中国は、のらりくらりとかわして裏口を用意し、制裁の実効性は上がらなかった。

潮目を変えた4月の米中首脳会議

 この状況は4月の米中首脳会談において大きく変わった。何らかの取引がなされたようで、習近平主席は実質的な制裁を強く求められた。

 中国による本格的な制裁が始まり、北朝鮮は強く反発していた。朝鮮中央通信はこれまでは名指しで中国を批判することは避けてきた。だが5月3日からは、次のように名指しで非難するようになった。

 「中国は無謀な妄動が招く重大な結果について熟考すべきだ」「中国はこれ以上、無謀にわれわれの忍耐心を試そうとするのをやめ、現実を冷静に見て正しい戦略的選択をしなければならない」

 今回の発射には金正恩朝鮮労働党委員長自らが立ち会ったという。習金平主席の“晴れ舞台”にミサイル発射を強行した意味は大きい。

 どんな制裁があっても、どんなに人民が餓えに苦しもうが、米国が北朝鮮を核保有国と認めて交渉に応じるまで、核・ミサイル開発を続けるという金正恩の強いメッセージに違いない。

 韓国に亡命した元駐英北朝鮮公使太永浩は昨年12月に次のように述べている。「1兆ドル、10兆ドルを与えると言っても北朝鮮は核兵器を放棄しない」

 今回のミサイル発射は、飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で打ち上げられた。

 北朝鮮は、核弾頭搭載が可能で、新たに開発したエンジンの信頼性も再確認し、大気圏再突入の環境下で弾頭部の保護や起爆の正常性が実証されたと報じた。19日、米国メディアも米国防当局者の話として、弾頭の大気圏再突入に成功したと報じている。

 準備されていた6回目の核実験は、今のところ中国の圧力が奏功したのか、いまだ実施されていない。だが、これを強行して核弾頭の小型化が実現すれば、我々の頭上に核の脅威が現実に覆いかぶさることになる。

 相手は専制独裁国家である。ある歴史家が述べた言葉が重くのしかかる。「独裁国家が強力な破壊力を持つ軍事技術を有した場合、それを使わなかった歴史的事実を見つけることができない」

 ドナルド・トランプ米国大統領は米国本土に届く核弾頭ICBM(大陸間弾道ミサイル)の完成をレッドラインとしているようだ。

 だが現実には、北朝鮮への先制攻撃は軍事的ハードルが極めて高い。彼自身、「大規模紛争になる」と及び腰だ。ジェームズ・マティス米国防長官も、19日の会見で北朝鮮への軍事行動について「信じられない規模での悲劇が起きる」と指摘した。

日本にとって悪魔のシナリオが現実味

 このまま膠着状態が続けば、「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ大統領は、北朝鮮を核保有国と認める代わりに、米国に届く長距離弾道ミサイルは持たせないということでディールする可能性がある。

 日本にとって悪夢のシナリオである。だが、その現実を突きつけられてから右往左往するようでは独立国家とは言えない。我々は最悪を想定し、日本独自の核・ミサイル抑止戦略を構築しておかねばならない。

 抑止政策には3種類ある。「懲罰的抑止」「拒否的抑止」、そして「報償的抑止」である。懲罰的抑止とは「もし一発でも撃ったら、百発打ち返して壊滅させるぞ」というものである。

 日本はこの抑止政策は憲法上、また能力上も採れない。米国との同盟つまり「核の傘」に期待するしかない。

 拒否的抑止とは「もしミサイルを撃とうとしても、目的は達成できないよ。そちらの意思は拒否する」というものである。具体的にはミサイル防衛、策源地攻撃、シェルターによる被害局限措置などがある。日本は主権国家として主体的に拒否的抑止能力は整備しなければならない。

 報償的抑止とは「もしミサイルを撃たなければ、もっと良いことがあるよ」というものである。「飴と鞭」の「飴」に焦点を当てた外交交渉であり、国際的な枠組みで実行しなければ効果は期待できない。

 北朝鮮とは1994年以降、KEDO(Korean Peninsula Energy Development Organization, KEDO)という米朝枠組み合意に基づいて、核開発をやめる代わりに軽水炉、重油燃料を提供するとしてきた。

 だが、結果的には裏切られ、報償的抑止は失敗に終わった。トランプ政権では「もはや戦略的忍耐は破綻した」との認識に至っている。

 これらの抑止政策はそれぞれ単独で実施しても効果が上がらない。また、どれが欠けても機能せず、三位一体となって実行していかねばならない。

 北朝鮮の核に対して日本がやるべきことは懲罰的抑止である「核の傘」の信頼性を上げるとともに、拒否的抑止を実効性あるものに整備することである。報償的抑止については6か国協議をまず再開させることだ。

 拒否的抑止のために、我が国はイージス艦から発射する「SM3」と陸上配備の「PAC3」の2層でもってミサイル防衛体制を構築している。

 今回の「ロフテッド発射」を見ても分かるように、北朝鮮のミサイル技術は日増しに進歩しており、現体制では不十分である。報道によると、政府はSM3とPAC3の能力向上に加えて、イージス・アショアシステムを新規に導入することでさらに重層化を図ろうとしているようだ。

「敵基地反撃能力」の保有

 だが、いくら能力向上を図り、重層化しても飛んでくるミサイルを100%撃ち落とすことはできない。そのため、発射前のミサイルを地上で叩くという「策源地攻撃能力」も併せて整備する必要がある。

 3月29日、自民党の安全保障調査会は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を踏まえ、敵基地を攻撃する「敵基地反撃能力」の保有を政府に求める提言をまとめ、翌30日、安倍晋三首相に提出した。

 従来使っていた「策源地攻撃」という言葉は分かりにくいということで「敵基地」とし、また先制攻撃ではないと明確にするため、「反撃」の語句を入れたという。

 調査会の座長を務めた小野寺五典元防衛大臣はこれについて次のように説明している。

 「何発もミサイルを発射されると、弾道ミサイル防衛(BMD)では限りがある。2発目、3発目を撃たせないための無力化のためであり自衛の範囲である」

 「敵基地反撃能力」の保有については、1956年に鳩山一郎内閣が次のように政府見解を示しており、憲法上の問題はない。

 「誘導弾等の攻撃を受けて、これを防御するのに他に手段がないとき、独立国として自衛権を持つ以上、座して死を待つべしというのが憲法の趣旨ではない」

 反対する人の中には、日米同盟の「矛と楯」の役割分担を持ち出す人がいる。米国が矛の役割分担だから、攻撃は米国に任すべきとの主張である。与党内の有力議員でも同様に主張する人がいる。

 だが、これは実は大きな間違いである。2年前に改定された「日米防衛協力のための指針」、いわゆる新ガイドラインでは、既に日米の役割分担は変わっているのだ。

 2015.4.27に改定された新ガイドラインを見てみよう。

 「日本に対する武力攻撃への対処行動」の「作戦構想」で「弾道ミサイル攻撃に対処するための作戦」については、「自衛隊及び米軍は、日本に対する弾道ミサイル攻撃に対処するため、共同作戦を実施する」とある。

 役割分担については「自衛隊は、日本を防衛するため、弾道ミサイル防衛作戦を主体的に実施する。米軍は自衛隊の作戦を支援し及び補完するための作戦を実施すると記されている。

 1997.9.23に策定された旧ガイドラインではどうなっているか。「作戦構想」で「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル攻撃に対処するために密接に協力し調整する。米軍は、日本に対し必要な情報を提供するとともに、必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮するとなっていた。

新ガイドラインで消滅した一文

 旧ガイドラインにあった「策源地攻撃」に関する記述、つまり「(米軍は)必要に応じ、打撃力を有する部隊の使用を考慮する」という一文は、もはや新ガイドラインでは消滅している。

 また旧ガイドラインでは「米軍は、日本に対し必要な情報を提供する」とあったのが新ガイドラインでは、「自衛隊及び米軍は、弾道ミサイル発射を早期に探知するため、リアルタイムの情報交換を行う」と対等になっている。

つまり「弾道ミサイル防衛」に関しては、従来の「矛と楯」の役割分担は既に改定され、自衛隊が主体的に実施し、米軍はそれを「支援し、補完」するという役割分担に代わっているのだ。

 本来なら2年前のガイドライン改定後、直ちに「敵基地反撃能力」を議論をすべきところ、北朝鮮の核・ミサイル脅威が顕在化してやっと自民党が重い腰を上げたということだ。

ちなみに新ガイドラインはバラク・オバマ政権下で策定されたものである。オバマ大統領は2013年9月、「もはや米国は世界の警察官ではない」と宣言した。

 既に日米同盟も変質している。米国の同盟国に対する姿勢は1969年7月のニクソン・ドクトリンに立ち戻ったと見なければならない。ニクソン・ドクトリンでは、「(米国はコミットメントを維持するが)国家の防衛は当事国が第一義的責任を負う」と主張しているのだ。

 日米で「矛と楯」の関係が完全に消滅したかというとそうではない。新ガイドラインに1か所だけ出てくるところがある。作戦構想の「領域横断的な作戦」には、「米軍は、自衛隊を支援し及び補完するため、打撃力の使用を伴う作戦を実施することができる」とある。

 「領域横断的な作戦」とは言わば全面戦争である。つまり全面戦争になれば、核を含む打撃力による報復は米軍が実施する(正式には「実施できる」"may conduct"だが)としており、「懲罰的抑止」については、従来の「矛と楯」の関係が辛くも維持されている。

 「敵基地反撃能力」に関する国内議論も盛り上がらないが、同床異夢で概念が整理されていないことにも原因がある。

 我が国に飛来するミサイルを無力化するのが拒否的抑止としてのミサイル防衛であるが、飛来するミサイルをどこの時点で無力化するかによって、一般的には次のように分類されている。

 ブースターが燃焼している間に迎撃する「ブースト・フェーズ」、ブースターが燃え尽きた後、大気圏を飛行する間に迎撃する「ミッドコース・フェーズ」、そして大気圏内に突入してから迎撃する「ターミナル・フェーズ」の3段階である。

 今回の「敵基地反撃」というのは「ブースト・フェーズ」直前の段階で、ミサイルを無力化するものである。いわば「ゼロ・フェーズ」(筆者の造語)段階でのミサイルを地上で「迎撃」することを意味するものであり、ミサイル防衛の一環として位置づけられる。

「ゼロ・フェーズ」の迎撃態勢整備を

 我が国に向かってくるミサイルを空中において無力化するか、発射直前の地上で無力化するかの違いに過ぎず、いずれもミサイル防衛なのである。

 日本のミサイル防衛体制は、最終フェーズである「ターミナル・フェーズ」で迎撃する兵器としてPAC3を導入し、「ミッドコース・フェーズ」で迎撃するためにイージス艦にSM3を装備してきた。

 今後はこれに加え、「ゼロ・フェーズ」で迎撃する兵器、巡航ミサイルなどの精密誘導兵器を導入し、ミサイル防衛体制をさらに実効性ある体制に充実させていかねばならない。

 ちなみに「ブースト・フェーズ」で迎撃する兵器として、レーザー兵器などの研究がなされているがいまだ完成されたものはない。

 「敵基地反撃能力」については、民進党や共産党は「専守防衛の建前を崩す」などとして反対している。「反対のための反対」ではないと思いたいが、だとすれば、「懲罰的抑止」と「拒否的抑止」を混同しているのだろう。

 またすでに虚構となった「矛と楯」という日米役割分担に対し、手前勝手な思い込みにしがみついているだけかもしれない。

 いずれにしろ、もし反対であれば、我が国の頭上を覆いつつある北朝鮮の核・ミサイルに対しどう対応するか対案を示すべきだろう。でなければ政治家として、あまりにも無責任すぎる。

 ただ実際の運用になると、「敵基地反撃」は非常に難しい作戦であることは確かだ。

 リアルタイムのミサイルの位置情報入手が鍵となるが、ミサイル発射台が移動式になり、固定燃料化すると発射までの時間が大幅に短縮される。従って発射前のミサイルを発見しても、これを攻撃する時間的余裕は極めて制限される。

 加えて、もし仮に巡航ミサイルで攻撃するにせよ、韓国上空を飛行させるわけにはいかないだろう。目標発見、攻撃要領、攻撃経路の選定など運用面での課題は多い。

 だからといって「敵基地反撃能力」は持つ必要はない、持っても抑止力としては役に立たないとは言えない。

 冷戦時、極東ソ連軍が侵攻してきたら自衛隊はひとたまりもないと言われてきた。だから自衛隊はいらないとは言えなかったのと同じである。

手前勝手な思い込みは国を亡ぼす

 少しでも拒否力があれば抑止力として機能することはあり得る。拒否力と懲罰力が相まって、大きな抑止力になり得るのだ。

 また物理的「能力」を保有するにも、最低5年単位の長い年月がかかるし、一朝一夕にはいかない。まず物理的「能力」を整備しながら、並行して運用上の課題を解決していくという姿勢が求められる。

 先述したように北朝鮮の核・ミサイルに対する抑止は、懲罰的抑止、拒否的抑止、そして報償的抑止がバランスよく三位一体となってようやく機能する。その中でも拒否的抑止は独立国として主体的に実施しなければならない。

 拒否的抑止であるミサイル防衛に関し、日米の役割分担が既に変わっているにもかかわらず、手前勝手な思い込みにしがみついていても米国は相手にしないだろう。日本が主体的に努力しなければ、米国による懲罰的抑止にまで悪影響を及ぼしかねない。

 その他の拒否的抑止施策として、地下鉄などをシェルターとして利用する被害局限措置についても、真剣に現実化していかねばならない。

 また懲罰的抑止についても、完全に米国任せでいいのか、タブーなき議論も今後必要である。金正恩を思いとどまらせるために、日本は何をなすべきか、日本人自らが当事者意識をもって主体的に考えなければならないのだ。

 安倍総理大臣は参議院本会議で、「敵基地反撃能力」について「法理的には自衛の範囲に含まれ可能だ」とし、「常にさまざまな検討を行い、あるべき防衛力の姿について不断の検討を行うことは当然のことだ」と述べた。

 核・ミサイルの脅威が現実味を帯びてきた今こそ、原点に立ち返り「様々な検討を行い、あるべき防衛力の姿」を真剣に模索すべき時なのである。もはや甘えは許されないし、一刻の猶予も許されない。

 できることから現実化していかねばならない。厳しい国際情勢は待ってはくれないのだ。
織田氏は元航空自衛隊の空将である。昨年自衛隊機が中国空軍機とドッグファイトとなり、離脱したことを暴露して世間の耳目を集めたか方だ。2年前から公開されている文章であり、私が反論する余地はないが・・・・今回の記事は、将来撤退するかもしれない在日米軍の方向性から考え、新ガイドラインをよく読めば改めてかなりショッキングだ。確かに日米新ガイドラインを改めて読むと、本当に策源地攻撃は日本単独でやれと言うこのなのか?現憲法下では日本はただ座して死を待つことになるだろう。

これでは、共謀罪だのテロ等準備罪の審議をしている暇もないではないか!
憲法に、先制攻撃が可能な条文を加憲するしかないであろう!

政府がトマホーク導入を決めたとはいえ、現状自衛隊が持つ策源地攻撃能力は皆無である。トランプ大統領とマティス国防長官が北朝鮮を攻撃することは無いということなのか?

弾道ミサイルを発射前に叩く事では防ぎきれない。前例として、湾岸戦争での「スカッド狩り」があった。湾岸戦争では、アメリカを中心とする多国籍軍が数千機の作戦機を投入してイラク上空の航空優勢を確保、上空には戦闘爆撃機を常に待機させ、対地用早期警戒管制機「E-8ジョイントスターズ」で地上を見張り、スカッドを搭載した移動式弾道ミサイルランチャー(TEL;Transporter-Erector Launcher 輸送-起立-発射機)を発見次第に空爆、撃破を行いました。

更には潜入した地上特殊部隊による大口径対物ライフルの狙撃でスカッドを破壊するなど、あらゆる手段を用いて破壊を試みたものの、イラク軍は日中はTELを隠し、バルーンデコイやTELに擬装したタンクローリーなど囮を配置し、夜間になると行動しゲリラ的な発射で弾道ミサイル攻撃を行っています。

結果、湾岸戦争でイラク軍による弾道ミサイル攻撃はイスラエルに向けて約40発、サウジアラビアやバーレーンなどに向けて撃たれたものを含めると約90発が発射された。

砂漠で監視しやすいイラクですら、この有様です。山間部の森林地帯でいたるところにトンネルがある北朝鮮の国土では、TELの発見はより困難というより不可能に近い。アメリカ軍の圧倒的な戦闘爆撃機の数とE-8ジョイントスターズの存在、近隣に航空基地を確保した優位性を持っても、イラクでのスカッド狩りは成功率が非常に低かった。

第一亜音速の巡航ミサイルではグローバルホークで北朝鮮上空を監視していても移動するTELを攻撃することは不可能であるし、空自は対地攻撃能力をほとんど持っていない。

もし、米国が北朝鮮と取引して体制維持を約束したら、北朝鮮は核を使って日本から金を脅し取ることを考えるだろう。・・・

戦争を起されても迷惑だが、米軍が手出ししないと言うのも、どちらにしても迷惑な話だ。であるならば、日本に米軍基地を置く必要が日本になくなる。

日本はハリネズミのようにBMDを張り巡らせた上で、北朝鮮攻撃用に北朝鮮全土をカバーするだけのESM(電磁パルス爆弾)をCSM非核弾道弾に搭載し、北朝鮮に打ち込み続ける作戦が最も有効だ。憲法を改正して、多額の国家予算を投入する必要があるのだが、現状では、トムクライシーかSF小説に近いシナリオに見えてしまい、現実性に欠けてしまう。どうするべきか・・・・気が重くなる。


【5/25追記】
8年間米国を統治したオバマは米国最大の強みであった軍事力を弱体化させ、米国の没落を招いた。オバマのしたことは、本人の意図とは真逆だが、結果として世界中にテロと混乱を撒き散らしたことになった。その反動がトランプ政権の登場であり、必然性があったのだ。
トランプは海軍の建て直しが急務と考えているが、オバマが落とした影は余りにも大きい

トランプ大統領は大統領選挙中に「350隻海軍」の建設を選挙公約に掲げた。すなわち100隻近くの主要戦闘艦(航空母艦、駆逐艦、潜水艦など)を「アメリカの鉄で、アメリカの技術で、アメリカの労働者によって」建造することにより、世界中に睨みを効かすことができる大海軍を再興して、「偉大なアメリカ」を取り戻そうというのである。

 トランプ政権同様にアメリカ海軍も、主要艦艇数を2040年頃までに355隻に増加させる方針を打ち出している。

 しかしながら、米国にはもはや一刻の猶予も許されないようだ。先週5月17日に公表された白書『将来の海軍』において、ジョン・リチャードソン米海軍作戦部長(米海軍軍人のトップ)は、355隻海軍を2040年頃までに達成するという現在の目標では遅すぎる、と指摘している。

■「絶対に必要」な大海軍の構築

 リチャードソン提督によると、アメリカ海軍の主たる仮想敵である中国海軍やロシア海軍は猛スピードで海軍力増強に努めている。たとえば中国海軍は2016年だけで18隻もの戦闘艦艇を就役させている。ロシア海軍も新型攻撃原潜をはじめ近代的な艦艇をどんどん生み出している。また北朝鮮やイラン、それにテロリストによる海洋での脅威も高まっている。

 したがって、「355隻海軍の完成は2040年」などと悠長なことは言っておられず、大幅に前倒しする必要があるというのだ(下の図)。

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リチャードソン海軍作戦部長が唱える355隻海軍構築計画の前倒しと予算増加(『将来の海軍』より)(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50083

 また海軍作戦部長は、数だけではないと強調する。現在のテクノロジーレベルで355隻海軍を誕生させても威力はなく、多くの技術革新を盛り込んだ最先端技術を投入しなければ、それらの脅威に立ち向かうことはできない。そして、軍艦建造だけではなく、海軍の作戦概念に関しても新機軸が求められている。

 このように、リチャードソン海軍大将は、トランプ政権が選挙公約として掲げてきた大海軍構築は絶対に必要であり、さらには、よりスピードアップして、数だけでなく質的にも優れた大海軍を誕生させなければならないことを指摘している。

■355隻でも足りない

 もちろん海軍力は艦艇の数だけで決定されるわけではない。艦艇の性能、そして海軍戦略や作戦概念の内容、それに人的資源の質などを総合しなければ海軍力の強弱は計れない。とはいうものの、艦艇の数は海軍力の基本中の基本である。

 いずれの国の軍艦も、それぞれの国土の延長である。たとえば、アメリカ海軍軍艦は小さいながらもアメリカ領土であり、海上自衛隊軍艦は日本領土であり、人民解放軍海軍軍艦は中国領土である。そのため、平時において軍艦を海外に展開させているということは、それだけ自国の力を海外に見せつける、すなわちプレゼンスを示すことになる。いずれの海軍にとっても、プレゼンスを示すことこそが、戦闘に勝利することに次いで重要な役割ということができる。そして平時におけるプレゼンスを示すためには軍艦の数が決め手になる。

 そのため、有力なシンクタンクは「462隻は必要」という艦艇数を提示している。また、筆者の周辺の海軍関係者の中には「500隻でも少ないくらいだ」と主張する者もいる。そして、リチャードソン海軍作戦部長と同じく、可及的速やかに海軍力を増強させる必要がある、という点では一致している。

■間もなく米海軍を上回る中国海軍


 アメリカ海軍がスピードアップして大海軍を建設する必要性を力説している最大の理由は、中国海軍の飛躍的な強大化を大きな脅威に感じているからに他ならない。

 もちろん、中国海軍だけでなくロシア海軍も強力化しつつあるし、その他の海洋における様々な脅威や、世界的人口増加に伴う国際海運量の爆発的増大にも海軍は対応しなければならない。とは言っても、当面の問題は、猛烈なスピードで戦力強化を進めつつある中国海軍だ。

 多くの米海軍関係者たちは「2030年までには、アメリカ海軍は中国海軍に対して数的劣勢に陥ってしまう」と考えている。例えば、2020年までに中国海軍はイギリス海軍、ロシア海軍、海上自衛隊、インド海軍を完全に凌駕して世界第2の海軍の地位を得る。それとともに、兵力6000名近くの海兵隊(海軍陸戦隊)を世界中に送り込む、アメリカに次ぐ世界第2の水陸両用戦力をも保有することになる。

 そして2022年には、主力水上戦闘艦数において中国海軍はすでにアメリカ海軍を上回るとも推測されており、さらに2030年までには中国海軍の海軍部隊展開能力がアメリカ海軍のそれを確実に上回るとみられる。

 したがって、一刻も早く355隻あるいはそれ以上の規模の海軍を造り上げなければならない状況になっているのである。

現実的には困難な大海軍の構築

 しかしながら大海軍構築に賛成する立場の人々からも、はたして現実的に350隻あるいは355隻海軍を誕生させることができるのか? という疑問の声が上がっている。というのも、トランプ政権が打ち出している国防予算のレベルでは、速やかに多数の軍艦を建造していくことなど不可能だからだ。

 また、国防総省は、軍艦建造などの長期的な兵器調達計画の見通しを提示する『将来の国防計画』というレポートを提出できない状態に直面している。その大きな原因は、人事が遅れていることにある。つまり、マティス国防長官を直接補佐し、この種の長期計画の責任者たる国防副長官も、海軍の長である海軍長官もいまだに決定していないのだ(それだけでなく、国防総省の数多くの高官人事も決定していない)。

 さらに悪いことに、アメリカの軍艦建造能力が質的に低下しているという問題も大海軍構築に暗い影を投げかけている。今後アメリカ海軍も含めて世界の海軍で必要とされる小型水上戦闘艦の設計能力が、アメリカの軍艦建造メーカーに欠けており、海外のメーカーの助力を仰ぐ必要があるのではないか? と危惧している海軍関係者たちは少なくない。

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艦艇設計能力の低下を露呈させたLCS-1フリーダム(左)とLCS-2インディペンデンス(右)

■米海軍力を補強できる日本

 そもそも「中国海軍に対抗する」いう目的に絞るならば、アメリカ海軍が単独で中国海軍を圧倒する必要はない。海上自衛隊やオーストラリア海軍などとの連合海軍力により圧倒すればよいのだ。

 今後、アメリカ海軍やトランプ政権は、上記のように大海軍の構築に時間がかかる現実を見据え、同盟国の中では強力な海軍力や軍艦建造能力を有する日本の助力を期待してくるはずである。

 日本としても、東シナ海情勢、そして南シナ海情勢に対応して海洋戦力を増強しなければならない状況に直面していることは周知の事実である。

 したがって、日米同盟の強化を常に口にしている以上、日本政府は海上自衛隊の人員数や艦艇数の増強(もちろん国防予算の国際水準化が必要になる)を本腰を入れて推し進め、同時に、アメリカに欠落している最新鋭小型戦闘艦艇開発技術(日本のメーカーには優れた技術力が存在している)の供与などの協力も行い、海上自衛隊とアメリカ海軍がトータルで中国海軍の脅威を跳ね返すだけの戦力の構築を即刻開始する必要がある。



執筆中


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【上海=河崎真澄】中国で今年3月、日本人の男性6人が山東省と海南省でそれぞれ3人ずつ、計6人が当局に拘束されていたことが22日、日本政府関係者の話で分かった。

 中国当局から日本側に3月、身柄拘束の通知があったという。

 詳細な容疑などは不明だが、「国家安全危害容疑」が浮上。年齢は20~50代とみられる。青島港のある山東省や南シナ海を管轄する海南省は軍事拠点が多く、スパイ行為を疑われた懸念がある。

 拘束はなお続いており、在青島(山東省)、広州(広東省)の日本総領事館が対応を進めている。

 中国では2015年から相次ぎ、日本人の男女計5人が「スパイ行為に関与した」として、やはり国家安全危害容疑などで相次いで拘束されている。

 いずれも具体的にどのような行為が罪に問われたか、詳細は不明。うち4人の公判が始まっている。
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中国当局は2015年からスパイ行為に関与したとして日本人の男女計5人を既に相次いで「国家安全危害罪」で拘束。うち4人の公判が既に始まっている。反スパイ法施行(2014年11月)以降、中国国内で拘束された日本人は今回の事件で、少なくとも計11人に上る異常事態だ。

なんでも以前に拘束された5人のうち3人の男性は公安調査庁の依頼に応じた「協力者」の可能性が指摘されているが、今回の6人はまったくの無関係だろう。

今回拘束されたのは温泉開発に関わっていた日本企業の社員らで、実態とは無関係に「スパイ摘発」を乱発して国内の求心力を高めようとする習近平指導部の政治的意図が浮かぶ。

中国経済が翳りを見せ始める中、国内世論をまとめるために最も手っ取り早いのが「反日」。経済の翳りに加えて格差の拡大が習近平政権に対して向けられる不満を反日で逸らすことが目的なのだろう。

頼まれて、中国にビジネスで出張してこんな目に遭っってしまった被害者の日本人は不運としか言いようがない!こんなことをしているから中国とは信用できない国なのである。今回の事件は中国がいかに信用できないか、その証明になってしまった!

もし私が地質会社の社長であれば、もし中国から次高額で調査依頼が来ても今後一切断るであろう。

これは、じわりじわり中国経済を蝕んでいくに違いない。日本企業でも依然政経分離で割り切って中国と取引をしている企業が多数存在するが、こんなことが次々起きれば、政経分離していた企業も中国離れを更に一段と加速するだろう。

「テロ等準備罪」で日本人の自由が奪われる恐れがあるとか日本のリベラル(自由主義)のマスコミ様は騒いでいるが、理不尽な反日が理由でまったく罪のない日本人の自由が現実に拘束されたのであれば、テロ等準備罪で大騒ぎするのではなく、大騒ぎすべきはこっちだろう!現実に無実の日本人が拘束されているのだ!

北朝鮮には拉致被害者が拘束されているのだ!中国は北朝鮮と基本的にはかわらない非民主主義国家なのだ!
米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は20日、中国でスパイ活動をしていた米中央情報局(CIA)の情報提供者12人以上が2010年以降、中国当局によって殺害されたと報じた。拘束された人を含めると計18~20人に上り、中国での米国のスパイ網が壊滅的状況に陥ったとしている。

 背景について米政府当局者らは、CIA内の二重スパイが裏切ったのか、外国の現地要員に指令を伝えるCIAの通信網が中国側に破られたのか、まだ解明されていないと述べた。

 中国で次々と要員が行方不明になることからCIAが11年に調査を始め、CIAの中国を管轄する部門で働いていた元要員が二重スパイだった疑いを強めたこともあるが、逮捕に至る十分な証拠は見つからなかった。この元要員は現在、アジアの別の国に居住しているという。(共同)

恐ろしい話である。スパイを釈放させるにはスパイを交換するのが通例であるから、日本が例え不当に拘束された国民を解放させることは容易ではない。日本には残念ながらスパイ防止法が無い。スパイを疑われたり、公安の協力をした日本人を解放させるには、余計な経済協力を押し付けられかねない。

「テロ等準備罪」を成立させたら、次は早急に「スパイ防止法」を制定しなかればならないと思う。スパイ天国の日本から中国人・南北朝鮮人スパイを追い出せ!

気が付いたら民放が2つ3つ無くなっているかも・・・あぁNHKもないか!


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ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領は1日、北朝鮮の核問題をめぐる緊張の緩和に向け、「適切な条件が整えば」金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談するとの意向を示した。

トランプ氏は米ブルームバーグとのインタビューで、自身が正恩氏に会うことが適切な状況であれば「確実にそうする」と断言。「会えれば光栄だ」とも述べた。
現役の米大統領が北朝鮮の指導者と会談した例は過去にない。

トランプ氏の発言を受けて、スパイサー大統領報道官は1日、「北朝鮮の挑発的行動にただちに歯止めがかかることが前提。現時点で条件が整っていないことは明らかだ」と語った。

トランプ氏は4月30日に放送された米CBSテレビとのインタビューで、正恩氏を「切れ者」と呼んだ発言でも注目された。スパイサー氏は1日の会見で、この発言にも言及。正恩氏は若くして父の後継者となり、外部が懸念を示すなかで北朝鮮を率いてきたと説明した。

トランプ氏は大統領選前の昨年6月、「私はだれとでも話し合う」「私なら10~20%の確率で、正恩氏を説得して核を放棄させることができる」と主張し、与野党両党から批判を浴びていた。

プリーバス大統領首席補佐官も1日、CBSテレビとのインタビューで、北朝鮮が核やミサイルを放棄しない限り、トランプ氏と正恩氏の直接会談はあり得ないとの見方を示した。
トランプ大統領による習近平への揺さぶりであることは間違いない。

もともとトランプは中国・習近平が好きな訳がない。先のトランプ習近平会談で、万が一北朝鮮を攻撃した場合中国が北朝鮮を攻撃しないという確認をわざとをとっておき、中国に6者会談を復活させ自らの存在価値を示したい中国が北朝鮮を締め上げるだろうと読んでいたに違いない。中国は原油の供給を武器に、金正恩を経済的に締め上げはじめた。だが中国抜き米朝直接会談は、中国の思惑をへし折ることになる。トランプ大統領は、意図的なインタビューだろう。習近平はトランプにまたもや面子を潰されたのだ。

米国は中朝離間を念頭に5月9日の韓国大統領選挙を待ち、北が6回目の核実験をするかどうか見極めるのだろう。

その間に金正恩が中国かロシアに亡命すると言う能天気な見方をする人達もいるがそれは願望であってそれはないだろう。もし亡命するとしたら中国ではなく北朝鮮の国家の成立過程を考えるとロシアであると思う。(帝国陸軍が作った説からいけば日本が亡命先であってもいいのだが、さすがにそれは許されない)
ひとつめのブラフ

北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり、朝鮮半島近くに空母「カールビンソン」 を派遣した米国、対抗するように300門の自走砲を並べて一斉砲撃をみせた北朝鮮、空母型護衛艦を初の米艦防護に派遣した日本…。

役者がそろい、大向こうをうならせるケレン味あふれる大芝居。「トランプ屋! 金屋!」。そして「安倍屋!」

おや、と疑問を抱かせたのはまず米国だった。

米太平洋艦隊は4月10日、米韓合同演習「フォールイーグル」に参加し、シンガポールに寄港した後、オーストラリアへ向かう予定だったカールビンソンを「西太平洋の北部海域に派遣する」と発表した。朝鮮半島沖に地上攻撃ができる空母を差し向けるというのだ。

北朝鮮では翌11日、国会にあたる最高人民会議が平壌(ピョンヤン)で開かれ、この日金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の党第1書記就任5周年を迎える。15日には金日成(キムイルソン)国家主席生誕105周年があり、各国メディアを招待して大規模な軍事パレードが予定されていた。

空母派遣という物騒なプレゼントは、生誕を記念して6回目の核実験もしくは米国まで届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射など「絶対にやるなよ」というトランプ政権からのメッセージである。

これに対抗するように北朝鮮は軍事パレードに潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星」、新型の大陸間弾道弾(ICBM)など米国の脅威になる兵器を次々に登場させ、期待通り、もとい予想通りの見せ場を演出した。

フィナーレは翌16日、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の新浦(シンポ)付近からの弾道ミサイル1発の発射だった。直後に空中で爆発し、数時間後、韓国のソウルに到着したペンス米副大統領が対応に頭を痛めることもなく、生誕式典は幕を閉じた。

米国は北朝鮮の「誠意」に答える。米太平洋軍司令部当局者は18日、軍事パレードにあわせて派遣すると発表していたカールビンソンが、実はパレード当日には、朝鮮半島から約5600キロも離れたインドネシア近くを航行していたと発表した。

カールビンソンは当初の予定通り、オーストラリア海軍と共同訓練を行っており、朝鮮半島へは舳先を向けてさえいなかった。

トランプ大統領が「我々は大船団を送っている」と述べたのは、得意の「オルタナティブ・ファクト(もうひとつの真実)」だったのである。

米軍最高指揮官の大統領が空母の行動を知らないはずがない。朝鮮半島へ向かわせるとの発表は、ブラフだったと考えるほかない。

■瞬殺できる無謀な配備

カールビンソンはその後、海上自衛隊の艦艇と共同訓練しながらゆっくり西太平洋を北上した。米海軍は29日、カールビンソンの周囲を固めて進む海上自衛隊の護衛艦2隻と米海軍の巡洋艦と駆逐艦3隻の映像を公開した。

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カールビンソン公開された写真。本当に臨戦態勢?〔PHOTO〕gettyimages

しろうと目には頼もしい限りの「嗚呼、堂々の我が艦隊」だが、情勢が緊迫しているならカメラに映りやすいような位置関係にはならない。臨戦態勢ならば、潜水艦や航空機からの攻撃に備えてそれぞれの艦艇は15キロから20キロも離れて配置するのが当たり前だからである。

空母の周囲を艦艇が守るように並ぶ映像は「フォト・エクササイズ(写真用訓練)」と呼ばれる。相当ヒマか、安全が確保されている場合に限定される。日米の共同訓練は北朝鮮に見せることが最大の狙いだったのだ。よっ、トランプ屋!

最後の懸案だった4月25日の北朝鮮人民軍創建85周年は何事もなく終わり、締めくくりに29日、北朝鮮は平安南道北倉(ピョンアンナムドプクチャン)付近から北東方向に弾道ミサイル1発を発射したものの、これも途中で爆発して終わった。

最近では発射に成功することが多かったミサイルが二度連続して爆発したのは、トランプ大統領へのメッセージとみるべきではないだろうか。ミサイル発射をやめることはないが、現状では米国の脅威にはならない、という北朝鮮なりの回答である。

金正恩委員長の考えを忖度することなく、「失敗」の一言で片づけては失礼というものだろう。

北朝鮮の「深謀遠慮」はまだある。

朝鮮中央通信によると、25日に軍創建後、史上最大規模とされる演習があり、300門以上の自走砲による一斉砲撃が行われた。公開された映像は3列に並んだ自走砲が列ごとに海を隔てた陸地へ向かって一斉に砲撃している。勇ましいことこの上ないが、これほどケレン味あふれる光景はない。

自走砲と自走砲の距離はわずか10メートル程度。300門あろうが、それ以上だろうが、カールビンソンに搭載されたFA18戦闘攻撃機なら上空からの爆弾投下で瞬殺できる無謀な配置となっている。

演習とは、本番で想定される事態に備えて行うのが常識であり、本来なら自走砲は点々と離れ、上空から見つけにくいようカモフラージュされる。

見てくればかりを強調したこの演習は、北朝鮮国民に対して「米国に毅然と立ち向かう我が人民軍」を「見せる」のと同時に米国に対し、「軍の威力を示すけれど、決して本番を想定してはいない」と訴えるシグナルとなっている。

「役者やのう…」(古いか)。

米国と北朝鮮の役者はそろった。最後は日本である。


■「形だけ」の米艦防護


カールビンソンに航空燃料などを洋上補給する米海軍の補給艦を護衛するため、海上自衛隊の空母型護衛艦「いずも」が1日、横須賀基地を出航した。

安全保障関連法にもとづく、「武器等防護」適用の第1号である。「いづも」は太平洋で米補給艦と合流し、四国沖まで航行する。

米艦艇を守る「武器等防護」は現場の指揮官の判断で武器使用ができ、集団的自衛権行使と変わりないとして野党が憲法違反と批判した自衛隊行動のひとつである。

奇妙なのは白羽の矢が立ったのが「いづも」だったことだ。

空母のように舳先から艦尾まで平らな全通甲板を持ち、ヘリコプターを搭載する役割の「いづも」は他の護衛艦と比べ、防御力で格段に劣る。自らを守ることさえ覚束ないのに米補給艦に対する攻撃を防ぐことなど不可能に近い。

もっとも北朝鮮海軍に太平洋で活動する能力はないので攻撃を受ける心配はないが、米補給艦と共同行動するのは四国沖で終わり、日本海には入らないというのは文字通り「形だけ」の米艦防護であることを示している。

「いづも」は15日にシンガポールで開催される国際観艦式に参加する予定があり、同方向に進む米補給艦との「二人旅」に選ばれたのだった。

安全保障関連法にもとづく、自衛隊の活動は南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊に「駆け付け警護」を命じてから2件目。安倍晋三首相は任務付与から3ヵ月が経過した3月10日に撤収命令を出し、「駆け付け警護」は行わずに終わる。

「いづも」による「武器等防護」が形式的にすぎないのと同様、「形だけ」だったといえる。安倍政権にとって、安全保障関連法は実施段階に入ったという実績づくりこそが重要なのだろう。

米軍と行動を共にすることでトランプ大統領に対米追従の姿勢をみせつつ、形式的な対米支援にとどめたことで、北朝鮮へは「戦うことまでは想定していない」というただし書きを示すことになった。

「これが政治だ」といえば、それまでだが、真相を探れば北朝鮮問題を巧みに利用する安倍政権の姿が浮かび、日本国民という観客の大向こう受けを狙ったあざとい猿芝居の舞台裏が見えてくる。

■なぜ中韓に向かう閣僚がいないのか…

安倍首相は13日の参院外交防衛委員会で、北朝鮮の軍事力について「サリンを(ミサイルの)弾頭に着け、着弾させる能力をすでに保有している可能性がある」と指摘してみせた。

何を根拠に言うのか不明だが、国民に安全安心を提供するのではなく、脅しの言葉を吐くことにより、森友問題や共謀罪といった国内問題から目をそらさせようとする意図がうかがえる。

脅しが効いたのか、金日成生誕記念日の4月15日、弾道ミサイル攻撃を受けた際の避難方法などを紹介する内閣官房の「国民保護ポータルサイト」のアクセス数は45万8373件と急増し、3月のアクセス数(45万858件)を1日で上回った。

海外渡航中の邦人に安全情報を提供する外務省のメールサービス「たびレジ」の登録者も急増し、韓国関連の登録者数は2倍にふくれあがった。

遂に4月29日のミサイル発射時には東京メトロや新幹線の一部が運転を見合わせる事態にまでなった。

ミサイル発射の報道は午前6時6分だったが、5時半ごろには発射されており、日本に到達していたとすれば10分後の5時40分ごろのはず。第一報があった時点で終わった話だったのだから、噴飯ものというほかない。

観客が大芝居に感情を激しく揺さぶられ、平常心を失いつつある一方で、ゴールデンウィークに外遊する閣僚は半数にあたる11大臣にものぼる。副大臣は11人、政務官は8人が日本を不在にする。

日本の行く末を心配していないか、実は心配いらないことを知っているかのどちらかであろう。

訪問先は米国、英国、ロシア、東南アジア各国など。本気で北朝鮮情勢を不安視するなら北朝鮮に影響力がある中国や韓国に向かうはずだが、そんな閣僚は一人もいない。

背筋も凍るようなケレン味たっぷりの舞台を見せられ、「ああ、すごいお芝居だった」と感動する観客は次も入場料にあたる一票を安倍政権に捧げるのだろうか。
確かに半田氏の言っていることも半分は正しい。トランプ大統領がカールビンソンの行先を知らないわけがない。

在韓米軍家族が避難していない段階で攻撃するはずもない。北朝鮮を出汁に、中国と取引して実利をあげようとするトランプは賢い。

5月9日の韓国大統領選挙後あの半島の状勢も流動的だ。THAAD配備は渋々反対しないといくら文在寅が言っても、従北反日反米親中国の男が韓国大統領になれば、ますます先が読めなくなってくる。米韓FTAの見直し、米韓同盟の解消など何が起きるかわからない、少なくとも日韓関係は修復不能、いや修復無用な状態になる。これだと筋書きなどあるものか!出演者の利害が対立するからこそ未来は流動的なのだ!

このまま米朝戦争は回避され、北朝鮮が核弾頭を搭載したICBMが完成してっしまえば、トランプが何もしなければオバマと同じ歴史的に無能大統領になってしまう。

利害関係なく筋書きが決まっているというのは陰謀論と同じである。
決着はついていない、金正恩亡命もないだろう・・・・

トランプ大統領および政権の幹部はオバマの「戦略的忍耐」は失敗だったと言っているのだから、金正恩が自分から核兵器開発を断念するわけがなく、半田氏の出来レース説も甘い考え方である。一連の北朝鮮が茶番劇で誰かが筋書きを描き、出演者も台本通り打ち合通り、千両役者である訳がない。誰が打ち合わせして稽古をしていると言うのか?妄想である。

第一トランプ大統領は、大統領選の最中もずっと『アメリカを再び強くする』と言い続け有言実行し続けている。

ここで行動を起こさなければ、この時代にトランプ大統領の出現と言う事件が何等意味が無くなってしまうのだ。トランプ大統領自身も「オバマと同じか」と言われることだけは、プライドが許さないだろう。

これまでもトランプ大統領は、就任前の選挙公約は口ばっかりで実行しないだろうと、反トランプ陣営は思っていたが、ところが「言ったことはやる」、有言実行を貫いている。トランプは北朝鮮を潰し、中国共産党を崩壊させることができたなら、冷戦を勝利に導いたレーガン大統領と共に中興の祖として歴史に名をのこすことができるだろう。それゆえ、トランプは北朝鮮攻撃を躊躇しないと私は思う。

筋書きが無いからこそ、毎日朝鮮をウォッチしてああだこうだと評論家や政治家はあちらこちらで、好き勝手に「ここだけの話」をするのだろう。私もその一人である。

もし、本当に筋書きが有って日米中露朝競演の大芝居であったのなら、半田氏など必要なく、だれも週刊現代を買わないであろう。

「目先米朝戦争は回避されたかのような空気が流れているが・・・」目先これから北朝鮮は軍隊や学生を総動員して大切な「田植え」の季節にはいる。とても米韓との戦争ごっこをしている暇もないだけのことだ。

在韓米国人や日本人が退避し、北朝鮮工作員を監視し、イージス艦が大急ぎで複数イージス艦による複数の弾道弾対処処理調整を整え、空母ドナルドレーガンの修理を終了するといった条件がを整えれば、この秋にも米国による北朝鮮攻撃はあるかもしれない。「条件さえ整えば・・・」、対話も攻撃も両方ありなのだ!

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現下の朝鮮半島危機に乗じて、中国の海警局・大型武装公船や人民解放軍海軍艦艇が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を火事場泥棒的に強奪するというシナリオが、防衛省内で危惧されている。しかし、米軍は半島危機に際して、北朝鮮・朝鮮人民軍のみならず、中国人民解放軍にもにらみを利かせている。いや、むしろ半島危機に乗じて、人民解放軍に対する強力な情報収集を極秘に進め、封じ込め戦略を演練している。米軍にとり、朝鮮半島危機は人民解放軍相手の格好の「模擬戦」の舞台となっている、と言い換えることも可能だ。

 例えば、米空母打撃群を追尾する人民解放軍海軍の潜水艦を逆探知し、スクリュー音や機関音、船体の振動などで生じる音紋を採取し、潜水艦性能の特定などに役立てている。実戦モードに近い環境下、水測員の練度向上にも資するが、今次半島危機では、比べものにならぬ超弩級の収穫があったのではないか。

 米軍は自衛隊や韓国軍と共同訓練を続けているが、中国人民解放軍の戦略中枢は、追尾を命じた情報収集機や情報収集艦、潜水艦などが送ってくる位置情報を地図上にプロットして驚愕しただろう。

 (1)フィリピン海における、米原子力空母《カール・ビンソン》を核とする空母打撃群と海上自衛隊の護衛艦《あしがら》《さみだれ》による共同訓練。

 (2)日本海における、米海軍の駆逐艦《フィッツジェラルド》と海自護衛艦《ちょうかい》による共同訓練。

 (3)日本海における、カール・ビンソンを核とする米空母打撃群と海自や韓国海軍との共同訓練。 

 (4)沖縄本島東方の太平洋上における、米空母カール・ビンソンの艦上機FA18戦闘攻撃機と航空自衛隊のF15戦闘機との共同訓練。 

 (5)米原子力空母ロナルド・レーガンの艦上機が硫黄島(東京都)で陸上離着陸訓練(FCLP/5月2以降)。 

 (6)高高度迎撃ミサイル・システム(THAAD=サード)の韓国配備開始。 

 (7)黄海における米海軍と韓国海軍の共同訓練。

黄海の対中機雷封鎖も想定

 人民解放軍の危機感は(7)に象徴される。黄海~渤海にかけての海域には▽青島=人民解放軍海軍・北海艦隊司令部▽旅順と葫芦島=軍港▽大連=海軍工廠…などが点在するのだ。明治二十七八年戦役(日清戦争/1894~95年)や明治三十七八年戦役(日露戦争/1904~05年)では、国家存亡を賭した一大戦略拠点であった。この海域への機雷封鎖は、人民解放軍海軍の掃海能力の低さを考えれば、現代戦でも通用する可能性は極めて高い。今回の共同訓練で米海軍は、海底地形や海流の測定をタップリと行ったはずだ。

 次は(6)のTHAAD。在韓米軍は4月末、THAADを構成する発射台やレーダーなど一部システムを南部・慶尚北道星州郡のゴルフ場に搬入した。当初の計画を前倒しして実施し、早期運用開始を目指す。THAADは6基の発射台と48発のミサイルなどで構成され、北朝鮮・朝鮮人民軍の短・中距離弾道ミサイルを迎撃すべく配備される。

 中国はTHAADを構成するXバンドレーダーの韓国配備に強く反発した。射撃管制モードの探知距離は500キロで北朝鮮の中~南部をカバーするに過ぎぬが、捜索モードに徹すれば1千キロを超え、北京・天津の手前まで覗けてしまう。しかも、在日米軍が青森県車力と京都府京丹後に配備するXバンドレーダーと同型で、データリンクで連結され、互いをカバーし合える優れモノだ。

 (1)のフィリピン海も、対中戦略上のチョーク・ポイントだ。台湾有事の際、来援が期待される米空母打撃群を、人民解放軍が迎撃する最前線(第2列島線)と絶対防衛線(第1列島線)にはさまれた海域だからだ。第1列島線は九州南部~沖縄~台湾~フィリピン~ボルネオを結ぶ。第2列島線は伊豆諸島~小笠原諸島~グアム・サイパン~パプアニューギニアを結ぶ。

 (4)の沖縄本島東方の太平洋は第1列島線の該当海域で、沖縄本島の米軍・自衛隊基地群は列島線防衛の一大策源地でもある。 

 (5)の硫黄島は第2列島線海域に所在し、島内の滑走路は海上自衛隊や航空自衛隊、米軍の作戦機が使用する。

 最後は(2)と(3)の日本海の戦略的位置付け。自衛隊と米軍が第1列島線の防衛=封鎖に成功すれば、人民解放軍の海上・航空戦力は対馬海峡を抜き→宗谷海峡突破を選択し→第2列島線の背後に回る可能性に賭けるシミュレーションも、安全保障関係者の間では浮上した。現代版「日本海海戦」への備えも怠ってはなるまい。

 現在、人民解放軍やロシア軍は北朝鮮との国境に兵力を集積し始めたが、朝鮮半島有事でも同様な動きが確実視され、自衛隊と米軍が日本海へと緊急展開する作戦は、やがて必要になるかもしれない。

 もっとも、人民解放軍の海上・航空戦力が日本海を迂回する事態とは、中国の敗北を半ば意味する。米空母打撃群や地上発進の米航空戦力に海上自衛隊や航空自衛隊が協力→人民解放軍の海上・航空戦力による第1列島線越え阻止に成功し→台湾軍が人民解放軍のミサイル攻撃や渡海強襲上陸を何とかしのげば→西進中の米軍主力は第1列島線上の台湾の救援に間に合う。

切り札は米軍の台湾駐留

 だが、人民解放軍の海上・航空戦力が飛躍的に拡充される近未来図は仕上げの段階に入り、米軍遠征部隊の台湾急行は次第に不確実性を増していく。米海軍大学のアンドリュー・エリクソン教授を中心とした研究グループがまとめた《中国の海軍艦艇建造》の以下の分析結果には息を呑む。

 《人民解放軍海軍は2030年に主要艦艇415隻態勢を整える》

 トランプ米政権は過去100年間で最小規模にまで縮小された米海軍の現有艦艇274隻を350隻に増強する方針を公約した。が、2046年が目標で、人民解放海軍の建造スピードとは格段の差がある。しかも、国家予算の行方が未知数で、建艦数を抑えられてきた造船関連業界の熟練工確保や設備復旧も追いついていない。反面、人民解放軍海軍の艦艇は数に加え質の向上も著しい。《中国の海軍艦艇建造》は警告する。

 《2030年までに、ハードウエア面で米海軍と数だけでなく、恐らくは質も肩を並べる》

 《2020年までに、米海軍の対艦巡航ミサイルの射程以上のミサイルを大量保有する》

 《2030年までに、『近海』で起きている他国との係争海域で、米海軍の作戦行動に果敢に対抗する大きな能力を保有する》

 かくして《2020年までに、人民解放軍海軍は世界第2位の海軍となる》。当然、『近海』には尖閣諸島が連なる東シナ海や先述した黄海、人工礁を造成し軍事基地化に邁進する南シナ海が含まれる。

 打開策はある。ジョン・ボルトン元国連大使が今年1月、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)に寄稿した戦略にも、傾聴に値する部分があった。《米軍の台湾駐留》である。要約すると、次のような戦略であった。

 《台湾への米軍駐留や軍事装備の輸出拡大で、米国は東アジアの軍事態勢を強化できる》

 台湾駐留米軍は在沖縄米軍の一部を割く構図を描いているが、具体的な兵力規模には触れていない。ただ、米軍駐留の戦略効果は絶大だ。

 《海洋の自由を守り、一方的な領土併合を防ぐ戦略は米国の核心的利益だ。台湾は地理的に沖縄やグアムに比べ、中国や中国が軍事聖域化を押し進める南シナ海に近い。従って、米軍の迅速な戦闘配置を柔軟に後押しする。台湾との軍事協力深化は重要なステップなのだ》

 トランプ政権は現在、暴走を止めぬ北朝鮮への説得を中国にかなり強く要求しているが、成果が上がらなければ、米中関係は悪化を含め変質しよう。東アジアや南シナ海情勢の不穏・不透明な安全保障環境を考えれば、太平洋&東シナ海と南シナ海を結ぶ「大洋の十字路」に位置する台湾は世界最大の要衝の一つで、わが国の貿易=経済の命運を握る「生命線」だ。日本列島~沖縄~台湾を結ぶ「海上の長城」上に、自衛隊や米軍に加え台湾軍が防衛線を敷けば、中国の軍事的冒険をかなり封じ込められる抑止力となる。フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の対中・対米姿勢は不安定で、米軍のフィリピンにおけるプレゼンスも定まらない情勢では尚のことだ。

 ところが、米軍の台湾駐留には1972年の《上海コミュニケ》が障害になる。コミュニケで米国は中国側に「一つの中国」「台湾からの全武力・軍事施設の最終的撤去に向け、これらを漸減していく」などを約した。

 けれども、ボルトン氏は中国との国交樹立=台湾との国交断絶後、米軍駐留終了と引き換えに武器売却などを担保した《台湾関係法の下で、台湾との(軍事)関係拡大は十分可能だ。基地を設置し、活動する権利は全面的な防衛同盟を意味しない。相互防衛条約の再交渉など新たな立法措置も不要だ》と明言。国際法上の《事情変更の原則》を持ち出した。

 確かに、中国が正体をいよいよ現わし、凶暴性を増し、軍事膨張をばく進する危機的情勢に直面する今、《上海コミュニケの大部分が時代遅れになり、拘束力を失った》という合法的解釈は可能だ。 

 北朝鮮に断固とした姿勢で臨み、拉致家族が訪米した時にも積極的に会い、日本の国連常任理事国入りの支持者でもあるボルトン氏。在沖縄米軍が台湾に移転するもう一つの利点に言及している。

 《日米関係を悩ます在沖縄米軍の一部移転で、日米間の緊張を緩和できる》

 日米同盟は両国の国是に等しい。しかも今後、軍事力の拡大に比例して狼藉の度を凄まじい勢いで加速させる中国を向こうに回し、日米同盟はますます価値を高める。朝鮮半島危機を克服した日米同盟の次の「難関」は台湾危機に違いない。日米は無論、台湾もまた米軍駐留への覚悟を決める時機にさしかかった。
金王朝崩壊後、北朝鮮もしくは朝鮮半島を中国に押し付け、駐韓米軍は台湾への転進・・・
これは、先の先を読んだ、中国の台頭を抑える目から鱗の奇手かもしれない。




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CHINA’S MISGUIDED  THAAD POLICY
中国がTHAADを嫌う本当の理由

ミサイル防衛 韓国に猛烈な圧力をかけて撤回を迫るが、THAADは中国にとって大きな軍事的脅威ではない
エイブラハム・デンマーク(元米国防副次官補)
【Newsweek】2017.4.11

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http://en.koreaportal.com/articles/32609/20170426/thaad-defence-system-arrives-in-south-korea-to-counter-the-treat-from-the-north.htm
今年1月まで任にあった防衛副次官補(東アジア担当)としての私の主要な役割の1つは、対北朝鮮戦略を策定・実施することだった。北朝鮮が弾道ミサイル実験を行うたびに、米政府に可能な戦略を大急ぎで検討しなくてはならない。しかも、その機会はたびたび訪れた。北朝鮮は国連安全保障理事会の度重なる決議を無視し、昨年だけでもミサイルを20発以上発射している。

 先月初めにも、北朝鮮は弾道ミサイル4発を日本海に向けて発射した。米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)の装備の第1陣が韓国に到着したのは、その直後だった。

 北朝鮮のミサイル実験は、アメリカと韓国がなぜTHAADの配備を決めたのかを浮き彫りにする。北朝鮮の弾道ミサイルは、東アジアのアメリカの同盟国と米軍にとって見過ごせない脅威。米韓には間違いなく、自衛する権利がある。

 しかし、中国はTHAAD配備に激しい不快感をあらわにし、韓国が方針を撤回するよう最大限の圧力をかけている。具体的には、韓国側との防衛関連の対話をいくつか停止し、韓国企業への圧力と締め付けを強化。
若者に人気の韓国のテレビ番組やKホップのミュージックビデオまで中国から締め出そうとしている。

 中国の王毅外相は先月初め、THAAD配備を誤りと主張し、韓国政府に撤回を求めた。THAADは中国の安全を脅かすと言い、韓国の安全を損なう可能性があるとも述べた。これは遠回しの脅し以外の何物でもない。

 これまでのところ、中国の圧力は効果を発揮していない。韓国は、THAAD配備の方針を変えていないのだ。

 その点では、左派勢力もおおむね一致している。韓国の左派は伝統的に、国内への米軍配備に対する猜疑心が強い。しかし、来月上旬に行われる大統領選の最有力候補である左派系最大野党指導者の文在寅も、THAAD配備撤回を表明していない。一部の左派は反対し続けているにせよ、韓国がほぼTHAADを受け入れていることは、韓国が直面している軍事的脅威の大きさと米韓同盟の強固さを裏付けていると言っていいだろう。

 中国政府によれば、韓国にTHAADが配備されれば、中国からの米本土向け弾道ミサイル発射を米軍が検知しやすくなる。中国の弾道ミサイルに対するアメリカの防衛力が強まれば、中国はアメリカに対する戦略的抑止力を失う。そして米中の戦略的関係が不安定化するI中国政府はこのように主張している。

 しかし、中国の指摘には根拠がない。韓国に配備されるTHAADが果たせる任務は1つだけ。北朝鮮の弾道ミサイルから韓国を守ることである。もし、THAADが中国のミサイルに対する防衛力を発揮するとすれば、それは中国が韓国にミサイルを撃ち込む場合だけだ。これは、まずあり得ないシナリオと言っていい。

 それに、韓国にTHAADを配備したからといって、アメリカの対中監視能力が大幅に高まるわけでもない。米軍は既に、この地域の3ヵ所に同じレーダーシステムを配備している。グアム一カ所と、日本の2ヵ所だ。
中国は本気で恐れてはいない

 中国側でTHAADの脅威を主張しているのがもっぱら外務省と政府上層部であることも見落とせない。中国の職業軍人がTHAADに言及したことは数回しかなく、ほとんどの場合は、米中戦争が起きた際にTHAADがどれほど役に立たないかという話をしている。

 中国人民解放軍の第2砲兵(現在はロケット軍に改称)出身の軍事専門家、宋忠平によれば、いざというときには中国側が指向性エネルギー兵器や電子障害システムを使い、THAADのレーダーを攬乱できるという。人民解放軍の研究機関、軍事科学院にかつて在籍した軍事戦略家の彭光謙も同様の見解だ。「中国は平時にもTHAADに対抗する手段がある。例えば、簡単にレーダーを無力化できる」

 中国側が本気で不安には思っていないとうかがわせる材料はほかにもある。
アメリカはTHAAD配備を決めて以来、中国の不安を和らげるために、レーダーの技術的能力について説明しようと再三申し出ている。ところが中国は、それを拒否しているのだ。

 中国がTHAADを本気で恐れていない証拠と言えるだろう。本当に恐れているなら、少しでも多くの情報を欲しがらなくてはおかしい。中国は、このレーダーがどのような能力を持っているか、そしてそれ以上に、どのような能力を持っていないかを把握しているとみてよさそうだ。 
     。
 中国外務省の
 春瑩報道官は昨年中国にとってTHAADは「単なる技術的な問題ではない」と言っている。

この発言が示唆するように、中国がTHAAD配備に強硬に反対しているのは、技術的な問題ではなく、地政学上の問題が理由だと私は思っている。

 中国の戦略上の大きな目標は、アジア太平洋地域に君臨する大国としての地位を少しずつ築き、地域内の重要なことを全て思いのままに決められるようになることだ。この戦略を推進する上では、周辺地域でアメリカに(特に軍事面で)影響力を振るわせないようにすることがとりわけ重要になる。

 この点は、朝鮮半島で特に大きな意味を持つ。中国国境に極めて近い場所で、アメリカとの同盟関係が存在するからだ。

 こうした観点から言うと、中国にとってTHAADの韓国配備は、自国の裏庭でアメリカが影響力を待ち続けていることの象徴という意味が大きいのだろう。だからこそ、自国に対する軍事的な影響が大きくないTHAADをめぐり、韓国に強硬に圧力をかけているのだ。

 しかし、中国側は、自国の主張がおそらく通らないと理解すべきだ。THAADの配備撤回を求めるのは、韓国に対してアメリカとの同盟を破棄しろと言うに等しい。朝鮮戦争以降、韓国を守り続けてきた同盟を捨てることなど、韓国にとっては無理な話だろう。

それに中国の主張は米韓に対し、身に迫った脅威に対処するより、根拠のない中国の不安に応えることを優先させるよう求めるものだ。

攻撃ではなく「防衛」のため対北朝鮮で中国とアメリカが連携する必要性を考えると、このような状況は良い兆候ではない。中国の指導者が完全なゼローサムの思考にとらわれ、アジアにおける米軍の配備がいかなる形であれ拡大することは自国にとって不利に働くと見なすなら、米中の協力は限定される。

 一方で、中国が自分たちの利益にかなう行動を韓国に取らせようとするなら、韓国側の利益も考慮しなければならない。

だがそれは、中国が(渋々だとしても)北朝鮮を長年支援してきた立場と完全に矛盾する。

 現在の危機を打開する唯一の方法は、言うまでもなく、北朝鮮の脅威を和らげるために米中が協力することだろう。北朝鮮に確かな核能力を持たせたくない点と、朝鮮半島で戦争が起きることを望んでいない点は、両国とも明らかに共通している。

 それにもかかわらず、中国がアメリカを国益に反する相手と見なし続ければ、双方が意味のある形で協力することを妨げるかもしれない。

 先月下旬に日本、韓国、中国を歴訪したレックス・ティラーソン米国務長官は、韓国の尹炳世外相との共同記者会見で、韓国大統領選中も米軍はTHAADの配備を進めると表明した。

「韓国の次期政権も、引き続き配備を支持するだろうと考えている。配備の唯一の目的は(韓国を)防衛することだからだ」

 ティラーソンは、中国が韓国に対して経済的圧力を強めていることにも言及し、「不適切で懸念される」問題だと非難した。 今週に予定されているドナルドートランプ米大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談は、アメリカがさらに力強いメッセージを送る重要な機会となる。THAADについて、北朝鮮という目の前にある真の問題について、アメリカの立場を明確にするのだ。

 すなわち、アメリカは北朝鮮を自国と同盟国の安全保障にとって深刻な危機と見なしており、北朝鮮の核開発を受け入れるつもりはなく、自国と同盟国の防衛のために必要な行動を取る。

THAADに関するメッセージも、次の3つの観点から、この立場を裏付けるものにできるはずだ。

 1つ目に、朝鮮半島のTHAAD配備は、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対する防衛にほかならないとする。                                 2つ目に、根本的な問題はTHAADではなく北朝鮮であり、北朝鮮が核兵器とミサイルの開発を強行していることだと確認する。北朝鮮の弾道ミサイルの脅威がさほど大きくなければ、アメリカも韓国もTHAADを必要としないだろう。
 3つ目に、アメリカが同盟国を防衛するのに充分な軍事態勢を強化させていく意思を、明確に示す。つまり、北朝鮮が核兵器とミサイルの開発を続けるなら、THAADは手始めにすぎないかもしれないということだ。

 THAADの配備は既に始まったが、完了までに数力月かかる。その間、今月に米中首脳会談が、来月には韓国の大統領選が予定されている。いずれの政治イペントにも、THAADが大きな影響を与えることは間違いない。アメリカは中国に明確なメッセ-ジを発信する必要があり、中国は耳を傾ける必要がある。                                                    ■
中国がTHAAD配備反対の理由が軍事・戦術的理由であろうと思っていたのだが実は政治的・地政学的理由であるという意見は傾聴に値する。

中国は韓国に対し歴史的な半島との拘わりから属国へ戻るよう躾けている。
一方米国は中国とのトランプゲームで韓国がジョーカーであると思い始め、中国に引かせても構わないと思うようになり始めた
【ワシントン=加納宏幸】マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は4月30日、FOXニュースの番組で、北朝鮮の弾道ミサイルに対処するため韓国に配備された米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」に関し、韓国側に費用負担をさせるため再交渉する可能性に言及した。配備費用は在韓米軍地位協定により米側が負担することで合意している。

 トランプ大統領は27日のロイター通信とのインタビューで、10億ドル(約1110億円)の配備費用を負担するよう韓国政府に伝えたと述べていた。

 これについて、マクマスター氏は「私が大統領を否定するようなことをしてはならない」と強調。その上で、「再交渉するまでは合意を守る」ものの、米軍駐留に関する全ての同盟国との協議の中でTHAAD配備費用に関しても再交渉する可能性があるとの認識を示した。

 ペンス副大統領も30日のNBCテレビ番組で、日本や韓国、欧州の同盟国による負担に言及し、「大統領は米国が安全保障や保護を提供する繁栄した国々に対し、自国防衛により多くの努力をするよう求め続けていく」と述べた。

 ■韓国次期政権、国家間合意撤回も

 反対世論による混乱の末に、ようやくTHAAD配備にこぎつけた韓国。今度は米国側から伝えられたトランプ大統領やマクマスター米大統領補佐官による、THAADの費用負担の要求や再交渉発言に当惑し、動揺や反発が広がっている。

 THAADは、発射台付き車両で高性能のXバンドレーダーとともに運用される。在韓米軍は先月26日、米韓合意に基づき、THAADの発射台やレーダーなどを韓国南部の慶尚北道星州(キョンサンプクトソンジュ)郡にある配備先に搬入。事実上、配備を終えた。

 その直後、トランプ氏がTHAAD費用の負担を韓国に求めたとの発言が伝えられると、それまで配備を支持していた韓国メディアからも猛批判が続いた。

 韓国大統領府の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長はマクマスター氏と電話会談。会談後、大統領府は、費用の米側負担という「従来の合意内容を再確認した」と発表した。韓国メディアによれば、マクマスター氏のその後の「再交渉発言」についても「韓米間の従来の合意が有効なことを再確認したもの」と説明している。

 THAAD費用負担について韓国国防省報道官は1日の定例会見で、「韓米の合意事項であり、在韓米軍地位協定に明示されている」とし、「再交渉の対象になり得ない」と述べた。

 地位協定に基づき米韓は、THAADの配備地とインフラ(基盤)を韓国側が提供し、10億ドルに上るTHAADの配備・運営費用を米国側が負担することで合意している。

 ただし、問題はマクマスター氏が「再交渉するまでは従来の合意を守る」と語ったように、来年の米韓の交渉で決める2019年以降の在韓米軍駐留経費の韓国側の負担額だ。韓国国防省報道官は現時点での再交渉は否定しつつも、交渉でTHAAD関連経費を扱うかについて明言を避けた。

 THAADの費用負担問題に動揺が広がる韓国では、問題が今月9日の大統領選挙の新たな争点となっている。THAADの次期政権での再協議を主張する左派系最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補は現在も支持率トップ。北朝鮮をめぐる緊張が高まるなか、一時はTHAAD配備に反対でも賛成でもないという曖昧な姿勢を見せた。だが、費用負担問題の浮上を好機ととらえ攻勢に出ている。

 文氏陣営は1日、「奇襲作戦のようにTHAADを電撃配備し、同盟国間の費用をめぐりピンポンゲームをしている」と米国を批判。さらに、「THAAD配備を中断し次期政権に引き渡せ。文候補が強調してきたように次期政府で国益最優先の原則に従い透明性をもち決定すべきだ」と配備中止と再協議を訴えた。

 国家間の合意に従ったTHAAD配備を撤回するというあり得ないことが、韓国の次期政権で起き、米韓の同盟関係までも揺り動かす可能性が出てきている。(ソウル 名村隆寛)
文在寅は日韓の国家間の合意に従った慰安婦合意をちゃぶ台返しで撤回すると言っているのだから、米韓の国家間の合意に従ったTHAAD配備を撤回するというあり得ないことをするだろう。日韓関係も断交となり、米韓の同盟関係までも解消に向かう可能性が出てきているということだ。

結局は在韓米軍を守る為に米国の負担で韓国にTHAADを配備することを決めた。文在寅韓国大統領が誕生すれば、THAADミサイルは、韓国防衛に使用するのではなく、在韓米軍防衛用に使用すればいいのである。少なくとも米国はそう割り切るかもしれない。
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4月30日、韓国政府は米軍の新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)の韓国への配備を巡り、米国が費用10億ドルを負担することを再確認したと明らかにした。写真はTHAADのテスト発射の模様。米国防総省提供(2017年 ロイター)
韓国政府は30日、米軍の新型迎撃ミサイルTHAAD(サード)の韓国への配備を巡り、米国が費用10億ドルを負担することを再確認したと明らかにした。

韓国大統領府の当局者によると、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は韓国の金寛鎮国家安保室長との電話で、米国にとって韓国との同盟はアジア太平洋地域の最優先事項だと伝えた。

THAADの配備費用を巡っては、トランプ大統領がロイターとの27日のインタビューで韓国が負担すべきだと語ったことを受け、韓国国内で波紋が広がり、米韓同盟に対するトランプ氏の姿勢に疑問が浮上。韓国側は、米韓合意では米国が負担することになっていると反論していた。

韓国大統領府によると、マクマスター補佐官は電話でトランプ大統領の発言について、同盟国との防衛費の負担配分に関する米世論を踏まえた一般論だと説明した。電話協議はマクマスター氏の要請で実施した。

[ソウル 30日 ロイター]

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか
(○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2017年4月26日現在)【日経ビジネス】早読み 深読み 朝鮮半島
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いいかげん、トランプは韓国に対し苛立ちを覚えるようになった。選挙直前THAADには反対しないと今のところ言ってはいる文在寅だが次期大統領に就任したならば、間違いなく掌返しするだろう。

文在寅が就任後再び反米に走れば、韓国軍がクーデターを起こし政権を打倒するだろう。そうでなければトランプは韓国を切り捨てにかかるであろう。
ドナルド・トランプ米大統領が27日(現地時間)、韓米自由貿易協定(FTA)について「ぞっとするhorrible)」という表現を使い、「交渉見直し、あるいは終了を願う」と公に発言したことから、韓国政府・産業界はその発言の真意をつかもうと一日中あちこち奔走した。トランプ大統領は昨年の大統領選挙遊説時から韓米FTAを「雇用キラー」「災害」と非難してきた。しかし、就任直後に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)脱退、北米自由貿易協定(NAFTA)の交渉見直しから着手したため、韓国政府は韓米FTA交渉の見直しについてしばらく現実化はしないだろうと見ていた。

 ところが同日、トランプ大統領はメディアとのインタビューで、「韓米FTAはヒラリー・クリントン元国務長官が作った、受け入れがたくぞっとするような協定。韓国にとっては素晴らしい協定だが、米国にとってはひどい協定だ」と述べた。「交渉見直しの意思はいつ明らかにするのか」と質問されると、「本当にすぐにだ。韓米FTA 5周年(今年)は交渉見直しを開始するには良いタイミングだ」と語った。

 韓国政府は特に「終了」に言及したことに神経をとがらせている。双方の同意が必要な交渉見直しとは違い、終了は米国だけの意思でも可能だからだ。韓米FTAは一方の当事国が他方の当事国に協定終了を希望するとの意思を書面で通知した日から180日後に終了する。韓国産業研究院では、韓米FTAが終了すれば、両国の貿易額は2015年に比べ年間30億ドル(約3345億円)近く減少すると予想している。しかし、韓国のかなりの専門家が「トランプ政権が韓米FTAに関連して即座に行動に移るのは難しいだろう」と予想している。ホ・ユン西江大学国際大学院院長は「FTA交渉を見直す、あるいは終了するには議会の同意を経なければならない。伝統的に自由貿易を強調してきた共和党の基調を考えると、トランプ大統領が無理やり押し通すのは容易でないだろう」と語った。その一方で、トランプ大統領の発言は計算された「交渉カード」だとの見方もある。アン・ドックン・ソウル大学国際大学院教授は「10億ドル(約1100億円)に達するTHAAD費用を負担するよう要求し、通商問題と連携して韓国に圧力を加えようとしているものと思われる」と言った。

金承範(キム・スンボム)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
米国は米国に核ミサイルさえ飛んでこなければ、朝鮮半島はどうでもいいのかもしれない。朝鮮半島を中国の属国として統一させ存続させればそれでもいいのかもしれない。トランプと習近平は何を取引したのかよくわからないが、韓国とは取引する価値すらないと考えるかもしれない。

ひょっとすると選択肢の一つは北朝鮮or朝鮮半島を非核化・非武装化して中国の属国として押し付け防衛ラインを対馬海峡まで下げるのかもしれない。

例え半島が中国の属国でも非核化したほうが日本にとってキチガイに刃物よりはましかもしれない。
「米国が朝鮮半島の危険な情勢に関与する必要はもうない。韓国との同盟を解消して、在韓米軍も撤退すべきだ」――こんな過激な主張の論文が米国の大手外交雑誌に掲載された。ソ連の巨大な脅威が存在した東西冷戦時代ならば米国の朝鮮半島関与は意味があったが、今は北朝鮮の脅威は韓国に任せればよい、とする孤立主義に近い主張である。

 論文の筆者は長年ワシントンの外交政策論壇で活動する研究者だ。その主張はきわめて少数派と言えるが、米国の一部にこうした意見が存在することは認識しておく必要があるだろう。

中国の存在のほうが大きな問題

 米国の大手外交雑誌「フォーリン・ポリシー」4月号は「アメリカはもう韓国を解き放つ時だ」と題する論文を掲載した。筆者は異色の保守派論客であるダグ・バンドウ氏である。同氏は国際問題を専門とする研究者であり、レーガン政権で大統領補佐官を務めた経歴を持つ。現在はワシントンの老舗研究機関「ケイトー研究所」の上級研究員として活動している。

 バンドウ氏は論文で、まず北朝鮮が核兵器やICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発を進めて緊迫する現在の情勢について「米国はなぜアジアの小さな貧しい北朝鮮という国だけに大きな関心を向け、米国人の血を流すことになる戦争を選択肢にしようとするのか」という疑問を提起する。「アジアには、もっと真剣に対処すべき中国のような大国が存在するではないか」とも述べる。

 バンドウ氏もケイトー研究所も基本的なスタンスは、個人の自由を最大限に求め、政府の役割を極端に小さくすることを主張する「リバタリアニズム」(自由至上主義)系の思想である。「小さな政府」を主唱するという点では、保守主流派と主張が重なっている。リバタリアニズムは、外国との同盟などを減らす孤立主義を説くことも多い。

韓国に米国の助けはいらない

 バンドウ氏は同論文で以下の諸点を主張していた。

・米国が朝鮮半島に介入し、韓国と同盟を結んで、北朝鮮と対峙した最大の理由は、東西冷戦中にソ連側陣営の共産主義の拡大を防ぐためだった。朝鮮戦争で共産側と戦って3万7000人もの米国人の命を失ったのも、北朝鮮の背後にいるソ連の勢力圏の膨張を阻止するためだった。

・だが、今や世界はまったく変わってしまった。米国にとって朝鮮半島は東西冷戦中の地政学的な意味を失い、朝鮮半島での「代理戦争」はもはや過去の遺物となった。韓国を防衛することも北朝鮮の核武装を阻止することも、米国の基本的な国益とは関わりがなくなった。

・いまの朝鮮半島で起きうる最悪の事態は、北朝鮮と韓国との戦争だろう。しかしこの戦争も国際情勢全体、あるいは米国の基本的な国益という観点からみれば、それほど重大な出来事ではない。米国が介入しなければこの戦争は朝鮮半島だけに限定されるので、かえって国際的な被害が少ない。

・在韓米軍は長らく不可欠な聖域のようにみなされてきた。だが、かつてカーター政権はその撤退を提唱している。

・現在、韓国には約2万8000人から成る米軍が配備されているが、もしも朝鮮戦争が起きた場合、米軍の被害は甚大となる。だが、いまの韓国の国力は北朝鮮を圧倒的に上回っている。韓国軍は米軍の力を借りなくても勝利を得られるはずだ。

・韓国にはときどき金大中政権のような北朝鮮との融和を求める政権が登場し、「太陽政策」の名の下に北に100億ドルもの援助を与えるような異常な出来事が起きる。援助を受けた北朝鮮は、その間に核兵器や弾道ミサイルの開発に励んでいた。韓国は「米国の保護がある」という安心感から、そんな行動をとるのだ。だから、米国は保護をやめたほうがよい。

在韓米軍の存在は中国の膨張を防ぐためだとする議論もある。だが、中国が朝鮮半島に進出して北朝鮮を自国の支配下におく意図がないことは、すでに明白だ。台湾や南シナ海、東シナ海など、北朝鮮以外の地域での中国の攻勢を抑えるための在韓米軍の効用はほとんどない。

・韓国が核武装して北朝鮮の核兵器に対抗しても、米国にとって大きな不利益はない。また、在韓米軍を撤退させた後も、米国が核の拡大抑止、つまり北朝鮮に対する「核のカサ」を韓国に提供し続けることは可能である。

 バンドウ氏は、国が朝鮮半島への関与を減らすことで、韓国も北朝鮮も自立や自主性の意識を高め、責任のある外交や戦略を展開するようになるのではないかと総括していた。

 現実的には、米国が韓国から、さらには朝鮮半島から離脱する可能性はきわめて低いとはいえ、いまの米国内にはこんな主張があることも知っておくべきだろう。
5月9日に韓国民が愚かにも文在寅を大統領としてしまったとしたら、軍のクーデターを誘発するか、米韓同盟の消滅させる政権が誕生するだろう。

バンドウ氏の慧眼はすばらしい!金大中みたいな北朝鮮との融和を求める政権が登場し、「太陽政策」の名の下に北に援助を与え、援助を受けた北朝鮮は、その間に核兵器や弾道ミサイルを行ってしまう。韓国は「米国の保護がある」という安心感から、そんな幼児のような行動をとるのだ。だから、米国は保護をやめたほうがよい。

戦争という選択肢は避けられるかもしれないが、北主導で南北統一への動きだすかもしれない。金正恩がそのまま半島の王様のままでいられることはないとは思うが、5/9以降いったいどのような災いが舞い込むか?

統一コリアの仮想敵は間違いなく日本になる。仮に統一コリア誕生のどさくさに竹島を日本領とした場合、間違いなく奴らは対馬占領と竹島を奪回を国是とするだろう。

私は米軍がもし本気で北朝鮮を攻撃するのであれば、準備の整う秋に再び危機になると思う。依然殺るか殺らないかはわからない、様々な情報が飛び交っていますが、日本にとってあまり愉快な近未来にならないことだけは間違いないだろう。


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 4月25日、韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮は、朝鮮人民軍の創建85年の記念日を迎えるのにあわせ、大規模な砲撃演習を行った。写真はKCNAが昨年12月に配信した朝鮮人民軍の砲兵ユニットの演習の様子。提供写真(2017年 ロイター/KCNA)
北朝鮮の朝鮮人民軍の創設から85年になる25日、北朝鮮東部で、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、大規模な砲撃訓練が行われていると、韓国メディアが伝えました。北朝鮮としては、アメリカと韓国の合同軍事演習への対抗姿勢を鮮明にし、圧力には屈しないという立場を強調する狙いがあると見られます。                                                      
韓国の通信社、連合ニュースは、韓国政府の消息筋の話として25日、北朝鮮東部のウォンサン(元山)付近で大規模な砲撃訓練が行われていると伝えました。
訓練は、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の立ち会いのもと、長距離砲など300門から400門が投入されていて、「過去最大規模の砲撃訓練だ」としています。

25日は、朝鮮人民軍の創設から85年の節目にあたり、北朝鮮としては軍の最高司令官であるキム委員長の権威を一層高めるとともに、韓国で続けられている米韓合同軍事演習への対抗姿勢を鮮明にし、圧力には屈しないという立場を強調する狙いがあると見られます。

北朝鮮では去年3月にも、米韓合同軍事演習のさなかに韓国の首都ソウルにある大統領府や政府機関への攻撃を想定して、長距離砲などによる大規模な演習が行われました。                                        
官房長官「情報収集 分析に努めている」                            
菅官房長官は午後の記者会見で、「政府として情報収集、分析に努めているが、その結果については、事柄の性質上コメントを差し控えたい」と述べました。
そのうえで菅官房長官は「引き続き米国、韓国と緊密に連携しながら、北朝鮮に挑発行動の自制と安保理決議の順守を求めると同時に、国民の命と財産を守るために高度な警戒監視を行う。いかなる事態にも対応できるよう、緊張感を持って、わが国の平和と安全確保に万全を期していく」と述べました。
結局チキンの金正恩率いる北朝鮮は、米国の定めるレッドラインに届かない大規模砲撃訓練でお茶を濁した・・・・過去最大だと粋がってもDQNはDQN。いつまでもウンコ座りしてろってんだ!


とはいえ、北朝鮮は5月9日の韓国大統領選挙で従北反米反日の文在寅が大統領になるのを待つのが定石だ。根性の無いDQNは小賢しい。

となると、今度はトランプDQN大統領がどうするかだ・・・朝鮮人はDQNの本場だけあって、超DQNの文在寅が大統領になりそうだが、若干ましな安哲秀になっても、どうせクーデターで早々に倒れるであろう。

トランプ大統領はDQNではないという意見・・・だといいのだが・・・・
米国の新大統領トランプ氏には外交経験はまるでなく、そのうえ無謀で予測不能な人物であるかのごとく言い募るアナリストが絶えないが、謬見(びゅうけん)であろう。大統領選勝利の頃から現在にいたる氏の行動様式から判断する限り、その外交的手腕にはみるべきものがあるというのが私の直感である。

≪シリア爆撃で北への関与促す≫

 トランプ氏は米国の覇権に刃向かう現在ならびに将来の新覇権国家が中国であることを正しく認識し、オバマ政権時代の寛容で融和的な政策を転じて、早くも対中牽制(けんせい)のための有力なカードをみせつけ始めた。その一つが、当面の最重要課題である北朝鮮問題の解決に中国を強引に引きずり込もうとする策であり、もう一つが、米国は「一つの中国」原則に縛られないとする、胸中に秘めた氏の策をのぞかせたことであろう。

 トランプ氏が北朝鮮に対するオバマ時代の「戦略的忍耐」政策を放擲(ほうてき)し、脅威が高まれば軍事行動も選択肢になるという政策に転じたのは、相対的にその力を減じつつあるとはいえ、なお他を圧する覇権力を擁する米国としては至極当然のことであろう。就任後、最初の歴訪にティラーソン国務長官を日韓に赴かせて、新政策を両国に伝えるという迅速さであった。

 4月7日の米中首脳会談において、トランプ氏は習近平国家主席に北朝鮮問題について中国がより積極的な役割を演じるべきであり、さもなくば米国は単独で行動すると主張した。さらに、前日の歓迎夕食会の最中に、米国のシリア空爆についての詳細を伝えたことが後に明らかにされた。

 北朝鮮はシリアに化学兵器の技術移転を長らく続けてきた。中国が北朝鮮の行動を抑止できないならば、米国が単独行動も辞さないという主張は鋭い現実味をもって中国に伝わったことだろう。首脳会談の最中にミサイル攻撃の挙に出ることなど驚くべき大胆さである。実際、4月中旬の国連安保理のシリア非難決議に、ロシアは拒否権を行使したが、中国は棄権にとどめたのである。

≪「狡知」知らしめた台湾カード≫

 加えて、トランプ氏は一つの中国原則に大いなる違和感をもっていることも証された。昨年12月2日、トランプ氏は台湾総統の蔡英文氏との電話会談に臨み、蔡氏から大統領就任への祝意を伝えられ、トランプ氏は蔡氏を「The President of Taiwan」と呼びかけたという。

 さらに今年1月13日、トランプ氏は米紙とのインタビューで、中国と台湾がともに一つの中国に属するという原則に自分は縛られない、米中問題のすべてが交渉の対象だという見解を明らかにした。1979年の米中国交正常化以来、米国首脳が一つの中国原則の見直しを示唆したのは初めてのことである。

 台湾問題を国家主権に関わる「核心的利益」だと主張してきた中国が、この原則は米中関係の政治的基礎であり、交渉は不可能だと猛反発したのだが、トランプ氏にとってはこれも織り込み済みのものだったはずである。

 その後、トランプ氏は習氏との電話会談で、一つの中国原則を尊重すると応じた。トランプ氏の譲歩ではあろうが、中国が他国から言及されることを最も嫌悪するこの問題を、トランプ氏が重要な政治的カードとして隠し持っていることを中国側に知らしめたのは、氏の外交的「狡知(こうち)」であろう。

 中国は今後「米中新型大国関係」などという“夜郎自大”の表現を用いることには自制的たらざるをえまい。党大会を今秋に控えて国内権力闘争に(しのぎ)を削り、外交に割くエネルギーが薄れているこの時期に一つの中国原則を持ち出したことも、同氏の外交的取引の巧妙さを物語っていよう。

≪挑戦者への不作為が危機招く≫

 台湾民進党の蔡氏は前総統の国民党の馬英九氏とは異なり、「92年コンセンサス」(九二共識)の存在を認めていない。共識は、1992年の中台香港協議の場において双方が一つの中国(一個中国)原則は守るものの、台湾側はその解釈は双方異なる(各自表述)とし、中国側は文字通りの一個中国を堅持するというものだといわれる。共識はその存在自体が怪しく多分に幻のものだが、中国はこれこそが中台関係を律する政治的基礎だと主張してやまない。台湾がこの共識を認めなければ当局間による交渉の一切には応じないとも言い続けている。

 世代交代にともない台湾の「現状維持」が強固な民意となって登場した蔡政権は、中国にとっていよいよの難物である。この時期を捉えて米国は台湾に2240億円相当の武器を売却する意向を発表した。旧国際秩序への挑戦勢力に対する現状維持勢力の不作為が戦争誘発の要因である。

 ミュンヘン会談においてドイツの軍事的膨張の意図を誤認した英国など欧州諸国の不作為こそが、第二次大戦勃発の起因であった。確執回避を優先するあまり対独宥和(ゆうわ)姿勢を取り、結局は大戦へと向かわざるを得なかった歴史の事実を顧みたい。(拓殖大学学事顧問・渡辺利夫 わたなべとしお)
確かに4月6-7日の米中首脳会談以来、北朝鮮を中国が説得するとことと引き換えに、米国は中国を為替操作国に認定せず、中国に対する接し方が大幅に変化した可能性は高い。

トランプ大統領は公約通り国益を重視する、
狡知な大統領であってほしいのだが・・・

トランプもまた歴代大統領が邪悪な親中派サイド(パンダハガー)に堕ちている
可能性は捨てられない。


だがトランプ大統領は「北朝鮮の現状維持は許されない」との立場を堅持している。

まだ、北朝鮮を瞬殺する準備を行っている段階であり、準備を整える段階で日韓から米国人は極力退去しておくだろう。

日韓合わせて観光客を除いて20万人も米国人が在留していては迂闊に北朝鮮を攻撃することはできない。少しつづ退去させていく可能性がある。退去理由は従北反日反米大統領による横暴な振る舞いということにするだろう。更に様々なオプションで北朝鮮の現体制をひっくり返すまで現状を満足しないであろう。
世界最強の米原子力空母「カール・ビンソン」を中心とする第1空母打撃群と、海上自衛隊の護衛艦「あしがら」「さみだれ」は23日から、西太平洋上で共同訓練を開始した。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長率いる北朝鮮が、25日の「建軍節」(朝鮮人民軍創建記念日)に合わせた「6回目の核実験」などを示唆するなか、日米同盟の絆で暴発を牽制(けんせい)する構えだ。安倍晋三首相と、ドナルド・トランプ米大統領は24日午前、電話首脳会談を行った。正恩氏の対応次第で、北朝鮮のクーデターを促す「海上封鎖」も検討する。トランプ氏が北朝鮮に送り込んだ「密使」とは。いち早く、朝鮮半島危機に警鐘を鳴らしてきたジャーナリスト、加賀孝英氏の独走リポート。

 「われわれの軍隊や人民は、『カール・ビンソン』のような核空母打撃群であっても、愚かな群れとしか見ていない。全面戦争には全面戦争だ!」

 「南(韓国)が灰になり、日本列島が沈没し、米国本土に『核の雹』(ひょう=爆弾)が降りそそいでも、後悔はするな。責任は挑発した(米国)側にある」

 北朝鮮の「アジア太平洋平和委員会」は21日の報道官声明で、米国をこう激しく罵倒し、日米韓3カ国を殲滅(せんめつ)すると宣言した。

 朝鮮半島が、今世紀最大の危機的状況に陥っている。

 北朝鮮が、85回目の「建軍節」に当たる25日前後に、国連安保理決議を無視して、「6回目の核実験」の強行を企てているからだ。

 米国は、北朝鮮の暴走を阻止すべく、原子力空母「カール・ビンソン」を中心とする第1空母打撃群を朝鮮半島に向かわせている。同空母には、戦闘攻撃機FA18「スーパーホーネット」など約90機が搭載され、ミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦、攻撃型原子力潜水艦などを伴う。

 旧知の米情報当局関係者はこういう。

 「米国はここ数カ月、北朝鮮に警告を与えてきた。6回目の核実験を強行すれば、米国は容赦なく、最強特殊部隊による『斬首作戦』や、巡航ミサイル『トマホーク』、ステルス戦略爆撃機B2『スピリット』を使った『限定空爆』などを行う。先制攻撃だ。正恩体制は消滅すると。だが、冒頭の報道官声明は、米国に対する宣戦布告だ。米軍は許さない。激怒している」

 驚かないでいただきたい。水面下では、さらに激しい激突が起こっている。以下は、複数の米軍・米情報当局関係者、中国政府関係者から得た極秘情報だ。

 「正恩氏は当初、6回目の核実験を『金日成(キム・イルソン)主席の生誕105周年』の15日に決行する予定だった。だが、米国の恫喝(どうかつ)に震え上がり、直前で延期した。そのぶざまな姿に朝鮮人民軍の一部が憤慨している。クーデターの兆候も出てきた。正恩氏は半狂乱だ。核実験を強行しなければ名誉回復ができない。追い込まれている」

 恫喝の1つが、米軍が13日、アフガニスタンで初めて実戦使用した大規模爆風爆弾(MOAB)だ。「あらゆる爆弾の母」という異名を持ち、核兵器を除いて史上最大の破壊力を誇る。MOABの攻撃で、地下の基地にいたイスラム国(IS)戦闘員約100人が全滅した。「地下の秘密部屋」に隠れる正恩氏に対し、「お前の居場所は分かっている。殺すぞ」とやったのだ。

 「中国の習近平国家主席は12日、トランプ氏との電話会談で『(北朝鮮の暴発阻止のため)何でもやる』と約束した。だが、すべての対北工作に失敗した。北朝鮮の朝鮮中央通信は21日、『誰かに踊らされて経済制裁に執着するなら、破局的結果も覚悟すべきだ』と論評した。習氏は、張り子のトラだ。大恥をかいた。実は、トランプ政権は(正恩氏の亡命を促すとみられる)『密使』を北朝鮮に派遣した。元情報当局幹部。大物だ」

 驚愕すべきは、トランプ政権が「先制攻撃=特殊部隊の正恩斬首作戦」や「5015=正恩政権殲滅(せんめつ)作戦」と一緒にテーブルの上に並べている、北朝鮮に対する秘密作戦だ。極秘情報はこう続いている。

 「空母『カール・ビンソン』は5月末まで朝鮮半島周辺に張り付く。その間、北朝鮮を海上封鎖する作戦が浮上している。習氏は『北朝鮮が核実験を強行したら、禁油に踏み切る』とトランプ氏に密約した。北朝鮮向けの原油パイプラインを閉じるということだ。それを実行させる。加えて、日本海と黄海で北朝鮮への船舶の出入りを封鎖する。北朝鮮は100%持たない。先制攻撃しなくてもクーデターが起きる。正恩体制は終わりだ。崩壊する」

 実は、この朝鮮半島危機の裏側で、信じられない動きがある。

 外事警察関係者が次のようにいう。

 「今回の朝鮮半島危機で、習氏は『北朝鮮も国内もコントロールできない』と大恥をかいた。メンツ丸潰れだ。権力基盤がグラついた。習氏が劣勢を挽回するために、今後の混乱に乗じて、日本固有の領土、沖縄県・尖閣諸島強奪を軍に命令する危険がある」

 米議会で13日、退任を前にしたジェームズ・ファネル海軍大佐が最後の議会証言を行った。ファネル氏は2014年、米太平洋艦隊の情報戦部門を統括していた当時、「中国人民解放軍が自衛隊を打ち破り、尖閣諸島と琉球諸島南部を奪取する訓練をしている」と発言している。

 今回の証言は以下の通りだ。

 「中国が(いま)尖閣諸島を電撃的に奪取しに来るのが最大の脅威だ」

 北朝鮮の軍事的暴走によって、東アジア全体が危機に陥っている。日本の国土と国民の生命を守る安全保障問題に、一瞬たりとも息を抜く暇はない。情報収集に全力を尽くさなければならない。

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。
まあ、習近平はここまでコケにされて・・・発狂しているのではないか?
米軍の空母がうろついている最中にさすがに尖閣はないだろう・・・
尖閣に手を出せば逆にトランプの思う壺じゃないかなぁ
 習近平国家主席率いる中国が“責任逃れ”に必死になっている。ドナルド・トランプ米大統領に厳命され、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の軍事的威嚇を阻止しようとしたが、一筋縄ではいかないのだ。韓国・聯合ニュースは「北朝鮮が、中国に核実験を行うと通知した」との未確認情報を報じた。北朝鮮が強行すれば、米軍の「斬首作戦」「限定空爆」が現実味を帯びてくる。習政権が、北朝鮮説得失敗の裏で画策する「国防動員法発令」の危険とは。中国事情に精通するノンフィクション作家、河添恵子氏が緊急リポートする。

 「北朝鮮は、旧ソ連と中国の影響力を排除してやってきた国だ」

 米中首脳会談(6、7日)が終わった後、中国はこんな「情報戦」を強めている。

 つまり、北朝鮮の「核・ミサイル暴発」を止める力がない、崖っぷちの習氏のメンツを保つため。もう1つは、「米朝の臨戦態勢に、中国の責任は一切ない」という責任逃れのためだろう。

 だが、そんな“フェイクニュース(偽ニュース)”は通用しない。

 そもそも、米中首脳会談の主な議題が、北朝鮮マターだったことは、世界の誰もが疑う余地がなかった。それなのに、先日の訪米主要メンバーには、「金王朝」(北朝鮮)とのパイプを握る、「チャイナセブン」(=中央政治局常務委員7人)の序列3位である張徳江・全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員長ら、江沢民派がいなかったのだ。

 習氏に同行したのは、人民解放軍の房峰輝連合参謀部参謀長や、劉鶴・中央財経指導小組弁公室主任(国家発展改革委員会副主任)、栗戦書・党中央弁公庁主任(党中央国家安全委員会弁公室主任)ら腹心たちだった。

 これによって、トランプ政権は「習氏は、中国北東部を管轄する旧瀋陽軍区『北部戦区』(=北朝鮮と直結する江沢民派の牙城)を掌握し切れていない」「中国政権内部が分裂し、軍閥化している」と喝破したはずだ。

 つまり、習氏が国内で「核心」と位置付けられ、それを国内外でいくら喧伝しようが、実は“張りぼて”であることを見抜いたといえる。

 トランプ氏の外交手法は超クールだ。少なくとも習氏は4月に2度、「凍りついた」と推測する。

 1度目は、フロリダ州パームビーチの別荘「マール・ア・ラーゴ」で6日に行った夕食会の最後のデザートタイム。チョコレートケーキを口にほおばる習氏に、トランプ氏が「たった今、シリアに59発のミサイルを撃ち込んだ」と伝えた瞬間だ。

 2度目は、その時の習氏の反応・様子までも、トランプ氏に後日、FOXテレビのインタビューでバラされたことを知った瞬間である。

 ただ、トランプ氏は「習主席を尊重している」と語るなど、気遣いも忘れない。それもあって、中国は官製メディアの海外版などで、得意げに「米中両国は朝鮮半島問題で対抗せず、協力する姿勢を明白にした」と、米中関係の良さを強調することができるのだ。

 習氏一行は今回の訪米で、北朝鮮が「6回目の核実験」や「ICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射」に踏み切れば、米国の「斬首作戦」「限定空爆」を黙認する“密約”を交わしたとみられる。

 ここで習氏が最も恐れているのは、中国内部の敵から正恩氏に作戦情報などが密告されることだ。そうなれば、中南海(=中国政府や中国共産党の本部がある北京の中心部)が先に火の海となりかねない。

 ただ、いつの時代も中国の支配者は「ピンチをチャンスに変える」したたかさがある。しかも必ずや「漁夫の利」を狙う。ここで浮かぶのは、2010年7月から施行した「国防動員法の発令」である。

 国防動員法は、中国が有事の際、政府と人民解放軍が、民間のあらゆる人的・物的資源を動員・徴用する法律である。条文を読む限り、中国国内だけでなく、日本に住む中国人も対象となるうえ、中国国内で活動する日本企業や日本人も資産や技術提供の対象となる。

 習政権は今後、朝鮮半島や東アジアの混乱に合わせて、同法発令の準備を本格化させていく可能性が高い。

 施行前の08年4月、当時の中国・胡錦濤政権は、駐日中国大使館や領事館と連携して、長野市で“予行練習”を実施している。北京五輪開催前の聖火リレーで、現地に動員された中国人留学生ら約4000人が暴徒化した事件は記憶に新しい。

 昨年7月、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(現被告)が寝返り、米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を決めた後、中韓関係は「史上最高」から「最悪」に転じた。案の定、いきなり「たたきのめす」報復モードに切り替わった。

 中でも、THAAD配備のため用地交換契約を締結したロッテについては、グループが中国で展開する23店舗の閉鎖を命じられたという。中韓両国を舞台に、国防動員法の“予行練習”に励んだとも考えられる。

 中国在住の日本人や日本企業はもちろん、日本にとっても対岸の火事ではない。日本国内で待遇に不満を抱える「反日予備軍」の技能実習生や、不法滞在者、偽装留学生など怪しい身分で居留する中国人は増えている。

 米国様には命乞いをする弱腰の習政権だが、日本国民の生命と財産に危害を加える“凶器”を持っていることには間違いない。

 ■河添恵子(かわそえ・けいこ) ノンフィクション作家。1963年、千葉県生まれ。名古屋市立女子短期大学卒業後、86年より北京外国語学院、遼寧師範大学へ留学。著書・共著に『豹変した中国人がアメリカをボロボロにした』(産経新聞出版)、『「歴史戦」はオンナの闘い』(PHP研究所)、『トランプが中国の夢を終わらせる』(ワニブックス)など。
習近平はもはやピエロもいいところだ・・・まあ、強いものに尻尾をふり、弱い者には徹底的に高圧的になれるメンタリティーがなければ中国共産党内の権力闘争に勝利できない。習近平は厚顔無恥であって当然かもしれない。

米中首脳会談の結果を、中国はどう受け止めたか?
【Newsweek】2017年4月10日(月)06時00分遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

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米中首脳会談、初日の晩餐会 Carlos Barria-REUTERS                    中国は米中首脳会談の成果を大きく強調したが、共同記者会見もないという異常事態。会談直前の北朝鮮のミサイル発射と会談中の米国によるシリア攻撃により顔に泥を塗られながら、習近平が笑顔を保った訳とは?

顔に泥を塗られながら、笑顔を保った習近平
米中首脳会談の開催を目前にした北朝鮮は、4月5日、またもやミサイルを発射した。

トランプ氏が大統領選中に「ハンバーガーでも食べながら金正恩(キム・ジョンウン)と話をしてもいい」という主旨のことを言ったものだから、北朝鮮はトランプ氏が大統領に当選した昨年の11月8日から今年2月12日まで、ミサイル発射を控えていた。ひょっとしたらアメリカの次期大統領が自分と会ってくれるかもしれないと期待していたからだろう。 

北朝鮮には「アメリカに振り向いてほしい」という強い願望がある。金正恩のあまりのならず者ぶりに今では見えなくなっているが(そして感覚的に受け入れにくいが)、1953年に休戦協定で終わった朝鮮戦争を停戦協定(平和条約締結)に持って行ってほしいというのが、もともとの始まりではあった。53年7月に南北軍事境界線の板門店で休戦協定に署名したのは北朝鮮とアメリカだ。だからアメリカに振り向いてほしい。停戦になれば、在韓米軍の必然性が消える。「ならず者国家」は、たしかに今ではもうそれだけではなくなっている。核保有国として認めろという姿勢を崩していない。

しかしアメリカ政治に詳しい早稲田大学の中林美恵子氏によれば、アメリカ政界(の一部)では「いっそのこと北朝鮮とは平和条約を結んだ方がいいのではないか」という声が、いま出始めているとのこと。

―――

だが、その声はまだ小さいのだろう。

2月12日に北朝鮮がミサイル発射の抑制を破ったのは、2月3日に米韓の間でTHAADの年内配備で意見が一致したからであり、2月10日に開催された日米首脳会談で北朝鮮に対して核・ミサイル開発の放棄を要求することを意思表明したからだろう。この時点で、「トランプは自分とハンバーガーを食べることはない」と判断したにちがいない。

だから安倍首相が訪米してトランプ大統領と首脳会談を行った最終段階でミサイル発射を再開している。

となれば、4月5日の北朝鮮によるミサイル発射は、米中首脳会談を牽制するために行なったものと考えるのが普通だろう。

しかし中国の外交部報道官は、「このたびの北朝鮮のミサイル発射と米中首脳会談は関係がない」と言ってのけた。当然、中国としては、トランプ大統領から「もし中国が協力しなければ、アメリカ単独で行動してもいい」と言われ、北朝鮮からも泥を塗られたとなれば、訪米する習近平国家主席の威信に傷がつくから、関係性を否定したいだろう。

―――

それだけでも十分な痛手を負っているのに、今度はアメリカ時間の6日夕方、習近平国家主席夫妻がトランプ大統領夫妻の招きを受けて華麗なる晩餐会をフロリダの高級別荘で披露しているというのに、そのさなかにアメリカがシリアに向けてミサイルを59発も発射していたのだから、習近平国家主席の驚きは尋常ではなかったにちがいない。夕食後にシリア攻撃情報を知った習近平一行は、そそくさと宿泊先に引き上げたと言われている。

アメリカの電撃的なシリア攻撃は、トランプ大統領の「何なら北朝鮮に対してアメリカ単独で行動してもいいんだよ」という言葉が、脅しではなく「本当に実行されるかもしれない」という現実味を帯び、習近平国家主席には相当のプレッシャーになったにちがいない。

もっとも、トランプ大統領はオバマ前大統領とは違うんだということをアメリカ国民に知らせたいという意図から、唐突とも言えるほどの(迅速な?)決断をしたのだろうが、それにしてもタイミングがあまりに合いすぎた。今度はトランプ大統領によって習近平国家主席は顔に泥を塗られた形だ。

―――

習近平はその場でトランプ大統領に対して「化学兵器の使用には反対する。トランプ大統領の決断に賛同する」かのようなリップサービスまでしているが、心は裏腹だっただろう。宿泊先では、その逆のことが討議されたにちがいない。

その証拠に、中国共産党が管轄する中央テレビ局CCTVは、習近平国家主席の偉業を讃えると同時に、米中首脳会談とは全く関係ない形でアメリカのシリア攻撃を伝え、特にロシアやシリア側の抗議声明に重きを置いて繰り返し報道し始めた。シリアのアサド大統領が「シリア政府は絶対に化学兵器を使っていない」と抗議している声明を何度も報道したし、中でも「果たして、シリアのアサド政権側が化学兵器を使ったのだろうか」「その十分な検証もなしに、アメリカがシリアを攻撃したのは拙速だ」「これはシリアに対する侵略行為だ」「アメリカのこのミサイルで一般市民や子供が大勢死亡している」「この攻撃はISテロ組織を勇気づけ喜ばせただけだ」というシリアやロシアの抗議声明や評論家の意見に重きを置いて報道した。

―――

それでも翌日、トランプ大統領と二度目の会談に入った習近平国家主席は、笑顔を絶やすことがなかった。

なぜか――?

それは、今年の秋に党大会があるからだ。

3月は全人代(全国人民代表大会)があったし、5月には一帯一路の初めてのサミットに没頭しなければならない。6月に入れば夏の北戴河の集まりにおける次期党大会の人事配置に着手し始める。したがって、訪米時期としては4月しかなかった。もちろん日本やイギリス、ドイツあるいはカナダなどの首脳がトランプ大統領との首脳会談をつぎつぎとこなしている中、中国がそう遅れととったのでは「威信」にかかわる。それも訪米を急いだ理由の一つだ。

その割に、トランプ大統領を前にした習近平国家主席の表情は、おもねるように委縮し、いつもの、あの「威張り過ぎた」表情や「満面の笑みサービス」は消え、始終「ともかく泥を塗られても屈辱に耐え、一見、柔和な笑みを絶やさず、トランプ大統領と対等に渡り合っていますよ」という「映像用のポーズ」だけは保つことに全力を注いでいるように映った。

中国共産党中央委員会の習近平総書記としては、何としても、米中首脳会談を輝かしいものとしなければならなかったのである。

米中首脳会談は「大成功!」と中国国内報道
米中首脳会談に関する中国国内における報道は、きらびやかさに満ち、ただひたすら中国の外交勝利を讃えるものに貫かれている。

まず初日の晩餐会に関しては習近平国家主席夫妻とトランプ大統領夫妻が、「いかに互いを尊重して円満な雰囲気の中で行なわれたか」を讃えた。

たとえば中国共産党の管轄下にある中央テレビ局CCTV-1のニュースやCCTV13(最初に15秒間ほどの宣伝がある)をご覧いただきたい。

そこでは概ね、以下のような説明をしている。

――習近平は「トランプ大統領と非常に有意義な会談をおこない、中米関係に関して重要なコンセンサスを持つに至った。われわれは相互尊重と互利互恵の基礎の上に立って、貿易投資や外交安全、サイバー・セキュリティ、人文交流など広範な領域において協力を遂行していくことを確認し合った」と語り、一方、トランプは「習主席の指導のもと、中国が際立った発展を遂げたことを、世界中の人が尊敬し注目している。習近平主席とは初めて会談したが、さまざまな意見を交換することができて、実にすばらしい話し合いを持つことができ、友情深い関係を築くことができた」と述べた。

このように、やたら「晩餐会は実に友好的に雰囲気に溢れていた」と褒めそやした。
CCTV13にあるトランプ大統領の5歳の外孫(イヴァンカさんの娘)が『茉莉花』(モア・リー・ホワ)という歌を中国語で歌った場面は、新華社が特に報道したため、他の多くのメディアが転載した。たとえば「鳳凰網」や「捜狐」などがある。

この歌は中国人民解放軍専属の歌手だった彭麗媛夫人が歌ったことでも有名で、習近平国家主席がまだ浙江省の書記をしていた2005年の春節の宴で歌った映像も残っている(「春節の宴」は日本の「紅白歌合戦」に相当するようなCCTVの恒例行事)。

イヴァンカさんは自分の子供たちに中国語を覚えさせ、今年のワシントンにある中国大使館で春節の催しが開かれたときには、子供たちを連れて中国大使館に行ったこともある。

彭麗媛夫人はそのことを最大限に利用して、「夫人外交」を展開した。

習近平国家主席のこのたびの外訪は、フィンランド訪問を含めて専門のウェブサイト >「出訪Visit」(新華網)などが作成され、大々的に「外交勝利」を謳っている。

中国にとって「勝利」ではなかったはず――共同記者会見もなく
二日目(現地時間7日)の実務的会談や二人だけの散歩に関しては、多くのメディアが「新華網」の写真などを転載している。たとえば「中華網」などがあり、動画ではCCTV13(広告が二つあった後に画面が出てくる)で観ることができる。

いずれも「習近平・トランプ」の緊密さと中国の「外交勝利」を讃えるものばかりだ。

しかし共同記者会見さえなかった首脳会談が、「勝利」だとは、とても思えない。

結果は?
結果的に米中間で、おおむね以下のような方向性が確認されたようだ。

●貿易に関しては100日間かけて両国間で協議解決する。

●北朝鮮に関しては米中とも北の暴走を食い止めることでは一致しているが、方法論に関しては平行線。中国はあくまでも米朝が対話のテーブルに着くことを要求し、アメリカは(シリア同様)、いざとなったら軍事攻撃をとることを選択肢の一つとする。同時に北と関係を持っている中国企業を個別に叩いていく。これに対して習近平側は、明確な回答を避けている(後者に関しては、黙認したとも受け取れる)。

では、今後中国はどうするのか?
これに関しては、筆者の推測だが、中国はいま、以下のような可能性を考えているのではないだろうか。

○アメリカがシリアを攻撃したことにより、北朝鮮がさらに核・ミサイル開発を加速させる危険性がある。

○アメリカがシリアに力を注がなければならなくなった分、北朝鮮には、それほど大きな力を注げなくなる可能性がある。だから、ひょっとしたら逆に北への武力攻撃は抑制するかもしれない。

○アメリカはロシアを完全に敵に回したので、北への攻撃がしにくくなる。全面戦争になる可能性が高まるから、決断を延期するかもしれない。

○あるいは逆に5月9日になると、韓国に親中・親北朝鮮・反米の政権が誕生する可能性があるので、その前に北への武力攻撃を断行するかもしれない。事実アメリカは8日、韓国に核兵器を配備するかもしれないと発表した。となれば朝鮮半島における戦争が現実味を帯びてくる。

○いずれにしても中国へのプレッシャーは高まり、中国としても北への圧力を強化するしかない。中国への圧力という意味では、シリア攻撃と首脳会談は一定の効果を発揮した。

日本は?
まだまだあるが、長くなり過ぎた。

少なくとも日本としては日米韓の同盟が強化できるよう、日韓関係を修復しなければならないだろう。しかし韓国は自国の安全よりも慰安婦問題を重視し、それによって選挙民の心をつかもうとしている。この(愚かな)現状を、日本は打破できるのか。

そして武力攻撃が始まったら(始まらなくともその可能性はあるが)、北が最初に狙うのは在日米軍基地であることを肝に銘じなければならないだろう。アメリカによる北への武力攻撃は、ひとごとではない。いかにして日本国民を守るか、真剣勝負が目前に迫っている。

ということで、使えない習近平を飛び越えてむしろ米朝が直接対話するというのが次のステップになるかもしれない。

米朝直接交渉のすすめ
【WEDGE】2017年4月25日岡崎研究所 

 元の米外交問題評議会のリチャード・ハース会長が、北朝鮮への対応について、Project Syndicateのサイトに3月17日付けで掲載された論説にて、現状受諾、軍事行使、レジーム・チェンジ、外交という4つのオプションを例示し、結局米朝で直接交渉をすべきだとして交渉の具体的要素を議論しています。要旨、次の通り。

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                 (iStock)
 トランプ政権の最初の危機は北朝鮮(米本土に到達する核搭載ミサイル)になるだろう。核物質のテロ・グループへの売却、あるいは通常戦力による韓国攻撃も危機を引き起こす。浪費する時間はない。危機は向こう数カ月、長くても数年のうちに起きる可能性がある。米歴代政権が取ってきた戦略的忍耐という対北政策の結末がこの事態になっている。

 一つのオプションは、北の核・ミサイル保有の量的、質的拡大を不可避だとして受け入れることである。その場合米国、韓国、日本はミサイル防衛と抑止力で対応することになる。しかしミサイル防衛は不完全であり、抑止力は不確実だ。日韓は核武装するかもしれず、それは軍拡競争のリスクを高める。

 第二のオプションは、脅威の進展ないし切迫に対して軍事力を行使することである。しかしすべてのミサイルや核弾頭を破壊できるかどうか不確実であり、仮に出来たとしても、北は通常戦力により韓国に報復できる。ソウルや在韓米軍は北の何千という大砲の射程距離の内にある。また韓国の新政権はこのオプションに反対するだろう。

 レジーム・チェンジの考えもある。しかし北の閉鎖性を考えると、それは真面目な政策というよりは希望的観測だ。

 こう考えると次のオプションは外交ということになる。米国は、日韓と緊密に協議をし、理想的には安保理による新たな決議と経済制裁を取った上で、北朝鮮との直接交渉を提案する。北にすべての核弾頭・ミサイルの実験を停止させる。核物質を他の国や団体に売らないことを確約させる。これと引き換えに、米国等は制裁を緩和する。また北との平和協定署名に合意する。北には核オプションの保持は認める(イラン核合意と同じ)が、それを実現することは禁止する。この時点で北朝鮮の人権問題を強く求めることはしないが、人権抑圧が続く限り北との関係正常化はあり得ないことを理解させる。全面的な関係正常化には北の核兵器開発計画の放棄が必要である。

 米国の出来ることの限界も定めるべきだ。米韓軍事演習は中止しない。韓国等に展開する米軍に対する制限は受け入れない。交渉は期間を区切って行う。

 中国が極めて重要である。中国は北の崩壊と韓国主導による半島統一に反対である。米国として統一問題を戦略的優位のために利用することはしないとの確約を与えるべきだ。中国と引き続き朝鮮半島で有りうるシナリオへの対処につき意見交換をしていくことは有益である。

 外交が成功する保証はないが、成功するかもしれない。失敗したとしても、誠実な努力をしたことを示すことができれば、それは今後軍事力使用を含む政策を取る場合国内や世界への説明の難しさを軽減することになろう。

出典:Richard N. Haass ,‘Out of Time in North Korea’(Project Syndicate, March 17, 2017)
https://www.project-syndicate.org/commentary/north-korea-strategic-options-by-richard-n--haass-2017-03

これは、米朝直接交渉の勧めです。ハースは、国務省政策企画部長も務めた、尊敬される米外交のプロであり、注意深く読む価値のある見解です。

 北の能力が現下のレベルに達した以上、オプションは限られています。また、ハースが正直に「浪費する時間はない」と言うのは、正しいです。特にICBM(大陸間弾道ミサイル)能力の向上が米国の危機感を高めています。トランプはICBMの発射実験はさせないと見栄を切りました(つまりレッドラインを述べた)が、受容可能なリスクの範囲内で大胆なオプションを見つけるのは容易ではありません。結局、ハースのいう安保理決議と制裁強化、加えて軍事姿勢の強化に裏打ちされた外交オプションは、現実味があるように思えます。しかし、それも中国の理解が前提となります。

 最初の三つのオプションについてハースが指摘する問題点は理解できます。特に軍事攻撃については、ハースが言うように今やクリーンな解決にはなりませんし、また大々的な報復を引き起こす可能性が高いです。実際の政策としては軍としても支持はしないでしょう。ただ、サイバー活動は、あり得るかもしれません。

平和協定交渉も受け入れる?

 外交オプションに関してハースが議論する諸々の要素は非常に興味深いと言えます。核・ミサイルの実験の凍結等と引き換えに、米国が米朝直接交渉を受け入れ、平和協定交渉も受け入れるというのは、従来の立場から言うと、「大胆」な転換です。イラン核合意のように核オプションは認めるがその実現は禁止するとしていますが、北の場合は既に核兵器を保有しているのですから、少し違ったアプローチが必要ではないでしょうか。人権問題を当初はプッシュしないとするのはトランプ政権の考えを慮っているのかもしれませんが、関係正常化のためには人権抑圧の解決が必要です。そういうことで、ハースは、全面的な正常化のためには核開発の廃棄が必要だとして、段階的アプローチを提案しているのでしょう。

 中国は統一を含む朝鮮半島の今後について懸念を持っています。朴槿恵政権の初期、韓国では、中国は韓国主導の半島統一を受け入れるようになっているとの見方が盛んに言われましたが、問題はそれ程簡単ではありません。

 こうした状況下、日米韓の緊密な意思疎通が重要です。日韓も米国と共に考えることが大事です。日韓がきちっとした現実的な対応をしないと、北の既成事実がどんどん強まるか、米の一方的行動になるか、米中の取引になるかです。米国では5月の韓国の選挙で親北朝鮮の野党政権ができる可能性が高いとして懸念が強まっています。例えば、先般訪韓したティラーソン国務長官は野党の考えをけん制する発言をしています。
ホワイトハウスでハンバーガーを金正恩と食べる時が来るであろうか?
北朝鮮は、金王朝さえ維持する保証が欲しくって核兵器を開発している。
米国が体制を保証さえすれば、核兵器を廃棄する可能性はあるが・・・手遅れか?
無能なオバマの付けは大きすぎる。





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昨日、25日北朝鮮が核実験を行えば遠からず米朝戦争に発展する可能性があるかもしれないと書いた記事 「空母カールビンソンの行動の謎」を一生懸命書いていましたが、ほぼ同時刻に前・陸上自衛隊東部方面総監 ハーバード大学アジアセンター・シニアフェローの渡部 悦和氏の結論は・・・・
中国が主体となって北朝鮮を説得する努力がなされていて、その結果が出るまでは米軍の北朝鮮に対する爆撃・ミサイル攻撃・斬首作戦などの軍事行動はないであろう」と、言いたいことは同じかもしれませんが、私と若干異なる予想を出しています。トランプは中国が北朝鮮を説得できると思っていはずがないじゃないか!

そして、問題はオバマ前大統領が、新型大国関係の危険性を理解し、習近平主席の要求を拒否してきた「新型大国関係」を、レックス・ティラーソン国務長官は、
習近平主席との会談において、習氏が主張してきた米中の「新型大国関係」を実質的に認める発言を自発的にしてしまったと日本に警笛を鳴らしています。

「新型大国関係」を米国が認めると言うことは、米中が対等の立場であることを前提として、各々の国益を認めることを意味し、中国にとっての核心的利益である、チベットや新疆ウイグル両自治区、台湾は中国国内問題となってしまい、東シナ海と南シナ海の領土問題に対して米国は口を出さないことを意味することになり、日本にとって大問題である。

トランプ政権も、ブッシュ政権同様最初こそ中国に強行であったはずが、中国に取り込まれてしまうのか?それではトランプさん、偉大なアメリカの復活はできませんよ!
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北朝鮮の首都・平壌で行われた軍事パレードで披露された種類不明のミサイルとその移動式発射機(2017年4月15日撮影)〔AFPBB News〕
トランプ1.0からトランプ2.0への変化

 米国のドナルド・トランプ大統領は、4月6日を境として自己の主張を180度変えた。米国の戦略家エドワード・ルトワックの著書「中国4.0」ふうに言えば、トランプ1.0からトランプ2.0へ変化したと言える。                             
※渡部氏は1.0から2.0へ変化したと言うが、中国4.0の基準から言えば2.0から 3.0になった方が適切なような気がします。                        
ちなみにルトワックの分析する中国の国家戦略は
中国1.0(2000~09)=平和的台頭 
中国2.0(2009~14)=対外強硬路線
中国3.0(2015~ )=選択的攻撃
***********************************************
中国4.0(現実には無理)対外協調路線 九段線の放棄(南シナ海領有放棄)・空母の破棄
By Ddog                                             
 周知のとおり4月6日は、米海軍がシリアの空軍基地に対してミサイル攻撃を行った日だ。このミサイル攻撃は、トランプ氏の選挙期間中の主張とは180度違う決断であった。

 彼は、選挙期間の終始を通じて「アメリカ・ファースト」を唱え、「外国への軍事介入(例えばシリアへの軍事介入)や政権転覆(regime change)は馬鹿げている」と主張し続けてきた。

 大統領の発言は、4月6日を境に選挙期間中の発言と180度違うケースが多い。

 例えば、 選挙期間中は中国を為替操作国として激しく批判していたにもかかわらず、あっさりと「為替操作国ではない」と認め中国との関係を重視し始めたし、最近までロシアのウラジーミル・プーチン大統領を異常に高く評価し、ロシアとの関係改善を選挙公約としたが、今やプーチン大統領とロシアを批判している。

 トランプ氏は、自らの主張の変化を柔軟だと主張するが、節操がない、知識や見識がなく一貫した戦略を持っていないと批判する者も多い。

 トランプ氏のトランプ2.0への変化を現実的な政策を重視する良い変化だと評価する者もいれば、その変化を警戒し批判する者もいる。筆者個人としては、トランプ1.0があまりにも独りよがりで強引であっただけに、トランプ2.0はより現実的になってきたと思っている。

 一方で、トランプ政権においては、各省庁の副長官より下の大部分のスタッフがいない状況が続いている。このため、各省庁の政策を準備し実行できない状況が続いている。

 安全保障面では、首尾一貫した「国家安全保障戦略」「国家軍事戦略」がないことは明らかである。シリア空軍基地へのミサイル攻撃に関しては国民の57%程度が賛成したが、次の一手が難しく、トランプ政権には首尾一貫した中東戦略がないという指摘が多い。

 同様にアジアにおける一貫した戦略も問われている。6日のシリア空軍基地に対するミサイル攻撃に続き、非核兵器としては最大の威力がある大規模爆風爆弾(MOAB)を使ってアフガニスタンのISIS(イスラム国)に対する攻撃を行った。

 このMOABは、洞窟や地下トンネルを破壊する能力があり、北朝鮮の地下施設に対する攻撃を連想させるものであった。

 6日以降も米国に対する挑発を続ける北朝鮮に対してトランプ政権は、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と軍事行動も選択肢であると断言し、カール・ビンソン機動打撃群を朝鮮半島近くに配置した。一触即発の状況である。

 トランプ大統領は、米中首脳会議において中国の習近平主席とディールをしたと思われる。

 そのディールとは、中国に北朝鮮を説得させ核・ミサイル開発を断念させる、それに成功すれば中国とのより友好的な関係(中国を為替操作国と呼ばない、貿易などをめぐる敵対的な姿勢を緩和する、THAADの韓国配備延期や中止など)を保証する、というものである。

事実、中国が主体となって北朝鮮を説得する努力がなされていて、その結果が出るまでは米軍の北朝鮮に対する爆撃・ミサイル攻撃・斬首作戦などの軍事行動はないであろうというのが筆者の意見である。

 以下、トランプ大統領の変化について、米国の北朝鮮に対する軍事行動について、トランプ政権に対する懸念について記述する。

トランプ大統領の対外政策
対外不介入主義から単独行動主義に変化した


●選挙期間中に主張した対外不介入主義(non-interventionism)

 選挙期間中にトランプ氏が主張した対外政策は、米国ではしばしば孤立主義(isolationism)と呼ばれてきたが、中西輝政氏が指摘する
*1ように対外不介入主義という語句が適切であり、この語句を採用する。

 トランプ氏は、米国外の紛争への不介入を主張し、ジョージ・W・ブッシュ元大統領が始めたイラク戦争を手厳しく批判し、米国が軍事力により外国の政権転覆を図ること、その後の国家再建に関与することに大反対してきた。

 彼が主張するアメリカ・ファーストの意味するところは、「世界の諸問題には関心がない。米国はもはや世界の警察官ではない。アメリカさえ強く豊かになればいい」ということである。

 彼のアメリカ・ファーストの主張は、まさに対外不介入主義であり、2001年から15年以上も続く対テロ戦争にうんざりしていた多くの米国人の支持を得た。

●単独行動主義(unilateralism) への転換

 トランプ氏の対外不介入主義は、シリアの化学攻撃で苦しむ子供たちの映像が全世界に流された瞬間に吹き飛んでしまい、単独行動主義に転換した。

 シリアに対するミサイル攻撃に対しては、スティーブン・バノン首席戦略官の反対を押し切り、リベラルな考えの持ち主のイヴァンカおよびクシュナー夫妻の助言に従って実行されたと報道されている。

 今回のトランプ氏の反応は、米歴史学者のエドワード・ルトワックが言うところの「冷静な考えが最も必要とされる瞬間に、突然の感情の激流に人々が襲われてしまう」症状である。

 要するに、トランプ氏の対外不介入の主張は確固たる信念に基づくものではなく、当時の激情によって簡単に単独行動主義に転換するものだった。彼は、この転換を柔軟性の発揮だと言うが、節操のなさと批判する者も多い。

●軍事力の活用の仕方に関するオバマ政権とトランプ政権の違い

 米国は世界一の経済大国、軍事大国である。世界の諸問題の解決においては、この2つのパワーをいかに活用するかがカギとなる。

 オバマ政権は、世界最強の軍事力を活用した問題解決が極めて下手であった。オバマ氏は、北朝鮮の核・ミサイル開発問題、南シナ海の人工島建設問題、シリア内戦問題などにおいて、まず軍事力による解決を否定し、それを公言してしまった。

*1
=中西輝政、「日本人として知っておきたい「世界激変」の行方」、P76

 諸問題の当事国の指導者たちは、オバマ政権が軍事力を使用しないことが分かっているから、米軍の脅威を気にしないでさらに一歩踏み込んだ挑発行為を行ってきた。

 まるでオバマ政権のレッドラインがどこかを試すかのような挑発を行うことができた。米国の軍事力を最初から使用しないと宣言するオバマ氏のアプローチが、彼の対外政策の失敗の大きな要因である。

 また、オバマ政権下においては、国防省に対するマイクロマネジメント(些細なことまで管理すること)の弊害が指摘されている。

 あまりにも軍事作戦の細部にまで関与してくるオバマ氏やスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官(当時)と国防省の関係は良いものではなかった。

 一方、トランプ政権は、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と宣言し、軍事力の使用に関しては状況により使用することもあるし、使用しないこともあるという「あいまい戦略」を採用している。

 この軍事力の使用を否定しないアプローチこそが相手のさらなる挑発を抑止するために不可欠だ。

 また、トランプ政権は、国防省に対し「自由に作戦をしなさい」というお墨付きを与えている。米国内の報道によると、トランプ大統領は、アフガニスタンにおけるMOABの攻撃についてメディアが報道するまで知らなかったという。

 ここまで国防省に自由度を与えるのも問題があるが、オバマ政権とは180度違う国防省に対する管理方法である。

米国は北朝鮮に対する軍事行動を実施するか?

●爆撃・ミサイル攻撃・斬首作戦などの軍事行動の可能性は(当分の間)低い

 現時点(4月17日)では、米軍による北朝鮮に対する爆撃、ミサイル攻撃、金正恩委員長を狙った斬首作戦などを行う確率は低くなってきた。理由は以下の通りである。

・米軍による軍事作戦は、北朝鮮の韓国攻撃や在日米軍を含む日本に対する攻撃を誘発する可能性が高い。この北朝鮮軍の攻撃に対抗するためには大規模な戦力が必要だし準備も必要だが、現在の米軍はそのような態勢になっていない。

・マクマスター国家安全保障担当大統領補佐官は、4月16日に米国ABCテレビに出演し、「平和的に問題を解決するために、軍事的選択を除くあらゆる行動に出るべき時だ。武力衝突に至らない範囲で行動を起こせば、最悪の事態は避けられる」と軍事行動を否定している。

韓国に所在する米国人を避難させる非戦闘員避難作戦(NEO)が大々的になされたという兆候がない。NEOは戦争開始の重要な兆候だ。

・ワシントンポストは14日、トランプ米政権の公式な対北朝鮮政策として、「金正恩委員長の政権変更(regime change)は求めない方針を固めた」と伝えた。

 2か月にわたる政策の検討の結果、北朝鮮に対し、経済制裁や外交手段により「最大限の圧力(maximum pressure)」をかけながら非核化(核兵器の放棄)を迫るとしている。圧力強化に際しては、北朝鮮の後ろ盾である中国の協力に重点を置いたと説明している。

●しかし、目に見えない軍事行動は常に遂行中である

 米軍は、今回は目立った軍事行動をとらないであろうが、米軍は、常に目に見えない重要な作戦を実施している。

 つまり、米軍はこの瞬間も、将来の作戦に備えたISR(情報・監視・偵察)活動を行っている。金正恩委員長の動向(居場所、通信状況など)、重要な軍事施設(核関連施設、ミサイル開発施設、陸・海・空軍施設など)、各軍隊の動向などを継続的に情報収集・分析・評価し、将来の作戦遂行に備えている。

 また、さらに重要な作戦は、北朝鮮の弾道ミサイル発射を失敗させる米軍の「発射前(left-of-launch)」作戦であるが、日本では馴染みのない表現の作戦なので説明する。

●米軍の「発射前(left-of-launch)」作戦が北朝鮮のミサイル発射失敗の原因の1つ?

 北朝鮮のミサイル発射における失敗確率が高いと思う方が多いと思う。北朝鮮のミサイル開発・製造技術が低いことも理由の1つであるが、米軍が実施する「発射前」対処の成果の可能性がある。

 例えば、北朝鮮のムスダン(中距離弾道ミサイル)の失敗率はなんと88%であるが、ムスダンを構成するソ連製のミサイルのソ連時代の失敗率は13%であった。この圧倒的な差は米軍による「発射前」作戦の成果かもしれない。

 米軍が考えている弾道ミサイル対処の1つとして、「発射前(left-of-launch)」対処と「発射後(right-of-launch)」対処という考え方がある。

 ミサイル発射を時系列でみると、発射時点を中心として左が「発射前」、右が「発射後」になるのでこのような名称になっている。我が国では、left-of-launchを「発射の残骸」と訳している人*2がいるが、明らかに誤訳である。

 まず、「発射後」対処は自衛隊も実施しているもので、イージス艦から発射される「SM-3」や地上配備の「PAC-3」などの運動エネルギー兵器で弾道ミサイルを破壊することである。

 周知のとおりSM-3やPAC-3は高額で対処も難しい。もっと安価に、より効率的に、より確実に相手のミサイルを無効化できないかという問題意識で「発射前」対処が考えられた。

 「発射前」対処は、相手の弾道ミサイルが発射台を離れる直前までにミサイルを無効化することを狙いとする。

 ミサイルが発射される前や発射台にまだ存在する時期はミサイルの弱点であり、この弱点を呈する時期にミサイルを無効化できれば最善である。

 しかし、この「発射前」対処は目に見えない作戦で派手さはないが効果的な作戦であり、米軍は極秘裏に行っている可能性がある。

*2=長谷川幸洋、「トランプ政権が画策する対北朝鮮「静かなる先制攻撃」の全容」、現代ビジネス

 「発射前」対処の手段については、サイバー攻撃、電子戦(電波妨害など)と記述される場合が多いが、閉鎖社会の北朝鮮でサイバー攻撃を成功させることは難しいと言われている。

 それでは、具体的にいかなる手段を使うのか。

 可能性があるのは、高周波マイクロ波をミサイル電子部品に照射し熱で破壊する、ミサイルに備わっている電波信号による自爆機構を逆用する、ミサイルの部品に攻撃プログラムを埋め込むこと(これは広義のサイバー攻撃の1つ)である。

 これらを実行するためには高度な能力が必要だが、実際に米軍がこれらの手段を使用していることが、北朝鮮の弾道ミサイルの発射失敗が多い原因かもしれない。最近の資料では、ニューヨークタイムズが3月4日に読み応えのある記事*3を書いているので参照してもらいたい。

 「発射前」対処の手段として、ミサイルの部品に攻撃プログラムを埋め込むことについて書いたが、4月13日付のワシントンポスト紙の記事*4によれば、2016年2月7日北朝鮮が発射したロケット光明星(カンミョンソン)4号の残骸(特に推進ロケット)を海から回収し分析した結果、その重要な部分はほとんど西側諸国製のものであり、中国企業を通じて入手したことが判明した。

 つまり北朝鮮ミサイルのサプライチェインのどこかでミサイル部品に攻撃プログラムを埋め込むことは可能であろう。

中国の北朝鮮説得に対する期待と懸念

●トランプ大統領の中国活用

 トランプ大統領は習近平主席との首脳会談を経て、徐々に中国の重要性、米中関係の重要性を認識するとともに、諸問題の解決特に北朝鮮問題の解決のために中国を活用することを決断したと思う。

 トランプ大統領にとっての米中首脳会談の成果は、まず中国に北朝鮮を説得させ、北朝鮮の核・ミサイル開発を断念させるように仕向けたことである。中国としても今までとは比較にならない真剣さで北朝鮮を説得している。

 一方で、習近平主席の説明を聞き、中国の北朝鮮に対する影響力が限定的であることも認識したはずである。

 中国が金正恩の説得に失敗した場合の対応が難しいが、成功よりも失敗する確率の方が高いと思う。トランプ大統領は、「中国が失敗した場合、米国単独でもやる」と言っているが、実際に米国が単独で何をするかだ。

●いま中国は北朝鮮に対してどのような説得をしているのか?

 最も望ましいのは、北朝鮮が中国の説得を受け入れて核・ミサイル開発を断念し、核兵器を廃棄することである。その際に周辺諸国にとって最も被害が少ない案は、金正恩委員長を説得し亡命させることだ。

 「国外に亡命したならば、その後の面倒を見る。拒否すれば米国が攻撃する」という飴と鞭で説得している可能性もある。この説得が成功すれば画期的だが、金正恩がすんなり受け入れるとも思えず、結果はどうなるかである。

 また、「中国は北朝鮮への石油の供給を断つ」という脅しをかけているかもしれない。しかし、過去何度も米国などから「北朝鮮への石油の提供を止めること」を催促されても拒否した経緯があり、説得力を持つかどうかだ。

*3=David E. Sanger and William J. Broad、“Trump Inherits a Secret Cyberwar Against North Korean Missiles

*4Joby Warrick、“Kim Jong Un’s rockets are getting an important boost from China

トランプ政権への懸念

新型大国関係を受け入れたティラーソン国務長官

 習近平主席は、「偉大なる中華民族の復活」を掲げて中国のリーダーとなった。そして、彼は、2013年6月のオバマ大統領との会談の中で、米中の「新型大国関係」を提案して以来、一貫して米国と中国との新型大国関係を主張している。

 中国にとっての「新型大国関係」とは、米中が対等の立場であることを前提として、各々の国益を認めること。特に中国にとっての核心的利益を認めること。つまり、チベットや新疆ウイグル両自治区、台湾などの中国国内問題や東シナ海と南シナ海の領土問題に対して米国は口を出さないこと、手を出さないことを要求している。

 しかし、オバマ大統領(当時)は、新型大国関係の危険性を理解し、習近平主席の要求を拒否してきた。このオバマ前大統領の拒絶は当然である。

 レックス・ティラーソン国務長官は、習近平主席との会談において、習氏が主張してきた米中の「新型大国関係」を実質的に認める発言を自発的にしてしまった。

 つまり、中国側が「新型大国関係」を説明するのに使ってきた「衝突せず、対抗せず、相互尊重、ウィン・ウィン(nonconflict, nonconfrontation, mutual respect, win-win cooperation)」という諸原則を国務長官として最初の習主席との会談において自ら自発的に発言してしまった。

 これは由々しき問題であり、この新型大国関係を認めたということは、中国が核心的利益と主張する台湾、チベット、東シナ海、南シナ海について中国の主張を認めるということであり、日本への影響も大きい。いくら新任の国務長官であっても今回の発言はひどい。

 ティラーソン国務長官のみならずトランプ大統領以下の閣僚が中国との新型大国関係を認めるとしたならば、我が国はいかに対処すべきか悩ましい事態になる。

●トランプ大統領はドラゴン・スレイヤー(反中派)なのかパンダ・ハガー(親中派)なのか?

 トランプ氏は、選挙期間中は為替操作国であり米国の貿易赤字の元凶であると中国を厳しく批判し、大統領選挙勝利後も一中政策(一つの中国政策)を認めないと発言するなど、ドラゴン・スレイヤーの評価であった。

 しかし、日米首脳会談直前に一中政策を認めると発言し、最近では中国は為替操作国ではないと発言するなどパンダ・ハガーに変身したのではないかと思うほど、その発言は急変している。

 歴代大統領の中で、当初、中国に厳しい発言をしていたビル・クリントン大統領(当時)やジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)が最終的には中国と親しい関係になったように、トランプ大統領も同じように中国とことを構えない大統領になるのではという懸念がある。

 トランプ大統領の誕生に伴い中国はいかにトランプ氏に対処するかを検討した結果導き出された1つの結論が、トランプ大統領の最側近である「イヴァンカおよびクシュナー夫妻を取り込むこと」であり、猛烈な外交攻勢により2人の取り込みが実現しつつあると言われている。

 この2人がパンダ・ハガーになれば、トランプ大統領もその影響を受けるであろう。その時に日本は米中に対していかに対応するかが問われる。

おわりに

 トランプ大統領は、4月6日のシリア空軍基地へのミサイル攻撃を契機として選挙期間中に主張してきた対外不干渉主義を改めた。

 北朝鮮の核・ミサイル開発に対しても「軍事行動を含む全ての選択肢がテーブルにある」と表明し、その解決に向けた努力を行っている。

 この対外政策の変化は現段階では望ましい変化だと言えるが、最終的には中国による北朝鮮説得の結果とその後の米国の対応を見て判断したい。

 米中首脳会談を受けて中国の北朝鮮に対する姿勢が確かに変化している。中国にとっても北朝鮮の核開発は厄介であり、その核開発を阻止し、朝鮮半島の非核化を達成したいはずである。

 中国は、北朝鮮側に立つよりも米国側に立った方が中国の国益に沿うと判断したのであろう。中国と北朝鮮間の定期航空機の運行を一時停止し、中国の港に到着していた北朝鮮の石炭積載船を追い返したのはささやかな努力の証である。

 中国の環球時報は4月12日、「北朝鮮は核やミサイルに関連した活動を中止すべきだ。米国が核武装した北朝鮮と共存する気はないことは明白だ」と強調した。また、「北朝鮮は今回こそ過ちを回避すべきだ」とまともなことも書いている。

 協調し始めた米中が北朝鮮の核ミサイル問題をいかに解決するかは見ものだが、我が国も当事者として様々な状況を想定し、その状況にいかに対処するかを具体的に詰めなければいけない。

 特に米中協調が続くと仮定した場合の日本のあるべき姿を真剣に検討すべきであろう。
まあ、そうは言っても中国が説得できないから、戦略的忍耐は終わったと米国は宣言したわけです。トランプが、バカでなければ再び中国が北朝鮮の説得に成功すると信じるはずがない。

北朝鮮の守護者北部戦区(旧瀋陽軍区)と北朝鮮の分断工作は習近平とトランプの利害が一致するところだが、見方によれば、北京と北部戦区(旧瀋陽軍区)との分断に繋がる。更に深読みすれば、米国の覇権を脅かす中国を潰すために、中華人民共和国の解体に北朝鮮を出汁に利用するとの見方もできる。

北朝鮮問題を武力以外で解決できるはずはない。多少中国が今までよりも、経済制裁をしたとしても、どうせ抜け道だらになるのは火を見るよりあきらかではなかろうか?中国と妥協したら、たちまち元の木阿弥・・・そこまでトランプ政権はバカではないだろう。それとも真性のバカなのか?

バカであるはずがありません。トランプはバカと宣伝しているのはバカな米国のマスコミを中心としたリベラルの連中であります。

皆さんも、大笑いしたと思いますが、北朝鮮の張りぼてビルのニュースが流れたタイミングは、絶妙としか言いようがありません。日本人の個人ツイッターが出所のようですが、偶然にしては出来すぎです。

金正恩が得意げに中身が入っているのかどうかもわからないICBMを軍事パレード
させた直後に出したのだ。北朝鮮のビルが張りぼてなのは何年も前から知っていたことを、わざわざこのタイミングで出回るように仕向けたのではないかな?・・・。

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「金正恩君・・・笑わせちゃ困るよ、そのICBMの中身が空っぽだってことは知ってるんだぜ、ほら!張りぼてのビルだって暴露しちゃおう~♪」って。


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↑グーグルアースにリンクしてあります。

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ワンルームか2Kくらいならマンションとして機能しているかも・・・ 

もし、トランプが真性のバカであった場合は、日本は、粛々と対中国封じ込め戦略を米国に頼らずしなければなくなるが、中国が4.0に変化するのではなく、3.0のままであれば、日本は可能かもしれません。





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