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タグ:景気


アナトール・カレツキー
[9日 ロイター] 米株価が今の局面で初めて史上最高値に迫った2カ月前、私は「株式市場の腰が定まらなくなる」ことに関する危険性を警告した。つまりそれは、持続不可能な高値で株を買う不安と、もし株価が上がり続ければもう今の値段では二度と買えなくなるという恐怖感が合体した状況のことだ。

当時、S&P総合500種指数.SPXはまだインターネットバブルがはじけた2000年3月以降形成されていた取引レンジの上限付近で行ったり来たり。株式市場の次の大きな動きが、13年間のレンジの中心に向かって反落していくか、それとも大幅に上昇して最高値を更新していくかは知りようがなかった。

2カ月前、一方にあったのは、米経済の見通し改善と、昨年末の政治状況からは、S&P500種指数が、2000年につけた高値をうかがう展開になった07年終盤時点と比べて、レンジを上放れする可能性が大きくなったことがうかがえたという事実だ。07年終盤といえば、サブプライム住宅ローン問題が始まったばかりで、ジョージ・W・ブッシュ氏がまだ大統領をやっていた。

他方で欧州中央銀行(ECB)の危機は過去最悪とみなされ、中国経済は減速しつつあると見受けられた。企業利益の伸びが止まり、投資家は2000年と07年に株価が同じような高水準になったことで市場に吸い寄せられた後、甚大な被害を被った経緯をよく覚えていた。

こうした2カ月前のジレンマを解消する確かな方策はなかったし、今も存在しない。金融市場の価格は常に、ともにそれなりの妥当性を備えた強気と弱気の見通しの均衡点だからだ。

ただし市場の動きが、時折答えを示すことがある。そして今週はそうしたケースに当てはまるように思われる。予想を大きく上回る4月米雇用者数が発表された3日以降の1週間で、S&P500種指数は2000年と07年の高値が上限となっていた13年来のレンジから4.0%強も上回った。株価のレンジ上放れは、その後のダウ工業株30種.DJIやウィルシャー5000指数などの動きでより確かになった。

さらに他国のほどんとの株価はなお2000年と07年の高値より随分と低い水準にとどまっているとはいえ、日本株はロケットのごとく高騰し、ドイツのクセトラDAX.GDAXIも米株の上げに劣っていない。

だからといって株価が上がり続けるわけではないが、過去の記録からすれば、足元の強気相場は株価上昇余地がほんの数%程度にとどまるものではないことを意味している。今や13年来のレンジをブレークしたので、歴史的なパターンでは元のレンジには戻らず、さらなる大幅な上昇局面が到来することが察せられる。私はこうした見方を2カ月前に詳しく説明したので、ここでは簡潔に繰り返すだけにしよう。

過去100年間で、米株価(S&P500種指数とその前身のベンチマーク)が長期間続いたレンジから3%以上も上放れたケースは8回あった。このうち、その後数年で株価が2倍、3倍というような大幅高となったのが7回もあり、唯一の例外はS&P500種指数の上昇率が15%にとどまった局面だった。こうしたレンジブレークが起きてから少なくとも半年の間に相応の値下がりが起きたケースはなかった。

もちろん過去の経験が必ずしも、将来の値動きの指針になるわけではない。実際に経済学者は総じて、チャートを使って市場の過去の動きを分析しようとする人々を、昔の占星術師のように、賢明ではない投資家の迷信につけこんでいるとしてまともに扱おうとしない。

しかし真っ当な投資家がその大部分を占めるチャートに基づくテクニカル取引が経済学者によって完全に合理的だと考えられているという事実を別にしても、今週の株式市場の値動きが長期的な強気相場の始まりと、13年間続いたレンジ相場の終えんを示している可能性がある、と信じるだけのいくつかの根本的な理由がある。

第一は、時間の経過それ自体だ。株価が1990年代終わりごろのように過大評価されると、水準調整と日柄調整を経るのが一般的。マイクロソフト やインテル 、アマゾン といった銘柄は、2000年3月の株高のピーク時には非常識なほど割高に映った。それから13年間で収入や利益が伸びてとうとう熱狂的な期待値に追いついたことで、かなり割安になった。

第二は、日米の政治状況と景気サイクルの改善が鮮明で、中国と大半のアジア諸国の成長率は高水準で安定し、もはや南欧の停滞は90年代の日本の停滞に比べれば世界経済への影響度が小さくなるかもしれないという点だ。

最後に挙げるのは、先週論じた構造要因の強弱バランスの変化。現在はだれもが長期的な経済の課題を十分に承知している。これは08年の金融危機以前は投資家が気にとめずに危険な目にあったもので、高齢化や持続不可能な債務、医療費の増大などがある。

これに対して金融危機の間にあっさりと忘れ去られたのは、危機前には投資家や企業経営者の胸を躍らせた経済に存在する長期的なチャンスの方だった。つまり、世界市場に数十億人の新たな消費者や生産者が加わったことや、資本主義と自由貿易をめぐる世界経済の再構成、電子機器が提供する新製品やサービス及び効率性、バイオ科学、非従来型エネルギーの登場などだ。

長期的な流れとして、(私が「資本主義4.0」で3年前に先走って示唆したように)こうした成長促進要因が強く働く方向に動きつつあるかどうかについては、だれも確言できない。それでも確かなのは、金融市場はいつも、大半のエコノミストや政治家、投資家よりもずっと早く経済環境の変化を察知するということだ。米株式市場で強気相場が続くさまざまな理由が判明するまでに、大抵は相場に乗り遅れてしまう。
http://www.uniqlo.jp/uniqlock/swf/blog_small.swf?user_id=Bo4uxIuSX6BfwXZC世界的にリスクオフ相場、グレートローテーションで米国国債からリスク資産へ、世界的な金利低下は20年相場がなかった東証に世界のHotマネーが流入してきているようだ。短期の外資マネーだけでは中長期的な投資家も日本株を投資していると聞く。
規模的には海外投資家の存在が大きいが、国内では個人マネーが日本株投信に流入していることに伴い投信も買っている。決算を越えて国内の機関投資家からの売り圧力が緩和していることも、株価上昇の一因になっているようだ。

ゴールデンウィークの日本の投資家がいない間にヘッジファンド勢が「鬼の居ぬ間」に日本株や円を処分しまくるSell in May「5月波乱説」は今年については完全に吹き飛んだ!
私も米国や欧州、さらに中国の経済崩壊の予兆からSell in Mayを意識した。今年も波乱と考えるのはノーマルな考え方である。
世界のマネーは「リスクオン」の時代においては弱気なコメントが流れれば市場はその弱気コメントに順応できる時代であった。株式投資は損を拡大させる投資でしかなかった。
アペノミクスがなくても円/ドルは90円を目指す展開であると私はこのブログで書いていたがやはり安倍総理の登場は大きい。安倍総理はレーガノミックスで米国を復活させた米国のレーガン大統領の日本版となる可能性がある。
アメリカの第40代大統領ロナルド・レーガンはベトナム戦争以降自信を無くし凋落し続けstagflation(スタグフレーション=不況下におけるインフレ現象)に陥った米国経済Reaganomics(レーガノミクス)と呼ばれる経済政策と「強い国家づくり」を推し進めた。愛国心を強調し米国人に矜持(自信と誇り)を復活させるため、スターウォーズ計画などソビエトに対抗し軍備増強を強化し米国の経済構造を製造業からサービスや金融業中心に一変させた。
レーガノミクスは実に巧妙だった。当初強いドルを目指すとして、ドル高政策を行い米国内の製造業産業を淘汰させた。その上で今度は1985年のプラザ合意で円高ドル安政策に転換し、米国の経済復興を行った。ある意味では日本経済叩き戦略でもあったのだ。
Abenomics(アベノミクス)はリーマンショック後不当な円高により日本企業の競争力を削いできた為替レートの正常化に成功したといえよう。
この円高は生き残った日本企業を筋肉質に変えている。100円の大きな壁を突破したことでさらに円安が加速するとの見方は強い。1ドル=120円も通過点にすぎないかもしれない。円安再加速は輸出産業に本来の実力を発揮させる効果を生む。9日公表された米新規失業保険申請件数は32万3000件と、08年1月以来の低水準となったことで、米経済への安心感からドル買いの動きが強まった。
アベノミックスは通貨安を武器に攻勢してきた韓国や中国企業は一段と窮地に立たされることになる。今後ドル高になることは必至で、韓国も中国も為替のペッグ制を止めればいいのだろうが、おそらくそれもしないだろう。韓国の朴槿恵大統領や中国の習金平は必死になって日本を非難している。
GW前、靖国神社の例大祭に大々的に超党派の議員が参拝した。日本の中国や韓国の代理店の朝日新聞や左翼マスコミ・エージェントそのものである、ネットユーザー達は安倍総理をウルトラナショナリストと書き立てる。
日本が歴史を糺すことは当然であると思うのだが、ケリーを国務長官にした米国が中国との関係改善を模索している中、米国に安倍総理をナショナリストであると烙印を押される危険性を感じていた。
米議会調査局は8日までに、日米関係に関する報告書を発表し、安倍晋三首相の歴史認識やそれに関連する発言は「東アジアの国際関係を混乱させ、米国の国益を損なう可能性があるとの懸念を生じさせてきた」とする見解を掲載した。
懸念は的中した。もし、米国の支持がなければアベノミックスは失速してしまう懸念があった。今年4月下旬まで急ピッチな円安に株価は合わせる形ですごい勢いで上昇を続けた。こんな状況はいつまでも続くことはない、1ドル=100円を突破できず一旦調整ではないだろうかと私は予測したのだが・・・・・Sell in May「5月波乱説」は杞憂であった。
米国の超金融緩和に続き、欧州も超緩和に転換し、日本も超緩和政策であるマネー政策の「リスクオフ」の政策に転換し日本の景気動向の流れは変わった。
5月3日に発表された4月の雇用統計では、13万8000人増と想定以上の改善で米国の景気実体は強いとの観測が強まりダウは1万5000ドル台を回復した。
米国FRBは昨年後半2016年央まではQE3を続けて超低金利を続けていくことを発表し、住宅の復活を超低金利によって拡大化し、さらに2016年中に輸出大国へと米国を変身させることを発表している。米国の景気は一般的に市場で言われているような悪い状況になく、実体景気は年後半から来年央までに超金融緩和の出口戦略を打ち出さなければならないような状況となっている。米国が予想より早くQE3を打ち止めにして超金融緩和を止めれば一段とドル買となる。円安によって企業業績は着実な業績好転が予想されている。
日経平均株価は今年5月末の株価が月初の値を上回って月間でプラスとなれば、1980年代以降で初めての10ヵ月連続上昇となる。アペノミクスと黒田日銀総裁による異次元緩和は今まで日本が経験したことがない異次元世界であり、安倍政権は参院選を睨んだ追加政策成長戦略である規制緩和を実施しなければならない。それに加え2014年3月の企業業績見通しは好調で輸出企業の業績拡大期待は大きくなる一方であるため、いたずらに米株式市場の格言などに惑わされて株を売ってはいけなかったのである。現状では株価を売るどころか買い増しを続けていかなければならない状況である。
ここはSell in Mayが無い異次元世界なのかもしれない。

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その1からの続きです。

4.イノベーションの回復、シェールガスやメタンハイドレードなどの新エネルギー政策や、ips細胞など今後も希望が見えるものがある。また、世界的に企業が使うパソコンの基本ソフトには古いWindows xP が大量に残っている。中でも日本のWindows xP ウェイトは突出して大きい。XPのサポートは2014年4月に終了して実質使えな
くなるので、日本企業が利用するパソコンのタブレット化が世界に先駆けて急速に進むものと期待される。2013年4月には国家公務員が私用スマホで国のサーバーにアクセスする業務利用が解禁されると報じられている(BYODと呼ばれる)。当然、民
間でも拡がろう。企業のモバイルIT環境=タブレット化が日本で急速に立ち上がることで、その後のビジネス・シーンで多くのビジネス・イノベーションが拡大することが期待できる。

6.紛争の多発 .尖閣諸島の紛争で12年ぶりに防衛予算が増加した。過去のデフレの後には大きな紛争が待っている。天保の改革の閉塞感が黒船来航とあわせ討幕運動明治維新へとつながった。松方デフレの後は日清日露戦争 ドッジデフレでは朝鮮戦争がデフレを完全に葬った。今回は中国と一戦交える頃にはデフレは解消するかもしれないが・・・当たってほしくはない。

7.銀行規制強化だが2015年にバーゼルⅢの発動で一連の銀行規制強化は一段落する

5FTA締結は、環太平洋戦略的経済連携協定TPPに日本が参加するか否かだが
このなかで一番危ういのが5のTPPの参加であろう。


聖域なき関税撤廃」を掲げる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に向け、関税撤廃の例外が認められるかどうかが最大の焦点になってきた。自民党の反対派は7日の会合で、農林水産物などの関税維持を確認した。これに対し、安倍晋三政権は今月下旬の日米首脳会談で例外品目を認めるよう働きかけ、国内の反対派を説得する構えだ。ただ、米国は市場開放を求める姿勢を強めており、激しい駆け引きが予想される。

「これまでの経済連携協定(EPA)で(関税が)守られているものを守るのが一つの基準だ」。自民党の「TPP参加の即時撤回を求める会」の森山裕会長は7日の会合後、従来通りの関税死守を交渉参加の判断基準とする考えを記者団に強調し、7月の参院選を前に反対の圧力を強めた。

日本が13カ国・地域と結んでいるEPAで、関税を撤廃したことのない品目はコメや小麦、牛肉、乳製品など約940品目と全貿易品目の約1割を占める。

だが、アベノミクスで経済再生を狙う安倍政権にとって、TPPは成長戦略の柱になる三本目の矢。

安倍首相は「参院選前に方向性を示したい」と交渉参加に前向きな姿勢を示し、甘利明経済再生担当相も「例外なき関税撤廃が前提とされるのは事実ではない」と、農産物などを例外品目とすることで党内意見を集約する方針だ。

参加11カ国のTPP交渉でも、例外品目が認められる公算はある。米国はオーストラリアとの自由貿易協定(FTA)で、砂糖やブルーチーズなどを例外品目にし、TPPでも関税維持を求めるとみられる。

ただ、米国側の市場開放を求める姿勢は強い。事前協議では日本側に「すべての品目を自由化交渉の対象とする用意があるか」と迫り、「牛肉」「自動車」「保険」の3分野で日本市場の閉鎖性を批判してきた。日本側は3分野で一定の譲歩をする代わりに農林水産物の関税維持を求める見通しだが、米国が一部品目の関税撤廃にこだわる可能性もある。


日本はTPP参加が絶対必要であるにもかかわらず、自民党の一部駅弁議員がTPP参加に反対している。私には国家百年の計より自分の議席の当落を優先させているように思う。

戦後のわが国は恐らく世界のどこの国よりも自由貿易の恩恵を受けて豊かになった国である。その日本が貿易自由化に反対するのは信義に反する。

保守層の中にも日本の経産官僚、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構総務企画部主幹の中野剛志や安倍内閣の内閣官房参与の京都大学 藤井聡教授環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加は日本の国益にならないと主張しています。
その理由
1. 国内市場の大きい大国である米国だけが主導権をもってルールの策定を行えることに加えて
2. 安全保障上の問題から日本は米国に対して弱い立場にあるため日本に有利なルール策定はより困難で米国に妥協するしかないこと
3. その米国がドル安により輸出振興政策を志向すればTPPに参加しても日本の輸出は伸びない一方で
4. 関税という防波堤を失えば日本の農業は壊滅的な打撃を受けること
5. ISD条項に基づく訴訟によって国民皆保険制度など日本の社会制度が変えられてしまう恐れがあること
6. 安い外国の製品が輸入されるようになったことはデフレ促進の要因であり、TPPに参加すれば価格の低い商品が今以上に輸入されてデフレが促進されること


しかしながら、TPPの意義は経済効果の意義であるとともの外交戦略の意義がある。地政学的に日本の同盟国すべき国はTPP参加国と一致するのである。

1.国内市場の大きさで比べればTPP交渉参加国の全GDPのうち、日米だけで約90%以上を占め、日本が参加した場合は実質的に日米FTAであり実質的には日米交渉に等しい。

2.かつての牛肉・オレンジ自給化交渉や米の限定自由化交渉の米国の強行な姿勢はTPP交渉でも、如何なく発揮されると危惧す気持ちはとうぜんである。だが、今の米国はかつての米国とは違い、ドル安政策で経済の体力がついている。TPPで例外品目が認められる公算はある。米国はオーストラリアとの自由貿易協定(FTA)で、砂糖やブルーチーズなどを例外品目にし、TPPでも関税維持を求めるとみられる。

事前協議では日本側に「すべての品目を自由化交渉の対象とする用意があるか」と迫っている。日本側は「牛肉」「自動車」「保険」の3分野でで一定の譲歩をする代わりに農林水産物の関税維持を求める見通しだが、交渉しなければすべては始まらない。

3.現在米国は円安を容認しておりまったくの杞憂であり、今後日米金利差から考えると円安は一段と進行しTPP反対の理由にならない。

4.TPPは、反対すべきものではなく日本農業復活のチャンスと考えるを参照してほしいが、TPPで関税が撤廃されると日本の食品加工産業にとって大チャンスとなる。
美味しくて安全な日本の食品は世界で需要が高い。日本は世界中にお菓子や冷凍食品などの加工食品を輸出する大国になる可能性もある。

5.ISD条項が危険だと反対派は主張していますが、経産省と外務省が共同でまとめた「国家と投資家の間の紛争解決(ISDS)手続の概要」という資料には次のように書かれています、「 仲裁裁判所は、投資受入国の協定違反及び投資家の損害を認めた場合、賠償支払いを命じるが、投資受入国の法令や政策の変更を命じることはできない。」と、日本は二十四もの国とISD条項を含んだ投資協定を結んでいますそれにISDの仲裁廷が国家に対して法律や制度の改変を命じたことは一度もありません。
6.アベノミックスは円安によるデフレ脱却を目論んでいます。アベノミックスが目指す2%のインフレ目標の達成は多くのアナリストや経済学者は困難としています。しかし、年間15%の円安が進行すると年間2%のインフレ目標の達成は容易となる。円安の進行は外国製品の価格が高くなるので、アベノミックスの政策下ではTPPは国民経済に有効に働く、またTPPはアベノミックスを成功させるか否かのキーでもある。


また、最近リベラル(左翼)や反日日本人(中国朝鮮のエージェント)を中心に安倍はナショナリストであると言う主張ついでに、反アベノミクス論を振り回している。

反アベノミクス論は、これまでの財務・日銀官僚主導のデフレ・円高政策を容認してきた自らの誤りを認めたくないというアナリストや経済学者が自己弁護の心理が多分に作用しているのだろう。その多くは根拠が薄弱だ。ネガティブな印象を世に広めるメディアは、財務省幹部や白川日銀総裁の言い分をオウムのごとく繰り返してきた安直さに慣れ切ってしまい、安易に反アベノミクス論の垂れ流しを確認することが出来る

反アベノミックスの理由は以下の4つである

1.日本売り(国債暴落)リスク
2.物価高騰リスク
3日銀の独立性を損ない円の暴落リスク
4.資産バブル招くリスク

反論

1.日本売り(国債暴落)リスク2%のインフレ目標を設定して国債発行を増やせば、国債利回りが急騰、つまり国債が暴落する、という意味である。白川方明日銀総裁は昨年11月20日の記者会見で、「3%」のインフレ目標だと、長期金利がまず上がって国の利払い負担を引き上げ、さらに国債を大量保有する金融機関に巨額の資産評価損をもたらすと説いた。
 日本国債の9割以上は国内の金融機関が保有している。国内銀行が国債を一斉に売れば確かに国債相場は暴落するだろうが、ありえないし、売却してもそれに売却した資金を吸収するマーケットがない。民間金融機関は世界最大の貸し手として約200兆円の対外純債権を保有しているし、世界最大の債権国である日本のが売られるリスクは低い。
もし日本国債が暴落するなら、増税の代わりにドル札を刷っては長期国債を買い上げる世界最大の債務国米国、ユーロ札を刷ってはギリシャなど重債務国の国債を買い上げる欧州ユーロ圏を含め、世界は終わるだろう。
2.物価高騰リスク1年前に2%のインフレ目標を設定したFRBはリーマンショック後、短期間のうちにドルを3倍以上発行しQE3の量的緩和とゼロ金利政策を続ける政策を打ち出した。もともとインフレ体質の米国だからお札の大量発行は悪性インフレを招くという懸念が根強いかったが、それでもインフレ率は2%未満にとどまっている。日本がハイパーインフレになるリスクは極めて低い。
3日銀の独立性を損ない円の暴落リスク1998年4月の現行日銀法施行で日銀の独立性が保証されて以来、日銀が「独立」をタテに、外部からの意見に耳を貸さずデフレ維持政策をとってきた。円の価値を維持するという職務に忠実に実行したにすぎない。だが、その結果デフレ・円高が放置され国民の所得を急減させ、若者の就労機会を奪ってきた。中央銀行の独立はそろそろ変わるべき時期に着た。
4.資産バブル招くリスク株式や不動産市場が活性化する前にバブルを心配して金融緩和をやめるのは、回復しかけた重病人から栄養剤を取り上げるようなものである。株価などの値上がりの局面で「バブル」と判定できる基準はない。メディアが何の判断基準も示さずに株価や地価が少しでも上がれば「バブル」と騒ぐ。日銀は待ってましたとばかりに引き締めに転じてしまう。
かつて、バブルの最中日銀の日銀総裁三重野康 は就任直後から急激な金融引き締めに踏み切った。12月に公定歩合(当時の政策金利)を3.75%から4.25%に引き上げた。その後、90年3月に5.25%、8月には6%に引き上げる。社会党や国賊コメンテーター久米宏はバブル退治に邁進する姿は平成の鬼平ともてはやした。
その結果ジャパンアズNo1ともてはやされた日本経済は崩壊し今日の衰退をまねいたのだ!
我々は、日本に住んでいる、これからもずっと日本で人生を送っていくであろう。安倍総理が好き嫌いにかかわらず、我々の命運はアベノミックスの成功にかかっている。アベノミックスが失敗すれば財政が破綻し、不況の物価高騰のスタグフレーションが待っている。アベノミックスがアベノリスクとならないように我々は願うばかりである



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伊勢の「金座」遷宮、経済の時代へ

杉山容俊

ある国内証券のマーケットアナリストが、伊勢神宮の式年遷宮(しきねんせんぐう)と経済との関係性について興味深い説を話してくれた。式年遷宮とは、20年に一度社殿を建て替え、御装束や神宝を新調して、御神体である神儀を新宮へ遷す日本で最も重要な祭儀の一つだ。

原則20年ごとに東の御敷地である「米座(こめざ・こめくら)」と西の御敷地である「金座(かねざ・かねくら)」とで新宮が遷り変わる。記録によれば持統天皇4年(690年)に第1回が行われ、以後1300年以上にわたって続けられているという。

伊勢では、古来から東の「米座」に神様がおられる時代は平和で心豊かな「精神の時代」、西の「金座」に神様がおられる時代は波乱、激動、物質欲が強い「経済の時代」として言い伝えられており、過去を振り返れば「金座」と「米座」で時代が移り変わっているという。

上記アナリストによると、幕末期を迎える1849年─69年は新宮が「金座」にあり、黒船来航から明治維新の幕開けに向け激動の時代となった。1869年─89年は「米座」に遷り明治の文明開化を謳歌した。続く1889年─1909年の「金座」では日清日露戦争の時代、1909年─29年の「米座」では大正ロマン・デモクラシーとなり大衆文化の花が開いた。

再び「金座」に遷った1929年以降では第二次世界大戦が勃発。敗戦の混乱で遷宮が4年延期され、1953年に「米座」に遷ると戦後復興の時代に入る。1973年─93年の「金座」ではバブル景気で「ジャパン アズ No.1」へと駆け上ったが、「米座」となる1993年以降、バブルがはじけ、今日まで平成デフレ不況が続いているという。

そして2013年、第62回となる式年遷宮で新宮が「金座」へと遷座され、向こう20年間にわたる「経済の時代」に突入する。

奇しくも昨年末の衆院選で政局が大きな変化を迎えており、今年7月の参院選でも自民党が圧勝すれば、長期安定政権として経済回復に向けたシナリオを描きやすい。

上記アナリストも、安倍新政権と、世界最速でデフレ脱却を果たした1932年─36年の高橋是清蔵相による金輸出再禁止・日銀引き受けによる政府支出の増額などのリフレーション政策とを重ね合わせ、国内経済の回復に期待を寄せていた。

2013年は巳年。「漢書 律暦史」では「止む」を意味する「已」とされ、草木の成長が極限に達し、新たな命が作られはじめる時期と解釈されている。

安倍晋三首相は4日、新年の恒例行事である伊勢神宮の参拝後、年頭記者会見で「どんな小さなことでも暮らしの中に何か新しいものが1つ生まれてくるような、そういう年に向けて、国民の皆様とともに頑張っていきたい」と述べた。

すでに昨年末から年始にかけた上昇局面で、日経平均は2割以上上昇している。年末年始の休暇中に再開した学生時代の旧友らは「株価が上昇する前に買っておけばよかった」と口を揃えるものの、「もう上がり過ぎて上昇余地が少ないのでは」「本当に日本経済が回復するか不安」など異口同音に"買わない"理由を並べる。

約7年半前、小泉純一郎首相(当時)による「郵政解散」に続く自民党の圧勝を受け、日経平均が一時4割近い上昇を演じた時にも、取材先でたびたび耳にしたのは「今の若い人は日本株の買い方を知らない」との言葉だった。

20代から30代の若い世代は人生の半分以上がデフレ下にあり、「株価=下がるもの」との数式が頭の中に出来上がっているため、上昇局面にあっても腰の入った買いが出来ないというのだ。実際、ここ数年間で起こった上げ相場では外国人投資家が買い主体となる傾向にあり、国内勢が日本株の上昇をけん引しているとは言い難い。

時代背景などは異なるものの「郵政解散」時の4割近い上昇に比べれば、2割高はまだ道半ばと捉えられなくもない。たが、植え付けられた「株価=下がるもの」という恐怖感の方がやはり強いのか。

今後20年間の「経済の時代」を築いていく若い世代が、デフレ不況下に浸かった半生から抜け出し、意識が自然と上向くような政局運営に期待したい。

(東京 10日 ロイター)

だが、アベノミックスをマーケットでは警戒する意見も出ている。

「アベノミクス」による円安が加速、日本のバーゲンセールを警戒

[東京 11日 ロイター] 「アベノミクス」を拠り所とする円安が止まらない。デフレ脱却を最優先課題とし大胆な金融緩和を求める安倍政権の前のめりな姿勢を手掛かりに投機筋は円売りを加速。ドルは一時89.35円と2年半ぶり高値をつけた。

だが、円安は日本の資産価格も押し下げる。経済成長を伴わない円安とインフレは、海外勢にとっては日本資産の「バーゲンセール」を招きかねないとの警戒感も出ている。

<過剰な金融政策への期待>

現在、日本資産を保有している海外勢にとって円安は保有資産の目減りを意味するが、これから買おうとしている場合には、円安はどんどん価格を下げてくれることになる。海外勢の日本株買いに沸くマーケットだが、「円安は日本の資産価格を押し下げ、海外勢にとって日本のバーゲンセールが始まったことを意味する」(東海東京証券のチーフエコノミスト、斎藤満氏)と警戒する声も少なくない。

日本のGDP(国内総生産)の約13%を占める輸出型企業にとって円安は恩恵だが、残りの87%にとっては原油高、商品高などコスト増につながる。円安政策を進める安倍政権は国内の13%に配慮して政策運営をしているともいえ、マーケットからは「安倍政権は円安になれば全ての問題が解決するという誤った確信のもとに政策を組んでいる」(国内機関投資家)との批判も出ている。

安倍政権では、金融政策に過剰とも言える期待が目立つ。安倍晋三首相は11日午前、緊急経済対策の決定を受けて記者会見し、「長引くデフレ・円高からの脱却が決定的に重要だ」と指摘。金融政策について「デフレ・円高脱却には、政府・日銀の連携による大胆な金融政策が不可欠だ」と述べ、日銀に金融政策での対応を求めた。

しかし、名目金利がゼロ近辺にまで低下するなか、金融政策に景気を後押しする力はほとんど残っていないとの見方も多い。「金融政策には、ブレーキコントロール(景気過熱の制御)の機能は備わっているが、アクセルをふかす機能はない」(斎藤氏)。

需要を掘り起こすのは本来、財政政策の役割だが、この日決定された緊急経済対策は旧態依然とした公共事業が目立った。過去20年の日本では、公共事業に傾斜した景気対策は一時的に景気を押し上げるものの、一時的な景気回復による税収増では借金をカバーしきれないため、結果として将来に負担を残してきた。

需要が乏しいなかで、積極的な金融緩和を実施しても、供給されたマネーが実体経済をけん引する「生きガネ」にはならず、「金融村と債務を発行する財務省の間でぐるぐる回るだけの構造は、日本のみならず欧米諸国も直面する問題だ」とマーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表、金融・貴金属アナリストの亀井幸一郎氏は述べる。

<モメンタムだけの円安>

過去1年半の間ドル/円はほぼ70円台後半の狭い値幅で推移し、「いわば手垢がついていない通貨ペアだった」と亀井氏は振り返る。だが、日本の総選挙やFOMC議事録など「(円安を構成する」ジグゾーパズルのピースが集まったことで投機の対象として躍り出て、実需を伴わない、モメンタムだけの円安が進行している」という。

こうした円安トレンドは少なからぬ参加者から、調整があってしかるべきと見られているが、これまではほぼ一本調子の基調が続いており、「円売りの潮流にに乗らないと損をする」(外銀)状況が継続している。

ただ、為替はあくまで2カ国通貨の相対的なレートだ。2期目に入ったオバマ政権は輸出促進政策を引き続き掲げるとみられており、日本が今後も円安政策を基軸に据えた政策を続ければ、国際舞台でも批判を浴びかねない。日銀が無謀なアセット拡大を進めれば、国内外で証券バブルを助長し、資産インフレのリスクを拡大するという副作用が出る可能性もある。

日銀は21、22日に開く金融政策決定会合で物価目標を1%から2%に引き上げるとともに追加の金融緩和措置を検討する見通しだが、その後、米国の財政の崖や米国債の格下げ問題などが浮上すれば、「今月末から来月にかけて、材料出尽くしで調整する可能性がある」(亀井氏)という。

<インフレは善か>

デフレ脱却を最優先課題に掲げる安倍政権では物価上昇が「善」であるとの認識がまかり通っているようにみえる。

しかし、「インフレで実質的なメリットを受けるのは債務返済負担が軽減する政府と借金のある企業だけだ。一般国民にとってのインフレは、政府への所得移転を表し、増税と同じ効果をもたらす」と前出の斎藤氏は警鐘を鳴らす。

景気拡大の結果として物価が上昇するのであれば問題ないが、経済が良くならずに物価だけが上昇すればスタグフレーションのリスクも高まる。

「初めから物価上昇率だけを目標にするのはスタグフレーションになっても良いということで本末転倒だ。さらに、物価押し上げの道具として為替レート(円安)を使うのだとすれば、ボタンの掛け違いも甚く、危険を伴う政策である」(機関投資家)と、「アベノミクス」を一見歓迎しているようにみえる市場でも警戒感を示す参加者は少なくない。

(ロイターニュース 森佳子 編集:伊賀大記)
「緊急経済対策」で、安倍政権は事業規模で20兆円の補正予算を打ち出した。
安倍政権は日本銀行に2%の物価上昇率目標を設定するよう求め、日銀は1月日の金融政策決定会合で目標を設定するとのことで円安・株高が加速し、市場は「安倍バブル」にわいている。
金融政策だけで2%のインフレを起こすには、長期国債などを買って、通貨が市中に出て行くことが必要だ。日銀の保有する国債残高は100兆円を超えたが、200兆円以上にする必要がある。
市場に大量の通貨が供給されても2%のインフレは起こらない。かつての量的緩和では、国内の設備投資等に向かわずゼロ金利の円を借りて米ドルを買う「円キャリートレード」が増えて、アメリカの住宅バブルの原因になっただけだった。
ゼロ金利で有効なマクロ経済政策は、民間に需要がない分、ケインズ的な財政支出を行い政府が需要を喚起する必要がある。政府債務が増える効果だけは確実だが、GDPはゼロ成長で、デフレも変わらない。
円安による競争力の回復で国内に工場が回帰して企業が借金をして設備投資をするかどうかがアベノミックスの明暗を分ける。雇用が増加、株高土地高による景気の回復をすればアベノミックスは成功となるのだが、民間需要が回復しなければ単なるばら撒き政策で終わってしまう。
今回のアベノミックスは、かつての自民党政権時代のばら撒きと違うのは、財政破綻のリスクが切迫している点だ。国債が国内で消化されているうちは、今すぐ何かが起こることはないだろう。しかし、長期金利が上がり始めたら日銀が止めることはできない。今回のアベノミックスが不発に終われば財政破綻を早めるだけになる。
日銀が国債を引き受け、大量に通貨を発行することによって激しいインフレが起き、国債が暴落して、今のユーロ圏のように銀行が大量に破綻する可能性も考慮すべきことです。最悪、韓国のようにIMFの支援を求める可能性すらある。
インフレは怖いがアベノミックスをしないでずっとデフレを放置しても日本は衰退していく一方である。ここは、アベノミックスに賭けようではないか、伊勢神宮の式年遷宮に重なるのはけっして偶然じゃない。日本は神の国であり、神の加護があると私は信じたい。
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米高所得者層へ20年ぶりの増税-「財政の崖」回避法案の概要


米議会で「財政の崖」を回避するための法案が可決された結果、富裕層への実質的な増税が20年ぶりに実施される。
大半の米国民の所得については、現行税率が恒久的に据え置かれる一方で、年収40万ドル(約3480万円)超の個人または同45万ドル超の世帯に対する税率は35%から39.6%に引き上げられる。
さらに富裕層の納税者を対象に、キャピタルゲイン課税、配当税、遺産税も引き上げられる。
上院ですでに可決されていた法案は1日深夜、下院でも可決。ただ、共和党の下院議員に一部からは歳出削減策が十分に盛り込まれていないとの不満も噴出した。また、オバマ大統領の署名で成立する最終法案が上下院で可決されたものと全く同じになるとは限らない。
可決された法案によると、給与から天引きされ社会保障費に充てられる給与税の従業員負担分についても、景気刺激策として実施されてきた減税措置が打ち切られ、税率が4.2%から6.2%に戻される。
ただ、今回の回避法案に盛り込まれた課税変更の大半は富裕層に影響を及ぼすものだ。ワシントンの超党派シンクタンク、タックス・ポリシー・センターのエコノミスト、ロバートン・ウィリアムズ氏によると、増税の90%以上は年収100万ドル以上の世帯が対象になっているという。
アメリカン大学のコゴット・タックス・センターのデーブ・コーター氏は、子供一人の夫婦で年収が100万ドルの場合(25万ドルの項目別税控除前)、税率引き上げなどによる増税で負担が2012年より3万7000ドル増えると試算している。
さらに、投資からの収入や、共働きであったり、子供が2人以上の場合、負担増はさらに多くなるという。
法案にはまた、比較的目立たない増税も含まれている。例えば、2010年に失効した2つの増税が復活し、多くの富裕層がその影響を受けることになる。
その1つは1人当たり平均3800ドルだった所得控除だ。これが今年から世帯所得が30万ドル、個人で25万ドル以上の個人について廃止される。もう1つは、「Pease」条項と呼ばれる複雑な控除で、慈善活動や住宅ローン金利などへの控除が昨年と比べ80%減額される。
一方、数百万人の賃金所得者がすぐに実感するのは、給与税の増加による手取りの目減りだろう。年収11万3700ドル以上の個人の場合、2013年には月々の手取りが200ドル近く減る見込みだ。
2万1000人の給与管理担当者が加入するアメリカン・ペイロール・アソシエーションのマイケル・オトゥール氏によると、様々な要素が複雑に絡み合うため、大統領が法案に署名した後、多くの従業員が今年の手取り給与を正確に知るのは4週間くらい先のことになるという。
長期投資のキャピタルゲイン課税と配当税については、最高税率の対象となる納税者への税率が15%から20%に引き上げられる。ただ、所得税率25%、28%、33%、35%の納税者への税率は15%で据え置かれる。さらに同10%と15%の納税者への税率は引き続きゼロとなる。
代替ミニマム税(AMT)は、数百万の中間所得層が対象にならないように恒久的かつ遡及的な修正が行われる。
遺産税および贈与税は、1人あたり500万ドルという現行の控除の上限額が維持される。ただ、それ以上の額の遺産や贈与への税率は35%から40%に引き上げられる。
70歳半以上の保有するIRA資産からの10万ドルまでの寄付に対する控除も延長される。また教育費に対する所得控除も継続される。 企業に対しては、不動産や設備投資などに投じた費用の最大50%を控除する減価償却の優遇措置を1年間継続する。
とりあえずの暫定的ミニ合意がまとまりました。マーケットは当然ながら安堵し
、世界中で株価が力強く上昇した。ミニ合意といえども米国経済に国内総生産(GDP)比1.5%程度の財政引き締め効果をもたらす。
平均的な世帯の2013年の税負担はざっと1000ドル増える。米国の景気回復にとっては無用の負担だが、致命的ではない。

 今回のミニ合意でひとまず最悪の事態は避けられたが、3月にはもっと大きな崖を控えている、3月1日に期日が訪れる歳出の「強制削減措置」と債務上限を巡る攻防だ。二ヵ月後どんな合意をまとめられるか?予想されることは議会もオバマも馬鹿ではない限りまた乗り越えるとは思うが、今回共和党側が大幅に譲歩したので次はオバマが譲歩すべきと私は思っている。

共和党議員のほとんどの議員は、一切の増税に反対であるとの署名しているアメリカンズ フォー タックス リフォーム」という団体の誓約書にサインした上で選挙を戦っている。保守系の団体などはアメリカンズ フォー タックス リフォーム」の議員か否かで支持不支持を判断しているので、その誓約を曲げたのですから、共和党議員にとっては断腸の思いで妥協したと思う。

3月1日に期日が訪れる歳出の「強制削減措置」と債務上限は膨れ上がる連邦予算の最大部分を占める各種給付制度を廃止すべきだと共和党側は強力に抵抗すると思う。場合によっては米国国債のデフォルトを人質にするとの予測が出ている。

国債デフォルトの引き金を引くのを避けるよう共和党を説得するには、オバマ大統領は高齢者向け公的医療保険制度と社会保障制度を改革するなど合意に向けた提案を行う必要がある。 共和党は、今回の増税に対して3月は妥協しないように見える。残念なことに、オバマ大統領には、共和党に分別をもって行動させる力はない。だが、それこそがまさに大統領が今試みなければならないことだ。オバマが妥協しなければ、3月は米国にとって真に悲惨な事態になる可能性がある。




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日銀は20日、金融政策決定会合を開き、国債など資産買い入れ基金の10兆円増額を決定、追加緩和を決めた。これまでの91兆円から101兆円に増額する。

自民党の安倍晋三総裁が求める前年比上昇率2%の物価目標や、政府との政策協定(アコード)を結ぶかどうかを議論した。特に物価目標の見直しについては、論点などの整理を行ったうえで、来年1月21日~22日の次回の決定会合で改めて検討する。

同日午後、白川方明総裁が記者会見を開き、決定した金融政策の背景を説明する。

大胆な金融緩和を求めていた自民党の安倍総裁に対し、日銀はほぼ“満額回答”でこたえた形となった。金融政策で次期政権と歩調をあわせることで、デフレ脱却への強い意思を明確に示す狙いがある。

追加の金融緩和は、10月30日以来、2カ月ぶりで、今年5回目。輸出や生産の減少などを背景に、日本経済は一段と弱含んでおり、当面はそうした動きが続くとみられるとして、景気の下支えが必要と判断した。 今回の10兆円の基金増額の内訳は、長期国債が5兆円、短期国債が5兆円で、基金の規模は計101兆円となる。金融機関への融資拡大を促す貸し出し増加支援策などを合わせると、資金供給規模は総額120兆円超となる。

政策金利を0~0・1%とする事実上のゼロ金利政策の維持を全会一致で決定した。また、補完当座預金預金制度について、石田浩二審議委員から、超過準備預金への付利を、現在の0.1%から0%に引き下げる議案が提出されたが、反対多数で否決された。

亀岡裕次 大和証券 チーフ為替ストラテジスト

[東京 21日 ロイター] 自民党のリフレ政策期待で始まった円安だが、その要因は政府・日銀のデフレ・円高対策だけにとどまらない。2013年の為替相場は、円安トレンドを形成していくものと予想される。主な理由は、リスク許容度の上昇、内外金利差の拡大、欧州景気対策の始動、海外への資本流出、ドル円相場の経験則、 の5つである。

リスク許容度は為替相場の基本トレンドを決定づける中心的要因であり、その動向は特に重要だ。リスク許容度を測る指標の1つに、国債利回りから株式益回り(1株当り予想利益/株価)を差し引いたイールド・スプレッドがある。

期待利益成長率が短期的に大きく変化しないとすれば、イールド・スプレッドの上昇は、リスク・プレミアムの低下、つまりリスク許容度の上昇を反映する。今年、米国のイールド・スプレッドは上昇したものの、大幅な上昇ではなかった。なぜなら、株価上昇により株式益回りは低下したが、金融緩和の拡大観測などにより国債利回りも低下したからだ。いわゆる流動性相場で株価も債券価格も上昇し、リスク許容度の上昇は限定的であった。

ただし、株価上昇と金利低下がともに経済にプラスに働き、米国景気は回復基調にある。「財政の崖」への懸念は12年末までに解消されるだろうし、抑制されていた投資や雇用が13年には実行されて景気は回復基調を強めるだろう。また、中国など米国以外の多くの国でも経済指標は市場予想を上回って改善する傾向にあり、金融・財政政策の景気浮揚効果が表れ始めている。リスク許容度が上昇する余地は、まだまだ大きい。

世界的に資産効果と景気回復が相乗作用を及ぼしあうことで、13年は今年以上に景気が回復しやすく、リスク許容度が上昇しやすくなるだろう。そして、リスク選好が強まるなかで、低金利通貨の円の下落基調が強まると考えられる。

<米金融緩和期待の後退が円安に作用へ>

高金利通貨と低金利通貨の強弱関係に影響し、為替相場全体の傾向を左右するのがリスク許容度であるのに対し、個別の為替相場に影響するのが内外金利差などの相対要因である。

13年は内外金利差の拡大(相対的な海外金利上昇)によっても円安になりやすいだろう。今年、海外では利下げの動きが続いたが、利下げ打ち止め観測の台頭する国が増えており、景気回復が明らかになるにつれて市場金利は上昇していくものと見られる。一方、日本では日銀が金融緩和を強化する途上にあり、日本の金利は上がりにくい状況が続くだろう。

米連邦準備理事会(FRB)は、12年末に月額450億ドルのツイストオペ(短期債を売却し、同額の長期債を買い入れるプログラム)を終了後、当初は同額の長期債購入を行うが、円高・ドル安にはなりにくいと見られる。量的緩和強化がリスク選好の円安に作用するうえ、FRBが金融政策の基準とする失業率とインフレ見通しの水準を明示したことで、低金利政策の時間軸が短期化する可能性があるからだ。

14年末までに失業率やインフレ見通しが基準を超えて金融引き締めに動くとの見方が台頭し、13年には米国金利やドル円が上昇することも考えられる。当面はドルのベースマネーの増加ペースが円のそれを上回るとしても、日銀が資産買い入れを大幅に増額するだろうし、FRBが景気回復を見て国債買い入れを減額する可能性もあるので、再び円供給がドル供給を上回るようになるだろう。FRBの追加緩和がドル安に作用すると見るべきではない。

また、日銀が「中長期的な物価安定の目途」を「当面1%」から「2%」近くへと引き上げれば、足元で変化の見られていない日本の期待インフレ率が上昇し、実質金利が低下することも考えられる。もし「目標」に変更すれば、なおさらだ。これに対し、FRBが「長期的なインフレ率のゴール」とする2%水準にすでに達している米国の期待インフレ率は上昇しにくく、景気回復基調が強まるにつれて金融緩和期待の後退とともに実質金利が上昇しやすい。相対的な日本の実質金利低下も円安に作用するだろう。

(略)

ただし、それでも欧州景気の減速は続いている。なぜなら、欧州各国が財政赤字を縮小させるために財政緊縮策をとってきたからだ。過度の財政緊縮で重債務国の景気が後退し、それが波及して相対的に強いドイツ経済さえも減速している。スペインなどの国債利回りが低下すると、質への逃避が減ってドイツの国債利回りは上昇しやすいが、最近は同国の金利上昇が鈍い。景気減速が原因だろう。

緊縮策が景気後退を招き財政赤字も減らないリスクが出てきたので、欧州には景気安定化のために財政緊縮を緩和する動きが生まれ始めた。ギリシャ財政収支の目標達成期限を14年から16年へと2年延長することで欧州各国が合意したが、今後は財政赤字削減の猶予がスペインやイタリアなどにも広がる可能性があり、財政赤字がすでに小さくなったドイツなどでは減税実施も考えられる。13年は欧州の財政緊縮緩和が欧州景気の安定化を通じて世界景気の回復を後押しし、リスク選好の円安に働くだろう。

<米大統領選の翌年は円安が最も進みやすい>

日本から海外への資本流出増加も、円安要因となっている。第一には、経常収支の悪化である。その原因である貿易収支の悪化は、価格変動を除いた実質貿易収支の悪化と、交易条件(輸出価格/輸入価格)の悪化の両面から起きている。長期トレンドで見て日本の貿易収支を悪化させている主因は交易条件の悪化であり、新興国の台頭が製品などの輸出価格の低下圧力を強める一方で、資源などの輸入価格の上昇圧力を強めている。輸出回復で短期的に貿易収支が改善することはあっても、長期的に貿易収支が改善傾向に転じることは難しいだろう。

第二に、資本収支の赤字化も円安要因である。資本収支は12年初めにかけて黒字化し、経常収支の悪化を相殺して余りある円高効果を及ぼしていたが、その後は再び赤字化している。対外証券投資が拡大するなどして、証券投資収支の黒字が解消したことが主因である。海外への資本流出と円安は相乗作用を及ぼしながら連動する。円安を見込んで資本流出が拡大し、そのことが円安を後押しする可能性がある。

為替相場の変動パターンからしても、13年は円安が進みそうである。過去、ドル円が前年の陰線(年初より年末のほうがドル安・円高)の後、前年安値を顕著には下回らずに陽線(年初より年末のほうがドル高・円安)となった1988年、2000年、05年は、翌年にドル高・円安がさらに進んだ。そのうち、前年に比べて年間変動率が小さくなった88年と2000年は、翌年の年間変動率が拡大した。

12年は前年のドル安値を下回らず、始値よりも高い水準で終えようとしており、年間変動率は10.6%と前年の11.7%を下回る。つまり、88年と2000年のケースに該当するわけで、来年はドル高・円安が進み、年間変動率は大きくなる可能性が高い。

なお、88年、2000年、12年は、いずれも米大統領選挙の年であり、12年間隔になっている。4年周期では米大統領選挙の翌年が最もドル円が上昇しやすいこともあり、13年はなおさら円安の可能性が高い。

円はリスク選好下で最も売られやすい通貨であり、日本は低金利かつ金利上昇も見込みにくいため、円全面安の展開が予想される。13年中にドルは90円、ユーロは120円に達する可能性が高い。円安はまだ始まったばかりと見るべきだろう。
安倍次期総理の経済政策は非常に難しい綱渡りである。
安倍次期総理が目指すリフレ政策(日銀の金融緩和と10兆円の補正予算)では、自民党政権時代からの繰り返しで慢性的に不足している需要を喚起することは難しくデフレ脱却は難しい。リフレ国債の相場が崩れるおそれがある。これは悪い金利上昇を引き起こし、国債の暴落をもたらしデフレからは脱却するが悪性のインフレとなり最悪はスタグフレーションに落ち込むという意見。これは多く「の経済学者やアナリストがアベノミックスを批判する
インフレのメリットは、実質金利や実質賃金が下がって企業の調整が楽になる。だが、企業の利益は増えるかもしれないが、財政が破綻して日本経済が崩壊するリスクがある。
期せずして、笹子トンネル天井板崩落事故が発生し思い知らされてしまったが、日本では1960年代以降、社会インフラの整備が急速に進んだため、今後はそれらの更新が焦眉の急である。
マーケットは安倍次期総理の政策を評価している。米国は21世紀の冷戦相手中国に勝利するため、20世紀対ソ連の冷戦に勝利するため日本経済を復活させるため1ドル360円の超円安政策と日本にマーケットを開放して日本経済を復興させてくれた。
対中戦略から日本経済を復興する必要である。日本のエレクトロニクスメーカーはじめ日本経済を困難に陥れた原因が円高だということにも気付いており、円高是正に理解を示している。
安倍リフレ政策への期待は、大いなる円安、株高に現れている。だが経済学の教科書ではありえないことだが、10年国債は買われ長期金利が下がっている!!!
教科書では株が上がれば債権が売られ長期金利は上昇するはずだがこれは僥倖かもしれない。物価が上昇して金利が上昇すれば国債が暴落して財政が破綻してしまうのだが、この現象はアベノミックス成功の鍵かもしれない。
1930年代大恐慌後日本の高橋是清がリフレ政策(金本位制の放棄・管理通貨制度の導入、通貨安誘導、日銀による国債引き受け)を実施された。日本の株価は2倍に上昇するV字型回復、さらには不動産価格も上昇した。1936年の軍部のクーデター、2.26事件で、高橋大臣が暗殺されるまで、日本経済は好景気が続いた。高橋リフレ政策は成功し日本の経済を復興させた。日本経済の回復が米国のニューディール政策に先行していた。
アベノミックスは円安 ⇒ 株価の上昇 ⇒ 輸出企業の復活⇒日本経済の復興をもたらす可能性があると思います。
ただし、円安になった時円高で競争力をつけた新興国企業を徹底的に叩き潰せる製品をマーケットに日本企業は送り出せるか否か、ここが21世紀日本が豊かな社会を維持できるかどうかの別れ道だ。

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2003~5年頃チャイナコンセンサスというものがマーケットで囁かれていた。
中国の成長は2008年の北京オリンピックまで、続いていても2010年上海万博まで・・・2012年までには中国から資金は引き上げようというものだ。

まさにチャイナコンセンサス通りの展開である。

中国の成長の原動力は貿易・設備・不動産投資だが、不動産バブルは崩壊し、
ヨーロッパの経済混乱は貿易を直撃している。国内投資の低迷で内需が伸びていない。中国経済の成長見通しはクレディースイスの予測では12年7・7%、13年7・9 %の予想である。

「中国経済の奇跡」の終焉を意味する。不動産投資と輸出に支えられた高度成長の時代は、中国でも終わってしまったのだ。

NEWSWEEK2012年7月18日号(7/11発売)より

 多くのベテラン観測筋の見るところ、中国経済の減速は当然のことだ。この10年、世銀やIMF(国際通貨基金)、主要な貿易相手国などはこぞって、国家主導の開発モデルから脱皮するよう中国に警告してきた、設備・不動産投資と輸出頼みの成長では、個人消費が犠牲にされる。国策事業に集中的に資金を投じれば、民間部門は締め出され、資金が浪費され、平均的な世帯の所得が伸びず、結果として購買力は伸びない。

こうした成長戦略が貿易摩擦を招くのもほぼ確実だった。設備投資が急速に伸びれば生産能力が過剰となり、メーカーはだぶつく在庫を採算度外視で輸出せざるを得ないからだ。

残念ながら、中国政府はこうした驚告に耳を貸さなかった。
中国モデルの見掛けの成功に浮かれ、よりバランスの取れた持続的な成長に移行させる努力怠り、経済のゆがみを是正するというリップサービスを繰り返すばかりだった。

過去10年のマクロ経済指標を見ると、2004年以降GDPに占める設備・不動産投資の割合は毎年40%を上回ってきた、同時期の個人消費はGDPの約35%にすぎず、上要国中では最低たった(アメリカは70%)。

一方で、貿易収支の大幅な黒字に支えられた国際収支の黒字はGDPの人きな割合を占めてきた、07年と08年には、貿易黒字がGDPの8%と9%を占めていた、だが欧米で中国製品への需要が減り、国内で人件費と原材料コストがヒがるなか、今やGDPに占める貿易黒字の割合は2%足らずだ。

中国政府は最悪のタイミングで成長の鈍化という伏兵に襲われた格好だ。中国共産党は今、指導部の世代交代の真っただ中、共産党の支配は盤石と思われが
ちだが、実際は上層部には派閥があり、絶えず綱引きが繰り広げられていて、それが政策決定の手足を縛っている。

政権を去る旧世代は、自分たちの歴史的評価を高めるためにも「高度成長よ、もう一度」の夢を追って大盤振る舞いをしたがる。だが、そんなことをすれば借金が膨れ上がるだけだから、次世代の指導者たちは反発する。

今の中国経済が抱える問題のかなりの部分は、政府が09~10年に行った途方もない景気刺激策に由来している。

08年秋の世界金融危機を受けて、中国政府は2年余りで4兆元(約6000億ドル)の財政支出に加え、新規貸し出しの資金として銀行に12兆元(約1兆9000万ドル)を注入した。総額16兆元は、GDPの35%に匹敵する。おかげで中国経済は急浮上し、中国政府は当時、世界中から絶賛された。

だがその資金の大部分は設備投資や不動産投資に流れた。これが不動産バブルを招き、インフレが起き、銀行には不良債権が積みあがった。しかし一般家庭への恩恵はなく、国内消費はほとんど増えていない。

この大盤振る舞いのせいで、中国政府は今、苦しい選択を迫られている。
てっとり早いのは、財政支出と政府主導の投資で成長を加速させるという過去の過ちを繰り返すことだ。国有企業や地方政府、政界に強力なコネを持つ不動産業者などは、これでひと息つける。国有企業はタダ同然の資金で一段と規模を拡大できるし、地方政府は今までどおり無用の箱ものを建てられる、不動産業者は潤い借金を借り換えて、当面の破綻を回避できる。

だが、この選択肢の代償は明白だ、短期的には人為的に成長率を引き下げることができるが、再び破綻するのは目に見えている。

一方でさらなる不良債権が積みあがる。 現在、政府の公的債務残高はGDPの70~80%前後と推定されている。1人当たりの年間所得が5000ドルほどにすぎず
しかも急速に高齢化が進んでいることを考えれば、中国政府がこれ以上の借金を抱え込む余裕はあまりない。

もうひとつの選択肢は、もっと大胆で市場重視の政策を打ち出すことだ、国有企業や地方政府ではなく、消費行の懐に直接、使える資金をつぎ込むのだ。 

例えば、低所得層に食料など生活必需品の割引券や引換券を配布すれば、すぐにでも消費の拡大を図れるだろう。減税によって国民の実質所得を増やす手もある。

借金まみれの不動産開発業者を倒産させ、その持ち物件を没収して、中・低所得層向けに安く売り出すのもいい。そうすればバブルの「ガス抜き」になるし、不動産価格の高騰に苦るしむ都市部住民の住宅難解消にもつながるから一石二鳥だ。

中国政府はどちらの道を選ぶだろうか。1つ目の選択肢は、経済的には悲劇だが政治的には痛みが少ない。長期の繁栄は犠牲になるが、国を支配するエリート層とその支持は体には当座の恩恵がもたらされるからだ。

経済的に理にかなうのは2つ目の選択肢だ。だが支配層の独占してきた富を国民に分け与えることになるから、政治的には実行しにくい。北京の共産党本部には今も「国民に奉仕せよ」のスローガンが掲げてあるが、党幹部が何よりもまず自分たちの利益を優先していることは周知の事実だ。 




さて、中国が金融緩和を行い、現在の局面を乗り越え、奇跡的に経済回復したとしても中長期的には絶望的だ。

 かって若くて安価な無限の労働力が中国の強みであった。中国は賃金が高騰し人口構造も急速に高齢化社会へに向かい日本以上の超高齢化社会へ向かいつつある。

年金や医療保険制度がない中国では外国に逃げる事ができない庶民は貯蓄に励み、日本以上に資金が循環しない社会になりつつある。

過去10年以上にわたって中国経済の推進力となってきた輸出は欧州の需要が急減し人件費が高騰し競争力を失いつつある。欧州の経済危機は意図的である可能性も考えられるが、リーマンショック後の世界は世界経済の日本化であり、さらなる成長は期待できない。

投資と輸出に頼る中国の成長モデルはもはや通用しない。 近代的な空港や高速鉄道などへの公的投資は、大部分が高額過ぎるか中国高速鉄道事故のように、手抜の無駄だらけだった。


投資の財源を調達するために課税を強化してきたから、個人消費が犠牲になった。割安な通貨と安い労働力を武器に輸出を増やす成長モデルを続けるのは、今や外交的にも経済的にも難しい。

中国がもはや奇跡の高度成長を持続する事は難しい。となれば中国4000年の歴史の法則に従うならば、統一国家=一つの王朝が地方の反乱や、宗教団体の反乱で滅亡し、統一国家が解体していった歴史を繰り返す可能性がある。

中国共産党王朝はその中国の歴史を繰り返さない為に8%成長を必死で維持してきた。だが、貧富の格差、共産党の腐敗、失業者の増加、社会保障の不備、地に堕ちた道徳などもはや中国国内には革命に向かうルサンチマンが十分に溜っている。

ちなみに、革命や戦争は太陽黒点が増加し最大値の頃発生してきた。昨年太陽黒点がゼロであったが2012年は極大期となる年である。巨大な黒点ができつつあるが、流石に今年中国が崩壊する革命は起きそうもない。

ちなみに、1917年11月7日のロシア革命(十月革命)により成立したソビエト連邦は、74年後の1991年12月25日に崩壊した1949年に共産主義政党による一党独裁国家である中華人民共和国を樹立したのでその74年後は、74+1949=2023!太陽黒点極大期周期で11年後次の極大期2012+11=2023!

2023年中国共産党崩壊の年となる可能性を指摘しよう!

太陽黒点数は、2500年ごとに、ほとんどゼロになる時期が来る。BC3300年頃から始まった都市革命、BC800年頃から始まった精神革命、1700年頃から始まった科学革命は、いずれも2500年周期の谷で起きた革命なのである。都市革命は、世界各地に四大文明を生み出した。精神革命は、イスラエル、ギリシャ、インド、中国に、今日でも古典として賞賛されている高度な哲学や宗教を生み出した。科学革命は、ヨーロッパに、近代科学と技術革新に基づく資本主義を生み出した。こうした人類の歴史を画期する重要な出来事が、気候の寒冷期、すなわち危機的状況で現れることは興味深い。逆に山に相当する温暖期、例えば中世温暖期では、生活が安定するがゆえに、革命やイノベーションは起きにくくなる


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2012/4/21 6:24
【ワシントン=岩本昌子】国際通貨基金(IMF)は20日、加盟国が表明した追加資金拠出がこれまでに総額4300億ドル(約35兆円)を超えたことを発表した。各国からの拠出額の内訳を公表した。日本は600億ドル(約5兆円)を拠出し、欧州圏(約2000億ドル)を除いた単独国では今のところ最高額となっている。

韓国、サウジアラビア、英国が次いで多く、各150億ドル。その他、スウェーデン、オーストラリアなど13の国と経済圏の拠出額を示した。IMFのラガルド専務理事は「この4300億ドルでIMFの貸し出し能力は約2倍になった」と歓迎。拠出国に謝意を表すと共に、「今後さらに幅広い加盟国から協力が得られることを期待している」と述べた。この4300億ドルには、中国、ロシア、ブラジル、インド、インドネシア、マレーシア、タイなど追加拠出に加わる意志を示している新興国からの拠出も含まれているが、具体的な額面は示されなかった。
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安住少年のドヤ顔を見ていると、どうしようもないくらいに情けない・・・
別に安住がIMFの追加拠出を英断したのではない。野田同様安住財務相はただの財務省のシャッポにすぎないのだ・・・。

消費税を上げるは、財務省の出先機関であるIMFの増資にはホイホイ資金を拠出・・・で、この国は財務省の為に存在しているかのようだ。

確かIMFは昨年末の報告書で日本の財政赤字は主要国中、最悪の水準で、破綻を避けるために、2015年までに消費税を10%にアップし、2020年までに16%にしなければならない言っていたではないか!

それどころか・・・先週のニュースでは・・・
【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のコタレリ財政局長は17日記者会見し、先進国の財政赤字は各国の政策対応によって「6カ月前に比べて減少している」とし、財政再建の進展を評価した。ただ、IMFが同日発表した財政監視報告書は、日本については「財政再建策の実行は遅れている」と指摘、消費税を2015年10月に10%に引き上げる現在の法案を超える一段の増税が必要となると指摘した。(2012/04/18-01:25)
財政破綻してしまうから消費税を増税しろと日本に注文をつけたIMFが、日本から、 600億ドルも拠出を受け入れるのは論理的にも倫理的におかしくないだろうか?IMFのロジックは矛盾している、どう考えても理屈に合わない!

メディアもIMFの拠出金の出所をしっかり報道しないものだから、頭が悪い陰謀論者や反米主義者達は、IMFを通じて日本の国富を米国が搾り取っているといった間違ったヒステリックな投稿が目立つ。まあ、相変わらず馬鹿だと思うだけだが・・・

私にはIMFによって財務省が操られているのではなく、IMFが発言する内容はすべて財務官僚の論理であって、IMFと日本の財務官僚は共謀して日本とを好き勝手をしているようにしか見えない。

ちなみにIMFの篠原尚之・副専務理事は、元財務官僚である。日本がIMFに600億ドル拠出したり、消費税を引き上げるは、財務官僚にとっては省益にかなっているようだ。

ネットで調べると、頭が悪い陰謀論者や反米論者さん達は

嗚呼【株式日記と経済展望】のTORAさんも焼きが回ったものだ・・・。昔は毎日欠かさず読み尊敬していたのだが・・・IMFに拠出する600億ドルは日本政府が持っている外貨です。
600億ドルは日銀砲で溜め込んだドルをまわすだけなので、国民が新たな負担を負うのではない。元をただせば国民より集めた血税かもしれませんが、新たに日本国民から日本円で集めた税金ではない。

官邸も新聞社もこぞって「消費増税」に命をかける、そのウラとは?


悪質なプロパガンダ

(略)

江田 だいたい大飯原発の再稼働が議論になるのは半年以上も前からわかっていた。それを今ごろになってドタバタしている。被災地のガレキの広域処理も昨年夏に法律ができたのに放っておいた。この政権はぎりぎりまで追い詰められた末に、仕方ないから手をつけるんです。

高橋 それはね、野田さんの頭が消費増税のことで一杯だからですよ。江田さんの本の題名通り、「財務省のマインドコントロール」が見事に効いている。

江田 情けない限りですね。消費増税でまず私が野田さんに言いたいのは、増税したら増収になると思い込んでいることの愚かさです。たとえば'97年に、橋本龍太郎内閣で消費税を3%から5%に引き上げましたけど、このときの国税収入は54兆円だった。その後いまに至るまで、この税収総額を一度たりとも上回っておらず、現在は42兆円ですよ。増税イコール増収ではなく、逆に減ってしまった。これが歴史の真実です。

高橋 だから、いまやるべきはデフレから脱却して経済を成長させ、それによって税収を増やすことなんですよ。増税は景気の足を引っ張るんですから。

江田 だいいち、
1000 兆円もの国の借金を増税で返していけるはずがない。単純に計算すると消費税400%分ですよ。だから、5%増税なんて「焼け石に水」です。つまり、1000 兆円の借金を持続的に返していくには経済成長するしかないわけです。

高橋 借金が1000兆円もあるというのも、財務省の巧妙な洗脳ですしね。

)が1100兆円もあるけど、資産も800兆円近くあるんです。ですから、純債務はざっと300兆円。トヨタだって12兆円の負債がありますが、同時に30兆円の資産があるし、ソニーだって1兆円強の負債に対して13兆円の資産がある(いずれも’10年度末)。ところが、財務省は資産のことには口をつぐんで、「GDPの2倍も借金がある」と騒いでいる。

高橋 純債務で見ればGDP比は70%程度ですから、財務省は意図的にミスリーディングしているんです。

江田 予算委員会でこれについて質問したんですよ。「野田さんは所信表明演説で、いま生まれてくる赤ちゃんはみんな700万円の借金を背負っていると言われたが、同時にその子は500万円の預金通帳を持って生まれてくるんですよ」と。そしたら安住淳財務大臣が何と言ったか。「いや、赤ちゃんは預金通帳を持てませんから」って(笑)。

高橋 アズミンらしいね。

江田 もう笑うしかなくて、それで質問するのもアホらしくなってしまった。

資産の話を続けると、日本の海外資産は252兆円で、これは世界最大。それから個人金融資産は1500兆円弱ですけど、国や企業が持っている金融資産を全部合わせると5600兆円にのぼる。さらに経常収支は17兆円の黒字で、外貨準備高はどんどん膨れて、いまや100兆円ですよ。

これだけのファンダメンタルズがありながら、財務省は増税しないと国家破綻するかのようなプロパガンダをする。本当に悪質です。

高橋 同感です。中でも酷いのが、消費税を上げれば景気が良くなるというデマ。集めた税金を国が上手に使うから経済が活性化するというんですが、いままでの失敗を棚に上げてどの口が言うんだか。ところが野田さんをはじめ、増税推進派の政治家はこのデマを信じ込んでいる。財務省のマインドコントロールここに極まれり、ですね。

江田 では、なぜ財務省が増税したがっているかというと、端的に言えば、かつての栄華をもう一度ということだと思う。つまり、自分たちの差配するおカネを増やして権限を強めたい、天下り先も増やしたいと。

しかも厄介なことに、財務官僚がそうやって財務省支配を強化することは日本のためになると本気で思い込んでいる。なにしろ受験競争で勝ってきただけの、世間知らず、KY連中の集まりだから、本気でそう思っている。これが実に始末が悪い。この分析、どうですか、財務省OBの高橋さんとしては。

高橋 図星だと思いますよ(笑)。だって、財務官僚は「我ら富士山、他は並びの山」って、入省したら最初に教え込まれるんですから。実際、財務省の課長は他省の局長を平気で呼びつける。課長が受ける接待も、よその局長並み。ランクが1段違っていて、それが当然だと思っていますよ。

江田 予算折衝の時なんか主計局次長が他省の事務次官を呼び出すんだから、2ランク差ですよ。加えて、財務官僚が普段つきあう相手は役人ばかり。経産省なら民間企業の人と会う機会も多いけど、財務官僚は他省の役人が持ってきた予算をぶった切るのが仕事だからね。そういう連中に、これからの日本の将来を切りひらくイノベーティブな政策を立案しろというのは、どだい無理な話なんですよ。

高橋 本来、国の財務をあずかる者はマクロ経済に通じているべきですが、財務省はほぼ全員が「アホウ(法)学部」出身だから、経済はもちろん、数学なんてチンプンカンプン。権力にあぐらをかいているだけの連中ばかりですよ。

江田 しかも彼らは、自分たちの論理を官邸や他の省庁にまで押し通そうとする。私が役所にいたころも、翌年の経済成長率の予測値をめぐって、いつも財務省とケンカになるわけ。結局、経企庁が双方の中間をとって決めるんだけど、とにかく財務省は経済成長率を低め低めにしたがる。高くすると、達成するのに財政出動が必要になるからイヤなんですよ。基本的に財務省は経済成長が嫌いなんだ。

高橋 それはこういう理屈なんですよ。経済成長率を高く見積もると、税収も増える計算になるから、よその省庁からもっとよこせという要求が強まる。これを避けたいんです。財務省としては、限られたおカネを配ることで力を見せつけたい。もしも予想より税収が増えたら補正予算を組み、追加でバラまくことで恩を着せるわけです。これが基本スタンス。そのためには経済成長率が高めだと具合が悪い。そういうケチな話でしてね。

江田 年度末になると、決まって埋蔵金が出てくるのも、同じ理屈ですね。

高橋 そう。カネがない、ないと言っておいて、いよいよ出さざるを得ないとなると、恩着せがましくカネを出す。「恩着せがましく」というのがポイント。

江田 そうやって自分たちの権力を高めていく、と。

高橋 他の役所に恩を売り、その見返りとして、特殊法人ができるとそこのポストをひとつもらう。それで財務省は、すべての省庁の特殊法人に天下りしているわけ。要するに財務省がやっていることは、国家財政の私物化ですよ。

江田 さらに財務省支配は
IMF (国際通貨基金)にも及んでいて、あそこの副専務理事のポストは昔から日本の財務官僚が就くことになっている。つまり、財務官僚の意向がワシントンのIMF を通して日本に通達されるという仕組み。日本は外圧に弱いから、財務省はそれをうまく利用して日本をコントロールしているわけですね。

高橋 江田さん、IMF本部の理事室に行ったことあります? 私は官僚時代によく行きましたが、あそこは日本語が公用語なんです。スタッフは全員が財務省からの出向だから、受付で「ハロー」と挨拶する以外は、日本語でOK

江田 えぇ~、そうなの?

高橋 だから日本人記者にとっては重宝なんです。日本語で取材できるし、IMFの分厚い資料を要約した日本語訳まで用意してくれる。で、財務省のポチが生まれるという寸法です。

日銀には外貨準備金として積みあがってる 政府短期証券があり、ドルのままIMFに出資するので、日本はIMFに出資するのは容易なのだが・・・今回のIMFへの出資が可能なのであるから、消費税を上げないと日本がギリシャになるなんて論理は矛盾に満ちていることは明確である!週刊現代の記事にもあるように、財務省のマインドコントロールにマスコミも国民も早く気がつけよ!と言いたい。



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明石散人さんの本で図書館で読んだっきりの本を買い揃え手元に置きたくなった。
まずは本書、いや改めて読み直したが面白い。

以前人口減少社会をポジティブに考える文書を読んで感心したのだが・・・誰が書いたか忘れていた。明石散人さんが2003年に書かれたこの本の序章だったことを発見した!

p11-19
イラク戦争にしても、ブッシュ大統領の真の狙いがイラクの石油ではないという認識を持つことが、イラク問題を考える上での基本中の基本である。

イラクは世界第二位の埋蔵量を持つといわれるが、千百億バレル(二百六十兆円)ほどで、日本のGDPの〇・五年分、アメリカの〇・二年分に過ぎない。サンドオイルも含めればアメリカの実質埋蔵量の方が遥かに多いとの説もあるくらいで、イラクの石油欲しさで戦争を仕掛けた、こんなのは全く誤った視方で本当の狙いは別ものである。

ブッシュはフセインを倒す大義を手に入れるために、安保理で国連決議が可決される必要があったから、安保理規定の九票を確保するために、あと八票をどうしても取りたかったとされているがこの分析も正しくない。

何故かといえば、アメリカが八票確保したとしても、フランス、ロシア、中国のどこかが拒否権を行使すればヽ決議案は成立しないからだ。そう考えていくと、ブッシュは三つの国のいずれかに拒否権を出させるために、どうしても八力国の票を押さえたかったという結論に至る。

例えば、フランスが拒否権を行使すれば、ロシア、ドイツ、中国はもちろん中東アラブ諸国やアフリカの一部もフランス側に加担し、独仏露中、中東アラブ、アフリカという縦の経度軸上に一大勢力が生まれてしまう。

これは拡大ユーロ圏でもある。また、常任理事国のフランス、ロシア、中国から拒否権というカードが切られれば、ブッシュは直ちに国際連合を脱退し、と同時に小泉・日本とフレア・英国も脱退、当然、カナダ、スペイン、オーストラリア、インド、中南米などが同調して、GDP合計で世界の六十五パーセントを占める「国際同盟」が結成される。

こうして、新しく世界に国際同盟=六五対国際連合=三五の対立構造が出現してしまう。つまり、ブッシュの真の狙いは、東西冷戦に変わって経度軸と緯度軸の争いという新たな冷戦構造を作り出すことなのだ。

ところが、シリア以外の非常任理事国の票、特にアフリカの三票などは、大援助国アメリカ、ロシア、フランス、ドイツの今後のODA次第でどちらに転んでもおかしくないと揶揄されたり、石油利権を握るメジャーがバックにつくブッシュはイラクの原油だけが目当てだと断定されたり、そうした下らない話を各国のメディアが垂れ流すことによって、アメリカは八票の支持票を確保できず、安保理決議の舞台から降りてしまった。

国際連合を脱退し損ねたことが……、ブッシュの最大の誤算だったのである。

そもそもアメリカがこれほどまでの強大な国になり今日の繁栄を築くことが出来た原因は、第二次世界大戦後の米ソ冷戦構造の存在にこそあった。

宇宙開発競争の名のもとにアポロ計画を進める六〇年代のNASAが国家級の予算を引っ張れたのも、軍拡競争で巨大な車産共同体を築き西側諸国を束ねていけたのも、恐るべき敵と対峙しているという理由がいつでも持ち出せた冷戦時代であったからに他ならない。

経済の世界では、六五対三五は一時期のトヨタと日産のようなもので、長期間それなりの均衡状態を保つことが出来る。従って、日米英印の新しい国際同盟と、仏露独中を中心とする旧来の国際連合の対立構造は米ソの冷戦よりさらに強烈なインパクトを持ち、日米英は向こう五十年間商売が成り立つし、系列の同盟国にも五十年間の繁栄がもたらされる。このブッシュの構想にフレアと小泉は乗ったのだ。

国連決議など無視してもイラク戦争を実行したブッシュが、たかだか八票を取るためにあれほど遮二無二なったのは何故か、何か特別な理由があっだのではないか、この視点から考察してゆけば、ブッシュの本当の狙いは自ずから視えてくる。

電光石火の北朝鮮外交をやってのけ、自民党の守旧派を抵抗勢力とまで切って捨てた小泉が、なぜイラク戦争にはただひたすら沈黙したのかという謎も説明がつく。

イラク戦争に関する小泉の答弁は非常に難解で哲学的でさえあった。
しかし、彼の答弁の主文は常に「アメリカとの同盟」であり、この同盟の二文字が示唆するものが何かを感じ取らなければ、小泉の真の心内は読み解けない。

同様に、フレアが英国民による史上最大級の反戦デモの際にイラク参戦の説明ができず、「フセインなき世界の実現こそ人道的」などと苦し紛れの抗弁に終始したことも頷ける。

米主導の国際同盟構想を支える日英両国は口が裂けてもこの秘密を漏らすことはできなかったのだ。国際同盟構想が破綻した今、アメリカはもうイラクのことなどどうでも良いと想っている。

アメリカがイラクから引かないのは、国際同盟構想に乗った日英に対してのメンツだけなのだ。

また、今の日本は未曾有の不景気といわれるが、資本主義経済は規則正しく六十年で一巡するから、政府が適切な政策をとるとらないにかかわらず、放っておいても二〇〇六年から景気は回復する。戦後五十年、一九九五年が日本の底。

次の五年間、一九九五年から二〇〇〇年までが大底。更に二〇〇〇年から二〇○五年の間に大底をぶち破り、そして二〇〇六年から復活することは間違いない。二〇〇四年後半には少し復活の兆しが視え、二〇〇五年になれば誰もが新しい登り坂の予兆を感じ取る。資本主義経済は政治が良質な政策、或いは大失政をやらかしても、六十年周期で循環していく。理屈ではなく、資本主義経済は自然治癒する、これが特性なのだ。

但し、どの状態を治癒、復活と見なすのかの位置づけは難しい。以前のバブル期を基準にするのか、戦前の日本のレベルを標準とするのか、経済の捉え方の問題は、たくさんある。江戸時代は二百五十年間戦争をせず徴兵もなく外需ゼロの内需だけで、紛れもなく平和で豊かな日本国であった。景気の良し悪しの基準をどこに求めるのか。どうしたら健全で豊かな社会を継続させることができるのか、資本主義経済の周期を倍の百二十年にはできないのだろうか。こうした問いの全てが、最終的には人口の総量規制という結論に行き着いてしまう。

要するに人口が多すぎるのだ。例えば、日本が今のGDPで人口が六千万人であれば何の問題もない。つまり、日本は人口が多すぎるということだ。

今世界が抱えている最大の懸案事項は人種、宗教、戦争、経済、疫病、環境悪化……、これらの付れでもなく、世界人口今をいかにして減少させるか、これに尽きている。今日の日本は少予化か問題になっているが、問題どころか、少子化こそ世界に先駆けた喜ばしい現象なのだ。 

リストラを単純に支出を減らすことだと考えている人が多いが、収入を減らして初めて支出は減少する。収入を変えないで支出を減らそうとしても、支出は収入に見合っているから上手くいくはずがない。収入を劇的に減らすのがリストラなのだ。

少子化は子供が減ることだが、子供というのは、実は収入である。子供は支出を生むだけと考えがちだが、子供が生まれれば家族が増えるわけだから、紛れもなく収人なのだっ子供が減る、即ち収入が減ると必然的に支出も減っていく。

資本主義は六十年単位のねずみ講だから、人口が増え続ければ、どこまでも生産を増やしていかなければならない。これでは必ず六十年に一度破綻する。

現在、アフリカ、中国、インド、東南アジア、南米の人口はどんどん増える一方で、逆にヨーロッパ諸国やアメリカの人口は減りつづけ、中でも著しく減少しているのが日本なのだ。

この先、日米欧は更に人口が減少するだろうから、爆発的に増える世界人口の面倒を日米欧の三極で負担することは一層難しくなる。

いずれ、人口の総量規制という問題が戦争の理由付けになる可能性は大きい。
現在日本は少子化の影響で税収や年金等に支障をきたしているというが、これは一過性の問題で、最終的には少子化こそ二十一世紀に生き残るためのキーワードなのだ。

江戸期は、意識的に「不便」ということを優先していた。日本には古来、馬がいて牛車まであるのに馬車をつくらず、橋らしい橋も架けなかった。不便を優先することの最大のメリットは庶民に仕事が増えることであり、日本は一馬力ではなく一人力を求めたのだ。米十俵を馬車が引けば、量的にも速度的にもあっという間に仕事は片付いてしまう。人間の十倍のスピードで、十倍の量を馬が運んでしまうと、百人が失業する。

あえて江戸幕府は政策の第一義を「不便」としたのだが、利便性を追求せず不便の特性を生かせば等価交換が基本となるから、必然的に適正人口が保たれる。江戸期の日本は完全循環型社会であったから、この適正人口の継続が、内需だけで文化を保ち、植民地になることもなく二百五十年の平和を維持させたのだ。

日本は本来農耕民族であるにも拘らず、世界的に見ても食糧自給率は低く、完全自給型社会から最も遠い国である。また、先進国の基幹産業とも言える軍需産業もない。実は、これが日本の最大の強みなのだ。食糧自給率が極端に低いことは、内需の余地が充分あると同義だから、現在の産業主軸の外国貿易が破綻しても、江戸期と同じような内需型に方向転換すればよいのである。

内需型に切り替えたら、日本は劇的に農耕民族に変わり、あっという間に日本中が田んぼと畑だらけになるだろう。日本の技術をもってすれば今の十倍の農業収穫を得ることはわけもないから食糧の自給率は一気に百パーセントを超えてしまう。農業技術がきちんと保存され、それでいて自給率が低いことは、現在の日本にとって危険ではなく、むしろ危機管理なのだ。極端に低い食糧自給率と軍需産業がないこと、この二つに加え、少子化の成功が二十一世紀の日本の未来を約束している。
必ずしも明石氏の意見は経済学的デフレの本質からすると正しくないかもしれない。幾つか事実誤認もある。例えば米国は人口は減少してはなく増加し続けているなど・・・。

経済学的には下記本、「デフレの正体」の方が正しいかもしれません。
「景気の波」を打ち消すほど大きい「人口の波」が、日本経済を洗っているのだ(p13)
 

しかし、長期的に考えると、日本列島の適正人口からすれば、人口減は日本にとって実はメリットなのかもしれません。

だが・・・・
あなたの隣にもいる「貧困女子のビンボー生活」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32064を読むと日本のデフレ不況の事態は一層深刻になっていると思われます。

一刻も早く民主党政権=財務省傀儡政権=直勝内閣(財務事務次官 勝栄二郎 直営)を崩壊させ、非民主党・非自民公明政権の出現を期待したい。





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現在進行中のドル高円安は大歓迎で「円安こそが日本を救う唯一最強の手段 」との藤巻氏の主張に対して私は異論はない。だが、藤巻氏は自分の論文が矛盾だらけだということに気がついていない。藤巻氏の主張は財務省が目指す増税原理主義を翼賛しているように思えてならない。
私はこの十数年間、「円安政策こそが、日本を救う唯一かつ最強の景気対策だ。まずは円高是正。それがなければどんな政策を打とうと、すべては無駄」と主張してきた。その提案は受け入れられず、無策のまま、ずるずると円高が進んでしまった。長い間、マーケットの真ん中にいて巨額のお金を動かしてきた実務家の「実体経済から離れた為替は修正できる」という主張は無視され続けた。残念至極。

2月14日に日銀は追加緩和策と物価目標政策を発表したが、これで景気回復とはいかないだろう。そもそも金融政策とは金利を上げ下げすることだ。昔の金融の本にはそれしか書いてなかった。ゼロ金利になって、やるに事欠いて始まったのが量的緩和であり、政治の圧力に負けて無理やり出てきたのが物価目標だ。あの狂乱物価だったバブル真最中の1986年の全国消費者物価指数(除く生鮮食料)は前年比0.3%増、87年は0.5%増でしかない。景気と消費者物価指数には、それほどの相関性はない。量的緩和も物価目標も苦し紛れの政策でしかない。政府・日銀は、はるか昔に金利をゼロにしている。すなわち、はるか昔から金融政策を最大限発揮している。財政政策も同様だ。それでも景気は全く回復していない。為替政策を発動しなかったのだから、当たり前と言えば当たり前なのだ。

「あの狂乱物価だったバブル真最中の1986年・・景気と消費者物価指数には、それほどの相関性はない。」当時は資産インフレであったが狂乱物価ではないのは周知の事実。1986年は1985年プラザ合意による急激な円高を阻止する為に金利を下げていったのである。当時を経験していたのであれば何を書いているのだか????
藤巻氏の言う為替政策とは日銀砲(当局による為替介入)のことを言っているのだろうか?当局による為替介入は根本的な為替政策にはなりえない。
円高とは「円で売るモノ、サービス、労働力」の値上げを意味するのだが、景気が悪いのに、値上げを継続したら、つぶれてしまう。そんなことは、自分で商売をしていれば自明である。

同じ品質の競合商品との価格差が、5%や10%であれば、サービスやデザイン、営業力などで太刀打ちできるかもしれない。もしくは必死の努力でコストを下げて、同じ販売価格にできるかもしれない。しかし、それ以上の価格差の克服は難しい。円で売るモノ、サービス、労働力は固定相場制の360円時代から4倍以上の値上げをしてきたことになる。それほどの値上げをしたら、国際競争力は失われる。日本人の労賃もそんなに値上げをしたら、国際競争力を失い、外国人に仕事を取られる。国内空洞化で仕事がなくなるということだ。国際競争力がなくなった企業は海外から利益を得ることができず、日本人も国内で仕事を失うのだから、いくら金融や財政で国内景気を刺激しても、消費は盛り上がらず、景気回復など土台無理な話なのだ。

『円高とは「円で売るモノ、サービス、労働力」の値上げを意味するのだが、景気が悪いのに、値上げを継続したら、つぶれてしまう。』意味不明?競争国と比べてコスト増加と言いたいのだろうが、景気が悪いのは日本なのそれとも輸出国なの?
仮に「日本の景気が悪い」のであれば円高と関係性を論じるに不適切ではないか?

それどころか、この十数年間、景気対策になると誤解して、効果のないままに財政を垂れ流し的に使ってきた。最近では「格差是正は内需拡大に通じる」と、これまた誤解して、ばらまきを急増させた。おかげでこの十数年間で国の借金は3倍にも膨れあがり1000兆円という莫大な額になってしまった。10兆円ずつ返しても100年かかる大借金だ。10兆円ずつ返すためには、平成23年度当初予算でいえば、歳入予想が48兆円だから38兆円しか使えないはずなのに92兆円も使おうとしているのだから、この大借金は200年たっても300年たっても返せるはずがない。しかも、今はゼロ金利だからいいようなものの、金利が上昇し始めたら、支払金利が増えて財政は目も当てられなくなる。ここまで借金が大きくなると、景気回復に伴って金利が上昇すれば、支払金利増は税収増の比ではない。

1000兆円の財政赤字はまるで効果が無いと書いているが、藤巻氏は金融政策(金利の引き下げ)を否定したうえに、財政政策まで否定している!!
藤巻氏はリチャード・クー氏のバランスシート不況論を読んだことがあるのだろうか? 土地などの資産が暴落すると、企業は、借金をせず返済に専念する。金利がゼロであっても借りないので金融政策が効かない。マクロ経済的には、家計も収入が減り支出を抑え更に貯蓄に向かう。おカネを借りる主体がないということは需要の消失であるので、経済全体が収縮を続けることになるこの悪循環をバランスシート不況だという。
日本は1989年末からの土地と株式の下落で1000兆円とも1500兆円の国富を失った。GDPの2~3年分に達する。かつて米国が大恐慌で失った富はGDPの1年分、日本が第二次世界大戦で失ったのは計算上国富の1/4にすぎない。バブルの崩壊ダメージはそれほどに深刻である。
しかし日本がバブル崩壊後、資産価格が暴落したにもかかわらず、GDPが拡大を続けたと。これは国家が1000兆円の大借金して需要を創出したからなのです。
税収が落ちたのに、政府は逆に歳出を増やした。それがGDPの拡大をもたらしたのであり、もしも政府が国債を発行して公共事業などをしなかったら、GDPは半分になったり3分の1になっていただろう。
「バランスシート不況」論  を読むと藤巻氏の主張はトンチンカンな素人が2chに書き込むのと同じレベルに思えてしまいます。

解決策は大増税だけ 5~10%の消費増税では焼け石に水

こうなっては、もう大増税しか解決策は残っていない。もっとも大増税と言っても、所得税や消費税率の大幅上げなどというものではない。5%や10%の消費増税では焼け石に水だ。現在、消費税5%で約10兆円の税収だから、1%の消費税上げで約2兆円。したがって単年度の44兆円の赤字の穴埋めには消費税22%が必要だ。100年で借金を返すとして、毎年の返済資金用の10兆円のために、さらに5%の増税が必要になる。

加えて1000兆円の借金なら、金利が1%上がるごとに支払金利が(すぐにではないが)10兆円増える。それを賄うために、さらに5%(1000兆円の借金×1%÷2兆円)の増税が必要、などとラフに考えていっても、消費税を明日から30%以上上げるしかない。どう考えても、それは世間が是認しないだろう。

となれば「インフレ税」という大増税策しかないと私は考える。だからといって、私は「消費税を上げなくていい」と言っているのではない。消費税は大幅に上げるべきだ。無理だとわかっていても、最後まで努力をするのが政治家の責務である。

税金とは、悪い言い方をすれば「国民から国家への富の移行」である。一方、インフレとは「債権者から債務者への富の移行」だ。わかりにくければ皆さんがタクシーの乗務員で、銀行から借金している債務者と仮定すればよい。今、1000万円借りると毎月の元利金返済は大変かもしれないが、タクシー初乗り2キロメートルが100万円のインフレ時代となれば、2キロを10回走って稼いだお金で借金を簡単に返済できる。

一方、汗水垂らして10年間で100万円ためた人(債権者)は、1回タクシーに乗っただけで財産を失ってしまう。したがってインフレとは「債権者から債務者への富の移行」なのだが、今、日本で最大の債務者は国であり、債権者は国民だ。ハイパー・インフレとは、税金という形こそとっていないが、政府が国民の富を召し上げるという点で同じだ。

藤巻氏はバカなのか?今の通貨の価値で2Kmで100万円のタクシーは誰も乗らない。ハイパーインフレになって2Km100万円のタクシー料金という具合にお金の価値が下落しますと言いたいのだろうが、世界有数の債権国家日本がジンバブエと同列になる恐怖を語るのは、たちの悪い占い師と同列である。

財政破綻、その先のハイパー・インフレは近い

ここまで財政赤字がたまった以上、財政破綻は近いと私は思っている。財政破綻になれば、政府機能のシャットアウト回避のために、日本銀行が「国債引き受け」という禁じ手を取らねばならなくなるだろう。そこでハイパー・インフレが起こると思うのだ。

「今すぐにでも日銀は国債を引き受けろ」と主張する論者がいるが、日銀の国債引き受けは、歴史からも明らかなようにハイパー・インフレを引き起こす。(略)

それと同様、「日銀の国債引き受け」は政策として掲げるべきものではないが、結果として日銀はそこに追いやられると思っている。借金ができなくなって(=国債が入札で完売できなくなる)、子ども手当も国家公務員の給料も福島の復興費用も払えなくなり、かといって政府機能をシャットダウンさせるわけにはいかないからだ。

ハイパー・インフレとは、1万円札でほとんど何も買えなくなることだ。すなわちお金の価値が下がることだ。日本ではお金とはドルでもユーロでもない。円だ。ハイパー・インフレとは円の暴落を意味する。私が、近著「なぜ日本は破綻寸前なのに円高なのか」(幻冬舎)をはじめ、いろいろなところで「円資産からドルを中心とした先進国通貨資産にシフトしたらどうですか?」と提案しているのは、そのような理由からでもある。

国内で国債を消化できるうちは国債=国民の資産である。
円が暴落すれば日本は輸出競争力を復活できるのではないか?
藤巻氏は自説と矛盾しているのではないか?
日銀が円の価値を維持する為に最大限に努力していることに私は理解しているが、さすがに日銀も蛇口を緩めたのである。私は公務員の給与の削減と天下り法人の整理をしない限り増税すべきではない。増税もやむを得ないが今はすべきではない。国家紙幣が悪性のインフレを引き起こしたことがあるが、日銀の国債引き受けがハイパーインフレになるなった歴史的事実なんて存在しない。現に今でもしているし、過去に日本ではハイパーインフレになったことがない。藤巻氏の事実誤認である。

韓国が復活したのはウォン安のおかげ

この段階に至っては、ハードランディングは避けられないと思うが、絶望する必要はない。韓国を見てほしい。1997年の通貨危機後の韓国は「地獄を見た」「あの国は終わった」と言われていたのだ。それが、ここまで回復したのは、ひとえにウォン安のせいだ。当初はつらかろうが、時間の経過とともに、円安による国際競争力の大回復で日本経済は急速に立ち直る。ひょっとすると昔のように、世界の工場となるかもしれない。今ある閉塞感は霧散する。

ハードランディングという深く暗い闇の向こうに明るい未来があるのならば、人は頑張れるはずだ。先の敗戦時と同じである。逆に言えば、明るい未来をエンジョイするためにもハードランディング時を、どう生き延びるかが重要だ。地震なら、いくら備えをしても、最後は運を天に任せざるを得ないが、財政破綻に伴うハードランディングは、勉強さえしておけば確実に乗り越えられる。今こそ、経済、資産運用の勉強をするべき時期なのだ。

円高ドル安政策を行ったにもかかわらず米国のビック3は競争力を遂に回復できなかったことを記憶しなくてはならない。単純な円安だけではなく、ベンチャー企業が起業しやすい環境を整備するなど小さい政府の実現がのぞましい。
彼が伝説のトレーダーと言われたのは論理的な思考をしなかった為だったのかもしれない。相場を張ることと経済理論は別問題である。





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p200-202
日本の海外との所得のやり取りは11兆7千億円の黒字

前章の最後に、GNI(国民総所得)とは、GDP(国内総生産)に「外国からの日本の所得」を加え、「外国の日本からの所得」を差し引いたものであると書きました。
外国からの日本の所得とは何でしょうか?例えば、日本人が外国で働き、所得(給与)を得ると、「外国からの日本の所得」に当たります。いわゆる、雇用者報酬です。

とはいえ、日本のGNIがGDPより大きくなっている主因は、日本人が外国で働いた所得が大きいためではありません。雇用者報酬は、日本が外国から得る所得の1%程度を占めているに過ぎないのです。

日本が外国から得る所得の99%は、実は日本の対外資産からの「上がり」が占めています。すなわち、日本が外国に保有する工場などからの配当金や、証券や融資などに支払われる利子です。

逆に、外国が日本に保有する資産、すなわち「日本の対外負債」に対しては、金利や配当金が外国に支払われます。日本で働く外国人の数も、そうは多くはありません。「外国の日本からの所得」も、やはり外国が日本に持つ資産(日本の対外負債)からの上がりが、その多くを占めているわけです。

図2-I(35ページ)「日本の対外資産・対外負債」の通り、日本は外国に保有する資産である対外資産が、対外負債よりも244兆円ほど大きくなっています。すなわち、対外「純」資産が244兆円あるというわけです。244兆円という対外純資産の額は、現時点で世界最大です。日本を「国家」としてみた場合、「世界最悪の借金大国」どころか、世界一のお金持ちであるということは、すでに解説した通りです。

対外純資産が世界最大ということは、当然ながら「外国からの日本の所得」が「外国の日本からの所得」を大きく上回ることになります。結果、日本のGNIはGDPよりも大きくなっているわけです。

図6-1の通り、2010年に日本が外国から受け取った「金利・配当金・雇用者報酬等」は、支払った額よりも11兆7千億円大きくなっています。すなわち、11兆7千億円の黒字というわけです。

外国との金利や配当金、それに雇用者報酬のやり取りは、国際収支の「経常収支」として統計されています。

国際収支とは、何でしょうか。

国際収支とは、同統計を管轄している財務省によると、 「一定の期間における居住者と非居住者の間で行われたあらゆる対外経済取引(財貨、サービス、証券等の各種経済金融取引、それらに伴って生じる決済資金の流れ等)を体系的に記録した統計」 となっています。

これだけでは何がなにやら分かりませんが、本書では国際収支全体については、それほど触れません。「なぜ日本政府が国内で国債を消化できるのか」という謎を解くには、国際収支の一部である経常収支について理解すれば充分であるためです。

それでは、経常収支とは何でしょうか。
p203-208
日本円は逃げられない―「経常収支」の話

それを説明する前に、再度、図2-9(63ページ)のっ9乙010年末時点 日本国家のバランスシート」を見てください。日本の政府、家計、金融機関、非金融法人企業(一般企業)、NPO(民間非営利団体)という五つの経済主体が保有する「全金融資産」の金額は、約5615兆円です。それに対し、五つの経済主体が保有する「全金融負債」は(5366兆円)差額の純資産が249兆円となります。実は、日本の全金融資産から全金融負債を差し引いた゛金融純資産249兆円」は、日本の対外資産(574兆円)から対外負債゛330兆円)を差し引いた対外純資産(244兆円)と「同一のもの」です。

同一言っている割に数字が違うと思われたと思います。実は、国家のバランスシートから計算した「金融純資産249兆円」は、四捨五入の関係で数字に誤差が発生しているのです。日本の「正しい金融純資産」は、対外純資産と同額の244兆円になります。

さて、国家のバランスシートに話を戻しますが、金融資産や金融負債とは「貸し借り」の話です。すなわち、「誰かが貸した全額が、そのまま誰かが借りた金額」になるのです。

読者の皆さんが、お友達に1万円を貸すと、「読者が貸した1万円が、友人の借りた1万円になる」という話です。

ということは、日本が「完全なる鎖国」を実現し、外国と金融資産のやり取りを一切しない場合、国内の「貸した金(金融資産)」と「借りた金(金融負債)」の額は、必ず一致することになります。すなわち、金融資産の合計と兪融負債の合計が、同一になるはずなのです。あるいは、「世界に日本以外の国がない」場合も同しです。日本以外の国がなければ、「外国」とのお金の貸し借りはできませんので、川内の全金融資産の額が、全金融負債と一致し、純資産は(純負債も)ゼロになります。

無論、現実の世界には、多くの国が存在しています。結果、日本「国家」と外国との間で金融資産・負債のやり取り(要はお金の貸し借り)が発生し、対外純資産や対外純負債が発生することになります。

ここで注意してほしいのは、「対外純資産」や「対外純負債」、つまり外国とのお金の貸し借りの「差額」は、わたくしたち一般人が思い込んでいるようなプロセスでは生じないという点です。外国とのお金の貸し借りと聞くと、 「ああ、日本人がアメリカに1億円貨すと、『日本の対外純資産』が1億円増えて、『アメリカの対外純負債』も1億円増えるのね」と思ってしまうでしょう。読者が友人に1万円を貸すと、「読者の対友人純資産」及び「友人の対読者純負債」が1万円ずつ増えます。これと同じ話だと、勘違いしてしまうのです。

現実には、単に日本がアメリカに「お金を貸す」だけでは、対外純資産や対外純負債は1円も増えません。

理由は、この世界に為替」というものがあるためです。例えば、皆さんがアメリカに1万円を貸し付けようとしたとしましょう。とはいえ、残念なことに、アメリカでは日本円を使うことはできません。結果、皆さんはアメリカに貸付を行う際に、「日本円をドルに両替」しなければならなくなります。

ドルを持っているのは、あるいは円をドルに両替してくれるのは、基本的にはアメリカの銀行です。というわけで、皆さんが1万円を100ドルに替え(1ドル100円で計算しています)、アメリカに「100ドルの金融資産」を待ったとき、必ず外国(普通はアメリカ)が、日本に「一万円の金融資産」を持つことになってしまうのです。

金融資産を持つとは、相手に貸し付けた」と同じ意味です。すなわち、日本がアメリカに1万円(=100ドル)を貸し付けると、必ずアメリカが日本に100ドル(1万円)を貸し付けるという話になってしまうのです。結果、金融資産と金融負債の差額である「金融純資産(=対外純資産)」やっ金融純負債(=対外純負債)」は、発生することはありません。

日本の「破綻」が大好きな一部の人たちが、
「いずれ日本の資産家が一斉に資金を外国に持ち出し、国債を買う日本円がなくなって日本政府は財政破綻する」
などと、またもや爆笑物の破綻論を唱えたりします。

ちょっと待ってください。と、言いたいわけです。日本円か外国でも使用可能とは、寡聞にして知りませんでした。観光客向けのサービスはともかく、日本円は基本的には日本国内でしか使えません。すなわち、日本の資産家が10兆円のお金を外国に持ち出そうとしたとき、必ず外貨に両替する必要があるのです。

両替行為が行われた結果、誰か(普通は外国の金融機関)が10兆円の資産を日本に持つことになります。すなわち、資産家が「外国に持ち出す」はずだった日本円は、結局は日本国内に残ることになります。

もちろん、10兆円もの日本円かドルやユーロに両替されると、円の為替レートが急激に円安に触れます。とはいえ、逆に言えば、ただそれだけです。日本が国家として独自通貨を使用している以上、「日本の資産家が一斉に資金を外国に持ち出し、日本は破綻」以前に、外国に日本円を持ち出すということが、そもそも不可能なのです。

資産家が保有していた日本円は、別の誰かの手に移ることになりますが、国外に出るわけではありません。結局は日本の資産として、国内で運用されることになります。

例えば、アメリカの銀行が日本の資産家の10兆円を、1000億ドルに両替してくれたとします。すると、アメリカの銀行が日本に「10兆円の金融資産」を持つことになります (同時に、日本の資産家がアメリカに「1000億ドルの金融資産」を持つことになるわけです)。10兆円もの現金を銀行預金として眠らせておいても仕方がありませんので、アメリカの銀行は日本国内で、そのお金を「誰か」に貸し付け、運用することになります。

日本国内の景気が良く、民間に投資先がうなるほどあれば、どうでしょうか。アメリカの銀行は、両替で手に入れた日本円を民間の投資先に投じるはずです。

あるいは、日本が相変わらすのデフレ不況で、民間の投資先がなければ、アメリカの銀行は「必ず」日本国債を買うことになります。何しろ、日本国債ほど安全で、しかもそこそこの金利がつく運用先は、他にはありませんので。

というわけで、日本の資産家が資金を海外に持ち出しても、日本国債の暴落や政府の財政破綻は起きません。好景気の場合は、アメリカの銀行が両替した日本円を国債以外の投資先に投じるかもしれません。とはいえ、そもそも好景気の時には、日本政府は国債を発行する必要がないわけです。

何と言いますか、「家計の金融資産を政府の負債が抜けば……」論と同じく、 「いずれ日本の資産家が一斉に資金を外国に持ち出し、国債を買う日本円がなくなって日本政府は財政破綻する」も、ファンタジーの世界でしかありえないような破綻論になります。
三橋氏の本を読み幾つか疑問も感じる。
 
 日本経済は早ければ2014年末遅くともあと10年以内ににも経常赤字に陥る可能性がある。
 今後、原発の稼働率低下に伴う火力発電への代替で、化石燃料の輸入が大幅に増える。輸出も、東日本大震災でサプライチェー・ンが寸断され減少、本年4月以降5ヵ月連続で貿易赤字に落ち込んだ。今後、生産の復旧により一時的には貿易黒字に回復することはあっても、円高による空洞化、グローバル競争による価格低下圧力により、輸出額が伸び悩む傾向は定着するだろう。輸入増、輸出減による貿易赤字は今後定着し、赤字幅が拡大する可能性が高い。
 
 経常収支には貿易収支のほか所得収支も影響するが、貿易赤字となっても経常黒字が維持されているのは所得収支が黒字だからである。所得収支は過去の海外投資からの収益であり今後も高水準で推移する見通しだ。しかし、受取額の過半を占める債券利子収入は、先進国の長期金利が低下傾向にあるので、所得収支の黒字額が今後大幅に増加することは考え難い。所得収支の黒字を貿易赤字が食い潰してしまう、つまり経常収支が赤字化する。
 
 今回の円高は、国内の製造業に体質変化を要求している。当面続くであろう円高や、電カエネルギー問題も加わったコスト増、一向に進まない規制緩和などを背景に、各企業は海外進出を加速させ、空洞化が進む。
 
三橋氏がTPPに反対するのであれば経常収支が黒字を維持するのに規制緩和は必要条件ではないか?

三橋氏は自己矛盾を抱える事になる。
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「内需拡大」を「経済成長」と言い間違えて要求するアメリカのピンボケ
p181~182
新聞、雑誌、ネットなどに載るコメントを見ていると、アメリカの政・財・学界関係者も「日本は生産性を上げて健全な経済成長を目指せ」と言い続ける人ばかりですね。彼らも経済成長と前にお話しした①②③の関係がよくわかっていないのではないでしょうか。

彼らが本当に言いたいのは、③の個人消費総額の維持増加一↓日本の内需拡大一であって、それに合わせてアメリカ製品も売りたい(あるいは日本からアメリカヘの輸出を結果として抑制したい?)わけです。輸出だけが伸びて(アメリカにさんざん日本製品を売りつけて)内需はまったく伸びなかった(アメリカ製品はまるで日本で売れなかった)今世紀初頭の「戦後最長の好景気」を、再現して欲しいと思っているわけでは微塵もないでしょう。ですが彼らも、経済成長すれば内需も当然に拡大するという教科書の記述を、最近の日本ではそうはことが進んでいないにもかかわらず、無邪気に信じているわけです。

挙げ句の果てには、「個人所得が増えたのに個人消費が増えないのは、日本政府が何かへンな規制をして市場を歪めているからに違いない」という、「イラク政府は大量破壊兵器を持っているに違いない」というのと似たような(善意なのかもしれないけれども短絡的な)即断をしてしまう。そして日本にいろいろ「構造改革」を要求してくるわけです。しかし一番大事な構造間題である「生産年齢人口の減少」を見過ごしたままですので、要求通りにしてもさして目覚ましい効果は生じません。「小泉改革」を進めるのか戻すのか、人によってあるいはモノによって極端に意見が違うようですが、一つ言えるのは進めようがやめようがどっちにしても、日本の内需はそれだけでは成長しないということです。

「経済成長率」という見かけの数字だけは、どちらかによって上がるのかもしれないのですがね。それどころか「規制を緩和して経済が自由に回るようになれば万事はいい方向に解決する」というアメリカ由来の理念を、自分も共有するフリをした一部の日本企業が、「雇用に関する規制緩和を活かし、給料や福利厚生関連費用の安い非正規社員を増やすことでコストダウンする」というビジネスモデルに傾斜しました。そのためますます「若い世代の給与の抑制」が深刻化し、かえってアメリカの望んでいる日本の内需拡大が遠ざかっています。
 小泉改革については、私は評価しない立場なのですが、アホなアメリカ人の投資を呼び込むには「構造改革」というニンジンもしくは改革をやっているフリとしての「構造改革」であったと思えば、まったく無意味であったと評価することもないか・・・。
 
マクロ政策では実現不可能な「インフレ誘導」と「デフレ退治」
ここまで、本書を読み進めるとマクロ政策による「インフレ誘導」「デフレ退治」なんていうものが、殆ど不可能であるとは読者として理解できてくる。
 
「インフレ誘導」や「リフレ論者」は、老人や富裕層の貯蓄として蓄積するばかりで消費に回らない貯蓄をある程度のインフレ状態にすると、「貯金がインフレで目減りする前に使ってしまおう」という行動を喚起するのですが・・・。
 
これは構造的な供給過剰で商品.サービスの単価低下が続いている日本において「何でも値段が上がる」という状況ができるか?と考えると無理がある。たとえば古古米でも値段が上がるというような事態をが絶対来ると言い切れなくてはこの理論は成立しない。そう考えると考えると、インフレ誘導は殆ど無駄な努力にしか思えない。
 
日銀が輪転機をガンガン回して貨幣供給を増やしたとしても物価は上がるとはとても思えません。日本が実質的なゼロ金利状態になってから十数年、景気の悪かった時期はともかく「戦後最長の好景気」だった02~07年でも、、インフレ傾向になる気配は微塵もなかった。

だいいちゼロ金利でも史上最高値を更新しかけるほど円高なのにこれで金利を引き上げたら円/ドルは超円高となってしまい輸入物価が下がってデフレはますます深刻化してしまうだろう。
 
高齢富裕層の貯蓄に偏在する。金融資産が08年の一年間で110兆円、7%も目減りしたというのに高齢富裕層は、まったく実物消費をしようとせず、「貯蓄=将来の医療福祉負担の先買い死守」、という人達に「インフレ期待」が醸成されることはほとんど不可能だ。インフレ期待ではなくたとえハイパーインフレが引き起こされても、銀行預金や郵便貯金以外は信用しない高齢富裕層は下手をすればそのままかもしれない。
 
資源やエネルギーが逼迫してインフレになる可能性については?との問いに対して本書は、日本の誇る技術力で迅速な対応が行われ、資源価格高騰を減殺してしまうと多少都合よく書いています。だが恐ろしい事に事実あと10年で日本は産油国だ!”オーランチオキトリウム藻”で2020年日本は産油国へ!! 神国日本に再び神風は吹くのか?
p186
食糧に関しても、仮に価格の高騰が定着すれば、本来世界的に見て農業の一大適地である日本国内での生産が復活していくことになりますし、現在の膨大な食品廃棄も見直されていくでしょう。またそもそも、年間20兆円未満(輸入9兆円十国内生産10兆円程度)にすぎない日本人の食費が仮に何倍になったとしても、それだけで500兆円のGDPを持つ日本経済全体が「インフレ」に突人するというようなことはありえません。
 
生産年齢人口下落→供給過剰による価格の下落→在庫が腐ることによる経済の縮小に対して、金融緩和が機能するわけがなく、仮に日本国内でインタゲ政策をしたとしても、日本の隣に、過剰設備の中国の製造業があるかぎり日本国内だけで「インフレ誘導」を行っても、まったく意味が無い
 
本書ではクルーグマンの悪口を書いてはいないが、どう考えてもクルーグマンが日本に押し付けようとして日本の多くの経済学者が飛びついたインタゲ政策は完全に馬鹿理論ということだ。
 
「日本の生き残りはモノづくりの技術革新にかかっている」という美しき誤解
モノづくり技術の革新こそが日本の生き残るカギであるであるが、藻谷氏はそれだけじゃなんら意味が無いと言っています。技術開発と内需振興を別々に行わないと片方だけでは日本経済は終焉を迎えるとの主張です。
 
「出生率上昇」では生産年齢減少は止まらない
安心して結婚出産して子供を育てる憂いが無い社会を作ることは非常に大切なことではあるが、今からいくら努力しても団塊の世代の高齢化は止める事ができない。奇跡的に4人兄弟が当たり前の社会になっても効果がでるのはその子供達が家を取得する30年~40年後であり、短期的な効果は期待できない。

「外国人労働者受け入れ」は事態を解決しない
p194
そこで出てくる日本経済の救世主が、「外国人労働者の受け入れ」です。ところがどっこい、これも、どんなにやっても生産年齢人口を実効的なレベルにまで増やす効果は見込めない策なのです。「するべき」「するべきでない」の話ではなく、「やってもやってもまったく数量的な効果が出ない」のです。

海外在住で日本に言及しているエコノミストや経済人はほぼ全員が、国内でも経済を語っている人のとても多くが、この点について基本的な事実認識を誤っています。「べき論」と「事実」を混同して、「やる気になれば成果は出る、問題はやる気がないことだ」と甘~い甘~い精神論に浸っている人が本当に多いですね。それ以上に困るのが、「いくら閉じこもろうとしても、結局日本は外国人労働者に門戸を開放せざるを得なくなり、事態は改善に向かうだろう」という臆測です。彼らは皆、絶対数を読まないSYの典型なのです。「外国人労働者に門戸を開放せざるを得なくなる」のは事実でしょうが、そうしようとも生産年齢人口減少はまったく止まりませんので、事態は改善に向かいません。                   (略)                                            
単純な計算の問題で、絶対数が全然合わないからです。今後5年間に65歳を超えていく団塊前後の世代だけでも一千万人以上います。これに対して、日本在住の外国人は不法在留者を足しても230万人、団塊前後の世代の二割程度しかいません。これは在日韓国人・朝鮮人の60万人を含む数字なので、見た目で、あるいは話せば外国人とわかる人の数はそれよりさらに少ないわけです。ちなみに過去10年間の増加は留学生を含め60万人、毎年の増加は6万人というぺースです。
これに対し05年から今年までの足元の5年間だけで日本在住の生産年齢人口は300万人以上減っているものと見られます。毎年60万人、外国人流入実績の10倍の速さです。
さらにその後の五年間にはもう450万人、20年先までだと、400万人、40年先まででは3200万人の減少を、社人研は予測しているわけですが、このレベルの減少を現在200万人少々しかいない外国人を急増させることで補えるものと、つまり年間6万人の増加を突然に10倍以上ぺースアップさせることが可能であると、本気で考えている人がいるのでしょうか。3年の間に今の外国人人口が倍増するというようなぺースを延々と続けなければならないことになりますが、そんな数の人がどこから来るというのでしょう。
http://www.uniqlo.jp/uniqlock/swf/blog_small.swf?user_id=Bo4uxIuSX6BfwXZC藻谷氏は甘い、中国は人口13億を8億程度に減らしたいと考えている。5億人の棄民だ・・・中国があと5~10年で人口オーナス期を迎えれば確かに中国経済も日本同様にガタガタになる。しかし過大な人口は不良債権と同じである、しかも結婚適齢期の男子が女子よりも3400万人多いのである!
 
私は今のペースでの中国人たちの人口の流入も多すぎると思っているのだが、これを10倍にしたところで、何等解決しないのであれば、入れるべきではない。下手に開放すれば洪水のような流入が待っている。希硫酸を作る場合、少しずつ硫酸を入れれば混ざるが、大量に投入すると爆発を起こしてしまうのである。
 
日本と言う国は、縄文時代から大和朝廷の頃まで遥か中近東からも、シベリア・中国・朝鮮・フィリピン・マレーからも東の果ての島国日本にたどり着き、日本人が形成されてきた歴史理由から以前はDdogは移民容認派であった。
 
だが、欧州の移民問題を見て考え方が変った。移民は人間であって機械ではない。年をとり、病気にもなる。移民のために医療や教育など様々な社会福祉により多くのコストが掛かる。
 
本書でも指摘が若干あったが、移民の流入は生活サービスを司る地方自治体は大きな負担となり、特に教育機関での対応によっては大量の未就学児を生み貧困の再生産をしてしまい、今日欧州が抱える移民問題を見れば、安易な移民容認論には賛成しかねる。
 
日本が先駆けて人口オーナス期を迎えているが、一人っ子政策を行った中国はとんでもない生産の減少を近未来体験することになるのは本書を読めば誰でも想像ができるのである。
 
本書は10講と11講でならばどうしたらいいかにについて論じています。
個々から先は本書をお読み下さい。

 私はここ1ヶ月でCDを40枚ほど買いました!ボーナスがよかった?大間違いボーナスはまだ出ただけでもよかったか程度1月分の給料もありません・・・
 
このところディスクユニオンへ行くと、500円以下のCDが100円セールをやっているのですが、その500円のCDは皆おそらくブックオフで1500円~2000円の値段がついていそうなCDだらけ。ビートルズのラバーソウルですら100円!
私が所有する2000枚近いCDで既に所有しているものですら100枚くらい見かけた。定価が3800円と高かったがつい欲望に負け買たバンゲリスのエル・グレコですら100円だった時にはくらくらととしてしまった!
 
デフレ万歳!と叫びたいところですが・・・やはりデフレはどうにかしないと・・・
 
 
 
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第7講
「人口減少は生産性の向上で補える」という思い込みが対処を遅らせる
 
労働生産性は労働者一人が同じ時間内に生み出す付加価値です。
付加価値とは企業が生み出す利益ではなく、労働者の人件費や使ったコストと利益が入っているのです。そのコストの中には地元に落ちる人件費や賃料も含まれている。
 
「生産性の向上=労働者の減少=リストラ=企業の利益」と考えがちですが経済は所詮「金は天下の回りモノ」。自分が使ったお金は誰かの儲けに回り、その儲けたお金を誰かが使ってくれることによって自分の儲けに戻ってくる。お互いにお金を使いあうことで経済が成り立つのです。
 
日本では「労働生産性の向上=リストラ」と考え人件費を削り納入先にコストダウンを求め買い叩きを繰り返し生産性を上げた結果が、GDPを引き下げることになり、生産性の向上=GDPの更なる縮小により今日の日本の惨状を招いたと実に上手くこの講では説明しています。
 
予想反論1 p159
「そのように儲からなくなった業界では必ず企業がつぶれるなり設備が廃棄されるなり、あるいは企業が違う分野に商売を切り替えたりして、供給が減る。
それによって単価が上がって、マージンも回復する。だから生産性は再び上がってGDPも減少しない」というものです。人件費に関しても、「余りに人件費を下げれば当然にそこで働く人が減っていく。生産年齢人口が減少して労働量不足が続けばなおさらだ。だから企業も、どこかで人件費水準を上げて人手を確保せざるを得ない」とされます。
 
現実には過当競争→価格低下は解消されません。複雑化専門化する社会で、新事業を立ち上げ利益を稼ぐなんて出来れば誰も苦労しない。
 
経済学のいう均衡は地球規模では成り立つので、国内で人手不足・人件費高になれば、生産がなおさら海外に移転していくだけのことです。
 
本来は企業が、従業員の人件費総額を下げず、退職者増加で浮いた分を若者に回すことで、内需維持にいささかなりとも貢献するべきなのですが、ミクロ経済学の始祖アダム・スミス以来ずっと「市場経済の各プレーヤーが利潤最大化に向けて工夫の限りを尽くす」ことを前提に構築されている古典経済学が成立した頃と比べ社会は複雑になり過ぎている。
 
予想反論2 p161
「車だの住宅だの電気製品だの、特定の既存産業については、お前の言う通り消費者の頭数の減少で供給過剰に陥り、値崩れが起きて、生産性が下がっていったとしよう。だがそれを消費者の側から見れば、これまで車だの住宅だの電気製品だのにかけていたお金が余る、つまり消費者余剰が発生しているということだ。そのお金はどこに向かうのか。何か他の商品、モノに限らずとも旅行でも福祉でも医療や健康関連でもいい、何か新たなモノかサービスの消費に回るだろう。そこに新たな雇用も生まれ人件費も支払われる。車だの住宅だの電気製品だのの業界は縮小するかもしれないが、他の分野の企業の売上はその分増えるわけで、経済全体としてはプラスマイナスゼロだ。つまり生産年齢人口が減ってもGDPは縮小しないことになるではないか」というものです。これが恐らく、「生産年齢人口の増減とGDPは関係ない」
 
ところが、現実には、戦後最長のいざなみ景気においても、サービスや消費は増えず貯蓄が伸びただけで終っている。若者が、消費に魅力を感じず、老人は物質的に恵まれアイ・ウォンツ・・・が無い。高齢者が将来の医療費を心配し溜め込んだ貯蓄が実際に医療費に使われれば経済も医療産業が伸び活性化するのだが、実際は使わない。
 
p163
この話を人体にたとえますと、こういう状態です。栄養学者は「オマエは全身に回せるだけの栄養所要量をきちんと摂っているので元気なはずだ」と主張する。ところが実際には、歳を取って動くのがだんだんおっくうになってきているために運動不足状態が続いており、摂取した栄養のかなりの部分は皮下脂肪や内臓脂肪になって貯まっているだけで、全身各所での代謝は不活性のまま。ようやく食欲も落ちてきて、日々の摂取だけでは少々栄養が足りない状態になり、脂肪が若干は燃焼され始めたけれども、これまで貯め込んだ量一に比べれば微々たるもの。大量の脂肪を身につけたまま、そのうち別の病気で寿命が尽きる運命か….
とまあこういう状態なので、栄養学者(=マクロ経済学者)の総論を聞いているだけでなく、全身各所での代謝の活性化を具体的に調べる生理学者(=経営学者)の助言が必要なのです。
とはいえ貯蓄や家産を抱えた人がいつまでも生きているわけではない。持ち主が亡くなれば、皮下脂肪と違って遺された財産は相続に回ります。とすれば、相続人がその分を使ってくれれば社会にお金は還元されるではないですか。
本当に、日本人の平均寿命がロシアの男性並みに六〇歳を切っていたりすれば、全然様は違ったでしょう。子供がまだ30代で買いたいものもいろいろある時期に、相続が発生しますから。ところが女性は世界最長寿、男性も長寿ベスト三に入っている日本では、亡くなる側ではなく相続する側の平均年齢が六七歳だというのです。これは新聞でそう読んだだけで出典は不明ですが、いかにもありそうなことです。受け取り側が六五歳を超えた年金生活者の場合、パーっと使ってしまうことはせず、やっぱり貯蓄、将来の医療福祉サービスの先買いに回してしまうのではないでしょうか。
 予想反論3 p165~166
「高齢者の貯蓄大いに結構」という考え方もありうるのです。マクロ経済学では、貯蓄は投資の源泉です。高齢者が死ぬまで貯蓄を抱え続けても、よしんばそれが株価下落や為替変動で目減りしたとしても、貯蓄は債券、株券などの購入を通じて投資側に回るので、その投資を受けて経済は拡大する。だから問題はないではないか……というわけですね。
 
日本の投資は結局アジアに流れ、新興国経済を急拡大させた。新興国の成長は日本の投資なしでは考えられません。ところが、ここ10年以上、日本のGDPはほとんど変わっていないのです。つまり総じて、過当競争によって収益を上げられず投資に見合ったリターンが挙がっていない(投資収益率が極めて低い)ということになります。そうなると投資した株価は下落、預けた貯金によって銀行が行った投資は新たな投資を呼ばず経済は拡大しない。株価が下落したならば投資が塩漬け・・どころか投資が腐るわけです。
 
 
投資額が目減りしないければいいが、現実には投資の時価は売上の状況によって柔軟に上下します。そして投資の時価の減少は、その分だけ経済を縮小させることになります。投資がなければ経済は拡大しない(投資は成長の必要条件)というのは事実だが、投資さえあれば経済は拡大する(投資は成長の十分条件)というのはとんでもない間違いだと本書では主張しています。
 
国内に投資された事業では収益を上げられずに投資が失敗し再投資されない。ゆえに、個人金融資産は日本のGDPの押し上げには何等貢献していないことを意味しています。
 
投資があれば経済は拡大するというマクロ経済の古典的定石は、今日この「投資が腐る」という、市場経済の現場では当たり前に起きている現象を勘案していない。当然竹中平蔵のような初歩的経済理論で政策提言をする経済学者が政策に考慮していない。日本経済が立ち行かなくなるのも当然だ。
 
予想反論4 p168
「マクロ経済学の根底にある常に正しい三面等価の定理上、GDP=生産=支出=分配であり、生産されたものは必ず同時に支出の対象になり、誰かの所有物として分配されている。生産したものは売れるということであり、オマエの言うような過剰生産→値崩れ→GDPの減少などということは起きない」
 
日本経済の現実
生産年齢人口=消費者人口の減少→供給能力過剰→在庫積み上がりと価格競争激化→在庫の時価の低下(在庫が腐る)
 
その結果発生した消費者余剰は、高齢者が老後に備えて確保する極めて固定性の高い貯蓄(=将来の医療福祉負把の先買いという、種のデリバティブ購入)という形で「埋蔵金」化してしまい、経済杜会に循環しない。
 
サービス業の場合には人間の労働そのものが商品であり、在庫という調整弁はありません。客が来て売れるまでは、生産もされませんので、支出も分配もないですから、生産年齢人口の減少に応じて売れるまで値段を下げれば、それだけ生産も支出も分配も下がることになります。つまり、生産年齢人ロ=消費者人口の減少→供給能力過剰→価格競争の激化=デフレ→売り上げ減少→GDPの減少です。
 
だいいち、現実の世界では三面等価の定理で計算したGDPに過剰生産した在庫分が水増しされている。在庫を処分したマイナスは勘案されていないので、三面等価の定理は時価会計の現代にはそぐわないとまで、藻谷氏は問題提起をしている。
 
一人当たりの消費水準が高く、人口が減っている日本のような社会では、これ以上一人当たりの消費総額を上げるのが困難であるから、総額であるGDPは減少してしまうのである。
 
これは・・・確かにその通りである。
 
藻谷氏は労働生産性の向上を否定しているのではなく、日本の産業は人員削減ではなく、商品単価向上で付加価値を上げ、生産性をあげるべきだと主張しているのです。いわば日本の目指す道はブランド化ということになる。
 
この7講も、藻谷氏の指摘する古典経済学と現実との乖離は見事である、私も生産性向上について勘違いしていることに気がつきました。
 
第8講も藻谷氏の快刀乱麻はデフレに対する誤った処方箋の数々を切り捨てる・・・
 
第8講
声高に叫ばれるピントのずれた処方箋たち
 
「経済成長こそ解決策」という主張が「対策したふりを招く」
このことは戦後最長の好景気にもかかわらず、個人所得・個人消費・企業業績が伸び悩んだことで証明されている。
 p177~179
では日本経済は何を目標にすべきなのでしょうか。「個人消費が生産年齢人口減少によって下ぶれしてしまい、企業業績が悪化してさらに勤労者の所得が減って個人消費が減るという悪循環を、何とか断ち切ろう」ということです。
①生産年齢人口が減るぺースを少しでも弱めよう
②生産年齢人口に該当する世代の個人所得の総額を維持し増やそう
③一生産年齢人口十高齢者による一個人消費の総額を維持し増やそう
この①②③が目標になります。もちろんこれらが実現できれば結果として経済成長率も改善しますので、これら目標は経済成長率に関する日本の国際公約とも矛盾しないものです。

ですが、逆が起きるとは限りません。経済成長率を何か別の方法で上げたとしても、①②③は達成できないのです。

事実この問までの「戦後最長の好景気」の下では、輸出の活況で数字上の「経済成長」と個人所得総額の増加一高齢富裕層への金利配当所得の還元一は起きましたが、①の生産年齢人口減少はまったくとまらず、②の牛産年齢人口に該当する世代の所得増加は生じず、③の(生産年齢人口十高齢者による)個人消費総額も(高齢富裕層が金融投資に傾斜したためだと推測されますが)実際には増えませんでした。生産年齢人口減少という構造の下では、直接に①②③を図る策が必要なのです。

ところが実際には、そういうわずかばかりのブレークダウンもしていない、「まずは経済成長」という総論だけが横行しています。その求めに対し、「とにかく目先の試験の点を取ることが最優先」という習慣の染み付いたお受験エリートが「御意!」とばかりに動きます。

実際問題として前述の①②③は一朝一夕にはなかなか実現が難しいわけです。となれば、抽象的な総合指標であるGDPを構成するものの中から、①②③にはほとんど無関係に供給側の操作や財政支出だけでいじれてしまう変数を選んで、とにかく数字上だけでも改善してしまおう、という行動が選ばれがちになるわけです。
 
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第3講 国際化とは無関係に進む内需の不振
 
 2002年2月から2007年10月までの69ヶ月間戦後最長の景気拡大期間があったいざなみ景気(日本の景気動向指数で見る景気循環における第14循環の拡大期)は、 好景気の恩恵が偏ったことと経済成長が緩やかであることから、好景気の割には「豊かさを感じない」好景気が特徴とされているが、藻谷氏の理論で説明されるとすっきりする。確かに景気循環は景気の拡大期であったのだが、戦後最長の景気拡大にもかかわらず、国内新車の登録台数が減少し、百貨店・スーパー・小売・通販を足した小売販売額・少年ジャンプの売り上げ、書籍の売り上げ・酒販・一人当たり水道使用量、殆どが96年97年をピークに減少に転じている。
 
これは、景気の拡大の波は関係なしに内需が不振である証拠だと藻谷氏は指摘しています。
 
第4講 首都圏のジリ貧に気づかない「地域間格差論」の無意味
 
この講も目から鱗でした。「地方の衰退」=「首都圏の成長」ではなく「地方の衰退」=「首都圏も衰退」ついでについ2.3年前まで好景気のはずだった名古屋圏もモノの消費が不振を極めている。これは地域間格差ではなく日本中が内需不振だとこの講では説明しています。なるほどその通りです。ちなみに関西圏の凋落は最も酷い。唯一子供が多い沖縄だけが例外だそうです。
 
第5講 地方も大都市も襲う「現役世代の減少」と「高齢者の激増」
 
まるで高齢者が、鼠やゴキブリのような激増という表現をしていて、些か抵抗を覚えるが、人口が流入している首都圏でも「現役世代」が減少し高齢者が激増している。高齢者が激増するのは団塊の世代が東京に大挙流入しているので、当然これから首都圏が急激に高齢者が激増する地域となります。高齢者は何が問題かというと、所得があっても消費しないのです。
p99
首都圏一都三県では、00~05年の5年問に、65歳以上だけが118万人増えているんです。この間に全国で増えた65歳以上の方367万人の3人に1人は首都圏民だったのです。
 p101~103
なぜ03~06年の首都圏では、個人所得の増加がモノ消費にそれほど回らなかったのか。
正常な経済であれば起きるはずの「トリクルダウンエフェクト」が、輸出から企業収益を経て個人所得への移転という段階までは確かに認められたのに、なぜモノ消費に向かわずにそこで止まってしまったのか。これも同じ数字で説明できます。こういう現象は、著しく高齢
化が進んでいる首都圏のような社会(もちろん地方はさらに先に行っていますが、世界の中で見れば大同小異です)の宿命なのです。
首都圏で起きているのは、「現役世代の減少」と「高齢者の激増」の同時進行です。そこでは、企業に蓄えられた利益が人件費増加には向かわない。現役世代減少に伴い従業員の総数が減少しているのでもう少しわかりやすく言えぱ定年退職者の数が新卒採用の若者の数を上回るので少々のべースアップでは企業の人件費総額は増えません。となれは、企業収益から個人所得への直接の所得移転のチャンネルは、配当などの金融所得しかありません。事実、企業に多額の投資をできる富裕層は大きな利益を得たわけです。
が、不幸にしてPその多くは高齢者だった。彼らは特に買いたいモノ、買わなければならないモノがない。逆に「何歳まで生きるかわからない、その間にどのような病気や身体障害に見舞われるかわからない」というリスクに備えて、「金融資産を保全しておかなければならない」というウォンツだけは甚大にある。実際、彼ら高齢者の貯蓄の多くはマクロ経済学上の貯蓄とは言えない。
「将来の医療福祉関連支出の先買い」、すなわちコールオプション一デリバティブの一種)の購入なのです。先買い支出ですから、通常の貯金と違って流動性は0%、もう他の消費には回りません。これが個人所得とモノ消費が切断された理由です。
ちなみにこの話をある経済専門家にしたら、「貯蓄は貯蓄。あなたのは素人の暴論」と笑われてしまいました。「貯蓄は貯蓄」というのは、経済学上の議論を容易にするために昔の人が立てた仮定の上での概念整理であって、その仮定が二一世紀の日本の現実とずれたからといって私が怒られる話ではないのですが。そもそもデリバティブという概念が普及していない昔につくられた経済学の枠組みを、現代社会においても墨守しているのはいかがなものか。江戸時代の大阪には、世界初の先物市場(米相場)があったそうですが、であればこそ日本の学者が誰か、デリバティブ購入をどこに組み入れるのか考えたマクロ理論を構築し直せばいいのに。実際、別の機会にアメリカの経済学者に同じことを言ったら、「お前の言った観点は別にヘンではなく、すでに誰かが論文(英文)に書いている」と言っていました。
学問が「現実の解明」という任務を負う以上は、そうであるのが当然でしょう。
先走ってしまいました。そこらあたりを脇を固めながらお話しするのは後ほどにします。
(略)。
日本最大の現役減少地帯・大阪と高齢者増加地帯・首都圏00年から05年の間に、15~64歳の現役世代は、絶対数で何人くらい減っていて、65歳以上の高齢者はどのくらい増えているのか。実数で現役世代の減少が日本一なのは大阪府です。その次が北海道で、次が埼玉。それから兵庫、千葉と続きます。絶好調とされている愛知でも現役は減っている
 1455兆円(2010年集計)の個人金融資産は将来が不安だという事で高齢者に死蔵され結局その大半は医療費にも回らず90歳代で死亡し相続される。ところがこの遺産は若い生産年齢世代に渡るのではなく、被相続者の子供の世代が相続するのであるが、相続者の平均は65歳以上である。高齢者から高齢者へ相続し、再び漠然とした将来の不安を抱えたまま、墓場まで個人金融資産を死蔵し続けるのである。
 
更に日本企業も内部留保として預貯金だけで260兆円も保有している。これはデフレが悪循環し投資しても回収可能な新事業が見つからない為に投資されないままになっている。個人金融資産の55.8%の807兆円とあわせ約1100兆円がまるまる預貯金.現金が活用されないまま死蔵されている。これでは経済が回らずデフレになって当たり前である。そして悪循環を繰り返しているのである。(デフレスパイラル)
 
確かにこのデフレスパイラルに陥った日本経済の病巣は、藻谷氏が指摘するようにお金を使わない高齢者が激増する人口動態に原因があるかもしれないが、増え続ける金融資産を回るようにする仕組みさえできれば、現役世代が減少したとしても、日本経済はこのままデフレとともに衰退することはないと思うのであります。
 
菅内閣のやる事なすこと反対ではあるが、財源を曖昧にしたままの法人税の引き下げはいただけなかったが、相続税率を上げ、贈与税率を下げる考え方は支持できる考え方である。ちなみに法人税率の引き下げ自体は間違ってはいないと思う。
 
 
 
 
 
執筆中
 
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中国に先んじて発展した韓国・台湾こそ日本の大得意先
韓国の人口は日本の三分の一強ですが、根性の入った国民性で、スポーツでも産業でも世界に雄飛しています。車だって日本企業に伍して世界中に浸透していますし一世界で韓国車が売れないのは沖縄以外の日本だけだそうです)、家電やオーディオの分野ではもう韓国の方が強くなっていますよ。中国が今後さらに発展したとして、韓国のように一致団結してモノづくりにいそしむよう汝ところまで行くのでしょうかね。私は難しいのではないかと思いますが。それから台湾に関しても、世界のパソコン生産を一手に引き受けていたりしますし、少なくとも中国よりはずっと先行して、モノづくり国家として発展しています。そういう韓国と台湾に対して、日本は貿易でも劣勢なのでしょうか。
とんでもない、日本は中国(十香港)からだけでなく韓国、台湾かちも、07年、08年と続けてそれぞれ三兆円前後の貿易黒字をいただいているのです。中・韓.台から稼いだ貿易黒字の合計は、00年に比べれば二倍以上に膨らんでいて、この二年間はアメリカからの黒字を上回っています。つまり、アメリカに匹敵する輸出市揚が、今世紀になっての中・韓・台の経済的な撞頭のおかげで出現したわけです。ちなみに先方の人口当たりに換算すれ
ば、中国に比べて韓国は30倍、台湾は60倍、さらに豊かなシンガポールに至っては160倍の貿易黒字を日本にもたらしている計算です。
(略)
韓国、台湾は、日本からモノづくりのためのハイテク部材や機械だけを買っているわけではありません。豊かになった向こうの国民が、日本製品の中でもブランド価値の高いものを買い始めているのです。車や電気製晶はもちろんですが、安心安全が売りの食材や、お菓子なども人気です。日本人の一部が韓国直輸入の高級キムチや陶磁器を買うように、韓国人の一部が消費する日本直輸入の高級品も年々増えているのです。だからこそ、先方の技術力がいくら高くなろうとも、いやそのおかげで国民が豊かになって行けば行くほど、日本の貿易黒字は増えていく。技術ではなく「ブランド」が日本の商品に備わっている限り。

というわけで、08年からの韓国経済のクラッシュは、日本の対韓ビジネスにとっては大打撃です。円高ウォン安がこれに追い討ちをかけています。にもかかわらず、08年の対韓貿易黒字は微増だったので驚きます。日本車が売れたことなどが寄与したのでしょうが、そういう構図は長続きしないでしょうから、今後は韓国経済の再びの発展によって、当方の儲けも増えることを願うものです。そういう理屈がわからないまま感情的に「嫌韓」だの何だのと騒いでいる人も、日本の経済的繁栄の継続にもう少し気を配ってはいかがでしょうか。

習い性と申しますか、日本人は自分のことを、「ご近所のブルーカラー」「派遣労働者」だと思い込んでいます。「賃料の安い仕事が得意だったのに、それを周辺の新興国に奪われてジリ貧になっている」と、勝手に自虐の世界にはまり、被害妄想に陥っている。ところが実際は日本は「ご近所の宝石屋」なのです。宝石屋なので、逆にご近所にお金がないと売上が増えません。ご近所が豊かになればなるほど、自分もどんどん儲かる仕組みです。事実ここ数年、ジリ貧のアメリカ相手の儲けはもう伸びていませんが、ご近所の中・韓・台が成長したおかげで、高い製品もよく売れてたいへん儲けさせていただいた。資源高で潤ったロシアからすら、貿易黒字をいただいていたのです。これで他の世界中の途上国もお金持ちになったら、日本はさらにさらに儲かるわけです。
 
と、ここまで強気なことを申し上げてきた私ですが、「呑気なことを言うな、失業率は高まる一方で、低所得にあえぐ人がどんどん増えているではないか」と言われればひとたまりもありません。「輸出が倍増したというけれども、日本の経済規模は10年以上も停滞しているではないか」とのご指摘は、まったくその通り。ですが、これらは国際競争に負けた結果ではありません。国際競争にいくら勝っても、それとはまったく無関係に進む日本の国内経済の病気、「内需の縮小」の結果です。これはいわば絡済の老化現象でして、企業のせいでも政治のせいでも霞ヶ関のせいでもない。従って、日本が国際競争に勝ち続けることは、実は対策になってきませんでしたし、これからも対策にならないのです。
 
(略)
我々が目指すべきなのは、フランスやイタリアやスイスの製品、それも食品、
繊維、皮革工芸品、家具という「軽工業」製品に「ブランドカ」で勝つことなのです。今の不景気を克服してもう一回アジアが伸びてきたときに、今の日本人並みに豊かな階層が大量に出現してきたときに、彼らがフランス、イタリア、スイスの製品を買うのか、日本製品を買うのか、日本の置かれている国際競争はそういう競争なのです。フランス、イタリア、スイスの製品に勝てるクオリティーとデザィンとブランド力を獲得できるか、ここに日本経済の将来がかかっています。
 
車でいうと、中国のメーカーに勝つとか、インドのナノに対抗して安い車を出すとかそういう話ではない。海外市場ではBMWやベンツにも十分伍していますが、その先のフェラーリに勝てるかということです。不動産開発でいうと、ドバイの超高層開発に勝つのではなくて、パリの街並みよりも資産価値の高い中低層の街並みを東京や大阪につくれるかということが本当の勝負です。世界中から本当の金持ちや文化人が集まって住んで消費しているのはパリやスイス、カリフォルニァなどの低層の高級住宅街、ショッピング街であるわけです。
 
ドバイやシンガポールでも実態は同じです。そうした街並みに匹敵するものを日本はつくれるか。、100年後も200年後も文化的価値を放ち続け商業を引き寄せる都市インフラ、日本で言えば京都の東山周辺みたいなものをつくれるか、そこに世界中の金持ちの上品な投資を呼び込めるか、これが日本の課題です。

それが日本の課題だと皆が気づいてまじめにやれぱ、成果は出ると思います。ところが今は逆で、中国でも十分作れるものを人件費の高い日本で作り続けようとして、結局ワーキングプアーを大量発生させている。挙げ句の果てには安価な労働力を移民させて来いと騒ぐ。
 
そうではなく日本は、中国に任せるものは任せ、フランス、イタリア、スイスを追って高級品分野にシフトしていくべきなのです。
 
だって、ハイテク分野では日本にかないっこないフランスやイタリアが、人口でも日本の半分ほどしかない彼らが、ブランドの食料品と繊維と皮革工芸品を作ることで、日本から貿易黒字を稼いでいるんですよ。東北地方と大差ない人口のスイスなんか、医薬品に高級時計なんかもあって、人口比で見ればはるかに大きな黒字を稼いでいます。日本だってアジア相手に同じことができるんです。何を怖がっているのか。
 
「GDP総額で中国に抜かされたら、世界がだんだん日本を相手にしなくなる」と騒いでいる人に言いたい。とっくに日本に抜かされた英独仏伊や、最初から小さいスイスが、世界からないがしろにされているだろうか。先進国の国力は量ではなく質で測られるのです。
 
残念ながら今のままでは、中国でもインドでも、アジアが豊かになったら、日本人と同じようにフランスやイタリアの製品を買い始めます。そうではなくて、最高級品は日本、という分野を増やさなくては。化粧品はかなりそのあたりができている。日本人の肌に向いているものはアジア人にも向いているということがあるからですが。同じように水だとか、ワインに日本酒にお米に野菜に果物に内そして装飾一門服飾雑貨についても、日本製品は世界最高だと・車がやってきたのと同じようにアジアの金持ちに言わせることができる力そこが本当に命をかけてやるべき競争なのです。
 
 デフレの正体第2講をほぼまるまるコピペしてしまいましたが、この講が第11講+補講の中で最も面白かった部分です。
 
私も、このブログにて嫌韓・反中国を書かせていただいています。日本が、中国・韓国から膨大な黒字を稼いでいることは認識し理解しています。
 
日本という国は予定調和説によって神より祝福されてているのではないかと思うことがあります。米国から膨大な貿易黒字を問題視され円高となり競争力を失うかに見えたが、新興国に工場を移し、新興国より輸出させ、日本は新興国より貿易黒字を稼ぐ構造に、確固たる国家戦略なしに国の経済構造が変化したことだ。
 
日本は今最悪な状態じゃないかと、誰しも思うかもしれないが、橋本~小渕政権にかけて行われた自民党政権の公共投資や失われた10年は結果として間違ってはいない。バランスシート不況下適切な政策であった。工場が海外へ移転するのも結果として悪くはなかった。問題なのは人口動態の流れによって、生産人口が減少し、老人が増加するこの根本的な構造から考えれば、日本は最悪ではないということだろう。
 
毎度罵倒するが、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンには藻谷氏が指摘する日本の人口動態などまったく考慮に入れていない。クルーグマンが言うよう、もし日本が安易にインフレターゲット政策を行っていたら、日本経済はもっと惨憺たる状態になっていたに違いありません。日銀の懸命なる政策に感謝せざるをえない。
 
日本が今人口減少社会に突入したのは、20~30年後世界的に食料や資源が減少した際に発生する絶対額の不足に対して、人口が少ない国家が生き残るのに有利となる為の布石なのだと私は考える次第です。
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世界中から莫大な金利配当を稼ぐ日本
それにしても、そんなに稼いでいるという黒字はどこに行っているのでしょうか。実感がないのも当然、多くは輸出企業と、そういう企業の株主になっているような高齢富裕層の財布に集中しておりまして、庶民の懐には無関係のまま海外に再投資されています。ところがそれがまた外国から金利配当を呼んで来ます。

外国から稼ぐ金利配当が、外国に支払う金利配当を超えた分を所得黒字といいます。この所得黒字はバブルの頃は3兆円程度でした。それが07年は16.3兆円と、5倍以上に増えたのです。世界不況が始まった08年の確定値も15.8兆円と、3%の微減にとどまりました。より不況の深まった09年になると、さすがに13兆円にまで低下しましたが、それでもバブル期の水準の4倍以上でありまして、05年以前の各年の実績を上回っています。我々庶民には実感しにくいのですが、世界から見れば日本は、モノを売りつけるだけでなく金利配当も大量にむしりとっていく、商売上手の金貸しなのです。

「おいおい、日本の公共部門の莫大な赤字と、1000兆円ともいう国と地方の長期債務の話はどこに消えてしまったんだ?」とご不審の方もいらっしゃいますよね。確かに日本政府は単体としては世界最大の借金王だと聞きます。ですが日本政府の国債を買っているのはほとんどが、1400兆円の金融資産を持っているという日本人個人と、日本企業なのです。

利率が低すぎて、外国からの投資は低調です。ということで日本政府が払っている年間5兆円台の金利の受取人も日本人と日本企業ですから、国全体の対外収支には影響しません。そして日本人と日本企業は、それでも残った貯金を外国に貸したり出資したりして、前述のように最近は毎年10兆円を超える金利配当収入を得ているわけです。

この所得黒字に貿易黒字を合わせて、日本人の海外旅行などから発生するサービス赤字や海外援助金などを引いたものが、最終的に手元に残る経常収支黒字ですが、これも07年には25兆円で史上最高でした。バブル期の90年には6兆円でしたから4倍増です。08年になると世界不況の影響で16兆円少々まで落ち込みましたが、それでも03年以前のどの年よりも大きい数字でした。09年も90年の2倍以上の22兆円を記録しています。今後も世界景気が回復すれば増えることは間違いないでしょう。

01~08年の8年間だけで、累計138兆円の経常収支黒字が日本に流れ込みました。

国内の1年間の小売販売額(モノの売上の合計)に匹敵する数字です。実際にそれだけの額を貢いだ外国にしてみれぱ、「俺たちからそれだけ儲けて、不況だなんてよく言うよ」という思いかもしれません。
いや外国は日本が一人勝ちしているなんて、知るわけが無い。よほどのインテリジェンスオフィサーじゃないと日本の実情はわかっていないだろう。なにせ殆どの日本人も、この事実に気がついていない。日本といえば政治が無能で、世界No1の経済大国から滑り落ち、衰退し続ける哀れな国だとしか思っていない。
 
中国が栄えれば栄えるほど儲かる日本
・…と、何だか調子のいいことばかりお話ししているように聞こえますでしょうか。実際には中国以下、アジアの台頭で、日本の国際競争力は年々脅かされているのでは?
そこで第三問です。「洞爺湖サミット」と言いますともう大昔みたいな感じですけれども、その洞爺湖サミットに集まった拡大G8諸国一中国、ロシア、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア)の中で、同年に日本に対して貿易黒字だった国は三つです。一つは資源国のカナダでしたが、残りの二つはどこでしょう。

厳しい国際競争にさらされているこの国なのに、日本はどの国から儲けてどの国に貢いでいるかを確認している人は非常に少ないのです。たとえばとても多くの方が、日中貿易は日本の赤字だと決め付けています。ところが08年の日中の貿易収支は、日本が2.6兆円の黒字でした。07年も日本が2.7兆円の黒字で、不況になってもほとんど変わっていません。ちなみに08年の対米貿易黒字は6.3兆円でしたから、中国もアメリカの4割程度の規模で日本の黒字に貢献している
わけです。
 
一言注釈すると、この数字は対中国と対香港の合計です。三角貿易とはこのことなのでしょうか、日本の対中輸出は香港経由が多いのに、中国は日本に直接輸出しています。香港を忘れて日本と中国の数字だけ見ると、日本の方が赤字に見えますが、日本の対中赤字よりも対香港の黒字の方がずっと多いのでご注意ください。
 
ちなみに02年以前は日本の対中貿易黒字はまだ数千億円程度でした。ところが今世紀の中国の経済成長に伴って、日本が中国から稼ぐ黒字は2兆円を超えるところまでぐんぐん伸びてきたわけです。あいにく世界同時不況で中国経済も打撃を受けましたので、09年の日本の対中貿易黒字は一兆円台に落ち込みそうですが、これは中国経済が不況になったからであって、日本の競争力が落ちたからではありません。彼らが成長軌道に戻る今後は、当面また日本の対中黒字も増えます。
 
困ったことに「自虐史観」ならぬ「自虐経済観」とでも申しましょうか、最近国内では、「中国の繁栄は日本の敗北だ」と数字もチェックせずに思い込んで被害妄想になって、声高に「中国は早晩ダメになるぞ」とか、逆に「中国のおかげで日本が没落する」とか騒ぐ向きがあります。「自虐史観は許さない」と威張っているネット右翼の連中が、先頭を切ってそうだったりするので困ります。

でも違います。
現実には中国が繋栄すればするほど、日本製品が売れて日本が儲かるのです。中国経済がクラッシュすれば、お得意さんを失う日本経済にはそれこそ100年に一度の大打撃です。
 
「そんな余裕をこいたことを言っているが、中国が発展すれば、モノづくりの競争力でもいずれ日本を抜くだろう。GDPも今年は中国に抜かれるではないか」と、そのようにお考えの方。本当にそうですかね。いかなる根拠からそうお考えでしょうか。もちろん、GDPの合計額に関しては中国が日本を抜くでしょう、向こうの方が人口が10倍以上も多い国なのだから。日本の方がまだGDPが大きいという現状は、つまり一人当たりGDPに日中で10倍以上も差がついているということです。なんとか中国が発展を続け、一人当たりGDPの差がだんだん詰まってくれば、それどころか現実にはなかなか無理でしょうが今のシンガポールのように日本と同等になるようなことでもあった日には、今のシンガポールにおけるのと同等に日本製品が売れて、日本経済は史上最高の繁栄を迎えることになるのですけれども。
 
実際問題、人口の八割弱が華人で、いわば中国の進化型と言ってよいシンガポールでは、車の過半数は日本製ですし、機械に食品、マンガなども大いに売れています。人口は中国の0.3%なのに、ここから日本に流れ込む経常黒字は年問二兆円超と、中国十香港からの黒字に近い水準にまで達しています。中国がシンガポールのような発展にちょっと向かうだけで、日本からの輸出が増えるだけでなく中国に投資した日本企業ももっと儲かり、日本の所得黒字もさらに増えます。
「シンガポールがどうした。中国はシンガポールとは違って何でも自国で作れるようになるぞ。日本の製造業の先行きは暗い」とお考えの方。これまた本当にそうなるのでしょうか。

それではお聞きしますが、製造業の分野では中国よりもよほど先に行って、世界に通じる高品質のハイテク製品を作れている韓国や台湾と、日本との貿易は、どちらが黒字なのでしょう。
中国経済がクラッシュするのは時間の問題です。
 
『中国の経済専門家たちが語るほんとうに危ない!中国経済 石平/著(海竜社)』を読む その1  その2 その3 その4
 
不動産市場の暴落や、農作物への投機を原因とするインフレが再燃し、都市部での低所得者層は耐えられなくなってきており、社会不安が深刻化する。
 
デフレの基本構造が人口動態による構造的不況との藻谷氏の学説が正しければ、中国や韓国もあと数年のうちに日本と同じ苦境を味わいはじめることになる。
 
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