朝鮮半島東岸を航行する米海軍の空母ロナルド・レーガン=21日(ロイター)
【朝鮮半島情勢】在韓米軍が家族の退避訓練開始、在日米軍基地への移送も 情勢緊迫とは「無関係」と火消し 【産経ニュース】2017.10.23 17:21
【ソウル=桜井紀雄】在韓米軍は23日、有事に備え、韓国在住の米兵家族らの退避訓練を始めた。27日まで、家族らを米軍基地などに集める手順を確認するほか、一部参加者を在日米軍基地に航空機で移送する訓練も行う。
韓国国内で米兵家族の退避を対北軍事攻撃の予兆ととらえる見方が広がる中、在韓米軍は、朝鮮半島情勢の緊迫とは関係ない「定例的な訓練だ」と説明し、実施を事前発表する異例の対応を取った。
ソウル空港上空を飛ぶ米軍のB-1爆撃機と護衛のF-15戦闘機=21日(AP)
【北朝鮮情勢】「韓国から個人資産の移動勧める」 非公式警告したトランプ政権高官は「申し分のない立場の人物」 【産経ニュース】2017.10.22 19:47
【ワシントン=黒瀬悦成】東アジアを専門とする有力ニュースレター「ネルソン・レポート」は21日、複数のトランプ政権高官が非公式の見解として、核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する米軍の先制攻撃などの軍事作戦が実行される可能性を真剣に受け止めるべきだと警告したと伝えた。高官らはその上で、「韓国から個人資産を移動させることを勧める」と指摘したという。
米政府系放送VOAのワシントン支局長がツイッターでレポートの内容を転載したところでは、同様の勧告は北朝鮮国内で活動する複数の非政府組織(NGO)に対しても非公式に伝えられた。高官らは、朝鮮半島有事の際は北朝鮮で外国人が人質として拘束される恐れがあるとしている。
レポートは、これらの高官が「申し分のない立場」にある人物だと指摘しつつ、一連の勧告は「あくまで非公式だ」と強調。高官らはトランプ大統領が北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)の獲得を阻止するため軍事行動に踏み切る覚悟を決めたわけではないと語ったとしている。
ただ、高官らは、日中韓政府に対し、米政権が単に仮定の有事
いよいよ、11月にトランプ大統領が東アジアを歴訪する。
米国が北朝鮮征伐を密かに決断し、日本・中国と最終調整を行い、年明けに攻撃開始か?という情報が流れている。
在韓米軍は、23~27日の日程で韓国に在留する米民間人の避難訓練を実施する。米国防総省は「毎年恒例の定期訓練」と説明しているが、官邸周辺は「事実上、NEO(=韓国在住の米国人の避難作戦)が始まった可能性もある。このまま韓国に帰らないかもしれない」と語っている。
いよいよ、米軍による北朝鮮征伐の予兆が濃くなりだしてきた。トランプ大統領がアジア歴訪を終える11月14日以降、朝鮮半島は「異次元の危機」に突入しそうだ。
マティス米国防長官は今月初め、陸軍将兵らを前に「大統領が軍事的選択肢を必要とした場合に、確実に実行できるよう準備を整えておかなくてはならない」と語っている。
手術はできるだけ誰もしたくはないが、これ以上患部が悪化したならば、除去手術をしなければ仕方がないだろう。手術の際に、患部周辺が傷つくリスクは承知しなければならないだろう。
【野口裕之の軍事情勢】中国軍が強襲する敵は米韓軍ではなく北朝鮮軍! 米中が北を挟撃する日は来るのか?【産経ニュース】2017.10.16 07:00
《中国人民解放軍が中朝国境の鴨緑江を渡河し、北朝鮮に進撃した》
安全保障関係者と先日行ったシミュレーションには、いささか驚いた。
《人民解放軍の鴨緑江渡河》は、過去の小欄でも触れてきたので驚きはなかった。ところが、渡河を敢行する人民解放軍の戦略・作戦目的が3月に行ったシミュレーション結果とは激変していたのだ。
3月のシミュレーション結果は、一部ながら同月の小欄に載せた。以下、紹介する。
《4年以内に米軍が北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける確率は50~60%となった。あまりの高さに、インプットする前提条件を変えてみたが、50%を割るケースは皆無であった》
《一方、米国主導の民主的な統一半島国家樹立を恐れる中国の出方は、不透明なシミュレーション結果に終始した。
米軍が北朝鮮南部の非武装地帯(DMZ)沿いに前方展開する朝鮮人民軍の主力を撃破すれば、中国人民解放軍は鴨緑江を渡河し、北朝鮮国内に進出、米韓連合軍の北上をけん制する。
他方、南北国境保全や韓国北部の緩衝帯構築への既成事実作りに集中し、朝鮮戦争(1950~53年休戦)時のごとく、ソウルを抜き積極的攻勢に出るケースはなかった》
補足すると、米軍がおびただしい数のミサイルや無人機&有人機でDMZ沿いの1万門・基の重火砲を壊滅すれば、韓国軍を主力とする韓米連合軍の北上をけん制するべく、人民解放軍が鴨緑江を渡河し、緩衝帯構築に向け南北国境を少しだけはみ出し、暫定的に韓国最北部の狭いベルト地帯に駐屯する…というシナリオであった。
■ 半年以内に米軍が対北先制攻撃を仕掛ける確率は60~70%
これに対して、わずか7カ月後に実施した今次シミュレーションでは真逆の理由が加わった。一部を記す。
《半年以内に米軍が北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける確率は60~70%となった》
《米軍の対北攻撃に呼応して、中国人民解放軍は鴨緑江を渡河し、河の数十キロ南の北朝鮮の核関連施設が所在する一帯を占領。緩衝帯として暫定統治する。
その他の北朝鮮中・南部は、金漢率氏を中心とする新体制が樹立される選択肢も示された。金漢率氏は、朝鮮労働党の金正恩委員長の異母兄・金正男氏(1971~2017年)の長男だ。ただ、米中両国がそれぞれどの程度「金漢率政権」に影響力及ぼすかなどの「傀儡率」は判定不能だった。
暫定統治に至る過程で、中国人民解放軍と朝鮮人民軍の軍事衝突も予想された》
事実上、北朝鮮の「米中分割統治」だが、このシナリオの主要な前提は2つある。
一つは、米国と中国が北朝鮮の金正恩政権崩壊後の政権で談合し、合意することだ。かつてなかったほど悪化している中朝関係が起爆剤となる可能性はある。
金正恩氏は祖父の金日成・初代国家主席(1912~94年)や父の金正日・総書記(1941~2011年)とは違い、中国共産党に反発し北京を一度も訪れていない。
中国の習近平・国家主席も国家副主席に就いた2008年、初の外遊先に北朝鮮を選び、金正日氏と会談した。だが、11年に金正恩体制のスタートを横目に、習氏は12年の中国共産党総書記就任以降、訪朝していない。それどころか、総書記就任にあたり北朝鮮に特使を派遣したが、金正恩氏に門前払いされた。
その後も、金正恩氏は中国に反発し続ける。
2013年には、中国と太いパイプを構築していた叔父の張成沢・国防副委員長(1946~2013年)を中国に通告することなく、高射砲とも火炎放射器ともいわれる残忍なやり方で処刑し、習氏のメンツを潰した。
中国で2015年に開かれた抗日戦争70周年の軍事パレードに金正恩氏は欠席し、今年2月には中国の庇護を受けていた異母兄・金正男氏を猛毒のVXガスで暗殺した。
5月には、習氏が強力に推進する経済圏構想《一帯一路》の国際会議当日、中距離弾道ミサイルを発射。9月には「水爆の開発に完全に成功」と発表したが、ブラジル/ロシア/インド/中国/南アフリカの新興5カ国(BRICs)首脳会議の最中だった。いずれも、習氏がスピーチをするタイミングが狙われた。
従って、後述するが北朝鮮・朝鮮人民軍の核・ミサイルが北京に襲来する懸念も高まっている現在、習氏は金正恩氏をすげ替え、北朝鮮を安定統治できる人物を据えたいと考えている。
過去の小欄でも触れたが、中国共産党系機関紙・人民日報系の環球時報(社説)は5月、1961年に中朝間で締結された朝鮮半島有事における中国側の自動参戦も盛り込んだ《中朝友好協力相互援助条約》の見直しを提案をした。
対北不信は2000年代に入って、オリのように蓄積され、金正恩政権になり爆発しようとしている。
例えば、中国社会科学院世界政治経済研究所の研究員は異例の警告を放った。
「中国政府は北朝鮮政府に中朝友好協力相互援助条約改正を正式提案すべきだ。とりわけ、軍事同盟条項を削除すべきだ」
天津社会科学院対外経済研究所の研究員も明言した。
「北朝鮮は中国の経済援助に少しも感謝せず、大事な時に中国に全面的支持を寄せない。北朝鮮を全面支援する道義的責任はない」
確かに、中国は1970年代以降、石油の輸出量を増やし続け、対北借款の未償還分も免除。80年代には、発電インフラや各種工場の建設を支援し、90年代の飢饉では食糧支援を手掛けてもいる。
半世紀以上もの間、手厚い不断の支援を実行してきた中国の怒りは沸点を超え、北朝鮮の「始末」を考え始めたようだ。 ■ 北朝鮮と核・ミサイル開発に耽る中国軍?の「瀋陽軍区」
北朝鮮の「米中分割統治」に必要な二つ目の前提は、中国の習近平指導部が、金正恩体制の核・ミサイル開発を支える旧《瀋陽軍区》を制御OR解体できるか否か。この問題についても過去、小欄で採り上げてきたがお復習いする。
旧満州東部からロシア沿海州南西部、つまり朝鮮半島に接する中国側は李氏朝鮮時代(1392~1910年)以降、多数の朝鮮人が移住した。深い森林でおおわれ、大日本帝國・朝鮮総督府の支配も届かず、無頼の朝鮮人や支那人の匪賊・馬賊の格好の根拠地となった。越境して朝鮮半島北部(現・北朝鮮)の町村を襲撃、無辜の朝鮮人らへの略奪・殺戮を繰り返した。
絵に描いたごとき無法地帯であったが、中央の威光の届かぬ「無法地帯」は現在も変わりがない。
ただし、支那人の匪賊・馬賊は中国人民解放軍になり、北朝鮮襲撃ではなく、逆に武器・エネルギー・食糧・生活必需品を密輸し、支援している。国連や日米韓、EU(欧州連合)などが対北経済制裁を科している状況をよそに、人民解放軍が、制裁動機である北朝鮮の核・ミサイル開発まで支援しているとの観測が安全保障関係者の間で根強い。もっとも、支援は人民解放軍全軍を挙げて行われているのではない。支援の黒幕は、中朝国境の旧満州防衛などを担任する旧瀋陽軍区である。
そもそも人民解放軍は、軍中央の支配が及びにくい半ば独立した軍閥で、習氏に逆らってでも北朝鮮を支援したい軍閥と、習氏に忠誠を誓う軍閥に大別される。背景には利権と政争が薄汚く絡み合う。
V
そこで、全軍統率機関=中央軍事委員会の主席を兼任する習氏は、共産党による「シビリアン・コントロール(文民統制)」や軍中央の統制力を強化するべく、軍制改革を大胆かつ独善的に進めてきた。
軍の最大単位だった7個の《軍区》を5個の《戦区》に再編したが、再編前と後の主な変化は次の2つ。
《旧軍区が有していた軍区内の兵員・装備に関する整備といった軍政は、中央軍事委に新設された国防動員部へと移譲。戦区は作戦立案と、作戦に沿った訓練・演習に特化された》
《戦区内に所在する陸海空軍やロケット軍の各軍種、民兵や予備役などを、戦時でなくとも統合運用できることとなった》
軍種間の意思疎通&協力を阻害する縦割りや装備・業務の重複・無駄をなくし、「実戦的体制を構築し、現代戦に適合させる」という。が、実態は軍閥に近かった軍区の、習近平派による解体だ。
特に《瀋陽軍区》は反習近平派の巣窟で、習氏にとって政治生命すら左右する「超危険な存在」であった。否、軍制改革後も、《北部戦区》と名前を変えたに過ぎず、今もって「瀋陽軍区」のままの、依然「超危険な存在」と言うべきだ。
何しろ、朝鮮戦争の戦端が再び開かれる事態への備え+過去に戈を交えた旧ソ連(現ロシア)とも国境を接する領域を担任する旧瀋陽軍区へは軍事費が優遇され、最新兵器が集積されているのだ。大東亜戦争(1941~45年)以前に大日本帝國陸軍が満州に関東軍を配置したのも、軍事的要衝ゆえ。
最精強を誇り、機動力にも優れ、北京より平壌と親しい「瀋陽軍区」によるクーデターを、習氏は極度に恐れている。習氏が進める軍の大改編は、現代戦への適合も視野に入れるが、「瀋陽軍区」を解体しなければ「瀋陽軍区」に寝首をかかれるためでもある。
加えて、「瀋陽軍区」が北朝鮮への“フィルター”と化したままでは、北朝鮮に直接影響力を行使できない。
「瀋陽軍区」高官の一族らは、鴨緑江をはさみ隣接する北朝鮮に埋蔵されるレアメタルの採掘権を相当数保有する。「瀋陽軍区」が密輸支援する武器+エネルギー+食糧+生活必需品や脱北者摘発の見返りだ。北朝鮮の軍事パレードで登場するミサイルや戦車の一部も「瀋陽軍区」が貸している、と分析する関係者の話も聞いた。
もっと恐ろしい「持ちつ持たれつ」関係は核・ミサイル製造だ。中国人民解放軍の核管理は《旧・成都軍区=現・西部戦区》が担い「瀋陽軍区」ではない。「瀋陽軍区」は核武装して、北京に対し権限強化を謀りたいが、北京が警戒し許さぬ。ならば、核実験の原料や核製造技術を北朝鮮に流し、または北の各種技術者を「瀋陽軍区」内で教育・訓練し、「自前」の核戦力完成を目指す…こんな筋書きが成り立つ。
実際、2016年、中国の公安当局は、瀋陽軍区→北部戦区の管轄・遼寧省を拠点にする女性実業家を逮捕した。高濃度ウランを生み出す遠心分離機用の金属・酸化アルミニウムなど核開発関連物資や、戦車用バッテリーなど大量の通常兵器の関連部品を北朝鮮に密かに売りつけていたのだ。戦略物資の密輸重油も押収された。独裁国家の厳しい監視網を長い間のがれられたのは、「瀋陽軍区」の後ろ盾があったためだ。
■ 北朝鮮の「米中分割統治」に立ちはだかる「瀋陽軍区」
しかも、「瀋陽軍区」の核戦力は日米ばかりか北京にも照準を合わせている可能性が濃厚だ。
理由はこうだ。
(1)北京が北朝鮮崩壊を誘発させるレベルの対北完全経済制裁に踏み切れば、無敵の「瀋陽軍区」はクーデターを考える。
(2)他戦区の通常戦力では鎮圧できず、北京は旧成都軍区の核戦力で威嚇し恭順させる。
(3)「瀋陽軍区」としては、北朝鮮との連携で核戦力さえ握れば、旧成都軍区の核戦力を封じ、「瀋陽軍区」の権限強化(=対北完全経済制裁の回避)ORクーデターの、二者択一を北京に迫れる。
「瀋陽軍区」が北京を無視して、北朝鮮とよしみを通じる背景には出自がある。
中国は朝鮮戦争勃発を受けて“義勇軍”を送ったが、実は人民解放軍所属の第四野戦軍。当時、人民解放軍で最強だった第四野戦軍こそ瀋陽軍区の前身で、朝鮮族らが中心となって編成された「外人部隊」だった。瀋陽軍区の管轄域には延辺朝鮮族自治州も含まれ、軍区全体では180万人もの朝鮮族が居住する。いわば、「瀋陽軍区」と朝鮮人民軍は「血の盟友」として今に至る。金正恩氏の父である金正日・総書記も2009年以降、11回も瀋陽軍区を訪れた。
戦史上のDNAも手伝って、朝鮮半島有事になれば、北支援に向け「瀋陽軍区」の戦力が鴨緑江を渡河し半島になだれ込む。従って、各種演習も半島全域を想定する。中でも、第39集団軍は、最精強の「瀋陽軍区」でも最強とうたわれ、機械化に伴う展開速度は侮れない。現に、38度線付近の非武装地帯で2015年、朝鮮人民軍が仕掛けた地雷で韓国陸軍の下士官2人が大けがを負い、南北間に緊張が走るや、瀋陽軍区の戦車を主力とする部隊が中朝国境に急派されている。
先述したが、7大軍区は5個戦区に統廃合されたものの、注目は北京の頭越しに「対北独自外交」を繰り広げる瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併できるかだった。前哨戦として、瀋陽軍区勤務が豊富で、同軍区に強く影響を及ぼす軍区内外の反習近平系軍高官粛清を断行。全軍統率機関=中央軍事委員会の副主席、徐才厚・上(大)将(1943~2015年)の汚職など規律違反での拘束(後に死亡)は象徴的だ。半面、北京軍区司令官に習氏と近い上将を抜擢するなど布石を打ってはいた。
だが、布石にもかかわらず、徐上将失脚で2014年、徐の腹心の第39集団軍幹部はクーデターを起こした。
クーデターは小規模で鎮圧されたが、かくも抵抗勢力が跋扈する不穏な情勢では、瀋陽軍区を北京軍区に吸収合併する目論みが達成できる道理がない。逆に、「瀋陽軍区」は北京軍区の一部を形成していた内モンゴル自治区を編入。人民解放軍海軍の要衝・山東省も飛び地の形で獲得し、膨張に成功した。
中国人民解放軍建軍90周年記念観兵式(7月)で習国家主席が行った演説に、習氏の野望と不安が強くにじんでいた。
「軍は共産党の指導下にあり、党への忠誠を誓わなければならない」
習近平指導部が中朝軍事同盟を破棄し、米中が金正恩政権後の朝鮮半島情勢で手打ちをする可能性は不透明だ。しかし、「瀋陽軍区」解体に比べれば、ハードルは低い。むしろ、「瀋陽軍区」が解体できて初めて、米中が手打ちに至り、北朝鮮の「米中分割統治」を念頭にした「米中連合軍」が対北攻撃にカジを切る端緒と成り得る。
トランプ大統領は、11月7日訪韓するのだが、トランプ大統領が、ソウルに滞在する7~8日、私がもし金正恩であれば、米軍に攻撃される前の11月7日深夜に先制攻撃を行う。米国も馬鹿ではないので、その兆候をつかみ次第、訪韓を急遽中止する可能性があるだろう。
台風は去ったが、東アジア一帯には、とてつもない黒雲が覆い尽くそうとしている。
2017年衆議院議員選挙では、消費税増税には反対だが、安倍内閣を信任する意味で、結局悩んだ末、小選挙区も、比例も自民党に入れた。この国難を乗り切れるのは安倍晋三しかいないからだ・・・
今回の衆院選で、自民党は選挙公約として、「北朝鮮の脅威から国民を守り抜きます」と掲げた。安倍首相がこの時期の選挙を決断したのも、北朝鮮情勢が近く、「異次元の危機」に突入する可能性を察知し、その前に国民の審判を仰いだのだ。
安倍首相は政権奪還した12年12月の衆院選以来、国政選挙5連勝だ。選挙で国民の強い支持を得た安倍首相は、トランプ氏との信頼関係も含めて、今後も世界で強い発言力、存在感を発揮するだろう。
選挙結果や日経平均の15連騰は、マーケットの反応は、安倍内閣の信任である。
「安倍一強政治に終止符を」打つと騒いでいた反安倍の野党勢力は、惨敗を喫したと言ってもいい。安倍を引きづり降ろしても旧民進党だった人々に政治を任せれば、日本が解体しかねない。選挙のために集まった、烏合の衆でまともな政権運営ができるとでも思っているのか?国民の目はバカマスコミより遥かに冷静である。
そして、
衆院選は自民、公明の与党が過半数を大きく超えた。有権者は安倍首相の続投を選んだ。
森友・加計問題への追及をかわす大義なき解散――。みずから仕掛けた「権力ゲーム」に、首相は勝った。
ただ、政権継続を選んだ民意も実は多様だ。選挙結果と、選挙戦さなかの世論調査に表れた民意には大きなズレがある。
■選挙結果と違う世論
本紙の直近の世論調査によると、「安倍さんに今後も首相を続けてほしい」は34%、「そうは思わない」は51%。
国会で自民党だけが強い勢力を持つ状況が「よくない」が73%、「よい」は15%。
「今後も自民党中心の政権が続くのがよい」は37%、「自民党以外の政党による政権に代わるのがよい」は36%。
おごりと緩みが見える「1強政治」ではなく、与野党の均衡ある政治を求める。そんな民意の広がりが読み取れる。(以下略)
朝日新聞は安倍首相に否定的な結果が示された自社の世論調査の数字をあげて「政権継続を選んだ民意も実は多様だ。選挙結果と、選挙戦さなかの世論調査に表れた民意には大きなズレがある」と今回の選挙結果否定するかのようなコメント、「首相は勘違いをしてはならない」などと主張し、選挙結果を全く尊重していない。
TBSやテレ朝はじめとする大手マスメディアは、選挙結果を受け入れず、安倍内閣に対する攻撃を止めないでいる。これは民主主義の根幹である選挙軽視以外の何物でもない。驕っているのは安倍首相ではなく、バカメディアだ!
選挙で安倍政権は圧倒的多数の国民から信任されたのだ。これを認めないのなら、選挙を認めない非民主主義者だと自ら認めるようなものだ!
目先の国難である北朝鮮危機と長期的国難である中国に、安倍晋三以外いったい誰がいる? 野党側は、政権の受け皿として、とても頼りなく、一部の反安倍狂信者以外、二大政党制など期待していない。安倍一強を作ったのは反安倍と騒ぐ、野党とバカメディア自らであることを理解できていない。多数派の国民と野党・メディアとの意識の乖離は今後も広がるであろう。
だが、安倍首相も、政権基盤を固め直したのであるから、自ら掲げた路線の具体化を急がなければならない。その最たるものが、北朝鮮問題である。選挙期間中に懸念された挑発はなかった。だが、私には嵐の前の静けさににしか思えない。
11月にはトランプ米大統領が初来日するが、訪韓時に何かが起こるような気がしてならない。年内に有事が起る可能性もあり、韓国にいる日本人や米国人などの外国市民を迅速に避難させる「非戦闘員退避活動」(NEO)や、武装難民への対策が焦眉の急である。大量に発生するであろう難民を、都市部で収用してはいけない。離島で隔離し島外に出してはならない。無人島での難民収用計画を早急に立てておくべきであろう。
今回の選挙の勝利は、ミサイル防衛の充実にとどまらず、敵基地攻撃能力の導入や防衛予算の増額への安倍首相の政治的英断を求める。戦後の平和と安全を保ってきたのは、自衛隊と日米同盟の存在である。安倍内閣は、覇権主義を強める中国への備えを詰めるべきである。
そして、なにより早急に、改憲へ動くべきである。憲法9条は自衛隊の手足をしばり、国民を守る手立てを妨げることに作用してきた。
国民投票によって憲法を改め、自衛隊の存在を明記することだ。抑止力の向上に資するものであり、自民党はさらに国民に強く説くべきだ。安倍首相と自民党は、憲法改正という公約実現への努力を止めてはならない。改憲へ待ったなしだ!
【野口裕之の軍事情勢】総選挙終わり“戦時内閣”へ 米軍の対北・黄海封鎖は台湾有事に備えた対中予行演習
【産経ニュース】2017.10.23 07:00
衆議院総選挙が終わったが、次期内閣は“戦時内閣”となろう。
国連も日本も米国もEU(欧州連合)も、北朝鮮に対してかつてないほど強い《経済制裁》を科してきた。「窒息」は無理としても、一定のダメージは与えており、《経済封鎖》に近くなり始めた。《経済封鎖》は安全保障上も戦史上も「戦争状態」と同義だ。
しかも、後述するが、10月に入り実施された米韓合同軍事演習で、米韓両軍は対北《海上封鎖》の予行と断じて差しつかえない布陣を敷いた。《海上封鎖》に至っては、真正の軍事行動である。
ひるがえって、総選挙期間中も含め「戦時」になって久しい。少なくとも「準戦時」だったが、この国難認識を全体、いかほどの候補者が抱いていただろうか。安全保障関連法のご破算を真顔で、声高に叫んだ候補者に国難認識はゼロ。土地取得をめぐる森友学園や獣医学部新設をめぐる加計学園の追及も候補者の自由とはいえ、「目の付け所が違う(笑)」と驚いた次第。
「モリ・カケ」問題を蕎麦のごとくたぐっていっても、安倍晋三首相との「汚い関係」はまったく出なかっのに、今後も国会で確証なき追及を繰り返すに違いあるまい。
筆者も「蕎麦屋で一杯」を大の楽しみにするクチだが立ち位置は保守で、「ソバ好き候補・議員」ほど“左党”ではない。北朝鮮国民が満足に「冷麺」を食べられるよう、日本の「ソバ好き左党議員」は安倍氏にではなく、たまには左党といわれる朝鮮労働党の金正恩・委員長に箸先、否、矛先を向けたらよろしい。
朝鮮半島危機を軟着陸させられるのか、はたまた朝鮮戦争の休戦が破られるのか。どちらにしても、朝鮮半島問題に決着が付けば、次は日本列島を《台湾危機》が襲う。
「ソバ好き左党議員」に、イザという時に立ち上がる覚悟までは求めない。安全保障関連法に代わる代替法案が立案不能でもいい。
唯々、夢より覚め、現実の悪夢に備え、黙っていてほしい。
■ 米軍の作戦意図に埋め込まれた「脅し能力」
さて、現下の情勢が国難である実態の一部を説明する。
朝鮮半島に限らず、半島は東西OR南北を海で挟まれる。かくなる「半島の宿命」を、金正恩氏は理解していない。朝鮮半島の幅は最長で360キロ弱。東は日本海、西は黄海で海上・航空兵力による挟撃は凡庸な参謀でも着眼する。攻撃側・米韓軍は挟撃の時と場所を選べるが、守備側・朝鮮人民軍に選択肢は皆無。本来、金正恩氏は国際社会に反抗して核・ミサイル開発をゴリ押しできる立場ではない。
今次合同演習も原子力空母《ロナルド・レーガン》を核とするイージス艦を含む40隻超の艦艇が、半島を挟み撃ちする形で日本海・黄海両海域に展開した。
日本海側に姿を現したロナルド・レーガンの艦上機は66機前後で、単艦の航空戦力だけでベルギーやオランダ、スイスの空軍力に匹敵し、1隻で5~6百カ所の標的を粉砕。将兵3200名+航空要員2480人=5680名の軍人を乗せて移動しながら、戦略レベルの任務を遂行する「動く海上軍事基地」なのだ。
米軍の作戦意図を注意深く分析すると、金正恩政権に投げ付けた「脅し能力」が埋め込まれていた。
例えば、「原子力特殊潜水艦」とも呼ばれる米国最大級の原潜《ミシガン》。金正恩政権を金縛りにしたシリア攻撃にも使われた巡航ミサイル・トマホークを154発も収納する。ミシガンが属するオハイオ級原潜2隻で、レーダーといった北朝鮮の全防空網を葬れる。
さらに、60名以上の特殊作戦部隊要員を収容し、金正恩政権の除去を目的とする《斬首作戦》の演練も兼ねている、と地元メディアが報じた。特殊作戦の情報が漏れたのは、米韓軍側の宣伝工作かもしれない。
軍事の素人=金正恩氏でさえ震えるに十分な能力だが、ミシガンの艦歴を知る軍首脳の驚愕はその比ではなかろう。何となれば、今でこそ通常弾頭だけだが、冷戦時代のミシガンは核弾頭24発を積み込み、核報復能力を担保した《戦略抑止哨戒》任務を担任していたのだった。
優れた対地攻撃能力を有し、金正恩氏の執務室へのピンポイント(精密誘導)攻撃も視野にする《F35戦闘機》や、「死の白鳥」の異名を持つ《B1戦略爆撃機》も韓国入りした。
B1は、米戦略爆撃機の中で最大級のミサイル・爆弾発射が可能。数機で平壌を焦土化できる。合同演習前の米韓共同訓練でも、金正恩氏の執務室▽兵器工廠▽核実験場▽潜水艦基地…など、40カ所へのミサイル発射がシミュレートされた。
一連の合同演習・共同訓練の間、米韓軍の動きに合わせ、朝鮮人民軍は各部隊を移動させ迎撃態勢を強化するが、その度に燃料・糧食が消え、将兵の不安も高まっていく。
いずれにしても、北朝鮮にとり、米軍は「悪魔」のごとき存在なのだ。
■ 対北演習に乗じて中国近海の極秘調査をする米軍
もっとも、米国が「悪魔」に見えるのは中国も同じ。
現下の朝鮮半島危機に乗じて、中国の海警局・大型武装公船や人民解放軍海軍艦艇が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を火事場泥棒的に強奪するというシナリオが、防衛省内で危惧されている。
しかし、米軍は半島危機に際して、朝鮮人民軍のみならず、中国人民解放軍にもにらみを利かせる。いや、むしろ半島危機に乗じ、人民解放軍に対する強力な情報収集を極秘に進め、封じ込め戦略を演練している。米軍にとり、朝鮮半島危機は人民解放軍相手の格好の「模擬戦」の舞台と化している、と言い換えてもよい。
例えば、米空母打撃群を追尾する人民解放軍海軍の潜水艦を逆探知し、スクリュー音や機関音、船体の振動などで生じる音紋を採取し、潜水艦のクセや性能、艦名の特定などに役立てている。実戦モードに近い環境下、水測員の練度向上にも資する。
10月の合同演習同様、米国を中心に日米韓が春に断続的に行った共同訓練などでも、超弩級の収穫があったと観測されている。
逆に、中国人民解放軍の戦略中枢は、追尾を命じた情報収集機や情報収集艦、潜水艦などが送ってくる位置情報を地図上にプロットしてのけ反ったと確信する。
(1)フィリピン海における、米原子力空母《カール・ビンソン》を核とする空母打撃群と海上自衛隊の護衛艦《あしがら》《さみだれ》による共同訓練。
(2)日本海における、米海軍の駆逐艦《フィッツジェラルド》と海自護衛艦《ちょうかい》による共同訓練。
(3)日本海における、カール・ビンソンを核とする米空母打撃群と海自や韓国海軍との共同訓練。
(4)沖縄本島東方の太平洋上における、カール・ビンソンの艦上機《FA18戦闘攻撃機》と航空自衛隊の《F15戦闘機》との共同訓練。
(5)米原子力空母ロナルド・レーガンの艦上機が硫黄島(東京都)で陸上離着陸訓練。
(6)高高度迎撃ミサイル・システム(THAAD=サード)の韓国配備。
(7)黄海における米海軍と韓国海軍の共同訓練。
人民解放軍の危機感は(7)に顕著だ。
黄海~渤海にかけての海域には▽青島=人民解放軍海軍・北海艦隊司令部▽旅順と葫芦島=軍港▽大連=海軍工廠…などが点在するのだ。明治二十七八年戦役(日清戦争/1894~95年)や明治三十七八年戦役(日露戦争/1904~05年)では、国家存亡を賭した一大戦略拠点であった。この海域への機雷封鎖は、人民解放軍海軍の掃海能力の低さに鑑み、現代戦でも十分通用する。
朝鮮半島危機がとりわけ高まった今年、幾多の演習・訓練を通し米海軍は、海底地形や海流をこってりと測定したはずだ。
次は(6)の、在韓米軍が配備したTHAAD。発射台6基とミサイル48発などで、朝鮮人民軍の短・中距離弾道ミサイルを迎撃する。
中国はTHAADを構成するXバンドレーダーの韓国配備に強く反発した。射撃管制モードの探知距離は500キロで北朝鮮の中~南部をカバーするに過ぎぬが、捜索モードに徹すれば1000キロを超え、北京・天津の手前まで覗けてしまう。在日米軍が青森県車力と京都府京丹後に配備するXバンドレーダーとも同型で、データリンクで連結され、互いをカバーし合える優れモノだ。
(1)のフィリピン海も、対中戦略上のチョーク・ポイント。台湾有事で来援が期待される米空母打撃群を、人民解放軍が迎撃する最前線(第2列島線)と絶対防衛線(第1列島線)にはさまれた海域だ。第1列島線は九州南部~沖縄~台湾~フィリピン~ボルネオを結ぶ。第2列島線は伊豆諸島~小笠原諸島~グアム・サイパン~パプアニューギニアを結ぶ。
(4)の沖縄本島東方の太平洋は第1列島線の該当海域で、沖縄本島の米軍・自衛隊基地群は列島線防衛の一大策源地でもある。
(5)の硫黄島は第2列島線海域に所在し、島内の滑走路は海自&空自+米軍の作戦機が使用する。
最後は(2)と(3)の日本海の戦略的位置付け。
自衛隊と米軍が第1列島線の防衛=封鎖に成功すれば、人民解放軍の海上・航空戦力は対馬海峡を抜け→宗谷海峡突破を選択し→第2列島線の背後に迂回するシミュレーションも、安全保障関係者の間では浮上した。現代版「日本海海戦」への備えも怠ってはなるまい。
繰り返しになるが、人民解放軍の海上・航空戦力が宗谷海峡突破を目論む事態とは、中国の敗北を半ば意味する。裏返せば、米軍の空母打撃群&地上発進の航空戦力に海自&空自が協力→人民解放軍の海上・航空戦力による第1列島線越え阻止に成功したということ。
あとは、台湾軍が人民解放軍のミサイル攻撃や渡海強襲上陸を何とかしのげば、西進中の米軍主力は第1列島線上の台湾の救援に間に合う。
■ 中国は2025年、米国の最大脅威となる
だが、人民解放軍の海上・航空戦力が飛躍的に拡充される近未来図は仕上げの段階に入り、米軍遠征部隊の台湾急行は次第に不確実性を増していく。米海軍大学のアンドリュー・エリクソン教授を中心とした研究グループがまとめた《中国の海軍艦艇建造》の以下の分析結果には息をのむ。
《人民解放軍海軍は2030年に主要艦艇415隻態勢を整える》
トランプ政権は過去100年間で最小規模に縮小された現有米海軍艦艇274隻の350隻増強を目指す。が、2046年が目標で、人民解放海軍の建造スピードとは雲泥の差がある。国防予算の行方が未知数で、建艦数を抑えられてきた造船関連業界の熟練工確保や設備復旧も追いついていない。反面、人民解放軍海軍の艦艇は数に加え質の向上も著しい。《中国の海軍艦艇建造》は警告する。
2020年までに、
《米海軍の対艦巡航ミサイルの射程以上のミサイルを大量保有する》
《人民解放軍海軍は世界第2位の海軍となる》
かくして2030年までに、
《ハードウエア面で米海軍と数だけでなく、恐らくは質も肩を並べる》
《(尖閣諸島など)他国との係争近海域で、米海軍の作戦行動に果敢に対抗する大きな能力を保有する》
米軍制服組トップ=統合参謀本部議長のジョセフ・ダンフォード海兵隊大将も9月、上院軍事委員会の公聴会で証言した。
「中国は2025年ごろまでに、米国にとり最大脅威になる。中国は米軍が太平洋で有する影響力や同盟関係を制限する戦略に集中し、軍事技術で米軍の優位性を崩せるような現代化を目指し、当分の間、軍事支出を増大させ続ける」
「米国は人民解放軍とロシア軍の現代化に対抗し、20年代にかけての優位性を保つべく、今後5年間の国防予算を3~7%増やす必要がある」
■ 切り札は米軍の台湾駐留
打開策はある。ジョン・ボルトン元国連大使が1月、米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄稿した戦略も、傾聴に値した。《米軍の台湾駐留》である。ボルトン氏は北朝鮮に断固とした姿勢で臨み、拉致被害家族の訪米時にも積極的に会い、日本の国連常任理事国入りも支持する。
ボルトン戦略を要約すると、以下のようになる。
《台湾への米軍駐留や軍事装備の輸出拡大で、米国は東アジアの軍事態勢を強化できる》
《海洋の自由を守り、一方的領土併合を防ぐ戦略は米国の核心的利益だ。台湾は地理的に沖縄やグアムに比べ、中国や中国が軍事聖域化を推し進める南シナ海に近い。米軍の迅速な戦闘配置を柔軟に後押しする。台湾との軍事協力深化は重要なステップなのだ》
東アジアや南シナ海の不穏・不透明な安全保障環境を考えれば、太平洋&東シナ海と南シナ海を結ぶ「大洋の十字路」に位置する台湾は世界最大の要衝の一つで、わが国の貿易=経済の命運を握る生命線だ。日本列島~沖縄~台湾を結ぶ「海上の長城」上に、自衛隊や米軍に加え台湾軍が防衛線を敷けば、中国の軍事的冒険をかなり封じ込める抑止力となる。
フィリピンの対中・対米姿勢は不安定で、米軍のフィリピンにおけるプレゼンスも定まらない情勢では尚のことだ。
ところが、米軍の台湾駐留には1972年の《上海コミュニケ》が障害になる。コミュニケで米国は中国側に「一つの中国」「台湾からの全武力・軍事施設の最終的撤去に向け、これを漸減する」などを約した。
けれども、ボルトン氏は中国と国交樹立=台湾と国交断絶後、米軍駐留終了と引き換えに武器売却などを担保した《台湾関係法の下で、台湾との(軍事)関係拡大は十分可能だ。基地を設け活動する権利は、全面的防衛同盟を意味しない。相互防衛条約の再交渉など新立法措置も不要だ》と明言。国際法上の《事情変更の原則》を持ち出した。
確かに、中国が狼藉の度を凄まじい勢いで加速させ、軍事膨張をばく進する危機的情勢に直面する今、《上海コミュニケの大部分(前提)が時代遅れになり、拘束力を失った》という合法的解釈も成り立つ。
台湾は無論、わが国もまた米軍の台湾駐留支援への覚悟を決める大転機にさしかかっている。
衆議院議員選挙では私は安倍政権を支持したが、安倍政権に白紙委任状を渡したつもりはない。 消費税増税は反対である。だが、国防の為であるならば消費税以外の増税もやむを得ないであろう。
安倍晋三首相が衆院選後の記者会見で、これからの政権運営について謙虚な姿勢で公約実現を図っていくと強調した。最大の公約は憲法改正である。
国民の理解を得ながら、おごらず丁寧に憲法改正を進めていってほしいものだ。
安倍首相に長期政権を期待するのは、長期政権でなければ憲法改正に踏み込めない。地道かつ果敢に取り組んでいく上での謙虚さは要る。間違っても憲法改正をを先送りする理由としてはなるまい。
日本にとっての本当の国難は拡張主義の中国である。おそらく中国経済は崩壊するであろうが、軍事大国中国は北朝鮮の何倍、何百倍も恐ろしい、経済崩壊内政の混乱原因を日本に押し付けてくる可能性は極めて高い。
安倍首相の憲法改正が間に合えばいいのだが・・・・
日本は本当に国難に備えなくてはならない。