日本株は「落ちるナイフ」、打診買いはあくまで半身姿勢
【ロイター】2014年 10月 14日 16:33 JST
[東京 14日 ロイター] - グローバルな相場調整が続いている。ドル/円JPY=は107円台で下げ渋っているが、日経平均.N225は1万5000円を割り込んでも反発力は弱い。日本株には割安感を指摘する声も増えてきているが、下方向に勢いが付いている、いわゆる「落ちるナイフ」の状態だ。とはいえ・・・
打診買いはあくまで半身姿勢であり、腰の入った動きはみられないという。
<日本株、8月以降の上昇分を帳消し>
日経平均は9月25日の年初来高値1万6374円から約2週間半で約1400円(8%強)下落というハイスピードの下落をみせている。1万5000円を割り込み、8月上旬から1か月半かけて上昇した分をほぼ帳消しにした。
「落ちるナイフはつかむな」という相場格言がある。たとえバリュエーションで割安とみても、株価下落に勢いが付いている場合、モメンタムに逆らうとやけどするという意味だ。今の日本株はまさにそうした状態にある。日本株の割安感を指摘する声は、株価下落にともない増えているが、積極的な買いは鈍い。
ニッセイ基礎研究所・金融研究部主任研究員の井出真吾氏は「足元の日経平均のPER(株価収益率)は約14倍。今年の相場展開をみると、1月や4月の下落局面では14倍付近で下げ渋った。年末の一株利益は1150円付近に上昇、PERも政策期待で15倍台を回復するとみており、日経平均は1万7500円を目指す予想に変わりない」との見方を示す。
だが、日経平均は節目の1万5000円を割り込んでも、反発の勢いは鈍い。14日の市場では一時大台を回復したものの、後場には再び水面下に沈んでしまった。「ボラティリティが高くなり、下方向のモメンタムも消えたわけではない。海外勢や国内勢から打診買いが入っているが、あくまで投資姿勢は『半身』であり、腰が入った買いではない。下落が始まれば、すぐに売りに転じるだろう」(大手証券の株式トレーダー)という。
<底堅いドル/円が「救い」>
日本株の「救い」はドル/円が107円台をキープしてくれていることだろう。
8月上旬の102円台から110円に上昇したあと、調整に入っているが、3分の1押しの水準にもまだ達していない。「107円台を維持してくれれば、為替差益だけでも10%程度の増益が期待できる」(国内証券ストラテジスト)との見方は多い。
クレディ・アグリコル銀行の外国為替部エクゼクティブ・ディレクター、斎藤裕司氏は「11月末決算を控えた米系ファンド勢などが解約に備えてポジションを整理していた。明日の『45日ルール』最終日を通過すれば、ファンダメンタルズに沿った動きになりやすい」と指摘。ドル調整は一服するとみている。
14日の外為市場では、朝方に海外勢の間では株売り/円買い戻しの流れが強まったものの、連休明けの実需勢や個人投資家など、本邦勢の買いが入り、下げ渋った。調整に入る前のドル上昇に付いていけてなかった実需筋や投資家からのドル買い意欲が強いという。
ただ、投機筋のドル売りにはまだ余力が残っている可能性もある。 米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(10月7日までの週)によると、投機筋のドル買い越しが昨年5月以来の高水準となった。
円売り越しも依然として11万2551枚と多い。市場心理が一段と悪化すれば、ドル売り/円買いが再加速してもおかしくない。
<高まらない政策期待>
市場心理がなかなか落ち着きを取り戻せないのは、世界景気の減速懸念もあるが、政策期待が高まらないこともネガティブに働いているという。「日米欧の金融当局で意見の相違が目立つ。これでは政策期待は高まらない」(りそな銀行・総合資金部チーフストラテジストの高梨彰氏)。
米連邦準備理事会(FRB)は利上げをめぐって意見が分かれており、欧州中央銀行(ECB)による米国型の量的緩和策に関しても、ドイツなどの反対が目立つ。日本では円安に対する見方でアベノミクス当局者間で温度差が出てきた。
シティグループ証券・チーフエコノミストの村嶋帰一氏は、特に日本で政策の「手詰まり感」が強いと指摘する。「消費税の影響で国内景気は鈍化。しかし、消費再増税の判断が待ち受けるなかで、財政支出もしにくい。円安の弊害も指摘され、金融緩和も難しくなってきた。政策的な自由度は低下している」という。
日本株に割安感は出ているとしても、下値での買いが鈍く株価の下落が止まらないのは、円安以外の買い材料が乏しいことを示していると言えそうだ。デフレは解消され、実質金利は低下してきたが、世界経済は減速、国内は消費税の影響で需要が伸びず、投資先が乏しい。円安でも輸出は伸びていない。公的資金の買いなど需給対策があったしても一時的な効果にすぎない。成長戦略はまだ道半ばだ。
別名「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数は、2012年6月以来の24ポイント台に上昇してきた。日本株には新規のショートポジションも増えているとみられ、いったん買い戻しでリバウンドする可能性もある。
しかし、ボラティティが高いままでは、計算上のリスク量が高くなり、長期投資家も本腰を入れて買いには動けない。グローバル市場の不安定さが強まる中で、日本株市場もしばらく「荒れ模様」が続きそうだ。
(伊賀大記 編集:田巻一彦)
今晩もNYが下落しているようだ。毎年秋口になると大きく下落する局面がある。もしかしてこのまま相場は終わるんじゃないかとか不安になるのだが・・・気がつくと大抵ソコが底になる。
上記チャートはSP500のチャート(灰色)を分解したものだ。緑色は5月~10月までの上昇率を繋げたもの、紺色は11月~4月の上昇率を繋げたものです。結局秋口の下げ局面で買うと儲かったというチャートです。
ヘッジファンドは今年前半で米国金利の読みちがえで損失したマネーの取り返しの為に一気の先物大量売りでこの損失を取り返しにチャレンジしいるようだ。今回の調整は、これからの米国景気が悪化する理由での売りではない為ヘッジファンドの11月決算がすぎればドルと株は急速に戻す可能性が高い。この下げは買いのチャンスであると思う。
3-4月頃投機的な欧州の投機的ヘッジファンドが世界の市場から退散したとか噂があった。FRBは米国のヘッジファンドがテーパリング終了時と利上げ開始時に売りを浴びさせないように、規制を行い資金の蛇口を絞めていた・・・にもかかわらず、ヘッジファンドはこの秋も暴れてしまったようだ。まるで、日本を襲った台風18-19号のように。
今年2月、米FRBの議長が交代した時点でイエレン新議長は記者会見でQE政策の終了の今年10月以降6ヵ月以内に米国は利上げするともらしてしまったことから、米国の長期金利は一気に3%台に上昇し、これが米国の金利上昇の早期上昇論に拍
車をかけた。この議長の発言で米国の金融市場では2015年3月には利上げが実施されると
いうのが一般論であった。そこで一部のマクロ系のヘッジファンドは米国は金利が急上昇するとの見方に傾き、彼らのマネーを来年3-4月に上昇するとの見方に傾ける行動をとった。ところが、米国経済は回復が進んだもののご今年の年初から世界経済、特に欧州と新興諸国の景気は下降局面にあった。今年の春のG20の場でも米国の利上げは世界経済を 「奈落の底へとひきずり込むもの」として、米国の利上げは欧州・新興国中心に大反対が生れてしまった。世界の金融世論もそうした流れに加わった。彼ら投機筋の思わくはもののみごとにはずれて彼らは大損をしてしまった。欧州を中心とする投機的ヘッジファンドが4-5月にかけて閉店したことからヘッジファンドは牙を抜かれたものと思っていた。もちろん今年秋の調整は無いであろうと思っていた。
ところがグローバル系のヘッジファンド勢はこんなことで死ぬほど弱くはなかった。ゴキブリのようなたくましさである。今年は年初以来世界的に経済の変化が少なかった年であったが7-8月頃から世界の政治経済は急変した。米国株の調整、欧州景気の悪化の拡大、商品市況の下落、そして日本においても円安是非論とか日本景気の失速懸念、さらには欧州の景気がデフレに陥り量的緩和が必至、加えてウクライナを中心とする地政学リスクの一段拡大化など世界経済・政治などで数え切れないほどの不安が生れ、どれーつをとってみても投機的なヘッジファンドの大きな材料になる与件が生れてきた。
今年前半、米長期金利が先行き上昇すると読みまちがえた借りを返す時が近づいてきた。ドルの売買いは7-8月後半にかけて機関投資家による実需の売買が
うすくなっていた頃合いをみて一気にドル高にかたむけた取引きで利益をあげている。
今年の株と為替相場は、前半欧州の投機的ヘッジファンドが市場から去ったことから、投機的ヘッジファンドの苦手な金利の読みちかいで死んだかに思われたのが、復活してきたため今後も安心感は保てない相場になってくるであろう。年末から来年も必ず一矢を報いたいとねらってくる。要注意である。失った利益は必ず取返すというのが彼らの基本方針である。
ただ今回の金利の先行きの読みちがえでも「次の相場がこう動く」との戦略が画けないと今年6-7月までドル円相場が1ドル=101-103円の膠着相場を維持することはできない。彼らの頭の中には前半戦でおとなしくしていた分12月の前半までに今の米景気の弱気感がふっとびそうな景気の想定のもとに投機的行動に動いている。そこでヘッジファンドは儲けて今年もめでたしめでたしとなるのではないかと見ている。
米国の景気が現状市場でウワサされている世界景気の落ち込みをみているのでは
なく、自力で景気が改善するだろう。
来年の米経済は今年初めに言われていた「米国景気は実体景気の改善がすすみ自力で世界経済を引っぱっていくような自力回復型の景気拡大」に突入しそうである。今年新春に夢みた1年遅れの自力回復が進展している。現状、米政府が流す米国景気の先行きに対する経済の不安見通しは、景気実体ではドル高があまりにも早く進み、株高が急ピッチで高まり、来年の早い段階で米経済はインフレ化の方向にすすんでしまうのではないかという不安感が政府内で強まってきているからである。こうした不安をおさえるために政府自らの流した作為的なウワサである。この流れをヘッジファンドがうまく利用した今回のドル高・株安であった。かといって米国はデフレ化が進んでしまうと困るという、いまはデフレとインフレの岐路にさしかかっている時である。
欧州の景気実体は弱い状況になってきたし、中国とロシア経済も年々弱まりを増してきている。5年後の姿がえがけない状況になっている。両国からのドルの流出が激しさを増してきている。欧州の景気落ち込みは深刻で3-4年間は出ロがみえない状況となってきた。この様な時に米国で利上げが始まると今までの世界のマネーの構図が崩れ世界経済はデフレ経済におちいり長期不況(デフレ経済)に突入してしまう。
もう世界経済にはデフレを建て直すだけの財力はない。欧州が金融政策をデフレ対応策に変更しようとしている時、さらに日本経済がデフレ経済からの脱出宣言ができない中で、新興国諸国から資金が流出し米国への流入が続いている時に米国が利上げに突入すればこの状態は一段と加速する。
以上のことを考えると、米国の利上げは遅く角度も緩やかにせざるをえない。米国の実体景気は自己の力で回復する力がついてきた。
今回の株価の下落は米国の政府寄りのIMF(国際通貨基金)までもが米国の景気見通しに協力して世界の経済成長の見通しを下げたこともあってやや作為的な面も考えられるが、米国ではFRB関係者もバーナンキ前FRB議長も米国はバブルではなく、これから傾くとすればデフレの方に注意していく必要があるとしている。イエレン議長も米国は、少々インフレ化の経済の中にいた方がよさそうだとしている。そして2016年には国策である「輸出大国」を形成したいと言っている。
来年、米政府はG20の要望を取り入れてドル高のピッチを今年よりは低いものにし、実体景気の改善で株価は進んでいこう。この下げは日本優良株の買いのチャンスである。14500円が下値というが・・・落ちるナイフが落ちるところまで見るしかない。
日本株が下げ止まりは米国が下げ止まらないと終わらない。
執筆中




















